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「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ
(画像掲示板より.元出典不明)
「kojii.net」■(2010/07/05)ブラン ニューの重み
>最近のウェポン・システム開発を見てみると……
「kojii.net」■(2011/02/07)部分最適化 ≠ 全体最適化
「kojii.net」■(2012/04/23 06:42)過去の歴史や経験があって今がある
> 現時点で「完成された安全パイ」と見なされている機体が,最初から
>何のトラブルもスケジュール遅延も予算超過もなく「完成された安全パイ」の
>域に達したわけではない.
> 「完成された安全パイ」になった後で,その前の苦労や失敗がきれい
>さっぱり忘れ去られただけ.
「textlib @ ウィキ」◆(2011/06/15)自社開発と引き抜き・買収の異なるメリット・デメリット
【質問 kérdés】
PPBSって何?
【回答 válasz】
2014年1月,アメリカのシンクタンク・ランド研究所はF-35開発について各軍共用ではなく,各軍が独自で機体を開発していたら開発コストも節減していたというレポートを発表しました.
Contractors Dispute F-35 Cost Report - Democratic Underground
航空宇宙ビジネス短信・T2 軍事航空,ISR,無人機,安全保障,最新技術: そもそもF-35の開発思想に誤りがあったのかーーーー同機はウェポンシステムとして失敗作なのか
地上基地に離着陸する空軍と空母からの離着艦する海軍,強襲揚陸艦と地上部隊の駐屯地からの離着陸・艦する海兵隊では運用も違いますから,どうしたって単一の機体の共用はかなり無理があったのは確かです.
その意味ではF-35は「開発の経緯では」失敗作だったと言えます.
そもそも各軍共用の機体の開発という背景には,ケネディ政権時代の米国防長官だったロバート・マクナマラ氏(故人)の戦略理論の影響があります.
ロバート・マクナマラ - Wikipedia
マクナマラ氏の理論の基本はPPBS(効用計算予算運用法)というもので,これは一言で言えば「軍事面での必要性とコストから国防政策を策定する」というもの.
実際効果のあった政策もありましたが,一方で後に禍根を残した政策も多数ありました.
例えば空軍の次期主力戦闘爆撃機計画と海軍の艦隊防空戦闘機計画を無理矢理統合し,開発した機体がF-111でした.
空軍では採用され,F-111はその運動性から長らく運用され,EF-111のようなスタンド・オフ・ジャミングとエスコートジャミングも可能な電子戦機に改修された派生型も登場しました.
しかし海軍では重量が重すぎて結局不採用.
まさに骨折り損の草臥れ儲けでした.
ただ,それでももともと艦上戦闘機だったF-4ファントムⅡを空軍の戦闘機にも導入した点は大成功であり,世界各国の空軍にも輸出され,我が国の空自でも採用されたのは御存知の通り.
F-4はもともと加速性もあり,空軍でも抵抗感のない機体でしたので,採用されて当然でした.
ところがこのF-4の成功に味をしめてしまった国防総省は,VTOL機能すらも統合してしまおうとしたのがF-35計画でした.
そしてその結果が現在のF-35開発の惨状.
F-35のように何でもかんでも統一すると,結局はF-111と同じような事になってしまいます.
このように開発コストと運用コストの削減のために各軍共用にしてしまうと,かえってコストを上げてしまい,逆効果になってしまう事もあります.
歴史に「もしも」という言葉はありませんが,JSF計画では海軍のF-35Cを先に開発し,そのF-35Cの機体を元に空軍のF-35Aを開発,そして海兵隊用のF-35Bを開発するか,もしくはF-35に敗れたボーイングのX-32を導入すべきだったのではないか,
そしてF-35とX-32の部品をある程度まで共用できるようにすべきだったのではないかと思います.
F-35の一件で,おそらく各軍共用の戦闘機開発は今後行われないかも知れません.
現在F/A-XXのコンセプトではボーイングが提案していますが,このF/A-XXがF/A-18E/Fの後継に成り得ても,F-22の後継にはなりえない可能性があります.
ただ,これは我が国にとっては朗報かも知れません.
コスト面で必要ないからと,輸出禁止のままF-22の生産中止されてしまい,F-35までの選定で散々振り回された事を考えると,F-15導入のように短期間ですっきりと調達出来る機体が登場する可能性が出てきました.
さらに,国際共同開発が日米を含む世界の主流となれば,現在F-2の後継とされる将来戦闘機の開発にも大きな影響を及ぼす可能性はあります.
飛行機ちゃんねる : 防衛省技術研究本部,次世代戦闘機基本構想「23DMU」「24DMU」防衛技術座談会にて発表.中国紙「南寧晩報」が欠点を分析
この23DMUや24DMUのどちらかが,日米共同開発でF-22の後継になる可能性もあります.
まぁ,アメリカ側が「マクナマラの戦略理論の終焉」をちゃんと理解していればの話ですが・・・.
ねらっずーり in mixi, 2014年01月12日
青文字:加筆改修部分
【質問】
スパイラル開発って何?
【回答】
スパイラル開発というのはシステム開発なんかで出て来る用語.
要はすぐに成果を出せそうなところを先に作っちゃって,ユーザーに渡してその評価をもとに,お金をさらに引き出して開発を続行していくやり方.
プロジェクト全体があまりに壮大で,正直今の基礎技術レベルではどうだか分からんけど,ともかく大風呂敷を広げてすぐできそうなのとごたまぜにしておき,プロジェクトが進行しているように見せかけるのにも使える.
つまり,ある意味抱き合わせ販売みたいな側面もある.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ハリウッド効果って?
【回答】
兵器のテストなどをするときに,見学に来るおえらいさんに喜んでもらい,予算を気前よく出してもらうために見端を良くする工夫をすることがあります.
対戦車ミサイルなら戦車の中に装薬詰め込んで砲塔ふっ飛ばすとか,
誘導爆弾なら目標にガソリンタンク仕込んで派手な火炎上げるとか.
このようなやらせの演出をハリウッド効果と呼ぶことがあります.
最近は自粛気味と聞いています.
【質問】
「昨今のものは兵器一つ買うにしても,ものすごく高い」のは何故ですか?
テクノロジーの進歩だというのなら,生産技術の進歩も同時に進んでいるから,価格は抑えられるか,むしろ安くなると思うのですが.
【回答】
電化製品だって新商品,しかも最新技術を使ったものは高いでしょう.
兵器は基本的に,常に最新技術をつっこみまくり,一般商品に比べて小数生産(万単位で作られるなんて銃ぐらい),案外民間技術に転用が利かない,ほとんど手作業で作ってる,などコストダウンに結びつかない要因が多すぎるから.
確かに技術の進歩でコストが下がる,ていうのはある.
でも,兵器の場合,高度で複雑な兵器を,コストが劇的に下がるほど大量生産して大量に装備するってことはもうなくなってしまったので.
あと,普通の工業製品と違い,兵器は「作れば作るほど売れる」なんて品目が限られる.
いくらなんでもステルス戦闘機が毎月飛ぶように売れたりはしない.
なので実のところ,生産技術はあまり進歩しておらず,戦闘機や戦車は今でも,人が手で組み立ていて,機械化や自動化がほとんどされていない.オートメーション化が必要なほど作らないので.
【質問】
なぜ兵器開発が迷走することがあるの?
【回答】
簡単にいえば情勢と技術の変化に,兵器開発のテンポが付いていけないのが悪い.
現代兵器はシステムをさらに組み上げたシステムという構造なので,複雑怪奇相互干渉,まともに動かせるまでにえらい時間がかかるのが最大の原因.
そのために,開発開始時と兵器に対する要求が変わってきてしまい,後付けで別機能を要求したり,要らない機能が出てきたり.また,技術の進歩が早く,しかし完全には予想できないため,開発開始時よりもずっと安くて良いパーツが登場して,それを組み込もうとしてみたり,逆にその頃にはこれぐらいできてるだろう,という技術が実は全然できてなかったり,
それやこれやで開発期間が延びる=単価が上がる=そのままでは取得数が少なくなって足りない,
となると,そのために作りやら工程やらいじる必要が出てみたり,高機能化してカバーしようとして,また開発地獄に逆戻りしたりと・・・
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
凄く基本的な質問なんですが,世傑などの書籍を読むと,必ずと言っていいほど
「開発費がかさんで調達数が減らされた」
と書いてあるんですが,インフレ等で開発費が上がる事を,軍及びメーカーは見込んで見積もりを出したりしないものなんでしょうか?
【回答】
基本的にしません.
というか,「開発費が予定より嵩む理由」は,インフレとかではなく,
「予定した予算では要求される性能が達成できない」
というのがほとんどだからです.
そして
「要求した予算では開発費が収まらない事を考慮して,多めに見積もる」
という行為は,公的機関及び公的機関に委託された組織が行うと,「水増請求」という犯罪行為です.
予算というのは「必要最小限且つ最低限」にしか認められないものですし,またそうあらねばなりません.国民から強制的に徴収した大切なものなのですから.
・・・日本で生活していると,とてもそうだとは思えない事例が多々ありますが(頭痛
【質問】
過去の大不況などで,既に起工してたけど予算が確保できなくなって,廃棄された計画艦,などと言ったものはあったりするのでしょうか?
そういった実例があったら教えてください.
【回答】
第一次大戦のフランスの超弩級艦Normandie級は1隻を除いて,第一次大戦で資材も予算も不足していたので建造中止.
同型艦でギリシャ向けの輸出戦艦はSavoieとなりましたが,これも資材不足で中止.
イタリアの戦艦Francesco Caracciolo級も,資材と予算,特に第一次大戦が終了して不景気となった為,予算不足で建造中止になっています.
後,南米各国とかギリシャとかトルコなどと言った国々の戦艦も,屡々経済状況であるいはフランスで建造中のものの様に売却されたり,ギリシャがドイツで建造していた戦艦のように,第一次大戦後の対トルコ戦争で,戦費がかさんだ為に建造が中止になったりして,会社との間で裁判になったりと結構,こういったケースは枚挙の暇に事欠かなかったりします.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
兵器の居住性って本当に仕様要求に入ったりしてるんですか?
居住性が低いと問題はあるんですか?
(兵にストレスが溜まるのは分かりますが)
【回答】
もちろん入ってます.
戦闘ってのはほとんどの時間は待機や移動であり,そこに短時間だが熾烈な戦闘行為が入ってくるもの.
居住性が悪かったら,本番で実力を発揮できません.
ストレスとか言う問題ではなく,砂漠の炎天下を密閉した戦車の中で蒸し焼きになり,えらい騒音と震動で身体ガクガクになった状態で,遠方の敵戦車をいち早く発見し,精確な第1弾を送り込むってのは期待できないでしょ,ってこと.
あるいは,高々度から爆撃は良いけど,さむくってジャケット着込みまくっても手がかじかみ,満足に爆撃照準器も調整できない状態だと困るでしょ,ってこと.
兵士の状態が半人前になってしまうとしたら倍の軍隊,倍の装備,倍の兵站が必要になるから,
少々高くついても一人前に働いてもらえる方が良い.
【質問】
「Su-47ベルクトはスホイのプライベート・ベンチャーで開発された」
なんてのを読んだのですが,「プライベート・ベンチャー」ってのは技術者が自腹で(資金調達して)趣味で作ったということですか?
【回答】
政府や軍の予算が付かず,買ってもらえる保証がない状態で企業が自己資金で開発するものを,プライベート・ベンチャーといいます.
最近だとプレデターUAVの開発なんかが有名.
軍事板
最も成功したプライベート・ベンチャーの例
つ T-38タロン/F-5フリーダムファイター
新所沢の三等兵◆Uk in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
【質問】
よく聞くコピーの兵器は,そう簡単に出来るものなのですか?
【回答】
作りたいモノに関する技術レベルに依ります.
例えば,戦闘機など飛行機は,一般的に言って,航空機工業が出来ないといけませんし,最近の機体は,電子機器が相当ブラックボックス化していますので,機体はコピーできても,同一性能にはなりません.
小銃程度なら,それほど機構が複雑ではないので,一般的に言って,或程度の工業力を持つ国ならコピーはそんなに難しいモノではありません.
よく中国がソ連戦闘機をコピーしているとされますが,元々,MiG-21Fは最初,きちんと図面を貰っています.
後の技術指導が中ソ対立の影響で,されなかったので独自技術を作ったり,他の国に供与されたものを見せて貰ったりしている訳で,単純なコピーをしたと言う訳ではありません.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2006/02/20(月)
青文字:加筆改修部分
また,ライセンス品(場合によっては製品の図面だけでなく,治具まで教えてもらう)とリバースエンジニアリングは要求される技術がまるで違います.
完璧な図面セットをもらっても,それを正確に作るために必要な治具などがなければ作業は進みません.
治具の具体的な図面に仕様手順までもらっても,治具の精度が低い,工場の床の平面,水平が取れていない,作業者がいい加減,などの事情があればやはりまともな製品は作れません.
ロシア製戦車のライセンスを買いながら,まともな戦車を作れなかったインド,スホーイのライセンスを買いながらまともな戦闘機を作れない中国など,失敗例はいくらでもあります.
戦後の自衛隊ではM4戦車の延命のために,まったくその通りに製造するつもりでエンジンの図面をアメリカからもらいましたが,インチで書かれた図面をメートル法に換算して寸法公差を入れた所,換算の誤差分を寸法公差に加えるのを忘れるミスを犯し,その上国産のオイルの性能が低かったために良く故障を起こし,結果的に自衛隊の戦車兵の中にはM4のエンジンは戦時中の国産エンジンより信頼性が低いと言う誤解が広まりました.
逆に言えば戦車用のエンジンを作る技術を持った国が他国の図面を手に入れても,生産能力や工業製品の精度以外の部分で不具合を発生することもあります.
リバースエンジニアリングにしろライセンス品にしろ,自分達で設計したのでは無い物を製造する経験値が要求されます.
まして,入手した兵器を元に図面を作り,作業手順を考えて作るのは大変な作業です.
小火器クラスですら満足いく品質,收率を得るには,常識的に言ってかなりの産業技術基盤が必要でしょう.
軍事板,2006/02/20(月)
青文字:加筆改修部分
【質問】
パチモンのはずなのに,オリジナルの兵器以上に活躍してしまったり,オリジナル以上の性能を出してしまった兵器って何かありませんか?
【回答】
パンター,RPG,AK,Mig-15……
軍事板
青文字:加筆改修部分
たとえばMiG-15は機体構造は,WW2ドイツのTa-183の真似と言われている.
エンジンは英のミーティア戦闘機にも使われていた,ロールスロイス製の遠心式ジェットエンジンのコピー.
軍事板
青文字:加筆改修部分
……と,みんな言っているわけですが,
http://ja.wikipedia.org/wiki/Ta_183_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)
>しかし,この俗説(MiG-15はTa-183のコピー,という説)については,
>有名なロシアの航空歴史家Yefim Gordon氏によって否定されており,
>実際には両機の関係性はまったくない。
という話もあり,本サイト的には今のところ,真偽不明と言うしか.
活躍した(?)パチモン兵器
faq07gn02b.jpgへのリンク
faq07gn02.jpgへのリンク
(うそ)
(画像掲示板より引用)
【質問】
リバースエンジニアリングを行われることで,どる程度〔原文ママ〕国防が損なわれるものでしょうか?
フルスペックで売る→解析され,その技術を日本を仮想敵国としてみている国に渡った場合,対抗策と可能ならば自国の兵器に技術を反映させることで強化され,日本としては利益は得たが脅威が増し国防に不安が,というのなら,それは本末転倒でしかないと思うのです.
国産兵器とは,自国の防衛のために開発されるのが本分ですし.
その為,日本は自国兵器の性能詳細を開示することでのデメリットを受け入れれるのか?と.
フルスペックで売らないまでも構造を解析することである程度の性能を推し量ることはできる.
だとしたら売らないことのメリットを選ぶのか?
それとも売って利益を得るのか?
日本国自衛隊としての性質上では,どちらを選ぶ方がそれらしいのかと疑問に思った次第です.
【回答】
そういう事例が過去に無いわけではないので,売る国はそれを承知で売る.
わざと性能を落したり,最初から輸出目的で機密のない部品で作ったり,などといった方法をとる.
てか,情報を漏らしそうな国や敵国には,最初から輸出しないし,たとえ自国であっても,情報漏洩のリスクは常に付きまとう.
結局「状況による」としか言えないねぇ.
たとえば,上に台湾が潜水艦を欲しているって書いたけど,潜水艦は機密の塊.
下手したら中国に情報が渡るリスクを考えれば,自衛隊のフネをそのまま輸出するのは,ちょっと気が引ける.
自衛隊の中古艦を輸出する場合でも,スクリューやら魚雷,電子機器系統などのバレちゃいけない部分は,そっくり別のものに置き換えるくらいはするだろうね.
つまり,情報漏えいのリスクを承知した上で,手を加えるべきところは改造するし,予算が潤沢なら自衛隊装備以外の,相手の国に合わせた装備を開発してもよい.
個別の状況で,売る利益のほうが大きいと判断した時だけ,そうするんじゃないかな.
また,リバースエンジニアリングっていっても万能じゃない.
金属がどのような組成で出来てるか?とかは分かるが,
「じゃあ,どの金属を何度でどの順番で混ぜ合わせるか?」
なんてことは分からん.
プログラムを解析してもソースコードは出てこないのと同じ.
昔の日本は,ドイツ製のエンジンや機銃をライセンス生産しても完全にコピーしきれなかったし.
90式の拘束セラミック複合装甲とか,他所の国でそう簡単にコピーして量産できるようなもんじゃないんだろうな.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
リバースエンジニアリングは,構造の複雑化が増した現代兵器では難しいのでしょうか?
兵器の基本構造は大体知られていますし,残りは模倣しづらい部分なので,参考にはなるけれども,コピーは難しい?
売る場合だと,重要部品は置き換えたり,ブラックボックス化したりすることで,ある程度は防げるとして,よっぽどの機密(潜水艦,基幹パーツなど)でもないと,過剰なほどに気にする必要でもない?
【回答】
難しいと言うより,少なくともその製品を生み出した国と同等の基礎技術を持たない国には,不可能ですよ.
中国は,Su-27等のロシア製戦闘機のコピーに躍起になっていますが,機体構造はともかく,電子機器とエンジンは未だに同等品を作れていません.
これがF-2などのような,複合材料をたくさん使ったものであったなら,機体構造材ですら,複製は出来ないでしょう.
また,APFSDSなどの徹甲弾,戦車の装甲材料に使われるの大型セラミック塊なども,かなり技術を要します.
セラミック技術は,たしか米国ですら持っていない技術だったと思います.
高張力鋼による耐圧潜殻の技術とかは日本の技術ですし.
90式戦車の装甲なんかも現在の技術で作ればかなりの重量軽減が見込めるとも聞きます.
いくら構造解析したとしてもそれを完全に複製できる技術を持たせるには,自国の基礎工業力が高くなければ出来ないって事っす.
どんなに単純な機械であっても,コピーはコピー元を上回ることが出来ません.
構造が複雑であろうとなかろうとこれは変わりません.
機関銃などは「単にばらして寸法測って,同じ部品作って組み上げればいい」と考えられがちだが,それでもコピー元の性能は越えられません.
大きく劣化します.
大戦中の日本がそれを証明しています.
B-29のデッドコピーである,ソ連製Tu-4(ツポレフ4)の例もそうです.
まして,ソフトの部分が大きくものをいう分野ではなおさらで,コピー自体が出来ないことが多いです.
だから,先進的兵器を輸出する国は,コピーは気にはしてるけど深刻に考えてはいません.
売らないと商売成り立たないし.
ただし複製品ができなくても,解析することにより相手に技術的ヒントを与えたり,相手の技術進歩を促してしまう可能性はゼロではないので,気をつけないと駄目です.
軍事板
青文字:加筆改修部分
「ソフトの部分が大きくものを言う分野では,コピー自体が難しい」
(画像掲示板より引用)
【質問】
韓国などはパーツを外国製に頼って,それを自国に集めて組み立ててるだけなのに,国産と言い張ってますよね?
そういうのでも国産という定義の範疇に入るんですか?
日本のF-2を国産っていう人がいるが,あれは国産には入らないと思ってる自分として,ちょっと腑に落ちない.
【回答】
純国産とはいえないけど,国産とは言える.
細かく言うと軍事でなく,経済の話になるけど,ノックダウン生産とかライセンス生産を国内で行うと,いちおう国産と言い張れる.
ふつうは,組み立て国とパーツの国産比率を出すべきなんだけどね.
それに今は,国産を定義することが困難になってきている
全ての部品が日本製なら,たぶんそれは国産と言ってもおかしくはないだろうが,そんなケースが現代にどれだけあるやら?
国産と言われるC-Xも,米製リベットの強度問題が起きたりと,使う所では外国部品も使ってる.
でもやっぱり,国産と呼ばれることは多い.
もうこれは感覚の域だが,主要コンポーネントを自国生産できているか?辺りが分かれ目になるのかね.
ライセンス国産っていう用語もあるし,とりあえずノックダウンでなければ.
軍事板
青文字:加筆改修部分
韓国国産(うそ)
(画像掲示板より引用)
【質問】
「ラ国」って何?
【回答】
(1)
「ライセンス国産」の略語.軍事板用語(?).
(2)
ラオス国の略称.
「ラオス国(以下,「ラ国」という)では5年毎に開催される第7回党大会において,……」
などといった具合に用いられる.
(3)
「ラーメン国技館」の略称.お台場のラーメンフードパークの別名.年中無休.営業時間11:00~23:00
(4)
Jリーグ入りを目指す長崎県雲仙市国見町のサッカー・チーム「ラチョリブレ国見」の略称.
メンバーには,かの高校サッカーの強豪,国見高校のOBが多数,名を連ねるが,茶道部や鉄道研究部,落語研究会だった連中ばかりで,2007年シーズンは15連敗中.
この前,V・ファーレン長崎ユースの小学生と試合して負け,涙ぐんだことで一躍有名に.
チームの合言葉は「ボールは友達っていうよりイジメっ子」
【質問】
「ライセンス国産」「ラ国」ってのは2ちゃん語なんだろ?
【回答】
ぐぐったら「ライセンス国産」は防衛庁も使ってたよ.
(資料9)我が国の防衛技術の分野別概況
まあ,「ラ国」という省略形のほうは2ちゃん語と言ってもいいんじゃないかな?
業界用語で同じものがあってもおかしくはないが.
(省略形は業界用語の一つのパターン)
▼ 【追記】
両方とも業界用語.
最初に聞いたのは某航空団だったか某補給処だったか,記憶にないが.
名無し in FAQ BBS,2010/1/22(金) 23:4
青文字:加筆改修部分
陸では「ライセンス国産」は使ったが,「ラ国」は使ったことが無い.
当方,一応はGMCCの統括部門の勤務経験があるので,そう変なことは言っていないと思う.
(陸各職種の調達部門との会議・調整でも聞いた経験が無い)
陸よりは海空の方がライセンス国産ものは多いはずなので,そっちでは使ってるのかもしれないが,そこまでは確認できないなぁ…
Cpt.hige,2010年02月01日 22:31
以前,空自のサイトに保有兵器のところに
「ラ国」
と表示されていたような気がしますが,気がするレベルですな~(汗
3年くらい前の空自F-Xスレで
「『ラ国』って何よ?」
的な話の流れで探してたような・・・
この時点ですでにライセンス国産ではなく,ラ国でしたな.
ナッシュ平蔵,2010年02月01日 23:57
業界用語つうか,2chから逆輸入されて業界用語になったちう可能性がなきにしもあらず.
メーカーのエンジニアで2chシラネって人間は,希少価値があるのではないかと.
ゆきかぜまる,2010年02月01日 22:28
▲
▼ google検索レベルでは,「ラ国」が業界用語である/ではないという,どちらの確たるソースも発見できなかったため,両論併記とする次第.▲
▼ 防衛省HPの
「第6回戦闘機の生産技術基盤の在り方に関する懇談会使用資料」,上から4番目のリンク「【資料1】中間取りまとめ案参考資料
」
http://www.mod.go.jp/j/delibe/sentouki/sonota/6th/01a.pdf
上記資料3ページ目の1番下
「(3)保有する戦闘機の概要」の表中,製造会社の項目に「ラ国」という記載があります.
さらに表外に(ラ国:ライセンス生産)という記載があります.
このことから,少なくとも戦闘機畑では「ラ国」という用語が使われているようです.
しろくま in FAQ BBS,2010/3/25(木) 23:21
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
兵器のライセンス生産とノックダウン生産の違いについて教えてください
【回答】
●ライセンス生産
生産する権利(ライセンス)を買って,生産そのものは国内のメーカーに生産させる.
ライセンスだけ買って電子機器は丸ごと輸入とか,電子機器だけは自前,とかいう場合も.
また相手が機体のライセンスは売るけどエンジンだけは丸ごと輸入しろ,とかそういうふうに条件をつけてくる場合も.
ちなみに2ch.軍事板では,ライセンス国産のことはしばしば「ラ国」と略記される.
●ノックダウン生産
製造メーカーから部品の状態で輸入して,国内の工場で組み立てる.
ライセンス生産ための準備段階として,製造技術蓄積の為に行われることが多い.
【質問】
兵器の原産国が,同盟国・友好国に対して兵器をライセンス生産することを認める場合,原産国としてはどの様な利益があるのでしょうか?
【回答】
・他国向けにラインを割かなくても良い.
・生産機材を売れる.
・相手国が自国で同種のものを製造できる場合,
下手に粘って自国製を製造されるよりライセンス料だけでも貰った方が得.
競合する国,メーカーもあるわけで.ライセンス生産許可とか,余分にパーツを作らせて,それは原産国が買い上げて
他国への輸出に使う(オフセット)とか,いろいろ契約国に有利な条件をオマケして
他国,他メーカーに対抗して売り込むのが普通.
まともな国の兵器輸入はふつーコンペティション形式で行われるので,完成品輸出が望ましい場合でも,
商売自体を取られてしまうならライセンス生産契約を呑むことも多いわけです.
大型兵器については,原産国のラインを維持するために,むしろ原産国で作り続けたい場合も多々あります.
【質問】
軍用機の純正品(?)ライセンス品についての質問です.
1.純正品とライセンス品で明確な品質の差が出ることはありますか?
2.両者の品質に差が無い場合,交換する際に混ざっても平気ですか?
3.ライセンス品が純正品を製造した国で使用されることはありますか?
以上3点について回答をお願いします.
【回答】
1. ライセンス生産(以下ラ生と略す)はラ生する国の工業技術力以上には出来ないから,ラ生の結果同じものを作っているはずなのに,オリジナルに品質が及ばない,ということは実際に起きる.
大陸中国がソビエト原産の兵器をラ生したものは,どれもオリジナルに比べるとはっきりと質が劣っていたそうだ.
(これはその後中ソ関係が悪化してソビエトの技術者が引き揚げてしまい,中国側が”見よう見真似”で作るしかなくなったため,もっと酷くなった)
逆に,同じようにソビエト兵器をライセンス生産していた国の中で,チェコスロヴァキア(当時)や東ドイツのものは,オリジナルよりも工作精度が高く,性能も微妙に高かったという.
2. それが普通.
ラ生側が独自の改良を加えたりしてなければ品質の問題さえなければ部品の共用は充分に可能.
実際,ソビエト製兵器を運用してたけど,今はロシアからはパーツが手に入らない,という国はそれらをライセンス生産してる国からパーツを買ったりして使っている.
3. 契約による.コスト,品質的に純正品より有利とみなせる場合,純正の生産を打ち切ってライセンス品を正規品として販売する場合がある.
ソビエトは一部の兵器を「自国で作るより安いから」「自国だけでは必要な量が賄い切れないから」「自国製のより平均的品質が高いから」という理由でラ生品を逆輸入していたりした.
これには衛星国家にそのような形で資金援助するという理由もあった.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ライセンス生産で技術を吸収すれば,その後,兵器を国産化することは難しくないんじゃないの?
門外漢が口挟むのもなんなんですが,日本の航空業界が戦後,米軍機の修理やライセンス生産から再スタートした頃の苦労話を,当時のエンジニアの回想記などで読むと,そう思うのですけど.
【回答】
ライセンス生産による技術の育成というけど,それってリバース・エンジニアリングでもしないと,よくよく分からないんだよね,経験的には.
「ラインセンス生産してんのに?」
と思うかもしれないけど,渡されるのは部品の図面と組み立て方法であって,その部品の必要性までは教えられない.結局部品をちょくちょくいじって勉強していくしかないので効果的ではないと思う.
それこそつぶす気で(ライセンス生産を前提に)一機購入し,そのときに渡された技術情報に基づいて,部品を色々弄くるなどのパラメトリック・スタディを行い,設計思想を推測する(これは現在だったら数値シミュレーションでも可能だが)という手段しか残されていないのでは思う.
特に,最近のライセンス生産は契約事項が厳しすぎて,リバース・エンジニアリングの禁止どころか競合製品の研究すら封じられることが「まま」あったりするんですよ.
例えば,90式戦車の120mm滑空砲及び弾薬をライセンス生産するに当たり,取り決められた約束の一つとして,(120mmに限定のような記憶もあるけど)滑空砲自体の研究の禁止,なんていう項目があったりします.
これでノウハウ蓄積できると思います?
今後はよりライセンス条件が厳しくなっていくので,当たり前のことが当たり前のようにできなくなっています.
【質問】
FMSって何でしょう?
ライセンス国産などと一緒に出てきた用語なんですが.
▼ 【回答】
FMSは対外有償軍事援助 (Foreign Military Sales)の略称.
米国防総省の対外軍事援助方式の一つ.
米国政府が軍事物資を貿易会社を通さず,外国政府に直接売却する.
装備品価格には一定の輸入諸経費が含まれる.
おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)6月21日(月)
▲
Foreign Military Sales,有償軍事援助の略称.
アメリカ議会の承認を得た上で,国防総省を経由して装備品を相手国に輸出する一種の兵器輸出管理プログラムを指します.
簡単に言ってしまえば,ライセンス生産ではなく完成品を丸ごと購入するってことです.
たとえば日本の防衛庁は,必要なアメリカ製装備品を米政府に対し発注し,国防総省がメーカーへ発注.
メーカーが製造したブツは,米政府所有物として一旦国防総省に納入されたあと,改めて日本に引き渡されます.
また,各国のイージス艦はドンガラこそ各国で作りますが,中枢のイージスシステムや搭載するSM-2ミサイルなどは上記の方法でアメリカから取得して組み込んでいきます.
軍事板
どこかの国がアメリカに
「FMSで○○を買いたい」
とリクエストして,DoDもそれを承認すると,DSCA(Defense Security Cooperation Agency)が議会にそれを通告します.
議会はそれぞれの案件について,30日以内に諾否を決定する必要があり,「否」ならその案件はポシャります.
議会が何も言わなければ「諾」です.
ときには,「諾」だけど追加条件を議会がくっつける,なんてことも.
すると,晴れてメーカーに米軍から発注が行き,納入されたものは当該国に輸出ということになります.
この手続きの関係で,FMS経由で輸出したブツには,米軍のシリアル・ナンバーも付きます.
昔の武器貸与法の時代と同じですね.
DSCAの通告についてはWebで公開されるんで,チェックしておくといいかも.
http://www.dsca.mil/
井上@kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
【質問】
交戦国同士は戦時中,特許が無効になりそのため互いに兵器などをコピーしても問題ないって聞いたことあるんですが,本当ですか?
【回答】
> 交戦国同士は戦時中,特許が無効になりそのため互いに兵器などを
ここから間違い.
まず,国家が法の最高権威であるから,国家間の問題は二国,あるいは多国間の条約によって判定され,処分が決まるということをわかって欲しい.
特許についても,A国で取られた特許をB国が尊重するかどうかはB国が決定する.
ただ,むちゃくちゃするとお互い困ると,その特許で作った製品をA国が買ってくれないとか,仕返しに爆弾落とすとか,揉めるので条約によって「お互いに尊重しよう」とか決めてるだけ.
だから,戦争になってB国が条約から脱退したら,あるいはそうでなくても「A国の特許は侵害して無問題」という国内法を作ってしまえば,B国的にはA国の特許は無効.
戦時だから自動的に無効になるのではないし,条約加盟国からは当然非難される.
あとは戦争の結果次第.
勝てば余裕で払ってやっても,踏み倒してもいいし,負けたら言いなりになるしかない.
ただしWW2後,日本軍が勝手にコピーしたり鹵獲した兵器から取り入れた(盗んだ)りした技術を,連合国側のメーカーは
「連合軍の兵士を殺した兵器に使われた技術の使用料なんか受け取りたくない」
と言って請求を拒否したケースもある.
【質問】
特に近年,兵器開発には年単位の長い期間が掛かりますが,近代以降の兵器(小火器を除く)で,開発開始から量産開始・実戦配備までもっとも短かったと言える物って,どれくらいですか?
ゼロからはじめて,半年かからず実戦配備できちゃったなんてあります?
【回答】
ソビエトのSU-152自走砲はわずか25日で設計完了,3ヶ月で量産されて実戦投入されてる.
まぁ,一から作ったわけではなく,既存の戦車の車体に新しく作った部分が載っかってるだけだが.
飛行機ならドイツのHe-162戦闘機が,
1944年9月30日にドイツ空軍省とハインケル社が契約
同年10月29日に設計完了
同年12月6日に初飛行,翌年1月にはテスト部隊に納入
という速さで開発されてる.
Su-152
(こちらより引用)
He-162
(画像掲示板より引用)
【質問】
F-15とかが出てくる,私が作ったシューティング・ゲームがあるのですが,それを公開しようと考えた所,私の友達から
「戦闘機とかって著作権とかがあるから,許可取らないと公開出来ないのでは?」
と言われました.
どうなんでしょうか? 実在の戦闘機とかが出てくるゲームを公開する時って許可取らないといけないんですかね?
【回答】
現在の知的所有権の考え方としては,あなたの友人の考え方が正当です.
一部のメーカー(ロシアのスホーイなど)は,自社の戦闘機のデザインを使ったゲームなどを見つけると,即刻請求書を送ってくるそうです.
でも,おおらかで気にしない会社もあるようではあります.
ま,一応お伺いを立てた方が,後のトラブルを防止することになると思いますよ.
なお,工業デザインは著作権の概念には入りますが,日本では工業デザインは著作権法では保護されておらず,保護は意匠法に拠っております.
アメリカでは著作権法でカバーしてる範囲ですが.
模型化の場合では,兵器の外形には著作権や意匠権その他の権利はないから無断で模型化しても別に構わないが,メーカーに取材に行ったりする時はそれ相応の謝礼を払ったりしなければならない,ということはあるそうだ.
特にロシアの兵器メーカーはガメついらしい・・・.
逆に,
「宣伝になるからガンガン模型化してください.実物も軍事機密の限界まで取材させちゃう(はぁと」
という事も,メーカーによってはあったりする.
unknown
▼ 今のところ,メーカーの対応は,国によってマチマチ.
宣伝になるからどんどん出してって場所と使用に関する請求をする企業も.
有名なのがエースコンバット.
BAEは
「こいつ(HAWK)を出さないかい?」
で,スホーイは請求書を送ってきた.
そんなんで出来るだけ許諾を得る方向になった.
許諾を取ったら,
「そこの部分は間違ってる」
とか色々指摘してくれたとか.
商業活動で出すなら,出来るだけ取った方が良いだろう.
個人の範囲であれば,そんな気にする必要もないと思う.
2007/01/16(火)
▲
モデルガンやエアーガンの場合,刻印されている製造メーカーのエンブレム等にはライセンスがあるので,模型化するメーカーは許可を取って権利料を払うか,「よく見るとオリジナルとは全然違う」マークや刻印にして権利問題をクリアーしている.
unknown
▼ また,モデルガンやエアガンは勝手に作ると怒られる.
特に,メーカーのエンブレムや刻印を無断でパクると,訴訟モンだそうだ.
ワルサー,ベレッタは版権にうるさいは聞いたことがある.
某シミュレーションRPGで,登場人物の名前が全員銃器メーカーの名になっているのだが,ベレッタだけはやかましいので違った名前になってる,ってこともあった.
逆に,バーレット社がまだM82を出したばかりのころ,
「宣伝したいのでどうぞ」
と「ロボコップ」に無料提供したら,劇中ではプロップとして改造されてて,元の形がよくわからなくなっててショボーン,という例も.
しかもこれ,映画のスタッフが,
「タダで貰っといて悪役の振り回す武器,ってのもどうかだよな・・・」
と気を効かせて改造した,ってオチが.
アンチマテリアル・ライフルの存在意義自体まだ知られていなかった頃だし,概念の宣伝にはなったのかな?
(ロボコップの少し前にGun誌の兵器ショー記事でM82見て,へーと思った覚えがある)
さらに現在,ヨーロッパでも銃規制が強まり出して来ていて,実銃メーカーがトイガン(ガスガンや電動ガン)
市場に進出して,自社製品の実銃モデルにしたトイ版を出すようになっていたりする.
提携抜きで無許可ピーコな台湾や中国メーカー製品の浸透が強く,商標権処理して今まで主流を占めていた日本メーカーは,挟撃を食らっているよ.
提携やOEM供給に活路を見出しているようだが,競争は一段と熾烈になっているそうだ.
最近ではプラモデルでも,メーカーの許諾をとったりしてる.
タミヤの最近のF-16やP-47の箱を見てくれ.
今じゃアメリカへの輸出が売り上げの多くをしめてるから,万一訴訟でも起こされたら大変ということなのだろう.
タミヤがB-17出す企画が没になったのは,高額のライセンシーを求められたせいだとか.
あと「ジープ」って商標が,プラモデルでも使えないなんて話も.
2007/01/17(水)
青文字:加筆改修部分
▲
▼ 【余談】
「kojii.net」:今週の軍事関連ニュース (2008/11/14)より.
――――――
今日の報道発表 (Defense-Aerospace.com 2008/11/12)
フィンランド国防省は,同国で使用している M05 迷彩パターンがロシアで無断使用されている疑いがあるとして,調査に乗り出した.
Taloussanomat 紙が報じたもので,ロシアの Yeger 戦闘服が M05 にそっくりの迷彩パターンを使用している,というもの.
(STT Finnish government news)
――――――
デンマーク軍も怒っていいはず(爆).
CRS@空挺軍 in mixi,2008年11月14日17:08
新型迷彩の画像とフィンランド国防省がキレたYeger戦闘服(どれもメーカー名不明)
「militaryphotos.net」:Finnish Army Photos
M05 迷彩パターンを着用したフィンランド軍兵士と比較しても・・・・これは・・・・
ちょっとヤバくないか(笑)?
もろ100%コピーとも言っても過言じゃないぞ
CRS@空挺軍 in mixi,2008年11月26日19:58
ちなみに、ロシア軍では
「私はやってない、潔白だ」
って反論しているそうです.
井上@Kojii.net 2008年11月26日 20:04
▲
【質問】
プラモの場合,サンプルのキットを兵器メーカーに送れば,著作権料の支払いは免除される,という慣行がある,というのは本当ですか?
【回答】
そんな慣行はない.
たしかに『田宮模型の仕事』(田宮俊作著,文春文庫,2000.5)には,そのように述べられている.
曰く,
「プラモの場合,長年の慣行でサンプルのキットをメーカーに送れば著作権料の支払いは免除される.
送付は発売後でもいい」――
だが田宮は,それが通る状況だけを発表している.
『田宮模型の仕事』って本自体が,田宮の黒歴史(海外製品のコピーなどのブラックゾーン)を,無かったことにしている.※
実物の著作権と模型の関係については,ちゃんとメーカーと契約したり,思いっきりぶっちぎったり,さまざま.
軍事板,2009/07/04(土)
青文字:加筆改修部分
※ クロスチェックできるだけのデータがないので,真偽不明
【質問】
アニメなんかでは主人公に専用の機体を与える口実に,
「試作機1機が完成したが,高価なため開発中止」
「乗りこなせる人間がいないため,開発中止」
といった理由付けがされますが,実際に,非常に優れた性能を発揮しながら,コストだけを理由にキャンセルされた兵器はあるのでしょうか?
(1機だけなんてメーカー潰れるだろ,役に立つんなら量産しろよ…と思ったもんで)
【回答】
例えば,SSN-21「シーウルフ」級があります.
アクラ型やシエラ型など,米海軍の主力SSN「ロサンゼルス」級に匹敵する高性能なロシア原潜を圧倒する為に計画されたスーパー・サブマリンでした.
当然,予算もスーパー――建造費は開発費も含めると,米海軍の年間購入予算の1/3を占めると言われる超絶金食い虫――で,冷戦の終結と言う事情もあり,結局3隻しか建造されませんでした.
軍事板,2006/04/14(金)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/14(péntek)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
また,最近でメジャーなのはAH-66コマンチ.
重武装とステルス性を備えたハイスペック戦闘ヘリ.
評価用の実機まで完成してたけど,軍の予算縮小とコンセプトの転換,機体重量の重さなどで,調達予定機数が
5000→3000→2000→1200→600→0
という憂き目に.
軍事板,2006/04/14(金)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/14(péntek)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
他に,少々意味合いは異なりますが,XB-70ヴァルキリー戦略爆撃機とか,アブロCF105アロー戦闘機最近ではRAH-66コマンチ偵察ヘリとか,例はあまた有ります.
まあ,単にコストだけの問題では無く,戦略環境が変わったとか,戦術思想が変わったとか,様々な理由が複雑に絡んでいるのですが.
で,その様な機体が前線に出て来ることは,まず有りません(前大戦ではマウス重戦車が使われたとの記録も有りますが,異例です).
メンテナンス用の部品も治具も,たった一機(あるいは少数機)の為に,特別あしらえする事は,非効率この上ないですし,要員の教育も大変でしょう.
大抵は,開発メーカーでデータを取られて,倉庫で眠りに付くのがオチです.
新所沢の三等兵◆UkUFfcwWIs :軍事板,2006/04/14(金)
新所沢の三等兵◆UkUFfcwWIs :"2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/14(péntek)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
重戦車「マウス」
(画像掲示板より引用)
【質問】
新兵器が採用前の試験や,採用後部隊での訓練では正しく作動していたのに,実戦に投入したら故障頻発と言う例はありますか?
【回答】
いくつもある.
試作段階ではスピード記録を出し,量産機では多少性能は低下したけど空戦にも爆撃にも使える万能双発機になるはずだったイタリアのブレダBa-88とか.
過酷な気候の北アフリカに持っていったら,故障は頻発するは爆装したら高度が上がらずまっすぐしか飛べな いわと低性能ぶりを発揮.
どうにも使えないんで,使える部品をはずして爆撃をひきつける囮として飛行場に放置.
「世界の駄っ作機」を読むと,試作段階ではまあまあだったのに,実戦に投入したらダメっぷりを発揮した駄作飛行機はけっこうある.
それ以前の段階のどうしようもないのも山ほどあるが.
最近のM4カービンにしても,射距離の長いアフガンに持って行ったら,AKにレンジアウトされて散々とか,
アパッチ,ブラックホークなどが高度の高いアフガンではペイロードをかかえられず苦労したとか,
M1A1の補助動力装置(APU)が撃たれ弱くて困ったとか.
APU自体,湾岸で待機時に燃料食いすぎて兵站が困る,エンジン音目立ちすぎ,という理由で増設されたわけだが.
兵器は特にそうだが,こう使われるだろうという想定で開発されたものが,想定外の状況で使われることになって欠点を露呈するというケースは多い,というか必ず発生する.
そこでその欠点を解決できるだけの技術力が開発者にあるか,あるいは設計や構造上の余裕がその兵器にあるかが,駄作と名作の分け目ともいえる.
【質問】
第二次世界大戦以降で,兵器のリコールというのか,配備が一通り済んでから,その後になって修理が済むまで使用禁止になるような欠陥が出たことってあるのですか?
あったら実例をいくつか教えてください.
【回答】
腐るほどあります.
大戦中では…,
・米国陸軍航空隊のB-26初期型
→ 着陸速度が高い為,事故が続発,未亡人製造機と言われ,メーカーも回収を提案したがそのまま生産
・英国空軍のタイフーン戦闘機
→ エンジンの故障,高々度性能が悪く,上昇力は貧弱,離陸に癖がある,尾翼構造に欠陥が….
それでも製造され,エンジンと尾翼だけで,戦闘で喪われたよりも多くの損失を出す.
前線から引き上げる寸前まで行ったが,9ヶ月後にやっと対策が取られる.
・米国海軍のSB2Cヘルダイバー爆撃機
→ 安定性不足,構造脆弱で,実戦に耐えずと判定され,2年間かけて改修.
・米国海軍のSO3C観測機
→ 馬力不足,脚取付時の操縦性,安定性不足で事故続出し,300機生産した機体は
無線操縦標的機に改造.
・米国陸軍のA-35ベンジャンス攻撃機
→ 「金と労力と資源の無駄」と1943年の報告書に書かれる.
・英国陸軍のカビナンター戦車
→ 冷却不足で機械故障多発
・日本陸軍の南部十四年式自動拳銃
→ 顔に近づけて射撃した兵士が頬骨骨折の重傷を負う事故が発生.
射撃時に顔に近づけてはイケナイという命令がでた.
・ルガーP08
→ シアーが弱く,落としただけで暴発する事例が後を絶たず.
射撃時以外は弾丸を装填してはイケナイという命令が出た.
・ベレッタM1934
→ 暴発事故があまりにも多かったので,出来るだけ使用してはイケナイという命令が出た.
戦後は……,
・ノースアメリカンF-100スーパーセイバー
→ 特定の飛行条件で機体のロールやヨーによって機体の変形による破損が発生.
54年10月12日にはテストパイロットのウェルチが死亡.
原因は機体の激しいヨーにより急降下から引き起こす際に操縦不能になること.
これが突き止められるまでF-100は飛行停止に.
このとき,F-100は70機が配備されており,その他に96機が引渡し前だった.
垂直安定版を試作機で試された高いものに交換,全幅を66cm増す改造を全製造済機体に実施.
・ベレッタM92F
→ 初期のロットにスライドの割れが発生.
トライアル中はそんなことは無かったのであからさまな製造ミスと言え,
メーカー側の工程や品証体制の改善後,再納入に.
当時,アメリカ製が選ばれなかったトライアル結果に対する不満とか,
45口径に対する愛着からこの不具合に対する評価は殊更に厳しかった様だ.
他にも枚挙に暇がありません.
(眠い人 ◆gQikaJHtf2,名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE他)
【質問】
兵器ってのは,どんなに演習で成功していても,実際に全面戦争で使用してみなければ絶対に進化しないってのは本当ですか?
たとえば,太平洋戦争時にアメリカが空母の運用で制海権を握ったのではなく,大艦巨砲の力で日本を降伏させ,その後も空母を使うような戦争が起こらなかったら,近代化された戦艦がまだまだ今でも現役だったとか.
【回答】
現代では昔よりずっとシミュレーションも,採用時テストも現実的なので,最初から使える兵器も多く,ちょっと実戦で使ったりすると俄然良くなります.
例えば,全面戦争の経験なんかないフランスのデュランダール対滑走路爆弾は,湾岸戦争でカタログ通りの信頼性と成果を示し,米軍を感激させました.
もちろん例外はいくらでもあるでしょう.
過去の兵器で問題になっているのは,テストがいい加減とか,テストは問題を示しているのに思いこみで無視するとか,今さら変えられないとか,そんなこんなで起きるべくしてトラブルが起き,多量に使われると大問題になって,ようやく腰を上げたというパターンです.
そして,そういうパターンも多いのです.
【質問】
兵器を開発・生産している企業というのは,どの程度まで独自に研究開発を行えるものなのでしょうか?
スホーイのSu-47は自社ベンチャーのデモンストレーション,ボーイングのF-15SEは輸出用に開発中など,企業が独自に動いているように見える開発はありますが,企業が新商品感覚で造れるものなのでしょうか?
【回答】
現代ではどこの国の航空企業も,政府資金のによる先端技術開発に取り組んでいて,この成果を「自主開発機」に盛り込もうとする場合は当然,政府の許可がいる.
米の場合,ある企業の研究成果は政府に報告する形で他の企業にも公開されるが(税金で研究開発したのだから当然のこと),この成果を取り入れる場合は政府だけでなく,研究企業の承認が必要な場合も少なくない(政府資金だけでは足りず,多額の自社資金を投入しているケースがあるため)
ま,「政府が認める範囲で」と考えておくのが実態に即していると思う.
その肝心の政府が,必ずしも意見統一されているとは限らないんだけどさ.
軍事板,2009/06/21(日)
青文字:加筆改修部分
【質問】
軍事技術から民間に使われるようになったものって多いのだが.GPS,インターネット,ペニシリンの大量生産・・・
それらは最初から民生目的では達成はおぼつかないのでは?
【回答】
▼単純な話,軍用でなければ(最初から民生なら)同じだけのリソースを投入しないから.
単純な話,国がそれだけのリソースを回すのが軍事用途に多いということ.▲
▼ただ,戦争は往々にして国家にとっての(その時点での)重要事項のため,それに付随した諸問題が国家的な「問題」として認識される確率は高い.▲
抗生物質の元祖であるペニシリンの実用化には当時の2400万ドルの資金と,多くの研究室や企業が参加したが,これはWW2だからこそできたこと.
▼しかもペニシリンの開発費が2400万ドルの巨費と言っても,1機6万ドルのP-51なら400機分でしかない.
蛇足だが,ペニシリンの開発費2400万ドルは1機6万ドルのP-51なら400機分でしかない.▲
マンハッタン計画が20億ドル.
B-29の最初の試作機3機が完成するまでの開発費も20億ドル.
▼戦争全体の支出から考えれば,そこまで巨額とは言えない.▲
アポロ計画が220億ドルの空前の巨費を注ぎ込んだと言っても,ベトナム戦争の戦費は6000億ドルだった.
▼ 軍隊と戦争という国家の利益を得るための政府の活動とを混同しているようだけど(でないと軍隊を口実にされると財務担当は打ち出の小槌を用意しなきゃいけなくなる.戦車の600両への削減なんてありえなくなるから)
,結局は国が「問題」と認識した事柄への支出の種類でしかないので,
「戦争でなければ,軍隊でなければ」
というのは誤り.
もう一つ補足すると,当たり前だが軍用だからといってなんでもかんでも要求が通るわけではない.(でなきゃ戦車の600両への削減なんてありえない)
軍事より優先すべきことがあれば,当然そちらの方により多くのリソースが割かれる.▲
平成不況以降の「景気対策」で発行した国債残高とGDPの比率は,日露戦争での戦時国債とGDPの比率より悪いくらいなんだし.
軍事板
&名無し三等兵 in FAQ BBS(2008.11.2改訂分)
【質問】
軍の仕様に基づいて製造された物品が,民間に広く普及した場合は「軍用品」?「民生品」?
【回答】
「米軍仕様」とか「アメリカ軍公式採用品」とか言う名目で売られることになる.
スペックが軍用品と全く同じでも,その会社なり工場なりが,自前で用意した資金で作って市場に出してるのなら,「軍用品」ではない.
あくまで「軍用規格で作られた民生品」.
軍隊からもらった発注に,勝手に自前の資金をちょっと加えて製造数を水増しし,発注分以外は民間市場に流す,という「軍用品」を打っている工場や会社は結構あるけどね.
どことは言わんが,軍隊での
「支給品は年に決まった数しかくれないし,自前で買い直すと高いから普段は非規格品の安いの使う」
という兵士の需要に答えるために作った,「なんちゃって軍用品」を「軍公式採用品」と謳って売ってる会社もあるので,タチの悪・・・いゃ商売上手なことこの上なし.
軍事板,2009/10/20(火)
青文字:加筆改修部分
そう言った装備品または資材は,軍が採用,或いは調達するに当たって,軍事行動の環境下で使用に耐えるかどうかの判断を,MIL規格と言う規格に適合するかのテストを行い,それに合格したものをMILスペックとして選定します.
これは民生品に「軍隊が酷使しても大丈夫な耐久性と機能を持って居る」と,商品に箔を付ける事になり,このような素材や装備品を格付けしています.
三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板,2009/10/20(火)
青文字:加筆改修部分
▼ 例としましては,アイコムが自社の業務用無線機について,防水・対衝撃性能がMILスペック合致である旨を謳っています.
米軍は同社の特定小電力(特小)無線機を兵士用に貸与していましたが,特小無線は出力が10mWに制限されており,通話距離があまり稼げないためイラクなどでは不評だったといいます.
このためか,2005年に同社の業務用無線機の筐体を転用した「IC-F43GS」が選定され,同社に発注されました.
ICOM AUSTRALIA - IC-F33 / IC-F43 series
http://www.icom-australia.com/products/lmr/lmr_ic-f33_f43.html
シアトル日本商工会 - アイコムアメリカ,米国国防省向け新規契約受注
http://www.jbaseattle.org/update/backnumber/0305/update_mimiyori.html#icom
本機種は出力1W(1000mW)で,イラクで生じていた通話距離の問題は解消されていると思われます.
また,米軍の通例として周波数帯・出力などを同じくした,別会社の別機種も導入されていると思われます.
恐らくコレ
http://motorola-bizunit.jp/products/sys_xts3000.php(販売終了)
とか.
faq46wr.jpgへのリンク
faq46wr02.jpgへのリンク
クローム・ツァハル in 「軍事板常見問題 mixi支隊」,2009年11月02日 02:21
▲
【質問】
装備品でより安価かつ上等な民生品が流用できるものは,もっと徹底して使えばいいのでは?
人件費や民生品が存在しない正面装備に比べれば微々たる額だろうけど.
【回答】
結構やってるだろ.
トラックみたいなのは民生品のカスタマイズみたいなもんだし,糧食の類もパッケージが違うくらいだし.
被服関係は
「民生品だと性能的に不十分,そもそも民間業者がその製造技術持ってない(民生品にそんな機能必要ないし)」
っていうのが地味にあったりするんで,一部物品は事実上契約業者だけの独占状態.
あと,一部の機能では民生品が上だが,他の大事な機能で民生品が満たしてなく,そもそも両方を両立させるには,素材面の問題とか技術ハードルとかで官も民も成功できてないってのもある.
それがなれけば,装具の開発そものもをもっと民間に委託も出来るんだけど…
(でなきゃ,調達先を海外メーカーにまで伸ばすかだな.某洋行みたいなケースも増えるかもしれないけど)
自衛隊にも非効率な点はあるものの,漸次改善は行ってる.
これはどこの組織でも同じだろう.
陸海空で皿の種類を統一して一括発注したら,数百万ぐらい浮いたとかニュースになってたり・・・・・
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
軍の装備にCOTS(Commercial Off-the-Shelf;商用品)を多用すると,部品確保は困難になるのですか?
【回答】
COTSの場合,部品そのものの調達は容易でも,COTSを構成する昨今のシステム自体の陳腐化が著しく,システム自体に異常はなくともある程度の段階で,システム丸ごとのリプレースが必要なことが問題と考えています.
もっとも,現在の液晶ディスプレイやデジタル制御機器など,技術革新によってCOTSではなく専用品であっても,あっという間に生産ラインが閉じられる傾向にあります.
(例:電車の制御機器;抵抗制御器なら何とでもなるが,チョッパ式制御器など各種半導体製品が致命的であり顕著.また電力機器で言えばMBBなどアスベスト使用品であったり,サポート人員が定年退職してしまい,部品もなければ修理などのサポートも出来ないことにも注意が必要.)
そのため,COTSを排除したからと言って,それで問題が解決するわけではないことに注意が必要と考えます.
2009年09月22日 20:21,へぼ担当
以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より
青文字:加筆改修部分
【質問】
クレフェルト『戦争の変遷』によれば,
「WW2後の世界において,正規軍同士の交戦で戦われた紛争の犠牲者の数が,著しく少ないことに反比例して,低強度紛争によっておびただしい数の犠牲者が出ており,こうした形態の戦争(低強度紛争)が,なんらかの形で先進国に飛び火する危険性について,警鐘を鳴らしている.
そして,正規軍同士の激突する通常戦争は死に掛けており,そこで使われるために洗練されてきた戦略や,ハイテク戦闘機,爆撃機,重装甲の戦車といった大型で高価の兵器は存在価値を失い,未来のハイテク軍隊は監視や追跡といった能力に,技術をつぎ込むことになるようになっているのかもしれない」
とのことですが……?
【回答】
>ハイテク戦闘機,爆撃機
精密爆撃能力は,LIC(低強度戦争)でも必要.
>重装甲の戦車
LICでも,制圧任務での装甲の重要性が再認識されています.
>正規軍同士の激突する通常戦争は死に掛けており
その91年に湾岸戦争が起き,その後も第1次チェチェン/イラク/グルジアと,とても低強度といえない戦争/紛争が発生しています.
合ってるのは,
>未来のハイテク軍隊は 監視や追跡といった能力に
>技術をつぎ込むことになるようになっているのかもしれない……
そして上記監視能力の追及と,大型高性能兵器の必要性は矛盾しない訳で…
数の必要性は減じているfが,要素自体の必要性は減じていないと思うのですが.
(より少数高性能を求められているように思える)
Lans ◆xHvvunznRc : 軍事板,2011/10/19(水)
青文字:加筆改修部分
【反論】
戦闘機や爆撃機の精密攻撃能力は,無人機でより安く代替できるし――つうか,クレフェルトの最新著作が正にこのテーマで,現代空軍は金を喰うわりに役に立たないって問題提起をしていた――,重装甲の戦闘車輌も,低強度紛争においては,有ると重宝するが,絶対に必要なわけじゃない.
費用対効果で見るとどうなんだって話になる.
国家間戦争はまだ死んではいないだろうが,それによって達成できる目的と費用のバランスを考えると,政策のオプションとしてはあまり取られる事はないだろう.
低強度紛争と比べればはるかに少数の,例外的存在に止まるのでは無いだろうか.
クレフェルトは歴史的な潮流を言っているわけで,細かい例外位はそりゃあるでしょう.
【再反論】
だから私も
>(より少数高性能を求められているように思える)
と書いているのです.
その少数をいかに使いこなすか?が,現在(91年ではなく)の課題ではないのでしょうか?
(その為にも情報が重要化している)
私が一番言いたいのは,
「上記はあくまでも91年時点からしばらくの潮流であり,その後の戦争/紛争の現実から,現在の潮流は既に流れが変わっているのではないか?」
という事です.
ちなみに潮流が変わったのは,イラク正規戦後の治安作戦からだと考えています.
つまり上記の考え方でも,低強度紛争に対応するには不足であり,潮流はさらに進んでいるという意見な訳です.
・情報の重視/打撃力減少←90~00年代前半
↓
・イラク戦成功
↓
・情報最優先/さらなる打撃力の減少 ←00年代中~後半
↓
・治安戦失敗
↓
・情報の重視/必要打撃力の見直し←今ココ
なお,この場合の打撃力というのは,持続的なものを指さないので,冷戦時の重戦力の常時大量保持とは全く意味が違います.
どちらかというと,必要時期に集中可能な必要戦力と言う意味です.
この必要戦力の内容が問題.
そして,それをどう効率的に機動させるか.
ここで必要戦力を見誤ると….
機動だけでは駄目で,その戦力の質も必要なはずなのです.
Lans ◆xHvvunznRc : 軍事板,2011/10/19(水)
青文字:加筆改修部分
【反論】
どうだろうなあ.
「戦争の変遷」から引用すると,
“これは,将来,軍事分野では新技術の出る幕がないということではない.
意味しているのは,その昔,小火器が騎士とその重い甲冑に取って代わったように,大型で高価で強力な兵器が廃れ,小型で大量に生産でき,どこででも利用できる兵器に移行する動きである.”
と書いている.
実際,第5世代戦闘機や新型MBTなんかは,開発されても調達も配備も少数か,棚上げ.
反面,ロボットや歩兵用の個人装備なんかは,すぐに大量に部隊配備される.
クレフェルト曰く,
“一般の社会的見地からすれば,不経済で,速度が速すぎ,敵味方の区別がつかず,あまりにも大型で,必要以上に強力で,とても現実の戦争には使えないような兵器”
は,居場所を戦場と軍隊から失ってるように思える.
【再反論】
別に90年代の潮流は,そのような見方が大勢を得て,そのように流れたという意味で否定してません.
だからその意味では,当時の潮流を知るによい本だと思ってますよ.
問題は,今もその流れのままなのか?と言う部分で,当然そこは91年の本に書いてある訳でもなく,それは読み手が別途,探していかなければならない事項だと思うだけです.
Lans ◆xHvvunznRc : 軍事板,2011/10/20(木)
青文字:加筆改修部分
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