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◆◆◆戦闘機兵装 ※ただし,空対空ミサイルはミサイル関連ページへ
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<◆航空兵器目次
兵器FAQ目次


 【Link】


 【質問】
 戦闘機が攻撃するときする合図って,米空軍や自衛隊じゃ,射程の長い順にFOX1,FOX2,FOX3って聞いたんですが本当ですか?
 1ならセミアクティブ,2ならパッシブ,3ならアクティブの誘導方式だと思ってたんですが.サイドワインダーみたいな短距離ミサイルより,アムラームって射程短いんですか? 中距離ミサイルでは?

 【回答】
Fox one - A radio call from a friendly aircraft announcing that heisfiring a radar- guided missile.
Fox Two Mike-A radio call from a friendly aircraft announcing that heisfiring an AIM-9M Sidewinder.
Fox Two-A radio call from a friendly aircraft announcing that heisfiring an AIM-9P Sidewinder.
FOX THREE- Simulated/ actuall a unch of AMRAAM/Phoenix missile.
FOX FOUR-Bomber gunner has simulated firing on a target.
という説明だが,もっと限られた世界では下のような説明もある.

Fox One,Two,Three~Radio call sin dicating the firing of a Sparrow, Sidewinder, or Phoenix air-to-air missile, respectively

 空自では兵装の射程順に1,2,3
 そして,空自限定ではFOX4が「体当たり」(笑)

 米などじゃ射程順ではなく
1 レーダー追尾(主に半能動追尾式)
2 主にサイドワインダーなどの短距離ミサイル
3 主にアムラームなどの中距離ミサイル

軍事板,2006/03/01(水)
青文字:加筆改修部分

   <まとめ>

Rifle          空対地ミサイル発射コール(AGM-65)

Fox1          セミアクティブレーダー誘導ミサイル発射コール(米軍)
            中距離空対空ミサイル発射コール(空自)

Fox2          赤外線誘導ミサイル発射コール(米軍)
            短距離空対空ミサイル発射コール(空自)

Fox3          アクティブレーダー誘導ミサイル発射(米軍)
            機関砲発射コール(空自)

Fox4          空中衝突(米軍俗語)

Bombs Away       無誘導爆弾投下(Mk-82)

Magnum        対レーダーミサイル


 【質問】
 戦闘機で,搭載兵装を内装するのと外付けにする場合で,それぞれのメリットとデメリットを教えてください.

 【回答】
・内装式は
 @空気抵抗を減らせるので速度面で有利
 @レーダーの反射を減らせるのでステルス性を高める(というか真面目にステルスを目指す場合は兵装は内装式が絶対条件)
 *内装が可能なだけの機内スペースの余裕が必要になる(機体の小型化が難しい)
 *機載する兵装を開発する際に兵装搭載スペースの制限が掛かる
 *どう搭載方法を工夫したところで同じ大きさの外装式の機体と比べると搭載量では絶対的に劣る

・外装式はこれらが全て逆になり
 *兵装を積めば積むほど空気抵抗が増大する
 *レーダー波の反射率が高くなる
 @搭載するスペースと重量,搭載箇所の構造強度が許容する限り兵装を搭載できる
 @兵装を開発する際のサイズや形状の制限が緩く済む

ということになる.

 それらの中間に半埋め込み式パイロンというものがある.
 機体にパイロンで浮かせるように装着するものでなく,機体のくぼみに直接埋め込むような感じで装着できるパイロン.
 F-4やF-14のスパローミサイルの搭載方法がこれ.
 空気抵抗の軽減を狙ったもので,胴体にスパローがちょうど入るような溝が彫ってあって,そこに収まる.
 汎用性がないので廃れたけどね.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 飛行機って銃弾を浴びると,何で操縦不能になるんですか?

 【回答】
 そりゃ理由は色々.
 例えば弾が当たったところに操作系のワイヤーやロッドがあれば,それが壊れたら操縦不能になっちゃうし,燃料や潤滑油の配管があれば燃料が漏れるし,場合によっては発火する.
 電気ケーブルだったら電気で動かしてるものは動かなくなるし,これも場合によってはショートで発火する.

 あと,飛行機は基本的に空を飛ぶために軽く華奢な構造で,飛んでるときはそれに大きな風圧がかかってるから,大きな弾が当たってちょっとでも構造材が壊れたら,懸かってる加重に耐えられなくなって自壊する.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 零戦とかの戦闘機の,プロペラの後ろについてる機銃を撃った時,プロペラを損傷するようなことはないんですか?

 【回答】
 同調装置というもので,機銃弾がプロペラに当たることを防いでいます.

 同調式機関銃が登場するまでは,プロペラに防弾鋼板を取り付けたり,弾丸をうまく跳ね返すように樋のようなパーツを取り付けたりしていました.
 また,プロペラの回転半径の外から射撃するため,複葉の上の翼にレールを取り付けて機銃を据え付けたり,イギリスでは「プッシャー式」といって,コックピットの後方にエンジンとプロペラを取り付け,前方に機銃を置く機体形式が一般的でした.
 しかし,いずれの方法も根本的な解決にはなりませんでした.

 この問題を解決すべく,ドイツ軍ではオランダ人の飛行機技術者アントニー・フォッカーに,同調装置とそれを搭載する戦闘機の開発を依頼します.
 フォッカーはこれに応えてシュパンダウ7.7mm機銃をプロペラと同調させる装置を組み込んだフォッカーE-1を1915年に開発しました.
 この機体は,その装置と,機動性を優先させた単葉式のスタイル,さらに高名なマックス・インメルマン中尉のようなパイロットに恵まれたこともあって,多くの連合軍戦闘機を撃墜し,連合軍はこれを”フォッカーの懲罰”と呼んだほどでした.
 1916年になってようやく,墜落した機体の調査から同調装置の存在を知った連合軍でも,同調装置付きの機体が多数就役することになります.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE

 図解すると,こんな感じ.
http://www.jastaboelcke.de/workbench/lmg08/sync01.htm

 余談だが,日本陸軍5式戦闘機の同調機銃は不具合が多く,射弾がプロペラにしばしば当たったそうな.
http://www5b.biglobe.ne.jp/~s244f/kizuki-05.htm


 【質問】
 機銃同調装置が故障したら,機銃は自動的に停止する安全装置が働いたりするんでしょうか?

 【回答】
 同調装置は,プロペラと射線が一致した時に発射しないようにする機構です.
 なので,この装置が故障した場合は,弾がプロペラを撃ち抜くことになります.
 故障に気が付かなかった場合,インメルマンのようにプロペラをぶっ飛ばす事故が起きたりします.

 対処法は,

1)九五式同調発射装置のように,精度と信頼性をあげる.
2)万一弾があたっても大丈夫なように,口径の小さなものにする.
3)翼側にも砲を分散,また引き金を分離する

 それでも口径の大きな砲を機体中心に据えたい場合は,モーター・カノンです.

 また,気候が極端に違う場所の場合,精度が狂ったりすることもあったようです.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 航空機関砲の連射性能が,地上の兵器と比べると桁違いに高いのは何故ですか?
 また,航空機関砲を地上で使用することはできますか?

 【回答】
 射撃目標の移動速度が速いから,短時間のチャンスに大量の弾を送り込まないとならない.
 地上で使うことはできる.
 ただ,あんな連射速度はいらない.

 例えばM2みたいに陸海空で使った重機もあるけど,仕様が違う.
航空機用:発射速度750~850発/分
陸戦用:発射速度450~600発/分

 同系統機銃でも,陸戦用では発射速度を落とす.

 航空機関砲を地上で使用した例としては,20mmバルカンを車載の対空機関砲にしたDIVADSなんてのがあるよ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 某漫画で,ある戦闘機は機関砲を単発で撃てるとありますが,本当だとしてなにに使う機能なんでしょうか?
 リボルバーカノン的な何かには付いている機能なのかなあ・・・?

 【回答】
 自分の記憶が確かなら,ジャンボの主翼下部に取り付けられた爆弾を落とす場面だな.
 戦闘機はクフィル.
 搭載機関砲はDEFA 552.口径30mmのリボルバーカノン.
 ちょっと時間切れで,十分に資料に当たれなかったんだが,発射速度が毎分1200発というスペックは出てくるんだが,モードとして1発撃ちがあるとの記述は出て来なかった.
 後継のDEFA 554は,毎分1200発と1800発の切り替えができるようだが,これも単発モードの存在を記すものはなかった.

 ないと言う前提で話をするならば,毎分1200発=毎秒20発なら,ほんのワンタッチで1発打ちもできるだろう.
 クフィルは2門搭載しているので,火器管制をいじってる描写は,どっちか1門の動作をオフにしてるんじゃないかな……と思うのだけどね.

 単発モードの有無について,知ってる識者がいたら,あとはよろしく.

軍事板,2009/10/20(火)
青文字:加筆改修部分

▼ この某漫画は『エリア88』ですね.
 アニメ版でこのシーンを見た記憶があります.

Fabius (KT) in 「軍事板常見問題 mixi支隊」,2009年11月02日 02:17


 【質問】
 現在の戦闘機の機関砲は,なんで第2次大戦の時みたいに機首についてはいないの?

 【回答】
 機首上面に銃口があるのはパイロットにとって邪魔らしい.
 あと機首にはレーダーと電子機器が入ってるので,弾倉を積むスペースがない.
 機首が長い戦闘機は全下方視界が悪くなるから,着陸とかの時不利だしな(F/A-18は艦上機だがいいのだろうか?)

 F-16やF-2の場合,片側に機銃があることによる発射時の揺れやそれから来る機体のブレはフライバイワイアシステムのコンピューターが補正してくれる.
 機銃の軸線が機体中心にないことも,FCSが補正して照準円をHUDに出してくれるので問題ナシ.

 ちなみに弾倉はF-16の場合,キャノピーの後ろの背中部分にある.

 ちなみに,アメリカの戦闘機でF/A-18だけは機関砲が機首部分にある.
 これは胴体内には積むスペースがないせい.
http://www.geocities.com/~propilot/pictures/f18.gif
(レドームのすぐ後ろの3つ並んだ穴が銃口.左右の二つはガス抜きのスリット)

軍事板

 で,F/A-18の機関砲の位置については,
「発砲時にあまりよろしくない」
という話と
「発砲時でもあんまり気にならない」
という話の2種類が存在するようですが,ホーネットの機関砲は軸線上にあるので,命中精度に影響して云々ってことはないと思います.
 ただし,場所がレーダーの直後なので,レーダーは機関砲の振動対策で苦労したみたいですね.

 ちなみにF-16の場合,キャノピーがあんな形状をしているので,中から外を見ると映像が歪みます.
 これが機関砲の照準にも影響するので,キャノピーごとに固有の歪み情報を計測しておいて,そいつを射撃管制コンピュータに入れて補正してやる必要があるんだとか.

 F-2はF-16より直線的な形状をしているから,F-16ほど厄介じゃないんですけど.

ナッシュ平蔵 & 井上@Kojii.net(青文字) in mixi支隊


 【質問】
 戦闘機の機関砲に,可動砲塔が原則としてないのはなぜでしょうか?
 対地攻撃にも空戦にも非常に有効では?
 また,戦闘機に戦車砲のような大口径砲を搭載,第三世代戦車のような高度な管制システムを積んで,空の彼方からの狙撃,というのは不可能なのでしょうか?

 【回答】
 不可能では無いかもしれませんが,意味が無いでしょう.
 レーザー照準などで確実にミサイル・爆弾を命中させられるのに,わざわざ命中させるのに苦労する大口径砲 を使用する意味が無いです.

 飛行機は旋回銃よりドッグファイトのほうが良いことは,実験で判明してます.

 戦車から戦車を撃つのと,戦闘機から戦車を撃つのでは,それぞれの相対速度が違い過ぎるので,同列に考えるのは意味がありません.
 第3世代はおろか第5世代戦車でも,自車と敵車が高速移動してる最中には命中しない可能性が指摘されてます.
(第4世代は電子機器が進化したけど,砲が重くなって安定制御しずらくなったという話もあります.)
 ジェット機時代になると,速度が段違いに速くなりますので,旋回機銃でノロノロと狙いを付けている時間が有りません.
 それよりもミサイルなどのスタンドオフ兵器の誘導装置の性能を上げる方が,遥かに効率的です.
(A-10の場合は機体の進行方向上ですので,比較的狙いがつけ易いですし)

 対空戦用にしても,可動式にするために嵩張る重量・構造の複雑化を考えると,実に不利です.
 それならペイロードを増やした方が,遥かに実用的.
 また,空中では安定性が不足しますので,まず当たりません.

 一応,実在はします.
 レシプロ時代に,コクピット後部に7.7mm×4の旋回機銃座を付けた「ボウルトン・ポール・デファイアント」と言う機体が.
 詳しくは,岡部ださく著,「世界の駄っ作機」(大日本絵画社刊)に載っているのですが,旋回機銃で射界が広くても,動力銃座がつけば機体が重くなるし,空気抵抗で速度も遅くなる.
 射手が撃ちたい位置に,パイロットが機体を持っていくのも大変なので,損になる事が多く,実際,Bf-109に全滅に近い損害を受け,第一線から退いてしまいました.
 ちなみに,このデファイアントに試作競作で負けて不採用になった,「ホットスパー」という機体も後部旋回機銃機.

 また,一時期,旧ソ連系のメーカーが対地攻撃用のオプションで,ポッドタイプのものを開発していたようです.
 しかし一般化されていないのは現状の通りです.

軍事板,2002/10/27~10/28
青文字:加筆改修部分

ボウルトン・ポール・デファイアント
faq110825df.jpg
faq110825df2.jpg

さかきまもる in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2011年08月25日 21:55


 【質問】
 ベトナム戦争以降で,戦闘機同士の戦闘で機関砲を使って撃墜をあげた実例はあるのでしょうか?
 実例を交えてご紹介頂ければありがたいです.

 【回答】
 例えば,1981年のレバノン紛争におけるベッカー高原上空での,イスラエル空軍(IAF)とシリア空軍の空中戦において,シリア側の損害85機(他にヘリ7機)のうち7%が機関砲による撃墜とされています.
 IDF側の機体はF-15・F-16,対するシリア空軍はMiG-21・MiG-23を使用しました.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 現代の戦闘機に機銃を搭載する意味あるの?

 【回答】
 制空戦闘では,GUNの存在価値は益々減っていくと思います.
 ベトナム戦でGUNが見直されたのは,当時はIFFとミサイルの信頼性が低く,有視界での戦闘が多かったからです.
 ミサイルが額面通りの性能を発揮するようになったフォークランド以降は,GUNによる戦果というのは殆どないと記憶してます.
 湾岸でも空中戦による撃墜はF-15のAIM-7が主で,GUNによる戦果はありません.(A-10の30ミリ砲を使った未公認記録はあるみたいですが)
 米軍のフライト・マニュアルにおいても,GUNの使用はFODの可能性があるので勧めていませんし,事実,GUNを使った空対空訓練自体もあまりやってないようです.
 ただGUNを無くすのは最後の自衛手段の確保ということで,パイロットは反対するでしょう.

 基本的にはBVRミサイルの打ち合いになると思います.
 スウェーデン空軍みたいに,BVRミサイルを打ったら後は逃げろみたいな考え方をする空軍ありますし.
 個人的にはかつての空対空ロケットのようなものが見直されると思ってましたが,技本ではそのような研究が進められているようです.
 目標の付近でフレシット状に爆発するものらしいです.
「ステルス化が進むとBVRミサイルの価値も下がる,だからIR誘導の空対空ミサイルも重要なんだ」
と力説していた某2佐殿の言葉も思い出しました.

 しかし,戦闘機の目標は戦闘機だけではない場合があるので,状況によっては機銃は非常に有用な場合があり得ます.
 また空戦の際も,効果的ではないにしろ装備の在る無しは大きいものがあるかもしれません.
 というか,使える状況なら使うもんですよね.
 というのは,ベトナム戦争後の空戦はワンサイドゲームの色彩が濃く,同レベルの空軍同士の総力戦も同様の状況になると考えるにはちと条件が違いすぎる可能性も在るのではと思うからです.
 たとえを挙げれば戦車砲の同軸機銃のようなもんでしょうか.

 米国のCCV※実験機では,機銃の有効性が証明されていましたよね. CCVだからという前提ですが.

 確か,目標の未来位置に機体軸だけを傾けて(進行方向とイコールではない)機銃を撃つことによって,クルーズミサイルだったかな?その程度は撃墜出来たとかという話です.

 ただ,その機動に人間が耐えられる(感覚的に)かどうかは分かりませんが,CCVが一般化した場合は,その機動方法を用いた近接戦闘の可能性による戦法の変化,,例えば機銃の性能強化という考え方は起こりうるといます.ここまで行くと保険(mrc)の保険(cc)の保険(gun)って感じですが.

 それはそれとして,中距離戦だろうが近接戦闘だろうが,最終的には彼我の初期エネルギ差によって,有効に戦闘を進められるかどうかが決まるわけですよね?
 やはりエネルギ戦からは逃れられないとは思う.

(?,K-21 & ペペ in 軍事板)

 ※Control Config Vecleの略.戦闘機の運動性能を向上させるため,操縦制御技術を最優先に設計する航空機の概念.最近の戦闘機ではこの概念が取り入れられて開発されているものが殆どである.


 【質問】
 現代の戦闘機の機銃は,対地攻撃を考慮せず,対空攻撃のみを考慮した方がいいのですか?

 【回答】
 というより現代の戦闘機は基本的に,対地銃撃なんていうのはよほどじゃないとしない

 どこから対空ミサイルがとんでくるか分らないから,対地攻撃の任務がある攻撃機とかでも銃撃はしない.
 高速飛行をしながらの爆撃が主・・・
 対地,銃撃任務もついているA-10でも,めったに銃撃はしない.
 低速なA-10では撃墜される可能性が跳ね上がるから.

 もっというなら先の大戦でも,普通は対地銃撃なんていうのはしない.
 自爆,とか機体がもうだめってときにやる程度,もしくは,もう相手には対空手段がないと判断したときのみ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 現代の機関砲の照準には,レーダーロックオンは要るんでしょうか?

 【回答】
 HUDに映し出される機関砲の照準も何種類かあって,レーダーロックオンが要るのと要らないのがある.
 EEGSはロック不要の照準の代表的なもので,漏斗状の曲線に敵機の翼の端が合うときに撃てば当たる.
 LCOSはロックが要る照準の代表的なもので,敵機をロックすると,敵機と自機の速度ベクトルから計算して照準を表示するので,その照準を敵機に合わせて撃てば当たる.

軍事板

EEGS

 【参考リンク】
http://www.tfw.jp/falcon4/gun.htm

肥後守 in mixi支隊


 【質問】
 新谷かおる作の「ファントム無頼」で,空自が米空軍とACMした話の中にペイント弾が出てくるのですが,このペイント弾は本当にあるのでしょうか?
 以前,某掲示板では,この質問に対して空自のパイロットの回答は,「ペイント弾は無し漫画の中の話だけ」でしたが.

 【回答】
 今はACMI(テレメトリー)があるからペイント弾なんて要らんぞ~.
 つーか,M61のペイント弾なんて,恐ろしすぎて想像できない,
 粘着榴弾ならまだ分かる気もするが.

(軍事板)


 【質問】
 M61って何?

 【回答】
 M61 はアメリカ合衆国のゼネラル・エレクトリック(GE)社が開発した20mmガトリング砲であり,F-104スターファイターに装備されて以降,アメリカの開発したほとんどの軍用機に装備されている.
 日本においては「バルカン砲」という製品名で知られる.
 6本並べた砲身を反時計周りに回転させ,毎分 4,000 発または6,000 発(切り替え式)で連射することができる.

 【参考ページ】
http://homepage3.nifty.com/sweeper/gun/hmg/m61a1.htm
http://www.wdic.org/w/MILI/M61A1
http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php?M61A1
http://www004.upp.so-net.ne.jp/weapon/vulcan.htm
http://backcountry.cocolog-nifty.com/photos/air_festa/kokusai36.html


 【質問】
 バルカン砲って戦闘機の機関砲のベストセラーでしょうか?

 【回答】
 西側というか,M61シリーズを採用しているのはアメリカだけです.
 アメリカでも,F-35なんかはM61ではない別のガトリング砲を搭載する予定です.
 アメリカ以外のヨーロッパ諸国ではリボルバーカノンのBK-27などが最も多く使われ,旧東側諸国ではガスト式のGSh-301などが多く採用されています.

トーネードF.3:イギリス
トーネードIDS:ドイツ,イタリア,サウジアラビア
ユーロファイタータイフーン:ドイツ,イタリア,スペイン
グリペン:スウェーデン,ハンガリー,チェコ,スイス

 このへんは全部BK-27.
 右側は採用してる国.

 フランス例外的に30mm DEFA砲使用.
 これ2門+弾薬300発でM61よりやや重くなる.

 あそこはド・ゴール主義の影響で,EUともアメリカとも距離を置いてたから.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 何故,戦闘機の機銃でリコイルガンは廃れたのでしょうか?
 ガトリングガンのように場所をとったり重量が嵩張ることもないし,リボルバーカノンのように弾詰まりで作動不能になることもないので,非常に良いと思うのですが.

 【回答】
 反動を利用するリコイルガンの類いは,外部動力式に比べて立ち上がりが遅いという,航空機の機銃にとって致命的な弱点がある.
 立ち上がりが遅いと,射撃を欲した瞬間に十分な量の弾丸をばらまけないだけでなく,機構が安定してないので余計な力がかかり,弾道がばらける現象が長く続く.
 今回の質問には関係ないが,油圧式の多銃身機銃が敬遠されるようになったのは,特にこの現象が理由であるとされる.

 外部動力を用意すると,重量・容積・信頼性およびコストがネックになるが,重量と容積は航空機の大型化とエンジンの大出力化により気にならなくなったし,技術の向上と熟成のおかげで信頼性も十分になっている.
 また,コストも戦闘機の世界ではもはや誤差の範囲だ.

 現代の戦闘機がドックファイトを行うとなると機銃の射撃チャンスなど,一瞬あるかないかと覚悟しておくべきなので,その一瞬に間に合わないかもしれない機銃は選択したくない.
 立ち上がりが良好なリボルバーカノンが,最も好まれているのはこの理由から.

 またリコイル・ガンは,摺動部が大きく重くなり,その重量物が激しく前後する事で砲口がブレて弾道が定まらない.
 リボルバーにしてもガトリングにしても,発射の反動以外の機械的な重量移動は極力抑えられる利点がある.

軍事板
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 じゃあ何故Su-27では,ガトリングガンでもリボルバーカノンでもないGSh-301が採用されているのですか?
 やはり,発射速度が劣っていても,重量やスペースを取らず,立ち上がりも早く,構造も単純で,整備性がよく,確実に動作する単純機関砲のほうが優れている証拠では?

 【回答】
 採用したくて採用したんじゃない.
 あれしか採用できなかったんだ.

 確かにGSh-301はかなり高度な機銃だが,無理をさせすぎた設計らしく,当初予定されていたカタログスペックの1800/分を発揮すると,バレルが物凄い勢いで磨耗するため,1500/分に押さえる事を余儀なくされたり,それでも2000発で寿命とかあっという間に精度が落ちていくとか,色々欠点が指摘されており,決して夢の機銃なんぞではない.

 じゃあ,あんなの採用したソ連&ロシアはなに考えてるのかというと,量は質を凌駕するという実にロシア人らしい思考ですウラー!

 そもそも開発計画始動が1969年,開発完了が1982年,冷戦終結が1991年.
 後から機銃を変更するにしても,全く違う機構の採用じゃ再設計を伴わないと無理で,冷戦終結以後のソ連やロシアがそんな無駄金を出せるはずがない.
 ちょっとでも予算があれば,スホーイ自身の存続とバリエーションの開発予算,外貨獲得のための営業活動の方に回されるに決まってるからな.
 ロシアには近距離戦の切り札,R-27の存在があるから機銃にこだわり見せないし.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 旧ソ連の戦闘機に良く搭載してある「ガスト砲」が,廃れていってしまった理由とは何なんでしょうか?

 【回答】
 「ガスト砲」はもともと一次大戦時のドイツの発明ですが,二つの機関砲の機関部を相互に動かすことで高速な射撃を可能に(特に高速な複座によって)するものです.
 軽量なくせに高速射撃が可能ですが,故障の確率も増え,一方が不発すると全体が射撃可能になる可能性も高いわけです.
 航空機の大型化に伴って,外部動力式のタフな高速機関砲が無理なく搭載できるようになると,値打ちがなくなってきたのだと思います.


 【質問】
 公開されているラプターやF-2の試験発射の映像を見ると,AIM-9を機体を回したり背面にしながら射撃実験を行っていますが,AIM-7やAIM-120はどうなのでしょう?

 【回答】
 サイドワインダーとかはレールランチャー式だから機体の状態に関わらず発射可能.
 ただ高G旋回ながら発射,とかはできんけど.

 F-22は兵装はみんなウェポンベィに入れてる(一応機外の増設パイロンにも搭載可能.
 ただし機外に増設するとステルス性がなくなる)ので,短距離赤外線誘導ミサイルは専用のベイからやや斜めに傾いた状態でランチャーが機外に突き出されて発射する.
 長/中距離レーダー誘導ミサイルは機体下部ウェポンベィに格納するが,ステルス性の低下を避けるために「トラピーズ(空中ブランコの意)」と呼ばれる可動式ランチャーに搭載され,「ウェポンベイ解放-トラピーズを伸ばして機外に突き出し,即座に発射-トラピーズを収納してウェポンベイの扉を閉める」というプロセスで発射し,ステルス性を極力損なわないようにしている.


 【質問】
 F-15とかでの新型ミサイル搭載の改修は,具体的にどんなことをするんですか?
イメージとしてはミサイルについてきたCDを機体のコンピューターに入れるだけだと思っていました
でもパイロンの形を変えたり,コンピュータそのものを取り替えたりするんですか?

 【回答】
 「新型」つーてもピンキリ.
 マイナーVer.upや規格踏襲ならそのまま付くかもしれん.
 上位互換ならそのまま付くかもしれんが,火器管制に手を入れなきゃならんかもしれん.
 新規規格なら,パイロンから火器管制から機体まで改修しなきゃならんかもしれん.

 ケースバイケースだ.

 以下はあくまで,F-15J(MSIP)のAAM-4搭載改修の場合の一例.

------------
C/C(Central Computer)のOFP(Operational Flight Program)改修
PACS(Programmable Armament Control Set)の改修
レーダーのOFP改修
指令送信機(J/ARG-1)の搭載
BCP(自己診断機能制御盤)への指令送信装置のBIT(自己診断機能)の追加
AAI(Air to Air Interogate)送信系の改修(ミサイル・コマンド送信のため)
RWR(Radar Warning Receiver)及びECMの改修(指令送信時のブランキング)
LAU-106A/Aランチャ改修(アンビリカル・コネクタはAMRAAMと共用)

------------http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/9578/AAM-4.html

 なお,統合近代化改修(所謂F-15J改)にて,C/Cとレーダーはハードごと交換,AAM-4搭載改修は統合近代化改修に内包される事となったので,上記の改修のみが独立して行われる事は無くなった.

軍事板,2006/04/29(土)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/29 (szombat)

青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész

 最近はミサイルの側もソフトウェアで動くことが多いんで,機体側の FCS やミッション・コンピュータで動作するソフトウェアと,ミサイル側で動作するソフトウェアの互換性が問題になるケースも.
 同じAIM-120Cですら,ブロックによってソフトウェアが大幅に書き換えられて互換性がなくなっちゃったりする状況なので.
 だから,新型ミサイル搭載に際して機体側のソフトウェア書き換えが必須になってきているのが,最近のお約束.

 これで苦労したのがチェコ空軍.
 導入したグリペンは AIM-120C-5 と AIM-9L 対応なのに,タイミングの関係で AIM-120C-7 しか入手できなくなりそうになったり,手持ちの AIM-9M が使えなくなったり.

井上@Kojii in mixi支隊


 【質問】
 レーダーロックされると,ビービー鳴るのは,映画の中だけですかぁ?

 【回答】
 こっちのレーダー警戒装置が十分有能で,敵の追跡レーダーをきっちりカバーできれば,きちんと予算を盛り込まれた戦闘機ならビービー鳴ります.

 ミサイルのレーダー断面積はたいへん小さいので,ミサイルにかなり接近されるまで分かりません.
 まず10km以下.下手すると1km.3kmとして,正対して接近し,敵機がマッハ0.8,ミサイルが3.2なら当たるまで3秒もありませんな.
 気づいて反応して機体が回避機動を始めるあたりで当たってる.

 通常の交戦距離はAMRAAMで50km程度(射程より火器管制レーダーの方が制限になる).
 上記と同等の条件であれば,発射から命中まで40秒ほどという計算になりますか.
 ともにたいへん単純化した,もっとも早い時間での話ですが.

 しかし,ミサイル警報装置はレーダーだけでなく,ミサイルの噴炎の紫外線(時に赤外線)に反応するセンサーもある.

 もっとも,最大射程近いとミサイルの燃焼は終わっているので反応しない.
 だからラプターあたりの低探知性レーダーでロックオンされ,最大射程近くから撃たれたら,本気でなにも分からんうちにあぼーんされ,
「なんだ? エンジンの爆発か?」
とか言いながら落とされる可能性も十分ある.
 おまけに二流国の戦闘機には,上等なミサイル警戒装置みたいな自衛電子装備はあまりついてない.

軍事板,2006/03/06(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 戦闘機はAAMを躱せるのでしょうか?

 【回答】
 FSのゲーム画面と違うんだから(後方視点なんて無い),自機に接近するAAMとの位置関係を操縦席のパイロットは正確に把握する事は困難です.
(特に相手は小さいからね,ミサイル警報も概略方位を示すだけ)

 ですから,間一髪で急回避なんてそうタイミング良く操作出来る筈はありません.
(コクピットから後方は死角になる部分も多いのです)
 戦闘機とAAMの機動性うんねん以前に,回避操作自体が難しいのです.


 【質問】
 JHMCSとは?

 【回答】
 ヘルメット・キューティング・システム.
 より広角でのミサイル照準ができるようになり,AIM-9Xとの組み合わせにより,空戦性能の飛躍的向上を狙っている.

 ソースは「航空ファン」 2006年4月号,p.5.


 【質問】
 映画で後ろにミサイルを発射できる戦闘機が出てたのですが,そんなもん実際にあるのでしょうか?

 【回答】
http://aeroweb.lucia.it/~agretch/RAFAQ/R-73.html

 実用段階ではありませんが,よくある「前向きに撃って後ろ向きに方向転換」ではなく,本気で「後ろに発射」ミサイルです.実験写真付き.

 内容と写真の噴煙の向き見れば分かるだろうけど,ベクタードスラストを利用して,後ろ向きのまま逆噴射で減速,対気速度0となってからさらに後方に向かって加速,という機動をしている.
 文章を見る限り,超音速でもやったらしい.

 ロシアの流体力学センスはすごいよ.


 【質問】
 空対空ロケット弾が早々に廃れたのはどうして?
 空対地ロケット弾がいまだに現役なのはどうして?
 空対艦ロケット弾ってのはあったの?

 【回答】
 空対空ロケット弾は対象が航空機なので,例え目標が爆撃機のような機動性の低い大型機でも,命中率がかなり低くなってしまいます.
 基本的にロケット弾は命中率が低く,空対空で使用するには一度に大量に使用しないと命中がおぼつかない.つまり効率があまりよくないのです.
 また,現在はミサイルが発達していますので,命中率の低いロケット弾よりかも,ミサイルの方が実用的なのです

 対して空対地で使用する場合,目標は低速なので命中させやすく,また,例え命中しなくても,爆風による被害を期待できる場合があります.
 また,人やトラック等を目標とする場合,その爆風だけで充分な損害を与えられるので,高価なミサイルを使用するよりかも都合の良いケースがあります

 対艦ロケット弾に関しては,現代の艦船は強力な対空兵装がある為,ロケット弾の射程圏に近づくこと自体が難しいのではないでしょうか.
 無誘導のロケットを当てれるくらいまで近づくと,発射母機が落とされてしまいます.
 それに誘導兵器が早いうちに開発されたこともあり,現代では対地用の流用はあっても専用はほとんどありません.

軍事板
青文字:加筆改修部分


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