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魚雷艇「9号」のエンジン
「Defense News」◆(2012/07/25) U.S., Australian Navies To Cooperate on Biofuel Research
「ロシア海軍情報管理局」◆(2014/11/20) 排煙を火災と勘違いした話
【質問】
2機1軸と2機2軸,どっちが使いやすいですか?
また,1機2軸は?
【回答】
使いやすいかじゃなくて,ダメコンの理由でわざわざ2機2軸.
1機2軸なんてややこしいことをするくらいなら,先進的推進システムを導入する方が早い.
ガスタービン・エンジンを複数個用意して,そのまま交流発電機で発電.
必要な艦内電力とポッド推進に電力を回す.
長い軸が不要になる.
予備海士長 ◆0J1td6g0Ec in 自衛隊板
青文字:加筆改修部分
【質問】
現代の水上艦は何故,第二次世界大戦中の水上艦よりも速力が遅いのでしょうか?
【回答】
かつての駆逐艦は,その軽快な船体を利して高速で移動し,敵主力艦隊に急速に接近して魚雷を放ち,高速で避退することを求められていました.
しかし第二次大戦中の航空機やレーダーの発達により,駆逐艦が高速力を発揮して襲撃を行う機会は,ほとんど失われてしまいました.
さらに,高速発揮のためには高出力のタービンや高温高圧缶が必要になりますが,大戦中はむしろ多少速力に劣っても量産に向いた,対空・対潜装備の充実した安価な駆逐艦を多く建造したほうが,はるかに役に立つようになりました.
それゆえに,第二次大戦後は速力に重きをおいた駆逐艦は建造されなくなったのです.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2005/11/20(日)
青文字:加筆改修部分
なお,ニミッツ級の最大速力は30ノットちょいですが.
ハイドロフォイルミサイル艇の類は軽く46ノットくらいは出ますね.
軍事板,2005/11/20(日)
青文字:加筆改修部分
44.7ノットの661(パパ)型原潜も忘れずに.
夏光華(シア・クァンファ) ◆BFSytpS.uc :軍事板,2005/11/20(日)
青文字:加筆改修部分
【質問】
水上速力が50~60ノットの艦艇で有名どころというとどんなものがありますか?
【回答】
アメリカのペガサス級水中翼ミサイル艦がスペック上は48ノット.
出そうと思えば50ノット越えられるかもしれないという話は聞いたことがある.
アメリカの高速輸送艦HSV-X1(海軍)もTSV-1X(陸軍)も軽荷状態で最大48ノット.
海軍LCSが50ノットを超える予定.
ロシアの「ダーガチ」型コルベットは最大速力53kt
満載排水量850トン
全長64.5m
幅17m
吃水3.8m(リフト時不明)
主機CODOG ウォータージェット2基
ノルウェー海軍の「シェル」級高速戦闘艇は最大速力は57kt,シーステート3でも44ktの発揮が可能.
他の要目は,
満載排水量260トン
全長46.8m
幅13.5m
吃水2.3m(ハルリフト時0.8m)
主機CODOG ウォータージェット2基
軍事板,2006/04/25(火)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/25 (kedd)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
【質問】
船の世界では25ノットと28ノットの差は大きいそうですが,どのように違うのでしょうか?
【回答】
1ノット(Kt)は約1.852Km.
3kt差があるということは約5.6kmの差があるということ.
単純に考えてみよう.
何も遮るもののないだだっ広い海で仮に丸一日その速度差で走り続けた場合,
一日で走った直線距離を半径として計算した円の面積は25ktと28ktでどれだけ違うだろうか?
それ計算して比較すると,たった1ノットの差でも機動性に相当の差が出ることが解ると思う.
それに,そもそも戦艦とかになると排水量*万トンの存在なわけで.たとえ1.852kmであっても早く走らせるのに必要なパワーとエネルギーは膨大なものになる.
【質問】
軍艦を設計する時に,計画速度を出すのに必要な機関出力はどうやってはじき出してるんですか?
【回答】
今までに蓄積されたデータや計算式があるから,それに基づいて設計する.
計算だけではわからない部分は,実際に模型を作って走らせてみて,その結果から判断する.
航行時に船体にかかる抵抗や推進器の性能などが大きくかかわってくる.
例えば,速度・船体にかかる抵抗・推進器の効率がわかっていると,当たり前なんだけど,馬力は仕事率なので,抵抗×速度となる.
これを馬力になおすと,その抵抗のときにその速度で航行するのに必要な馬力がわかる.
実際には,機関が供給している馬力の内で,何割が有効に使われているかをあらわす推進係数をかけた有効馬力で船は進むことになるので,上で出した馬力を推進係数で割ったものが,その船に必要な馬力になる.
船体にかかる抵抗は,速度と喫水と船体の形状が大きくかかわっている.
軍事板,2006/04/30(日)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/30 (vasárnap)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
【質問】
ガスタービンは,燃える液体燃料なら何でもOKって本当ですか?
重油でも大丈夫?
【回答】
原理的に条件が緩いのは確かだが,機械工学的な理由でいくつか要求はある.
まず配管や排気,環境規制や整備等の都合により,動粘度が大きさと相当であること.
C重油とかでも船舶用や発電用のガスタービンエンジンなんかなら設計できるが,小型だったり容積に余裕がない条件だと難しくなる.
また,燃え難い物を燃焼できる仕様にすると,圧縮比をベラボーに高める必要があり,エンジンが大型化してしまう.そうなると小型,軽量なガスタービンのメリットを打ち消してしまう事に.
てな訳で灯油くらいがベターって訳になる.
そして安定性がある程度高い事.
大げさな例だが,ニトログリセリンなんかを主燃料にするような設計士は狂ってる.
一般的には,日本のJIS規格で言うところの特A/A重油なら使える.
もっともこのクラスになると,油の質的には軽油とほとんど大差ない.
一般的に言うところの「重油」,B重油になると余熱しないと粘度が高すぎて,普通に燃料としては使えなくなるので,専門の装置がついたエンジンでないと使えない.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
>そういえばアメリカの新型強襲揚陸艦「アメリカ」はガスタービンになるけど,
>新鋭ドック揚陸艦「サン・アントニオ」はディーゼルだよね.
>なんで違いが有るんだろ?
>速力は同程度なのに.
こんなコメントを見かけました.
ワスプ級の蒸気タービンからアメリカ級ではガスタービンになるわけですが,そういえば変更した理由や,ディーゼルではない理由はどうしてなんだろう?
JSF,2009年11月29日 03:42
【回答】
まず,通常舶用蒸気タービンはLNGタンカーなどの特殊用途を除いて,ほとんど適用例が無くなったことから,ロスト・テクノロジー化しつつあることが挙げられます.
そのため,将来に渡ってメンテナンスを続けることが出来るかどうかも含め,得失を考えた上で,米海軍は使い慣れた通常舶用蒸気タービンから手を引きつつあると考えるのが自然です.
もちろん,従来火力発電用蒸気タービンの技術の蓄積もありますが,こちらの方は熱効率向上のため,過熱蒸気からもう1段先に進んだ「超臨界圧」に移行しており,一方の原子力蒸気タービンの場合は飽和蒸気ですので,その間の舶用蒸気タービンが取り残されている状態です.
一方,新型揚陸艦等にガスタービンを用いるか,ディーゼル機関を用いるかは,一長一短有り,一方に決めかねたものと愚考します.
(既存蒸気タービン揚陸艦の機関換装であるなら,設計変更を最小限にとどめるためにスペースや重量の関係でガスタービンが主な選択になるでしょう.)
各機関の特性は説明するまでもないでしょうが,揚陸艦への適用にあたり,技術的に考え得るポイントを以下に列挙したいと考えます.
1.揚陸艦の特性上,全出力運転もあれば停泊・低速待機などの運転もあり,上陸作戦では航空機の運用無き限り,低速で長期間航行することもあり得るでしょう.そうすれば燃費面でのガスタービンの欠点は明らか.
(ただCOGAG, COGOGにして少しでも補うことは出来ますが,抜本的には統合電気推進艦にまで思い切った変更が必要でしょう.)
2.一方,揚陸艦としては出来る限り広い艦内スペースを確保する必要がありますので,大出力の一方,機関部分は極小にしたいのは当たり前.そうなればガスタービンの方が有利.
3.ただしガスタービンの方が燃費が悪いのは明らかな(高速航行時はまだマシという程度)ため,燃費の悪さを燃料タンク容量で補う必要があり,ライフ・トータル・コスト(経済性)も含み,2.でのメリットと実運用上どちらが勝るか,実際に試してみないと判断が付かない.
4.振動の面では明らかにガスタービンの方が有利.
以上,一長一短あり,実際の運用での得失を見極めることと,リスク分散を図ったと考えるのが妥当かと考えます.
本当のところは中の人に聞いてみないと分かりませんが,以上ご参考まで.
へぼ担当,2009年11月29日 08:13
運用形態の差があるんじゃないかと.
LHA(R) はウェルドックを廃して航空機の運用に徹するから,海上で停止して運用する場面は少ないはず.
一方,LPD はウェルドックから揚陸艇を発進/収容する場面など,低速航行,あるいは停止する場面が少なくないはず.
そうなると,後者ではディーゼルの方がいい,という判断かなあと.
あと,ガスタービンは吸排気系がスペースをとるので,それと艦内スペースの兼ね合いとか.
井上@Kojii.net,2009年11月29日 08:55
以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より
青文字:加筆改修部分
【質問】
「缶」ってどんな装備なんでしょう?
【回答】
分かり易く言えば,ボイラーのこと.
燃料を燃焼させてその熱で高温の蒸気を発生させ,その蒸気のエネルギーを利用して,エンジンのシャフトを回転させる.
機関車や病院,工場の熱源に使われているものと,原理は同じ.
簡単に言えば,でっかいヤカン.
艦船のそれは,燃料の違いにより,
専焼缶:重油のみ使用
石炭専焼缶:石炭のみ使用
混焼缶:重油と石炭の両方使用
とに分かれる.
また,メーカーや設計者の名を採って,例えば
パブコック&ウィルコックス缶
ヤーロー缶
宮原缶
などという呼び方もする.
さらに,メカニズム上の違いから,
円缶
水管缶
などという言い方もされる.
ちなみに「補助缶」というものもある.
主機(メイン・エンジン)の動力としては使わないボイラーのことを指す.
北洋警備に携わった占守型海防艦の暖房用に搭載されていたものが,その代表例.
補助缶に対して,上述のボイラーのことを主缶と呼ぶこともある.
【参考ページ】
阿部安雄「技術面から見た日本戦艦の発達 2.機関」,海人社編『日本戦艦史』(海人社,1988)
ボイラー大百科 | 前田鉄工所
ブラウザ・ゲーム板,2013/06/11(火)
青文字:加筆改修部分
【質問】
混焼缶,というのがよくわかりません.
専焼缶,というのはわかりやすいのですが.
実際に石炭と重油と混ぜて(一緒に)燃やすのでしょうか?
あるいはどっちでも使える,という意味なのでしょうか?
また,常に混ぜてるのか,あるいは高出力時にのみ混ぜるのか,はたまた高出力時にのみどちらか(イメージ的には重油?)のみを燃やすのか・・・
ちょっと疑問に思ったので,どなたか教えてください.
【回答】
汽罐に投入された石炭の点火用,或いは助燃剤として重油を噴霧する形が主.
石炭は安価で燃焼時間が長いが,点火~消火に時間が掛かる.
石油はその逆.
状況に応じて使い分けていたようです.
自然排気式の場合,空気は加熱されると軽くなり,上昇する.
その結果,炉内は負圧となり,石炭投入口から空気が吸入される.
これを「煙突効果」と言う.
投入口で適性な負圧が保たれていれば逆火は発生しない.
強制排気用の場合,ベントブロワー(排風機)により炉内は負圧に保たれる.
イメージ的にはこんな感じ.
この炉の場合一番下に石炭を投入・燃焼させ,石炭をガス化させる.
ガスは注入された空気ジェットと共に,上部の二次燃焼炉で完全燃焼.
廃熱は熱交換されスチームになる.
排風は当然ベントブロワーで排出されているだろう.
昔は二次燃焼炉が無く,熱効率が低く,またダイオキシンの排出も相当なものだったと考えられる.
http://village.infoweb.ne.jp/~nce/hoval.htm
停泊時は石炭の残火で予熱を保ち,緊急出港時には混焼しながら熱量を急激に上げ,巡航時には石炭専焼と考えて良い.
あまり燃料を投入しすぎると炉内圧が上がり,失火又は逆火となるので注意.
実は技術者として新米の頃,片手間で,部内で使用するゴミ焼却炉の設計を行った経験がある.
空燃比の設計を間違えたため,造修所で製造した焼却炉は投入口を開放するとバックファイアする,危険な代物であった.
不具合を修正するまで,眉を焦がした隊員に文句を言われたものだ.
追加@海 in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
最近,注目のAIP潜水艦ですけど,発想自体は古く,ドイツではワルター機関,ソ連ではクロースドサイクルディーゼルを戦時中あるいは戦前から研究していたそうですね.
では,なんで現在,本命視されているスターリング機関には,誰も見向きもしなかったんでしょうか?
【回答】
スターリング機関はポッと出の機関ではなく,1937年から発電用エンジンとして,オランダのPhilipsがずっと開発してきました.
スターリング機関はヘリウムや水素を容器中に密封し,そのガスを外からあぶったり冷やしたりして,体積を変えてピストンを作動させます.
このため,爆発音,排気音は低く抑えられるわけですが,反面,ガスを冷やしても直ぐに出力が低下するわけではないので,出力の制御にはガスを別の容器に移したり戻したりをしないといけません.
これが技術的に至難の業となり,燃費が余り良くなく,容積は通常のディーゼルエンジンよりも大きくなり,しかも,ラジエータの容積は,ディーゼルエンジンの2.5倍の容量が必要で,これら補機部分の騒音が大きく,リジェネレータとクーラーの生産コストと生産性は,現在の内燃機関より劣る……と言うわけで,なかなか発展しなかった訳です.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2005/06/19(日)
青文字:加筆改修部分
【質問】
今日の「オブイェクト」(蒸気タービンからディーゼルへという考えは誤り)についてです.
蒸気タービンが船舶に用いられたのは,タービンという回転運動からエネルギーを得る装置と,スクリューという回転運動によって推進力を得る装置とを,同軸で直接繋ぐことができるからだと考えています.
逆に旧型の蒸気機関が船舶から消えたのは,タービンと異なりピストン運動をスクリューの回転運動に変換するという無駄があるからだとも.
ディーゼルはピストン運動を利用する機関だったと理解していますが,それならディーゼル機関はタービンでない蒸気機関と同様に,ピストン運動を回転に変えるという無駄があるわけですから,タービン機関に効率で劣るのでは?と思うのです.
なぜ各国がディーゼル機関を船舶に採用しようと試したのか,その理由について教えてください.
白い狐,2009年11月26日 23:43
【回答】
「効率」と仰いますが,まず,「熱効率」という工学上,重要な概念を理解された方がよいかと考えます.
ピストン運動か,回転運動か,どちらが有利というわけではなく,その各方式での熱効率がどの程度なのか,どうして熱効率が違うのか,どちらがよいのか,と言うことを検索・勉強されることを強くお勧めします.
(本気で行うのであれば,大体,大学工学部2年生レベルの1科目1年間分の講義(「熱力学」と呼ばれる学問分野です)が必要となりますが,必要でしょうか?)
なお,一般商用船舶用原動機としては,現在のところ蒸気タービンを用いているのはボイル・オフ・ガスを処理する必要のあるLNGタンカーぐらい
(これですら複雑性を承知の上でガス(ディーゼル)エンジンを採用した例があります)
であり,他は熱効率の違い(良さ)から来る経済性
(軍艦としては航続距離延伸や補給の少なさに繋がります)
より,ごく一部高速船に用いられるガスタービンという例外を除いては,ディーゼル機関が主流です.
というわけで,一言でまとめれば,その複雑性に対し起動性の良さの他,
「熱効率の良さに由来する航続距離延伸や補給の少なさ」
を期待できるため,と言うことになります.
後は「熱効率」について学習されれば万全か,と考えます.
以上,ごく短めですが,さわりに代えて.
へぼ担当,2009年11月27日 00:15
大型ディーゼルは,熱効率がすごく良いんですよ.
最近の船舶用大型ディーゼルは,高度な過給機と組み合わせて,熱効率50%以上てのもあります.
蒸気タービンは外燃機関です.
発生した熱で水を沸騰させないと,運動エネルギーに変換できません.
燃焼ガスと作動流体が違うので,そこで熱を伝える過程で,ロスが生じます.
また,回転数も大きい(4000~9000rpm)ので,高度な変速機(抵抗が大きい)が必要です.
同軸の繋ぐのは,ちょっと無理です.
加えて,タービン機関全体に言えることですが,低出力運転時(巡航時など)において,タービン機関は熱効率がかなり悪化すると言う欠点があります.
高出力を出すのには向いているんですけどね.
エネルギーの流れは以下のとおりです.
熱 → 作動流体(高圧水蒸気) → 水蒸気タービン → 変速機 →スクリュー
船舶用ディーゼルは内燃機関です.
燃焼ガスと作動流体が同じなので,蒸気タービンのような(作動流体に熱を伝達するというような)ロスはありません.
また,船舶用大型ディーゼルは,100rpm程度と低速なので,変速機も簡単(抵抗が小さい)になります.
エネルギーの流れは以下のとおりです.
燃焼ガス(熱+作動流体)→ ピストン → 変速機 → スクリュー
極東の名無し三等兵,2009年11月27日 00:42
熱効率もあるが,重量あたり出力ってのもあるんだよなあ.
とりわけ高速発揮を期待されるフネでは.
緑川だむ,2009年11月27日 01:02
機構的な無駄(この場合ではピストン運動を回転に変えるという無駄)
は,わりと,軽減できる傾向にあります.
ただし,エネルギーの利用効率は,そうそう,上げられません.
結局,機関全体の効率を考えないといかんので.
機関(エンジン全体)の効率というのは,
(機関の効率)=(出力されたエネルギ)/(投入されるエネルギ)
という割り算で示されます.
機構的な無駄(この場合ではピストン運動を回転に変えるという無駄)というのは,この式の中では,小さい役割しか持ちません.
ゆきかぜまる,2009年11月27日 01:15
以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より
青文字:加筆改修部分
【珍説】
TORA氏の主張は過去・現在・未来の何れに置いても存在しない事象である-
株式日記と経済展望
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民間の船舶を見れば熱効率が優れたジーゼルエンジンが主流になり,蒸気タービンからジーゼルへの流れは常識だ.高速大型戦闘艦にディーゼル機関が採用される事は結果的にありませんでしたが,JFS氏に「思い込みと妄想から来る完全な捏造であり,口走るべきではありませんでした」と書かれるほど見当はずれでもないと思うのですが,戦艦大和もジーゼルエンジンが完成して改良が続けられていたら,護衛艦の「くらま」も蒸気タービンではなくジーゼルが使われていただろう.
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【事実】
TORA氏,貴方自身が戦艦の機関の話に限定していたのに,いきなり民間船の話を持ち出して言い訳に用いる等,そのような子供のするような真似は認められません.
また,大和のディーゼル機関採用があったら~,という仮定も大して意味が有りません.
仮にそうなって,「くらま」がディーゼル機関になったとしても,あっさりガスタービンに取って代わられるだけです.
はるな,ひえい,しらね,くらまの系譜となる最新鋭のヘリコプター護衛艦「ひゅうが」に,どんな機関が積まれているか,ご存じありませんか.
【質問】
韓国海軍のAOEが,横須賀出航時,「爆発音」がして,「黒煙」を吹いたそうですが,ディーゼル・エンジンの船ではよくあることなんでしょうか? 原因と考察をお願いします.
【回答】
ディーゼルエンジンは,始動時や急速な増速時などは,盛大に煙を噴き上げます.
かなりうろ覚えだが…これは,船舶用ディーゼルエンジンの燃料が,ガソリンなどと比べ炭素含有量が多い重油を使っていることに起因します.
ディーゼルは始動時や,急速なスロットル増加を行うと,エンジンの構造上の問題で,少しの間不完全燃焼を起します.
ガソリンなら炭素含有量が少ないのでいくらかマシなのですが,炭素含有量の多い重油が不完全燃焼を起すと,煤が大量に発生し,結果として,黒煙が大量に放出されるわけです.
これがエンジン始動時,及び増速時に煙が上がる理由です.
もっとも,これがこのフネに適用できるかどうか,知りませんが.
また,WW2のころの輸送船の話ですが,「急速な増速時などは,盛大に煙を噴き上げて,敵にみつけられやすくなるから止めとけ」というテクニックがあったりしました.
この話のソースは,文庫版航空戦史シリーズ99「海の狩人アトランティス」(ベルンハルト・ローゲ Bernhard Rogge著,朝日ソノラマ,1988.3).同書はドイツの仮装巡洋艦の船長の手記です.
極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in 軍事板
【質問】
最近の艦って,ディーゼル機関でも軽油を使ってるのでは?
実は以前,井上氏のサイトでこういう記述を見たのですが.
ちなみに,海上自衛隊や米海軍の場合は,蒸気タービン艦もガスタービン艦もディーゼル艦も,すべて軽油を使用している.(REF:MIL-F-24397)
http://www.kojii.net/old/t000329.html
このとき初めて知ったのが,海自の護衛艦が使っている燃料は軽油だという話だった.
護衛艦の多くはガスタービンだからケロシン系の燃料かと思っていたら大間違いで,びっくり仰天した記憶がある.
後で「世界の艦船」誌が「艦艇用燃料の話」という特集を組んだことがあり(これまた渋い特集を…),その際に海自が使用している燃料「軽油5号」を導入したいきさつが書かれていたので,貪り読んだものだ.
常識的に考えれば,蒸気タービンは重油,ガスタービンはケロシン,ディーゼルは軽油ということになる(実際には,さらに航空機用のJP-5も加わる).
これでは艦によって使う燃料が違ってしまうし,特に補給艦の場合,自艦燃料と給油用の燃料が違ってしまって効率が悪い.
ところが,燃料を全部軽油に統一していれば,補給上の面倒は軽減できそうだし,調達も楽になるのだろう.
納得.
http://www.kojii.net/opinion/col040705.html
JSF in mixi支隊 & in 2nd FAQ BBS
【回答】
簡単に説明しますと,まずA重油と軽油は,性質がほとんど一緒です.
従って,この場合の重油・軽油の理論は不毛です.
A重油と軽油では,炭素含有量は大きく違いません.どっちもC14~18程度とされます.
このA重油を使ったディーゼルエンジンは,小型船舶によく見られます.
ちなみに,大型船舶や発電に用いられるような低速ディーゼル(大型高出力)には,パッと調べた結果,動粘度700~180 mm2/S/50℃あたりの重油が燃料として使われているようです.
これはJIS規格では三種に分類され,一般的にC重油といわれます.
(この燃料は安いが,代わりにエンジンがでかくなる.なので発電や大型船用)
こちらは,A重油と比べて炭素含有量も多く動粘度が大きいです.タンカーや輸送船などに使われるのは,大概コイツです.
少なくともダイハツの船舶用大型ディーゼルは,コイツです.
比較的最近の資料では,以下の通りです.
重油 用途
A重油 80%がボイラ用 20%が小型船舶・内燃機関(自家発電用など)
B重油 ほとんど生産されない
C重油 ボイラ・大型船舶用ディーゼル用
(「環境圏の新しい燃焼工学」東京 フジ・テクノシステム , 1999.12
「石油便覧 」日本石油株式会社編, 2000年度版)
ちなみに,小型船舶とは主に漁船を指し,大型船舶とは貿易船やタンカーなどの外航船を指します.
これより,1990年代までは,主に重油を船舶用ディーゼルに用いていたと言えると思います.
2000年代に入ってからの資料はわかりませんが,これと大同小異ではないでしょうか.
極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in 2nd FAQ BBS
例えばディーゼル二軸のおおすみはこんな具合
観艦式のDVDでも観ればもっと判りそうな.
持って無いけど('A`)
メッサー=ハルゼー in mixi支隊
【質問】
「ウォータージェットは低速域で燃料ドカ食いするから使い難い」
とか言う話を最近よく聞くんですが,今月号の世界の艦船を読むと
「低速航行用のウォータージェット」
とか,
「低速航行巡視船にとって日常的な行動なのでウォータージェットを~」
みたいな表現が書かれていました.
結局のところ,ウォータージェットって燃費良いのか悪いのかわからないのですが,結局どっちなんでしょうか?
それともこれは燃費は重視せず,単に操船性のみに絞った表現なのでしょうか?
【回答】
ウォータージェットは基本的に高速から低速,さらには後進まで任意の速度を出せる.(まぁ,可変ピッチプロペラもそうだが,しかし高速特殊警備船や高速高機能巡視船は高速航行に特化した機関とウォータージェットを搭載しているので,高速だろうが低速だろうが燃費は悪い.
操船性で言えば「あそ」の船長は
「770トンの大型巡視船にもかかわらず,操船性能は30m型巡視艇(100トン)とまったく変わらない」
とコメントしている.
【質問】
艦艇のタービン機関やディーゼル機関には,なぜ補機が必要なのですか?
【回答】
タービンエンジンの始動時の問題点は,主軸の慣性重量ではなく,始動するまでにコンプレッサーブレードの回転数を相当上げなければ成らない点にあり,即時始動させる為には巨大なキャパシタまたは電源とモーター,または高圧空気が必要になる.
そしてこれらは内部動力源としては始動時以外には死重量と成る為,外部動力で補っている.
一部の物は高圧空気の変わりに火薬の燃焼ガスなどで始動するようになっている.
ジーゼル機関は,始動時に吸入空気を余熱する事で冷間時の始動性を向上させており,また待機時の燃料節約の為に補助機関を必要と成って居る.
その為のAPUで,従来は主機関のアイドリングで待機電力を賄っていたが,燃料消費と騒音の問題が大きく,昨今では補助機関を搭載する事が必須と成って居る,と言うのが内部・外部動力に関する回答であり結論.
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