m

准トップ・ページへ戻る

◆◆◆潜水艦
◆◆艦種別
<◆海軍関連
兵器FAQ目次


 【link】

『本当の潜水艦の戦い方』(中村秀樹, 光人社NF文庫,2006.6)

 元海自の潜水艦艦長によって書かれた潜水艦の解説に始まり,中盤からは大東亜戦争中の日本海軍の潜水艦戦についてかかれています.
 また, 最後の方で,海自の抱える問題についての見解も述べられています.
――――――Siila in おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)6月16日

 【質問】
 世界最初の潜水艦は?

 【回答】
 17世紀にオランダ人ファン・ドレベルが作った手漕ぎ木製潜水艇が,水面下すれすれだが水中航行できたものとしては世界最初.

 軍艦と言える潜水艦の最初は,1776年にアメリカ人ブシュネルが造った「タートル」号が最初とされる.
 海賊コブラのほうの「タートル」号ではないので念のため.
 同艇は錐で敵艦底に穴を空け,火薬箱を錐ごと残して逃げ去るという攻撃手段を持っていたが,英艦「イーグル」をハドソン河で襲撃した最初の攻撃では,錐が舵支えの金物に当って刺さらず失敗.
 2度目にして最後の出撃では,ニュー・ロンドンで英艦「セルベラス」を攻撃.
 爆発前に火薬箱は引き揚げられてしまったが,それが甲板上で爆発.同艦に損害を与えたという.


 【質問】
この画像↓
ttp://www.101fwy.com/army/src/1186816120698.jpg

潜航艇らしいのですが詳細が分かりません.
どうか教えてください.

 【回答】
458 :名無し三等兵:2007/08/11(土) 16:18:28 ID:???

 さっき見た画像だなと思ったら直リンかよ.
 101で聞け.


459 :名無し三等兵:2007/08/11(土) 17:03:54 ID:gVHUIjTO

 質問するために101を借りたのですが何か?


460 :名無し三等兵:2007/08/11(土) 17:05:00 ID:???

 これは,潜水艦の歴史の本を借りてくれば一発で分かる.


464 :名無し三等兵:2007/08/11(土) 17:40:36 ID:???

 アップローダ代わりに画像掲示板使うのは非常識では?


465 :名無し三等兵:2007/08/11(土) 17:41:56 ID:???

 そう考える奴は最初からそういう事はしない.
 つまり,言っても無駄.

>457
 "early submarine"でイメージ検索をかけると同じ写真と説明がすぐに見つかるが?
 船名は「The Resurgam」な.

軍事板


 【質問】
 かつて列強(日本,独逸,亜米利加,ソ連など)は潜水艦を数百隻も保有していたのに,何故,現代では数十隻程度しか運用しなくなったんですか?

 【回答】
 ドイツは「千」だ.

 さて,その昔,ドイツはディーゼル潜水艦で大西洋やらを行き来する商船,特に米国とイギリス本土の間を結ぶ貨物船やタンカーを沈めてイギリスを締め上げようとしました.
 当時の技術的制約ではどうしても多数の潜水艦を交代で洋上に出して哨戒させる必要があり,また,潜水艦対策に米英が力を注いだこともあって,多くが沈められたのでどんどん沢山作りました.
 大型艦船を作るかわりに潜水艦を作るのに集中してくらいです.

 しかし,今では
・潜水艦の能力が原子炉を搭載することで,長期間潜航し続けられるようになったこと,
また,
・通商破壊よりも深海や敵の聖域でSLBMを積んだSSBNを付け狙ったりするのが主な役目となったこと,
・潜水艦の値段が高くなったこと
などから,大量に潜水艦が作られるというのはちょっと珍しくなりました.
 それでも昔のソヴィエトはかなり沢山作ってましたよ.
 今でもソヴィエトの軍港にいくと赤錆だらけの原潜が,メザシのように埠頭に並んでいるそうです.

 ちなみに,WW2開戦時に100隻を超える潜水艦を保有していたのはソ連とイタリアのみで,あのドイツは開戦時にたった63隻しか保有していなかった,ということは覚えておこう.

各国潜水艦


 【質問】
 攻撃型潜水艦って何?

 【回答】
 水上艦艇や潜水艦を攻撃するために作られた潜水艦のことです.
 核ミサイルを積んで敵国の都市などを遠くから攻撃する,いわゆる戦略型潜水艦とは,そういう目的の違いにより区別されています.
 最近では敵国沿岸に侵入して,特殊部隊を送り出すなどの任務も受け持つようになっています.

【ぐんじさんぎょう】 2008/8/1 20:30

攻撃型原子力潜水艦「アルハンゲリスク」(オスカーI型)


+

 【珍説】
「潜水艦なんて時代遅れなものは必要ない」(片山さつき・財務省主計官)※

 【事実】
 完全に間違いです.
 潜水艦は高い秘匿性&対艦攻撃力,水上艦よりも(一般に)優れたソナー,海上のコンディションに影響されない等の優位性を持ちます.

 潜水艦は「時代おくれ」(すなわち役立たずになった)だそうですが,その論拠を教えてほしいですね.
 想像ですが「WW2後まるで目立たないから」でしょうか?
 それとも,対艦ミサイルが進歩したから魚雷を使う潜水艦は時代遅れ,とでも言いたいのかな?
 きょうびの攻撃型潜水艦は対艦ミサイルを装備,使用できるのが普通ですが.魚雷が使う水中発射管を使うのが普通.
 海上自衛隊の潜水艦もかなり前(なだしお以降)から対艦ミサイル(ハープーン)が運用可能になっているはず.

 フォークランド紛争では対艦ミサイル「エグゾセ」の印象が濃いですが,エグゾセを食らってから沈没まで駆逐艦は6日,輸送艦は3日かかりました.
 一方,イギリス側の潜水艦の魚雷攻撃では,巡洋艦1隻を撃沈しました.こちらは即座に沈みました.魚雷は喫水下に食らいますので.

 潜水艦はソビエトの脅威が大幅に減少した今も将来も,潜水艦は日本でも有用な防衛力です.
 北に対する強硬的手段への反対論で「日本には北を直接叩く軍事力が無い」というのが有りますが,潜水艦を使えば北の海路を容易に封鎖できます.そうなれば中国側の陸路しか有りません.
 封鎖というと地味そうですが.
 事前警告の上での封鎖は,他の軍事オプションよりも政治的ハードルも低いですしね.

(キルロイ in FAQ BBS)

 ※片山が,本当にそう言ったのか,実際にはどんな文脈の中でそう言ったのか,はっきりとはしていない.ZAKZAKは,これだけを情報源として頼るには非常に心もとない.


 【質問】
 対潜之の字運動は,どういう効果を狙ってするのもなのですか?
 この運動をせずにまっすぐ突っ切れば逃げられたのに,これのせいで潜水艦に追いつかれたりしていて,あまりいいようには見えないのですが・・・・

 【回答】
 質問者は,之の字運動を,潜水艦から逃げるための戦術と勘違いしていると思われる.之の字運動は,潜水艦に待ち伏せされないための戦術.
 ディーゼル潜水艦の持続可能な水中速度が船団の速度より速いという事はない.したがって,船団後ろに居る潜水艦が船団に追いつくという事は基本的に有り得ない.
 潜水艦は船団の進路を予測して前で待ち伏せする必要があるが,進路変更を頻繁に行えばソレを防ぐ事が出来る.


 【質問】
 潜水艦による浅海作戦と深海作戦の特徴ってどんなもので,なぜ最近は浅海作戦が重視されてるのでしょうか?

 【回答】
 外洋で深深度,原子力動力の潜水艦同士が,戦略ミサイルを持って張り合ったり,それをやはり原潜が攻撃したり,というのが深海作戦です.
 これに基づき建造されたのがロシアのタイフーン級,アクラ級や,アメリカのオハイオ級,ロサンゼルス級です.
 冷戦末期には,「沈黙の艦隊」に出て来た「やまと」のモデルともなった,究極の攻撃原潜「シーウルフ」が就役してます.

 冷戦の終結に伴い,潜水艦が遂行すべき任務は陸上への力の投射,特殊部隊の送り込み,機雷敷設,掃海, 水上艦船攻撃,情報収集,水上艦の監視,両用戦の支援等に変化してきています.
 潜水艦に要求される性能やウエポン・システムも,こういった浅海作戦向きのものに変化してきているのです.


 【質問】
 「潜水艦救難艦」という潜水艦救難を専門にした船は,いつ頃から作られる様になったんでしょうか?

 【回答】
Salvage Shipsと言う区分では,潜水艦以前から有ったようですが,明確に"Submarine Salvage Ship"として建造されたものは,1914年にItaly海軍が建造したAnteoが最初です.
 (Italyの区分では,"Pontone per ricupero Sommergibili"と言うようです.

 これは,排水量2,100tの移動可能な台船で,沈没した潜水艦を2基の200tクレーンで引揚げるというものでした.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)


 【質問】
 大戦中の潜水艦は,どの国のものも生活環境が劣悪だったようですね.悪臭,汚水,空気汚染・・・
 現代のアメリカの潜水艦は,どうなのでしょうか?
 原子力の新鋭艦だと,非常に快適なのでしょうか?

 【回答】
 原潜となり,エネルギーが豊富に使えるようになって,艦内環境は劇的に改善しました.
 特にSSBN,タイフーンクラスの温水プールは有名.

 現代のディーゼル潜水艦も『かつてに比べれば』だいぶマシになっています.もちろん,他の水上艦艇に比べて劣悪なのは言うまでもありませんが.
 自衛隊の潜水艦では,艦内環境が良くないので,それの代わりに,食事が若干豪華になっていて,月曜日の夕食はステーキだそうです.

 アメリカの原潜は,それらのディーゼル潜水艦よりも良い環境が用意されていますが,やはり非常に快適とまでは言えません.
 水上艦艇に比べれば,狭いし,その他の制限も大きい.

 それに,臭いの問題がディーゼル潜にはあり,また,それほどではないにせよ,原潜でもどうしても残るらしい.
 臭いについては,こんな話もある.

 呉のタクシー運転手は,ある特技を身につけている.乗り込んできた客が何をしている人間か,少なくとも一つの仕事に限って言えば,かなりの確率で言い当てることができるのである.
「あんた,潜水艦乗りやろ?」
「分かります?」
 本業をずばり言い当てられたサブマリナー,潜水艦乗りの隊員が聞き返すと,運転手は,ルーム・ミラーの中で頷き返す.
「匂うけんね」
 潜水艦に乗り組むようになった隊員なら,大抵一度や二度は経験していることである.
 タクシーだけではない.
 バスに乗った途端,近くの客が蜘蛛の子を散らすように席を立って奥のほうに移動し始めたとか,吊革につかまっていたら,そばの客に露骨に顔を背けられたといった悲惨なエピソードを持つ隊員もいる.

 むろん,ふだんから潜水艦乗りが臭っているというわけでは決してない.海の中での訓練航海を終えて呉に帰ってきたとき,汚れものを入れたバッグを手にタクシーやバスに乗ると,そうした反応に出くわすのである.
 だからといって,バッグを持っていなければ,臭わないかというと,やはり臭うのである.
 それでは服を着替えれば大丈夫だろうと,潜水艦を下りるとき,新調のトレーナーでタクシーに乗っても,やはり「あんた……」と言われてしまう.

 潜水艦乗りの宿泊・休養施設である待機所で,航海を終えて呉に戻ってきたらシャワーを使って石鹸で体の隅々まで洗い,汗や汚れをすっかり落とした上で,新しい服に着替え,基地を出る.
 ここまでやれば,さすがに,と思うのだが,それでも,臭うものは臭うのである.体中の毛穴という毛穴に臭いが染み込んでしまい,シャワーを一回浴びたくらいでは,どうやら抜けないようなのである.
 立ち止まっているときは感じないのだが,歩き出すと,空気が動いて,それと共に自分の臭いが伝わってくる.

 潜水艦乗りに特有のこの臭いは,ディーゼル・スメルとも呼ばれる.潜水艦のディーゼル・エンジンを動かすための燃料,機械油,厨房で焼いたり揚げたり蒸したりする調理の臭い,それにスパイスとして,トイレ臭に,隊員達の汗が染み込んだ男臭さ,これら全てがカクテルされたものが,独特の臭気となって狭い潜水艦内に篭るのである.
 潜水艦は時折,海面まで近付いて外気を取り入れる細長いシュノーケル装置を覗かせ,艦内に新鮮な空気を送り込んでいる.
 しかし,密室状態の艦内の空気が全て入れ代わるほどではない.
 むしろ,空気は殆ど循環しているに等しい.

(杉山隆男,元新聞記者,from 「SAPIO」,2003/6/25, p.71-,抜粋要約)

 同様の記述は,他にも見られる.

 艦長と副艦長の敬礼に迎えられて,艦の多少後ろ寄りにある中部ハッチから艦内に入った.
 垂直の鉄梯子を4mほど降りると,オイルの臭いが鼻をつく.これがディーゼル艦特有の臭いらしい.
副艦長「けっこう臭いでしょう.この臭いが体に染み込んで初めて潜水艦乗りと言えるんです.
 航海から帰ってきて家内に洗濯物を出すと,凄く嫌がるんですよ.
 横須賀の街でタクシーに乗れば,運ちゃんに『あんた潜水艦だね』と言われる.
 中には,バスに乗ると他のお客さんが近付かないくらい強烈に臭う奴もいますから」
〔略〕
――洗濯物は?
乗員B「溜まりっぱなしです(笑)」
 シャワー室は全部で5つ.海水を真水に変える造水機はあるが,シャワーはそう頻繁には使えない.

(別冊宝島編集部編「裸の自衛隊」,宝島社文庫,1999/8/9,p.165-166)

 ただし,SAPIOソースは信憑性に難があり,「裸の自衛隊」も,センセーショナリズム傾向が見られる.
 後者の目次を見ると,
「『キンタマ』たち,最後の楽園」
「沈黙の歓待!」
「疑惑の爆殺計画を追え!」
「ボ〜ッと突っ立ってる兵隊と,世間知らずの幹部達が平和に暮らす『自閉隊』という名のお役所!」
「自衛隊は,何故,こんなに変な軍隊なのか?」
 ……うーん.

 また,本書の監修が神浦元彰.
 ……うーーーん.

 潜水艦の該当部分をインタビューしている古橋健二,巻末の著者紹介を見ると,
「著書に『アイドリアン超人伝説』
 劇人形専門店 Puppet House 店主」
 ……うーーーーーーーん.

 元海自潜水艦乗りのサイトによれば,一応,上記の話は確かなようだが,ソースの難点については留意されておかれたし.

 なお,見学者によれば,

 「ディーゼル・スメル」,巷間言われているほどひどいものではないようです.
 事実,私が見学した「xxしお」では,魚雷発射管室でオイル臭と金属臭,機関室で排気臭がしましたが,鼻が曲がるようなものではありませんでした.

 海自潜水艦が入港した先で,一般公開などの広報行事があり,都道府県地方連絡部の「広報支援」が得られると,地方連絡部が出すマイクロバスで繁華街に出られるなどの特典があり,乗員が真っ先に人数をまとめて行くのが,あらかじめ下調べをしておいた「スーパー銭湯」なんだそうです.
「サウナもありますし,大きな湯船で思う存分漬かれますし,上がったら大の字になって寝られるスペースもありますからねえ」

(ナンバーテン in FAQ BBS)

とのこと.
 これについて,上述の元海自氏はこのように述べる.

――――――

 停泊中の潜水艦の臭いは,行動中の潜水艦の臭いとは違い,あまり臭くありません.
 ただし,行動中は人間の鼻がその臭いに慣れてしまっていますから,そんなに臭いとは思いません.
 如実にその臭さを感じた体験から説明します.

 潜水艦の真水系は,バルブを操作してラインを作り,真水タンクに背圧をかけているので,蛇口のコックを開くと水が出てきます.
 真水タンクを切り替える時は,ラインを作り,別の真水タンクに背圧をかけ,今まで使用していた真水タンクの背圧をベントする,という作業をします.
 停泊中はビロー(艦内当直員)がこの切替え作業をしますが,このベントされた空気の臭いを嗅ぐと,行動中にどれほど臭い空気を吸っているか実感としてよくわかります.

 衣類の臭いも当然ですが,潜水艦に持込んだ書籍,仕事で作成した資料のファイルなどの紙にも,半年位はその臭いが残っています.

――――――

▼ 先日,友人のサブマリナーに話を聞けたのでいくつか書いてみる.
 ディーゼルの臭いが体につくというのは本当だけど,当人にとってはなかなか気がつかないそうな.
 ただ,カバンや帽子などについた臭いは結構取れない.
 あと,タクシーの運転手に気がつかれるかの件は,潜水艦を降りてすぐにタクシーに乗ったことは無いので分からない,ということだった.

nullpo in FAQ BBS

 上述の元海自氏は,潜水艦の臭いばかりがクローズ・アップされることを嘆いて次のように述べる.

――――――

 潜水艦が臭いことは事実なので否定しません.
 しかし,私がこのサイト内(注:元海自氏自身のサイト)で臭いことを書いたためか,潜水艦というと臭い ということがクローズアップされて掲示板に書込みされることが多い.

 小学生くらいの年齢の子供は,ウンコやオシッコやオナラや臭いということに異常に反応することは,皆さんも経験上ご存知のことだろうと思います.
 年齢を重ねることによって,大人の対応に変わってくると思うので,このサイト内でも,においの話やトイレの話,おしっこちびりそうになった話を書きましたが,ネットで潜水艦というと真っ先に”臭い”という反応をされると,いつも何か虚しい想いをしています.

 このサイトでは,その先にあることを述べたいのです.
> 人とマシン(道具と機械)の調和,そして自然との共存
 入り口で立ち止まらないでもらうためには...これは管理人の責任です.

――――――

 センセーショナリズム関係者諸氏は,自省していただきたいものである.


 【質問】
 潜水艦の食事は,海軍の中でも一番豪華でうまいと聞きますが,同時に新鮮な食材は出港後数日で無くなる,潜水艦の調理設備は貧弱とも聞きました.
 このような条件でどうやって豪華な食事を出せるのですか?

 【回答】
 冷凍食品が主です.それでステーキやらウナギやらトンカツやらが出てくるそうです.
 生鮮食品でも冷蔵すれば日持ちするものもありますよ.
 手元の資料によれば,10日目の夕飯にリンゴが出たそうな.
 あとは缶詰ですね.
 それと,食事は数週間で,いくつかのメニューでサイクルを組んでいるので,飽きがきやすいそうです.

 なお,「同時に新鮮な食材は出港後数日で無くなる」のは当然,水上艦でも同じ.


 【質問】
 潜水艦の中で長時間勤務していると,アタマがおかしくなるというのは本当ですか?

 【回答】
 閉鎖環境なのでストレスの溜まり具合は水上艦に比べて半端じゃなく高い.
 でも,潜水艦乗組員はその辺も考慮して,狭い閉鎖環境に強い事が選抜段階で厳しくチェックされる.
 なので,ある程度は大丈夫.

 潜水艦に長期間乗務していて一番問題になるのは,太陽を見ない事によって日時感覚が狂ってくる事.不眠や頭痛,記憶の混乱・・・といった症状が出るらしい.
 尚これは,その気になれば月単位で潜ってられる原子力潜水艦の話で,通常動力潜水艦にはあまり関係なし.

「ソ連/ロシア原潜建造史」に載っていた,ある第二世代戦略原潜に搭乗していた軍医の話.

「ある水兵は,出港から20日を過ぎたあたりから,次第に様子がおかしくなっていった.
 その精神状態を探るため,名目をつくって彼の秘密のメモを読ませてもらったところ,私は愕然とした.
 そこには,原潜のすぐ脇の海中に神様がいて,とても寒がっているから,明日にも第1区画の給水弁を開いて艦内にお招きするつもりだ,と綴られていたのだ!
 私はただちに艦長へ報告し,彼を病室に収容した」

 そんなこんなで,現在のロシアの大型原潜では,艦内に観葉植物や緑の風景写真のある健康増進室を設けたり,小鳥を飼ったりして少しでも閉塞感を和らげるようにしている.
 タイフーン級にいたっては艦内プールやサウナまである.


 【質問】
 水上艦の艦長やってた人が,潜水艦の艦長になったりすることはあるんですか?
 現在の主要先進国の場合でお願いします.

 【回答】
 無いです.
 潜水艦で勤務するには,潜水学校を卒業後一定の実地経験を積んで,潜水艦資格章(ドルフィンマーク)を得る必要があります.
 さらに,潜水艦の艦長になるには,実務を積んだ後に各種講習を受け,試験にパスしなければなりません.
 そのうえ米海軍の場合,潜水艦の士官には原子力機関に対する広範囲の知識の収得が要求されます.
 言うまでもなく通常の水上艦の乗員には要求されない知識です.

 一例として,米海軍の潜水艦の艦長への道のりを記します.

*士官に任官,潜水艦を志願
       │
*原子力学校(NPS)および原子炉プロトタイプ学校:一年間
       │
*潜水艦士官基本コース(SOBC):三ヶ月 
       │
潜水艦に配属されて各部署で勤務(2〜3年)
       ├→艦の一等技師長の技術試験(必須) 
*潜水艦士官上級コース(SOAC):六ヶ月
       │各部署の長として経験を積む(3〜4年)
*副長予備コース(PXO):三ヶ月
       │艦長資格を取得,副長経験を積む(約2年)
*艦長予備コース(PCO):六ヶ月

 実際にはこの合間に各種学校への入校や陸上での勤務経験が重なり,攻撃型原潜の艦長(中佐)になるには17〜8年かかることになります.
 戦略ミサイル原潜の艦長(大佐)になるには,さらに年月がかかります.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 これまで配備された世界の原潜の中で最小の物を教えてください.

 【回答】
 1969年10月に竣工した米海軍のNR-1が最小です.
 排水量380t(水上),700t(水中).
 全長44.8m,全幅3.8m,吃水4.5m.

 この小ささの船体に,加圧水型原子炉1基と蒸気タービン発電機1基と,電動機2基の2軸推進の機構を持ち,水上4.6ノット,水中3.6ノット,安全潜航深度900mの性能を持ちます.

 乗員は13名で,海底調査,水中機器実験,沈没船探査にも用いられる様に,テレビカメラ,マニピュレータ,艇外照明装置,海底匍行用車輪を持っています.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)


 【質問】
 現在世界で最高齢の潜水艦は,どの国のどんな艦なのでしょうか?

 【回答】
 2005年1月現在,世界で最も艦齢の高い現役潜水艦は,台湾の保有する元米海軍のガピーU型 「海獅」(艦番号791)です.
 当艦はテンチ級潜水艦SS-478”Cutlass”として1945年3月に就役し,戦後にガピーU改装を施された後に退役しました.
 その後,台湾海軍に元SS-426"Tusk"(「海豹」艦番号792)と共に対潜訓練目標艦として 1973年に引き渡されました.
 当時は訓練用として魚雷発射管は使用出来ないようになっていましたが,台湾で改修を受け,実戦に使用できるように再武装されています.

 台湾は1980年代にオランダから新造潜水艦「海龍」級を購入しましたが,当初4隻取得の予定が中国の圧力により2隻しか取得出来ず,やむなく「海獅」「海豹」の両艦の使用を継続しました.
 しかし,艦の傷みがひどく,訓練用として潜航深度を限定して使用せざるをえなくなりました.

 台湾ではもっかアメリカより潜水艦8隻の取得計画がありますが,実際にはまったく 見通しが経っておらず,「海獅」は今後も当分の間,現役の予定.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 米軍の場合は,最も艦齢が高い現役潜水艦はどんな艦なのでしょうか?

 【回答】
 1968年就役の実験潜水艦「ドルフィン」AGSS-555が最長老の潜水艦です.
 深深度での機器の実験や海洋調査を目的として運用されている小型潜水艦で,米海軍が保有する唯一の通常動力型潜水艦です.

 原潜では,原子力海洋調査潜水艦「NR-1」(1969年就役)がもっとも古く,これを除く戦闘艦では「ロサンゼルス」SSN-688(1976年就役)が最古参の原潜です.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 日本国内で潜水艦に乗ってみたいのですが…

 【回答】
 (1) 呉地方総監部広報係へ見学を申し込む.(呉観光協会) ……観光資源なのか??

 (2) 特別公開が行われることがあるので,スケジュールをマメにチェックする.
 ただし,艦内撮影禁止.

 (3) トム・クランシーのような,ミリタリー分野での大ベスト・セラー作家となって,顔パスで乗せてもらう.

 (4) 軍紀の緩んでいる北韓軍のサンオ級潜水艦なら,金を積めばあるいは…….日本国外じゃん…….

 (5) ペリー艦隊に忍び込んだ忍者を見習い,密航.

 (6) 釣り船をチャーターし,潜水艦にぶつける.よほど運が良ければ救助してもらえる――潜水艦の甲板は救助向きではない――かも.

 (7) 私設軍隊を作って極秘に自作.

 (8) 気合いだ.気合いでなんとかしろ.

人力検索サイト「はてな」他)


 【質問】
 アメリカの空母はイージス艦や哨戒機や駆逐艦などに囲まれて鉄壁の守りで撃沈させるのは難しく,ロシアもアメリカの空母打撃群に対抗するには数撃ちゃ当たるの飽和攻撃しかないとの考えでしたが,多数の潜水艦による一斉突撃攻撃では駄目なのでしょうか?
 八方から10隻くらいの潜水艦が深度300m位から一斉に襲いかかれば魚雷一発くらい当てれそうですが,どうなのでしょう?

 【回答】
 事前に発見さえされなければ非常に効果的.
 空母以外への打撃と生還を確実な目標にしないなら1隻で十分.
 魚雷なら当たりどころさえ悪くなければ威力は十分だから,数が多いとむしろ被発見率が高くなるだけになる.

 しかし効果的な作戦という事は,アメリカも当然対抗策を練っていて,空母機動艦隊の作戦行動中は対潜能力の高い航空機や艦船で常に警戒している.
 空母前方90kmには攻撃型原潜,その後ろに駆逐艦が展開.
 空母直援艦も空母から20km近く離れて陣形を組む.
 敵潜水艦や航空攻撃が考えられる場合は,輪形陣をさらに拡大,警戒機・援護戦闘機を上げ,対潜ヘリで警戒する.
 潜水艦は発見さえ可能なら,料理する方法に不自由はない.

 そしてさらに,艦隊の真下には米国の攻撃型原潜がぴったり張り付いて護衛してたりしなかったり.
 現役潜水艦の具体的任務は常に極秘だから公式発表されてないんだが.

 これで,どうやって潜水艦で取り囲むまでもっていくのかな?

 ちなみに,ソ連は高速のアルファ型を配備して,42ktの高速で米機動部隊を迎撃するつもりだったけど,原子炉の信頼性が問題となって無理だったりした.

軍事板
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 その全部に飽和攻撃をかませりゃいいのでは?
 もともと一隻か二隻の敵潜水艦を想定した布陣だから,10隻ぐらいが一斉攻撃したら誰がどれを相手にするのかで,たちまち収拾が着かなくなって,空母の防備はがら空きになるのでは?

 【回答】
 そんなにたくさんの原潜が飽和攻撃を狙うために激しく動いたら,対潜兵器の良いマトですね.

 まず,警戒の原潜に探知され(これを沈めたとしても),次に対潜ヘリ,次に駆逐艦が空母の前に多層防御を敷いてます.
 援護の原潜や駆逐艦に手を出した段階で位置がバレて,駆逐艦のアスロックと対潜ヘリの対潜魚雷が降ってくる.
 50km以上後方では,空母が退避を始めます.
 10隻程度では,周囲の駆逐艦や潜水艦に損害が出るくらいで,空母までたどり着くのは難しそうですね.

 10隻居るなら,それらを一直線に20km間隔で海底に沈底させて,200kmの防衛線を張るほうがよさそうです.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 海軍の潜水艦勤務についてですが,配属を嫌がる人が多かったり,適性の向き不向きが著しいと聞きました.
 それはなぜでしょうか?

 【回答】
 潜水艦は登場したころから特殊な艦種.

 まず,拘束される時間がめっさ長い.
 海の中で仕事に疲れても,外に出て一息つく事すらままならない.
 港に帰ってきても,夜まで書類仕事に追われつつ,見学者の案内(監視)もしなくちゃならない.
 んでもって,一週間ぐらいそういう生活した後に,次の航海が待っている.
 ぶっちゃけ,金だけは貯まるが使う時間が全くない.
 だから精神肉体共に強い人じゃないと勤まらない仕事なわけ.

 そして通常動力潜水艦の場合,「身体が臭くなる」という嫌すぎる職業病が付きまとう.
 今はだいぶ増しになったが,風呂にも入れず悪臭を漂わせていた.
 喫煙しようにも艦内の空気そのものがヤニ臭くなるし,それに排泄物の匂いさえ混じってくる.
 水上艦のような(最低限の)快適な生活環境すら望めない.

 この辺り,原潜乗りはかなり恵まれてるな.
 シャワーも贅沢に浴びられるし,某有名艦にはプールもあるし.
 その代わり,戦略原潜のクルーだと,長期間家を空けて連絡すら取れない環境なんで,離婚率が無茶苦茶高い.

 さらに,極めて閉鎖的な空間に大人数で閉じ込められるような環境だし.
 狭い艦室に閉じ込められ日にも当たれない.
 当然,閉所恐怖症には無理.


 さらにまた,水中を航行する艦の性質上,外壁に亀裂が走れば即,全クルーの死に繋がる.

 精神的にタフさが求められる職場なんだよ.
 だから高給取りだし,エリートとして,少なくとも組織からは優遇される.

モッティ ◆uSDglizB3o(黄文字部分)他 in 軍事板
青文字:加筆改修部分


◆◆◆◆潜水艦兵装


 【質問
 核ミサイルをわざわざ潜水艦に積むことのメリットは何なんでしょうか.

 【回答】
 SLBMの話なら,ミサイルを発射する場所を特定できないと言うメリットがあります.
 固定陣地の場合,その場所を特定しやすいので,逆に相手方の標的になりますが,戦略ミサイル原潜なら,そう言った心配をせず,核抑止力として利用できます.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)


 【質問】
 映画「U571」では潜水艦が砲を駆逐艦にぶっ放していましたが,潜水艦が砲を使っての攻撃は,よくある事なんでしょうか?
 また,太平洋においてはどうでしたか?

 【回答】
 第一次大戦では常態,第二次大戦でも割とよくありました.

 現代的な潜水艦は涙滴型,葉巻型のように水中での抵抗が少ない形状をしています.
 それに対して,その頃の潜水艦の大半は水上抵抗が少ない水上船に似た形状をしています.
 このことからも分かるように,当時の通常動力潜水艦の大半は,
「いつもは水上航行で,でもいざというときは潜れる」
という「可潜艦」とでもいうべきものでした.

 通称破壊戦の場合,商船を浮上して砲撃で撃沈するのはよくあることでした.
 なにしろ魚雷は非常に高価ですから.
 特に必要がない限り,砲を使うのが効率的なのです.

 これの逆手を取って,商船に武装を備え付けた囮船,Qシップというものも考えられました.
 砲撃で撃沈しようと,のこのこ近づいてきた潜水艦を返り討ちにするという考えです.

 しかし第二次大戦で,連合国側が大量の護衛空母,対潜哨戒機,対潜艦艇,および水上捜索レーダーなど,潜水艦対策を全力で打ち出し始めると事情は変わります.
 これら新兵器と新戦術のために,まず潜水艦の浮上航行が非常に危険になってしまいました.
(さらには潜航したままでも非常に危険,といえるレベルにまでなりましたが‥)
 この頃には砲は「念のため」的な装備になります.

 太平洋では日本海軍が船団護衛に力を入れなかったため,独行する小型船を魚雷を使うまでもないと浮上砲撃することは多かったようです.
 どちらにせよ,水上戦闘艦艇と潜水艦でまともに砲撃戦をやれば,確実に潜水艦の負けです.

 ちなみに,大戦間には戦艦クラスの砲を1〜2門搭載した大型潜水艦(イギリスのM級やフランスのシュルクーフなど)が少数建造されました.
 敵艦に忍び寄りいきなり浮上して砲撃するというコンセプトだったのですが,鈍重だったり,主砲を撃つと反動で照準が定まらないなどの欠点が露呈し,すぐに廃れてしまいましたとさ.


 【質問】
 潜水艦に対空ミサイルは積めないんでしょうか?

 【回答】
 対空ミサイル積んでも,発射するには浅深度まで浮上しなければいけないですから,結局見つかり,良くて相打ち,最悪,自艦があぼーんされるだけです.
 潜水艦はまず,隠れることが必要ですから,そう言う装備は(あるものもありますが),実際に使われることは少ないと思います.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)

 潜水艦用対空兵装の例としては,以下のようなものがあります.

 1970年代末,イギリスで建造されたイスラエル向けの通常動力攻撃潜水艦,ガル級3隻(水中排水量600トン,退役済み)にはセイル内部に昇降式の対空ミサイルを装備してました.SLAM,潜水艦発射対空ミサイルを固定兵装として装備した潜水艦は今の所これが唯一のタイプです.
 ガル級のSLAMは歩兵用携帯SAM,「ブローパイプ」の艦載型で,小型の光学照準機の周囲に6連装に配されたランチャーを伸縮式アームの先端に取り付けた物です.
 誘導方式は赤外線/照準機指令,射程3,5km,射高2,500mで,これを使うのは自殺行為に等しい物でした.
 何故なら対潜機を攻撃しようにも対潜機の持つ対戦短魚雷の射程内でしか撃てないからです.

 ソ連/ロシアのSSN,SSKのシエラ型T・U,アクラ型T・U,キロ型などにも対空兵装が搭載されていますが, これは歩兵携帯式SAMがそのまま積み込まれ,セイルの上から乗員が発射機を担いでSAMを撃つようになっています.
 携帯SAMストレラU,ストレラVが配備されており,射程6km,射高5,500mとガル級よりはマシな性能ですが, これを撃つとなると搭載艦はセイルを露出しなければ発射出来ないため,潜望鏡深度で発射出来るガル級よりも自殺行為です.

 この他に独仏共同開発の「トライトン」という魚雷発射管から水中発射出来るSAMシステムが有るには有るのですが,水中発射を行うと水流抵抗で射程が大幅に短くなってしまい,結局は対潜短魚雷の射程と同程度の射程しか得られない為,これもまた相討ちは覚悟しなければならないという,やはり自殺兵器でしかない代物です.

 そもそも海中に潜み,隠密性を身上とする潜水艦が対潜哨戒機に攻撃をしようと考える事自体が間違いと言えると思います.
 上記のSAMは何らかの事故により浮上せざるを得なくなった時のための非常手段として用意されていると考えていいかと.
(ロシア原潜はよく火災などの事故で浮上してしまうが,機密保持などの理由で西側哨戒機に張り付かれるのを極度に嫌っている)

軍事板

 追記.
 欧州,特にドイツやフランスでも潜水艦発射型の対空ミサイルの研究が始まっています.それぞれ空対空ミサイルのIRIS-T,MICAの改良型のようです.
 実用化はまだまだ先のようですが,今後対潜哨戒も危ないお仕事になりそうです.

○軍事研究2007年2月号
「ユーロネイヴァル2006:ヨーロッパ海軍艦船・装備品展示会 欧州海軍主力艦の将来動向」
多田智彦著

 対空ミサイル分野で注目すべきは潜水艦発射型の開発である.
 近年,艦船での哨戒ヘリコプターの搭載が一般化され,高機能性能化したセンサーや武器を装備したヘリコプターは潜水艦にとって大きな脅威となっている.
 このため潜行中の潜水艦からヘリコプターを攻撃可能な対空ミサイル・システムの開発が進められている.

 その一つは,ドイツが中心になって開発中のIDAS(Interactive Defenceand Armamentfor Submarine)で,
赤外線画像シーカーを持ち水中の発射母艦から光ファイバーで誘導される.
 全長2.5m,直径18cm(前部)〜24cm(後部),発射重量120kg,弾頭重量20kgのIDASは固体燃料で推進され,射距離は約20kmである.
 赤外線画像シーカー,慣性基準装置,誘導電子回路などは,第五世代の空対空ミサイルIRIS-Tのものをベースとしているのでミサイルとしての作動には問題ない.
 しかし,ミサイルをキャニスターに収納して魚雷発射管から発射した後,潜水艦内でディスプレイを介して(manintheloop)光ファイバー経由で誘導する方式に開発要素がある.
 主たる攻撃目標は飛行中またはホバリング中のヘリコプターであり,水上艦船や沿岸近くの陸上目標(陸上設置レーダー基地など)への攻撃も考えられている.
 現在は技術確認の段階であり,2007年には開発フェーズへ進むものと期待されている.

 もう一つの潜水艦発射対空ミサイル・システムとしてDCN社が開発中のものが展示されていた.
 特にシステム名は付けられていないようであるが,水上戦闘艦で運用される対空ミサイルとして計画され発射試験も終了しているMICAを活用するシステムだ.
 対空目標の対象としてはヘリコプターのほか,固定翼哨戒機にも対処可能であるとしているが,魚雷発射管から発射するカプセル入りミサイルや運用構想のパネルを展示する程度のコンセプト検討段階のようで,具体的名数値などは不明である.

オッポレ in FAQ BBS


 【質問】
 潜水艦で浮上せずに,航空機は撃墜できるんですか? どんな武器ですか?

 【回答】
 潜水艦から航空機を攻撃する手段は,肩撃ちミサイル程度です.つまり浮上して,セイルに人が出て, 狙い定めておもむろに発射という手順です.
 それすら持っていないのが普通.

 そもそも,隠密性を最大の武器とする潜水艦がSAMを撃つのは,その時点でほぼ「負けている」と言えます.
 潜水艦は場所がわかった時点で基本的には終わりなうえ,場所を知られたかどうか,潜水艦自身にはなかなかわかりません.
 下手にSAMを撃つと,せっかく隠れていたのに自分で場所を教えることになりかねませんし,ピン打たれて魚雷でも落とされ,場所を知られたとわかったあとでは, SAMなんか撃ってる余裕あるだろうか?,高い開発費かけて実用化しても役に立つかどうかはなはだ疑問である,ということで,話はいくらでも出るんだけど,まだ実用化には至っていないようです.

 開発例としては,確かイスラエルの潜水艦に潜望鏡深度で発射可能(プラットフォームを水面上に揚げる)なSAMが装備された事が有るはずですし, 現在もポリフォムを対空目標に使用する事が研究されているようです.

軍事板

 最近,米軍でカプセルに入れた対空ミサイルを魚雷発射管から発射するテストが行われました.
 AIM-9Xサイドワインダーがベースのようで,
「従来より優れた熱源追跡能力,より広い検索視野角度などを持つ」
との事から,おそらくは「発射後ロックオン」のような方式だと思われます.
 カプセル毎発射する事で水流抵抗の問題も解決できるかもしれません.
 発射のタイミングを判断する≒自分は発見されたのか否かの判断が難しいところですし,さらに今後使い物になるかどうか判りませんが,潜水艦による有効な対空攻撃に発展する可能性が有ります.

 以下引用.

Sidewinders for Anti-Aircraft Defense  February 10, 2006
ストラテジーページ:潜水艦から対潜哨戒ヘリを攻撃する,ミサイルのテストに成功

 アメリカ軍は,AIM9Xサイドワインダー・ミサイルのテストに成功した.
 これはサイドワインダーの改良型で,従来より優れた熱源追跡能力,より広い検索視野角度などをもつもの.

 このテストの目的は潜水艦から,対潜哨戒ヘリコプターを攻撃する効果的な手段を確立することで,ヘリは通常,潜水艦の追跡と攻撃の為,ソノブイや魚雷を投下する.
 潜水艦は対潜哨戒ヘリのセンサーを有するが,従来は効果的な攻撃手段がなかった.
 原子力潜水艦をヘリの魚雷攻撃から守る攻撃手段として有効と考えられている.

 このミサイルは魚雷発射装置から,カプセルに入れて潜水艦から発射され,カプセルが海面に上昇するとミサイルが発射される仕組みになると見られる.

オッポレ in FAQ BBS


 【質問】
 対潜攻撃では,爆雷はもう使われないのか?

 【回答】
 爆雷とは・・・話が古いですね.(^-^;)
 爆雷は,爆発深度を調定してから敵潜水艦の真上に落とす必要があるのですが,危害半径が20m程度しかないので,命中精度が悪くて実用的ではありません.(心理的威嚇効果は大ですが……)

 現代の武器はホーミング魚雷という,自分で潜水艦を見付けて追いかける「お利口魚雷」を,空から落とします. 哨戒機やヘリから投下する場合や,アスロックというロケット・ブースターで飛ばす方法が普通ですが,敵潜水艦が護衛艦の近距離にいる場合は,映画「亡国のイージス」に出てきたように,舷側の短魚雷発射管から直接に打ち出します.
 なお,自艦には当たらないような仕掛けになっています.

 潜水艦の探知には,ソナーの他にMADという磁気探知機もあります.
 P-3C哨戒機の尾翼の後に突き出た棒の先端に付いていますし,対潜ヘリにも装備されています.
 海中に鉄の塊(潜水艦)がいると反応するので,そこで上記の魚雷を落とすわけです.

(HN「ヨーソロ」 from おきらく軍事研究会)

 ただし,爆雷とは多少違いますが,対潜用の爆弾なら今でも使われています.海上自衛隊の150kg対潜爆弾がそれで,
 今後,領海侵犯した潜水艦への威嚇のための使用が検討されている事からも,まだ暫くは現役かと思われます.

 以下引用.

海上自衛隊装備品 150kg対潜爆弾
P-3Cから潜水艦を攻撃するために使用する爆弾であるが,必要に応じて水上艦艇の攻撃にも使用できる.

http://homepage2.nifty.com/yoyotoru/atge5n.html

潜没潜水艦への爆雷使用検討=領海侵犯防止で自民方針時事通信,2006/2/16

 自民党は16日,昨年11月の中国原子力潜水艦による領海侵犯事件を踏まえ,外国潜水艦が浮上要求に応ぜず日本の領海内で潜行を続けた場合は,対潜爆弾を投下して警告できるよう,自衛隊法などの改正を検討する方針を決めた.
 近く国防部会の中にプロジェクトチームを設置,具体的な検討作業に入る.

オッポレ in FAQ BBS


 【質問】

http://homepage3.nifty.com/tompei/a022P-3C.jpg

 150kg対潜爆弾だそうですが,おしりのプロペラは一体なんでしょうか?
 着水後に水の抵抗で回転して,回転数で深度を計って起爆させるものかな?と思ったんですが,確証ないんで誰か教えてください

 【回答】
 安全装置.
 投下すると風圧でこれが回転して,一定数回転すると信管の安全装置が外れる.

 普通の爆弾の場合,これは先端についてるが,これは対潜爆弾なので信管は尾端にある.
 ちなみに赤い丸みたいなのが安全ピン.
 機体に搭載するまでは差しといて,搭載したらこれを抜く.

軍事板


◆◆◆潜水艦メカニズム


 【質問】
 「ジパング」という漫画で,第二次世界大戦時の太平洋戦線のアメリカの潜水艦が,ボトム(海底に沈む事)を二日以上(三日以上?)してるんですが,艦内の二酸化炭素濃度は有害レベルにならないのでしょうか?

 【回答】
 1957年8月中旬にウラジオストックの偵察任務についていた米潜水艦”ガジオン"SS-567は,ソ連水上艦に発見されたため実に64時間の連続潜航を余儀なくされました.
 この結果,艦内の二酸化炭素濃度もかなり危険なレベルに達したたため,やむなく浮上しました.
 幸い,ソ連は”ガジオン"を沈めようとはしませんでした.

 艦内には二酸化炭素を吸収するため水酸化リチウム結晶入りの容器がおかれていましたが,完全に吸収することは出来ず,また一酸化炭素を吸収することは出来ませんでした.
 要するに,二日以上の連続潜航は非常に困難だということです.

(名無し軍曹)


 【質問】
 潜水艦には単殻式と複殻式があると聞きました.
 それぞれの方式にどのようなメリット,デメリットがあるのでしょうか?

 【回答】
 複殻式構造のメリットは,耐圧殻と外殻の間のスペースをタンクに使えるため,予備浮力が多く取れることです.
 さらに旧ソ連のSSBNなどは,外殻を一種のスペースド・アーマーとして活用し,魚雷による被害を最小限に抑えようとしていたといわれています.
 一方複殻式構造のデメリットとして,構造が複雑になり,なおかつ艦の構造が大きくなってしまうことが上げられます.

 一方単殻式構造は,構造をシンプルにすることが出来,艦をコンパクトにまとめることが出来ます.
 しかし,フレームが耐圧殻内に露出しており,なおかつタンク類の多くを艦内に設けなければいけないため,内部スペースに余裕が乏しくなります.

 また,近年はフランク・アレイ・ソナーを艦の側面に取り付ける艦が増えています.
 その際は,強度が高くゆがみが起きにくい耐圧殻に直接装備したほうが効率が良いので,海上自衛隊の潜水艦も「おやしお」型以降,これまでの複殻式から船体中央部の耐圧殻が露出した部分複殻構造に切り替えています.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 潜水艦の潜行限界深度はどれぐらいでしょうか?
 今,映画「ユリョン」を見てるのですが,ロシア製潜水艦と比べると 日本のはそんなに浅いのでしょうか?
 潜行深度が機密というのは分かりますが,だいたいでいいのでお教えください.

 【回答】
 日本の潜水艦の潜航深度は,専門誌などでは300〜350mといった数字が挙げられています.
 これはいわゆる安全潜航深度で,耐圧殻が破壊される圧壊深度は,これの1.5〜2倍の深度ではないかといわれています.
 それ以上潜る事は出来るでしょうが,最近では深海作戦より浅海作戦が重視されるようになってきたので,あまり限界深度を追求する事は無いようです.
 アルファ級だと400mぐらいですね.
 ちなみにアルファ級,K-705型攻撃原潜は,実験艦の要素が強く,1982年〜90年の8年間という短い活動期間で終わりした.
 水中高速力の追求や限界深度の追及,新型原子炉の搭載など(この原子炉は問題だらけで,結局失敗に終わる),次世代攻撃原潜アクラ級に引き継がれた物は大きかったですが,それら未完成の技術がアルファ級の寿命を短くしたのも事実です.

 海自の高張力鋼は世界一流の性能を誇っております.
 かつて,アルファ級がチタン製であったのを見て,海自の潜水艦屋は
「アルファの深度なら鋼板でいけるのではないか」
と,言い放ったそうです.
 事実,海自潜水艦の高張力鋼NS80,90は米戦略原潜オハイオ級のHY130に相当する強度を持ちます.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE他)


 【質問】
 潜水艦は潜れば潜るほど水圧が高くなるのに,どうして回ってるスクリューのシャフトの隙間から 水が漏れないのか教えて下さい.

 【回答】
 パッキンとグリスシールで水密を確保している.
 ただスクリューシャフトにパッキン挟んだり隙間をグリスで塞いだりするだけではなく,スクリューシャフトを一回り太い筒で囲んで,筒とシャフトの間にパッキンを挟んで,筒とシャフトの合間をグリスで埋める・・・とか.
 ただそのあたりは潜水艦の根幹技術の一つなので,あまり詳しい事は明らかにはされていない.

 勿論艦齢とともに痛んできて,老朽艦ではどんなに保守整備を徹底しても,シャフトの隙間から水が沁み込んできたりするそうな.

 これに対して水上船の場合,スクリューシャフトや舵といった隙間から漏れてくる水は,「ビルジポンプ」というもので排水できるので,潜水艦ほど凝った構造にはなっていないものが多い.
 潜水艦の場合は潜航中などにはビルジポンプが充分に機能させられないので,特に凝った防水構造になっている.


 【質問】
 潜水艦が爆雷攻撃されて,艦内であちこち水が噴き出してくるシーンが映画で必ずありますが,一体,何の水? 何か一生懸命バルブを閉めてるけど,何のバルブ?

 【回答】
 潜水艦の発令所は,船体の中央部近くにあり,機関部はそれより後方にあります.
 また,潜水艦にはエンジン冷却など外部の海水を引き込んで使う(または中から捨てる)配管が幾つも有ります.
 冷却水の循環ポンプや,消火水のポンプが機関部にあるので,この海水は発令所を通って前方の区画へ送られています.
 無音潜航をする時でも,冷却海水を止めたら機械が壊れちゃうので,止められません.
 漏れ始めたら音が出るし,機械に海水がかかって壊れるかも知れないので,一時的にバルブを閉めて防水作業をするそうです.

 最初からバルブを閉めていたりすると,それらは使えなくなります.(もちろん必要最低限の物以外は締めてんですけどね)


 【質問】
 ドイツが推進している燃料電池式AIPと,日本が採用したスターリング・エンジン,それぞれの長所と短所は何ですか?

 【回答】
●燃料電池; 液体酸素と液体水素の化学反応によって電力を得る.
 長所:排出されるのは水のみ.排気や騒音もなく探知される可能性は低い.発電の効率が高い.
 短所:危険性の高い液体水素を艦内に貯蔵しなければならず,損傷時のダメージ・コントロールなどに不安を残す.

●スターリング・エンジン; 外部から加熱・冷却を繰り返した気体の膨張と収縮をピストンの作動に使用する外燃機関.
 長所:100年以上前に考案された機関であり,技術的完成度が高い.
    エンジンそのものは構造が非常にシンプル.
    ディーゼルエンジンより騒音・振動が少なく,熱効率が高い.
    燃料を選ばない.
 短所:エンジンの大きさに対して出力が低い.特に熱交換器等の補機が大きくなる.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE


 【質問】
 潜水艦「そうりゅう」艤装中の感電事故ですが,本当にバッテリーからの感電で重傷になるのですか?

 【回答】
 蓄電池(充電池)を馬鹿にしてはいけないのです.
 沈黙の艦隊での被災シーンなど甘いものです.
 知れば知るほど,どれだけの危険物か(特にあのような密閉空間+大容量ならなおさら)理解できるはずなのですが,偉い人にはそれがわからんのです.
<マテ(これをさらっと変換できるATOKもどうかと思うが(大汗))

 真面目な話,報道されるとおりの電気系の事故であるなら,良くそれだけで済んだというのが実感.
 また,報道には出てきませんが,まともに被災した場合,それはもう悲惨なことに.死者が出なくて幸いなのかも知れませんが,「ひと思いに殺してくれ!」というのが,この手の負傷者がおうおうに陥る事態でして.

<やけどは死ぬより苦しい(怪我の中で最もひどく,苦痛を伴うもの)というのはお約束.ちなみに放射線の重度の被曝も同じような状態に陥り,それは地獄絵になる,とは専門医の言葉です.
 写真も見ましたが,正視に耐えないものでした.

へぼ担当

>蓄電池(充電池)

 希硫酸に鉛・・・ってカーバッテリーと同じものが,しかし半端でない大きさですよね.
 充放電時に発生する水素ってどうしてるんでしょう?

 親父がバッテリつなげて溶接器を作って遊んでいたら,火花が引火して爆発したことがあるとか聞いたんで・・・

クローム・ツァハル

 444×431×1647mmで約880kgですね.

>充放電時に発生する水素ってどうしてるんでしょう?

 MFバッテリなんかと同じく,なかに触媒入れてあるんじゃないですかね.

 潜水艦用のリチウムイオン電池も開発してたはずだけど,それもアルカリ金属だもんなぁ…

D.B.

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より


 【質問】
 Li-ion電池の安全性についてですが,

[quote]
 代表的な構成では,負極に炭素,正極にコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物,電解質に炭酸エチレンや炭酸ジエチルなどの有機溶媒+六フッ化リン酸リチウム (LiPF6) といったリチウム塩を使う.
 しかし一般には,負極,正極,電解質それぞれの材料は,リチウムイオンを移動し,かつ電荷の授受により充放電可能であればよいので,非常に多くの構成をとりうる.

 リチウム塩には LiPF6 の他,LiBF4 などのフッ素系錯塩,LiN(SO2Rf)2・LiC(SO2Rf)3 (ただしRf = CF3,C2F5),などの塩も用いられる.

 また,通常,電解液に高い導電率と安全性を与えるため,炭酸エチレン・炭酸プロピレンなどの環状炭酸エステル系高誘電率・高沸点溶媒に,低粘性率溶媒である炭酸ジメチル,炭酸エチルメチル,炭酸ジエチル等の低級鎖状炭酸エステルを用い,一部に低級脂肪酸エステルを用いる場合もある.

[/quote]

とWikipediaにありますが,希硫酸ほど危ない代物ではなさそうですね.
 有機化学はあまり詳しくないんですが,これは可燃物でしょうか?

クローム・ツァハル

 【回答】
 可燃物って言うか,リチウムイオン電池は容赦仮借なく過熱・発火・爆発します.
 ここ数年,iPodとかノートPC,携帯電話が炎上した,って話はよくありますし,ソニーや東芝,DELL,Apple等が数十万とか数百万個単位で回収騒動起こしてます.

 まー,エネルギー密度を高めていけば,なんかあったときの危険性が増大するのは必至なんですが.

D.B.

>発火・爆発の心配がない新型リチウムイオン電池
http://wiredvision.jp/archives/200508/2005082901.html

 ただこれは誇大広告で,危険性が全く無いというわけではありませんが,従来型よりも安全性が高いのは確かです.
 セグウェイにも採用されていますし,米軍の開発中のハイブリッド車両にも採用予定です.

住友化学,コバルト・フリーのリチウム・イオン電池用新正極材を開発
http://www.edresearch.co.jp/mtb/0806/107.html

 日本でも同等の物を既に開発しています.
 コバルトを使用しない事で安全性を大きく高められます.
 とはいえリチウム自体が発火性のある素材ではあるのですが.

リチウムイオン電池の開発最前線に異変
日米逆転か,自動車向け電池を巡る攻防
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20080108/144405/

 日米は熾烈な開発競争を続けています.リチウムイオン電池は日本の発明ですが,「安全性」をキーワードに逆転を図ってきたアメリカと,再度それに対抗する日本という図式です.
 ここ数年の開発競争は熾烈ですよ.
 民間開発競争のおかげで結果的に,軍事用途のハードルも一気に下がってきました.

JSF

 Li-ion電池に含まれているリチウムの状態では,発火は起こり得ないはずです.
 以前リコール騒ぎになったものでは,発火性のある金属リチウムが電池の中で析出していまい,その結晶が内部でショートを起こしたという事例があります.
 この現象は過充電でも起こるそうで,充電電圧などを厳重に監視する理由になっています.

 つまり過充放電が起こらないよう,マイコンで常時監視しておけば,このような心配は必要ないということになります.

クローム・ツァハル

 リチウム電池の有機溶媒は可燃性よりも,溶媒の性質のために容器を完全に密閉できないことが問題だと聞いたことがあります.
 パソコン用電池でのことですが.

東部戦線

----
[PDF] 深海潜水艇用大型リチウムイオン電池

 これらの深海探査機用リチウムイオン電池は,いずれも酸化銀・亜鉛蓄電池と同様の「油漬均圧方式」を組電池に採用しているが,単セルの構造には大きな違いがある.
 すなわち,リチウムイオン電池の単セルは,酸化銀・亜鉛蓄電池のようなガスが発生せず,完全密閉にすることができるので,各単セルには均圧装置を取り付けて,単セル内の電解液と油とを完全に分離しつつ単セルの内外を均圧にしており,電池の信頼性を一層高くしている.
----

 うーん,こう解説されているのですが・・・

JSF

 いや,それを否定しているのではなく,リチウム電池の有機溶媒についてのことですが.
 今回,有機溶媒だったから危険という指摘があったんですか?
 そうでないなら,別に問題ないのではないですか.

東部戦線

 ごく一般的なLi-ionセルは,充放電時の内圧の変化に対応するための安全弁があります.
 これは市販の一次電池や二次電池でも同じです.
 多くの工作記事で「絶対に本体にハンダ付けするなよ」とあるのは,ハンダの熱で定圧弁を壊す恐れがあるからです.

クローム・ツァハル

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より


 【質問】
 潜水艦の航行方法について教えてください.
 海底付近を航行する時,海底の地形はソナーで確認するんですか?(コウモリの超音波みたいな方法)
 漫画ではソナースキャンをコンピュータで解析して,海底の地形がディスプレイにワイヤフレーム表示されていたけど,既に実用化されている技術なんでしょうか?
 あと,コンピュータが無い時代はソナーマンの経験でしょうか?

 【回答】
 潜水艦の航行の基本は,慣性航法装置を利用した推測航法です.
 そのために,あらかじめ詳細な海図を作成しておき,これに従って航行します.
 しかし,海図が不正確だったり特に起伏が激しく難所の場合は,測深儀と呼ばれるアクティブ・ソナーの一種を用います.
 しっかりした海図を用意するのが第一で,測深儀はそれを補うという形.

 INS「慣性航法装置」との名前のとおり,慣性の法則により加速度で回転するジャイロの回転距離を記録するもので,移動したら移動しただけ計測できます.
 対気速度や海流などの外部環境を計測する装置は必要はありません.
 INSの精度は航行距離によって変わってきますが,数千キロ航行して2〜3Kmといったレベルです.

 ただし,船速に関しては,別に測程儀を使用して計測します.
 一般的には,フレミングの電磁誘導の法則を応用した電磁ログを使用します.
 これは測定桿を海中に入れた時に流れる海水によって生じる誘導起電力を測定し,これを基にして速力を計算して記録していきます.
 電磁ログによって求められる速度は,対水速力です.したがって,もちろん海流による誤差が生じます.
 必要が生じれば,ドップラー・ソナーを使用して対地速力を求めることが可能ですが,基本的にはINS任せです.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 潜水艦にもイカリはついているのでしょうか?

 【回答】
 潜水艦にも錨はちゃんとある.
 マッシュルームアンカーという,その名の通りキノコを逆さまにしたような型の錨を,艦の前方下部に持っている.
 用途は水上艦艇のものと同じ.


 【質問】
 潜水艦の艦首ってなんで丸いの?
 鮫や鮪みたいに先端を尖らせたほうが速くなるのでは?

 【回答】
 確かに,そう考えた人は他にも多くおりまして,初期の魚雷「ホワイトヘッド」などは先端が尖がってます.

 ただし,水中での3次元機動を行うとなると少々話は別になって来ます.
 難しい話は省略して結果だけ言いますと,流体力学的見地からみて最適と思われる形状は,現在の潜水艦に多く見られる涙滴型であると思われました.
http://www.asahi-net.or.jp/~tv9s-kbys/others/swim/stream/suiei1.htm
 その成果は初めて涙滴型を採用した実験艦AGSS-569アルバコアが水中30ノットを発揮した事で実証されました.
 これ以降,潜水艦の形状は涙滴型が主流となって行きます.
(通常動力潜は水中速力が余り期待出来ない事と,浮上航行時の効率や隠密性などの観点から,一概に涙滴形とも言えません)

 その後,世界各国で色々と研究がなされた結果,旧ソ連の671型ヴィクター,671RTヴィクターU,671RTMヴィクターV,705型アルファ,971型アクラなど,セイルも流線型に成型した独特の形状を持つロシア潜水艦が今の所,最も水中高速/高機動性に優れていると言われています.

 それと,先端が何故丸いかですが,耐圧構造には円形,球状が適しております.
 更に,水中で,一軸推進でもって3次元機動を行う場合, 先端は角度によって発生する抵抗の違いが少ない球状の方が何かと都合がいいのです.


 【質問】
 潜水艦の「涙滴型」と「葉巻型」の厳密な違いってなんですか?
 今までは,船体の中央の平行部が長いのを葉巻型だと勝手に思い込んでいたのですが‥‥.
 あと,ロス級が「魚雷型」っていうの聞いたことあるんだけど,葉巻型とどう違うんですか?

 【回答】
 乱暴な言い方すると,「涙滴型」は流線型.「葉巻型」は艦首に3次元曲面がなく,艦尾の絞り込みもない.

 上から見たとき
涙滴型(□> 葉巻型(□□>

 横から見たとき
涙滴型(□> 葉巻型□□□

 魚雷型は,
半円 ( 円柱 □□ 円錐 >
の組み合わせで艦体が構成されている潜水艦形

 涙滴型との違いは,艦尾に向かっての絞込みが艦尾部分しかない事.
 涙滴型は極端に言えば,艦種から艦尾まで全ての部分にRがあって,艦首−艦尾 方向には平行部分がない.

 涙滴型は通常動力潜水艦の水中速力と静粛性を向上させるために開発された.
 だが,その反面,艦内容積が小さく,艦内スペースに無駄が生じやすいというデメリットがある.

 なので,渦流や航走雑音を制御する技術が向上し,潜水艦にそれほどの高速力が求められなくなった現在では,艦内容積が大きい方が運用の勝手がいい,とされ,葉巻型に移行している.

 【質問】
 この分類で行くと,おやしお型は魚雷型に分類されると思うのですが,一般的には葉巻型と解説されているように思います.
 この違いは,
1.この違いは言葉の定義の広いor狭いによる
2.時の流れで言葉の定義が変わった
3.どちらかが間違い
のいずれかかと思うのですが,どれでしょうか?

 【回答】
 おやしお型は艦体断面が円形ではないし,艦体形状でRのある部分――その例だと( や > の部分――が極端に短いので,魚雷型とは分類しない.

 まぁ限られた記号で表現したものだろうから,かならずしもその例の通りになってるとは限らないわな.

 ちなみにおやしお型の全形はこんなん(画像引用元:小西製作所

 「魚雷型」のロスアンゼルス級はこんな艦形.(画像引用元:「トドの夢」


 【質問】
 潜水艦は,自らに迫る危険をどう探知するの?

 【回答】
 音はソナーで,電波はESM(電波逆探分析装置)で探知します.
 ごく短時間ですが,潜望鏡を水面に出しているときは,目視や赤外線も貴重な情報です.

(HN「ヨーソロ」 from おきらく軍事研究会)


 【質問】
 潜望鏡 periscope って何?

 【回答】
 軍事的には,潜水艦が海の上の様子を見るのに使われている道具.
 これがあれば,海の上を見るためにいちいち浮上しなくて済む.

 たいていの潜望鏡は筒状になっていて,筒の中には反射鏡が仕込まれている.
 この反射鏡による光の反射を利用して,外の世界を見ることができる.
 反射鏡の代わりにプリズムが使われているものもある.

 そして,たいていの潜望鏡には望遠レンズもついていて,遠くまで見ることができる.

 潜水艦以外にも,塹壕で使われたり――頭を出すと撃たれるかもしれないから――,戦車にもあったり――外へ出ると撃たれるかもしれないから――する.

 近頃は携帯用潜望鏡なるものも出回っていたり,性風俗用語にもなっていたりするらしいが,もはや艦船FAQから逸脱するので,それはまた別の機会に.
 ソープ・ランドで「潜望鏡」をリクエストして,本物の潜望鏡が出てきたら笑える,かもしれない.


 【質問】
 潜水艦物の映画や小説などでは,目標にECHO○○とかMIKE○○等と付けられていますが,アレはどういった基準なのでしょうか?

 【回答】
 "SIERRA" → ソナーで探知したコンタクト
 "ECHO" → ESMで傍受した電波のコンタクト
 "ROMEO" → レーダーで捕捉したコンタクト
 "VICTOR" → 潜望鏡で目視確認されたコンタクト
 "MIKE" → 複数のセンサーで捕捉して,同一だと判断されたコンタクト

 番号は発見した順番に割り振っていきます.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE


 【質問】
 戦略型原子力潜水艦の核パトロールについて質問です.
 原潜は,その秘匿性と残存性によって核戦争時に確実な攻撃・報復を行なうために配備されていると理解していますが,潜行している原潜は,どうやって外部の情報を得るのでしょうか?
 本国が突如,核攻撃されても,潜ってって気付かなかった,なんてことにはならないのですか?

 【回答】
 通信を行う時だけ浅い深度に上がって(浮上はしない)通信を行う.

 潜航中の通信は潜望鏡深度まで浮上して通信用マストを上げて,衛星経由やUHFの周波数帯で信号を受信する.
 原潜の通信装置はUHFからHF,VLF,ELFまでの幅広い周波数帯をカバーしている.ガートルードもある.
 このほかにはSLOT(潜水艦発射ワンウェイ送信機)ブイでの通信もある.
 ELFが最も深くまで届くけど,情報量は少なく通信は大変.

 無線について簡単に纏めておくと,
・波長が長くなればなるほど長距離まで届く
・波長が長くなればなるほど,情報密度は落ちる
・波長が長くなるほど,送受信アンテナは長くなる
・波長が長くなるほど,障害物(高密度物質)の影響を受けない

 潜水艦が潜航する通常の深度なら,極超長波を使って指令を受信することができる.
 普段は定時連絡を受信するだけで発信はしない.
 有事の指令も極超長波通信で行われる.

 それと,詳細は機密だが,ミサイル・パトロールに就いている戦略原潜は,一定期間本国からの通信が途絶えたら,事前に取り決められた手順にしたがって,事前に割り振られた目標にミサイルを発射することになっている.
 なので本国が突如核攻撃されても,報復戦力としての役目は果せる.

 余談だが,映画「クリムゾンタイド」で,原潜がロシアでのクーデター発生情報を超長波通信で伝えられるシーンがある.
 極端に通信速度が遅いメッセージの受信が,途中で切れたため,それが核攻撃指令だったかどうかで艦長と副長が対立するってストーリーだが,現実には,各指令ごとに書き出しの文章が異なっていて,最初の一文字でも受信できれば,指令の内容が分かるようになっている.
 なので「クリムゾンタイド」のような事は実際には起きないとか.


◆◆◆◆ソナー関連


 【質問】
 潜水艦の発見は簡単なのでしょうか?
 WIKIをみますと磁気探知装置はディーゼル式なら500m以上潜ればいいですし,赤外線もディーゼル式なら浅深度航走をしなければいいだけの話ですし,wikiを見る限りですと潜水艦に対する確実な攻撃方法は核爆雷だけのような気がします.

 【回答】
 原子力潜水艦が本気で潜航してると,そう簡単には見つけられない.
 でも,そうなると今度は潜水艦の方も「発見されずに潜ってる」以外何も出来ない.
 その逃げるor音が出ないように機関を停止している間は,潜水艦も動けず,空母に攻撃を仕掛けられない.
 攻撃はされないかもしれないが,自分も攻撃に出れないので,意味がない.
(機関を動かしたり,魚雷を発射したりすれば,その音をたどって魚雷を撃ち込まれる.
 そうした音源は,かなり正確に潜水艦の位置を魚雷に教えてくれる)
 それでも無視して進めば,確実に沈められる.

 潜水艦の発見はきわめて困難だが,そりゃ潜水艦側が静かにしているから見つからないって話.
 対潜ヘリや駆逐艦のソナーが動いている範囲内で,エンジンを動かせば確実に発見される.
 だいたい半径20kmくらい.
 また,20kt以上だと水中雑音が大幅に増加するので,絶対に見つかる.

 それと,例え攻撃手段が届かなくても「そこに潜水艦がいる」と言うことが発覚したら,潜水艦の存在意義はほぼなくなる.
 それはそれで面倒だが,あとは備えることが出来るので.
「いつ,何処から,どんな風に攻撃されるかわからない」
が潜水艦のアドバンテージであり,恐怖なので,例え沈められなくても存在の発覚している潜水艦は無意味.

 あと,正式なデータは機密だからなんとも言えないが,ディーゼル潜水艦が500m以上潜って行動するのは,まず技術的に無理.
 ▼500m以上もぐっても,魚雷の耐圧限界超えてるので,浮上しないと攻撃できない.

 さらにまた,ディーゼルは,全速でも二十数ktしかないので,水上艦より鈍足.

軍事板
青文字:加筆改修部分

 【質問】
>対潜ヘリや駆逐艦のソナーが動いている範囲内で,エンジンを動かせば確実に発見される.
>だいたい半径20kmくらい.

 世界の艦船によりますと,最近の露原潜を,米原潜がダイレクトパスでパッシブ探知できる距離は2,3qでしかないそうですが?

因幡 in FAQ BBS

 【回答】
 それ書いた人参上.

>ダイレクトパスでパッシブ探知できる距離は2,3qでしかない

 だから,水上艦は曳航式ソナーを使い,CZ等を利用するんですよね.
 あと,「探知された露原潜」の状態はいかがだったのでしょうか?
(エンジンを停止させていたのか,微速だったのか,それなりにスピードが出ていたのかなど)
 それにより,状況は異なりますよね?
 止まってるなら,そりゃ見つからないですよ.
 回答にもそうあります.

 参考までに.
http://www.fas.org/man/dod-101/navy/docs/es310/SNR_PROP/snr_prop.htm
http://www.fas.org/man/dod-101/navy/docs/es310/SNR_PROP/IMG00022.GIF
 表より,5kmまでは効率が大幅に低下し,その後,波線を描きます.
 8〜20km,36〜40kmの間は,3kmの位置とほぼ同等に聞こえると言うことが読みとれます.
 これより,多少乱暴ですが,「ダイレクトパスでパッシブ探知できる距離は2,3q」なら,8〜20km,36〜40kmの間でも探知可能だと言えます.

 ただし,これはあくまで一例で,この表の横軸は状況によって変化します.

極東の(以下略 in FAQ BBS



 【質問】
 曳航ソナーによる遠距離パッシブ探知の時代は終わったと認識していますが,違いますか?

因幡 in FAQ BBS

 【回答】
 冷戦が終わって約20年.
 大洋で米海軍に攻撃を仕掛ける潜水艦がいなくなり,浅海面での作戦が重要視されるようになりました.
 浅海面では曳航式ソナーはそこまで有利でもなく,そういう意味では曳航式ソナーの時代は終わったとも言えます.
 戦場が変わったわけですね.

 いちおう米海軍では,アーレイバーグ級駆逐艦にはAN/SQS-53Cソナーと,AN/SQR-19 TACTAS曳航式ソナーが装備されています.
 海自でも93年度就役のこんごう級護衛艦から,新型のOQR-2曳航ソナーを装備しています.
(それまでのOQR-1曳航ソナーに変わって)

極東の(以下略 in FAQ BBS

 そもそも最近の静粛化が進んだ潜水艦をパッシブ探知する,という時点でもう困難だと思うのですよ.
 もちろん私が自分の耳で聞いたわけではありませんが,哨戒機乗りだった方や潜水艦乗りだった方が書いた本を読んだり話を聞いたりするとそう思えてきます.
 だからこそ海自はマルチスタティック運用でアクティブソナーの探知距離を伸ばそうと何年も研究しているのではないでしょうか.
 マルチで探知距離の伸びたアクティブで接近・雷撃を抑止し,遠くからUSMを撃ってくるならイージスヤFCS3で対処する.
 艦隊に寄ってこない相手は野放し(ハンターキラーや広域捜索は諦める)というのが,海自の考える未来の対潜戦像だと想像してます.

因幡 in FAQ BBS



 【質問】
 海中は塩分がどうの水温がどうの昼下がりの効果が海底地形が海流がで複雑怪奇な世界なので,数十qで一瞬だけ探知できることも希にあるそうですが.

因幡 in FAQ BBS
をベースに改修

 【回答】
 これはCZのことですよね?
 だとすれば,第一CZの場合,幅4〜5nmに及ぶもので,一瞬だけということはありません.
 稀というほどではなく,普通に利用しています.
 CZ出現距離は,水中状態によりさまざまですが,一般的には30nm程度,近距離で10nm以上という数値があります.
 実際に,CZで探知した潜水艦を攻撃する兵器なども作られています.

 〔略〕

 「探知できることは希」かどうかはちょっとわかりませんが,上に書いたとおり,CZで大きな騒音を出せば,探知は可能です.
(すなわち,敵潜水艦の行動を大幅に制限します)

 また,CZで探知された敵潜水艦に対する正確な探知・撃滅は,SH-60の運用構想の一つです.

 蛇足ですが,上等な曳航式ソナーなら,第一CZのみではなく,さらに遠方の第二(60nm),第三CZ(90nm)での探知も可能と言われます.
 むろん,相手の騒音状況にも寄りますが.

極東の(以下略 in FAQ BBS



 【質問】
 状況によっては30Ktで驀進しても探知されないのでは?
 露西亜のオスカー型SSGNの最大速度が32Ktと,一つ前のチャーリー型の24Ktと比べて大幅に増加させられた背景には,攻撃ポイントへの進出時間短縮と攻撃後の生存性向上があります.
 つまり,少なくとも露西亜のドクトリンでは実戦で攻撃前後に24Kt以上で突っ走ることがありうるということでしょう.
 (24Ktでもどうせ探知されるなら,どうせなら32Kt出しちゃえ,かもしれませんけど)

因幡 in FAQ BBS
青文字:加筆改修部分

 【回答】
 オスカー型の設計コンセプトは,「(長距離超音速対艦ミサイル)"グラニート"の運用」です.
 オスカー型に高速が与えられた理由は,早急に敵空母を対艦ミサイルの射程に捕らえ,ミサイルをぶち込み,(対潜哨戒機の追撃から)さっさと逃げるためです.
 ちなみに,グラニートは射程700km.空母の輪形陣のはるか遠方から撃ち込む事ができます.

 つまり,オスカー型が高速を出すのは,輪形陣のはるか遠方,対潜兵器の届かない所です.
 探知可能圏内で,高速を出そうなどとは考えてません.

極東の(以下略 in FAQ BBS
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 輪形陣のはるか後方が,果たして本当に対潜兵器の届かないところなのかどうかには私は疑問を持っていますが……
(アメリカから見れば穴だらけで,ロシアから見ればどこに地雷がうごめいているか分からない)

因幡 in FAQ BBS

 【回答】
 空母前方100kmのところに,駆逐艦と潜水艦が前方警戒についているとして.第3CZを使っても,最大探知距離170km,SH-60を使っても航続距離600km弱(行動半径300km)なので,ドクトリンを無視しても,どうがんばっても空母前方400kmの位置が最大探知距離です.
 S-3艦上哨戒機を使えば,さらに距離は伸びますが,S-3は退役途上であり,他にも数や質の問題で細かな哨戒は不可能です.

極東の(以下略 in FAQ BBS

 【反論】
>空母前方100kmのところに,駆逐艦と潜水艦が前方警戒についているとして.

 いえ,そうではなくて,オスカーの後ろや進路上にはどこに米原潜がいるかわかりませんし(出港した瞬間から追尾されてるかも),頭上にはP-3Cがソノブイまいてるかもしれませんし,海底には情報にないソーサスがあるかもしれません.

因幡 in FAQ BBS



 【質問】
 500m以上もぐっても,魚雷の耐圧限界超えてるので,浮上しないと攻撃できないのでは?

 【回答】
 スピアフィッシュ,無視ですか?
 Mk48ADCAPは?
 かつて旧ソ連アルファ級SSNが900mまで潜って逃げた,という伝説以後,これに対応した魚雷が各国で開発されました.
 日本の場合は開発した97式が短魚雷なんでどうかわかりませんが.

 水深500mにて発射できるか?は見てませんでしたが,とりあえず魚雷の耐圧限界は500m超ですね.

因幡 in FAQ BBS
青文字:加筆改修部分

 耐圧限界はよく見つかるのですが,発射可能限界深度は,中々見つからないですね.
 あと,スピアフィッシュとMk46ADCAPのほうが例外で,多くの魚雷は300mくらいが限界ですね.

極東の(以下略 in FAQ BBS
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 潜水艦では,音の識別はどうやるのか?

 【回答】
 昔は音を耳で聴くだけでしたが,今では分析して目で見るようになりました.
 個々の潜水艦の各機器によって,発生する音が微妙に異なりますので,その音紋を解析して事前に収集してあるカタログ・データと比較すれば,個艦名まで分かります.
 また,艦船の出す音は外洋では非常に遠くまで伝わるので,別々の場所に置かれた複数のハイドロフォン(水中マイクロフォン)で受信すれば,到達時間差から音源の位置を計算できます.

 ハイドロフォンには艦艇に搭載されたもの,航空機からブイで撒くもの,海底に設置されているもの,等があります.
 先日のロシア潜水艇に絡まったケーブルは,この水中固定機器と思われます.

 さきに「事前に収集してあるデータ」と書きましたが,この収集が大変です.
 各国は,相手国の新造潜水艦の公試の段階から,原潜をその海面下に潜ませて音紋を盗み聴く努力をしています.
 昨年,中国原潜の領海侵犯事件がありましたが,原潜の相手国領海の侵犯は日常茶飯事で,探知できない方が間抜け,というのが各国のホンネの常識です.
 帰国した中国原潜の艦長は,侵犯したこと故ではなく,探知されたこと故に大目玉を喰らったに違いありません.
 潜水艦の側でも雑音を外に出さないよう,いろいろな対策が施されています.
 一番難しいのは,モーターのような回転体の震動を消すことです.

(HN「ヨーソロ」 from おきらく軍事研究会)


 【質問】
 音紋というのは,何処まで特定できるものなのですか?
 それがロスアンゼルス級ならば,
1:それがロスアンゼルス級だということまで
2:それがどのロスアンゼルス級なのかまで

 【回答】
 音紋というのは

・その音がどの艦なのか分かった上で録れば,どれでも判別できる

 例えば,その声が佐藤さんだと分かった上で「この声は佐藤さんだ」と覚えれば,佐藤さんだと分かるだろう.
 が,佐藤さんかどうか名前すら分からないなら当然,佐藤さんだとは分からないが声だけは覚えられる ,

 で,同じ系統の艦は同じような音になる傾向があるから,何番艦かは判別できなくても,アクラ級ならアクラ級,688なら688とわかる.あまり何番艦かというのは重要視されない.

 何番艦か特定せよというのは,例えば1番艦固有の音を予め採っていればできる.
 それがないと級までしかわからない.

 たとえば『敵対水域』(ピーター・ハクソーゼン他著,文春文庫,2000.10)という本では,ソヴィエトのどの原子力潜水艦か,およびその艦がどの程度の修繕を受けてきたかを ,やかましいディーゼル機関の同行船の音の中から大西洋のSOSUSが識別して聞き分けている描写がある.
 こういう場合はあらかじめ採られた音と照合していると考えられる.

 こう考えると分かり易いかもしれない.
 「アムロ」の声が,古谷氏なのか若井氏なのか判別する「利きアムロ声」というミッションがあるとしてだ.
 あらかじめ若井氏を知っていて,その声を聞いて覚えていればどちらかわかる.
 あらかじめ若井氏を知らないと,「古谷氏のようにも聞こえるが別人だなあ」程度しか分からん.
 こういうときは,暫定でアムロ級10番艦とか適当に決める.

 その声が誰のものなのかは,あとで情報部に渡して特定してもらい,データベース化するだけのこと.

軍事板


 【質問】
 潜水艦のソナーについてですが,よく漫画などで,大きい音が出て耳の鼓膜が破れるというシーンが出てきますが,今のソナーは,鼓膜が破れないように,大きい音が出ないようになっていると聞いたのですが,本当ですか?

 【回答】
 まずソナーについて簡単に.

 ソナーにはおおざっぱに言って二種類あります.アクティブパッシブ
 前者はこっちから音を出し,そのはね返りによって目標の位置を割り出す.ピーン,という音が映画などに出てきますね?あれがそうです.こっちから音を出すため,こちらの存在を暴露する欠点があります.
 後者は聴音マイクで外の音を聞き取り,目標を探知する.いっさい音を出さないため,こちらの存在を秘匿できます.潜水艦はその性格上,こっちの使用が主です.こちらについての質問と推測しました.

 確かにWW2の頃までは,ソナー員がヘッドホンをつけ,マイクの方向を調節するダイヤルを操作しながらソナーを使用しました.
 大きな音の発生が予測される場合(爆雷の着水音など・・数秒後に爆発する)ヘッドホンをはずして音量を絞る.
 このタイミングを誤るとヘッドホンから爆音が流れ,耳を痛める可能性がある.
 でも,基本的には機械が発する音です.ヘッドホンの能力以上の大音量は出ない.
 また,電気信号にいったん変換する関係上,一定音量以上はカットしてしまう,
 一種のリミッターを装備するのは比較的簡単なことです.

 要するに,昔であっても鼓膜が破れるほどの大音量を聞かされる可能性は低い.
 ただし,このリミッターの設計がまずいとソナー員が耳を痛めることはあったようです.
 現在はもちろん,コンピューターを介して音が分析されるシステムが一般的で,ヘッドホンから大音響が出る可能性はありません.


 【質問】
 映画「レッドオクトーバーを追え!」では,潜水艦は司令室にソナー・マンがいて音を聞いていましたが,どの艦でもそうなのですか?

 【回答】
 普通,ソナー室が専用にあります.ソナー室がない潜水艦はありえません.(たしか)
 日本の場合,ソナー室は艦の先の方にあります.エンジンからできるだけ遠くにして,雑音の影響を受け難くしてあるわけです.
 また,ソナー室にはソナーマンと艦長しか入れないようになってます.
 やっぱソナーは潜水艦の生命線ですからね・・・.

(Lalph in 軍事板)


 【質問】
 スクリュー音を録音したラジカセを防水にして,海中に落としていったら,相手の潜水艦は本物の艦船と区別できるんでしょうか?

 【回答】
 市販のラジカセでは(水中で動くのかということは無視しても)扱える周波数帯が狭すぎるのでムリです.
 人間が聞いたら同じ音に聞こえますが,ソナーは可聴域外の超音波帯の音も拾うので,波形分析にかけるとバレバレ.


 【質問】
 潜水艦の音紋って,スクリューの製造段階での誤差というか個体差が原因ですよね?
 21世紀の製造技術をもってしても,誤差というのは無くせないんですか?

 【回答】
 いや,音紋の主な発生源になるスクリューの個体差は,使っているうちにスクリューの傷つき方やギアボックスや機関の癖による回転微妙なムラなどによって起きる.
 なので,どんなに製造段階で個体差をなくすように努力しても,各艦ごとの「個性」は生じてくる.


 【質問】
 原潜が通常動力に比べて不利とされる騒音問題ですが,これはどういった部分がその音を発しているのでしょうか?

 【回答】
 原子力は基本的には蒸気機関と思ってください.
 熱源で高温高圧の蒸気を発生させ,その蒸気から動力を取り出す.
 蒸気でタービンを回転させる事により取り出す訳ですが,スクリューには回転が高すぎるので,減速させる必要が有ります.
 その減速機の歯車が擦れる音が大きく,外に漏れる音源となります.
(レシプロ式の原潜が有ったらそれはそれで面白そうだが)

 更に,原子炉に冷却水や,蒸気の元となる水を送り込むポンプの音.
 これらは装置類の工作精度や設計に依存します.
 低騒音にするには高い技術とノウハウが必要.

 それと配管を冷却水や蒸気が流れる音もします.
(さらに,原子炉の冷却水は温度が高いので,赤外線探知されやすくなる,という欠点も生じる.水温分布を調べるとバレバレに・・・)

 勿論どちらも今はそれなりの対策がされているが,構造的な問題なので,どうしてもそれがネックになる.

 話題の漢型は,技術が無いのに意地と見栄で作った代物なので,特別うるさい.


 【質問】
 SSBNクラスとなるとSSやSSNに比べて船体が大きいので,静粛性が劣る,ということはあるんでしょうか?
 また,SSBNというのは完全に独立して行動するんでしょうか?
 SSNなどを護衛につけるようなことは行われたりはしているorしていたんでしょうか?

 【回答】
 核抑止力の柱であるSLBMを搭載するSSBNには,発射母体の探知自体を難しくする為,残存性を高める工夫が可能な限りなされています.

 水中高速迎撃艦,プロジェクト705/K型(NATOコード・アルファ)攻撃原潜のように,静止状態から速力40ktまで僅か1分,6ktから42ktまで3分,最高速力で180度ターン,更に反転するまで僅か42秒という,恐ろしく高い水中機動性を発揮して魚雷を振り切るという戦術を採れる艦も有ります.

 更に魚雷が届かない深深度まで潜航すると言う手段も有ります.

 魚雷へのカウンターメジャーを更に捕捉して置きます.
 SSBNオハイオはデコイ発射用に152mm外装式CSA(Countermeasure Set Acoustic)発射管Mk-1を装備しています.
 また,90年代末の近代化改装の折,魚雷攻撃を受けた場合の防衛自動応答システムWLY-1が搭載されました.
 これは統合指揮管制装置から可動式多機能デコイMk-4をコントロールする物です.

 また,静粛性に関してはSSNに採用されているS5W加圧水式原子炉より静粛性の高いS8G自然循環式原子炉を採用しており,更にこれら主機・補機類は騒音低減の為に船体から間接的に分離された浮き台座に設置されています.


 【質問】
 シーウルフ級の最大静粛航行速度は?

 【回答】
 一般に広まっている話では,シーウルフ級の最大静粛航行速度は20ktです.
 これはポンプジェット推進の導入により,その速度までキャビテーションを起こさずに航行できるからです.
(キャビテーションが無ければ,雑音は艦自体からが発生する騒音のみで,これは艦の防音により,かなり低減できます)

 逆にキャビテーションを起こすと,それが原因ですさまじい騒音が発生します.
「20kt以上だと水中雑音が大幅に増加するので,絶対に見つかる」
というのは,そういう理由です.
 ちなみに通常のフネでは,20ktよりもずっと遅い速度でもキャビテーションが発生します.

極東の(以下略 in FAQ BBS
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 対潜哨戒の手段の一つに海底固定ソナーなるものがあるそうですが,これが漁船の底引き網に引っかかって破損するような事は無いのでしょうか?
 あるいは,敵の工作船が漁船のふりをして,底引き網の様な物で海底ソナーを破壊したり,技術を奪うために回収していくようなことは無いでしょうか?
 何か対策が採られているのでしょうか?

 【回答】
 トロール板方式の底引き網だと拾わないらしいです.
 しかし,錘式の底引きだと拾うとのこと.
 韓国漁船はいまだに錘式を使ってるらしい.
 泥底のとこでは錘式の方が有効だという事情もあります.

 もしケーブル拾ったら,外して見なかったことにして全力逃げらしいです(漁師さんの噂話)
 外せるなら良いけど,ダメなら切って逃げの噂も・・・
 損害賠償請求が怖いからね.

 実際,対馬や小笠原のケーブルは何度か漁船に切られた経歴があったはずです.犯人は見つからずじまい.

 ケーブル途中のトランスポンダに盗聴装置仕掛ける話は噂としてはあります,真偽の程は不明.将来に渡っても不明だと思います.


 【質問】
 ソノブイって,もし敵に回収されたら,こちらの技術が盗まれちゃうと思うのですが,そのへんはどうなってるんでしょうか?

 【回答】
 ソノブイは電源が切れると,中に水が入って沈むように出来ています.

 ソノブイには浮力を保つ為の空気室が有ります.
 空気室の下部は開放されており,その上部に電磁弁が有ります.
 電源が生きている間は電磁弁が閉まっていますから,開放されている下部から海水が中に入ってきません.
 電池の寿命が来て電源が切れると,電磁弁が開きます.
 それにより,空気室下部の開放された部分より海水が中に入り込みます.
 結果として浮力が失われソノブイは沈みます.

 電源が生きている状態で不埒者が持ち去る事を防ぐ為に,「触るなゴルァ!」と言う内容の注意書きが記して有ります.


目次へ戻る

准トップ・ページへ戻る