m

AA

准トップ・ページへ戻る

◆海事関連
兵器FAQ目次


◆◆Link


「gigazine」:アメリカ海軍が行った電磁レールガンのテストムービー

Captain Fleet(幕末日本から現代まで)

FLOTY WOJENNE(画像集)

Haze Gray & Underway(海軍史および現況,英語)

Steel Navy(模型,英語)

The Naval Data Base

希少資料艦艇研究所(相互リンク)

『シリーズ軍事力の本質(2) シー・パワー その理論と実践』(立川京一・石津朋之・道下徳成・塚本勝也編著,芙蓉書房出版,2008/4/30)

 本著は「軍事力の本質」というシリーズの第二回配本で,一回目の「エア・パワー」につづいて「シー・パワー」が取り上げられています.
 防衛研究所,海上自衛隊などから,気鋭の研究者が寄稿した論文の集成といってよい内容です.
 その意味で専門家向けの書といえましょう.

 執筆者のおひとり立川京一さんは
<本著は「エア・パワー」同様,教科書的な文献を企図し,一般大学の学部,大学院,防衛大学校,陸海空自衛隊幹部学校,幹部候補生学校,そして防衛研究所などで基本図書として使用されるとともに,一般の方々には入門書として手にとっていただけれるような文献を目指して編集した>と,まえがきでおっしゃっています.

 そんな専門書ですが,今回ご紹介しようと思ったのは,本著が,海軍力とその歴史を包括的に一冊で学べる本邦唯一の本である,という点に大きな価値と魅力を覚えたからです.
 弊マガジンの記事を毎週目にされている方でしたら,それほどハードルは高くないとも思いました.

 取り上げられている分野は「潜水艦」「空母」「水陸両用作戦」「統合作戦」「海自」「米海軍の戦略」などです.
 それぞれを担当著者が歴史的に捉え,今後の見通しも示しています.
 著者は防衛研究所の研究者や海自将校,世界的に有名な軍事研究家です.

 本著を通じて一般の人が
「海軍力とはどういうものか?」
「どういう背景で海軍は今日にいたっているのか?」
「海軍はどこへ向かうのか?」
を考えるきっかけができれば素晴らしいですね.
 むしろそれこそが,本著を通じて得られる,いや得るべき唯一のことではないでしょうか.

 先ほど言いましたとおり,本著は編著者各位の論文集ですが,記載されている内容を俯瞰総合的に見ると,「海軍力の歴史と今後の展望」というのが適切と思います.

 〔略〕

 軍人さんや専門研究者さんはまた別でしょうが,一般人が本著を読むにあたっては,細かい知識やご高見の是非に拘泥することなく,歴史の流れ,うねりを俯瞰的につかむ読み方が適していると思います.

 即効性を求めて何かを得られる本ではありません.
 幾度も読み返す中で,海の軍事とはどういうものなのか?を総合的にわがものとしてしまうための本です.
 ですから,長い付き合いができる重厚な本になっています.

 あなたのなかの国防意識,軍事感覚の水位が上がるにつれ,違ったものが得られるようになることでしょう.

 まずはわが国を含めた海軍の歴史のうねりを後世の歴史に残ることを考えて書かれた本著の言葉を通じて,体で味わっていただきたいものです.
 われわれはこれまであまりに,イデオロギーや私見による軍事知識を受けすぎてきたため,軍事理解の過半が雑多な断片知識に拠っているのではないでしょうか?

 せめて本著とそのシリーズを通じて,軍事なるものを長期的な歴史的視野で捉える癖を身につけていただきたいものです.
 そうすれば軍事なる幻影から解き放たれて,心は自由になり,安らかに軍事と接することができるようになると思います.
 これは私自身の自戒でもあります.

 あわせて思ったことですが,海軍を含めた米軍の「理論偏重主義」には正直危うさを感じています.

■うれしいブックガイド

 教科書に必須の「充実した参考文献」「詳細な索引」を兼ね備えており,本音を言えばこの部分だけでも本著を求める価値があります.
 〔略〕

―――おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)5月23日

世界の艦船(同名月刊誌公式サイト)

世界の客船歴史資料館(徴用船舶)


◆◆総記


 【質問】
 「艦艇」って何?

 【回答】
 国際法上の「広義の軍艦」だけ押さえておくといいです.

 その中で,特に第一線で使用するものを「艦艇」と呼びます.

 国際法上の軍艦の定義は,

引用部----------------------------

海洋法に関する国際連合条約(国連海洋法条約)

第二十九条 軍艦の定義

 この条約の適用上,「軍艦」とは,一の国の軍隊に属する船舶であって,当該国の国籍を有するそのような船舶であることを示す外部標識を掲げ,当該国の政府によって正式に任命されてその氏名が軍務に従事する者の適当な名簿又はこれに相当するものに記載されている士官の指揮の下にあり,かつ,正規の軍隊の規律に服する乗組員が配置されているものをいう.

-------------------------

 俄か知識で通ぶりたい時には,旧日本海軍の”軍艦”を持ち出すと良いでしょう.

ポポフ in mixi

 朝日新聞などだと軍艦=戦艦(コレは戦闘艦艇の略称だそうですが)と表示されることもありますね.

 で,軍艦の種類などを調べますと
戦艦:(1)最大の攻撃力を持つ軍艦 (2)戦争用の船
巡洋艦:戦艦と駆逐艦の中間の船
駆逐艦:魚雷を主兵装とする小型快速軍艦
空母:航空母艦の略 航空機を発着させる軍艦
潜水艦:海中に潜ったまま敵艦船に接近して魚雷攻撃をしたり,敵情を探ったりする軍艦,潜航艇,潜艦となります.

 いささか古い辞書なので,新しい艦種は載っておりませんし,解釈が現在と違うこともありますが参考までに.

矢乃崎 in mixi


 【質問】
 艦艇=軍艦なのですか?

 【回答】
 海軍に所属する船舶には大きく分けて
艦艇:『第一線で使用する』『戦闘用の船舶』
それ以外:『雑役船やら輸送船,果ては内火艇』
という二種類がある.

 一方で国際法による軍艦の定義では,『(海)軍に属し,軍艦旗を掲げ,(海)軍指揮下に』あり,なおかつ『士官が指揮』しており兵士が乗組員となっていなければならない.
(国際海洋法の条文でも英語では"armed forces(軍隊)"と海軍に限定してないです)
艦艇は常にこれらの条件をすべて満たす.

 一方,『雑役船やら輸送船,果ては内火艇』は『海軍に属し,軍艦旗を掲げ,海軍指揮下』にはあっても,USNSで始まる米海軍の船舶のように士官が指揮していない場合があり,これらは国際法における軍艦とは呼べない.

 よって,『(海軍)艦艇=軍艦』とみなして差し支えない.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 帝国海軍の艦は「○○型」,米国,英国の艦は「○○級」と呼ぶそうですが,この二つには明確な使い分けの理由があるのでしょうか?

 【回答】
 軍事雑誌でも一括りに「級」で使っているのが一般的.
 ただ,「世界の艦船」だけは,NATOコード名で呼ぶときは「型」(タイプ),1番艦の艦名から付けられた場合は「級」(クラス)で使い分けている.

 日本海軍では本来,「型」と「級」は別の用語.
 「型」は「大和型」のように,艦の個別のタイプを表す際に使う.
 「級」は「超弩級」のように,大概は大きさによって艦の階級を表す際に使う.
 ただし,この二つはよく混同されるし,大きさによって艦を区別する事自体現代では意味をなさなくなりつつあるから,「型」の意味で「級」を使っても間違いではない.
 というか,「級」の方が一般的だしね.

 一方,英海軍では
級=Class
型=Type
 「Super Dreadnought Class(超弩級)」でも「Renown Class(巡洋戦艦レナウン級)」でも"級"で表してるね.

 「型」に当たるのは同級艦のサブタイプを表す場合.
 たとえば1920〜30年代建造の条約型重巡洋艦は基本的にケント級とその改造型なんだけど,
(1)派生型ごとに
「Kent Class(ケント級)」
「London Class(ロンドン級)」
「Norfolk Class(ノーフォーク級)」
という場合と,
(2)総称してカウンティー級と呼び,派生型を
「County Class A type(カウンティー級A型)」
「County Class B type(カウンティー級B型)」
「County Class C type(カウンティー級C型)」
といった風にまとめる場合がある.(資料によって書き方が違ったりする)

 現在,海自では「型」を使っているけど,英語だとそれも「class」を使うのが普通だから,それをそのまま訳すと「級」になる.
 また,ソ連/ロシアや中国のフネを言うとき,
・西側のつけたコードネームで言うときは「型」(アルファ型,クレスタ型,旅大型 等),
・当該国での艦名で言うときは「級」(キエフ級,スラバ級 等)
と使い分けることもある.
 「世界の艦船」は,これを踏襲している.

(軍事板)

 西側の艦艇もそうですが,普通,「級」は,そのクラスの1番艦の名前で呼ばれるのが通例です.
(タイコンデローガ級とかオリヴァー・ハザード・ペリー級などなど)
 ロシアの艦艇は,西側同様の一番艦の名前を取った級名で呼ばれるものと,西側が付けたコード名(型名)で呼ばれるものの二種類が有るので,注意が必要です.

 例えばスラヴァ級の1番艦は「スラヴァ」という名前ですが,「カーラ型」の1番艦は,「カーラ」という名前では有りません.
 「カーラ型」の1番艦はニコラーエフなので,級名で呼ぶなら,「ニコラーエフ級」というのが正しい.

 分かりやすく言えば,ロシア・ソ連の水上艦艇で,イニシャルがKの名前は,コード名(型名)と思っていただいて結構です.キンダ,カシン,カーラ,クレスタ,コニ,カニン,クルップニィ,コトリンなど.
 これらは西側が付けたコード名なので,「級」と呼ぶのは適当ではありません.
 また,ロシア海軍潜水艦は,ほとんどがコード名になっていますね.

 1980年代以降に1番艦が就役した水上艦艇は,おおかた級名で呼ばれています.キーロフ級,スラヴァ級,ソヴレメンヌイ級,ウダロイ級など.

 この辺りをゴッチャにしている(というか,分かっていない)人は多いようで,
 最近では,中国海軍関連で「キロ"級"潜水艦」などという表記を良く見かけますね(笑).
 中国の潜水艦の「漢(ハン)」とか「夏(シア)」とか「明(ミン)」とかも,西側コード名ですから.

 なお,このコード名は,中国の歴代王朝名を付ける決まりになっているようですが,それなら,魏とか呉とか蜀が有ってもいいじゃないか(笑)

(夏光華(シア・クァンファ) in FAQ BBS)


      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    /             \
   /        漢型       ヽ 
    l :::::::::.                 |   小日本で革命が起きれば
    |::::::::::   (●)     (●)   |  沖縄周辺海域を悠然と
   |:::::::::::::::::   \_■_/     |  回遊できる日も近いね!
    ヽ:::::::::::::::::::..  \/     ノ 

漢ちゃん:言わずと知れた漢型原潜艦長。
方向音痴で日本の領海を侵犯してしまったが、
その輝く頭で発令所の雰囲気を明るくしている(おそらく)。
日帝海軍の追跡をかわして無事に帰到できるのか、
その後も海軍に留まれるのかは不明。○下監督とは無関係


        ∧∧
       /漢 \ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
       /:彡ミ゛ヽ;)ー、< 残念ながら岡田同士はオウンゴールばかりです・・・
      / :::/ハヽ、ヽ、 ::i   ところで美国海兵隊の存在をお忘れでは?
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
漢型乗員:漢ちゃんと艦隊司令部のピンボケ指揮に絶望にくれながらも
漢ちゃんと人民海軍を応援しつづける献身的な乗員。
珍判断を見せながらも時折だじゃれで和ませてくれる漢ちゃんに魅了された人もいる。
「速度50キロノット!」→「そんなに出せねえよ・・・」は黄金パターン。


.      / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
    /             \
   /        宋型       ヽ
    l :::::::::.U                |
    |::::::::::   (●)     (●)   |   元型登場・・・え・・・僕そろそろヤバイ?
   |:::::::::::::::::   \___/     |
    ヽ:::::::::::::::::::..  \/     ノ

宋型:中国海軍宋型潜水艦。漢型の後輩。
ちなみに漢型と違うのは額の文字とヒゲ。
失敗作と言われたこともあったらしいが、それはそれとして
先輩である漢型を無邪気に慕っているらしい。

        彡¶
        ,-─''`--,____
       /;;;;;;;;;;;;;;;;;::::;;;;;;;;;;;ヽ
     /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::;;;;;;;ヽ
   _/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;元;;型;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ__
  巛ミミミミミミミミミミミミミミミミミ〕〕〕
  巛ミミミミミミミミミミミミミミミミミ〕〕〕
    l:::::::::.                  |
    |::::::::::   (●)     (●)   | 元ちゃんだよ
   |:::::::::::::::::   \___/     |
    ヽ:::::::::::::::::::.  \/     ノ

||||||||  イ ;||||~          ヽ、~_'−、、 |        ~'+、、____
||||||~  ノ (i~~~'+、_−−+、;、    ´~`'−  イ      _、___   ´`;ノ´
||~ 、_ノ     /     ´~'+、;i  、    イ    イ´´ `~`'−-''~
)-         i−---;;;、、  )(、;ノ---、 _i      \
ゝ        '|、   ~ ~~ / |~    `'i|       ~+、
   _、      `'+、、____ノ'  i、 iiiii;、 _/         ~''-、、__
  _/        _ノ~~~ゝ  _|(_ゝ~~ゝi(ノ    - --i、、    _ノ んなもん、沈めちゃる。
  i|    _、+++~~~、     | ~'''-イ~´    ´`'+   '''--:+'~
、|   /~     ``'+    /  _/´        ')、
 ~'イ|、  | \、     ヽ+'ii~~ _ノ´    、、、    `-、
  ~~+、   i、`''''、  _ _ イ_ノ'~     `'i、~'ヘ、、  `ヽ、、
__ノゝ   `-、_ `+、、_~~~~レイ´   、     |  `~'''''''''''~
~ /     ``''''''''~~~´      _'|`''+、   ゝ
_ノ~    _/i、     ;i+     ;|  `i、  i

「民輔」級

http://hancyan.nobody.jp/


 【質問】
 軍艦の命名法について,各国で具体的にどういった基準があるか,国や時代によって違うと思いますが,教えていただけないでしょうか?

 【回答】
 米海軍の艦艇命名基準
http://homepage2.nifty.com/daimyoshibo/mil/USNHC/shipnaming.html

 まあ,大抵は人名か地名ですね.

 例えば,ニミッツ級空母には海軍に大きな貢献をした人物の名がつけられています.
ニミッツ(第二次大戦時の太平洋艦隊司令長官)
カール・ヴィンソン(海軍長官で海軍の大増強計画「ヴィンソン計画」を立案,画像右)
ジョン・C・ステニス(海軍の発展に協力した上院議員)
ロナルド・レーガン(海軍を増強して冷戦を終結させた大統領)
など.

 他に,「主力艦は州の名前(「キアサージ」は例外的に主力艦に命名される.戦史に因んで)」などの規則もあります.

 英軍艦は,同型艦は同じ系列の単語から艦名を選ぶとか,頭文字を揃えるという程度で,統一された命名基準はありません.
 たとえば戦艦も,キング・ジョージ5世型はいずれも人名から選んでいますが,次のヴァンガードは普通名詞だし.

 またイギリスの場合は,エリザベス一世の時代から数えれば海軍には400年以上の歴史があり,その当時使われていた名前を代々使っている場合もあります.
たとえばアークロイヤル(フランス語で「王の御座船」)とか,ウォースパイト(古い英語で「戦いを軽蔑して扱う」)など.
 それをその時代の主力艦につけたりするので,他の国の海軍に比べると基準が厳然としてないところがあります.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE他)


 【質問】
 船の代名詞について質問です.
 ヨーロッパでは昔から船は女性と例えると聞いたのですが,男の名前の戦艦とかありますよね.ネルソンとか.
 この場合はSheなのでしょうか,Heなんでしょうか?

 【回答】
 印欧語族諸原語は一般に名詞に性別(男性名詞/女性名詞/中性名詞)があり,「船」は女性名詞だから.英語は名詞の性がほぼ失われた言語だが,「船」は例外的に女性名詞として残っている.

 ただし,ドイツの戦艦ビスマルクは例外的に男性で呼ぶ.
 艦長が
「この強力な船に「彼女」は失礼だ.以後「彼」で呼ぶように」
と言ったなんてエピソードもある,


 【質問】
 軍艦,戦艦という言葉はいっしょくたにしたらダメなの?

 【回答】
 昔はともかく,近代以降だと間違い.
 近代以降は,軍艦は総称であるのに対し,戦艦は定義がはっきりした,軍艦の一つの種類.
 消防車や救急車まで「ダンプ」などと呼んだらダメっしょ?

 で,昔は「軍艦」も「戦艦」も,元々は単なる「いくさぶね」という意味の語でしかった.
 「軍艦」「戦艦」ともに古い漢籍からの借用後で,遅くとも江戸時代には使われている.
 それを海軍が借用してきて,後付けで定義を追加したもの.
 だから江戸時代までなら,まあ問題ない.

 日国(二版)だと,戦艦,軍艦とも,
(1)戦闘用の船一般,
(2)(旧海軍での定義等にもとづくもの)
の2とおりが出ていますね.
 で,(1)の古い用例として,「戦艦」の場合は和漢船用集(1766),日本開化小史(1877-82)がひかれています.1766年の例は晋書から引いており,漢語としてはさらに古いようですね.

*和漢船用集(1766)
 七・軍船之部「用船<船>晋の陶侃,運船を以,戦艦とすと見へたり」
*日本開化小史(1877-82)
 二・四「大風ありて元の戦艦を漂没す.我兵之に乗じ奮戦して之を殲す」
等々となっています.

 なお,「和漢船用集」の用例では,戦艦(センカン)となっていますが,補注として,
>(1)(=古いほうの用例)については,「名物六帖-器財箋」に「戦艦イクサフネ」とある.
となっており,古くは「イクサブネ」だったようです.

「名物六帖(めいぶつろくじょう)」
分類:辞書
著:伊藤東涯
成立年:正徳四(自序)

 「軍艦」の方は,外国事情書(1839)をはじめ,文久年間の触れ書きなど,これまた古いようで….

 ただし,欧米だと戦艦(戦列艦)というものの定義は,割りに早くから確立しているので注意.


 【質問】
 シップ,ヴェッセル,ボートの違いは?

 【回答】
 ヴェッセルはあらゆる船舶の総称.
 シップは大型船.
 ボートは小型船.
 もちろん,それぞれに例外はある.

 以下引用.

 英語ではどうかというと,主に大型の船をあらわしていたのが「シップ」(ship)だ.
 3本または4本マストのシップ型帆船がその語源だが,最近は,どの大きさの船に対しても用いられるようになっている.
 また,「ベッセル」(vessel)は,大小にかかわらずすべての船の総称として用いられる語だ.
 一方,ごく小型の船をさす場合は「ボート」(boat)が使われる. しかし,パッセンジャー・ボート,フェリーボートなどかなり大型の船に使われる用例もある.
 このほか船一般をさす言葉として「クラフト」(craft)も使われる.

海運雑学ゼミナール

 ヴィッセルは神戸.主としてJ2向け.


 【質問】
 戦艦・空母・巡洋艦・駆逐艦は漢字表記なのに,フリゲート艦はいまだに英語の音をそのままカタカナ表記しているのは何故でしょうか?
 これらの言葉が日本に入ってきたのは明治期でしょうけど,フリゲートの訳だけがなされていないのは何故でしょうか?

 【回答】
 フリゲートだけでなく,コルベットとスループも邦訳できていません.
 明治31年に,ようやく軍艦の類別基準ができましたが,それまでは全て仮名書きでした.
 この時にバトルシップを「戦艦」,クルーザーを「巡洋艦」,ガンボートを「砲艦」,コースト・ディフェンスを「海防艦」と邦訳したのですが,それまで海軍が保有していた船を,実態に応じて類別表にねじこんだのです.
 例えばクルーザァル筑紫は喫水が浅くスピードが出なかったので1等砲艦に,コーストデ・フェンスの三景艦は訳どおりの海防艦ではなく,2等巡洋艦に含められました.

 問題のフリゲートですが,当時は所有していなかったので,邦訳の機会はありませんでした.
 コルベットは砲艦に,スループは海防艦に回されたため,邦訳の機会もなかったのです.

(鷂 ◆Kr61cmWkkQ)


三景艦(画像引用元はこちら


 【質問】
 時々「被害担当艦」という言葉を見かけるのですが,検索してもイマイチちゃんとした定義にひっかかりません.
 被害担当艦とはいったいなんなのでしょうか?

 【回答】
 艦隊において敵の攻撃を一身に受ける役目の艦.
 結果的に艦隊全体の被害を小さくする事を目的とする.
例:レイテ沖海戦における武蔵

 で,それが転じて軍事板では
「センセーショナルなスレッド・タイトルをつけることによって,他板流入組や厨房による被害を一身に受けるスレッド」
の事を指す事もある.
 たいていは,厨房が建てた痛々しいタイトルのスレッドが,被害担当艦として利用される.


 【質問】
 実際に戦争が起きた場合,味方の軍艦同士はお互いどのくらいの距離をとるものなのでしょうか? 日露戦争の日本海海戦では,けっこう近い印象(数百メートル間隔?)ですが,ミサイルや通信が発達した現代では,数キロくらいの距離をとるのでしょうか?

 【回答】
 近代の空母戦闘群は昔と比べて非常に広大な水域に展開する.

 例えば米海軍の空母を中心とした艦隊の場合,前方警戒のためにSSNを50〜60nm(nautical mile 海里,1nm=1852m)前方に配置.
 その後方にCG/DDGを配置し,側方警戒/対空直衛に当たるDDGは10nm以上離れて警戒に当たっている.
 東京の永田町に空母を配置したとしたら,僚艦の持ち場は千葉,茨城,埼玉,山梨辺りまで及ぶ.
 また,航空攻撃や潜水艦からの脅威が高いようであれば,前方の警戒に当たる水上艦艇は,愛知や岐阜, 新潟や福島あたりまで進出する.
 これにCAPを加えれば警戒範囲は東北〜近畿辺りにまで及ぶ.

 なお,参考までに大戦中の米海軍空母群の輪形陣は,空母を艦隊中心から2250m,戦艦および巡洋艦を3150m,最外隔部を構成する駆逐艦を6300mの位置に配置する.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE他 in 軍事板

空母の随伴護衛


+

 【珍説】
 軍艦に限らず,船の大きさと言うものは排水量によって示される.
 その船が水中にあった場合,どれだけの水が押し出されるのか,と言うのが排水量で,一般にトンで数える.
 よく誤解する人がいるのだが,重量ではない.

林信吾著『反戦軍事学』(朝日新聞社,2006/12/30),p.89

 【事実】
 船の大きさを排水トン数(排水量)であらわすのは軍艦だけです.
 商船は総トン数です.

ゆきかぜまる in mixi支隊


 【質問】
 軍艦以外の船舶では,総トンとか載貨重量トンとかトン数での表記が普通なのに,軍艦だけはどうして「基準排水量」を良く使うのでしょうか?

 【回答】
 排水量はフネの重量……と,そんなふうに思っていた時期もありました.

 まず,アルキメデスの原理によれば,
「流体中の物体は,流体から浮力を受ける.
 浮力の大きさは,この物体が排除した分の周囲の流体(すなわち物体と同体積の流体)に働く重力に等しく,方向は重力と反対である」
 つまり船で言えば,船を水上に浮かべた際に,押しのけられる水の重量,だということになる.
 理論的に言えば,これは船の自重に等しくなる.
 なぜそんな数字を軍艦では使うかと言えば,軍艦を容積や荷物の重量で比べても無意味だから.

 ところが…….さて,どうやって排水量を測るかというと,何万tもある艦艇を,実際にプールに浮かべて,こぼれた水を測るというわけにもいかない.
 そんなでっかいプールはどこにもないからだ.
 そこで,喫水を測って排水量等測線図を作り,そこから計算して排水量を求めることになる.
 だが,それにも様々な誤差が出てくるので,単純に「船の重さ」とは言えないのだという.
http://www5f.biglobe.ne.jp/~Tan-Lee/modo/gijutu/haisui.html
 何万トンとか,何千トンとか,表示が非常に大雑把なのも,そうした誤差を考えると,細かな数字は意味がないためらしい.

 だから正確には,「排水量とは,船の重さについてのおおよその目安」でしかない.

 載貨重量は荷物の重量.

 総トンは大きさの目安.
 説明は,ちょっとややこしい.

 19世紀以前では,トン数は,大雑把だが確かに容積を表す数字だった.
 そのころ,その数字の求め方は各国まちまちで,英国では,船の内法(うちのり)の長さと幅の二乗との積をフィートで計算し,それを94で割って算出していた.
 容積トンだと1トン=40平方フィートだが,船の前後の痩せた部分や船体構造部材の出っ張りなどを考慮して94で割ることにしたのだとか.

 当然,このやりかただと,幅が狭くて深さがある船を作れば,トン数は実際より少なくなる.
 実際,そんな船を作って税金をごまかす船主が現れるようになり,船の安全性に問題が出てきた.

 そこで1954年,Moorsom方式と呼ばれる大まかな国際ルールができた.
 それは,船の何個所かの断面を正確に求め,それを長さ方向に,シンプソン法則と呼ばれる数式によって積分する方法.
 ただし甲板室スペースは算入し,機関室と乗組員常用室容積は控除する.
 Moorsomは提唱者の名前.
 この方式により,1容積トン=100平方フィートとなった.

 その後も,2度の国際条約で,何を含めて何を含めないかとかやっている内に,現在の測度規則による総トン数は,もはや重さや容積を表す数字ではなく,単に船の大きさの指標となる数値でしかないものになってしまいましたとさ.
 どっとはらい.

 排水量といい総トン数といい,技術の塊のようなところに,意外に大雑把なものが潜んでいるということは,他にも探せばいくらでもあるのかもしれないね.

 【参考文献】
大阪商船三井船舶編『海と船のいろいろ』(成山堂書店,1998.2)
吉田文二著『船の科学』(講談社,1993.6.25)


 【質問】
 艦載艇や内火艇にも「長」はいるのか?

 【回答】
 「艇長」と云います.これは曹士の役目です.
 艇長の他に士官が指揮官として乗艇した場合は,これを「艇指揮」と呼び,艇長 の上位になります.
 なお,内火艇でも手漕ぎボートでも,外国において
(1)士官名簿に記載された正規の士官が指揮官で,
(2)軍艦旗を掲げ,
(3) 乗員が士官の指揮に服していれば,
これは公式の軍艦として扱われ,艇内は治外法権のある本国の領土と同じ扱いになります.

(おきらく軍事研究会)


 【質問】
 艦艇の「深さ」はどこからどこまで?

 【回答】
 厳密な定義はあるのですが,ごく平たく云えば「最上全通甲板(艦の前から後まで続く甲板)から船底までの高さ」です.
 つまり,洗面器の縁から底までの深さと同じですが,艦の場合は甲板が何層に もなり,甲板の上にデッキハウスが数階建てのビルになっていることも普通に あるので,『深さとは下の「盥」あるいは「桶」の部分だけが対象ですよ』という意味で最上全通甲板というややこしい言い方をします.

「では,甲板のない公園のボートはどうだ?」
と云う声が聞こえそうですが,これ は桶,盥と同じですから,いわゆる深さそのままですね.

(おきらく軍事研究会)


 【質問】
 「喫水」とは?

 【回答】
 「喫水」は水に浸かっている水面下部分の深さです. これは艦の重量やツリム(前後の傾き具合)で変化します.
 蛇足ですが,潜水艦の潜航している深度は艦底の深さで表現します.
 ですから,水上を航行しているときの深度計は丁度喫水を指しています.

(おきらく軍事研究会)


 【質問】
 軍艦の喫水線のところって黒い線が引いてありますよね.あれって何のためですか?

 【回答】
 喫水の基準線の上下数メートルの部分は,艦の状態や海面の状態で常に一定はしていないので,赤い部分がすぐに露見しないように(目立つから)と,常に波に洗われる部分なので特に厚く塗料が塗ってある.
 黒いのは目立たせないためと,艦艇色と艦底色の塗り分け線にすると,ほんのちょっとでも塗り分け線が歪むと基準吃水線がよく解らなくなるから.


 【質問】
 艦船の速度で〜戦速とか言う言葉がありますが,段階的にはどのようになっているのでしょうか?

 【回答】
 日本海軍の場合,
原速 12ノット
強速 18ノット
第一戦速 21ノット
以下3ノット刻みに,第二戦速,第三戦速と続きます.

 後,海自のきりしま場合だが下記のようになっている.

・前進 最微速→微速(6kt)→半速(9kt)→原速(12kt)(これが巡航)→強速(15kt)→
   →一戦速(18kt)→二戦速(21kt)→三戦速(24kt)→四戦速(27kt)→最大戦速(30kt)→一杯
・停止
・後進 最微速→微速→半速→原速→一杯

 最大戦速よりも上が一応ある.機関の出力の調整だから,これ以上は艦の積荷状態や天候次第ってこと.
 大和の軽荷状態で29kt出したって言うし.


 【質問】
 第二次大戦後には多数の軍用機が民間に売却されたと聞きます.
 それと同じように,水上戦闘艦艇が民間に売却された事はあったのでしょうか?

 【回答】
 連合国のものなら,英国のFlower級コルベットとかCastle級コルベットとかが,商船に改造されて民間船として就役しています.
 ちなみに,第一次大戦当時に建造された,初代Flower級も同じく商船に改造され,日本の大阪商船とかも持っていました.
 Castle級コルベット改造の商船には,中国で国共内戦が起きたときに,再び武装化して,軍艦として活動したものもありました.

 また,英国の護衛空母の中には,退役して商船に再改造されたものもあります(商船を徴用して改造したものは,元の商船に戻して返却していたり).

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)


 【質問】
 沈没と撃沈と撃破と「ごうちん(?)」って違う言葉なんですか?

 【回答】
 沈没は沈むこと.
 撃沈は沈めること.
 撃破は一定以上のダメージを与えて戦闘能力を削ぐこと.
 轟沈は一発の爆弾などで1分以内に沈むこと若しくは沈めること.

 つか,まず,それぞれの言葉を辞書サイトで検索してみろ.

軍事板


 【質問】
 船の拿捕って具体的にはどのようにやるんですか?
 船員が飛び移って操縦室を制圧したりするの?

 【回答】
 船をぶつけて飛び移ったりするのは,不法漁船を相手にする海保だけ.
 通常は,相手の船の前方に出て進路を妨害,速度を落とさせ,搭載しているRHIBなどで接近し接舷,乗り移る.
 海保も通常はこの方法を取る.


 【質問】
 「実艦的」って何?

 【回答】
 要するに,〔廃艦が〕射撃訓練の目標になること.
 そのまま撃沈する例と,痛めつけた後,解体する例とがあります.

ゆうか in FAQ BBS


 【質問】
 空母サラトガは最後は原爆の標的艦になって沈んのだのは有名ですが,元乗組員はそれについて反感を抱かなかったのですか?
 大戦後に無残なほど米海軍が縮小され,多くの艦が現役を離れたのは知ってますが,いくらなんでも歴戦の勇者にたいして原爆実験とは過酷に過ぎるのでは?
 アメリカ人の気質から察するに記念館にでもしそうなもんですが・・・・

 【回答】
 サラトガもエンタープライズも
「今度建造される最新鋭空母に名前使うから,ね,ね?」
ということで納得させたらしい.
 ・・・もっともその「最新鋭空母」は一番艦起工後たった5日で計画がポシャったけど.
 しかしまぁ,その後建造された空母にちゃんと名前が使われたのでよしとなった.

 戦艦以外は,よっぽどの殊勲艦でも無い限り,保存されないのが残念ながら現状です.
 各地に保存されている戦艦や記念艦も,海軍や保存している州の援助が無ければ,たちまちに錆付いて鉄屑状態になり,修理するにしても処分するにしても多大な費用が掛かります.
 エセックス級レキシントンなど,保存はされているものの,かなり傷みが激しい様子です.
(日本でも観測船「宗谷」が非常にマズイ事になってますので保存費用を寄付しましょう)

 保存するだけで費用がかさむ帆走軍艦などが保存される場合は,特務艦や未分類艦として海軍に在籍している場合が多いのは主に,その補修費用の捻出の為です.
(米海軍のオールド・アイアンサンズ「コンスティチューション」は名誉職で第一海軍区司令官旗艦に就いていたりもします)


 【質問】
 現在では「コウハン」と読まないと誤りになってしまうのでしょうか? なぜカンパンと読んでいたのでしょうか?

 【回答】
 船舶用語としては,「こうはん」が正しい.
 小型船舶操縦士(モーターボート)の免許試験で船体各部位の名称を答えるが,「こうはん」が正解.

 ただし,甲を「カン」と読む用例が「カンパン」しかなく,国語の授業で教えなければいけないため無理矢理カンパンと教え込む.
 現在でも漢字の読み試験では「○ カンパン」「× コウハン」

軍事板

 出典を失念しているので参考程度に聞いていただきたいのですが,甲板を「コウハン」ではなく「カンパン」と読ませるのは確か海軍起源で,「コウハン」の読みでは「鋼鈑(コウハン)」と区別がつかなくなるため,敢えて甲板を「カンパン」と読ませることで区別を図った
(結果として,通常の船舶用語とは同じ綴りで読みが異なる言葉が発生した)
という理由だったかと.

エクレア in FAQ BBS


 【質問】
 :『海猿』を見ていると,水中と水上はまったく交信不可のようですが, これほど科学技術の進んだ現代,本当に不可能なものなのでしょうか?

 また,水中でのバディ同士の交信も,一般のスキューバダイバーと同 じようなハンドサイン主体のようですが,10年以上前に,一般のダイバーが 水中で音声が伝わる器具などを使い出したのを見たことがあります.
 こういう装備は,逆に邪魔なのですか?

 【回答】
 水中と水上との交信は可能です.
 水上艦と潜水艦の間では,水中通信用の装置を使用して交信しています.
 ただし,ダイバーが直接水上と交信する ためには,有線しか海上自衛隊では方法はないと思います(ただし,殆ど使用しま せん).

 海上自衛隊の潜水員も水中での交話(信)は,ハンドサイン(手先信号) で実施しています.
 水中で音声が伝わる器具があるとのことですが,海上自衛 隊の潜水員は,その主任務が機雷等の爆発物を取扱うことから,装備の殆どが非磁性です.
 機雷は磁気や音響に反応して発火(爆発)しますから,一見便利な装備でも,潜水員の安全が保証されない限り使用しません.

おきらく軍事研究会

 これは,電波の伝播を環境が大きく左右することで,通信距離に影響が出るせいなのです.このことを「電波伝播」といいます.
 電波の伝播は周波数の波長により特性があり,波長に合った通信方式が採られています.
 電波が水中を伝わるためには,その周波数はできるだけ低い方がよいのです.
 従って,水中でも通信ができる周波数は長波帯(30khz〜300khz)となります.
 少し専門的になりますが,水中で電波の伝わる距離は周波数のルートに反比例しているため,水深約500mで電波の減衰度(dbデシベル)は100分の1にもなります.
 これでは通信することは不可能です.
 即ち,波長が短い短波などは,殆ど水中では伝播しないわけです.
 電波を発射すると「空間波」と「地上波」が発射されますが,波長が短い電波(例,TV用のマイクロ波)は,電離層で反射されないため,「地上波」により音声,映像を受信するわけです.
 しかし,「地上波」は障害物があれば反射しますので「可視距離」が望ましいのです.

 蛇足ですが「デジタル地上波テレビ」の呼称には疑問を感じます.
 従来の「アナログTV」も「地上波」を利用しているわけですから「デジタル」になっても,電波の変調方式が変るだけで,依然として「地上波」でTV電波が伝播されるわけですから,「地上波」の用語をことさらいれる必要がないわけです.

 「空間波」の電波の到達距離が長いのは,地表と電離層の間で電波が反射しながら伝播されるためです.
 水中における軍事用通信方式は,かなり進んだ方式が開発されていると思いますが,機密事項であり公開されていません.
 ちなみに, 有名な「ニイタカヤマノボレ」は,海軍大和田通信隊から「長波」の放送形態で送信されたのですが,これは,真珠湾に向かって海中を航行中の潜水艦も受信できるようにするためです.
 現在の海自の無線通信もおそらく「長波帯」の周波数を使っているのではないでしょうか.
 長波でも海面から約15〜16mの深度までが電波が伝播する最大距離となります.

teruteru from おきらく軍事研究会


 【質問】
 日本の女子学生が着ているセーラー服のルーツは水兵の服だって本当?

 【回答】
 もっとも,昨今ではブレザー・タイプ他の制服が主流になっているようで,西武新宿線でも山手線でもセーラー服はあまり見かけませんが.

 さてこの質問への回答ですが,本当だ,とも言えるかもしれません.
 少なくとも,セーラー服のルーツが水兵服であるのは間違いありません.

 ただ,俗説としてよく言われるような,

-----------------------------------------
 明治の初め頃,教育制度が整備されてゆく〔原文ママ〕過程で,男子生徒には陸軍の軍服,そして女子生徒には海軍の軍服を模した制服を着せよう,ということになった.

――林信吾著『反戦軍事学』(朝日新聞社,2006/12/30),p.118
-----------------------------------------

などというのは間違いのようです.

 実際には19世紀末にはすでに,セーラー服はファッションとしても流行していまして,1864年に英国のエドワード王子が水兵の献上した服を着てから世界中に流行したとか,フランスの上流婦人の間で流行していたとか,日本でも1885年に明宮(はるのみや,後の大正天皇)が着たことにより子供服として広まった,などといった話があります.

 これが女子高生の制服として使われた最初は1915年(大正4年).
(つまり,明治の学制創生期に……などといった俗説は,時代が合いませんね)
 この年,福岡女学院にエリザベス・リー校長が赴任します.
 日本語が話せないことから困った校長は,生徒たちに溶け込もうとして,球技を教えようと思い立ちます.

 ところがですね,当時の女学生の服装といえば袴・足袋・草履.
 これじゃ,ちと球技はつらい.
 何? そのほうがちょいエロくていいって?
 マニアなあなたはよくても,父兄や本人にとっては,ちっとも良かぁありませんね(笑)

 そこで彼女が思いついたのが,生徒たちに洋服を着せること.
 ちょうどそのころ,英国ではピーター・トムソンという人物が,20世紀初頭からセーラー服をアレンジした女子学生用の通学服を売り出し,これを大流行しておりました.
 そこでリー校長,これを着せることにしたのですな.
 そして日本人に合うよう,試作を重ねて完成したのが1921年.大正10年.
 右画像が,その当時のセーラー服だそうです.

 細かい部分で異説はあるようですが,おおまかには以上のような経緯になります.
 そして約90年を経た現在でも,福岡女学院では当時とほぼ同じデザインの制服が使われているそうです.
 伝統とは,こういうものを言うんでしょうね.

 【参考サイト】
にしてつニュース:セーラー服の誕生(画像引用元も同じ)

written by 山口小夜子(うそ)

 ※ただし2007年になって,異説が唱えられている.
 以下引用.

女子生徒のセーラー服の起源は京都かそれとも福岡か
毎日新聞,2007/10/6


 学校法人「平安女学院」(京都市)が「日本で初めてセーラー服を導入したのは1920年の当校だ」と発表し,波紋を広げている.
 これまでは1921年導入の学校法人「福岡女学院」(福岡市)が発祥とされてきた.
 福岡女学院は「今のスタイルはうちの制服が起源だ」と,一歩も譲らない構えだ.

 学生服大手「トンボ」(岡山市)が,制服資料の展示施設をリニューアルするため学校史などを調べたところ,1920年に平安女学院がセーラー襟の付いたワンピースの洋服を制服に採用していたことが判明した.
 平安女学院は「導入時期は学内で知られていたが,日本初だとは確認していなかった」と説明する.

 同学院は1875年に開校,幼稚園から大学まで運営している.セーラー服採用の詳しい経緯は不明だが,「当時は入学希望の理由となるほど好評だった」という.
 制服はその後ブレザーに変わったが,昨年,中学でセーラー服が復活した.

 〔略〕

 トンボの佐野勝彦・ユニフォーム研究室長は「日本で初めて『洋服』を制服に採用したのは平安女学院.
 でも,今のセーラー服のデザインは,福岡女学院の当時の制服から出発している.
 どちらが『最初のセーラー服』と言っても間違いではないのでは……」
 〔略〕

 セーラー服戦争勃発か?


 【質問】
 昔,軍艦を見ればその国の技術力が分かるという話を聞いたのですが,これは本当でしょうか?
 本当であればその理由を教えてください.

 【回答】
 軍備というのは建造に当たり其の国家の国力を投入した最新技術のカタマリである,と言うのが当時の常識でした.
 そして,かつては軍艦が最新最強の装備であり,其の建造には国家予算の多くを投入した事からそう言う判断が可能で,所謂戦闘艦艇の能力は建造国の国力と戦略思想の反映と言う観点で図る事が出来ました.
 今では誘導ミサイルや戦闘機,それらを運用する空母やイージス艦がそれらのバロメーターになっていますが,本質的に,現代においては民間の技術からでもそう言う判断が総合的に為されています.

三等自営業◆LiXVy0DO8s


◆◆乗員関連


 【質問】
 海軍艦艇の部隊では,それぞれの艦艇の乗員とは別に,旗艦に司令官(司令官一人ではなく司令部要員?)が乗ってるんでしょうか?
 そして旗艦に艦艇とは別の乗員が乗るのは,駆逐艦隊や駆逐艦群みたいな,わりと小規模な部隊でもなんでしょうか? 

 【回答】
 時代と国によるが,小規模な部隊なら最先任の艦長が隊指揮官を兼任する場合もある.
 ただ,艦の指揮と部隊の指揮を同時に行うのは困難なので,できるだけ部隊の指揮官と,可能ならばそれを補佐するスタッフを別に乗せる.
 部隊の規模が大きくなるに従ってスタッフの人員も増えるので,大型艦や同級艦でも旗艦機能(居住区の増設や通信機能の強化)を持たせた艦を旗艦とする.
 現在の米海軍では艦隊を指揮するための専用艦がある.


 【質問】
 所詮ドラマはドラマなのでしょうが,『海猿』では水難救助で水中 の船内に入る組の帰還が遅い場合,「遅い,どうしたんだ?」みたいな対応ばかりのように見えます.
 こういう時に船内に入る組の他に,水中の船外で待つ組や,遅い?!と言い出 す前に,さっさと潜って状況を見に行くというような対応があってもよさそうに思えてならないのですが,いかがなものでしょうか?

 【回答】
 水中での予定作業時間が経過した場合,通常は潜っている潜水員は一旦浮上するのが鉄則です.
 これは,潜水病から自分やバディー(一緒に潜っている潜水員)の安全確保のためです.

 海上自衛隊では,潜水する深度で潜る時間が決められています.ボンベの空気量ではありません.
 よって,予定潜水時間が経過した場合,異状ありと判断してスタンバイダイバーが直ちに潜水します.
 直ぐに潜らないのは,2次災害を防止するためでしょう(あくまでも私見).

おきらく軍事研究会


 【質問】
 軍艦を引き渡すより先に搭乗員が乗り組んじゃうんですか?
 完成→進水→艤装→搭乗員の乗り組み→公試→引き渡して感じでしょうか?

 【回答】
 進水をもって船は完成ですから,同時に命名式と乗組員定員表の発表があります.
 ただし装備が何もないので,軍艦としての完成は竣工式となります.
 乗組員定員表に基づき,艦長候補以下の候補者は「艤装員」に組み込まれ,部屋割りから装備まで使い方を実地で学んでから,竣工式以後に正式な乗組員となります.

携帯鷂 ◆exxupUqotM


 【質問】
 既婚者も,全員必ず休日以外は常に船内生活になるものなのですか?

 【回答】
 艦艇勤務の者は,「艦内居住」が原則です.それが理由で「乗組み手当て」が給与に付きます.
 既婚者も同様です.ですが,平日の場合,課業時間外は上陸を許可され家族の待つ官舎あるいはアパート,自宅等に帰ることができます.
 勿論,当直日を除きますが.
 ちなみに,家庭にいても「今から船に帰る.」とよく家族に言う海上自衛官は,一般の人から見ると変らしいです.

おきらく軍事研究会


 【質問】
 現代の軍艦には女性乗員もいるそうだが,問題は起きないのか?

 【回答】
 問題が起きないよう,それなりに配慮されているようですが,以下の記事にもあるように,全くの無問題とはいかないようです.

歴史上初めての事件
 【バルセロナ発】 米海軍の弾薬補給船「スリバチ」の海軍中尉ロビン・ブラウン(27)が,部下の女性士官《23)を艦内で強姦した.
 事件発生は,同船がスペイン南部のカルタヘナ港入港中.ブラウン中尉が外出先から酔って帰艦,部下の彼女のキャビンに押し入ったのだった.
 軍法会議でブラウン中尉は,罪を全面的に認め,懲役7年の刑を受けて本国送還された.
 「スリバチ」は乗組員350名,この内,女性は34名.
〔略〕
 女の艦内勤務は,飢えた猫の前に魚をぶら下げるのと同じ,人間の本性を軽視しているとの批判もあったが,無視された.
 軍艦内の男女兵士の強姦事件は,世界軍事史上これが初めてだが,起こるべくして起きたとの冷たい見方もある.

(from 『週刊宝石』 '90)

「スリバチ」


 【質問】
 女性艦長っているの?

 【回答】
 ノルウェー海軍でSolveig Kray少佐を潜水艦艦長に任命してます.
 今の所,女性潜水艦艦長は世界中で,後にも先にもこの人一人だけ.
 ノルウェーは軍を含めた公務員の職で,男女の比率調整を促すプログラムが有る模様で,90年代中頃からF-16のアラート任務にも女性パイロットが就いてたりします.
 ただし,Solveig Kray少佐のケースは水上艦勤務から潜水艦教育を受けて艦長就任という横滑り人事に近く, 同国海軍の潜水艦の定員自体少ない事からも,居住スペースが限られた潜水艦乗組員は実質的に男性限定になってるようです.


 【質問】
 海軍では,出撃している船の中で犯罪行為(窃盗・障害・殺人など)が起こった場合,誰が捜査をするのでしょうか?
 現行犯で取り押さえられた場合は船の上で軍法会議がひらかれるのでしょうか?
 それとも帰還するまで拘禁しておくのでしょうか?

 【回答】
 自衛隊を例にとって説明します.

 まず,日本の船舶内で行われた犯罪は,国外で発生したものであっても国内で発生した事件として扱われます(刑法1条2項).
 そのため,必ず日本の刑法犯という扱いになります.
 そして自衛隊法96条(部内の秩序維持に専従する者の権限)で,いわゆるMP(警ら隊でしょうか,すみません法律よりこっちのほうが疎いんで)が司法警察員・司法巡査として扱われています.

 この条項により,MPは刑事訴訟法の特別司法警察職員(刑訴190条)となるため,警察官などと同様に被疑者を逮捕することが可能です.
 船舶上の犯罪の場合,逮捕状の発布が難しいため,現行犯逮捕(刑訴212条1項)または緊急逮捕(刑訴210条1項)となります.

 捜査についても,特別司法警察職員が警察官などと同様の権限を有するため,彼らが行うこととなります.令状発布が期待できないので,おおむね任意捜査になりそうですが.

 なお,現行犯逮捕は何人でもできますが(刑訴213条),直ちに司法警察職員に引渡しが必要となるため(刑訴214条),やはり特別司法警察職員の存在は不可欠です.

 で,たしか艦長(船長)は,他の一定の海員と共に,特別司法警察職員に指定されているはずです(司法警察職員等指定応急措置法第1条および大正12年勅令第528号)
(実際は,警務隊が乗艦しているのかもしれませんが...)


 そして司法警察職員は制限時間内に検察官に送致しないと釈放しなければなりません(刑訴203条1項4項).
 しかし制限時間の不遵守の特例があり(刑訴206条1項),船舶での移動時間が「やむを得ない事情」にあたるとして,特別司法警察員から被疑者を送致された検察官は,被疑者の勾留請求を行うことになるのでしょう.

 後は刑事訴訟法の手続きに従い,検察官が公訴提起をし,裁判が公判を行います.
 つまり,自衛隊では軍事法廷の設置を定めた法律がないため,通常の刑事裁判と同様の手続によって犯罪が裁かれることとなります.

 他国の場合は不明ですが,MPについては軍隊設置を定めた法律で,自衛隊と同様の処理をしているものと思われます.
 そのため,捜査・逮捕についてはMPが行うことになります.
 そして軍事法廷の設置を定めた法律があれば,自衛隊とは異なりその法律の定めによることとなります.

 通常は特別裁判所として設置されているので,やはり陸上に戻ってから裁判が行われるのでしょう.
 もし略式手続きを定めた条項があれば,それに従います.
 その場合は,艦内で裁判手続が行われることもあるのでしょう.

 ただ,先進国では手続が非常に重視されるので,ある程度以上の重大犯罪(懲役以上など)については,略式手続で済ませることは考えにくいです.

 よって回答としては,帰還するまで逮捕しておく,ということになるのでしょう.

 海外では,例えばトム・クランシーの「いま,そこにある危機」(文春文庫,1992.6)だったと記憶しますが,沿岸警備隊の船長が,「岩礁と浅瀬」とかいう昔の海事法律書をもとに裁判を行ない,処刑を行なう(フリをする),という描写があったかと.
 本の中の記述では,19世紀に反乱罪でさる若手士官をマストに吊るしたところ,彼が陸軍長官の息子だったかで大問題になり,艦長から裁判権は剥脱された--とかあったような.

軍事板 & hdk in FAQ BBS(青文字部分)

「俺がルール・ブックだ」(某審判員)


◆◆損害関連


 【質問】
 軍艦の大破,中破,小破って,どう違うの?

 【回答】
 大破:港に戻らないと作戦続行不可能
 中破:自力で修理して作戦続行可能.ただし戦闘力が落ちている場合もある
 小破:それ以下の損害.戦闘力にはほぼ影響なし


 【質問】
 撃破と撃沈の違いって何ですか? 沈むか沈まないか?

 【回答】
 撃破=少なくとも戦闘続行が困難になる程度の損害を与えた
 撃沈=沈没するのを確認した

 大破・中破・小破のうち,小破程度では「撃破」とは言わない.


 【質問】
 軍艦が沈みそうなとき,最後に退艦するのは艦長だけか?

 【回答】
 良く知られていないんですが,艦艇では電信員長・暗号員長も,やはり最後までフネに残る必要があります.
 電信員長は「最後の通信」と呼ばれるフネがどこで沈んだか,どのような最終状況であるか,という情報を打電するため,暗号員長は暗号文書を破棄し,その他機械暗号機を破壊するため,沈没寸前まで残留して任務を果たします.
 当然,通常の脱出通路は使用できないので,直接外に抜けることができる「脱出口」というのが電信室には備わっているのですが,最近の艦艇は電信室などのvital part を艦内に収容する設計なので,脱出口の先は隣接区画だったなんて間抜けな話は良くききます.
 このあたりも人命軽視・設計優先という感覚が肌で感じられます.

 海自艦艇では実際に「最後の通信」を行った例はないんですが,青函連絡船の通信士が沈没寸前に,大傾斜角の中で通信機にしがみつきながら最後の通信を発したのは有名な話です.

(海の人 in 軍事板)

海上自衛隊の総員離艦安全守則


 【質問】
 艦橋が破壊された艦は,どうやって戦線から離脱するのでしょうか?
 例えば,サボ島沖の海戦で青葉が艦橋に砲撃を受け,五藤少将以下幕僚が戦死していますが,艦自体は煙幕を張って後退しています.
 艦橋が破壊されても機関室が無事ならば,船を動かせ得ることは分かりますが,窓もない機関室からでは周囲の状況が確認できず,どの方向に後退すればよいか分からないような気がするのですが.
 例え,他の場所から周辺の状況を聞いて船を動かしたとしても,艦橋以外の場所にはエンジンテレグラフがないですよね?
 となると,どれだけ速度を出していいのか,機関員が分からないのではないでしょうか?

 【回答】
 艦橋など主な指揮系統が破壊された軍艦の場合,艦内で生き残った最上位の兵科士官が指揮を執ります(日本海軍の場合.他国は知らんが他に方法は無いと思われ).
 大型艦の場合は,指揮系統が一度に壊滅しないよう,前部・後部に指揮所を持つ場合が多く,前部が破壊された場合は後部より指揮を執ります.
 また,艦橋が破壊された場合でも,艦長以下上層部全滅となるとは限らないので,その場合は生き残りの中で最上位の兵科士官が,可能な限り艦橋機能を復旧させて指揮を執ります.

 なお,例えば司令部が乗艦しているフネの場合,司令官や参謀など司令部スタッフには艦への直接指揮権はありませんが,例外的事例として第三次ソロモン海戦で艦橋機能を一時喪失した戦艦「比叡」において,それが復旧するまでの間,第11戦隊の通信参謀が指揮を代行した事もありました.

 戦史の中には艦橋どころか,雷撃で真っ二つにされて艦の前半部を沈められる例もありましたが,大抵の場合において,生き残りが,残った艦後半部の無事な部分から指揮を執り,機関が無事であればどうにか帰還しています.


◆◆◆自然災害

 【質問】
 海の真ん中におる軍艦は,津波受けても大丈夫なの?

 【回答】
 津波は,外洋では波高1m程度の波に過ぎません.だから,全く影響なし.
 ただ,波長が普通の波が大きいものでも3〜5mに過ぎないのに,津波の場合は30kmとか50kmもあって,それが海底が浅くなるに従って波長が短くなって代わりに波高が高くなります.
 そのため,沿岸では波高が何十mにもなって大被害が出ることがあります.

 潜水艦の場合も,津波は表面波なので影響をあまり受けません.
 浮上航行中の潜水艦であっても,波と一緒に動く限り,それほどの損害は受けません.

 ちなみに,「津波」と呼ばれるのは,外洋では何ともないのに,港(「津」)では大きな波となることからです.


 【質問】
 現在台風が九州に上陸していますが,このまま行くと日本海を直撃します,
 こういう台風の場合,軍艦は港で待機してるんでしょうか?

 【回答】
 小型の艦艇(魚雷艇レベル)なら岸壁にしっかりと固縛するか陸揚げするが,ある程度の大きさのある艦ならむしろ港から出港させて,波の静かな湾内に錨を下ろして待機させる.

 台風の直撃を食らったときに岸壁に係留していると,高波や大波に煽られて岸壁に激突する恐れがある.
 またフネ同士が密集して停泊していると,お互いに衝突の危険も.

 これは軍艦でなくても同じ.


 【質問】
 現代の軍艦って嵐で沈んじゃったりするんでしょうか?
 どんな気候でも問題なく活動できるんですか? 

 【回答】
 嵐にも色んな規模があるので,無茶な嵐は気象情報を元に迂回します.
 海面の状態や嵐の規模を表すシーステート(sea state 風浪階級)という概念があって,その軍艦が任務を果たすためには,どの程度のシーステートに耐える必要があるかを検討し,それを元に艦船の設計が行われます.

 海自の護衛艦だとシーステート5(平均波高 2〜4m)まで行動可能とされています.

 ちなみに「シーステート9」というのは平均波高14m以上という異常事態です.
 こんな異常な嵐に耐えるために,装備品を削ったり,建造コストをアップさせたりしても意味がないですよね?


 【質問】
 現在,アメリカでは超大型ハリケーン「カトリーナ」の大規模被害が発生しています.
 これを見ると,映画パーフェクトストームを連想してしまうのですが,もし,パーフェクトストーム級の嵐で映画中に登場する,漁船を沈没させた超巨大高波を空母キティーホークが受けた場合,どのようなことが起こるのでしょうか?
 キティーホークと言えどもやはり沈没してしまうでしょうか?
 沈没を免れたとしてもなんらかの非常事態に見舞われてしまうでしょうか?
 それとも全く何事もないようにびくともしないのでしょうか?

 【回答】
 大型船舶は高波を受けると,場合によっては捩れやせん断の応力が船体に掛かるので,内部の構造物がその応力に耐え切れなくなると大変なことになる.戦前の第四艦隊事件がその例.

 現代ではういう事態を考慮に入れて,ある程度安全係数を取って設計,建造しているので設計通りに作られているなら,大丈夫なはず.

 2005年4月16日,クルーズ客船「ノルウィージャン・ドーン」(92,250総トン)が,ニューヨーク発のバハマ・クルーズの帰途,大西洋上で同船を20mの大波に襲われました.
 その際に受けた被害は,
・上部2デッキ船首部で船窓破損
・キャビン62室浸水
・軽傷者数名.
 それとクルーズのキャンセルが若干名.

 日本でも1997年7月26日,新造間も無い大型貨客船「やまと丸」(九州急行フェリー 8,015総トン 全長156m 航海速力20,8kt)が,和歌山県沖約20kmで台風9号の接近に伴った大シケの海上で,高さ18mの大波に襲われ,船橋操舵室前面の船窓1枚が破損.
 そこからの浸水により船長を始め3名の船員が死亡,3名が負傷しました.
 当時の現場付近の天候は雨,風力30m,うねり7m〜10mでした.

 今回のハリケーンでは,戦艦アラバマが傾いていた.
 で,そこから考えると,沈没はしないと思う.

 あと,波の間隔と船体の長さがちょうどいい感じになると,波で船体が持ち上げられて,そして落ちることで船体にもダメージが出る.

 まぁ,これは民間船の話だから軍艦ではどうか分からない.

(軍事板,
とある客船好きinFAQBBS


◆◆兵装


 【質問】
 沿岸警備隊は,日本の海上保安庁や海上自衛隊のように武装はあるんですか?

 【回答】
 実を言うと重武装をしている沿岸警備隊は少ない.
 アメリカ沿岸警備隊は,冷戦期に対艦ミサイルや短魚雷を積んでいたが今は降ろしている.建造中の新型巡視船でも搭載予定は無い.
 ロシア連邦保安庁国境警備隊も以前はVDSだの短魚雷だの対潜兵装があったが最近の船は積んでいない.
 それ以外の沿岸警備隊でも,巡視船に76mm速射砲などを装備している国は少なく(韓国に1隻,インドに数隻など),ほとんどが20mm〜12.7mmの機関銃のみ.
 非武装の国もかなり多い.

 意外と海保は重武装だったりする.


 【質問】
 UCAVに対艦攻撃を想定したものはありますか?

 【回答】
 それ,対艦ミサイルになると思うが.

 UCAVのペイロードは小さいので,でかい対艦ミサイルを搭載するのは無理.
 特にUCAVはステルス性重視のものが多く,実験機は機内搭載が基本なので,実用化されて大型になっても対艦ミサイルの機外搭載を行うかどうか疑問.

 ペンギンぐらいの小型対艦ミサイルでもヘルファイアなんかの何倍もあるので,取りあえず現在では全然無理.
 また,開発中の米海軍のUCAVにしても,地上攻撃を基本としており,対艦攻撃を主目的と想定したものはおそらくない.


 【質問】
 艦船用の,敵艦船を探知するためのレーダーって,30キロ位しか探知距離がないと聞いたけど本当ですか?

 【回答】
 レーダーの見通し距離は,レーダーがある高さと,相手の高さによって左右される.
 また,光学的観測よりも波長が長い分マイクロ波なら1割程度伸びる.
 まあ30キロ前後になるのは間違いない.

 海面高度hの地点からの水平線見通し距離lは,地球半径をrとすると
l=√((r+h)^2-r^2)=√(2rh+h^2)
r>>hのときは2rh>>h^2なのでh^2はほぼ無視できるので
l≒√(2rh)
 r≒6,380[km]を代入して
l≒113√h[km]

 海面高度50m(0.05km)なら見通し距離は約25km,100m(0.1km)なら約36kmとなる.

 レーダー視程は見通し距離より約一割程度長くなる.これも考慮して,より簡易なレーダー視程算出式
l≒4√h[km] (※高度はm単位,算出により得られる距離はkm単位)
を用いても良い.
 この算式によると高度50m→28km,100m→40km


 【質問】
 艦載射撃指揮レーダーは将来どうなるか?

 【回答】
 小滝國雄によれば,大型艦からは徐々に姿を消していくという.以下引用.

 武器システムとしての射撃指揮レーダーの将来を占うと,条件によっては小型艦艇上に搭載されて存続する余地はあるものの,元々単能機であるので,大型艦上からは徐々に姿を消していくものと考える.

 その理由は,現在の水上艦艇の主兵装であるミサイルが,次第に「射ちっ放し」 Fire and Forget になっていくということである.換言すれば,ミサイルは次第に利口になり,発射母艦の手を煩わせなくなりつつあるということである.
 イージス対応のSM-2では,終末誘導のごく短時間だけ,射撃指揮レーダーが信号を送って指令を与えているだけである.
 シー・スパローも,次世代のESSMSになると,アクティヴ・シーカーを装備して自立的な誘導方式をとるようになる.

 この傾向に拍車をかけるのが,長射程砲弾の出現であろう.
 米海軍が127mm砲用に開発したERGM(射程延伸型誘導砲弾)は,最大射程が117kmに達し,とうてい艦上の射撃指揮システムのみで誘導できる射程ではない.
 さらに,DD(X)搭載予定の155mm AGS(先進砲)になると,射程は185kmになる.
 これらの誘導方式は,GPSと慣性誘導の組み合わせが典型的となる.

 射撃指揮システムないし射撃指揮レーダーは,第2次大戦から活躍してきたが,兵器発達の歩みと共に,目標命中機構は個々の砲弾やミサイルの中に組み込まれていくだろう.
 電子機器の小型軽量化(ダウンサイジング)は,こうした動向を支持していくことになる.

 さらに現在,米海軍で開発が進められているレーザー砲が完成すれば,ミサイル防御は長足の進歩を遂げることになろう.
 こうした時代になると,射撃指揮レーダーは光学レーダーとなってレーザー兵器と融合し,一個の対艦ミサイル防御システムを構成することになろう.

(小滝國雄 from 「世界の艦船」,海人社,2003/10,p.87)


 【質問】
 レーダーピケットとは,空母の周りを駆逐艦で円形に囲んで守るということ,という理解で正しいでしょうか?
 また,現在でもそういった方法で空母を護衛しているのでしょうか?

 【回答】
 レーダーピケットとは,遠距離警戒レーダーを装備した駆逐艦(DDR)を前方配置して警戒に当たらせることなんで,いわゆる輪形陣よりさらに外に配置されていました.
 以下の図は,よく見れば分かりますが中央にあるのは島,つまり沖縄を目標として進入してくる特攻機を阻止するため,地上レーダーの変わりに配置されたものです.
http://www.k0001.jp/sonsi/vol05b/chap03/content/docu031.html

 戦後は個艦のレーダー性能の向上や,空母の早期警戒機の発達などでレーダーピケットは廃れましたが,フォークランド紛争における英海軍は,早期警戒機を欠いたため,やむなくDDGをレーダーピケットとして艦隊全面に配置し,その結果駆逐艦シェフィールドをエグゾセミサイルで失っています.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE


 【質問】
 魚雷と対艦ミサイルを比較した時,どちらにはどういうメリットがあり,どちらにはどういうデメリットがあるのでしょう?
 速度や航続距離ならばミサイルの方に分がありそうですが,炸薬の量や重量を考えると,相手に与えるダメージが大きいのは魚雷の方といった考え方でいいでしょうか?
 命中や,妨害手段などを考えると,どちらの方が防ぐ手段が豊富なのでしょう?

 また,航空機が魚雷を使わなくなったのはその重量と,航空機の速度が著しく増したことで,魚雷を使いづらくなったからでしょうか?

 【回答】
 各々のキャラクタはまあそのとおりです.

 魚雷は射程も短いし,到達に時間がかかります.相手に与えるダメージが大きいといっても,とりあえず作戦能力を奪えばそれでOKです.現代戦は展開が早いから,1ヶ月で前線に復帰,とかいってたら間に合いません.
 航空魚雷は完全に敵の防空網に間合いに入らないと使えません.現代の進歩した防空網相手に,やわくて重い魚雷かかえてお上品に飛んでたら落とされるだけです.
 航空機の価格だって比較にならないほど高くなってますし,パイロットの養成も大変.アウトレンジから対艦ミサイル撃つほうが効率的に決まってます.

 ただ,魚雷は喫水線下に大穴を開ける(場合によっちゃ真っ二つ)ことができるので,隠密性を発揮できる潜水艦の武装としてはいまだ有効.
 フォークランド紛争では,英原潜コンカラーがアルゼンチンの巡洋艦ヘネラル・ベルグラノを魚雷で撃沈しました.
 このため,アルゼンチン海軍の艦艇は原潜の襲撃を恐れて出撃ができなくなりました.

 また,適切なポジションから撃たれた場合(まあ潜水艦からになるが)魚雷は対処が難しいのです.
 対処法としては,マスカーによる被探知率の減少,ニクシー(囮)によるソフト・キル等があります.
 ハード・キルとしては対魚雷魚雷はいくつか開発中です.現用短魚雷やRBU6000の様な対潜爆雷にも対魚雷能力を謳う物もありますが,その能力は限定的でしょう.


 【質問】
 太平洋戦争時,アメリカは日本沿岸に,磁気や音響水圧などに反応して爆発し,おまけに回数起爆装置まで付いた機雷を多数バラ蒔いたと聞きました.
 兵器は常に進歩を続けているわけですが,戦後50年以上経った現在,この「機雷」という兵器はどこまで進歩しているのでしょう?
 あまり進歩していないのでしょうか? それとも甚だ掃海困難な「新型機雷」のようなものは存在するのでしょうか?
 例えば湾岸戦争時,自衛隊がペルシャ湾で掃海した機雷はどのようなものだったのでしょうか?

 【回答】
 基本的なパターンは第二次大戦で出尽くしています.
 但し,起爆のタイミングが,エレクトロニクスの発達によって,例えば,特定の音紋にのみ反応するものとか,大型船の水圧とスクリュー音に反応するものとか,色々出てきています.

 また,第二次大戦に無かったものとしては,機雷の中に短魚雷を仕込み,潜水艦が付近を航行すると,起動し,中の魚雷を発射する対潜機雷というものが出現していますし,起爆に震動を使うものも出てきています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2

 かつて機雷は沈黙しつつ敵を待つ「待ち」の兵器でしたが,冷戦期の北欧ではソ連対策として,攻撃的機雷も開発されていたようです.
 たとえば,敵の船が上を通過したら浮上して追いかけていくのとか,小型魚雷を撃つのとか….
 浮上機雷は普段は沈底しているのですが,艦艇や潜水艦が近づくと,錘を切り離し,浮力を利用して目標を追尾,攻撃する機雷です.
 キャプター機雷よりは攻撃範囲は狭いのですが,炸薬量が多い,推進装置がないので価格が安い等のメリットがあります.

 湾岸で海自が掃海したのは,古式ゆかしい係維機雷が数としては多いのですが,それに紛れるように敷設されたイタリア製の「マンタ」をいくつか掃討してます.
 湾岸では34発を仕留めましたが,UDM19発・マンタ2発と,感応機雷が6割を超えてます.
マンタの特徴は,非常に薄い円盤型というソナーに捕らえにくい形状なうえ,揚陸艇でも座礁しそうな超浅深度にも仕掛けられるので.海自の掃海艇でもなかなか探知できず,座礁しかねない波打ち際に仕掛けてあったので,マンタの掃討には非常に苦労なさったようです.ソナー手にとってはかなりイヤな相手だったことでしょう.
 係維機雷を多数トラップとして,掃海が困難な感応機雷を本命として少数仕掛ける方式はよく想定されてます.

鷂 ◆Kr61cmWkkQ他

古典的な触発機雷


 【質問】
 現代の機雷戦についてなのですが,掃海艇を伴わない海上戦力は,機雷に対してはいかに対応するのですか?
 探知する手段があるとは思えませんし,掃海ヘリを展開し続けるわけにもいかないと思います.
 まさか,と思う海域にキャプター機雷を敷設されれば,対処できないのではないでしょうか?

 【回答】
 基本的に対処不可能です.
 機雷源と思われる場所に侵入しないで掃海部隊の到着を待つよりほかはありません.

 米海軍ですら,かつてイ・イ戦争の際にタンカーの護衛に出動したフリゲイト「サミュエル・B・ロバーツ」FFG-58を触雷で大破させ,掃海部隊の到着まで臍を噛んだことがあります.
 また,ヘリ掃海は気象や航続時間に左右されやすく,こまめな掃討は難しくなっています.

 しかし,近年ではUUV(無人潜水艇)の発達により,通常の水上戦闘艦が掃海を行える可能性が広がってきています.
 米海軍では次期水上戦闘艦で運用可能な遠隔機雷掃討システム(RMS)の開発を行っており,これにヘリコプターから投下可能な魚雷型機雷処分システムを組み合わせて,機雷捜索探知・処分までを水上戦闘艦が掃海艦艇に頼らずに行うことができるようになりつつあります.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)


 【質問】
 先日,海上自衛隊呉史料館を見学した折,説明員(?)の方に
「敷設した自軍の機雷が,戦後など不要になった際はどのように処理するのか?」
という旨で質問したのですが,そのときの答えは
「通常の航路啓開と同じく,掃海艇によって掃海・処分を行う」
というものでした.
 そのときこそ,はぁなるほど,と思ったのですが,手間のかかりようを考えると,(最新鋭の機雷なら)もっと適切な手段(特定パターンの音紋で自爆させるとか)があるんじゃ無かろうか,質問の仕方が間違ってなかったかなど,後から疑問が出てきてしまいました.
 現代,たとえば自衛隊や米軍が機雷を敷設した後,それらが不要になった後の自前での処分は,通常の航路啓開と同様の手順で行われるのでしょうか?
 それとも,安全確実な別手段などが用意されていたりするのでしょうか?

N_W_Ai in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 【回答】
 米軍がベトナム戦争で北ベトナムのハイフォンを機雷封鎖したときには,戦後に掃海ヘリなんかを送り込んで掃海していますね.

 地雷もそうですけれど,まともな軍隊ならどこに何をどれだけ敷設したかはちゃんと記録しているはずですから,その情報を使って除去できるはずです.
 機雷の場合,場所が分かっていれば,掃海より掃討の方が確実かも知れません.

井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 今も対潜爆雷って使うことあるの?
 装備してる船やら飛行機って何かある?

 【回答】
 今でも「ヘッジホッグ(多連装対潜爆雷)」を装備した中古艦艇を装備してる国は結構ある.
 海上自衛隊も,「ヘッジホッグ」の後継である「ボフォース四連装対潜ロケット砲」を装備した護衛艦をまだ現役で使っている(実戦で役に立つと考えてるとは思えんが).

 で,現代で実戦で使うことがあるかどうかは・・・察して.

 ただ,原子力潜水艦相手だとあまり役に立たないだろうが,世の中原子力潜水艦しかいなくなったわけではないので.
 あと,少し前の「漢級潜水艦領海侵犯事件」のような時は「警告用」として使うことはできる.

 補足しとくと,「ヘッジホッグ」は別にボフォース社が開発したわけじゃない.
 で,爆雷は「現代では原子力潜水艦に対しては」威嚇用ぐらいしか役立たないだろう,ということ.
 魚雷は威嚇用に使うのが難しいので,そういう面で爆雷にもまだ使い道は充分あるよ,ということだ.
 通常動力式の潜水艦であれば,昔ながらの艦尾から単純に海中に落っことす爆雷でもそれなりに脅威にはなる.

 あと「ボフォース四連装対潜ロケット発射機」はヘッジホッグとは作動機構が違うので,混同しないように
 (ヘッジホッグは火薬で発射器から打ち出す.ボフォースSURは弾体に推進剤が内蔵されている).

 他には,冗談みたいな話だけど昔はラジコンに魚雷積んで潜水艦と戦ってた
 だけど,あまりにもよく事故で墜落するのであえなくお蔵入り.

 ちなみに調査の結果原因は「空母の航空無線で電波障害が起きるんです」ということだったが,単艦で試験しててもよく墜落したので,多分アメリカ人が不器用なだけ.
 事実,同じ物を使っていた海自では,ほとんど事故を起こしていない.
(でも,アメリカ軍がお蔵入りにしたので予備部品が買えなくなり,海自でもお蔵入りに)
 ある時期の海自の護衛艦にみんな,中途半端な大きさの格納庫があるのはそのせい.

軍事板

 ただし,ソースが見つからないので不確かな情報なんですけれども,
「『DASHは日本ではうまく使えたが,不器用なアメリカ人には使いこなせなかった』
というのは,日米の大きな運用数の違いを勘定に入れずに,ただ損失数だけを比べた間違った評価だ」
という話もあります.
 一応,参考までに.

唯野 in mixi支隊

DASH


◆◆◆CIWS

 【質問】
 本当にこんなにするんですか?

 「意外な物の意外な値段 まとめサイト」
http://www.unexpectedprices.com/main.php?itemid=123&mode=bbs

 海上自衛隊の艦船に搭載されているファランクスという20mm対空機関砲弾1発7万円くらいだったと思う.
 装弾数が1500発程度なので1基あたりの弾代1億円以上
 仮に全弾連続で発射したとすると20秒もかからない

 【回答】
 以前七万ではなく八万と聞いたことあるが,まあそれくらいのお値段だね.
 海自は米軍のように劣化ウランではなく,タングステン合金製の弾丸をつかってるんで…
 タングステンは貴金属に準じた価格だからね

 でも7,8万の弾カ丸数十発ケチって数百億の護衛艦を撃沈されたら,取り返しがつかないからね.
 それに,撃たずにすめば中の金属を回収して再利用可能

 撃って迎撃できれば元が取れるし,撃たずにすんで金属回収できれば差し引きの経費はそれほど高くない.

 ちなみに,タングステン鉱石は中国が生産量の7割を占めるが,その中国でも最近は減損ウラン弾の研究をしてる.


 【質問】
 艦船に搭載されているCIWSの弾頭が劣化ウラン弾もしくはタングステンだと聞きましたが,戦車相手でもないのにこれらを用いる理由はなんでしょうか?

 【回答】
 短時間に確実にミサイルを破壊しなければならないからです.
 ファランクス20mmCIWSの射程は1.8Kmほど.亜音速の対艦ミサイルを迎撃する時間はきわめて限られています.
 また,1〜2発程度の命中では,残骸がそのまま直進してスプリンター被害をもたらす危険性があります.
 このため,重量が重い(運動エネルギーが大きい)弾頭を使用して確実に目標を粉砕する必要があるのです.

 アメリカ以外の各国のCIWSが30mm以上が主流なのも,より破壊力の大きい弾頭を使用したいためです.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)

 CIWSは,ただ単にミサイルに命中させ破壊すればいい,というものではなくて,ミサイルの爆砕をねらっている.
 むろん破壊後,ミサイル残骸や燃料が降ってきたら意味がない.
 それで,なるべく硬い重い物を高速でぶっつけて,ミサイルの衝撃力を中和させようと企図した.
 だから弾体が,対戦車徹甲弾弾芯と同じ劣化ウラン弾を使用している,
 飛来するミサイルに高速で衝突して串刺しするようにミサイルを破壊し,装薬を自爆させる(劣化ウランは自燃性が高い).
 ただ,日本はタングステン合金弾を使用している,劣化ウラン弾より高価で性能は劣るが,硬く重く頑丈なのは変わりない.
 むろん対艦ミサイルも改善されてきているので,いつまでも同じように有効だとは言い切れない,とは思うが・・.

従軍記者 in 軍事板


 【珍説】
 CIWSの最大射程は相当に大きいが,防御火器としての有効射程はかなり小さいぞ,
 命中1〜2秒前にミサイルを撃破できても,それではぜんぜん意味がない.

 【事実】
 確かに対処時間は限定されるが,pop upが行いにくい以上狙いやすい目標といえる.
 また,超音速となる期間は全行程の一部に限定されている.
 加えて,爆散は爆発前の運動に関わらず,360度全方向に行われる.
 例え1〜2秒と言えども,弾片の拡散/威力の減衰には有効な時間・距離である.(Spaced Armorの有効性を考慮)
 撃破しても固まりに近いままと言うが,弾片一つ一つの質量が減少する以上威力は確実に低下する.

 誘導弾は超音速誘導弾が最高速度を維持できる時間は限定された物であり,最終段階に至るまでの正確な誘導は不可欠である.

 意味が無いのであれば,U.S.NavyはCIWSを採用せず,対空砲の長射程化を進めるはず.
 尚,以前検討されたCIWSの大口径化の目的は,長射程を目的とした物ではない.

軍事板

 さらに,一般的に想定された近接防御範囲内に於いては,爆散後の弾片は質量が微少なため一般的な護衛艦の装甲で充分防御可能.
 アンテナ/レーダー系は比較的脆弱だが,メッシュ間を爆風が通過しても構造全体が破壊されにくいよう,強度は考慮されている.
 また,近接防御兵器により爆発した弾頭が発する数千個の微少な弾片が構造を破壊できるかは,「確率論」のレベル.
 空気の壁は意外に抵抗があるし,指向性を持たない爆発は,装甲目標に対して意外と効力を発揮できない物である.

 分かり易い一例としてCIWSの弾頭設計がある.
 設計は当初,誘導弾に搭載された電子機器を破壊する事を意図していたが,その後不十分と見なされ,その後方に配置された火薬まで貫通し爆発させることを明確に意図し,弾体質量を倍加している.

 ※ 命中した「不発弾頭」がその後爆発し,二次被害を引き起こすことの防止.

追加@海 in 軍事板

 【質問】
 現在の対艦ミサイルってのは,破片防御構造を狙ったものでは?

 【回答】
 対艦ミサイルは直撃>貫通>内部での破壊を前提とするし,その方が破壊力も高い.
 上記では近傍での爆発(直撃ではない場合)による破片は質量も小さく,弾片密度も低くなるため,護衛艦レベルの装甲に対してさえも,被害は微弱である事を述べた.

 対空ミサイルの場合は別.目標はソフトシェルであり,弾片効果が有効に働く.

追加@海 in 軍事板


 【質問】
 CIWSが艦の前後を守らなくて大丈夫な理由が分かりません.

 【回答】
 大概の対艦ミサイルは,目標の艦船に側面から突っ込んで来る.
 これはレーダーの反射面積が艦首/艦尾方向よりも遥かに大きくなるので,よりミサイルに捉えられやすいことと,ミサイルの電子装置に詳細なプログラムが可能なものは,極力目標艦船の舷側に,それも艦体中央部に命中するように設定されているため.
 大概の場合,艦船の側面中央部分には機関部があり,またCIC(戦闘指揮所)や被害対策指揮所(ダメージコントロールルーム)等の重要区画が集中していることが多く,そこを潰せば一撃で大損害を与えられる可能性が高いので,そういうプログラムになっている.

軍事板


 【質問】
 CIWSでも打ち落とせなかった目標は,最後は乗員がいっせいにマシンガン撃って迎撃する ってほんと?
 今までCIWSが最終防衛だと思ってたんだが.

 【回答】
 それはウソ.

 ただ,フォークランド戦争のときイギリス海軍は,低空肉薄爆撃をかけてくるアルゼンチン軍機に対して手空きの乗員総出で自動小銃を撃ちまくる,という防衛手段を講じた事がある.
 もちろんそんなんで撃墜できるわけはないのだが,曳光弾を多めに混ぜたので,アルゼンチン軍パイロットには自機に向かって銃弾がガンガン飛んでくるのが見え,カナーリ精神的によろしくなかったそうだ.

http://www.britains-smallwars.com/Falklands/argentine-aircraftlosses.html

 を見ると,"21st May 1982"の"0930 hours"の項に,
「ブロードソード艦上では水兵と海兵隊混成の小火器中隊が構成され,40mmボフォースに加えて機関銃とライフルで迎撃した」
とある.
 彼らはレスリー海兵隊軍曹に指揮され,2機のアルゼンチン機を撃墜,さらに2機にダメージを与え,レスリー軍曹は受勲したそうな.
 ライフルで落としたのか,40mmで落としたのかは不明だが.というか,明確には分からないだろうな,撃った方にも.

 なお,当時のイギリス海軍にはCIWS搭載艦は無かった.


◆◆◆艦砲関連

 【質問】
 護衛艦の艦砲は果たして必要なのか?
 そもそも艦砲使わなきゃならないほど敵に近づかれた状態になった時点でアウトだろ?
 艦砲が一門あるだけで,そのための人員と砲弾が,俺らの税金で無駄に賄われてるんだろ?,使われもしないのに.
 そのスペースを使ってミサイルを一発でも多く積んだほうが良いと思うが.

 【回答】
 現代水上戦闘艦艇における艦砲の意義は,第一に対空戦における個艦防御機能です.
 現代の艦砲は高初速,速射化という砲機能の改善と,高性能の指揮管制装置,高性能の弾薬の開発により,第二次大戦時に比べその性能を一新しています.

 第二に対地支援能力です.
 これは艦砲の打撃力そのもので,一般的には5インチ以上でないと効果が少ないと言われています.
 支援射撃の重要性が特に強調されるのは上陸作戦で,英国防省の「フォークランド紛争の教訓」では,
「砲兵,艦砲の支援無くして歩兵は動けず」
と述べています.

 第三は艦砲の原点である水上打撃です.
 SSMや巡航ミサイルの出現により水上艦艇の打撃力が見直されていますが,中小口径砲も射撃指揮装置の性能向上により命中精度が高くなり,発射速度の向上と相俟って短時間に持続的な破壊力を加え得ることが可能です.

 第四にコストの問題があります.
 76mm対空弾の価格は約18万円,シー・スパロー・ミサイルは約7,700万円.
 威嚇射撃などにそうそうミサイルなどを撃つ訳には行きません.
 安価で取り扱いが容易という費用対効果の高さから,軽艦艇の主装備として,海上哨戒,作戦任務に欠かせないものと成っています.

 最後に,艦砲の魅力は何と言ってもその多用途性にあります.
 砲弾を取り替える事により水上戦,対空戦,対地戦など,幾つもの任務をこなす事が可能です.

 こういった他用途性と共に妨害や被害に強い艦砲は,乗組員の最後の寄りどころとして非常に高い信頼を保っています.


 【質問】
 艦艇に旋回砲塔が出始めたのはいつ頃からでしょうか?

 【回答】
 おそらくスウェーデン人技術者ジョン・エリクソンの設計によるモニターが一番最初でしょう.
 クリミア戦争中の1854年,ジョン・エリクソンがフランス海軍に旋回砲塔を備えた装甲艦を提案したが,容れられなかった.
 エリクソンはこの後,南北戦争中の1862年に完成したモニターの設計を担当した.

 モニターが低乾舷で航洋性が低かったのに対して,大型の航洋艦に砲塔の装備を行ったのがイギリス海軍である.
 クーパー・フィッリプス・コールス大佐がクリミア戦争の戦訓に基づき,1850年代末から浮砲台の建造,続いて大型で航洋性のある艦への砲等の搭載を主張していた.
 1860年代初めからコールス式砲塔艦と呼ばれる砲塔の下部を船体に埋め込んだ型の装甲艦が各国で建造されたが,大型航洋艦でそれが実現したのは1860年代の末になってからであった.
 イギリスで1869年モナーク,1870年キャプテンが竣工したが,1870年にキャプテンは転覆してコールス大佐を初め472名が死亡した.
 原因は乾舷の不足とトップヘビーによる復元力不足と言われる.

 この事件から暫らくは砲塔は沿岸防衛用の小型艦に限定されたが,1873年にはある程度航洋性を犠牲にして帆走設備を削減した大型の砲塔搭載艦デバステーションがイギリスで竣工する.
 蒸気機関の発達により帆走設備の大幅な削減や撤廃が可能になった為,上部の重量の減少や砲塔の射界の確保・旋回・配置が容易になり,また,動力に蒸気・水圧が利用されるようになると砲塔搭載の利点が大きくなり,大型航洋艦への砲塔の搭載が一般化していく.
 しかし,砲塔は重心位置の低下の為に低い位置におかれることが殆んどであり,航洋性を損なうことが多かった.

 1880年の末になると,この欠点の解消と,より大型の後装砲の搭載のためバーベット艦が登場する.
 これは,バーベットと砲身を分離し砲身をバーベットの上に剥き出しで配置してバーベットの上部まで乾舷を増し航洋性が高められたものである.
 そして砲身部分の周囲が次第に装甲で覆われるようになっていき,これ以降一般的に見ることができる砲塔が完成する.


 【質問】
 1910年代に作られたパリ砲の射程が100kmを越えていたのに,同じ位の口径の条約型重巡洋艦の射程は30km以下で,戦艦の主砲でもたった40kmほどしか飛ばなかった(飛ばさなかった)のは何故なのですか?

 【回答】
 ”パリ砲(Kaiser Wilhelm Geschuetz)”は210mmの砲で,65発発射後に240mmにボアアウトされる必要がありました.
 このため,確かに長射程ではありましたが,実用的ではなく,実際の破壊力より,精神的被害を目的としていた,との記載があります(les Canonsde l'Apocalypse).
 ですから,当時の艦船に搭載されていた砲は,実用性(耐久性)を重視した結果パリ砲よりも短射程になったと思います.

軍事板

 当初の口径は21cmでしたが,約70発を発射すると口径が約23.2cmに広がってしまったそうです.
 また,その長砲身が下方に曲がってしまうため,外装式の支策が必要でした.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE

 また,パリ砲は巨大すぎて戦艦にも積めません.
 また仮に積むことができても,敵艦に当たりません.
 軍艦はお互いに動いているので,艦砲射撃の際には敵艦の未来の位置を予測して撃ちます.
 しかし,ろくなコンピュータのない時代に,100キロ先の敵艦の未来位置を算出するのは不可能です.

202解説中隊 ◆tsQRBnY96M


 【質問】
 えーとですね,海上自衛隊の船がバーッと並んで進んでる写真を見て思ったんですが,どの船も必ず先っぽにちっこい砲が1個ついていますよね.
 でもたまにTVとか映画で,今時の海上戦闘を見るとミサイルを,ガンガン撃ちまくってるのがほとんどで,砲をドカドカ撃ってるのなんて見たことありません.
 あれはなんのために載せてあるんですか?
 ミサイルが弾切れになったときの苦し紛れのため?
 それともやっぱり軍艦の象徴として?
 なんか普通の人の知らない使い道があるんでしょうか.

 【回答】
1.ミサイルを使うまでもないザコ用として
2.敵が肉薄しすぎてミサイルが使えない場合
3.ミサイル迎撃用に
4.これからは上陸の援護射撃もしようと画策中

 世界初の原子力推進式軍艦である米巡洋艦のロングビーチは最初は,テリアとタロスというSAMしか装備していなかったが,後年,艦橋後方の艦中央部に5インチ単装砲を両舷に装備した.

 何故か?  それには種々の理由がある.

 理由の一つとして,費用対効果の問題がある.
 すべての脅威にミサイルで対抗するにはミサイルは高価すぎた.
 敵性の魚雷艇が接近してきた場合,威嚇射撃をテリアでするか? もったいない.
 また,ミサイルの場合,最短発射可能距離というものがあって,近づき過ぎた相手には撃てないという性格がある.
 槍での戦での弱点が懐に入られることにあるのと同じだ.

 その点,GUNはある意味万能なのだ.
 F−4ファントムが後年バルカン砲を装備したのと同じ理由である.

 さらに砲は,対艦ミサイルの迎撃にも使います.ただしレーダその他電子兵装などがそれなりになってるという条件がありますが.

 さらにまた,米海軍では「From the Sea」と,その続編(笑)において「低強度紛争における海上からの部隊展開(要は敵前上陸のことですね)」において,海軍艦艇を事実上のbatteryとして火砲支援に充てるため,これまで対水・対空能力に特化していた各種システムに対地攻撃能力を付加する試験を繰り返してます.
 8インチの速射砲なんて化け物の試験もされてたみたいですね.

 それからミサイルって,案外当たらないものなんですよ,実際.

(海の人・キルロイ他)


◆◆◆魚雷関連

 【質問】
 水雷と魚雷って,どう違うんですか?

 【回答】
 爆雷や機雷等含めて水雷.
 魚雷は「魚形水雷」の略.

 水雷はトーピード(Torpedo)の訳語として使われていますが,この中には元々,今日ではマイン(mine)とよばれる機雷も含まれていました.
 つまり,海中で仕掛ける爆発物一般を指していたのです.
 かつて米南北戦争の頃に使用された,竿の先に爆薬を取り付けて敵艦に突き当てる兵器をスパー・トーピード(外装水雷)と呼んでおり,実際に撃破した例もあります.
 この他にタウド・トーピード(曳航水雷)と呼ばれる爆発物を舟で引っ張って行ってぶつける兵器もありました.

 この後,1866年に英国人技師ロバート・ホワイトヘッドによって発明された自走式の水雷が各国に広まっていき,今日ではトーピードはこの「魚形水雷」のことをおもに指します.

(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)

初期の魚雷発射


 【質問】
 魚雷は「魚形水雷」の約なんですよね?
 ということは「魚形でない水雷」もしくはただの「水雷」があるということですか?
 それは今でも使われているのでしょうか?

 【回答】
 水雷(torpedo)と言うのは「水中で爆発して敵艦を破壊する兵器」の事で,予め仕掛けておくか,河に流すか,長い棒の先につけて敵艦に押し付けるかという運用がされてた.
 この水雷を自走式にした物が魚雷.

 で,機雷(mine)と言うのは鎖を付けて水中に沈めて置き,艦船がそれに当たると爆発する物.

 機雷や爆雷以外にも,タウド・トーピードやスパー・トーピードといった兵器があった.
 スパー・トーピードは長い棒の先に爆薬の塊をつけた物を艦首に取り付けて敵艦に体当たりするというもの.
 タウド・トーピードはロープの先に爆薬をくくりつけたものを水中で引っ張って行き,うまいことやって敵艦にぶつける.
 当然だが,敵にものすごく接近しなきゃいけないリスキーな兵器なので,今は使われていない.

 質問の「魚形でない水雷」もしくはただの「水雷」があるのか?だが.つまり「水雷」とは「水中で爆発する兵器全般」を指す言葉.なので,「ある」と言える.
(水雷が使われ始めた南北戦争の頃は,陸岸から敵艦に向けて発射する「水雷」もあった)


 【質問】
 水上に浮かんで航行する船ってありますよね? スキーのような物があって,速度が増すと浮き上がるやつです.名前知りませんが,,,
 あれなら魚雷には当たらないんでしょうか? あとホバークラフトなども.

 【回答】
 表面効果艇(SES, SEV)とか,水中翼船とか,ホバークラフトとかありますが,どれも直撃は事実上できません.
 しかし魚雷は直撃ではなく,船体下で爆発することで最大のダメージを与える武器なので,磁気などを利用して船体直下を関知して起爆することができます.
 通常の船舶よりはかなり少ないダメージで済むでしょうが,そうなるとやはり被害は受けます.
 特にその手の艦艇は小さいですから,相対的にはひどいダメージになりそうです.

 ただし,ホバークラフトはソナーによる探知,追尾が困難なので,その手の手段による魚雷攻撃には強いでしょう.表面効果艇もある程度そういう部分があります.
 また,どれも高速ゆえ,起爆タイミングがずれやすく被害が出にくいとも考えられます.
 基本的には,それらのかっとんで行く舟艇を攻撃する際に,魚雷は他の手段がない場合の選択になると思われます.


 【質問】
 もしこれから先,軍用艦が水上でかっとぶのが主流になったら,どんなに魚雷を撃っても,魚雷は追い付かないからムダですか? ロケット魚雷で大丈夫?

 【回答】
 最新のやつだとMK48(アメリカ),スピアフィッシュ(イギリス), 89式魚雷(日本)あたりは雷速60kt前後※,射程30q以上,炸薬300s前後,最大深度900m前後はあります.

 ロシアのシュクバルという魚雷が,一説には200ノット出るそうです.
 しかし,シュクバルは無誘導でその構造上,水流の急激な変化に弱いのです.
 ちょっとした爆圧で姿勢が崩れるだけで自身の高速によって自壊します.

 抵抗と燃料の関係で,航続距離と速力は魚雷では相容れないところがあります.
 あまりに速力を重視すると,航続距離が短めになる.
 なにより,シュクバルで明らかになっているのが,早すぎると魚雷のセンサーが効かなくなるため(キャビテーション,ノイズ),自律誘導できなくなるのが問題です.
 そもそもすでに魚雷なんて潜水艦から撃つか,潜水艦を撃つか,どちらにしてものんびりモードにしか使用されていません.

 それに,水中翼船にせよホバークラフトにせよ,大型化に限界がありますので,主流になることはまず無いかと.

 ※異説あり.下項目参照.


 【質問】
 海上自衛隊が使ってる97式魚雷の最高速度・巡航速度は時速何ノットなんでしょうか?
 アメリカのMK50の最高・巡航速度も教えていただければ幸いです.

 【回答】
 70ノット近い,というデータもあるようですが,これは例外的で, 深度や航続距離にもよりますが,条件に恵まれても50ノットプラスぐらいが一般的なところでしょう.

www.shima.demon.co.uk/modnuke.htm#Torpedoes
www.geocities.com/Pentagon/1592/ustorp5.htm
www.naval-technology.com/contractors/missiles/eurotorp/
hypertextbook.com/facts/1999/WendyNg.shtml

 最近のを見ても,米,露,欧とも60ノットぐらいが限界のようです.

www.strategypage.com/fyeo/howtomakewar/htairw/articles/2004831.asp

 さらに言うと,雷速は一定とは限らず,むしろ最近の魚雷では終末段階でダッシュで最高速度を出すなどの方法で,射程と内蔵ソナーの作動,そして目標の捕捉を並立させるものが多いようです.


 【質問】
 対艦用の航空魚雷はいつ頃まで使われていましたか?
 最後まで使っていたのは何処機体でしょう? 

 【回答】
 航空用長魚雷の最後の使用機はA-1スパッド.
 最後の使用例は朝鮮戦争中のダム攻撃.
 長魚雷使用能力があった最後の機というなら,たぶんA-6Aの初期型.同時代のバッカニアにはたぶんない.
 ソ連のTu-28だったかにもあるが,初飛行はA-6より前だし実際にテストした記録も見当たらない.もちろん,おれが知らんだけの可能性もあるが.
 で,米の航空用長魚雷の正式退役は70年代初期だが,まぁ60年代初めには使われなくなったとみるべきだろう.
 ソ連はわからない.

 一方,短魚雷は今も現役だよ.

 長魚雷と短魚雷の違いについては,
http://www.warbirds.jp/ansq/41/D2001544.html
を参照されたし.


 【質問】
 Mk.54短魚雷について教えてください.

 【回答】
全長2,71m
直径324mm
重量275,8kg
速力36kt/45kt
最大航走距離11km
目標探知距離2,5km
攻撃可能深度5〜600m

 Mk54はMk46の推進系と弾頭,Mk50のセンサー,長魚雷Mk48ADAPの速度制御系の他,商用プロセッサやソフトウェアを利用したMk54は,LHT(Light weight Hybrid Torpedo)とも呼ばれている.

 Mk54は「デジタル短魚雷」であり,これ以前のMk46やMk50とは性能的に一線を画している.
 Mk46の後継として開発されたMk50は,予定生産数に達する前にMk54に変更された.


 【質問】
 まだ「冷戦」というものをやっている時に,軍事小説で「シャプター」だったか「キャップター」だったかという名前の,耐圧カプセルにホーミング魚雷を詰めて,機雷のごとく待ち伏せ型に艦艇を攻撃する・・・という兵器が出てきた事があるのですが,これは実在したのでしょうか?

 また,実在したとしたら,もし敵国がこれを敷設した場合,どのようにしてこれを「掃海」したのでしょうか? 

 【回答】
 Mk.60なら実在しますし,今でも使っています.
 掃海方法は,その機雷が感応する音を出す装置を曳航して誤爆させるか,対機雷ソナーで把握した位置に遠隔操縦の機雷処分具を誘導し,搭載した爆雷などで処分することが考えられます.

眠い人 ◆gQikaJHtf2


 【質問】
 こちらの艦に向かって発射された魚雷を,機銃や高角砲を使用して破壊を試みるのは,一般的な事なのでしょうか?

 【回答】
それはまったく一般的ではない事柄でつ.

 高角砲は追従性からも俯角からもまず無理.
 高射機銃についてる兵員が,自分の艦に向かってくる魚雷を目視したら,破壊を試みるのは人情として当然.
 ただし効果は期待できない.


 【質問】
 某映画で潜水艦が,魚雷の安全装置が解除される前に体当たりして破壊してましたが,実際にそんな事して,誘爆したり艦に突き刺さったりしないのですか?
 潜水艦の先端部って結構やわいのですよね?

 【回答】
 「レッド・オクトーバー」か? 

 サンフランシスコの事故写真見ても,艦首のソナー部分でも強度はそうとうある(7000tの船体が時速60km近くで海底山に激突した).
 艦首以外なら吸音タイルがはがれる程度か.

 また,現代の軍用炸薬は信管で起爆しないかぎり,普通の衝撃では絶対発火しない.
 アーミング(信管を活性化)機構には2重3重に安全手段が組み込まれている.
 迫撃砲弾のような厄介ものを除けば,誤ってアーミングされることもまずない.


◆◆◆対艦ミサイル

 【質問】
 対艦ミサイルが注目されるようになったのは,中東戦争でイスラエル軍の艦艇がエジプト軍の対艦ミサイルに沈められたからだそうですが,それまでは「対艦ミサイル」という兵器はあまり評価が高くなかったのですか?
 だとすれば,「対艦ミサイル」とは,どのような評価をされていた兵器だったのでしょうか?

 【回答】
 少なくとも西側では「あれば便利だろうけど,無くても何とかなる」くらいのレベルでした.

 対艦ミサイルを搭載した艦自体は1950年後半〜60年代にはソ連で出現しています.
 駆逐艦キルディン型やクルップニィ型がSS-N-1を,キンダ型巡洋艦がSS-N-3をそれぞれ装備していました.
 また,同時期にコマール級やオーサ級といったミサイル艇も大量に就役させています.
 ソ連が対艦ミサイルの装備を急いだのは,米海軍機動部隊の迎撃を考慮したためです.
 ですので,対艦ミサイルは重要視されていました.

 しかし,米国を始めとする西側諸国は強力な艦隊航空兵力を保有していたために,水上艦に対艦ミサイルを配備することに関心を払っていなかったのです.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE


 【質問】
 対艦ミサイルを対地攻撃には使えないの?

 【回答】
 先のイラク戦争で,イラク軍がシルクワーム対艦ミサイルをクウェート市街に向けて撃ち込んだという事例もありますので,対地目標で使えないわけではありません.
 但し,その場合はミサイルというより砲弾としての運用になりましょうが.

 トマホーク・ミサイルなどは対艦/対地の両仕様がありますが,これは生産段階から仕様が異なる(対艦用に地形照合用のレーダーもメモリも要らないし,対地用に水上捜索レーダー付けても意味がないため)ので,これもやはり,対艦用のものを対地攻撃に使う場合は砲弾的使用ということになります.


 【質問】
 対艦ミサイルが現代の対艦攻撃の主兵器であるようですが,水線下に穴を開けるわけではないので,弾薬庫が水線下にある場合,火災を起こすことはできても,沈めるのは難しいように素人には思えるのですが,どういう仕組みで沈めるのですか?
 舷側に大破口を作って沈めるのでしょうか?
 それともポップアップして上から当たれば船底をぶち抜く貫通力があるのでしょうか?

 また,それに対する現代の艦船の対策はどういう形でしょう? 装甲はないに等しいと聞くのですが,居住区で区画して浸水を止めるのですか?

 【回答】
 対艦ミサイルの主な狙いは,艦船の頭脳である上部構造物です.沈めようなんて思っちゃいません.
 上部構造物が破壊されたら,イージス艦であろうが巡洋艦であろうが,ただの鉄の浮遊物に過ぎません.


 【質問】
 水上艦のVLSの運用について質問します.

 1.VLSにはあらかじめミサイルが装填されており,発射後,VLSはカラになる.しかるべき設備で補給(装填)されるまでカラのまま.

 2. VLSにはあらかじめミサイルが装填されており,発射後,VLSはカラになるが,艦内で再装填することが出来る.

 3. ふだんからVLSはカラで,使うときに装填する.魚雷発射管と同じ.

 1〜3のどれでしょうか?
 ロサンゼルス級潜水艦等のVLSは「1」だと思うんですが,水上艦ではどうなんでしょう?

 【回答】
 艦によっても違うけど1か3.
 VLSは基本的に弾薬庫と発射装置を兼ねてるので,弾薬庫があってそこからミサイルが発射する時にVLSに装填される・・・わけではない.

 米海軍のVLS装備艦には再装填用のクレーンがついてたので,補給艦なりヘリコプターなりに予備のミサイルを貰えば自前で再装填が出来たが,今はクレーンのスペースを潰してVLSを増設したので,最近の艦は自分で再装填をする事が出来ない.

 後方で訓練をしてる艦は,訓練で使う分しかミサイルを装填していないようだが,基本的に実戦配備状態にある艦はVLSに実弾を装填していると見てよい.

 弾薬庫も兼ねる発射機がウリだから,艦内に別箇弾薬庫,装填機能があれば普及はしていないわな.


 【質問】
 十数隻からなる艦隊が,空対艦・艦対艦ミサイルの飽和攻撃を受けた場合,ミサイルから見て一番手近な一艦に集中的に命中して,他の艦は無傷,ということはないのでしょうか.
 数十発撃って撃沈一艦,ではあまりにも割にあわないですし……
 何か対策はあるのでしょうか?

 【回答】
 たとえばSS-N-19という旧ソ連の巡航ミサイルは,ミサイルの編隊内で統制をとって,特定の艦に集中する/別々の艦を攻撃する,なんて器用なマネができたりします.

http://www.eurus.dti.ne.jp/~freedom3/ss-n-19-sai-axx.htm


目次へ戻る

准トップ・ページへ戻る