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◆◆◆種類 Fegyver Fajtájai
<◆◆火砲 Fegyver
<◆陸戦兵器 目次
<兵器FAQ目次
(朝目新聞より引用)
「Military Technology」◆(2013/05/23) Lockheed's GMLRS warhead completes first EMD flight test
「VOR」◆(2012/06/12)米国人 人を殺さない迫撃弾を開発
「ワレYouTube発見セリ」:Five round mission (M198,155mm野戦榴弾砲)
【質問】
迫撃砲は命中率が悪いと思いこんでるようだが・・・
この映像からの射距離なら,軽迫・中迫ともビルだけを狙う程度のことは十二分に可能では?
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月01日 21:21:58
【回答】
無理.
その上,爆風範囲が狭くて,遮蔽物に隠れている狙撃兵を排除しきれない.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月01日 22:47:28
迫撃砲では近すぎると最小射程を切るし,最小射程以上でもソフトスキンではスナイパーの餌食.
直射のスナイパーからは撃てないが,曲射の迫撃砲からは撃て尚且つピンポイントの精度を期待できる遮蔽物・・・・・・.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月01日 23:19:36
【質問】
榴弾砲って,敵を現実的に狙える距離ってどのくらいですか?
ぐぐったら20~40Kmとのことですが,これは砲弾が飛ぶ距離ですよね.
どの程度ならどのくらいの命中確率があって,実際に戦場で敵を狙う距離は?
【回答】
そもそも誤解しているようだけど,榴弾砲は「敵を狙って」撃つ兵器じゃない.
敵部隊がいる場所に大量の砲弾を叩き込むことにより,大量の弾殻破片で目標地域を覆う面制圧兵器だから,
40km飛ぶなら40km先の敵部隊がいる場所に,ガンガンぶち込む.
つまり弾幕砲撃というのは,極論すれば敵を一兵も倒せなくても意味があるわけよ.
そして,榴弾砲は砲側から直接敵を見ることが少ないので,観測所を設けてそこで狙う.
観測所は高台など目標を直接視認できるところに設け,そこで観測したデータと砲の位置から,発射する方位,角度を決める.
また,何発か試射してその結果を観測所が監視し,最適な方位と角度を割り出す.
このため,砲の最大射程以内で,かつ観測所から測定できる範囲なら命中率はほとんど変わらない.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
榴弾砲の装填は,現代でも人力ですか?
【回答】
榴弾(HE)の重量(弾体+信管,装薬なし).
152mm FRAG-HE OF-540 43.5kg
155mm HE M107 43.9kg
155mm HE(BB) IM-280 44.5kg
203mm FRAG-HE OF-43 110kg
203mm HE M106 87kg
155mmの軽量なHEとしてM795(35.4kg)があるが,例外的.
また,HEでなくても(スモークやカーゴ弾でも)重量はほとんど似たようなもの.
で,155mmでも装弾補助のためにいろいろな仕掛けがあり,完全な手動でも,直接かかえて装填するのではなく,弾を装弾トレイに載せておき,これを押し込むような方法を取るし,押し込むのと砲尾を開いて排莢するのは動力で行うとか,いろいろ手助けはしてくれる.
203mmとかになると,そうしないと無理.
もちろん多数同時弾着を狙うような自走砲や,そこまで行かなくてもせっせと撃って,撃ち返される前にさっさと離脱を狙うようなトラック自走砲なんかでは,可能な限りで自動化が行われている.
一見しょぼそうなトラック自走砲だが中には乗車したまま,まったくの自動で20発も撃ち続けられるものもある.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
FH70って何?
【回答】
FH70(Field Howitzer 1970s)は,1963年に合意されたNATO基本軍事要求39号によって「牽引・自走両用の近接支援用榴弾砲」として計画され,英独伊が共同開発した155mm榴弾砲.
1978年に製造が開始され,西ドイツ・イタリアの旧式榴弾砲とイギリスのBL
5.5インチ砲を更新,現在でもイギリス,イタリア,オランダ,サウジアラビア,ドイツ,マレーシア,モロッコで使用されている.
陸上自衛隊でも155mm榴弾砲M1と105mm榴弾砲M2A1の後継として,155mm榴弾砲
FH70の名で採用されており,1983年以来,日本製鋼所によるライセンス生産品が配備されている.
【参考ページ】
http://www004.upp.so-net.ne.jp/weapon/fh70.htm
http://www.geocities.jp/aobamil/shasin/FH70/FH70.html
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/row/fh-70.htm
http://rightwing.sakura.ne.jp/equipment/jgsdf/fieldartillery/fh-70/fh70.html
http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/hypams02/fh_70.html
APU(たしかいすゞ製だったはず)が装備され,陣地変換程度の機動は自力でこなす.
半自動装填機能付きで,従来型よりも操作人員が減少するとともに発射速度が向上.
砲身が長くなった関係上,射程も従来型より長い.
射撃統制装置を装備.(その端末は初代ダイナブックだった<日本版)
各種砲弾を発射可能.(RAP,BB,ICM等)
Cpt.hige in mixi,2009年07月02日 00:14
FH70のAPU(陣地移動用補助エンジン)は途中製造メーカーに変更があったかどうかまでは確認できませんが,私自身が確認した範囲では,「富士重工製水平対向ガソリンエンジン」を搭載しています.
(2004年以降,高田駐屯地祭にて連続して確認済み)
へぼ担当 in mixi,2009年07月05日 01:08
うーん記憶違いだったかも<エンジン
でも2種類以上のエンジンがあったような記憶も(ノックダウン砲含む)
現物いじったのが結構前なんで,記憶違いの可能性が高いかもしれないです.
Cpt.hige in mixi,2009年07月05日 01:28
FH70 富士重工製APU(陣地移動用補助エンジン)根拠写真
2008年4月20日 高田駐屯地祭にて撮影
エンジンヘッドに「SUBARU」の文字があり,水平対向エンジン搭載であることを確認できます
faq38g02g06.jpg
faq38g02g06b.jpg
faq38g02g06c.jpg
へぼ担当 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」,2009年07月05日 01:03
【質問】
Pz.H.2000って何?
【回答】
M109 155mm自走榴弾砲の後継として,1998年より配備されている,ドイツ陸軍の自走砲.
ラインメタル社が開発した,「ランゲスロール」と呼ばれる52口径(砲身長8.06m)155mm榴弾砲を搭載.
また,砲の俯仰角に自動的に合わせて装填できる,ヴェクマン社が開発した電動式自動装填装置が搭載されており,自動照準装置とあいまって,高い発射速度を実現させている.
【参考ページ】
http://www.f5.dion.ne.jp/~mirage/hypams02/pzh2000.html
http://www.deagel.com/Self-Propelled-Howitzers/PzH-2000_a000452001.aspx
http://www.fas.org/man/dod-101/sys/land/row/pzh2000.htm
【ぐんじさんぎょう】,2011/08/03 20:30
を加筆改修
【質問】
カールグスタフ(無反動砲)の砲弾ADM 401(フレシェット散弾)って,バカでかいショットガンみたいなイメージでいいんでしょうか?
散弾は発射直後に拡散し始めるんでしょうか?
この砲弾の使い道も教えて下さい.
【回答】
フレシェット,つまり矢状の子弾をばら撒くので,「散弾」とはちょっと違うが,まぁ似たようなもんと思っていいかも.
ほぼ砲口を出た時点で拡散し始めるが,砲口を出た直後ではそれほど拡散してはいない.
これは対人用の弾薬で,陣地を防衛してるときなんかに突撃してくる多数の人間に,広範囲に被害を与えるためのもの.
クレイモアを無反動砲から撃ってるようなもんだと考えればよろし.
(クレイモアが飛ばすのはパチンコ玉大の散弾だけど)
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
レールガンを次世代の大砲にする意味って何?
弾が速くなるかもしれませんが,確かAPFSDSなんかは速過ぎても意味が無いとか聞いたんですが.
【回答】
>APFSDSなんかは速過ぎても意味が無い
それは現在の冶金技術では,過剰な着速は自身の損傷や侵徹時の磨耗に繋がるから非効率ってだけ.
加速に耐えられ,更に強靭な弾体が出来れば,その限りではない.
現代の火薬では燃焼ガスの発生速度以上の加速度を与えることは出来ない.
レールガンを含めた次世代の砲の開発は,その限界点を突破する為のもの.
貫通力だけではなく,射程向上等も含めて開発されている.
ただ,既存の技術だとマトモな威力の出せるレールガンには莫大な電力が必要で,結局そのためのジェネレーターを積んだらこれまでのMBTよりも大きく重くなってしまった,ということになりかねない.
あと,レールガンは直射しか出来ない.
飛翔速度が速すぎるので,角度を付けて撃ち出すと,地平線の遙か彼方まで飛んで行くか,人工衛星になるか,地球の引力を振り切っていくか・・・ということになるので.
いや,発射速度を調整すれば曲射も出来るけど,上記の理由で弾頭が小さくなっているのなら,榴弾としての威力は激しく小さいから,効果が低過ぎて使えない.
さらに,APFSDSに限って言えば,弾速が早すぎたら,装甲に食い込んだときの砲弾の磨耗が大きくなりすぎる.
結果,一定以上の速度では,侵徹長さは低下する.
そういった問題がある.
軍事板
青文字:加筆改修部分
個人の手作りレールガン
(画像掲示板より引用)
【質問】
レールガンで金属の弾を撃つと,誘導電流によるジュール熱で弾がやわらかくなったりしないのでしょうか?
【回答】
そのとおり.弾体が導体では誘導電流で融けたり蒸発したりする.
レールガンでは,弾体はプラスチックやセラミック・コーティングなどによって不導体としている.
アメリカのSDI計画時代に作られた,発射速度の世界記録をつくったレールガンの弾体はプラスチック.
弾体後部の金属に大電流を流してプラズマ化し,そのプラズマを通じて弾体を加速する.
レールガンの発射原理では磁場は直接関係しない.リニアモーターの原理ではないことに注意.
電流の方向 弾体
-------------→→→--------------------------------------導電性レール
↓::■ →推進方向
--------------←←←-------------------------------------導電性レール
電流の方向 プラズマ
弾体後方の金属箔に大電流が流れると蒸発,プラズマ化する.
プラズマに電位差を加えると,直角の方向に力が働き(ローレンツ力)この力が弾体を推進する.
レールと弾体で構成されるサーキットに電流が流れる事で磁場が形成される.弾体の透磁率は問題ではない.
プラズマ,あるいはその他の導電性アーマチャー(回転子)がローレンツ力でレールの間を滑り,アーマチャーと一体または分離した弾体を加速するというのが共通の原理.
上2に示したモデルは,SDI時代の古典的なものでプラズマをアーマチャーにしているが,現在実用化に向かって研究されているレールガンではいろいろなタイプがある.
ファラデーが発見したように磁場と電場は方向が直角だが一体不可分のもの.
「レールガンの発射原理では磁場は直接関係しない」
というのは
「リニアモーターのように磁力の吸引, 反発力を利用しない」
という意味なので,誤解なきよう.
アマチュア(MITの学生)の手製レールガンのサイトに,計算式が一そろい載っている.
http://www.railgun.org/
2本のレールの間に置かれたアーマチャーの接点の抵抗で大きな熱損失が発生,レールを焼損してしまうのが,レールガン実用化にあたっての最大の問題.
このサイト(これも零細レールガン研究室w)
http://www.powerlabs.org/railgun2.htm
のArmature Designの項に実用化にあたっての主な問題点が詳しく触れられている.
従来,金属その他導電性アーマチャーでは1.5~2.0km/secあたりが限界で,4km/sec以上に加速する場合はプラズマ利用が一般的だった.
このサイトでは銅/カーボンの新素材を開発中ということだが…
【質問】
レールガンの難点は,動力装置の小型化だけですか?
【回答】
電源の問題もさる事ながら,機構的な欠陥が主なものだと思っています.
電源についてはSDI 絡みの一連の研究によって,Compensated
Alternator (訳知らないです)や直流発電機等の高負荷対応技術の実用化,そして従来の1/10以下のエネルギ密度が実現できるスーパキャパシタの実用
化といった基礎技術の開花がありまして,この技術をさらに高効率化・複合化を促進すれば何とかなるのでは?といわれています.
しかし,レールガンの場合はレールのプラズマ焼食による砲身磨耗,しゅうどう抵抗によるコロージョンといった射撃精度どころか砲自身の寿命すら左右する問題の解決がいまだ解決されておらず,実用化にはまだ程遠い状況です.
主にレール寿命の問題でしょうか.
レールガンのレールには高導電率でかつ高硬度が要求されるのですが,今のところ電車のパンタグラー
フに用いられる銅-タングステン合金以上のモノがなく,更なる高機能材料の出現が待たれているようです.
研究レベルでは10発程度でレールの研磨加工を行わないと,弾丸の初速が激減するとか(FCSで予定している40mm口径ですら).
もう一つはこれに付随する問題ですが,発射方法の問題です.
速度が0の状態から発射した場合,きわめて高い電流が流れ
(例えば三相電動機のデルタ-スター始動方式が必要な理由もこれ)
レールがジュール熱によって融解するため,緻密な電流制御を必要とします.
これが,火薬によってある程度加速した弾丸を,さらに加速するためのブースタとして用いるのであれば,まだ実用化は楽ですけどね.
【質問】
野砲とは違う樽みたいな滅茶苦茶短い大砲があるんですが,これの用途は?
と言うか当たるんですか,この手の大砲は.
【回答】
臼砲といって,敵が立て篭もる要塞や都市に,城壁や土塁を越えて曲射で砲撃を加えるもの.
極端な放物線弾道を描き,その弾頭の重みや大型の榴弾で建造物とかを粉砕する.
固定された目標が標的で,初速がいらないが,でかい弾を放りたいので樽みたいな形になってる.
攻城戦のために運搬することを考えて,必要最小限に作られた形状となっている.
時代が進むと,ディッケ・ベルタやカール自走臼砲みたいな奴に進歩してる.
のんびり絨毯爆撃みたいなもので,ピンポイントで狙う武器ではない.
とはいえ,城壁の中に籠もってる方にとっては,とってもイヤというか,絶対にイヤな存在だと思う.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
現代の89式なんかの突撃銃の小銃擲弾って,どうやって空砲を薬室に装填するのですか?
いちいち弾倉外すのですか?
それと89式って,ボルト・ストップって付いてましたっけ?
【回答】
89式小銃にはボルトストップは装備されています.
また空砲を装填する場合,弾奏は一度外します.
それからボルトを解放してボルトストップを掛け,薬室が空なのを確認した後に,弾倉の最上部に空砲を装填し,弾倉の初弾が空砲なのを装着してボルトを解放します.
ちなみに現在採用されている小銃擲弾はブレット・トラップ式と言って,実包を使用して発射する為に弾丸を受け止める装置を付けたものに成っています.
三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
40mmや25mm,20mmのエアバーストグレネードを開発中ですが,時限信管よりVT信管の方が便利なのではないですか?
小さすぎて組込めないのでしょうか?
【回答】
小さくて組み込めない(できても大変高価になる)という事情もありますが,時限信管の方が運用しやすいからです.
空中に浮いている金属製の航空機と違って,地上で分隊単位で運用されるグレネードは,ノイズの多い地上の小目標が対象です.
このため仮にVT信管を装備しても誤作動しやすく,手前の樹木をかすめるだけでも起爆しかねません.
また 目標に対してどの位置で爆発するかが予測しにくくなります.
レーザー測距による時限設定を 行うと確実にどこで起爆するかを指定できますから,誤動作の心配が減るだけでなく,目標手前,目標真上,目標の後ろ(窓枠を測距して,窓を通過後室内で起爆など)などを自由に狙えます.
費用,使用環境,使い勝手,どの点からもVT信管を無理に搭載する意味はないわけです.
強いて言えば対空用に使う時(考えにくいですが),程度でしょう.
それも小口径のグレネード弾片では効果が期待できません.
むしろ触発で直撃狙いでしょう.
軍事板,2005/01/12
青文字:加筆改修部分
【質問】
グレネード・マシンガンですが,連射可能な迫撃砲って認識でいいんでしょうか?
【回答】
一般的には「擲弾銃(てきだんじゅう)」と訳されるもの.
迫撃砲とはかなり異なる.
迫撃砲は,山形の弾道で曲射するための兵器.
間に障害物があってもその向こうに打ち込めたり,照明弾を打ち上げたり,空中爆発させて破片をばら撒いたりできる.
その代わり,命中精度は良くないし,至近距離の目標には使えない.
これに対して,グレネードマシンガン=擲弾銃というのは,弾道がまっすぐな兵器.
間に障害物があると使えないけど,すぐ近くの目標に対して炸裂弾を正確に打ち込める.
連射機能が付いてるから,方向を変えながらばら撒くことで,広い範囲を制圧できる.
連射機能が付いてるグレネードマシンガンの場合,特に自動擲弾銃という.
軍事板
青文字:加筆改修部分
▼ 日曜午前中の観閲式予行を見学した後,売店で旨い立ち食いそばやリブフランク等の買い食いを堪能してからその裏の兵器展示を見学.
ここには,自衛隊の現用兵器が,小は拳銃から大は地対空ミサイルまで解説プレートと一緒に展示されていて,東京近郊ではここでしか見れない様な装備も在るので,参考になります.
〔略〕
96式装輪装甲車に搭載の96式40ミリ自動擲弾銃も,好物なのでぐるぐる回り込んで激写.
こんなもので撃たれたくはありませんが,引き金とグリップが,旧軍の三年式重機関銃を思わせるデザインで面白い.
よしぞうmaro' in mixi,2007年10月25日01:32
▲
【質問】
RPGって噴射煙で凄く目立つそうですが,グレネードランチャーはどうなんでしょう?
ようつべ動画いくつか見ましたが,マズルフラッシュ小さいような気が?
【回答】
思いっきりコピペになるが,
――――――
グレネードランチャー(中略)手榴弾または同程度の威力の擲弾を発射する武器である.
古くはライフルの火薬で手榴弾を投射する火器を指していたが,第二次世界大戦後では高低圧理論を元に,低反動で歩兵が保持して使用できる火砲を指す場合が多い.
対戦車擲弾は成形炸薬弾(対戦車榴弾)頭を持ち,同じく擲弾発射器から放たれる.
また,大型の対戦車榴弾を発射するパンツァーファウストやRPG-7のような兵器(Antitank grenade launcher)もあるが,これらは通常,対戦車用の無反動砲やロケット・ランチャーに分類される.
オートマチックグレネードランチャーは有効射程が1500~1600mと,歩兵用のグレネードランチャーに比べて10倍も長いが,それだけ初速も速く反動も大きいため,三脚や車輛などに固定しなければ扱えない.
NATO標準規格のグレネード弾は,歩兵用グレネードランチャーで40×46mm,オートマチックグレネードランチャーは40×53mmであり初速も歩兵用が76m/s,オートマチックグレネードランチャー用が241m/sで三倍以上も違うまったくの別物である.
――――――
肩付けで発射できるグレネードランチャーは,「高低圧理論」で反動を軽減してる.
今現在,最もポピュラーな40mmグレネード弾(M203とかが使ってるやつ)は,「ハイ・ロー・プレッシャー」という特殊な構造をしていて,まず炸薬が低圧燃焼で発射された後に,銃口(砲口?)から飛び出たあと高圧燃焼に
移行して飛んでいく.
なので射手と発射器に与える反動が小さく,人間が手で持って構えられるレベルの構造と重量の擲弾発射器が可能になった.
だから,発射時のマズルブラストはとても小さい.
八九式重擲弾筒を太腿にあてて撃てば複雑骨折なのに,M79を肩付けで撃っても平気なのはこのため.
軍事板,2009/07/15(水)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ユーチューブでコイルガンという物を見ましたが,実際に装備してる軍隊はありますか?
バッテリーを積んでる車両等なら簡単に付けられそうに思いました.
【回答】
ない.
火薬を用いる通常の銃器の方が,遙かに威力も信頼性も高いから.
電磁石で加速する以上,重機関銃程度の大きさのシステムで得られる初速は実用に耐えない.
そもそもバッテリーが切れたら撃てなくなってしまう.
かといって発動機まで付けたら,システムが大きくなりすぎる.
ちなみにコイルガンとは異なるが,艦載の電磁レールガンは研究されている.
ズムウォルト級DDGに搭載される事も検討されていたが,実用化が間に合いそうにないので先送りになった.
神゛聖\(^o^)/オワタ帝國 ◆u8nX3fKy0k in
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問 kérdés】
射程の短いロケット砲は,今じゃ限定的な用途にしか使われてないの?
【回答 válasz】
ロケットの射程が短い?
WW2じゃあるまいし,何をいっているだ?
まるちぷる らんと ろけっと しすてむ=MLRS
ロシアのMLRS B-30(および後継のタルナードs)の300㎜は射程70~90km.
最新は120kmも存在.
クラスター弾頭で鉄の雨を降らせるぜ.
一番小型の122㎜は,射程15~40Km.
中型の220㎜は,射程35~40Km.
(米軍のMLRS,あれただしくはM270な,MLRSは種類名称)
(回転式機関砲をM61じゃなくても,みんなバルカン砲って呼んじゃうのと同様)
ちなみに,米軍の155㎜自走砲M109A5の射程がロケット延伸弾(RAP)で30Km.
現状,M109系統での最大射程は45kmのがあるが,その弾種を使用できる改修型M109はまだ数が少ないが改修は進んでいる模様.
日本の99式や独PzH2000等は40kmと言われ,韓国K9や中国05式は100Kmというが,さてこれはどこまで本当だか不明.
なお,ロシアの152mm自走砲2S35は最大70Km(誘導砲弾)と言われています.
なお,ロシアはクラスター条約を批准していないので,クラスター弾頭使いまくりです.
以前のウクライナ侵攻では,ウクライナ機械化大隊2個の陣地が数分で壊滅という話がありました.
(米軍もそれを認識し,米軍側の砲兵危機論文にもよく出てくる話)
Lans ◆cFcS.yrpJw : 軍事板,2021/12/17(金)
Lans ◆cFcS.yrpJw : "5 csatornás" katonai BBS, 2021/12/17(péntek)
青文字:加筆改修部分
Kék karakter: retusált vagy átalakított rész
◆◆◆◆GMLRS
【質問】
GMLRSの最大射程は?
【回答】
GMLRSの最初の計画値では最大射程60kmだったが,Kojiiさん所の軍事ニュースによると,GMLRSの最大射程記録が70kmから85kmに更新されたとのこと.
・・・・・・まだ飛ぶのかよ.
――――――
Kojii.net - 今週の軍事関連ニュース (2008/07/08)
米陸軍は,ニューメキシコ州の WSMR (White Sands Missile Range) で実施した GMLRS (Guided Multiple Launch Rocket) の試射で,射程 85km という新記録を作った.
これまでの最大記録は 70km.
GMLRS はすでに 750 発あまりの実戦使用を記録,
命中精度の高さと付随的被害の少なさを実証したとしている.
今回の試射は Unitary Production Verification Test として実施したもので,発射器には HIMARS (High Mobility Artillery Rocket System) を使用した.
この GMLRS と HIMARS は,精密誘導兵器の分野で顕著な業績を挙げた民間企業に与えられる,William J. Perry Award for Precision Strike を 2007 年に受賞している.(Lockheed Martin)
――――――
射程85km・・・もうこれは準戦術ミサイルといっても過言じゃないな.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月08日
20:23:55
~ at 2008年07月08日 23:55:54
※複数のレスを纏めた
2008年06月29日付「週刊オブイェクト」コメント欄
青文字:加筆改修部分
【質問】
うーん,これ〔GMLRSによるスナイパー制圧〕って凄くコストパフォーマンス悪い気がするなあ.
既存のプラットフォームを流用できるとはいえ,これくらいの用途なら他のでもできる気が・・・
なんで迫撃砲で対処できなかったんだろう?
周辺への被害を危惧してかな?
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月30日 00:07:23
【回答】
兵士の命が二束三文じゃない国の軍隊にとっては,排除が困難な場所に居る,狙撃兵や機関銃・迫撃砲などを,他のもっと時間が掛かる手段で排除する間に発生するかも知れない戦死者の遺族に対して,長年に渡って支払う遺族年金の額を考えれば,こっちの方がコストパフォーマンスがいいような気が…
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月30日 00:36:23
2次大戦の頃のパイロットの育成コストが一人2億円だったっけか.
全員特殊技能職みたいな今の軍隊だと,歩兵にもそれに匹敵するコストがかかっていそうな予感.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月02日 22:50:31
正確には2年の歳月と75000ドル,現在(1993年)に換算するとおよそ2億円.
ソースは昔,NHKでやってたドキュメント太平洋戦争第3集の20~30分の間ぐらい.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月03日 00:04:59
で,対応するスナイパーにもよりますが,スナイパーを舐めてはいけません.
自軍に洒落にならない損害が出ます.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月04日 06:07:39
また,アメリカですら1発あたりの単価が高い120mm誘導迫撃砲弾XM395PGMMの開発中止を検討している・・・
81mmマーリン誘導迫撃砲弾も,単価が高いから開発国のイギリスでは装備化が見送られている.
実は使えるのが無いんだ,今のところ.
射程の短い迫撃砲では,高価な誘導砲弾はコストに見合わないらしい.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月30日 00:37:30
それに,今回はたまたま屋上だったが,場合によっては遅延信管モードにして建造物の内部ごと破壊するようなミッションもある筈.
そういう場面では200ポンド弾頭の威力が発揮されるのでは.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月30日 00:42:59
第4に,周辺に付随被害が出すぎ.
これ,市街戦だよ?
ジャベリンでトップアタックかける方がまだマシ.
ロックオンできるかどうか知らないが.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月01日 03:30:28
2008年06月29日付「週刊オブイェクト」コメント欄
青文字:加筆改修部分
戦車等も投入しても沈静化出来ない事態なので,航空機を派遣する事を考えるとペイしてしまうのかも知れない.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月02日 02:47:37
もっとも,現場はコストとか考えないでしょ.
いい感じの武器がたまたまGMLRSだっただけだよ.
155mmの誘導タイプはまだ配備されてないのかね.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月02日 15:51:29
――――――
Kojii.net - 今週の軍事関連ニュース (2007/08/17)
すでにイラクやアフガニスタンで実戦投入した GMLRS は,98% の信頼性を発揮.
273 発を使用したうち,69% は近接戦闘での使用,残りは事前に計画済みのターゲットに撃ち込んでいる.
これは 70km 先のターゲットに 82 秒で到達する.
つまり,航空機に攻撃を要請するよりも迅速な対応が可能.
――――――
航空機に近接支援を要請するより,手早く正確に近接戦闘支援を期待できるなら,そりゃ地上部隊にとって救世主だよな・・・
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月09日 02:26:59
MLRS一基に補給不要で12回援護申請可能.
HIMARSでも一基当たり6回援護申請可能.
これが発射機を中心に半径85kmの範囲に支援可能.
米軍にとっては便利な配達屋さんだね.
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月09日 04:10:42
2008年06月29日付「週刊オブイェクト」コメント欄
青文字:加筆改修部分
【質問】
M31があればアパッチ要らないのでは?
【回答】
M31じゃ対戦車攻撃は出来ないぞ.
それにな,アパッチの対戦車ミサイルにはサーモバリック弾頭型ヘルファイアがある.
窓ガラスから突入させてビルのフロアを全部吹き飛ばせるし,市街戦での使い勝手も宜しい.
とはいえ,技本で「知能化弾システム」が開発中で,これは対戦車誘導弾頭らしい.
http://www.mod.go.jp/j/info/hyouka/13/jizen/youshi/23.pdf
平成13年の政策評価書を読むと,興味深い事が分かる.
別紙1の試作品イメージ図に,明らかにMLRS用のものと思われるロケット弾が描かれている.
(他には迫撃砲弾,地上設置対ヘリ弾)
これがMLRS用の弾頭として開発する意志があるのだとしたら,あれから7年,既に出来ているのでは・・・
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月30日 22:00:36
>地上設置対ヘリ弾
対 空 地 雷 キタ―――(゚∀゚)―――!!
Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月30日 22:19:52
2008年06月29日付「週刊オブイェクト」コメント欄
青文字:加筆改修部分
◆◆◆◆MLRS
【質問】
MLRSの無誘導,手榴弾サイズの子弾は,どれくらいの密度で散布され,どのくらいの確率で車両に命中するの?
命中するにしても運良く弱点部分に当ってくれないと,装甲車両を機能停止にできないよね?
【回答】
MLRSのM26ロケット弾に積まれているM77子弾の数は644発で,アメフトコート6面分(約29000平方m)を制圧されていると書いてある.
制圧面積を子弾の数で割ると,約45平方メートルあたりに一発の子弾が落ちる計算となる.
んでもって対砲兵射撃は破片が飛び散るからよしとして,問題の敵第2梯団の装甲車に対する効果だが
(M77子弾はHEAT弾頭で装甲貫通距離が約100mm.ERAをつけた戦車相手では効果はないが,装甲車両には打ち所によっては効果あり)
旧ソビエト型自動車化狙撃兵師団の主力装甲車であるBTR-80の上方面積は約22,44平方メートル.
撃破率を50%――もともと第2梯団に対する阻止攻撃用だから,車両の機能を停止させなくても中の歩兵を死傷させ,再編成を強要すればOK――として,制圧エリアの約25パーセントの装甲車両を撃破,非装甲車両及び
暴露歩兵の大半は死傷もしくは戦闘不能だわな.
確かに戦車やERAをつけたBMP-Tのような重装甲車には厳しい――だからこそBATが開発されたわけだが――が,それに随伴する,軽装甲もしくは非装甲車両に,再編成が必要なほど打撃を与えられるのは,やはり魅力的.
軍事板,2008/06/05(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
第2梯団がどのような隊形をとっているか次第でもあるのでは?
たとえば,道路上を行軍している場合,集結地で補給を受けてる場合,などで変わってくる.
また,MLRSの子弾については不発率も考慮する必要があるし.
射程10km未満の場合,M26には不発が多くなるんだよな.
【回答】
いや,25%というのは“制圧エリア内に存在する”装甲車の”撃破率”であって,”敵部隊”の撃破率ではありませんので...
行軍体形だろうが補給体形だろうが,装甲車の上面面積は変わりませんから.
>また,MLRSの子弾については不発率も考慮する必要があるし
ええ,ですから命中時の撃破率を50%にしました.
上面からみるとおり,BTRにはHEATのジェットが貫徹しても,機能や内部の歩兵に影響しない場所が少なく(大半が乗員搭乗部とエンジンだし),不発弾を仮に20%としてもそれぐらいになるかなと仮定しました.
ですから,45平方メートル当たり子弾一発,BTRの上面面積22.44平方メートルとして,BTRに子弾が命中する確率が50%,さらに命中してBTRを撃破する確率が50%として,最終的な撃破率を25%にしました.
荒削りな上に,後半の撃破率の根拠が曖昧という,極めて大雑把な計算ですが,MLRSの有効性を知る上では良い手掛かりにはなるかと.
軍事板,2008/06/05(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
弾体直径38mm,コーン直径4cmのHEATってそこまで有効なのか?
スペック的なものは抜きにしてさ.
そんなので簡単に戦車の上面装甲抜けるんだったら,今頃歩兵の装備品と戦車の防御は一式塗り替えられていると思うんだが.
【回答】
上面に必ず垂直方向から当たる,っていう条件なら効果はある.
実戦例で言うなら,アパッチのM230チェーンガンはT-55を上面から破壊できた.
あれ,徹甲弾じゃなくM789HEDP弾.
HEDPはHEATより貫通力は悪くなるが,それでもT-55は撃破出来た.
M789 HEDP
High Explosive Dual Purpose
Team: LW30mm
Height (max): 199.75mm
Weight: 350.5g
Number Produced: 3M
Muzzle Velocity (nominal): 800 m/s
Chamber Pressure (typical): 415 MPa
Trace (typical): Available
Penetration (typical): 25mm RHA @ at 500m
これでT-55を上面の何処からでも貫通でき,T-72相手にも薄い箇所なら効果があったとの事.
弾薬内部はこういう構造.
でも歩兵が水平方向から40mmのHEATを放り込んでも,垂直には当たらないから比較にはならないだろう.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
M77だが.実際は角度があったり,スタンドオフ距離がずれたりして,理想的な侵徹長が得られない可能性があるのでは?
【回答】
側面や正面を狙った射撃の場合,角度が付いてしまう事はよくあるが,上空からリボンやバリュートで姿勢制御しながら上面装甲を狙う場合は,角度が付くパターンは少なくなる.
戦艦の舷側装甲を狙う場合と水平装甲を狙う場合との違いに近い.
舷側装甲は相手との正対角度で装甲突入角が変化するが,水平装甲は砲弾の弾道角のみに依存し,艦の向きは関係無い.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
M270 MLRSがM270A1 MLRSにかわった際に,FCS(?)の改良で大幅な再装填時間の短縮があったそうなんですが,どういうことでしょう?
【回答】
ランチャーを俯仰左右可動する装置のコントロール能力が改良されたので,それまでと違って
「上下角度を変えながら旋回させる」ことができるようになった.
それまではランチャーは「上下動」させるか「左右旋回」させるかどちらかの動作しか一度にはできないので,2次元的にしか動かせない.
それを3次元的に動かせるようになったので,照準して発射した位置から再装填位置まで動かし,また新たな発射位置まで動かす,という一連の動作が高速化された.
なので,装填-照準-発射-再装填- というサイクルを改良前よりも早く行う事ができるように
なった訳.
軍事板
青文字:加筆改修部分
上の説明に時間的なものなどの補則をあえて付けるとこうなる.
MLRSはキャニスター・モジュールのランチポッド方式を用いた再装填のため,6本組を2回入れるだけで完了する
この為,M270の再装填時間は元から非常に早く,9分弱ほど,実際1発ずつ装填するようなものでは,この3倍近い時間を要するものもある.
これはもう,大幅な短縮の余裕がないほどだ.
ではM270A1どこが変わったかと言えば,装填に要する時間ではなく,照準に要する時間だ.
今までは別々だった横軸・縦軸の起動,つまり旋回・俯仰を同時に調整することによって時間を大幅に短縮し,93秒だった目標への指向作業が16秒へと短縮された.
これにより全体時間も短縮され,7分弱へと変わった(8割もの短縮).
ただしこれは双方,照準調整に要する最大の時間(180度真後ろを向き,最小仰角から最大仰角へ)としたものなので,実際は数分短く,差は大きい.
射撃統制系の改良による時間の短縮とは,おそらくこのことだろう.
つまり,再装填時間ではなく,再照準時間の短縮による再発射までの時間全体の短縮 と言うのが正しい
.
そういえば,射撃統制系の改良以外に,発射機のメカニズム自体の改良で再装填時間が短縮されているとする記述があったような….
名無し上級大将 ◆80fYLf0UTM in 軍事板
青文字:加筆改修部分
◆◆◆◆種類定義
【質問】
近代の攻城砲とは普通の野砲とどう違うのでしょうか?
【回答】
近代といわれても,曖昧すぎるので,答えも曖昧にならざるを得ないのだが.
大砲はもともと城攻めの機械として普及したので,当初は火薬や砲弾の威力の低さもあって,巨大な大砲が好まれた(そうでないと城壁を壊せなかった).
あまりの大きさに移動させる事が出来ず,戦場で鋳造したというケースも中世まではあったらしい.
というのも,通常中世の攻城戦は平均三ヶ月続いたので,移動させることはほとんど考慮しなくてよかったから.
しかし英仏百年戦争後,フランスで国王シャルル七世によって,軽量で車輪付きの砲架に載せられた大砲が国王砲兵隊に採用されて,大砲という武器に新たな可能性が加わった.
軽量化,小型化で戦場での布陣がはるかに容易になったから.
後にラヴェンナの戦い(1512年)で初めて,フランス砲兵隊は城攻めではなく野戦で大砲を活用したので,ここで初めて野戦砲というカテゴリーが生まれたと言ってもいいと思う.
(もちろん,フランス砲兵隊も城攻めで大砲を使わなかったわけではなく,むしろそちらがメイン)
よって,攻城砲と野戦砲は当初同じものであり,戦場での使いやすさから,より小型のものが野戦砲と呼ばれるものになり,大型のものが攻城砲として生き残ったというわけ.
軍事板,2005/07/15(金)
青文字:加筆改修部分
【質問】
「砲」を意味するgunとcannonは,どう違うの?
【回答】
DoDのGunの定義では,
1.A cannon with relatively long barrel, operating
with relatively low angle of fire,and having
a high muzzle velocity.
2.A cannon with tube length 30 calibers or
more.
<適当訳>
1.比較的長砲身で,比較的低角度で操作され,高い砲口初速をもつ大砲
2.30口径以上の砲身を持つ大砲
gunやらmortarやらの大砲類をひっくるめてcannonと呼んでるらしい.
なお,同僚のロシヤ人(米国在住歴長い)曰く,
「”cannon”はなんつーかタネガシマ?みたいな感じだよ.ださいし.それかカメラ?」
・・・だそうです.
所変われば,の良い例ですね(;´Д`)
迫撃砲mortarは
A muzzle-loading, indirect fire weapon with
either a rifled or smooth bore. It usually
has a shorter range than a howitzer, employs
a higher angle of fire, and has a tube with
a length of 10 to 20 calibers.
榴弾砲howitzarは
1. A cannon that combines certain characteristics
of guns and mortars. The howitzer delivers
projectiles with medium velocities, either
by low or high trajectories.
2. Normally a cannon with a tube length of
20 to 30 calibers; however, the tube length
can exceed 30 calibers and still be considered
a howitzer when the high angle fire zoning
solution permits range overlap between charges.
とはいえ口径長40や52なんてのも榴弾砲だったりするから,絶対視しないように.
また,cannonはナポレオン時代以前の大砲を指す場合もあります.ガレオン船の横っ腹に付いているようなあれとか.
それと,広義の意味で「大砲」という場合にも使われます.
【質問】
速射砲とは連射速度の速い砲のことなんですか?
それとも高速で砲弾を発射する砲のことですか?
ウィキペディアとかで調べても,どちらとも取れるニュアンスの記述しか見つかりませんでした.
確か何かの本で,一式47㎜速射砲だったか一式47㎜速射砲だったかの説明に,
「速射砲とは高速弾を発射する砲のこと」
みたいな記述があったものですから,あれは嘘で,一式速射砲は当時の日本陸軍では連射性能のよい砲,と認識してよいのでしょうか?
【回答】
速射砲=rapid firing gunは自動砲を含め,相対的に発射速度の速い砲一般を呼ぶようになったが,もともとは駐退機を介して砲身を架台に装着した後装砲を指した.
南北戦争くらいまでの野砲は砲架に砲身を直接固定していたため,発射と同時に反動で砲架ごとがらがらと後退し,あらためて照準をやりなおす必要があった.
後装式の実用化にくわえて砲身の反動を吸収する水圧駐退機が発明され,砲架が固定できるようになって発射速度が非常に上がったので,これを従来の砲と区別して速射砲
rapidf iring gunと呼ぶようになった.
19世紀中期~20世紀初期くらいの文献に出てくる「速射砲」は,このようなものを指しているので注意.
日本陸軍の場合,「速射砲」とは,排莢を射撃後自動でやってくれる機能のついた砲のこと.
速射砲ではない通常の砲は
・発砲ー後座ー閉鎖器開放ー薬莢排出ー復座
というプロセスが必要なので,発砲してから次段装填可能な状態になるまで時間がかかる.
それが自動化されて高い発射速度を得られるので,「速射砲」.
94式37mm速射砲,一式37ミリ速射砲,の二種類があった(試作含めれば他にもあったと思った)が,どっちも対戦車砲.
さらに,現在の艦砲を速射砲と呼ぶ事も有る.
【質問】
バズーカと無反動砲って別物なんでしょうか? もし,別物なら何処が違うのですか?
【回答】
バズーカは, | 対戦車用の弾頭をつけたロケット弾を発射する装置.ぶっちゃけて言うと,発火装置のついてるただの筒. なお,”バズーカ”というのは,正確にはアメリカ軍が第2次世界大戦中に開発/装備した対戦車ロケット弾発射筒のニックネームなので,正確には”バズーカ”と呼んでいいのは幾つかの種類のみ. ドイツでは「パンツァーシュレッケ」と呼び,日本では「対戦車噴進砲」と呼んだ. |
無反動砲 は, | 発射した弾の発生させる反動力と同じだけのエネルギーを砲の後方に発生させて,発射反動を相殺する機構を持った大砲. 反動の相殺方法には,薬莢に細かい穴を開け,閉鎖器に設けた隙間から後方にガスを噴射する方法と,発射する弾と同じ質量の物体を,後方に飛ばす方式(デイビス方式と呼ぶ)がある. バズーカと違い,無反動砲には閉鎖器機構があり,砲身にはライフリングが刻まれ,砲自身も発射時の衝撃に耐える強度を持つ. |
【質問】
無反動砲とロケット砲の違いは?
【回答】
◆無反動砲とロケット砲
・ロケット砲は,推進薬が点火してから比較的長く燃焼する.
つまり純然だるロケット砲は,砲口を出た時の速度は遅く,砲口を出てからもしばらく
加速する.
・無反動砲は,砲内の装薬のみで弾頭を飛ばす.
つまり弾頭の加速は砲内のみで終わり,砲口から弾頭が出た瞬間がもっとも速度が早い.
砲口から出た後は慣性で飛翔する.ここまでだけならば通常の砲と同じである.
・無反動砲は,後方に燃焼ガスやカウンターウェイトを吹き出す.つまり前後砲口
にほぼ同じ反動が生じる事によって,反動が相殺されるわけである.
◆無反動砲には,ディビス式,クルップ式,クロムウェル式が有る.
↓こちらに良くまとめてあります,といいますか記憶が曖昧なので参考にしました.
http://www004.upp.so-net.ne.jp/weapon/recoilless.htm
・元祖?無反動砲のデイビス式無反動砲
後方にカウンターウェイトを置き,それを後方に飛ばす事によって反動を相殺します.
元祖のものは鉛などをカウウンターウェイトにしたので,後方危険区域が大きく,重いと
いう欠陥があった.パンツァーファウスト3でカウンターウェイト等の改良により復活.
・クルップ式無反動砲
・クロムスキット式無反動砲
上の二つの違いはいまいち解らないが,噴射ガスで反動を相殺するのは同じ.
(上記サイトを参照の事と言って逃げておこう)
クロムスキット型のほうがクルップ式よりも弾速が低下しない.
ただし,構造上,薬室?部が太く重量も増す.
◆実際は,無反動砲とロケット砲を組み合わせたものが多いようだが・・・
この組み合わせたものというのは,無反動砲として発射して砲口から出た後,弾頭後部の
ロケットモーターが点火して推進力を出すわけである.
著名な(というか自分が思いつく)ものを例にする(無反動砲もロケットもあいのこもだが)
・バズーカ:ロケット砲
・RPG-7:クルップ式+ロケット砲
弾頭後部のロケット推進部に比べ発射薬が小さいので基本的にはロケット砲では?
発射後,10mほどでロケットに点火するそうだし.
・カールグスダフ:クロムスキット式+ロケット
無反動砲としての装薬の薬きょうが弾頭内部の推進役よりずっと大きいためロケットは補助.
というか弾頭内のは「補助推進薬」と呼ぶはず(赤本に書いてあったような・・・)
・パンツァーシュレック:ロケット砲(基礎設計はバズーカのコピー)
・パンツァーファースト:ロケット砲と思われている事が多いようだが,クルップ式無反動砲.
弾頭部に推進役は無い.
・パンツァーファウスト150:クルップ式+ロケット(?)
海外ウェブによると,二つの推進薬を持つとあり,図では弾頭後部に推進薬が有るとされ
ていたのでこれで間違いないと思う.後継の250は発射筒が再使用可能となり,これが
ソ連のRPG-2の原型となったと言われる.
・パンツァーファウスト3:デイビス+ロケット,図ではどちらがメインか解らない.
カウンターマスをプラスチック等にする事により,後方の危険範囲を大幅に小さくした.
また後方爆風を抑制され,発射時に露呈しずらくなった.
・M72-LAW:ロケット砲.米軍の,小型の歩兵携帯用使い捨てロケット砲.
・105mm/106mm無反動砲:クロムスキット型無反動砲.
初速が速いクロムスキット型で,砲身長も長い故だと思われる.
無反動砲いろいろ
(画像掲示板より引用)
【質問】
電熱砲とか電気化学砲とか初めて聞く単語なんだが,どういう砲なの?
【回答】
電熱砲は薬室に電気を通す液体を充填,電気エネルギーをプラズマの熱エネルギーに変換して,燃焼ガスを高温のままにすることによって高速を得る砲.
電気化学砲は,作動媒体(化学燃焼する液体など)内でプラズマを起こしガスを発生させ,その圧力膨張+発射薬の化学燃焼エネルギーで砲弾を打ち出す砲.
メリットは火薬(媒体としての限界があるそうな)よりも高効率で,(60~80mmETC砲でも,140mm砲に匹敵するエネルギーを発揮できるらしい)電磁砲とは違い既存の滑腔砲が使用できること,そして電熱砲より少ない電力で発射可能なこと.
電子化学砲は,日本である会社が特許を取得し,暫くしてから,水にアルミニウム粉末を混ぜた状態のスラリーを用いる発射方法が,アメリカで基本特許として成立していました.
どうやら日本の特許申請は認められなかったようです(^_^;).
この発射方式のメカニズムはきわめて単純でして,アルミニウムが酸化するときに,水から酸素を奪いうことで,超高温状態の水素ガスを発生させ,弾丸を加速すると言うものです.
いわば,電子熱砲と火薬銃の良いトコ取りのようなモノなのですが,今のところ高温すぎるガスによる砲身の融解と高すぎる圧力に,燃焼室の強度が追いついてこないなどの理由で,実験室レベルでの研究にとどまっているようです.
電子化学砲には,もう一つ欠点があります.
現在精力的に研究中らしいですけど,巨大なエネルギを取り出せる割には,反応を抑制させるチューニング領域が極めて狭いらしく,この幅をはずすと砲として使用できる反応速度が得られないというのもあります.
これだったら,爆薬を用いて水素を圧縮して弾丸を発射するという方式(これも実験レベルでは用いられていました)のほうが制御が楽という話もあります.
反応速度の上昇とか,反応温度の上昇でしたら,いくらでもチューニングの余地はあるんですけどねぇ.
単純に銀を用いるだけで二桁近い熱量が得られますし.
高価なモノになりますけど(笑).
◆◆◆◆迫撃砲
【質問】
迫撃砲のことを前に少し調べてみたのですが,よくイメージが掴めませんでした.
取り敢えず,「筒のような物を三脚(?)で立てて,砲口から弾を入れる.
そして弾が入った途端,そのまま発射され,放物線を描いて着弾する」といったものが迫撃砲だと捉えてもよろしいのでしょうか?
(調べたら,戦車みたいな迫撃砲もあって,これでよけいに混乱してしまいまして……)
【回答】
おおざっぱにいえば, Mortar(迫撃砲および臼砲.英語では区別されない)とは砲身が短く仰角,つまり撃ち出す角度が大きい砲の事.
射程距離は短いが砲の大きさ(重量)に比べて重量,つまり爆発する火薬量の大きい弾を撃ち出す事ができる.
口径が大きく(数十センチ),主にトーチカなど堅固に防御された目標や広範囲に損害をもたらすものが臼砲.
重量が大きいため,車両で牽引・列車に搭載・自走砲化する事が多い.
よって運用には人手や手間が必要.
迫撃砲は口径が小さく(数センチ),数名の人員で運搬・組み立て・発射が可能.
人力で運搬できる兵器としては威力は大きく,状況によってすばやく移動する事ができる.
主に人を殺傷する事が目的で,塹壕などで作られた敵陣の攻撃や,突撃してくる敵を阻止するために用いられる.
ロケット砲(弾)は発射装置がさらに軽量だが,発射火薬の量の調整みたいなことが出来ない(射撃距離が限定される).
迫撃砲弾より大きく,初速が低いですから風に流され易い(ロケット花火を想像してもらえば良いかと).
普通は多数を同時発射することで,命中精度が悪いのを補う.
迫撃砲弾は,発射火薬をくっつけて砲口から中に落とすだけで発射される.砲口から滑り落とすと砲身底部にある撃針に触れて発射するための火薬が点火し撃ち出される仕組み.従って発射速度が速い(早撃ち花火みたいなもの).
また,普通の大砲と違い,迫撃砲弾は,発射されて飛んでいく弾体そのものに,推進剤が内蔵されている.(これと”ロケット弾”との違いは,推進剤が発射時に全部消費されること.ロケット弾は発射後の 飛行時にも燃焼が継続している)
カノン砲などは砲身に刻まれた旋条(螺旋状の溝)によって回転が与えられ弾道が安定する.
しかし迫撃砲弾は回転せず,砲弾につけられた尾翼によって弾道の方向安定を図る(自衛隊も採用している120mmRTなど,ライフルを持つ迫撃砲もある).
そのため風などの影響を受けやすく,命中精度はそれほど高くはないが,弾道の関係上真上から落ちてくるので回避しづらい.
また,それなりの射程距離があるので狙われてるのが解からないのに,いきなり間近に落ちてくる.そのため,逃げる暇も伏せる暇もないので,狙われる方からすると,とても命中率いものでいきなり攻撃されたように感じる.
もちろん,狙いをキチンと定めれば(目標までの距離と角度をキチンと算定すれば),建物への直撃も充分狙える.
【質問】
迫撃砲の種類で,大口径なものの中には後装式迫撃砲があるそうなのですが,大口径後装式迫撃砲は野戦榴弾砲とどう違うのでしょうか?
(使用方法,使用目的,榴弾砲と後装迫撃砲の境界等)
【回答】
基本的に迫撃砲は低腔圧・前装で簡易・軽量な代わり低射程な臼砲の一種.
英語では迫撃砲も臼砲もmortarと表記するしな.
歩兵で運用可能で弾頭重量/砲重量が大で大落角,前線での運用が便利な簡便な砲だ.
だから後装にし射程を延ばした迫撃砲は,榴弾砲と差が無くなってくる.
ちなみに日本陸軍では,150mmでも中迫撃砲.
重迫撃砲だと300mmだな.
また,旧ソヴィエトには,核砲弾飛ばすための300mm級の自走超重迫撃砲があった.
軍事板,2008/09/27(土)
青文字:加筆改修部分
【質問】
迫撃砲は何時できたものなのでしょうか?
【回答】
17世紀後半には,迫撃砲の原型は存在していました.
しかし,火砲の発達により,忘れられた存在になってしまいました.
近代における迫撃砲は,まず日本で開発されました.
日露戦争の折の旅順攻略戦では,最前線で爆薬や手榴弾による投擲戦が続いていました.
これを見た今沢義雄工兵中佐が,木製の,花火に用いるような即席の発射筒を考案し,大いに威力を発揮しました.
これを受けて技術審査部でも10センチ半携帯迫撃砲を開発,旅順に送りました.これは金属製の発射筒と撃発機を持つ本格的なものでした.
その後,いったんは忘れられた迫撃砲ですが,第一次世界大戦の塹壕戦で再び登場します.
英国が開発したストークス迫撃砲は,現代にいたる迫撃砲の原型とも呼べる砲となります.
戦後,開発者であるストークス卿はフランスのブラント企業体に招かれ,1930年代にストークス/ブラント迫撃砲が登場し,これを模倣した迫撃砲が各国で生産されて普及していきました.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2004/8/27
青文字:加筆改修部分
【質問】
映画「プライベート・ライアン」の中で,迫撃砲弾の後ろを硬いところで叩いて,手榴弾のように相手に投げつけて爆破させるということをやってましたが,本当にそういうことができるのでしょうか?
砲弾の後ろを硬いところで叩いた瞬間に,砲弾が飛んでいってしまうように思えるんですが.
【回答】
叩くのは,発射時の衝撃で解除される安全装置を強制的に解除するためです.
これをしないと,なげつけても信管が作動しません.
発射薬用の信管を上手に叩いてしまうと発火する可能性はあるでしょうが,たいていカバーとかされてるんじゃないかと.
(system ◆systemVXQ2)
▼ 迫撃砲の砲弾の着発信管は,一般的な砲弾の信管よりはチャチに出来ています.
発射した衝撃で信管のロックが外れるわけです.
イタリア戦線にて,米軍兵士が接近戦で行った実話が元ネタです.
野砲の砲弾は発射後,回転する遠心力でロックが解除します.
不発で地面にめり込む(5~10m)と,またロックがかかります.
一等自営業 ◆JYO8gZHKO. in 軍事板,2007/04/27(金)
青文字:加筆改修部分
▲
迫撃砲図解
(画像掲示板より引用)
【質問】
わざわざ車輪付けて,引っ張らなくてはならない重迫撃砲って必要なの?
【回答】
実はそこら辺,現状でも意見が分かれてるのよ.
砲兵に頼らない,歩兵の自前の支援火力として迫撃砲は存在意義があると主張されているが,野砲の射程が伸び,精度も向上するなど,砲兵の自由度が向上している現在,果たして歩兵に自前の「砲兵」が必要かどうか.
40ミリクラスのグレネードランチャーが自動化して火力が向上し,携帯ミサイル,ロケットランチャー,携帯無反動砲が一般化した現在,迫撃砲という短射程,低精度の支援火器にどのていど有効性があるか.
各国によって迫撃砲の重要性はとらえ方が違う.
米軍じゃ迫撃砲は限定的な兵器になってしまったし,自衛隊じゃ逆に重視している.
これから先はわからんね.低烈度紛争じゃ有効かも知れないし.
ただし自走迫撃砲に関しては,それなりの意味づけがある.
迫撃砲弾は遅く,射程が短いために対砲レーダーに容易に探知される.
だから素早く射撃状態に入り,撃ったらすぐ移動する必要がある.お返しが来るからね.
【質問】
120mm迫撃砲 RTって何?
【回答】
120mm迫撃砲 RT(Mortier 120mm Raye Tracte
Modele F1, MO 120 RT)は,フランス・トムソン-ブラーント社が開発した迫撃砲.
口径120mmで,砲身はライフリングされており,従来の野砲並の威力を持ち,特に長射程を実現.
1980年代後半よりフランス陸軍において採用されている他,日米独伊蘭白土伯などでライセンス生産されている.
【参考ページ】
http://ja.wikipedia.org/wiki/120mm%E8%BF%AB%E6%92%83%E7%A0%B2_RT
http://rightwing.sakura.ne.jp/equipment/jgsdf/firearms/120m-rt/120m.html
http://fr.wikipedia.org/wiki/MO_120_RT
http://en.wikipedia.org/wiki/Mortier_120mm_Ray%C3%A9_Tract%C3%A9_Mod%C3%A8le_F1
写真1・フランス陸軍第2外人連隊にて操作中のRT
(http://fr.wikipedia.org/wiki/MO_120_RTより引用)
写真2・陸自のRT@富士総合火力演習
(「ふたば」掲示板より引用)
【ぐんじさんぎょう】,2011/11/06 20:40
を加筆改修
【質問】
L16 81mm迫撃砲って何?
【回答】
第2次世界大戦でイギリス軍が使用したML 3インチ迫撃砲の後継として開発され,1965年に英軍に正式採用された迫撃砲.
砲身など主要3部分に分解することで,人力でも運搬が可能であり,フォークランド紛争でも歩兵が分解運搬している.
81mmクラスの迫撃砲としてはずば抜けて軽量であり,そのため,陸上自衛隊など39カ国で採用された.
【参考ページ】
http://en.wikipedia.org/wiki/L16_81mm_Mortar
http://www.geocities.jp/aobamil/shasin/L16/L16.html
http://gunnzihyouronn.web.fc2.com/rikuzi/kaki/kahou/hakugeki/81mm/81mm.htm
【ぐんじさんぎょう】,2011/09/21 20:20
を加筆改修
自衛隊のL16
撮影:へぼ担当
◆◆◆◆無反動砲
【質問】
無反動砲なのですが,撃ったとき本当に無反動なのでしょうか? それとも射手は,拳銃や小銃を
撃った程度の反動を体感しているのでしょうか?
もちろん,厳密な測定で完全な無反動というわけではないでしょうが,射手が体に感じる反動が
有るか無いかということで.
【回答】
無反動砲は発射ガスを後方へ噴出することによって反動を軽減する機構であり,まったく反動がないわけではありません.
「砲身の後座や頑丈な砲架を必要とするほどの反動がない」
という程度に「無反動」なわけです.
ステンレス・スチールがまったく錆びないわけではない,という程度と思えばよろしいかと存じます.
【質問】
無反動砲に,薬莢に小穴が開いていないものを見たんだけど……?
【回答】
無反動砲には
*デイビス式(砲弾と同等の質量を持つ物体を後方に飛ばす,イギリス由来)
*クルップ式(砲弾の発射ガスを後方に噴出する,ドイツ由来)
*クロムスキット式(クルップ式の改良型,アメリカ由来)
とあって全部が全部薬莢に小穴が開いてる訳じゃありませんぜ.
カールグスタフはクルップ式ですな.
【質問】
無反動砲の形式にはどんなものがありますか?
【回答】
クロムスキット式:
別名アメリカ式.
薬莢に細かい穴が開いており,そこから噴出した発射ガスが後方に噴出して反動を相殺する.
砲の後尾部分が一段太くなっているのが特徴.
アメリカ以外ではほとんど見ない.
クルップ式:
別名ドイツ式.
砲弾の後尾から発射ガスを後方に噴出して,反動を相殺する.
この方式の砲弾は薬莢がなく,弾丸部と装薬部が一体になった砲弾であることが多い.
ちなみにドイツのパンツァーファウストとソビエトのRPG-7もこの方式.
デイビス式:
発射する砲弾と同質量の物体(大概は粘土か樹脂)を後方に飛ばすことで反動を相殺する.
ガスを噴射する方式に比べ,後方の危険域が小さいという利点がある.
また,高温のガスを噴出しないので,ある程度の密閉空間でも使用可能.
バーニー式:
別名イギリス式.イギリスのバーニー卿が発明したのでこう呼ぶ.
基本的にはクルップ式と同じだが,砲の後尾が小さなロケットノズルを何個か寄せ集めたような形になっていて,クルップ式に比べて後方噴射が少ない.
イギリスのBAT砲(BATとは大隊対戦車の略)が有名.というかそれだけ.
【質問】
バックブラストとはいわゆるバズーカの様な,後方にカウンターマス(弾体発射時の反動を後方にガスを噴射する事で錘を飛し,反動を相殺するもの)を飛ばす様な仕組みの砲のもの?
【回答】
「バックブラスト」と「カウンターマス」の認識が,ごっちゃになってる.
1. バズーカはロケットランチャーであり無反動砲ではない
2. 無反動砲はカウンタ-マスを飛ばすタイプだけではない
3. バックブラストはカウンタ-マス式の無反動砲ではあまり生じない
4. バックブラストは無反動砲だけでなくロケットランチャーでも生じる
無反動砲のカウンターマスは,第1次大戦で航空機に搭載した,ごく初期のデイビス式だと,鉛の粒の入ったワックス(蝋),近年のパンツァーファウスト3だと鉄粉製.
撃ち出す砲弾と同じ質量を反対側に射出して,反動を相殺するもの.
第2次大戦で使われた,カウンターマスを使わないクルップ式(独軍)とクロムスキット式(米英軍)では,発砲時に発生するガスを,後方に高速で噴出させ,反動を相殺する.
この時噴出した爆風を,「バックブラスト」と呼ぶ.
軍事板,2009/07/15(水)
青文字:加筆改修部分
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