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第一一号型(甲型)魚雷艇 第一四号

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 日本海軍の潜水艦とか駆逐艦の魚雷についての質問です.
 日本海軍の魚雷は533mmなのですか?
 それとも,53センチ(530mm)なのですか?
 どっちなんでしょうか?

 市販本などにいちおう目は通したのですが,記述がばらばらでさっぱりわかりません.

 【回答】
艦載用
・九三式一型 直径610mm 全長9m 重量2800kg 炸薬量500kg
・九三式一型改二 直径610mm 全長9m 重量2800kg 炸薬量480kg
・九三式三型 直径610mm 全長9m 重量2800kg 炸薬量780kg
・九六式 直径533mm 全長7.1m 重量1615kg 炸薬量400kg
・九八式 直径450mm 全長5.5m 重量957kg 炸薬量350kg

潜水艦用
・九五式一型 直径533mm 全長7.15m 重量1665kg 炸薬量400kg
・九五式二型 直径533mm 全長7.15m 重量1720kg 炸薬量550kg

甲標的用
・九七式 直径450mm 全長5.6m 重量1050kg 炸薬量350kg

航空機用
・九一式 直径450mm 全長5.27m〜 重量784kg〜 炸薬量150kg〜(各種あり)
・九四式一型 直径533mm 全長6.7m 重量1500kg 炸薬量350kg
・九四式二型 直径0.45m 全長5.3m 重量810kg 炸薬量200kg

○六(丸の中に漢数字の6)金物(人間魚雷「回天」の開発名称)
・一型 直径1000mm 全長14.5m 重量8000kg 炸薬量1600kg

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 すいません,日本駆逐艦の53cm魚雷と61cm魚雷についての質問です.
 調べても53cm魚雷の資料が分からないので,簡単に性能を教えてください.
(古いからでしょうか.61cmは把握してます)
 もう1つ,駆逐艦の53cm魚雷に「酸素魚雷」があったかどうかもお願いします.

 【回答】
 四四式:直径53.3cm 全長6.7m 重量1,325kg 炸薬160kg 雷速/射程27kts/10,000m,35kts/7,000m,36kts/8,500m 空気式
 六年式:直径53.3cm 全長6.8m 重量1,432kg 炸薬203kg 雷速/射程27kts/15,500m,31kts/10,500m,38kts/10,000m 空気式
 八九式:直径53.3cm 全長7.2m 重量1,668kg 炸薬300kg 雷速/射程36kts/10,000m,43kts/6,200m,45kts/5,000m 空気式

 駆逐艦用53cm魚雷に酸素魚雷はありません.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2005/12/23(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 WW2の日本の魚雷の炸薬量は多いけど,威力は欧米ほどじゃないというのをネットで見ました.
 そこで質問なんですが,欧米の炸薬はどれも日本の炸薬(九七式爆薬)より威力上だったんですか?
 例示されていたのはアメリカのトルぺックス? だけだったんですけど,ドイツやイタリア,フランスもまた然り,と思っていいのでしょうか?
 出来ればそれぞれの国の魚雷の代表的な炸薬についても教えてください.

 【回答】
 トーペックス(トルペックス)はイギリスが開発した火薬.
 それを米軍に技術供与して,米軍がさらに改良したのがHBX火薬.
 イギリスにも逆供与された.
 まとめてトーペックスと呼んでしまうことが多い.

 九七式爆薬はTNA系列でしたね.
 ドイツはTNTベースです.
 両国ともそれにHMDを足すのが基本です.

 ドイツではさらにアルミニウムを足したのが主流だったはずです.

◆yoOjLET6cE in 軍事板
青文字:加筆改修部分

 トーペックスが強力なのは周知の通りだが,日本の炸薬も改良されておりTNT換算1.3倍くらいある.
 トーペックスが一歩抜け出たとはいえ,総合的にみてTNT換算で日本の酸素魚雷が最強なのは揺るがない.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 WW2の頃の魚雷についてなんですが,
1どのような部分がコストを大きくしていたのでしょうか?
2どういった方法でか.廉価にする努力は払われたことがあるのでしょうか?
3.精密加工や冶金の面で遅れを取っていた日本が,高スペックの魚雷を実戦配備出来たのは,一品ものだからなのでしょうか?

 【回答】
>1どのような部分がコストを大きくしていたのでしょうか?

 気室.
 全長の半分を占めるくせに,「ニッケル・クローム鋼またはニッケル・クローム・モリブデン鋼鍛造の円筒の削りだし」のため,魚雷価格の半分が材料と加工費なんだそうで.

>2どういった方法でか.廉価にする努力は払われたことがあるのでしょうか?

 あまり安くすることに固執していなかったのでは?
 日本の場合,魚雷の生産は長崎の三菱が一手に引き受け,延べ生産数は91式航空魚雷で7343本,95式長魚雷で2699本になる.
 月産で200本程度だったらしい.

 現代の海上自衛隊の生産数は,左翼のブログ(笑)によると短魚雷が年間23〜24本,長魚雷で5〜6本だそうで.

 キャビテ軍港で開戦劈頭に吹っ飛ばされた備蓄が270本.
 これがないおかげで,太平洋艦隊の潜水艦の活動が1年は低調になったし.

>3.精密加工や冶金の面で遅れを取っていた日本が高スペックの魚雷を
>実戦配備出来たのは一品ものだからなのでしょうか?

 そうみたい.
 完成すると試射して航走するのを確認してから納入.
 部隊では演習用頭部というものを用意して,演習にはこれを使う.
 中には浮きが仕込んであって,エンジンが止まると浮き上がってランプつけたり,発炎筒をたいたりする.
 ほかに航走状態自動記録装置というのも入っていて,あとで回収してからチェックして,「魚雷の癖をつかむ」のだそうだ.

ふみ in 軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 61cm魚雷には,酸素魚雷とそうでないのがあるの?

 【回答】
 Yes.

 以下に,日本海軍の魚雷の種類を示す.

水上艦艇用
名称 直径 全長 重量 炸薬量 射程距離(ノット*m) 動力
六年式魚雷 53.3cm 6.84m 1,430kg 205kg     36*7,000   圧縮空気
八九式魚雷 53.3cm 7.15m 1,625kg 295kg 45*5,500   36*11,100   圧縮空気
八年式魚雷 61.0cm 8.415m 2,340kg 345kg     38*10,000 27*20,000 圧縮空気
九〇式魚雷 61.0cm 8.55m 2,540kg 390kg 46*7,000 42*10,000 35*15,000   圧縮空気
九三式魚雷一型改乙 61.0cm 9.00m 2,700kg 490kg 48*20,000 40*32,000 36*40,000   酸素
九三式魚雷三型 61.0cm 9.00m 2,800kg 780kg 48*15,000 40*25,000 36*30,000   酸素
潜水艦用
名称 直径 全長 重量 炸薬量 射程距離(ノット*m) 動力
九五式魚雷一型 53.3cm 7.15m 1,665kg 400kg 49*9,000 42*15,000     酸素
九五式魚雷二型 53.3cm 7.15m 1,720kg 550kg 48*5,000 40*9,000     酸素
九七式魚雷(甲標的用)  45.0cm 5.60m 1,050kg 350kg 45*5,000       酸素
航空機用
名称 直径 全長 重量 炸薬量 射程距離(ノット*m) 動力
九一式魚雷改一 45.0cm 5.27m 785kg 150kg   42*2,000     圧縮空気
九一式魚雷改二 45.0cm 5.47m 838kg 205kg   42*2,000     圧縮空気
九一式魚雷改三 45.0cm 5.27m 855kg 235kg   42*2,000     圧縮空気
九一式魚雷改七 45.0cm 5.47m 1,055kg 420kg   42*1,500     圧縮空気

 航空魚雷にも酸素魚雷が採用される予定はあったが,実現はしていない.

 【参考ページ】
『日本海軍 歴群[図解]マスター』(学研パブリッシング,2010/11/08),p.108-109

http://www52.tok2.com/home/BByamato/heisou.html

軍事板,2013/08/17(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 何で酸素魚雷は廃れてしまったのでしょうか?
 魚雷自体は今でも潜水艦などの主力兵装として使われているのに.

 【回答】
 艦対艦攻撃兵装としての超長射程魚雷の必要性がなくなったから.
 あと,誘導魚雷が当たり前になったので,「航跡が見えないから狙われてるのがわからず,回避が難しい」というメリットに意味がなくなってしまった.

 さらに,魚雷から酸素が漏れて(潜水艦の場合)艦内に充満したら非常に危険です.僅かな火花でも大爆発がおきるから.
 対艦用ならミサイルのほうが便利で安全.
 母艦のソナーの探知範囲では対潜水艦用としても意味が無いのです.

現在も残る酸素魚雷発射試験施設
(ベタ藤原 in mixi,2011年06月21日21:58)


 【質問】
 日本海軍の魚雷の積み込み作業はどのように行われるのか?

 【回答】
 魚雷は積み込まれた後に魚雷発射管・次発装填装置・予備魚雷の格納場所に運ばれますが,これらが露天甲板上に無い場合は,船体側面や上部構造物の開口部から搬入されます.
 積み込まれた魚雷は,天井や甲板上の軌条に沿って所定の位置まで移動します.

 重巡は露天甲板下に魚雷発射管を装備したものが多いですが,上に書いた通り側面の開口部などから積み込みました.
 魚雷発射管のある開口部からやその脇に開口部を設け,魚雷の搬入口とした場合もありますし,上部構造物の前面や後面の通路から積み込む場合もありました.
 側面の写真を見ると,開口部の直ぐ傍に魚雷積み込み用のダビットが付いているのが見えることもあります.


 【質問】
 第二次大戦頃の日本海軍艦艇に搭載されていた魚雷発射管について質問です.
 この魚雷発射管は海戦中,全部艦内から操作出来たのでしょうか?
 それとも魚雷員が甲板に出て,発射管の周りで操作していたのでしょうか?

 【回答】
 旧式戦艦についていた固定式の魚雷発射管なら艦内から操作−むしろ艦内からしか操作出来ない−しますが,駆逐艦等についている旋回式の魚雷発射管は,基本的に艦内から操作出来ません.
 ですから,魚雷発射管に操作する兵隊さんがついて旋回や発射,次発装填の操作を行います.

 しかし,戦闘の最中に兵員が暴露したままだと危険ですから,大砲と同じように砲塔のような形で覆い(シールド)をつけました.

 模型写真で申し訳ないが

http://www.tamiya.com/waterline/31401.htm

 駆逐艦の煙突の後ろにあるのが覆いのついていない魚雷発射管で

http://www.tamiya.com/waterline/31409.htm

こっちのには覆いがついてるでしょ.

 魚雷発射管については
http://www.asahi-net.or.jp/~zq9j-hys/navy1.htm
の水雷関係を参考にして下さい.

 また「図解・海軍水雷戦隊」と言う本には

魚雷のプラットホーム/魚雷の原理/初期の魚雷/九〇式魚雷/九三式魚雷/その他の魚雷/魚雷発射管の変遷/魚雷発射管の構造/魚雷戦指揮装置/魚雷の生産/諸外国の魚雷

と言う形で詳しくのっているようなので,詳しく知りたければ買うか立ち読みを.


 【質問】
 太平洋戦争時の軍艦は,敵の艦爆や艦攻が投弾体勢を取って,向かってきたり,上空から急降下爆撃の体勢を取って,降下してきた場合,どのように対処していたのですか?
 自艦が戦艦や重巡だったり,駆逐艦だったりで対応は異なりますか?

 【回答】
 米軍はオペレーションリサーチの結果,
「大型艦は回避せず射ちまくれ」
「小型艦は逃げ回れ」
となりました.

ゆうか ◆9a1boPv5wk in 軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 太平洋戦争当時の魚雷は,敵艦に命中せず外れて燃料が尽きた場合は,時限信管のようなもので自爆するのでしょうか?
 それともそのまま沈むだけでしょうか?
 現用魚雷と合わせて教えていただけると幸いです.

 【回答】
 とりあえず,現代の長魚雷みたいに有線誘導式なら,発射艦からの指令で自爆させられる.

 WW2当時は,実弾の魚雷はそのまんま沈んでいく.

 自爆装置をつける案はどこの国でも一度は出たが,
「射程距離内で誤作動したらどうするんだよ」
「外れたとは言え,予想しない場所で爆発したら危ないだけだろ」
というので,みんな却下された.

 訓練用の魚雷は逆に燃料が切れると浮かんでくるようになっていて,回収,整備して再使用した.
 魚雷は高いので・・・.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 九三式一型改二の横舵機用調和弁と,調和発條ピストンの後方にある横舵気筒の作動原理を説明して下さい.

 【回答】
 横舵気筒は,魚雷のエンジン始動と同時に,圧搾空気タンクから,調和弁を通して圧搾空気を受け取り,作動します.
空気の圧力および流量を調節,気筒の前進・後退をコントロールすることにより,横舵を操作し,魚雷を直進させます.
 流入空気の調節は,調和弁にておこなわれます.
 調和弁の開閉は,魚雷に搭載されたジャイロにより機械的に制御されます.

戦争・国防板,2008/09/03(水)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 川棚魚雷試験場って何?

 【回答】
 大正7年,佐世保海軍工廠で生産した魚雷の試験場として,川棚町三越郷片島(みつごえごうかたしま)の,海に囲まれた岬の先端近くに設置された.
 この施設は軍部でも機密として扱われ,現在,詳しい資料はほとんど残っていないという.
 この試験場から西彼半島北岸の小さな二つの島の中間を,発射目標として発射試験が繰り返されたと言われている
 かつて魚雷の発射試験中に,軌道を逸れた魚雷が対岸の海岸に突入してしまい,川棚の秘密基地の存在さえ知らない人々を驚かせ,大騒動になったという話が今に伝えられている.
 昭和17年には,川棚海水浴場として知られた,川棚町数石郷(すしきごう)古浜から百津郷(ももつごう)塩浜一帯が,広範囲に埋め立てられ,佐世保海軍工廠分工場が設置され,翌年には川棚海軍工廠として独立した.

 【参考ページ】
http://www.geocities.jp/ramopcommand/_geo_contents_/zgyorai.html
http://gasarakihadou.at.webry.info/200901/article_6.html
http://blog.livedoor.jp/kurobee_ruins/archives/5052612.html
http://asterisk-web.com/ritz/news/kawatana/remains2.html

 【関連リンク】
http://www.youtube.com/watch?v=r3Y9lrAqeQI

【ぐんじさんぎょう】,2011/07/08 20:20
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東彼杵郡・川棚魚雷試験場跡
faq110622kw.jpg
faq110622kw2.jpg

ベタ藤原 in mixi,2011年06月21日21:58


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