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 【link】

「Ship Strike Pacific」(洋書)

 なかなか珍しい写真満載の写真集でした.
 輸送船が多いけど,まぁ,ボコボコにやられてる日本艦船の写真集です.
 不鮮明ではあるものの,最終時の空母千代田の飛行甲板の写真とかは,この本じゃないとわからないのでは.
 かなりくっきりと3本の白線が引いてあって,出回ってる塗装図とだいぶ印象が違います.

 米軍記録の写真集,もっと欲しいんですが,なかなか情報がないです.

――――――軍事板
青文字:加筆改修部分

『航空母艦物語 体験で綴る日本空母の興亡と変遷!』(野元為輝著,潮書房光人社,2013.7)

『護衛空母入門』(大内建二著,光人社NF文庫,2005.4)

『日本の空母 新装版』(「丸」編集部,光人社,2012.2)


 【質問】
 太平洋戦争中の日本に,空母と呼べるものは何隻あったの?

 【回答】
●最初から空母として設計され,完成したもの

鳳翔,龍驤,蒼龍,飛龍,瑞鶴,翔鶴,大鳳,雲龍,葛城,天城

未完成:笠置 阿蘇 生駒

起工されず:鞍馬,5009~5015号艦,5021~5025号艦

●他艦種から改造されたもの

赤城 天城(関東大震災で大破,未完成のうちに廃艦) 加賀,信濃,祥鳳,瑞鳳,龍鳳,千代田,千歳,伊吹(未完成)

●民間船から改造されたもの

隼鷹,飛鷹,大鷹 冲鷹 雲鷹,神鷹,海鷹

浅間丸型客船も,改造を検討されていたらしいが,老朽船のため躊躇われている内に戦没

●本当は空母じゃないんだが,人によっては空母の仲間に無理矢理入れそうなもの:

(いわゆる陸軍空母)あきつ丸,熊野丸,にぎつ丸(計画のみ.実際は商船スタイルで竣工)

(特TL船;自衛用航空機を搭載したタンカー)しまね丸(未完成),山汐丸(陸軍所属) 大瀧山丸(未完成),大邱丸(未完成),大社丸(未起工)

https://mobile.twitter.com/KCin_Tokorozawa/status/345862613353238528
https://mobile.twitter.com/KCin_Tokorozawa/status/345862815074103297
https://mobile.twitter.com/KCin_Tokorozawa/status/345866933855453186
https://mobile.twitter.com/KCin_Tokorozawa/status/345867185601789952


 【質問】
 建造計画では,空母は翔鶴型2隻,大鳳1,大鳳の準同型艦5隻ってのが定説になっていないか?

とらいばる : 軍事板,2003/04/09
青文字:加筆改修部分

 【回答】
 それちゃう.
 空母建造計画はマル三×2,マル四×1,マル五×3(4万5千~5万t×2,1万5千~2万t×1).
 大鳳の準同型艦は,平時のままなら建造されなかった可能性が高い.
 なお,日本空母は米艦隊との数の均衡を保つため,必要に応じて空母予備艦からの改装を進めます.

ゆうか ◆9a1boPv5wk : 軍事板,2003/04/09
青文字:加筆改修部分

 G14が,45000-50000tのでっかい空母だったのに,改マル五では,G15として改大鳳になっちゃったのは,改マル五の緊急性というより,やっぱり造船施設の問題なような気がしてきた.
 大神海軍工廠が本当にできたとしても,戦艦造らにゃならいから,呉,横須賀,大神の造船ドックは埋まってしまう.
 となると,川崎/神戸,三菱/長崎,横須賀の壊れかけ船台で,空母を建造することになりそう.
 それぞれの建造可能な最大艦型はよく分からないけど(長崎は武蔵OK),空母ミッドウェーみたいな大きさだと,問題があったかもしれない.

 というわけで,もしも戦争がなかったとしても,G14は早い時期にボツになってしまって,マル五の大型空母2隻も小型化が必要になり,詳細まで決定しなかったのでは?

軍事板,2003/04/09
青文字:加筆改修部分

 大神には戦艦用ドック1,空母・巡洋艦用ドック1が建設される予定でした(勿論他にも補助艦建造施設あり).
 つまり,超大和と超大鳳1隻ずつを同時建造することが可能になるはずだったんです.
 空母なら3年,巡洋艦なら2年で1隻建造可能,です.
 3年という建造ペースからみて,想定しているのは大型空母であると考えます.

 「海軍軍戦備」によれば,
ドック:空母用×1,潜水艦用×1(同時2隻建造可能)
船台 :戦艦用×1,重巡用×1,潜水艦用×1(同時2隻建造可能)

 戦艦・空母共3年で1隻建造.
 この他,戦艦・空母各1隻の整備が可能.
 ということで,呉や横須賀と同等以上の巨大工廠になることが約束されていますね.

 それにしても,戦艦(ということは7万t近い大艦)ですら3年で1隻完成,というのはすごいです.
 最新の工作機械なんかを,惜しみなく投入するつもりだったんでしょうね.

 大神は確か1947年ぐらいに完工予定.
 完成した施設を順次使用するだろうから,44~45年頃には軍艦第1号の建造がスタートしていでしょう,平時なら.

ゆうか ◆9a1boPv5wk : 軍事板,2003/04/14-04/15
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本の空母の乗員の内訳は?

 【回答】
 「赤城」の場合,士官 77,特務士官 42,准士官 58,下士官 507,兵 946.
 合計 1630

 赤城型航空母艦定員表(昭和12年4月23日 内令第169号改定,昭和16年 第784号改正)によれば……

艦長 大佐 1 ,副長 中佐 1 ,航海長 中少佐 1 ,砲術長兼分隊長 中少佐 1,通信長兼分隊長 中少佐 1
運用長兼分隊長 中少佐 1 ,飛行長 中佐 1,副砲長兼分隊長 少佐・大尉 1,飛行隊長 中少佐 5 ,
分隊長 少佐・大尉 15 ,乗組 兵科尉官 12,中・少尉 9 ,整備長 機関中佐 1 ,機関長 機関中佐 1
工作長兼分隊長 機関少佐 1 ,分隊長 機関少佐・機関大尉 9,乗組 機関科尉官 5 ,機関中・少尉 5
軍医長兼分隊長 軍医中少佐 1 ,乗組 軍医少佐・軍医科尉 3 ,主計長兼分隊長 主計中少佐 1
乗組 主計科尉官 1 ,乗組 特務中・少尉 4 ,飛行特務中・少尉 22 ,整備特務中・少尉 9 ,機関特務中・少尉 3
工作特務中・少尉 1 ,看護特務中・少尉 1 ,主計特務中・少尉 2 ,兵曹長 4 ,飛行兵曹長 33 ,
整備兵曹長 14 ,機関兵曹長 4 ,工作兵曹長 1 ,看護兵曹長 1 ,主計兵曹長 1 ,兵曹 110 ,飛行兵曹 145
整備兵曹 131 ,機関兵曹 84,工作兵曹 21,看護兵曹 4,主計兵曹 12,水兵 318,整備兵 328,機関兵 211
工作兵 31,看護兵 9,主計兵 49,
 合計 1630


 【質問】
 正規空母,と言いますが,この「正規」とは何が「正規」なのですか?
 これこれこういう条件を満たした空母を正規空母と呼ぶ,みたいな条件があったら教えてください.
 逆にいえば,軽空母とか改装空母とか航空巡洋艦とかってのは何が足りなくて正規空母と呼ばれぬのか,という質問でもあります.
 排水量や搭載機数といった要素が関係してくるのでありますか?
 どうか御教示を.

 【回答】
 二つの基準があります

 一つは,最初から空母として作られた船を正規空母,それ以外を改装空母とする基準です.
 これによると,赤城や隼鷹は改装空母,鳳翔は正規空母となります.

 もう一つは,露天繋止で作戦機を搭載出来る船・・・,要は飛行甲板全体を使わなくても離発着が出来る船を正規空母とする基準で.
 これによると赤城や隼鷹は正規空母,鳳翔は軽空母となります.

 搭載機数は関係ありません.
 もし搭載機数が少ないのが正規空母の要件を満たさない条件とされた場合,英装甲空母や信濃が軽空母となってしまう可能性が出てきてしまいます.

 また,排水量を基準にするのもナンセンスです,大鷹級は蒼龍に迫る排水量を誇りますが,蒼龍を軽空母と呼ぶのも大鷹を正規空母と呼ぶのも,無理があり過ぎます.


 【質問】
 日本では駆逐艦は軍艦じゃないと聞いたんですが,軽空母は軍艦に入りますか?

軍オタ若葉マーク ◆Mx2KlZ22V2 in 軍事板

 【回答】
 そもそも旧海軍には「軽空母」という分類は存在しない.
 大雑把に言えば旧海軍における軍艦とは,大佐が艦長を務め艦首に菊の御紋を付けた艦.
 駆逐艦は少佐や中佐が艦長(駆逐艦長と呼称)を務め,数隻からなり大佐が司令を務める「駆逐隊」で,軍艦1隻と同格になる.

 旧海軍における軍艦の規定については
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8D%E8%89%A6
を参照.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本軍の空母の搭載機が,米軍に比べて少ないのは何故でしょうか?

 【回答】
 米海軍と日本海軍とでは,格納庫の使用方法が違う事が挙げられるでしょう.
 日本の場合,搭載機を全て格納庫に収めて運用しようとしたのに対し,米海軍の場合,格納庫はメンテナンス・スペースとして使用していました.
 で,搭載機の大半は露天駐機にしていた訳なのですが,ここでまた,米空母の日本空母に対しての特徴である,同排水量艦の比較において,飛行甲板の面積が大きいと言うメリットが効いてきます.
 プラモデルか,同縮尺の平面図で比べると解るのですが,日本の空母と比べると,明らかに米空母の方が広いです.

 あと,格納庫の構造の違いもありまして,米空母は開放式の格納庫になっており,一段式ではあるのですが,幅も艦体の横幅ギリギリまで取っているのに対し,密閉型の日本空母は,二段式以上ではあっても,格納庫の周りを士官室など,居住区その他に使用しており,艦体の横幅よりも格納庫の幅はかなり狭いものでした.

 あと,艦載機の翼の折りたたみ機能の差も,有るかもしれません.
 F6Fなどは,翼の根元からパックリ90度折れて,完全に機体と平行になってしまいますので.

軍事板,2002/10/27
青文字:加筆改修部分

 また,日本の空母は,基本的には露天係止をしない.
 大鳳とか信濃とかは露天繋止したが・・・
 赤城とか加賀とか翔鶴も,露天繋止したらプラス12機位は増えたと思う.

 さらに日本の場合,格納庫に収容する際,羽を折り畳まない場合が多い.
 理由は何時でも緊急発進できるようにしてある為.

 ちなみに,グラーフ・ツェッペリン艦載機数は43機とあるが,実際には運用してみて増やす予定だった可能性大.
(M氏の本に書いてあった)

軍事板,2003/04/08
青文字:加筆改修部分

 なお,昔の本には大鳳の搭載機数は50数機と書かれてる場合が多いけど,これは烈風・流星・彩雲トリオで計算された数値です.
 あ号作戦時は75機程度搭載していた模様.

 信濃はご存知の通り中継空母なので,自艦の搭載機以外に収容スペースを確保していると思われます.
 おそらく80機以上の収容能力を有しているのではないかと.

ゆうか ◆9a1boPv5wk : 軍事板,2003/04/08
青文字:加筆改修部分

今日の更新で,米空母の艦載機数の話があったので

遠吠犬 in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2011年03月03日 22:35


 【質問】
 日本海軍の空母は何故,舷側エレベータを導入しなかったのでしょうか?

 【回答】
 ちゃんとしたシャッターがない当時,台風等の暴風雨の被害を恐れたため.
 と言っても,シャッターを実用化できなかったわけではなく,悪天候で海が荒れることの多い日本周辺海域での運用を考え,波浪による浸水の危険がある側面シャッター(解放式格納庫)を採用しなかったということ.

 アメリカ海軍も悪天候時の危険については認識はしていたが,搭載機数を増やせることと,設計上の簡易さの点から,開放式格納庫を採用した.

 結果,米空母は,沖縄近海やフィリピン近海で嵐に遭遇した際,かなりの被害を出している.

舷側エレベータ(黄色い枠線で囲まれている部分)
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 なぜ日本空母はカタパルトを搭載しなかったのか?

 【回答】
 『帝国の艦船 日本陸海軍の海洋軍備』(学研,2008.1)における.日本空母用カタパルトの実用化についての考察では,
・艦載機の機体強度の問題(カタパルト射出される水上機と違い,衝撃に耐えられない)
・甲板上での取り扱いの問題
から,小型空母にカタパルトを装備して第一線機(彗星艦爆や天山艦攻など)を飛ばすより,大型空母の広い甲板に並べて発進させた方が手間も時間も節約できる(=後続機の発進を待つ時間が短くなり,燃料のロスも少なくなる.その分,攻撃距離が伸びる)
(P.122)

 他にも『護衛空母入門』(大内建二著,光人社NF文庫,2005.4)では
「圧縮空気式は短時間の連続発進が困難であり,空気圧縮装置も故障多発の為,実用化されず」
「油圧式を開発したかについては不明だが,アクチュエーターやオイルシール材の開発・生産が劣っていた日本が実用化できなくても不思議はない」
と説明しています.(同書P.127~131))

グンジ in mixi,2007年12月31日12:33

▼ 当時,火薬式のカタパルトは水上機を射出するのに多用されてました.
 ある程度,大型の戦闘艦艇の「目」として,水上機の有用性が高い時代があったのです.

 ……が,せいぜい片手で数えられる程度の数しか,機体を保有しない水上戦闘艦艇とちがい,空母の場合は少なくても数十機を短時間に射出できないと役にたちません.
 火薬式カタパルトは蒸気式に比べ,連続発射に不向きで,空母用に用いるには不適当だったのです.

 ちなみに蒸気式カタパルトは,現代でも立派なレア技術,実用化にこぎつけた国は米を除くとあまりありません.
 重量数十トンの艦載機を,わずか数秒で時速何百㎞にも加速できるほどのエネルギーをためこむのは,けっこう難しいもんなのです.

軍事板,2002/10/02
青文字:加筆改修部分

 正確には,
「ソ連も蒸気式カタパルトの実用化には成功したが,空母に搭載する前にソ連崩壊を迎えてしまった」
ってことで.
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/2665845.html

2011年07月11日 08:59 唯野

 最低でも,実機試験(空母に搭載しての試験)をしてないので,実用化とは普通は言わないなぁと.

 ちなみに,米国以外の数少ない国のひとつがイギリスで,世界初の蒸気カタパルトが,1950年あたりに空母ペルセウスでテストされている.
 前世代のフランス空母クレマンソーは,これの発展型が付いていた.
 そして,クレマンソーの2番艦はブラジルに売られているので,蒸気カタパルトを現在,運用しているのは,米,仏,ブラジルということになる.

2011年07月11日 19:17 極東の名無し三等兵

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 旧海軍の艦載機についてお願いします.
「日本機は強度が低く,それもあってカタパルトがなかった」
という文をどっかで見たのですが,艦上機である以上着艦時にフックを使って着艦します.
 そのとき機体が壊れた,なんて話もあったりするのでしょうか?
 シロウト考えでは,機速0から飛行可能な速度まで加速するのも,飛行可能速度からフックで着艦するのも,衝撃は同じじゃないかなー,と思うのですが.
 それとも,強度の方向性みたいなものもあるんでしょうか?

 【回答】
 日本海軍は、空母用に油圧カタパルトの実用化に失敗したため,火薬式のカタパルトを使ってましたが、火薬式だと、作動時に急激な加速がかかることもあり,艦攻、艦爆を発進させるだけのパワーのあるものを作ろ うとすると装置自体が巨大化するのと、艦攻、艦爆の構造強化まで手をつけなくなり、断念しています.

 問いあわせにある,フックで着艦するのも,離陸するのも同じとのことですが、艦攻の場合,発艦時と着艦時の重量が1.5トン近く違うため,同じでは有りません.

 着艦フック云々では,たとえばF6F-3が着艦フックを引っ掛けた衝撃で後部胴体がちぎれたという有名な事故がある.
 日本機が強度が足りず云々は,カタパルトの力を受ける前部胴体の強度が足りないからだ.
 車だってジャッキポイント以外で持ち上げるとシャーシが歪むだろ.それと同じだ.
 で,胴体の補強は当然重量増になるから,簡単に実行できない.


 【質問】
 どうして日本の空母は,あんなにあっけなく沈むんでしょうか?

 【回答】
 ダメージコントロール,すなわち敵の攻撃を受けて被害が出たとき,それを最小限に抑えるための設備,訓練が乏しかったと言われる.
 消火班なんてものは存在せず,せいぜい消火栓の位置を確認しておくのみ.
 空母信濃なんて,溶接不十分,水漏れいっぱい,ビス抜けまくりで出港して,潜水艦の魚雷であっさり沈められた.

 なお,海自では旧軍の経験を生かして(というかトラウマになっているのか),ダメコンは非常に優れているらしい.
 護衛艦は非常に優れた設計をもち,隊員は艦の被害を最小限にするため,何度も何度もすさまじい訓練をするそうだ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本空母のダメージ・コントロールは遅れていたのか?

 【回答】
 日本海軍は大きく立ち遅れており,個艦レベルの対策の域にとどまっていたと言う.
 以下引用.

 被害発生時のダメージ・コントロールは,その思想・態勢・手法・装備などの面で日本海軍は大きく立ち遅れていた.
 各空母では,応急担当者の創意工夫と演練により,不燃化や消火能力・応急作業能力を高めたが,いずれも個艦レベルの対策の域にとどまり,海軍全体で応急術として体系的に普及・向上を図る態勢にはなかった.
 そのため,空母の弱点,危険物などに関する基本的知識や,その対策に対する知見を,各艦の応急担当者が共有するまでには至らなかった.

 被雷によりタンクから漏洩した軽質油が,蒸発ガスになって大鳳の艦内に広がり始めたとき,軽質油と蒸発ガスの挙動に関する基本的知識の欠如から,同艦応急関係者の処置が必ずしも適切なものではなく,艦を沈没に至らしめたのはその一例と言えよう.

「世界の艦船」2005年4月号,p.90-91(安部安雄著述)


 【質問】
 仮に自分の艦隊に空母・軽空母がいても,索敵失敗したら,見えないとこから航空先制攻撃されるのかな?
 対策は索敵成功の1択かな・・・?

 【回答】
 質問者は,史実の戦史を読んできたらいいと思う.

 wikipediaにもあるぞ.
第二次ソロモン海戦
南太平洋海戦

 索敵機での敵艦隊発見は,相互の距離は300~400kmとか.
 航空戦が行われるのは200~300kmあたり.
 艦上から目視で敵を発見できるのは60~80kmぐらいかなぁ(艦橋の高さ・マストの高さなどによる)
 砲撃戦になるのは50km未満.

ブラウザ・ゲーム板,2013/07/26(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本の空母部隊っていつ頃から充実し出したんですか?
 開戦前なんかアメリカを上回る空母の数だし.
 なんで日本は早くから,空母の優位性に気づいていたんでしょうか?

 【回答】
 気づいてなどいない.

 日本海軍はずっと戦艦を重視していた.
 だがアメリカを想定敵としてみることが固まってくると,どう考えても戦力の差で,アメリカに艦隊決戦では勝てないと認識されるようになり,これはワシントン条約で戦艦の数を制限されたことにより,確定事項として受け止められた.

 正面から戦う限り,アメリカ海軍には数の差で絶対に勝てない.
 戦艦の性能と乗組員の錬度だけなら,何とか互角に出来るのかもしれないが・・・.

 ならば,主力の戦艦部隊が戦うときには,せめて隻数だけでも同数に持ち込んで,互角の状況を作る努力をするべき.

 こうした思想(これを「暫減戦略思想」と呼ぶ)により,日本海軍は
「戦艦部隊が戦う前に,相手の戦艦の数を極力減らせる兵器」
の整備にいそしんだ.
 それが魚雷を搭載して長距離を飛べる爆撃機である「陸攻(陸上(発進型)攻撃機)」であり,超射程の大威力魚雷を積んだ夜間突撃艦隊である,重巡+軽巡+駆逐艦の「水雷戦隊」であり,長距離を哨戒航行して待ち伏せ攻撃のできる水上機搭載の大型潜水艦であり,対艦攻撃力を重視した航空機を運用する航空母艦を,集中運用する「機動部隊」であったわけだ.

 「全ては戦艦による艦隊決戦のために」存在し整備されたものであって,別に航空母艦を艦隊戦の主力と考えていたわけでは全く無い.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本空母機動部隊の,艦隊全体としての防御システムは,どのように構築されていたのか?

 【回答】
 構築されていなかったという.
 以下引用.

 日本海軍は,多数の空母を集中統一使用する戦術を創案し,緒戦期に大戦果を得た.
 しかし,これらの空母群に,強力な対空あるいは対潜能力を備えた各種の直衛艦を配備した建制の機動部隊を編成し,空中,海上,海中からの攻撃に対して,強力な防御力を備えた艦隊を駆使する着意を欠いていた.
 そのため,防御面での脆弱さを内包した空母を艦隊全体で守るシステムと能力が,米空母機動部隊に比して著しく低く,敵機が来襲しても殆どの場合,直衛艦も自己の防衛に手一杯で,空母を攻撃する敵機の阻止どころではなかった.

 要するに,戦闘機の上空直衛を含めて,空母機動部隊としてのシステム化した防御体制が構築されたことはなかったのである.

「世界の艦船」2005年4月号,p.91(安部安雄著述)


 【質問】
 日本空母は煙突の位置や形,艦橋の位置などを気流が乱れて着艦の支障をきたすとの理由であれこれと試行錯誤してますが,煙突や艦橋の位置・形はそんなに問題になるんですか?

 【回答】
 飛行機と言うものは非常に微妙なバランスの上において飛行するもの.
 なので,ちょっとした乱流により翼の表面の気流が剥離し,失速しバランスを崩してしまいます.
 着艦アプローチに入っていると言う事は失速寸前なのでなおのことです.

 着艦の為に風上航行をしていれば,飛行甲板上は台風並みの風が吹いています.
 その風が艦上構造物に当たれば,周囲と後方には予期しない乱流が発生するでしょう.
 その問題を根本的に解決しようとした形式が,龍驤のような全通式平甲板空母です.
 しかし,出来るだけ飛行甲板が長い方が良いので,飛行甲板最前部直下に艦橋構造物を置くこの形式は,あまり流行らなかったようです.
 結果として残ったのが,出来るだけ端に艦橋構造物を置く島型艦橋です.

 また,煙突に関しては当時の空母はほぼ全てがボイラー艦なので熱を持った煙が勢いよく排出されます.
 これが周囲の空気と混ざれば乱流と化します.着艦の為に全速航行していればなおのことでしょう.
 真後ろに排煙を流す初期の赤城/加賀形式は乱流で着艦し辛かったそうです.

 これらの問題を解決する為に,空母保有国はそれぞれ試行錯誤をしましたとさ.

軍事板,2006/04/20(木)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/20(csütörtök)

青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész


 【質問】
 自分は空母赤城が好きなんですが,当時の空母の艦橋は,どういう構造でしたか?


 【回答】
 日本の空母は,航海艦橋とその天井部分にあたるところが,露天の対空見張り所になってて,司令部要員は航海艦橋に,艦要員は露天艦橋にいるのが通常だったようだ.

 アメリカの空母は上から順に露天艦橋,航海艦橋,戦闘艦橋があって,艦要員は露天か航海艦橋に,司令部要員は戦闘艦橋にいる配置だが,実際には艦載機の出撃時には提督クラスでもみな屋外のブルワークに出ていたようだ.
 あと,アメリカの空母は艦橋の側面か側面やや後部に「飛行長(エアボス)」って役職の人(艦載機の運用と飛行甲板上の管理を一手に担ってる要職)が詰めて指示を出す「航空指揮所」というものが別にある.
 この辺の配置は最新の空母でも変わらない
(戦後型の空母には,露天艦橋がない艦橋配置が多いが・・・).

 さらにアメリカの軍艦にはCIC,戦闘情報指揮所というものがあるので,艦長なり提督なりは必要に応じて順次そこに入る.

 これはニミッツ級CVNのもの.
(こちらより引用)
 写真の左側が艦首方向.
 左の窓がある部分,上が航海艦橋で下が戦闘艦橋.
 右側の窓がある部分が航空指揮所.

 CICは艦内か艦橋内のどこかにあるので外からは見えない.
(つか,現役軍艦の場合(場合によっては退役艦でも)CICの場所は機密なので,どこにあるか知ってる人は民間人には普通はいませんし,いてもこんなとこには書かない)

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本空母の防火・消火対策は立ち遅れていたのか?

 【回答】
 米空母に比べて立ち遅れていたと言う.
 以下引用.

------------
 開戦当時の日本空母は,火災発生時の範囲極限を図るため,格納庫に大型の防火鎧戸を設置していた.
 また,格納庫の消火用には炭酸ガス噴出装置を備えていたが,珊瑚海海戦での翔鶴損傷やミッドウェー海戦での4空母沈没などの戦訓から,格納庫の囲壁などに破孔を生じた場合には,この炭酸ガスが吹き飛ばされて消火の役に立たないことが判明した.
 その結果,石鹸水液を用いた泡沫式消火装置が開発され,格納庫内に長さ25mごとにその消火管を設置したことにより,消火能力が向上した.

 米空母も,被害時に発生する格納庫火災への対応には苦しんだが,庫内に火災源や誘爆物を極力置かないようにし,火災発生の際は航空機や爆弾,火災発生の際は航空機や爆弾,魚雷などの危険物を速やかに庫外へ投棄する.
 石綿製の頑丈な防火仕切り扉の装備,早い時期からの泡沫式消火装置の設置などの対策を実施しており,これらの点に関しては日本空母は立ち遅れていたように思える.

------------「世界の艦船」2005年4月号,p.89(安部安雄著述)

 海軍出身の自衛隊の某ダメコン担当者も,戦後に曰く,
「帝国海軍は,米軍のバリアブル・ノズルに負けた」

 バリアブル・ノズルとは,今日では家庭用散水ノズルでも普通な,「停止>噴霧注水>直射放水」が可能な消防用筒先のこと.
 霧状の水は,石油火災にも一定有効.
(水蒸気の窒息消火効果)
 また,輻射熱を遮り,冷却し,有毒ガスや煙を霧の圧力で艦外へと追い出せる.
 エセックス級がタフであった,隠れた理由のひとつとか・・・

軍事板,2003/01/21
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日本空母は水中防御は施されていたか?

 【回答】
 大型空母以上には施されていたが,翔鶴型では不充分,信濃は未完成状態だったという.
 以下引用.

 水中防御については,米空母は液層・空層併用の多層式の防御方式を採用して,有効な防御効果を得ていた.
 一方,日本の大型空母では,未成主力艦から改造の赤城,加賀,信濃は空層利用防御方式とし,翔鶴型と大鳳は被雷時のスプリンターに対する防水縦壁の負担を軽減する目的で,液層利用防御方式を採用した.
 翔鶴型は水中防御層の数が少なく,その奥行きも浅かったので,防御効果が不充分であり,マリアナ沖海戦における翔鶴の被雷沈没も,これと無関係ではあるまい.
 次の大鳳は,さらに改良・強化した液体利用防御方式を採用したので,その水中防御能力は向上したものと考えられる.
 しかし皮肉にも,非防御の前部軽質油庫付近右舷側に命中した魚雷1本の爆発が原因となって,脆くも沈没してしまい,この新しい水中防御方式の真価は判明せずに終わった.
 魚雷4本の命中により浸水が拡大,沈没した信濃の場合は,工事途中の状態で,各区画の水密が完成せず,ダメージ・コントロール関係装備も未完成,乗員の訓練も殆ど未実施などの悪条件下での出来事なので,防御能力を云々する以前の問題だと言えよう.
 日本の中型空母は本格的な水中防御を施していなかったが,飛龍より一回り大きな米空母ヨークタウン級は液層・空層併用多層式水中防御を実施して,実戦で強靭さを発揮した.

「世界の艦船」2005年4月号,p.89-90(安部安雄著述)


 【質問】
 gooで「軍事」で検索したら,ここがヒットしました.
 ごくごく初心者ですので,変なこと書いたらごめんなさいm(__)m

 ゼミの卒論で困ってます(;0;)
 ゼミの教授から出題された卒論課題が,
「人命優先の見地から考える,太平洋戦争における,アメリカ軍の兵器の変遷」
なんです.(汗
 私にはお兄ちゃんや弟もいないし,兵器って言われても・・・
 教授が言うには,エセックスと大鳳を比べればよいそうです.
 インターネットでエセックスを検索したら,のっぺりした戦艦〔原文ママ〕が出てきたんですけど,何が何だかさっぱりなんです・・・
 どなたか教えていただけませんか?

 【回答】
 それ,何のゼミだ?(笑

 一般的に言って,アメリカの戦闘機は,パイロットを守る防弾板が備わっているので,非常に重防備であり,それゆえに人命優先といわれています.
 一方,日本の戦闘機(ゼロ戦とか聞いた事あるよね)は,防弾板が無いか,また,あっても薄く,それが人命軽視の代名詞のように言われていました.

 そしてアメリカの爆撃機(B-17,B-28)の燃料タンクは,弾で撃たれても燃料が洩れ難い構造になっており,エンジンなどには消火器が付いていたので,火が点き難い構造になっています.
 日本の爆撃機(一式陸攻など)は,そのような装備がないか,またあったとしても貧弱なので,敵の銃撃を受けると簡単に火がつきました.

 なぜ日本の航空機が,防弾にあまり力を入れられなかったかと言えば,エンジンの性能が,アメリカを代表とする欧米先進国と比べ,劣っていたのが大きな理由です.
 日本は明治以降,急速な工業化を果たしましたが,沢山の分野で精一杯の背伸びをしていたので,アメリカのような豪華なエンジン(大出力エンジンと言います)が作れませんでした.
 そんな日本の非力なエンジンで,欧米の航空機と戦う為に取られた一つの方法が,飛行機を徹底的に軽く作ると言うことだったのです.
 そうすれば,小さな出力のエンジンで対抗できるからです.

 その方法は一見,成功したかのように見えました.
 代表例が,先にも出たゼロ戦(零戦)で,軽いので非常に運動性が良く,敵のパイロットに驚かれた程です.
 ですが,防弾板まで軽くしたので,敵に撃たれると,パイロットが助からないことが大きかったのです.
 これが日本の航空機の弱点と言われています.

 人間,誰だって失敗はします.
 アメリカ人のパイロットも日本人のパイロットも,等しく戦争の場で失敗します.
 アメリカ人パイロットが失敗をして敵に撃たれても,防弾板で弾を防いで助かるチャンスが大きかったのに対し,日本人パイロットが撃たれると,助かるチャンスがあまりなかったのです.

 そして,戦争が長く続くと,防弾板の無い(薄い)戦闘機に乗った,日本の優秀なパイロットが,沢山死んでしまい,最終的にベテラン・パイロットの殆どが,死んで居なくなってしまいました.

 実際はもっと複雑な要素があるのですが,入門編としては,この位の認識で構わないと思います.

 空母は,もっと難しい問題があります.
 それにしても,エセックスと大鳳か.
 その教授,意地悪と違うか?

 『大鳳』とはなにか?
 日本海軍が昭和19年に完成させた,重装甲の空母のことです.
 空母とは,飛行機を飛ばすことの出来る船舶のことを言い,その為にまっ平らな飛行甲板と言う滑走路を備えています.
 洋上の飛行場といっても良いでしょう.

 この船には,戦争で使う沢山の爆弾や魚雷,そして大量のガソリンを積んでいます.
 全て燃え易く,爆発するものばかりです.
 ですから,敵の攻撃を受けて損傷を受けると,瞬く間に業火に包まれ,沈没するか爆発してしまいます.

 この危険性を回避する為に,重防備の大型空母が日本で作られました.
 それが大鳳です.
 計画されたのは昭和14年.
 起工(作り始めること)は昭和16年7月.
 そして完成が昭和19年3月です.
 空母一つ作るのに,物凄い年月が必要なのが,分かることと思います.
 日本はこの空母を5隻建造する予定でしたが,資材がなかったことから一隻しか作れませんでした.

 日本は,昭和17年6月にアメリカと大きな海戦を行い,大型の空母を4隻失いました.
 これをミッドウェー海戦と言います.
 検索すると,沢山の情報が得られると思います.
 それ位有名な戦いです.
 この海戦以前から,空母が弱いのは分かっていましたが,建造に時間のかかる大型空母を4隻も失うのは,工業力でアメリカに劣る日本としては,耐えられない損失でした.
 アメリカの方が,沢山の空母や戦艦を作れるからです.

 ならば,爆弾に強い装甲で空母を作れば,簡単に沈まないだろうと考えられ,建造中に沢山の改良を加え,飛行甲板(滑走路)にまで装甲を張り巡らし,戦艦並の重防御と言われるほどの空母を作りました.
 ちなみに戦艦の防御力は,艦船の中では最強で,大抵の場合,数発の爆弾や魚雷では沈まない作りになっています.

 ですが大鳳は,昭和19年6月,「あ」号作戦と呼ばれる海軍の大きな作戦の参加中に,アメリカの潜水艦から一本の魚雷を受けてしまいます.
 戦艦並の防御というのですから,それで沈む筈はなかったのですが,その衝撃でガソリンタンクからガソリンが洩れ,気化したガソリンが艦内に充満してしまいました.
 ガソリンは,空気中の酸素と適度にブレンドされると,簡単に火がつき易くなります.
 そして大鳳の船内で,何等かの原因で気化したガソリンに引火し,急速な燃焼が起りました.
 密閉された構造物(この場合は船ですが)での爆発は,致命的な損傷を与えます.
 爆発力が外に逃げないで,内部をメチャクチャに壊すからです.
 そして大きな火災は,爆弾や酸素ボンベ等を次々と爆発させ,手のつけられない火災となった結果,大鳳は沈んでいきました.
 この戦いを,「マリアナ沖海戦」と言います.
 これもまた,検索すると色々と出てくると思います.

 簡単に沈まない船が簡単に沈んでしまったのは,装甲という直接的な防御力ばかりに力を入れすぎ,内部設備,とくにタンクなどの洩れ対策が疎かだったせいでは?と言われています.

 エセックス級空母を簡単に書きますが,これはアメリカの空母です.
 大きさも大鳳と同じ位で,起工されたのも1942年(昭和17年)と,時期的には同じです.
 大鳳のように飛行甲板に重装甲は施されておりませんが,船体の重要部分は重防御なのも同じでした.
 そして翌年1943年(昭和18年)6隻,1944年(昭和19年)7隻,1945年(昭和20)5隻,1946年(昭和21年)3隻,あと1950年(昭和25年)1隻と全部で24隻も建造され(計画では33隻),そして戦争中に建造された17隻のうち,15隻ものエセックス級空母が太平洋戦線に投入されました.
 2ヶ月で1隻が完成する猛スピードだったので,隔月刊空母とも呼ばれています.
 大鳳が1隻で終ったのとは対照的な出来事です.アメリカの巨大な工業力の一端が伺えます.
 そして戦争で1隻も沈みませんでした.

 重防御と言われた大鳳が,たった一発の魚雷で沈んだのに,それほどでもなかったエセックス級が沈まなかったのは,ダメージ受けても,それを回復する数々の工夫と,乗組員への教育と訓練があったと言われます.
 これをダメージコントロールと言います.
 重防御でもダメージコントロールの弱い大鳳が沈み,大鳳と比べて防御の弱い筈のエセックス級が,ダメージコントロールの巧さで沈みませんでした.

 長文になりましたが,これだけ知っていれば,後は検索と簡単な質問で,論文に足りると思います.
 分からない所は,上記ワードを検索すれば,もっと詳しいサイト・文献が見つかると思います.
 難しすぎて分からない場合は,またここで聞くと宜しいかもしれません.

(ただし,裏を取る意味でも,ちゃんと文献を当たらないと,論文として成り立たないでしょう.
 まさか,「参考文献:2CH」にする訳にも逝かんでしょうから.
 法学部で参考文献 CC という卒論書いた奴は,いましたたけど(笑)

 要するに,アメリカが人命重視だったのは,人命を重視できるゆとり(国力)があったから.
 日本がそうでなかったのは,国力を人命であがなうしかなかったから.
 つまり,人命軽視の日本が悪だったのではなく,国力がない国が戦争を始めたら,人命で補うしかなく,それで勝てることが万一あれば,次の 戦争にも,同じ過ちを繰り返す,ということです.

 これも単なる一偏見に過ぎませんから,多くの見方を取り入れ,客観視して論文を書けば,良いものになるでしょう.
 教授のウケは知りません.

軍事板,2001/06/11(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 『死闘の水偵隊』(安永弘著,朝日ソノラマ,1994.5)に,マリアナ沖海戦の時に連合艦隊機動部隊から発艦した攻撃機の編隊を,連合艦隊の戦艦部隊が誤射した,と書いてありました.
 まさか,と思っていたのですがwikiにも誤射の記載がありました.
 どっちにアメリカ艦隊がいて,どっちの方に味方の機動部隊がいて,攻撃機がどっちから飛んで来たかわかっていれば敵か味方かわかるはず,と素人は考えるわけですが,連合艦隊の戦艦部隊は何を勘違いして味方の攻撃機を砲撃しちゃったんでしょうか?

 【回答】
 何のことはない.

>どっちにアメリカ艦隊がいて,どっちの方に味方の機動部隊がいて,
>攻撃機がどっちから飛んで来たかわかっていれば
>敵か味方かわかるはず,と素人は考えるわけですが

という前提が成り立っていないだけの話だ.
 発艦させた側は
「味方から撃たれるわけ無い」
 誤射側は
「敵か味方かわからんけど,万が一敵だったらこっちが沈められる.味方だったら悪くても数機撃ち落とすだけ」
 あとはいつもの連絡ミスの積み重なり.
 誤射の類は,IFFがあっても最終的には人間の判断だからな.
 もし敵だったらやられると思えば,とりあえず撃ちたくなる.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 着陸は難しそうですが,航空母艦から飛び立つ技術は,そんなに難しいんでしょうか?
 ドーリットルたちは陸軍機の大型機で空母から飛び立つことができたんですから,日本陸軍のパイロットでも,短期間の教育で会得できそうなんですが・・・.

 【回答】
 実際に出撃時に積んでいたのも,着艦不能の未熟練パイロットが大半.
 それでも一応は,母艦要員として練成中だった者の中から選りすぐった.

 このレベルでもよければ,陸上部隊の優秀搭乗員とか教官とかかき集めれば,片道攻撃専用のパイロットは集められるかもね.

 意味がないけど.

 そんなことするより,最初から地上から作戦させればいいわけで.

軍事板
青文字:加筆改修部分


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