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(小林源文『ハッピー・タイガー』より引用)
「D.B.E. 三二型」◆(2008-10-26) ナチスドイツ・ティーガーⅡの手動クランクエンジン始動
「Military Photos」:The Tiger tank
『イブの息子たち』(青池保子著,白泉社文庫,1995)
バラを背負ったピンクのタイガー戦車(残念な事にモノクロ)と云うモノが出てきます.(^^;
主人公達がロンドンの地下鉄乗ってたら,その地下鉄の中に何故かヒトラーが!
で,慌てて地下鉄を降りて,地上に出るとロンドン市内タイガー戦車が行進中!
それに乗ってヒトラーが再度出てくるんだけど,主人公の一人にヒトラーが,
「これは少女まんがなんだぞ!
読者は,戦車より花,国防色よりはきれいな色が好きなんだぞ!」
と言われて,バラを背負ったピンクのタイガー戦車が登場するんで……
白泉社から文庫で出てるんで,このシーンだけの為に買われてはいかが?(^^;
------------ベタ藤原 ◆94Ls6/3E :軍事板,2002/01/05
『シュトラハヴィッツ機甲戦闘団 “泥まみれの虎”の戦場写真集』(マイケル・H.プルット著,大日本絵画,2009.1)
『図説ティーガー重戦車パーフェクトバイブル』(野木惠一著,学研,2006.4)
『ティーガー戦車隊』(オットー・カリウス著,大日本絵画,1995.4)
読み終えました.
勇者たちが登場する一方で,ドイツ軍,SS,そしてドイツ国民内のの無能者・卑怯者もたっぷり登場しますな.
これまでにも,ドイツ軍人として第2次大戦経験した人の本は,何冊か読んだけど,これほど身内に厳しい話は初めてだ.
カリウスのイライラが伝わってきます.
良い本なのだが,地図が少ない事と,文そのものが読みにくいのが難点です.
原文が悪いのか,訳が悪いのか,直訳しすぎたのか.
「ファルージャ 栄光なき死闘」並に読みにくかった.
「擲弾兵」「SS戦車隊」「最強の狙撃手」は読みやすかったのにね.
------------軍事板,2012/03/03(土)
『ドイツⅥ号戦車ティーガーIEのすべて オーナーズ・ワークショップ・マニュアル』(デイヴィッド・フレッチャー著,大日本絵画,2011.12)
【質問】
タイガー戦車は何故比較的早期に開発できたのか?
【回答】
大戦後期に登場した独タイガー戦車の開発は実は戦前の30年代後半から起源をとることができます.
その時の設計思想は重要塞を突撃攻撃するための重戦車という位置付けでした.
この設計思想自体はやや的外れなものですが,ドイツのすごいところは,ソ連戦車に対抗するために,この開発しかけてた車台を借用して新規開発した砲塔を組み合わせ,戦況に即した重戦車を開発してしまったところです.
時代の先読みは正確にはできないけれども,早め早めの開発計画と現場からのフィードバックがあれば,適切な開発が可能であるという好例だと思います.
【質問】
ポルシェ・ティーガーは,ガソリンエンジンを二基積んで,それで発電機回してその電気でモーター回して……という複雑な構造をとっていますが,設計した人はどういうメリットがあると考えてたんですか?
それと,片方のエンジンが壊れた場合,もう片方のエンジンで発電を行って,戦車を走らせることはできますか?
【回答】
内燃機関直結発電の電動式にすれば,変速機がなくても車両を走せることができる.
WWⅡの頃は,まだ自動変速機の技術が未発達だったので,変速機は複雑なギアのカタマリで,そしてとても重かった.
ギアを入れるのも繋ぐのも熟練の技術が必要で,そして体力が必要だった.
また,エンジンが後ろにあっても変速機を後ろに置くと,操作レバーが長くなり過ぎて,人力ではギアチェンジが更に大仕事に.
(でも動力補助機構をつけたら更に複雑にそして重くなる)
さらに,後ろのエンジンから前部の変速機へと動力を伝える動力シャフトは,パワーをロスし構造の複雑化も招いた.
以上のような欠点を電動戦車は解消できると思われていた訳.
実際には,内燃機関に加えて発電機とモーターというものが加わった分,整備が面倒になり,しかも過大な加重がかかる戦車では,相互の動力伝達が不具合を起こしまくって故障続出,走らせるだけでも一苦労,という大失敗に終わった.
尚,エンジンは片方だけでも両方の発電機を回せるが,その構造がさらに機構の複雑化を招いた上に,実際はエンジン一つの出力ではマトモに走れるだけの電力を発電させる事が出来なかった.
現場では片方のエンジンが壊れた時は,相互連結を切って片方のエンジン+発電機だけ動かし,無理矢理片側の発電機の配線を両方のモーターに繋いで動かしたそうな.
もちろん電力不足で「摺り足のようにしか走らない」し,エンジンと発電機に過負荷がかかって,すぐにもう片方のエンジンと発電機も壊れたそうだが.
軍事板,2005/11/06(日)
青文字:加筆改修部分
【質問】
エレファント(フェルディナンド),ティガーⅠ(P),マウスなどを製作したポルシェ博士というのは,現在でも某有名スポーツカーの名前として残っている,と雑誌で読んだのですが,車自体はポルシェ博士が開発したものなのでしょうか?
それとも,ポルシェ博士の名前がただ残っているだけなのでしょうか?
そこのところの関係を教えてもらえませんでしょうか?
また,何故にポルシェ博士という方はあのような先進的な(?)戦闘車輌を開発したのでしょうか?
世に言うところの「マッドサイエンティスト」というお方なのでしょうか?
【回答】
フェルディナント・ポルシェ博士は,フォルクスワーゲンの設計者として有名です.
ワーゲンは,ヒトラーの演説にある「国民の一家庭に車を一台」という公約と結びついて生産されました.
永久に型を変えない為に,金型は銀で起したといわれています.
実のところヒトラーの思惑は,後輪駆動であるフォルクスワーゲンは,前方から銃で撃たれてもエンジンを破壊されない,という点で気に入っていたらしいです.
これが馴れ初めとなって,ヒトラーのお気に入りとなったポルシェは,あの迷戦車群の設計を行うことになります.
戦後も獄中で,フランスの為にシトロエンの設計をすることによって,早く出獄できたとも言われています.
因みにVK3001(P)は,ポルシェ社内では「ポルシェタイプ100」と呼ばれ,後のスポーツカー911とかまで連なります.
戦後のレオパルドI,IIの初期設計にも,ポルシェは関係しております.
軍事板,2001/06/07(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
Codename: Panzers, Phase Twoと言う多少古いww2RTSゲームをプレイしているのですが,有名なナチスドイツのティーガ戦車を鹵獲してウハウハだったんですが,砲等の旋回が大変遅くとても使い難いです.(スペックは良い)
実車でも砲塔旋回は遅かったんですか?
【回答】
手動の場合,後ろ振り向くのに30秒.
動力使える場合は一周するのに20秒前後.
まあ,場合によっては文字通り死ぬほど遅い,と感じるだろうな.
ティーガーは高いスペックを活用して活躍した反面,ドイツ軍における評価は,旋回速度の話に限らずすこぶる低かった.
重すぎる重量で,たいていの橋は渡る事ができず,代わりに潜水渡河装置はついているが信頼性が無かった.
車輪の着脱が困難で鉄道輸送にも時間がかかり,懸架装置も脆すぎ,それらの様々な改修にも関わらず評価は低いままだった.
強力ではあるが,運用する側からすれば活用できる局面が限られる使い難い兵器ということ.
あれが活躍を始めてる時点で,ドイツは負けてるんだよな…
本来のドイツのドクトリンから考えれば,ティーガーなんて足の遅い戦車使えない.
軍事板
青文字:加筆改修部分
ティーガー戦車
(画像掲示板より引用)
【質問】
タイガーⅡ型のポルシェ砲塔って何年ぐらいまで前線に出ていたんですか?
【回答】
終戦直前まで活躍しています.
第507重戦車大隊が1945年3月にゼンネラーガーで再編成の際に受領したティーガーⅡの中にポルシェ砲塔のものが混じっていたらしく,4月初旬に燃料切れで放棄後破壊されたポルシェティーガーの写真が残されています.
また,第508重戦車大隊が1945年3月に,パーダーボーン戦闘団から"かすめとった"ティーガーⅡ3輌のうち,1輌はポルシェ砲塔付きでした.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2005/01/21
青文字:加筆改修部分
【質問】
パンテルの75㍉はティーゲルの88㍉よりも装甲貫徹力で勝っていたと聞きましたが,それなら何故ティーゲルに75㍉を搭載しなかったんでしょうか?
【回答】
そういうアイディアもあった.
実際ティーゲルのヘンシェル社案ではパンターのものによく似た砲塔に75mmゲルリッヒ砲――超硬弾頭を使用した,砲口に行けば行くほど内径が細くなっている砲.砲身内圧を無理やり上げて初速を増し,威力を増やす――を搭載する予定だった.
ティーゲルⅠは重戦車として陣地攻撃に使うことが想定されていたので,最終的には榴弾の威力を考慮して88mm砲が採用された.
で,実際パンターと同じ75mm砲に換装する案もあったが,パンターの生産に支障が出るので没った.
つまり,「遠距離は88のが強いし,新型のパンテルに積む物をわざわざティーゲルに回すのもアホらしい」ということ
また,75mm砲は砲弾が軽いため,一定以上の距離だと貫通力が88mm砲以下になる.
さらに,開発年度が75mm砲はタイガーの実戦投入以後.
【質問】
先日,一等自営業閣下の「武器と爆薬―悪夢のメカニズム図解」を読んでいたのですが,パンターとティーガーの解説の部分で,
「表面硬化処理した上,傾斜装甲にして防御力を高めているのがパンター.
垂直にして装甲を厚くしているのがティーガー」
と記述してありました.
そこで思ったのですが,なぜティーガーも表面硬化処理した上,傾斜装甲にしなかったのでしょうか?
おんなじ重さの装甲板なら重量もかわらないですし,いろんな面からかなりオトクな感じがするのですが・・・
【回答】
六号戦車「虎」が,五号戦車「豹」よりも生産開始が早かった為です.
ドイツ軍の恐怖の的となったT34の設計思想を,ドイツが戦車設計に取り入れる時期と丁度,前後していたので装甲の形状の違いとなっており,「虎」戦車もその改良型「虎2型」では傾斜装甲を取り入れています.
ちなみに表面硬化装甲自体が,コストダウンのための苦肉の策だったり.
安価かつ大量に生産しなければならなかったパンターは,装甲の材質にやや劣るものを使用する必要があったので,その強度不足を補う為,焼入れしました.
表面硬化装甲はある限界点を超えると,大きくひびが入ってしまう欠点があるんで,あまり広く採用されてはいません.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ティーガーⅠの砲塔正面から傾斜した上面装甲が確認できますが,25mmしか無い筈なので,曲射弾道で上面装甲に直撃されるとかなり危険ではないのでしょうか?
【回答】
実際に東部戦線では,ソ連軍の重榴弾砲(150mm以上)に上部装甲を貫通される事態が発生しています.
このため,44年3月以降の生産分では砲塔の天井の装甲を厚さ40mmに変更しています.
ただ,命中する確率としては,それほど高いものではないと思います.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2006/04/28(金)
Névtelen őrmester ◆Sgt/Z4fqbE : "2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/28
(péntek)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
というのも,曲射弾道兵器は面制圧を行うもので,動いてる戦車に狙って当てる物では無いからです.
榴弾(大口径)でも上面に当れば撃破可能ですが,命中は確率的にしか望めません.
戦車のいる地域をグリッド射撃する事は当然行われます.
戦車に直撃しなくても他の兵器は排除できますし.
軍事板,2006/04/28(金)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/04/28 (péntek)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
【質問】
タイガー戦車の操縦席の巨大なハンドルは,どういう仕組みで作動して居たのでしょうか?
戦車ですから,普通の車のハンドルとは違う構造だと思ってます.
ハンドルの形をしたシフトレバーだと教えて貰いましたが,今一つ理解でしませんでした.
どうか御教授宜しく御願い致します.
【回答】
当時のドイツ戦車のハンドルは曲がろうとする側に切る角度によって,内側の起動輪を減速させる.
つまり,ハンドルの操作で内側と外側の起動輪の回転が変化して車体が旋回する.
以下の2種類がある.
1.ダブルラディアス方式
大曲率用クラッチ→小曲率用クラッチの順に2種類のクラッチをスムーズに切り替える.
要するに,ハンドルを切る角度で,
1)大きな半径の旋回のために片側の起動輪の回転を少し落とす
2)小さな半径の旋回のために起動輪の回転を大きく落とす
と言う感じで切り替えが出来る.
2.シングルラディアス方式
直進用より小曲率用のクラッチ→ブレーキの順に作動する.
要するに,ハンドルを切る角度で,
1)大きな半径の旋回のために片側の起動輪の回転を少し落とす
2)ブレーキで片側の起動輪を止めてしまう.
と言う感じで切り替えが出来る.
ティーガーは1.パンターは2で,1の方が圧倒的に操作が楽だが構造が複雑になる.
とは言え,ティーガー1は極初期の20台を除き,右側のキャタピラを左側にも履かせている.
シングルピンで方向性のあるキャタピラなので,長距離を直進すると微妙に針路がブレたそうで,実はひたすら真っ直ぐ走ることが出来なかったりする.
【質問】
ティーガーIのSマインの装備位置がわかる画像はありませんか?
【回答】
初期型の車体上面の発射器のことだとすると….
http://www.fprado.com/armorsite/Tiger1-2002-Picz/GD-Tiger1.jpg
http://www.worldwar2aces.com/tiger-tank/tiger-tank-images/tiger-tank-03.jpg
発射器は左側に三ヶ所,右側に二ヶ所.
上段,車体左側では操縦手用ハッチの真横と砲塔ピストルポートの左横に確認できます.
車体後部の角にもあるはずなんですが,これは基部だけ?
下段,車体右側には砲塔バイザーブロックの右横と車体最後部の角に確認できます.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE
【質問】
第二次世界大戦中,ドイツ軍の四号戦車乗りがティーガーに車種転換したことはありましたか?
【回答】
多くのティーガー重戦車大隊は既存の戦車連隊から兵員を抽出して編成されていますので,当然四号戦車からティーガーに機種転換した戦車乗りも多かったでしょう.
例として挙げると,第506重戦車大隊は第9装甲師団第33戦車連隊第Ⅲ大隊を基幹として編成されています.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE
【質問】
最強のタイガー戦車長は?
ビットマン…カリウス…知られざる虎戦士を教えてくらはい.
【回答】
クルト・クニスペル曹長でしょうね.
503重戦車大隊に所属していたクニスペル曹長の戦車撃破数は160両以上と言われています.言うまでもなくこれはビットマンやカリウスより多い数字です.
しかし,騎士十字賞を受賞していないためか,その戦歴はよく分りません.
手元でクニスペル曹長を取り上げた資料は大日本絵画の「重戦車大隊記録集Ⅰ:陸軍編」くらいですが,終戦まじかの1945年4月29日にヴォスティッツ近郊の防御戦で戦死した事ぐらいしか載ってません.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2006/03/09(木)
青文字:加筆改修部分
戦車撃破スコア第1位は第503重戦車大隊のクルト・クニスペル(168両)
カリウスは150両以上で3位.
ヴィットマンは138両で5位
その他はここを参照
http://www.alanhamby.com/aces.html
軍事板,2006/03/09(木)
青文字:加筆改修部分
【質問】
イタリア戦線で,タイガー戦車とアメリカ駆逐艦が撃ち合ったとの記述をPanzerという雑誌で読んだ事があるんですが,双方でどの程度の損害がでたんでしょうか?
【回答】
1943年,シチリア島に上陸した連合軍に対し,ドイツ軍は即座に反撃に出た.
ティーゲル戦車を中核とした大隊規模の戦車部隊は,橋頭堡にあと一歩という所まで迫ったが,指揮官のパットン将軍は,支援の巡洋艦と駆逐艦に味方を巻き添えにするのを覚悟で支援砲撃を要請.
戦史に珍しい戦車と軍艦の撃ち合いが行われた.
ティーゲルが如何に強力でも12.7cmと15cmのつるべ撃ちには敵う筈もなく,ドイツ軍側はほぼ全滅.
連合軍艦隊は数隻が小破しただけだった.
【質問】
マーケット・ガーデン作戦とアルデンヌ攻勢,ベルリン攻防戦にティーガーⅠは参加していましたか?
もし参加していたならば,部隊名などもよろしくお願いします.
【回答】
マーケット・ガーデン作戦とアルデンヌ攻勢の両方にティーガーⅠで参加した,ユニークな部隊が存在します.
重戦車中隊「フンメル」は第Ⅳ軍管区直轄の警戒部隊として1944年7月にパーダーボルンで編成され,9月にアーンエムへの出動命令が出されました.
同中隊は第10SS装甲師団「フルンツベルク
Frundsberg (ハプスブルク家の戦士)」に配属され,ここで英軍空挺部隊と戦闘を繰り広げています.
11月に中隊長フンメル大尉を失った中隊は,12月に第506重戦車大隊に編入され,第4中隊とされました.
大隊は直後にバストーニュ方面の戦闘に投入されて多数の損害を被っています.
その後,中隊は第506重戦車大隊への配属を解かれ,再び独立中隊として終戦まで戦いました.
ベルリン攻防戦では,ブランデンブルグ門の前で撃破されたミュンヘベルグ戦車大隊のティーガーⅠが有名.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE
余談だが,2006/8/12付のフランクフルター・アルゲマイネ紙上で,SS隊員だったことを告白した,作家のギュンター・グラスは,この第10SS装甲師団所属.
もしかしてタイガーをその目で見ているかもしれない.
【質問】
第二次大戦時に日本のドイツ在住の大使が,参考兵器としてタイガー1号を購入しまししたが,買ったのはいいが結局,日本には送る手段が無かったと聞きました.
この購入したタイガーはその後,どうなったんでしょうか?
あと,他に購入したドイツ兵器にはどの様な物があったんでしょうか?
【回答】
日本が購入したティーガーE型は,1943年9月にヘンシェル社に日本への発送命令が出されて,10月にケーニヒスボルンの陸軍機甲兵站部から日本に送る準備が始められました.
10月7日に日本に対して請求書が送られ,この時の価格は645,000マルクとなっています.
10月末には日本への発送が整いボルドー経由で送り出されましたが,戦況の悪化により,しばらくそこで待機を命じられました.
1944年2月28日にはヘンシェル社は日本からの代金の振込みを確認したのですが,最終的に9月21日付の通知書により日本へ引き渡されないことが決定し,ドイツ陸軍が貸与という形で使用できることになりました.
出荷を断念したティーガーは1944年1月にSS101重戦車大隊に,車体番号”455”として引き渡されています.
なお,出荷の候補としてはパンター戦車も上がっていました.
ヘンシェル社には日本でのライセンス生産をにらんで組み立て説明図を日本に送るよう要請があり,これに答えてマイクロフィルムに納めた説明図2組が作られました.
しかし,結局日本に送られることは無く,現物は終戦時に米軍に接収されています.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE
【質問】
10年ぐらい前に『モデルグラフィック』という雑誌で宮崎駿が,
「王虎より軽虎だ!」
ということでタイガー1型を軽量化するという企画がありました.
・88mmはそのまま
・足回りには手をつけない
・前面を傾斜装甲に
・砲塔をパンターF型の小型砲塔にする
「これで1トンは軽くなる!」
と自画自賛していましたが,発想としては間違っていないんでしょうか?
【回答】
「ティーガー」レベルの品質の戦車になると,1tの軽量化が本当に実用化出来れば,信頼性はアップします.
はっきり言ってしまえば,基礎設計段階で主砲の換装(それに伴う砲塔の換装・車体幅の増加,結果として大幅な重量増加)と言う大幅な設計変更をしていながら,ヒットラーの誕生日を基準に無理なスケジュールで開発を急いだと言う事情があり,他の重戦車より遥かに重量軽減の効果が出る戦車と言えます.
(重量の軽減がそのまま稼働率の向上に繋がるかと思います.)
また,パンターFの小砲塔は砲塔前方を絞り込み,横幅の広い防盾を豚鼻型に改めることで重量を換えずに装甲を強化しています.
あれは小砲塔と言いつつ,意外と中央付近の横幅は広いので,砲塔内のスペースは犠牲になっていないと考えられます.
あの砲塔に88mm砲(ただし71口径)の搭載も検討事項としていたようです.
ただ,あれは所詮パンターの砲塔ですので,側面・後面の防御力は大幅に低下します(傾斜装甲ですが.)
要は単純に砲塔の装甲を減じて重量を軽減すると言うのであれば,別に砲塔の形式など変えずとも,各部の装甲を減じてしまえば良いことになります.
さらに,ティーガーは前面を傾斜装甲にすることは出来ません.
同車に採用された操向装置は大きなスペースを必要とするため,車体前方は絞り込めません.
(逆に言うと,パンターは車体前方を鋭角にすべく,より単純なシングルラディアス方式の操向装置を採用しています.)
車体前方を傾斜させるには操向装置の改設計が必要です.
と言っても,そうしたコンポーネントはパンター2とティーガー2用に,いずれ開発されるんですけど.
ぶっちゃけると彼のプランは,
「それならパンター2を実用化してしまった方が良いでしょう」
と言うレベルです.
生産ライン転換の空白期間などと考え合わせると,結局は史実どおり,パンターのマイナーチェンジとティーガー2の開発,E-50・E-75の開発と言う選択肢の方が正しいと言えるでしょう.
やってることは間抜けに見えても,実はあれしかやり様が無かった.
それについては4号戦車の改造プランを募集した時の宮崎駿は理解していたはずだけどなあ.
全読者作品が陳腐な妄想のレベルで,宮崎氏はどれもこれも酷評していた.
それこそ当時,まともな読者の間でも
「あんな馬鹿企画応募する奴いるんだなあ」
って嘲笑と,こうなることは判っているのに何で募集するのかな?って雑誌批判が飛び交ってたけど.
(「僕の考えた…」とか,「あえて延命改良…」は模型雑誌にはよくある企画だけどね)
結局は
「そんなことが本当に出来るなら,それこそドイツ人だってやっている.
出来ないからやってないのであって,妄想の翼広げる前にドイツ人がやらなかった理由調べた方が良い」
っちゅうことですよ.
540 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2008/04/19(土) 15:00:10 ID:???
結局は独ソ戦なんぞやらないのが一番合理的.
【質問】
ティーガーⅡなんていう馬鹿げたものを作るくらいなら,そのリソースを全部五号駆逐戦車生産にでも回したほうがよかったのでは?
【回答】
いや.当時のあの国はあれしか選択肢ないんだよ.
リソースを何かに集中させて,特定の兵器を大増産するような工業力は無い.
各社が今ある設備で作れる物を作るしか無い.
あと,5号駆逐戦車も結局信頼性の低い車輌だし.
一つ言えるのはシングルラディアス方式の操向装置でブレーキを多用しながら旋回させる時に,変速機に多大な負荷をかけている操縦兵が多かったとされる.
【質問】
タイガー戦車の部隊マークに使われたと聞く,「踊る悪魔」についておせーて.
使われた時期とか,考えた人とか,理由とか,どんな部隊に描かれたとか.
【回答】
1943年春,ハウサーSS大将に率いられたSS戦車軍団はハリコフを奪還しましたが,その際SS第2装甲擲弾兵師団「ダス・ライヒ」のSS第2戦車連隊に所属する,三号戦車に乗る一戦車兵が市内で小さな金属像を見つけました.
その像は手と舌を前に突き出した,異様な姿をしていました.
そのユニークな姿に惹かれた彼は,その像に”Sprigender
Teufel”と名づけました.
その後彼は,この像と共に「ダス・ライヒ」第8中隊に転属してきました.
こうして,その像は第8中隊のマスコットに決定したのです.
なお,その兵士の名前およびその後の運命は不明.
当時の中隊長はツィンマーマンSS大尉.
「悪魔」は当時のロシアでは悪霊除けのおまじないとして一般的な縁起物だったようです.
悪魔といってもいわゆるホブゴブリンらしいけど.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE in 軍事板,2007/07/01(日)
【質問】
本物のタイガー戦車と映画のものとの外見上の違いを教えてください.
【回答】
「よくできたティーガー」であるT-34改造タイガー(プライベートライアンとかに出てきたやつ)との識別点は以下の通り.
*車体と砲塔の横幅(改造タイガーはスリム)
*砲塔の位置(改造タイガーは砲塔がかなり前にある)
*履帯の形状(改造タイガーはT-34のままかT-54の履帯履いてる)
*最前部の起動輪に「歯」があるか(改造タイガーには「歯」がない)
*排気煙の色(改造タイガーはディーゼルエンジンなので,排気が黒い)
他にも識別点はあるが,これが一番わかるポイント.
あとこのページも参考にどうぞ.
「スタジオじぱんぐ 映画の中の戦車」
軍事板,2006/05/02(火)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/05/02 (kedd)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
【質問】
本物のティーガ-戦車は買えませんか?
もちろん,可動しなくても結構です.
完全な形でなくてもいいのですが.
例えば砲塔だけとか,何か部品でも結構なんですが・・・
【回答】
敗戦国の兵器は,あまり後世に残りません.
敗戦国の兵器なんて,ほとんどが戦場で壊されるか,戦利品にされるか,もしくは敗戦時に破壊されるかの,いずれかですから.
中古市場に大量に流れる可能性が無い以上,確実な虎の入手の方法なぞは,あろうはずがございませぬ.
マニヤ同士の個人売買以外に,手は考え付きませんね.
オリジナルの虎の部品は,もはや人類史の貴重な遺産で,博物館あたりに目をつけられたら,収蔵庫に吸い込まれてしまうでしょうから.
特に,タイガーは人気が有るので,めぼしい物は好事家の手か,博物館へ行ってしまっています.
なので気長にオークションを待つか,東欧とかロシアから発掘して来るしかないのでは?
海外のネットオークション(e-buyとか)を覗いてみたらどうでしょう?
贋物掴まされるかもしれませんが.
戦勝国のT-34とかは,それなりにいっぱいあるんですけどね・・・.
T-34を買ってきて改造し,外見だけティーガー戦車に似せ,雰囲気だけで満足するというやり方もありでしょう.
軍事板,2002/07/17
青文字:加筆改修部分
【質問】
重量過大で,あまり役に立たなかったと言われるヤークトタイガーですが,何らかの戦果は挙げれたんでしょうか?
【回答】
とにかく移動中に故障するもんだから,中隊単位とかまとまった状態での投入がなかなかできなかった.
オットー・カリウスが指揮した第512重戦車駆逐大隊第2中隊などは,経験の浅い戦車兵が多くて,敵の集中砲火を浴び,しかし前面装甲で弾き返してるのに,ビビって向きを変えて下がろうとして,側面を撃ち抜かれ撃破されたやつなんかもいた.
(『ティーガー戦車隊』下巻参照)
農家の向こう側に逃げたM4を,農家ごと吹き飛ばした,なんてエピソードもあったけど.
軍事板
青文字:加筆改修部分