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◆◆◆◆◆戦闘車輛
<◆◆◆◆車輛
<◆◆◆装備
<◆◆ドイツ陸軍
<◆陸戦 目次
<大西洋・地中海方面 目次
<第二次大戦
(画像掲示板より引用)
「2ch.軍事板」◆(2003/02/15~) こんな黒騎士中隊はいやだ!Ⅲ号J型
回収すべきレス無し
「2ch.軍事板」◆(2003/02/16~) 誰がなんといっても3号戦車でガンバルスレ
回収すべきレス無し
Panzer World (ドイツ軍戦車)
『1945年のドイツ国防軍戦車部隊』(マクシム・コロミーエツ著,大日本絵画,2006.10)
ぱらっと読んだんだけど,マクシム・コロミーエツって間違いだらけで,注で訂正しまくられてんだけど,こいつ大丈夫?
Trojcaとかもそうだけど.こういう人たちの著作を叩き台にして,邦人の専門家が本作って出した方がよさげなんだが.
注で訂正しまくるような資料的書籍って,本末転倒だろ.
――――――軍事板,2010/05/22(土)
同意.
ロシアで出版されたドイツ国防軍視点の本を,わざわざ翻訳して日本で出すこと自体がおかしい.
でも,同シリーズの『死闘ケーニヒスベルク』も,ドイツ側記述は高橋氏の注釈だらけだけど,ソ連軍の動きだけに注目して読めば,なかなか興味深い.
出版しても売れないから仕方がないけど,こういうテーマの本は日本では少ないんだよね.
――――――軍事板,2010/05/23(日)
『38式駆逐戦車ヘッツァー』(マルツィン・ラインコ著,大日本絵画,2010.3)
『SS戦車隊』(ヴィル・フェイ著,大日本絵画,1994.3)
読みました.
特定の主人公がいるのではなく,SS戦車隊に所属していた何人もの隊員の手記集なんですね.
体験者の手記は,まるで自分がその場にいるかのような臨場感があります.
アルデンヌ攻勢は,ちょっとお粗末杉じゃあないかい,独・米両軍にとって.
ティーガー2が通るには道が細すぎる,弱すぎる通れませんって.
事前偵察はなにやってんの.
米軍も,町の中央部にドイツ戦車が入ってくるまで気付かないとか.
うーむ.
敵の攻撃の最中に,戦車から出てキャタピラ修理する話は,くどいぐらい出てきますね.
キャタピラ損傷の深刻さ,頻繁さが伺えます.
そんな中で修理するなんて,すごい勇気だ.
ヤーボの機関砲弾がエンジンを貫通.
一晩かけてエンジン修理.
どうやって修理するのか,想像も付かない.
「住宅団地」の土道で,戦車が雪解けの泥道に沈んでいる写真・・・・.
そこの住人,普段からどうやって通行しているんだろう.
戦車であれなら,生身の人間は道に沈んで溺死するかも.
ベルリン戦.
砲撃中のソ連軍砲兵のすぐ後ろで,水汲みを続ける市民の写真.
シュール過ぎる.
------------軍事板,2012/01/08(日)
青文字:加筆改修部分
『戦場のドイツIV号戦車』(マルクス・ツェルナー著,大日本絵画,2007.5)
『戦場のドイツIII号戦車』(マルクス・ツェルナー著,大日本絵画,2007.5)
『ティーガーの騎士 ミヘル・ヴィットマン物語』(カール・コーラッツ著,大日本絵画,1993.8)
一言でいえば,「読み物としてはそこそこ」
パトリック・アグテの『ヴィットマン』が出版された現在としては,資料的価値は低いが,ヴィットマンの伝記小説として読めば,それなりに読めるかと.
斎木さんの「タンクバトル」みたいな感じかな.
この本の最大の問題は,縦組みの版面の本文の文字サイズがでかく,1ページの行数が妙に少ない,まるでタレント本のような割り付けをしてあること.
だからかえって読みにくい.
これはおそらくお年寄りに優しい版面構成……じゃなくて,文のあちらこちらにドイツ語読みのカタカナルビが振ってあるので,そのスペース空けるためだと推察する.
――――――軍事板,2011/08/12(金)
『ドイツ戦車戦場写真集』(広田厚司著,光人社,2006.10)
『パンター戦車戦場写真集』(広田厚司著,光人社,2009.5)
『パンツァータクティク WW2ドイツ軍戦車部隊戦術マニュアル』(ヴォルフガング・シュナイダー著,大日本絵画,2002.9)
イイね.
戦車大隊の行動がわかるから.
次に戦車の行動記録を読む際の道標になる.
------------軍事板,2012/01/05(木)
ドイツ軍の当時の戦闘教義で,入手性良くて日本語で読める原典.
戦車限定.
戦車学校シリーズわ,骨の髄までのミリヲタを目指す人間に勧めるにわ,考え違いな記述が多過ぎるし(笑
------------┐<^♯^>┌ ◆MANSEY5L0w :軍事板,2012/01/05(木)
青文字:加筆改修部分
『捕獲戦車』(ヴァルター・J.シュピールベルガー著,大日本絵画,2008.8)
【質問】
『完全版 図説・ドイツ戦車パーフェクトバイブル』
(歴史群像シリーズ) の購入を 検討しているのですが,これは良くある焼き直しの類でしょうか?
【回答】
学研WW2のムックシリーズ各種からの抜粋再編集.
過去のシリーズを買い逃した人向け.
『装甲部隊全史』 が,部隊運用のまとめ.
『ドイツ戦車』が,ハードとしてのまとめ.
Lans ◆xHvvunznRc : 軍事板,2011/10/17(月)
青文字:加筆改修部分
でも「装甲部隊全史」には,I,II,III分冊初出時にはなくて,その後の「ドイツ戦車」にもなかった新記事があったよ.
グデーリアンがヒットラーの口利きで,国有財産の一部を便宜供与してもらってた…ような記事.
まあ,全貌は闇の中なんだろうけど,ナチに深入りしていなかったと,一般に思われている国防軍軍人も,精査すれば色々あるだろうってことのようです.
軍事板,2011/10/17(月)
青文字:加筆改修部分
後は,その数ページの為に1冊買うか?という話ではないかと・・・
Lans ◆xHvvunznRc : 軍事板,2011/10/17(月)
青文字:加筆改修部分
【質問】
T-34等ヘッツアー程度で十分だろうし,コストはパンターの半分も無いかも知れぬだろうか
某研究者
【回答】
ヘッツアーは視界が悪い.特に右側の視界は「無し」
だから指揮車が将棋の駒みたいに動かしてやるか,チームで綿密に連絡を取らないと,まともに動くことすらできない.
戦車の代わりなどもってのほか.数発撃ったら陣地転換する移動対戦車砲として見たほうが良い.
実はドイツの現地指揮官にも某研みたいに考えるのが多くて,視界が利かないのにのろのろ前進させた挙句,周りの状況がわからないままアボーンというパターンが多かったらしい.
それと駆逐戦車は戦車のように使おうとすると頻繁に信地旋回せねばならないため,すぐにトランスミッションがいかれてしまうそうだ.よって戦車の代わりは無理.
モーターブーフの「軽駆逐戦車」に書いてあった,ヘッツァー運用の教訓をうろ覚えで書いてみると,
1.ヘッツァーは戦車じゃない. 突破攻撃の先頭に使うべからず
2.かならず集中運用すべし.視界が狭く,砲の可動範囲が狭いので,互いに死角を補う必要あり
3.待ち伏せ攻撃を多用すべし
だったはず.
とにかく「装甲がついて,自分でかろうじて動き回れる対戦車砲」にすぎないので.重量過多で速度も遅く,戦車代わりにはならないってこと.
これはドイツでも日本でも同じ.
視界の悪い森林部だと,よけいに他の部隊との連携が重要になってくるだろう.
【質問】
まあ軽量な15トンのヘッツアー等でも信地旋回がトランスミッションをいかれさせるのかだが,砲も一応横には少し動けただろうか(某研究者)
【回答】
オスプレイ見ると,左が5度で右が11度.砲身がオフセットしているので,常に右側に車重がかかりぎみ.
普段からバランス悪く無茶しているもん無理させたら,壊れるでしょうね.
ヘッツァーは防御兵器と割り切って,消耗前提に大量生産するもんでしょうなあ.
なお,最初の要求は左右15度.(実現しなかった)
エンサイクロ ジャーマンタンク開いて,他のちょっと見ると,
ヤクパンが左右13度
ヤクティーで左右10度
割合実戦評判がよかった気がするフェルディナント/エレファントが28度
やっぱりこれメインで戦闘するのは・・・ちょっと・・・
ヘッツァー
(画像掲示板より引用)
【質問】
ドイツ軍の主要戦車の生産数は?
【回答】
生産時期 3号J60LMN 4号GHJ パンター ティーガーⅠ 虎Ⅱ 3突G+4突+4駆F+/70+4駆A
1942/01~06 1067輌 238 188
1942/07~12 653 642 ↓ 514
1943/01~06 913 1277 842 ↓ 1349
1943/07~12 1736 1000 ↓ 1886
1944/01~06 1763 1200 1354 ↓ 3030
1944/07~12 1362 2100 ↓ 3835
1945/01~05 435
853 489 1543
WEBで調査統計,一部推測も含みますが…
【質問】
ドイツはT-34やM4の様な,生産が容易で,そこそこの攻撃力の戦車を造れなかったの?
【回答】
ドイツは3号と4号を統合した,新たな中戦車VK20.01の開発を1938年から開始していた.
ただ,これは20トンクラスの中戦車で,独ソ戦で鹵獲したT-34の調査結果から,30トンクラスに要求が変更となったため開発をしなおした.
ダイムラー社案のVK.30.01(D)は外見や変速機の配置,ディーゼルを使うことなどがT-34と似ていたが,砲塔は全くのオリジナルデザインだった.
MAN社のVK.30.02(M)も外見はT-34に似ていたが,車内配置などはそれまでのドイツ戦車と同じだった.
主砲はどちらの案も75mm70l口径戦車砲KwK42だった.
戦車委員会での検討の結果,試作が遅れていたVK.30.01(D)は不採用となり,VK.30.02(M)がパンター戦車として生産されることとなった.
つーことで,T-34の影響は受けたものの,コピー案というのは無かったりする.
VK.30.01(D)もT-34に似ている点は多いがコピーではないし.
なお,T-34のV-2エンジンはコピーしようとしたが,量産に関する技術的な問題によって断念した
.
軍事板
青文字:加筆改修部分
M4コピー中
(画像掲示板より引用)
【質問】
WWII のドイツ戦車は優秀だが生産性の低いのが欠点,ということがよく言われますが,例えば一部で言われているように,T-34を鹵獲,模造して大量生産するようなことをしていれば,そうしないよりも,その後の戦局を多少なりとも有利に展開できたんでしょうか?
逆に資源の問題から,生産性の高い兵器を開発しても,量産が間に合わず,少数精鋭の設計をせざるを得なかった,というような面はあるのでしょうか?
【回答】
とりあえずドイツでは不足してたアルミニウムが,エンジンに使われてたので,T-34のコピーは無理.
でもパンターは相当,T-34の影響を受けてる.
シャーマンやT-34みたいな鋳造砲塔は,生産性がよいが,冶金技術が高いわりに何故か鋳造がヘタなドイツには,それができなかった.
あと,レアメタルの不足から,装甲に表面硬化処理をせねばならず,それも工数を増やしていた.
確かにドイツ人は凝り性だったが(挟込式転輪とか),生産性を気にしてなかったわけではない.
それに,大きな装甲板の溶接が行える設備のある工場や,砲塔に必要なベアリングの供給が,最初から限られているので,ヘタに性能を落として生産性を上げても,あまり意味が無いどころか,戦力低下につながる恐れがあった.
主力の戦車の生産ができない工場では,突撃砲や駆逐戦車を大量生産して,戦車数の不足を補っていたので,数を気にしていなかったわけではない.
軍事板,2009/06/29(月)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ナチスドイツは,なんであれほどの戦車のバリエーションを必要としたんですか?
正直,細かい違い毎に名前があって,区別がつきません.
【回答】
乱暴な言い方をすれば,ちょっとずつモデルチェンジした新型を少数ずつ繰り出すのは,貧乏国の常套手段.
もう少し掘り下げてみよう.
ドイツは工業製品を作るにあたって,職人の国ではあってもマスプロの国ではなかった.
そんな国が,電撃戦に代表される戦車戦術を編み出し,戦車に対する要求性能が高まる,
WW2が長引き,独ソ戦のように戦訓がいっぱいの局面に直面すると,ますます改良要求が高まる.
T-34やM-4のように,少々問題がある戦車でも数で押すような真似ができなかったドイツは,そうなると次々と新型や改良型を繰り出し,その場しのぎをやらざるを得なくなった.
「質で押す」というやつだが,工芸品的な性能はよくても,本質的には数と兵站の問題を超えることはできない.
必要としたのではなく,国力と戦況からそうなっていった,というべきなのよ.
ただしソ連はソ連で,工場ごとに細かい差異があったはず.
T-34の砲塔だけ見ても,時期や生産工場によって細かいバリエーションがある.
ただ,そのバリエーションを,生産・設計を統括する部門が,全て一元的に把握していたかどうかは,…どうだろうね.
米軍の戦車や航空機でも細かい違いがあり,バリエーションがある.
生産現場毎に少しづつ違い,それらが不断に改良されるのだから当然.
たとえばM-4のバリエーションも相当なもんだよ.
M-10やM-36のような無意味な,セクション間の対立のために作られたような車輌すら存在する.
単にマニアの掘り下げ度が並みじゃないってだけかもしれない.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
第二次世界大戦でドイツは戦車の生産量が少なかったのですが,占領地やドイツ本国内に工場を建てる,若しくは他のメーカーの工場を使うなど,生産ラインを増やす努力はしなかったのでしょうか?
史料見ていると,戦車にしても何にしても,車種毎にメーカー単独で作っているような感じで,効率悪くて仕方が無いような気がします.
平時ならばそれでいいでしょうが,戦時の国家体制で何でこんなに非効率的なんでしょうか?
ソ連にしてもアメリカにしても,大量生産するにあたって,もっと効率良くやっていると思うのですが.
資源とかお金とか,フランスその他を占領したときに,がっぽり稼げなかったんでしょうか?
【回答】
してるよ.4号はF型-F2型からクルップの他にフォマーグ,ニーベルゲンファルゲが受注してるし,5号はMAN,ダイムラー,MNH,ヘンシェルで生産してる.
戦車が足りないので駆逐戦車や突撃砲でごまかしてるのに,ソレ用のシャーシを生産してる設備(4号を作ってる工場)を潰して5号用に切り替えたら馬鹿みたいじゃないか.
.
また,プラダやスコダって何処の会社だか知ってるか? 今ある設備で38(t),マルダー3,ヘッツァーが造れるのに,設備を3号や5号に切り替えたら勿体無いだろう.
ソ連の場合は,民生品も含めてほかの装備をレンドリースに頼り,自国の工場は全て戦車への傾斜生産をすることができた.
しかしドイツじゃ,デマーグはハーフトラックを作る必要があったし,オペルはトラックを作らなきゃならなかった.
戦車だけあっても戦争はできん.
しかもソ連は,工作機械自体も輸入できる.ドイツはその生産も自前.
もちろんシュペーアが軍需相になるまで,独逸の兵器生産体制って必ずしも合理的じゃなかったし,国家総動員体制にもなってなかった.
それでもドイツの戦車生産量は,国力からしたら決っして少なくない.
鹵獲品や旧式の車体再利用したり,それなりの努力してあの結果.
技術にこだわる国民性のせいもあるが,やはり最後は国力差.
また,おっしゃるような統一をした場合,競争試作がなくなって性能が落ちるだろう.
明らかな無駄を許容しつつ,競争を煽るのが,資本主義のシステムなので.
アメリカのマスプロダクトは,資本の規模が違うので,比較はしないほうがよろしいかと.
【質問】
ナチの機甲師団において,開発されたばかりのパンサーやタイガーなどは,国防軍よりSSに優先的に配備されたと何かにありました.
実際そうだったんですか?
チョビヒゲは国防軍嫌いだったんですか?
また,国防軍の兵は
「んだよ!SSのヤツらばっか優遇されやがってよ… ふざけんじゃねーよコノヤロウ!!」
とか言ってたんでしょーか?
【回答】
パンターで編成された戦車大隊に関して,国防軍よりSSの方が編成が恵まれたのは事実.
SSの第1~第3装甲師団にパンター大隊が編成されたのは1943年9月ですが,
国防軍のほとんどのパンター大隊の編成が完了したのは1944年に入ってから.
他のSS装甲師団(第5・9・10・12)も1944年早々にはパンターが配備されており,優先して装備されたといっても良いでしょう.
しかも,SSのパンター大隊は各師団に固定して配備されたのに対し,国防軍のパンター大隊は師団から切り離されて独立運用される場合もしばしばでした.
ティーガーの運用に関しても,1942年中に編成された国防軍の第501~503の三個独立重戦車大隊に次いで1942年11月には3個重戦車中隊(SS第1~第3装甲師団に配属)が編成されており,優先装備といってもいい状態だと思えます.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE
ただし近年,
「国防軍とSSとの配備状況に関しては,必ずしもSSが優先されていたとは言えない」
との見解が出てきておりますので,ご参考までに挙げておきます.
Niklas Zetterlingの『Normandy 1944』によれば,1943年5月~1944年8月までのパンターのデリバリーを見ると,
SSには736両,
国防軍には3104両
が引き渡されており,SSを7個装甲師団,国防軍を25個装甲師団として,一個師団あたりの引渡し数両は,
SSが106両,
国防軍が124両
となります.
この一個師団あたり平均という考え方が現場実態を正確に反映しているとは断言できないものの,SSの優先度が高いという通説を補強するものでないことは留意すべきと思われます.
ちなみに,Thomas Jentzの『Die Deutshce
Panzertruppe』で同時期の各部隊の戦車の配備状況を見てみると
43年8月
・SS第2戦車連隊第1大隊:パンター71両
・第23戦車連隊第2大隊:パンター96両
43年11月
・第1装甲師団:IV号95両,パンター76両,他24両
・第25装甲師団:IV号93両,他8両
・LSSAH:IV号95両,パンター96両,他9両
44年5月31日稼動戦車数
・13Pz:IV-3両
・3Pz:IV-19両
・23Pz:IV-10両,V-52両
・24Pz:IV-40両,StuG-16両
・GD :IV-14両,V-55両,VI-20両
・3.SS-Pz:IV-28両,VI-8両
・14Pz:IV-35両,StuG-3両
・5.SS-Pz:IV-27両,V-78両,StuG-21両
【質問】
なんでドイツは駆逐戦車なんて代物を作ったの?
素直に戦車だけ作っていたほうが,効率いいような気がするんだけど.
砲塔が回らないんだから機敏性が失われるわけで,多少の生産性のメリットと製造費の低下以外に何かメリットがあるの? 特に,戦術的に何かメリットがあるのか著しく疑問.
【回答】
戦車を作るのが間に合わなかった事と,第一戦を離れざるをえなくなった車体の再利用と言った面が有ります.攻撃力不足の為,二戦級に落ちた車体を改造し,ワン・ランク上の砲を搭載すれば,運用方法によって第一戦で使用出来ますから.
また,工場によっては,Ⅴ号,Ⅵ号戦車が製造出来ないラインも有りますから,そのような工場には,旧式の車体で済む駆逐戦車や突撃砲を製造させていた訳です.
質問の中にあるような意見は,ドイツの戦車の生産建て直しと,戦車兵の育成を監督した,装甲兵総監であるハインツ・グデーリアン上級大将も申し述べていますが,上記のような前線での兵力不足と生産現場の事情の両面から,やむをえないということですね.
グデーリアン自身も,歩兵部隊の対戦車火力の補充のために,ヘッツァーの生産を促進せざるを得ませんでしたし.
ちなみに,ソ連もアメリカも,駆逐戦車は製造していますし,イギリスのファイァフライも駆逐戦車的な存在です.
【質問】
駆逐戦車の存在意義は数合わせですか?
【回答】
ナチスドイツの駆逐戦車なら,あれは突撃砲を対戦車用途に用いたら高い戦果をあげたこと,砲塔式じゃない分より大きな砲が載せられる,といったメリットが評価されたから.
砲塔が要らない分,生産が容易なので,爆撃により生産力の低下したドイツでは,戦車の代用として戦車部隊に配備されていた.
が,本来はそのように用いられる装備ではない.
WW2のドイツの場合.
敵の戦車(主にT34やKV1だが)の重装甲に対して,37mm程度の対戦車砲では力不足.
↓
対戦車砲大型化.
↓
大型化すると当然重くなり,運搬が難しいので車輌に乗せる(対戦車自走砲の誕生:マルダーとか)
↓
装甲が薄い.そこで敵戦車の反撃に耐えられる装甲を自走砲に与えてみた.
↓
駆逐戦車になってしまった…
なので,数合わせというよりは対戦車砲の自走化の結果.
ただ,戦車不足の穴埋めに使われたこともあったが,本来は戦車のように前に出て行って撃ちあう兵器ではない.
対戦車砲のような待ち伏せ兵器.
◆3VNnrlzJ9Q :軍事板,2006/04/03(月)
青文字:加筆改修部分
欠点としては
・砲塔がないので側面からの攻撃に即応できないなど,運用の柔軟性が低い.
・砲塔がないので,目標ごとに小刻みに車体の方向を変えなければならず,変速機やエンジンなどに負担がかかる.
・車体にくらべて長砲身かつ重い重量の主砲を搭載しているので,移動時にあちこちつっかえたり主砲の懸架が磨耗しやすい.
といった点が挙げられる.
ティーガー・エースのカリウスは,大戦末期にヤークトティーガーに乗ってるけど,回顧録で非常に厳しい評価をしてるね.
軍事板,2006/04/03(月)
青文字:加筆改修部分
【質問】
Ⅲ号戦車における5cm60口径砲の搭載に関して,ヒトラーの意向が強く働いたそうですが,このヒトラーの判断は妥当なものだったのでしょうか?
【回答】
独ソ戦でどうなったか考えれば明らか.
もし3.7cm砲搭載の戦車として設計されていたら,Ⅲ号戦車はほとんど対戦車戦闘が行えず,独ソ戦は事実上IV号戦車のみで戦うことになったはず.
可能な限り大口径・長砲身の砲を搭載させようとした,ヒトラーの判断は間違っていない.
フランス戦役で37mm砲での限界が見え,50mm砲への換装の際に,歩兵が使ってる50mm砲との共用を考えて,そこで妥協してしまった陸軍が間違っていた.
60口径にいきなり変更しても早晩限界が見えるわけだが,それでも42口径よりはマシだったで有ろうと考えられる.
【質問】
三号戦車には24口径75mm砲をつんだものがありますが,48口径75mm砲は積めなかったのでしょうか?
三号の砲塔の大きさや容積は四号の物と比較しても,大して違わないのですが・・・.ターレットリング径だって同じだと思います.
【回答】
ターレットリングを改修して4号の砲塔を載せるだけなら,III号K型指揮戦車で実現していますが,搭載砲は5cm60口径砲でした.
これは指揮戦車であるため,大型の7.5cmよりも容積を食わない5cmが好まれたという事情もあるのでしょう.
話を戻して,通常の戦車としてなぜ長砲身7.5cmが積まれなかったかといえば,重量バランスが崩れるの一言ですね.
戦闘室の容積も問題になりますが,7.5cmにした場合全体の重量配分がフロントヘビーになりすぎます.
そうなってくるとサスペンションの改修も必要になりますし,場合によっては駆動系の(特にミッション)の改修も必要になります.
反論として
「III/IV車体を作ろうとしてしてたのだから,それをIII号に持ってくれば」
といわれるかも知れませんが,主力戦車としては既にV号が控えているわけですので,今更なIII号にリソースを裂くわけありませんよね?
<´♯`> ◆MANSEY3Mcc :軍事板,2006/05/15(月)
<´♯`> ◆MANSEY3Mcc : "2 csatornás" katonai BBS, 2006/05/15
(hétfő)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
三号は50ミリ60口径砲の搭載までしか考えてなかったはず.
対戦車能力の低下から急遽HEATを使えるN型が生まれた.
で,旋回砲塔の48口径75ミリ砲を載せても重量過多になるのは明白.
しかもバランスが極めて悪くなる.
当然,装甲も減らす必要が出てくる.
同じようにパンテルの70口径75ミリ砲をⅣ号に載せる計画もあったが,バランスが悪すぎて結局失敗している.
軍事板,2006/05/15(月)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/05/15 (hétfő)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
【質問】
WW2でドイツが潜水戦車?を作ったと聞いたのですが,実際に使用されたのでしょうか?
【回答】
それは3号戦車を改造したもので,バルバロッサ作戦の初期の渡河の際に使われました.
本来は英本土上陸作戦で使われる予定でした.
海岸の手前で船から降ろし,上陸できるようになっていたので,水深15メートルは潜水能力がありました.
ちなみにこれが3号潜水戦車
右が英本土上陸作戦用に開発されたタイプで,フロート付のチューブを水面まで伸ばして吸気を行う.
左はバルバロッサ作戦で渡河用に改造されたタイプで,吸気はパイプで行う.
主砲の砲口はキャップで塞ぎ,上陸後に圧縮空気を吹き込んで吹き飛ばした.
軍事板
【質問】
WW2 ドイツ軍戦車に,派生型は幾つあるの?
【回答】
ちょっと思いつく限り挙げてみる.
指揮戦車とかは省くし,抜けがあると思うんで,補完は誰かお願い.
生産されてないのも入れてみる.
38(t)
マーダー3H型,マーダー3M型,マーダー3(r),グリーレ,38(t)式対空戦車,ヘッツァーとそのバリエーションとして火炎放射型,自走重歩兵砲.
1号
1号対戦車自走砲,1号自走重歩兵砲,1号対空戦車.
2号
2号自走重歩兵砲,フラミンゴ,ヴェスペ,マーダー2(Pak36(r)搭載型とPak40搭載型)
3号
3突(短砲身,F型,F8型以降),33B突撃歩兵砲,42式105mm突撃榴弾砲
3号潜水戦車
4号
4突,4号駆逐戦車F型,ラング(A/V),ブルムベーア,ヴィルベルヴィンド,オストヴィンド,メーベルワーゲン,あとは…IVa型10.5cm自走砲とかツェルシュテーラー45なんかも入れとこう.
5号
ヤークトパンター,ベルゲパンター,対空戦車ケーリアンcoelian,装甲観測戦車,あとは…クーゲルブリッツかな.
パンター2も入れてほしい気が.
6号(E)
ヤークトティーガー,シュツルムティーガー,ラムティーガー,無理やりフェルディナンドとエレファント.
後は3/4号を無理やり入れて,フンメルにナスホルン,ホイシュレッケか??
あんまり長くなるんで,捕獲車輌(35Rとか)には触れません.
軍事板,2003/01/25
青文字:加筆改修部分
【質問】
1号戦車って何?
【回答】
1号戦車 Panzerkampfwagen I はドイツが第一次世界大戦後,農機具のふりをして初めて量産した戦車である.
訓練および生産技術の習得のための軽量・簡易な軽戦車として開発されたが,本来の実戦用戦車であるIII号戦車,IV号戦車の数が揃わず,ドイツ軍の主だった戦場すべてに,こんな小さな訓練用戦車までもが,かり出される羽目に.
ただ,やはり7.92mm機関銃2丁の武装や貧弱な装甲では,数も質も優れていたソビエト戦車に対抗するのは無理で,1941年中には第一線を退いていったようである.
【参考ページ】
http://homepage3.nifty.com/sweeper/panzer/germany/1mt.htm
http://iinamotto.com/plamo_gallery/german2/op70.html
http://www.toytank.net/tank/1-f.html
http://german.www2-weapons.com/tank/xn--1-ieuqesa7416bq1rvn5eua.html
http://wiki.fdiary.net/ww2/?%A3%B1%B9%E6%C0%EF%BC%D6
【ぐんじさんぎょう】,2009/7/20 21:00
に加筆
2022.5.4修正
戦時中の児童向け軍事雑誌『機械化』16号(昭和17年3月号)より
挿し絵も豊富ですが,国産戦車だと色々と秘匿に差し障るからか,戦車の構造解説は独I号戦車,潜水艦はUボートといった具合.
その分,中々凝っています.
やっぱりこの時代の情報収集力は馬鹿には出来ませんねー.
よしぞうmaro' in mixi,2007年06月28日02:19
技の……
ごめんなさい,言ってみたくなったんです.
鉄底海峡 in mixi,2009年07月19日 23:15
【珍説】
373 :霞ヶ浦の住人 ◆iQXTBGahk. :2010/08/29(日)
21:44:19 ID:UECskjG7
>364
>WWⅡで,ドイツがフランスに攻め込んだ当初に使用された戦車は2号戦車と3号戦車が主とのことですが,
>対戦車戦闘をあまり考慮していなそうな2号戦車なんかでも,電撃戦に耐えられたものなんでしょうか?
霞ヶ浦の住人の回答.
「電撃戦に耐えられ」ました.
説明.
電撃戦とは,スピードを武器にした戦いでした.
武装や装甲はあまり問題となりませんでした.
そのため,なんとか戦車としての役割を果たせました.
2号戦車は訓練用戦車です.
本来は,戦闘に向かないのです.
「ハインツ・グデーリアンは後に「まさかこれら訓練用戦車で大戦に突入するとは思ってもみなかった.」と語っているが,
一方では榴弾も使用できる20mm機関砲は歩兵の最大の敵である重機関銃手を攻撃するのに最適であり,被弾面積の小ささと単価の安さもあって
参謀本部の中にはこの戦車を主力とするよう献言したものもいた.
また主砲はもともと高射機関砲であるために初速が高く,その徹甲弾は相手が軽装甲であれば十分な威力を発揮できた.
しかし,対戦車攻撃力を重視するルートヴィヒ・ベックの反対もあり,結局当初の予定通りIII号戦車を主力とする方針が貫かれた.
実際にポーランド戦後,III号戦車,IV号戦車の生産がある程度軌道に乗り始めると,II号戦車は偵察・連絡を主任務にするよう格下げされた.
しかし,その後もしばらくは,数量的にはなおドイツ軍戦車部隊の主力車輌であった.」
下記,ウィキペディアのII号戦車の実戦投入と改修を参照ください.
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/2%E5%8F%B7%E6%88%A6%E8%BB%8A
【事実】
大いに問題のあるレスです.
Ⅱ号戦車は訓練用を兼ねていたものの,完全に実戦投入を前提とされた軽戦車・偵察戦車であり,使用する20mm徹甲弾は射距離100mで20mm,500mで14mmの装甲貫徹力を有し,軽戦車クラスとしては十分な火力を備えていますし,またそのように運用されました.
なお,後に高速徹甲弾を採用したことで,射距離100mで49mm,500mで20mmにまで貫徹力を向上させ,
BTクラス相手なら十分撃破可能な能力を獲得しています.
ゆうか ◆u8WC078ef5ch in 軍事板,2010/08/29(日)
青文字:加筆改修部分
【質問】
>2号戦車は訓練用戦車です.
>本来は,戦闘に向かないのです.
待ってください.
1号戦車と同じく,2号戦車もコンドル軍団に配備され,内戦中のスペインで戦闘に参加しているはず.
1号戦車が機銃のみなので,戦車と交戦ができなく,20ミリ機関砲を搭載した現地改造型を作り,スペイン政府側のT26などと交戦している.
その結果,20ミリ機関砲でT26を撃破することが可能だとわかり,新しく開発した2号戦車に20ミリ機関砲を搭載することとなったはずでは?
90式改 in FAQ BBS,2010/10/9(土) 18:4
青文字:加筆改修部分
【回答】
えーと,何かしら「ソースは2ch」なニオイがするんだけど……
何にせよ,とりあえず,まともなソースを持ってこないと.
例えば,
http://en.wikipedia.org/wiki/Condor_Legion
によれば,1号戦車の記録はあっても,2号戦車の記録はありません.
これは,『世界戦車戦史』1~2(小俣滋郎著,図書出版社,1981.10)でも同様です.
英語のソースではポツポツ見つかるものの,例えば以下のページ
http://www.achtungpanzer.com/panzerkampfwagen-ii.htm
では,
> It is unconfirmed if really any Panzerkampfwagen II tanks were used in Spain.
(意訳「本当に2号戦車が使われたか確認できない」)
としています.
ほかのソースでも,「いつどこで投入されたか」等の具体的情報は見つかりませんでした.
20ミリ機関砲については,こちらのページ
http://combat1.sakura.ne.jp/2GOUC.htm
に寄れば,2号戦車の基本要求は1934年7月です.
さらに,コンドル軍団の地上部隊が投入される1937年までに,50両程度の2号戦車が製造されており,武装は1936年から1942年まで,55口径2cm機関砲KwK30です.
したがって,「スペイン内乱の教訓から20ミリ機関砲を選択」とする見解は誤りですね.
極東の名無し三等兵 in FAQ BBS,2010/10/10(日)
0:43
青文字:加筆改修部分
▼
ごめんなさい,私の勘違いでした.
(極東の名無し氏,ありがとうございます.)
スペイン内戦前にすでに2号戦車は製造を開始していました.
ただし,1号戦車にイタリア製ブレダ20ミリ機関砲を積んだ,現地改修型は存在しています.
家にある本を読んでいたら,大戦勃発時のドイツ軍の戦車が悲惨なことに,今更ながら気がついた.
(準備不足はドイツ海軍だけではないのね)
本来なら偵察用の2号戦車を,主力として使わなければいけないほど,3号/4号戦車が不足していた.
したがって,
>WWⅡで,ドイツがフランスに攻め込んだ当初に使用された戦車は
>2号戦車と3号戦車が主とのことですが,
という,発端の質問自体が間違いであります.
90式改 in FAQ BBS,2010/10/16(土) 22:16
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
ゲーム「FPS」で戦車に乗ってて気になったんですが,当初3号戦車は戦車を撃破する,4号戦車は火力支援をするという目的で設計されたと聞きました
もともと三号,四号各々の車体は各々の役目に適当した作りになっていたのですか?
後に三号戦車に7.5cm短砲身を乗せたり,四号戦車7.5cm長砲身を乗せたのは,その必要があってのことですが,当初の意図に反するような装備や運用で,なにかしら不都合があった,ということはないのでしょうか?
【回答】
>当初三号戦車は戦車を撃破する
これはちょっと違うと思う.Ⅲ号戦車に求められたのは機動力を生かした敵戦線の突破・攪乱で,対戦車戦闘は二の次.
そもそも当初Ⅲ号戦車は3.7cm砲を戦車砲として搭載しており,5cm砲搭載型のG型が生産されたのは1940年に入ってから.
3.7cm砲搭載決定時,ターレットリングを広く取っておく配慮がなされたため,5cm砲の搭載が比較的容易にできた.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE,改
この配慮は,グデーリアンと兵器局との妥協の産物です.
当時,周辺国は3.7cm砲以上の砲を搭載しており,グデーリアン以下戦車士官達は5cm砲を要求しました.
しかし,装備に責任を負っていた兵器局は控えめで,砲兵監督官による歩兵はすべて大量生産されている3.7cm砲保有している,という後押しもあって,対装甲弾薬・兵器の標準化が明らかに望ましいと主張しました.
戦車仕官VS兵器局の激しい議論の末に,賢明な妥協が成立しました.
戦車士官は3.7cm砲を受け入れるが,将来5cm砲の搭載出来るようにターレットリングを広くとる設計にしたのです
詳しくは,「III号中戦車1936-1944(オスプレイ・ミリタリー・シリーズ世界の戦車イラストレイテッド)」(ブライアン・ペレット著)のP4を参照してください.
【質問】
Ⅲ号戦車とⅣ号戦車の共通化車台がありますが,これをベースに実戦化したのはフンメルとナースホルンだけだったと思います.あと試作の自走砲があったかな?
それでですね,この車台を使った,自走砲形式でない通常の戦車型の計画というのはなかったのでしょうか?
【回答】
漠然とした計画はあったが検討レベルでしかない.
元々,主力戦車をⅤ号戦車(パンテル)に切り替え,主力としては使われなくなるであろうⅢ/Ⅳ号戦車の「戦車以外の装甲車台として」の活用プランなので,通常の戦車を開発する必要性はない.
軍事板,2005/07/08(金)
青文字:加筆改修部分
一応計画案としては,Ⅳ号戦車の砲塔/エンジンをそのまま流用し,傾斜面を多用して装甲厚を強化した車体に組み合わせた物が提示されてます.
転輪は6組でリーフスプリングを使用,ギヤボックスや起動輪はⅢ号戦車のものを使用していました.
44年3月にクルップ社と試作の契約にまではこぎつけてますが,Ⅳ号戦車ラングの開発を優先するため,計画は中止されています.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2005/07/08(金)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ドイツの3号突撃砲って,どうしてヤークトパンターや4号駆逐戦車みたいに,正面装甲をもっと単純に一枚板の傾斜板にしなかったんでしょうか?
【回答】
突撃砲は先に砲を選定して,適当な車台(歩兵に随伴可能な装甲車輌)として,3号戦車の車台を選んだ.
その後,フランス戦の苦戦を受けて長砲身化の検討が始まり,実際に長砲身化が行われた後は,代用戦車としてのニーズが発生する.
当時,3号からパンターの生産転換や4号の増産(3号に変わって主力になった)が捗らず,3号突撃砲は大掛かりなマイナーチェンジなどする暇も無く,とにかく増産しなければならなくなった.
4号駆逐戦車・パンターは前面装甲に砲をマウントする砲架を考案した後に開発した.
そんだけ.それだけの話.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
III号も,砲をもっと前の位置にマウントできたら,ヤークトパンターや4号駆逐戦車みたいに,正面装甲を一枚板の傾斜板で覆うことができたでしょうか?
【回答】
不可能.
突撃砲の戦闘室は上に挙げた通り,24口径砲を基準に設計され,42口径超えた後の長砲身砲ではギリギリ.
旋回角度の小さい砲の照準のために,車体の旋回も多用する.
3号の足回りは振動が中々収まらない欠点があり,あれ以上フロントヘビーにしたら,ピッチングの収まりの悪さは実用の限界を超えるだろう.
(と言うか3号戦車の長砲身型でも,まずいレベルに達していた.)
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ブルガリアで盗まれたIII号突撃砲って何?
【回答】
記事ではパンサーとなってますけど,実際は三号突撃砲です.
ブルガリアで戦車泥棒逮捕,陸軍将校も関与(AFP,2007/12/26)
2台はいずれもドイツ製の「マイバッハ T-3(Maybach T-3)」戦車で,第2次大戦以後,ブルガリア南東部のトルコとの国境付近で地中に半分埋まった状態で残されていた.
[/quote]
各国陸軍関連資料 -- ブルガリア
各車輌のブルガリア軍呼称一覧などというものまであり,III号突撃砲,IV号戦車が,それぞれ「マイバッハT-III」「マイバッハT-IV」と呼ばれていたことも判る(なぜ?).
[/quote]
何故に「マイバッハ」?
マイバッハ製エンジンじゃなかったでしたっけ?
これらの戦車って.
眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
確かに,両方ともマイバッハ・エンジンのようですね.
盗難されるくらいなら,国が発掘してオークションすれば外貨も稼げるし.
っていうか一石二鳥?
そうそう.フィンランド軍も III 号突撃砲 G 型 (だったもの) をオークションにかけたことがあるし.
井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
ちなみにIII号突撃砲とは,III号戦車の車体を流用して作られた,歩兵を直接支援するための自走砲.
簡単に言えば「自分で動ける大砲」.
1936/6/15,ダイムラー・ベンツが開発命令を受領.
そのときに,「人間の身長を超えないこと」という条件が出されていたため,砲塔をとっぱらった形になった.
車高1.8m.
(ただし後のG型は,車長用キューポラをつけたので2.16mとなった)
1940年から量産開始.
初期のモデルは,短砲身の75mm榴弾砲を搭載していたが,難敵T-34に対峙することになったせいで,1942年春頃から75mm長砲身砲に変更されている.
コスト・パフォーマンスに優れた同車は,ドイツ軍の戦車不足を補うため,約10500両(派生型を含む)も生産された.
第2次大戦後もシリア(チェコが輸出)が第3中東戦争まで使い続けたという.
【関連リンク】
『III号突撃砲短砲身型』(ヒラリー・ドイル&トム・イェンツ著,大日本絵画,2000.8)
『III号突撃砲長砲身型&IV号突撃砲』(ヒラリー・ドイル&トム・イェンツ著,大日本絵画,2002.10)
【質問】
4号戦車って何?
【回答】
第2次大戦全期間のドイツ軍戦車の主力を務めた中型戦車です.
1939年に4号D型が本格登場.
ソ連軍の強力な戦車を前にして,改良を繰り返しながら,終戦まで生産が続けられ,8101両が生産されました.
4号戦車
(画像掲示板より引用)
【質問】
第2次世界大戦中にドイツが作った戦車の中で,攻撃力や防御力,機動力だけでなく,生産性や信頼性,発展性,戦略的な機動力なども含めると,最も優れた戦車は,パンターでもティーガーでもなく4号戦車になる,ということでよいのでしょうか?
【回答】
・機動性
非独立懸架方式のサスペンション,グランドクリアランスの少なさ,非力なエンジンのために機動性は低い.
4号はエンジンルームの中に,砲塔旋回用の補助エンジンか,航続距離延伸用の燃料タンクを追加装備しており,主エンジンは小さめになっており,出力重量比やカタログ上の最高速度はティーガーとさして変わらない.
巡航が継続出来る時間はおそらく4号の方が長いので,行軍を続ければ4号側が有利になるケースも多いと思われる.
・生産性
凝った部分は無いものの,生産メーカーは中規模なメーカーが選ばれたので,生産はさほど大規模では無い.
(これは生産性とは違う次元の話だけれど)
4号は開発段階で3号とのコンポーネントの共通化をした結果,そうした部分の生産は効率が良いと言えなくも無い.
逆に,3号と主エンジンを共通化した結果として補助エンジンが必要になるなどの弊害も発生している.
・信頼性
殊更にアニマルタンクより良いとすれば,重量が過大では無いことから機械的信頼性が幾分高いこと,潜水装備を考慮しなかったために,燃料火災の可能性が低いことなどがある.
(当時のドイツの技術力では,燃料配管から燃料が極僅かに漏れ出る不具合を解消出来なかった.
・・・アメリカ以外は大抵そうだったと言います・・・ガソリンエンジン車は漏れた燃料がエンジンルームに充満し,やがて爆発的な火災を起こすことがあった訳だが,特にアニマルタンクは開発段階で潜水装備を必須と考えたことから,エンジンと
冷却用のエアトンネルの配置に無理があり,気化燃料がこもりやすい傾向があったようだ.)
・発展性
全備重量がドイツ国内の橋梁の荷重限界に納まるように設計されたため,車体前方の最終減速器収容スペースが不足気味で,H型以降は重量が増やせない状況にあった.
また,車体上部の構造物と干渉すると言う理由で砲塔の大型化が出来ず,前面装甲の強化も限界を迎えた.
砲塔も24口径砲に合わせて設計されており,長砲身化して主砲のブリーチが長くなった後は,撃ち空薬莢が戦車長の足を直撃する事故に悩まされた.
(装填作業の邪魔になる防護プレートを追加して事故を防いだ.)
そもそも長砲身砲に換装出来た理由は,砲塔リング径に余裕を持たせていたことと,非独立懸架方式のサスペンションが,発砲時の反動増加に対処しやすかったからであり,砲塔の容積や車体構造的には全く発展性を意識していなかったと言える.
(M4も同じだけどね)
・戦略的な機動力
上に挙げた通り,不整地走破性能は低めで潜水装備は持たず,H型ではドイツ国内の橋梁の限界も超えている.
ちなみに,戦車の場合,重量を出力で割り算して出力重量比を出すと,履帯の重量も計算に入ってしまう.
幅の広い履帯を装備した戦車と,幅の狭い履帯を装備した戦車の出力重量比を単純比較すると,ソ連の泥濘期や,厳冬期(の路外)の性能を見誤るので注意のこと.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
4号戦車の後期型の形式の判別方法教えて!
【回答】
*予備転輪ラックの形状の違い
*操縦室前面の操縦手用双眼ペリスコープの穴の存在
*戦闘室側面のクラッペが存在する
*シュルツェンが無い(1943年5月以降の装備)
砲塔のクラッペが省略されている,また車体の前面装甲が追加されていない
⇒1942年10月~1943年1月の間に生産されたG型
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE
*上部支持転輪が4個ある→×J型
*操縦席前面装甲が一枚板→×H型初期生産型,×G型最後期生産型
G型.
操縦席上部の穴二つが43年1月以前の生産車の特長.
G型の生産は42年3月からで42年7月までF型として発注された形式を流用.
(これを俗にF2型と呼んだが後にG型に統一した.)
5月から新規発注のG型が生産される.
増加装甲はG型の特徴では無い.
また予備転輪ラックはF2後期から見られるとされているが,これは事実上G型の仕様を取り入れた結果と思われるので,42年5月~43年1月の間の生産車.
なお,
>砲塔のクラッペが一部省略されている→×F2~G型
と言われることがあるが,砲塔のクラッペはラストインファーストアウトの関係で,時期を特定する特長になりえないことが知られている.
かつてF2型とされた形式の後期には存在しないと言われ,G型に存在するものがあったとする資料がある.
逆に言えば装甲強化なしでクラッペの無いのもあれば,装甲強化ありでクラッペのあるのも存在する.
装甲強化がされていないが,クラッペも無いF2型が存在するとすれば,42年5月以降のG型新規発注後から,それが存在しておかしくないと言うことになる.
何れにしても,かつてF2とG型の識別点は装甲強化の有無と誤認されていた時代に誤ってつけられたキャプションもあるだろうから不明確と言うしかない.
【質問】
4号突撃砲の存在意義って何ですか?
性能も3突と殆ど変わらないのなら,4号の車台はブルムベアやラング等に使う方がよかったのでは無いでしょうか?
【回答】
現場にはⅢ号突撃砲が絶賛されていたから.
また,突撃砲はとにかく安かったのと,特別な技術や部品がなくても生産できたから.
ブルムベアは砲の基部にボールマウントが必要だし,対戦車戦闘が出来ない(実際には対戦車戦闘でかなりの戦果を挙げてるけど).
Ⅳ号駆逐戦車は足回りと車体下部しか使い廻せない(車体上部は専用のものがいる)し,75mm長砲身砲をパンターと奪い合うことになるので生産効率が悪かった.
突撃砲なら戦闘室載せるだけだからね.
とはいえ「そこまでして必要か?」という気はする.
それは確か.
【質問】
ドイツの戦車の形式番号について質問です.
ティーガー重戦車は,Ⅰ型の後期型が”E”型なのにティーガーⅡ型がティーガー”B”型だったり,パンター戦車の形式番号が前期型から順にD,A,G,F型だったりと,アルファベット順になってないのは何故なのですか? 欺瞞目的ですか?
【回答】
欺瞞説と,パンターの形式番号に関しては,最初がD型ですが,メーカーの図面上でA~Cの区分けがされていたとの説もあります.
VK3002(MAN)の初期20両がA型(後にD1),試作のみのB型,計画のみのC型だそうです.
D1を改修したのがD2で両車の特徴を持つのが生産型のD型だそうです.
この後E型が予定されてたのですが,欺瞞のため名称を変更A型となったそうです.
元ネタは懐かしの戦マガ別冊シュトュルム&ドランク「パンター」です.
【質問】
第二次大戦中に大々的使われた,ドイツの突撃砲と対戦車自走砲について質問です.
搭載されている砲そのものは車体に固定されて,砲手の操作は仰角と俯角しかできないので,左右の砲操作の代わりに操縦手がキャタピラをこまめに動かして照準したと思うのですが,その場合,操縦席のペリスコープやスリットに大まかな照準用目盛りみたいのはあったのでしょうか?
砲手が操縦手に向かって
「もうちょい右,少し行き過ぎたので左」
とか戦闘中に言っていると,非常にまどろっこしいと感じたので.
それと,エンジンやギアの消耗も戦車や装甲車と比べて早かったのでしょうか?
【回答】
操縦手のペリスコープに目盛があったりはしない.
ほんのちょっとだけど,砲は左右にも動かせる.
なので,大雑把な方向を操縦手に合わせてもらえば,後は砲手がなんとか出来ます.
ただ,突撃砲や駆逐戦車の場合は,操縦手と砲手の連携がとても重要で,砲手と操縦主に指示を出す車長の能力もまた重要だった.
突撃砲や駆逐戦車に乗ってエースになった車長は皆,操縦手が一番重要なポジションだと語っている.
ドイツの突撃砲や駆逐戦車は,やはり普通の戦車に比べるとトランス・ミッションの痛みが早く, 特に戦争後期の車輌は全面装甲が厚くてフロント・ヘビーな為,トランス・ミッションや前部転輪にかなりの負担が掛かったらしい.履帯が外れる事も戦車に比べると多かったそうな.
ヤークトパンターについての英軍の調査資料では
「通常のパンター戦車に比べ,トランス・ミッションの寿命が半分しかない」
と記載されている.
3号突撃砲
(画像掲示板より引用,出典不明)
【質問】
ドイツ戦車が中盤以降,徹底してアウトレンジ戦法を多用するようになった理由は?
【回答】
もともとドイツの優れた光学照準装置に,T-34ショックで搭載された強力な火砲の性能が追いついたため.
遠距離まで狙える照準装置と,遠距離でも敵戦車を破壊可能な火砲の組み合わせが実現したのだ.
一般にドイツの戦車砲は,同時期の連合国に比べて1000~2000m以上の有効射程の優位を終戦まで保ち続けた.
連合国戦車の倍,あるいはそれ以上である.
砲の性能だけなら連合国にも17ポンド砲や122mm砲など威力的に互角かそれ以上の砲はあったが,照準器については最後までドイツが優位を保ったため,アウトレンジが可能になったのだな.
開発中だったパンターⅡは,軍艦の測距儀と同じ仕組みのステレオ式照準装置を採用することが決定しており,さらなるアウトレンジも可能になる予定だった.
【質問】
終始,相手をアウトレンジできたんなら,何故負けたん? 航空優勢を失った西部戦線ではなく,東部戦線で.
【回答】
そりゃ当然,アウトレンジで射ちまくっても間に合わないほどの数の差でもみつぶされた.
例え半分アウトレンジで殺られても,残る半分のソ連戦車が有効射程にドイツ戦車をおさめれば,後は数の暴力がモノをいったのだよ.
2000mのアウトレンジができても,その2000mを5分程度で詰められるからね.
蛇行や急停止といった戦術機動を加味しても10分はかかるまい.
その間に何両撃破できる? てことだな.
【質問】
では,照準の精度でのアウトレンジなど,大したアドバンテージじゃないんじゃ?
【回答】
大したアドバンテージだと思うが.
射ち合いになるまでに2~3輌撃破したら,30輌の部隊だと100輌近くを撃破し,さらに乱戦になって・・・
で,独戦車30輌の損害でソ戦車100輌以上撃破ということになる.
しかし,それでも数の差を埋められないくらいの戦力差があったわけだな.
四十三年の冬以降,砲兵所属の突撃砲を加えても,独ソで1:3ぐらい差が無いか?
1:2の戦力比なら時に突破され,時に撃退する.キルレシオでは常に優勢だったかもしれない.
1:3なら一進一退.
だが,消耗戦は少数精鋭のドイツ側に不利.
後送された故障車輌が戻ってくるまでの間隔は次第に増えて行き,また新規投入される車輌の数は日々減って行く.
そして1:5で押し込まれたら,砲戦距離が倍あっても…….
【質問】
ドイツ戦車の,照準器により照準可能な最大距離は?
【回答】
「ジャーマンタンクス」(大日本絵画)を基礎資料に.
1号戦車A/B型並び
2号戦車A/B型が有効射程最大800m.
2号戦車C型,38(t)戦車などが1200m.
3号戦車(3.7cm砲)や4号戦車短砲身型が2000m,
4号戦車の場合は任務上の要請もあり,間接6500mの照準機能も併せ持っています.
3号戦車(5cm砲)が3000m.
この辺りから射程が伸び始めました.
4号F2型が徹甲弾(以下AP)で2500m,成形炸薬弾(以下HE)で3300m.
48口径砲を装備した4号H型などでAP3000m,HE4000m.
パンターも同じくAP3000m,HE4000m.
ティーガーⅠはAP,HE共に4000m(+間接射撃8000m).
そしてティーガーⅡでは双眼式(AP4000m+HE4000m)と単眼式(AP3000m+HE5000m)を併せ持つに至ります.
確かにドイツ戦車は3~4000m遠方で,命中弾を出せる環境を備えていますね.
もちろん,そのような大遠距離でも敵戦車を撃破可能な主砲が登場して,初めて有効に使えるシロモノになったということでしょう.
まあ,各種砲のデータ見ても,大戦中盤以降,少なくとも2000mからはガンガン射ちまくることを想定していますね.
実際にクルスクでティーガーが距離2000超で射撃開始したとか,2000m以遠で射ちまくった戦例はいくつもあります.
対するソ連の場合,T-34/76の例ですが,距離500mで双方完全停止(ありえねぇ)で命中率約80%というデータが残ってます.
WW2全戦車の対戦車射撃平均命中率は8%という話ですからね・・・
射撃速度はT-34/76が2~3発/分,4号戦車が6~8発/分という感じ.
ゆうか ◆9a1boPv5wk in FAQ BBS
青文字:加筆改修部分
【質問】
ドイツの戦車について質問させて下さい.
四号戦車の短砲身と長砲身のものでは,使う砲弾は違うのでしょうか?
また四号戦車長砲身も,2つの種類があるようですが,これも使用する砲弾は別になってしまうのでしょうか.
それと,タイガー戦車のⅠ型とキングタイガーでは,同じ88ミリ砲でも使用する砲弾は別なのでしょうか?
このタイガー戦車の88ミリ砲の砲弾は,有名な88対空砲と砲弾は同じものが使えるのでしょうか?
複数質問ですみません.よろしくお願いします.
【回答】
短砲身と長砲身では砲弾の薬莢のサイズが異なります.PAK7.5cmも違うんですね.
同様に8,8㎝の戦車用・FLAK・PAKも違います.
専用弾のほうが砲の性能を引き出せるから,というのが,その理由.
─8,8㎝Pzgr,patr.39kw,k36使用─
8.8㎝kwk36 L/56 (ティーガー1)
8,8㎝Flak18/36
─8,8㎝pzgr,patr,39/-1Flak41使用─
8,8㎝Flak41
─8,8㎝pzgr,patr,39/43kw.k43使用─
8.8㎝kwk43 L/71(ティーガーⅡ,ヤクトパンター,エレファント)
8.8㎝Pak43/41
8,8㎝Pak43 L/71
8,8㎝Pzgr,patr.39kw,k36
全長873㎜ 薬莢570㎜ 砲弾338㎜ 全重量10.2kg
8,8㎝pzgr,patr,39/-1Flak41
全長115.8㎜ 薬莢885.1㎜ 砲弾338㎜ 全重量10,2kg
8,8㎝pzgr,patr,39/43kw.k43
全長1125,4㎜ 薬莢822.1㎜ 砲弾303.3㎜ 全重量10.16kg
(一等自営業 ◆JYO8gZHKO.他)
エレファント
(画像掲示板より引用)
【質問】
WWⅡドイツ軍戦車の主砲が,マウスやラーテみたいなのは別として,88㎜で頭打ちになってるのはなぜですか?
ティーガーと比べてティーガーⅡは車体も大型化してるし,より大口径砲を積む余裕はあるような気がするのですが.ソ連軍戦車なんか100㎜クラスの主砲積んでますし.
【回答】
実際に製造されなかっただけで,計画案としては幾つかあります.
例えば,1942年に生産が企画されたVk70.01ローヴェ重戦車は,車体重量約70トン,70口径の10.5cm砲の搭載が予定されました.
また,その後企画されたEシリーズ戦車(E-100)でも15cm,もしくは17.4cm砲の搭載が計画されました.
ソ連の100mm戦車砲D-10にしたところで,大戦中はSU-100に積まれただけで,旋回砲塔の戦車に搭載する計画は試作どまりです.
ターレットリンク径や砲の後座量など考えると,そう簡単に大口径砲への換装は出来る物ではないです.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE :軍事板,2005/09/20(火)
青文字:加筆改修部分
【質問】
WWの西部戦線では,ヤーボ対策にMG34をキューポラに搭載している独戦車の写真をよく見ますが,役に立ったんでしょうか?
【回答】
いや,戦車に対空機銃って基本だから.
今の戦車にも付いてるから.
あれは対空機銃と言っても,地上目標への掃射にも使う.
どっちにしろ乗員,特に車長は日常的に車外に身を乗り出すわけで,自由になる機銃があと便利.
機銃の値段なんて戦車の値段に比べたらタダみたいなもんだ.
で,本題に入るとMG34機銃は,発射速度が非常に高く,対空機関銃として十分な能力があったが,このころの連合軍戦闘機は防弾装備がしっかりしていて7.92mmでは命中しても被害を与えられないことが多かった.
それでも嫌がらせには十分意味がある.
このころの独軍戦車には車体後部に対空銃架を増設したものがあり,これこそ真のヤーボ対策だな.
モッティ ◆uSDglizB3o in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
2人用砲塔のせいもあって,ソ連戦車の見張り能力がかなり低かったことは,カリウスも言ってるし.
カタログ的なスペックはともかく,戦場でのT34/76の戦闘力がⅣ号戦車を大きく上回ってたとは思えないなあ.
ソ連軍は大勝したノモンハンでも日本軍を上回る損害を出してたわけだし,個々の戦車戦でソ連戦車がドイツ戦車を圧倒したってことはないんじゃないの?
(むしろキルレシオなんかだと,かなりドイツのほうがいい数字っぽい)
【回答】
4号戦車が長砲身砲を搭載するようになるまでは,少々の見張り能力や戦車兵の技量では補えないほど,絶望的な性能差があった.
独ソ戦初期には一両のT34がドイツ軍戦線を突破して,15km後方にまで入り込むとか,一両のKVがドイツ軍の一個機甲師団の進撃を数日に渡って阻止するとか,そういうエピソードがあるくらいで.
また,1941年10月のモスクワ前面のムツェンスクの戦いでは,カツコフ率いるソ連軍の一個機甲旅団がグデーリアン率いる,一個装甲軍にT34の不整地走行性を生かした待ち伏せ戦闘で苦しめたこともある.
このときの戦いでは,キルレシオでソ連側がドイツ側に対してかなり優位に立っていた.
【質問】
イタリアだかで,イタリア降伏時のどさくさで,イタリア駆逐艦をⅣ号戦車が沈めたことがあったような・・・
これについて教えてください.
【回答】
ツーロンの悲劇のときのフランス艦隊のエピソードでは?
ヴィシーフランス艦隊が接収を免れるために自沈した際,阻止しようとしたドイツ軍戦車が,戦艦ストラスブールなどに発砲したという逸話はあります.
ストラスブールの副砲塔に命中して6人が死傷したとされ,戦死した人の名前まで出てますが,88mm戦車砲だということになってたり,伝説のような気もします.
faq/faq39fr99.jpg
(http://www.battleships-cruisers.co.uk/images/arsenalx.jpgより引用)
また,ブーローニュ撤退戦でドイツ戦車が,英仏駆逐艦と交戦した例はあり,ドイツ側は「英駆逐艦撃沈」を主張して,戦車に撃破マークを付けた者もいるようです.
しかし,連合軍側にも陸上部隊と交戦した記録はあっても,英駆逐艦で沈没はなく,仏駆逐艦「オラージュ」は空襲,「ジャグワール」は魚雷艇による喪失.
唯一「シャカール」は空襲で擱坐したあと地上砲火を受けてますが,戦果といえるか微妙な気が.
「シャカール」は擱坐状態のまま放棄され,ドイツ戦車兵に写真撮影されてるようです.
あと,東部戦線でドイツ軍駆逐戦車に撃沈されたソ連砲艦と称する画像はあります.
(http://www.avalanchepress.com/images/Gunboatbk92.jpgより引用)
1944年6月12日に撮影された河用モニターBK-92だとされています.
◆yoOjLET6cE in 軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ブルムベアーはどの程度活躍したのでしょうか?
その他,歩兵からの評判など,知っている方,よろしくお願いします.
【回答】
周知のとおり,ブルムベアはスターリングラードの教訓から建築物を容易に破壊できる,歩兵支援用の重突撃砲です.
当初クルスク戦のために急遽生産された60両で第216突撃戦車大隊が編成され,クルスク戦とサボロジュ防衛戦で奮闘しています.
この結果を受けて改良型が再生産され,これをもってさらに3個の突撃戦車大隊が編成され,東部・西部両戦線とイタリアに配備されています.
歩兵支援という任務の性格から派手な戦記が残っているわけではないようですが,堅固な装甲と,15cm榴弾砲の-8~30度という大きな俯仰角と威力を生かし,特に山がちなイタリア戦線ではかなり活躍したようです.
軍事板
ブルムベア
(うそ)
X by mailform
【質問】
独ソ戦でT―34の存在を知る前以前から,「五号戦車」に当たる戦車(三号戦車の後継ということになるのでしょうか?)」は開発されていたのでしょうか?
【回答】
とりあえず,3・4号の後継として20tクラスの中戦車(VK20.01)が開発されていた.
http://www.geocities.com/Area51/Capsule/2930/pzpanther/pzpanther-einleitung.html
http://combat1.cool.ne.jp/5GOUD.htm
で,これではT-34に優越出来ないってことで30t級戦車の開発が指示され,後の5号戦車となる.
「T-34ショック」が無ければ,この20t級中戦車が5号になってたかもね.
【質問】
今でもティーゲル,パンテルと表記する書籍は有るんだよね.
これはドイツ語の方言による違い?
ヒットレル→ヒットラー→ヒトラー,なんてのもあったな.
【回答】
声楽家の知り合いから,戦車とは全く無関係な雑談の折に聞いたんだが,戦前madeのドイツ語ではer音は巻き舌「エル」で発音していたが,ヒトラー政権が進めた発音明瞭化運動の結果,延ばす「アー」になったそうな.
今ではアー発音が一般的だが,「歌が作られた時のドイツ語発音」にこだわる先生の場合,エル発音しなけりゃならんので,その辺の見極めが大変だと笑ってた.
そこで戦車について聞いたんだが,戦中発音ならティーゲル,パンテルだろうだと.
ただし戦時中のドイツ軍歌を聞く限り,巻き舌はほとんど無いようだけど.
(プロ歌手の独唱のような場合を除いて)
例えば,有名どころではPanzereliedでPanzerをパンツェルとは発音してない.
Es braust unser Panzer im Sturmwind dahin.
エス ブラウスト ウンザー パンツァー イム シュトゥルムヴィント ダヒン
Deutsche Wochenschauや総統大本営発表なんかをよく聞いてみればTiger,Pantherの当時の発音が分かると思うが.
因みに,結構クセは強いが,やはりPanzerはパンツァーと聞こえる.
994 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2008/12/05(金) 23:55:38 ID:???
それでヒトラーをヒットレルって表記する事があるんだな.
973 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2008/12/04(木) 22:25:52 ID:???
佐藤大輔,小林源文で軍事に入った俺は今でも,ティーゲル,パンテルです.
979 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2008/12/05(金) 04:36:57 ID:???
ティグレ
パンテーラ
980 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2008/12/05(金) 06:25:45 ID:???
チィーグラ
パーンチェラ
981 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2008/12/05(金) 07:01:14 ID:???
ティアグラ
パンターニ
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
個人的にティーゲルは好きな戦車ですが,総合的にはパンターの方が「優れた兵器」と思えてなりません.
実際,当時のナチスではどのような見解だったのでしょうか?
【回答】
ティーゲルⅠはその戦闘能力の高さが絶賛されたが,現場では
「重くて大きくて整備が面倒ですぐ壊れる」
と不評だったし,軍需関係者には
「1両作るのに金と資材と手間がかかり過ぎる」
とやっぱり不評だった.
パンターは,ティーゲルと比べれば生産コストは安かったが,初期型はやたら故障する上,新機軸が多くて取り扱いが面倒で,現場にも不評だった.
【質問】
現在までで一番大きな戦車を作ったのはナチ・スドイツですか?
【回答】
そう.
実際に作られたものだとナチスドイツのマウス(重量188トン)が一番みたい.
サイズだけなら,▼第1次世界大戦時にドイツで開発されたK戦車の方が大きい.
マウスが全長10.09m・全幅3.67mなのに対しK戦車は全長12.97m・全幅6.09m.
ただし重量はマウス188トンに対しK戦車148トン.
http://schafe.s246.xrea.com/combat/data/K-WAGEN.htm
第2次大戦に限れば,▲E-100の方が10.3X4.5mなので,マウス(マオス)の9.1X3.7mよりも微妙に大きい.
マウスと違って足回りまで完成してないので,正確な全高がわからないが,設計図等見る限りではマウスよりは背は低かったと思われる.
似たようなもんだが.
▼ K戦車は製作途中で終戦となったので,実際に作られたものならマウスが最大(E-100も未完成)ということで正しい.▲
E-100は車体部分だけ完成.
このくらいまでは出来ていた.
faq25n01e100.jpg
(http://www.panzerworld.net/pictures/00101.jpgより引用)
faq25n01e100b.jpg
(http://homepage3.nifty.com/tompei/E-100-1.jpgより引用)
2枚目の写真は移送用のトレーラーに載っているところ.
この後イギリスが本国に持ち帰って研究したが,結局スクラップにしてしまったらしい.
勿体無い・・・.
もしかしたらボービントンの演習場の片隅に転がってる,かもしれないけど.
軍事板
&マジックテープ in FAQ BBS(黄文字部分)
【質問】
超重戦車マウスについて質問します
なぜマウスの副砲は36.5口径75mm砲という,今までの兵器体系になかった大砲を搭載しているんでしょうか?
砲弾は48口径と同一のものなんでしょうが,なぜ48口径を搭載しなかったんでしょうか?
【回答】
当初マウスの副砲には,24口径7.5cm戦車砲が予定されていましたが,検討の結果,砲身が短いため発射時の硝煙が直接車体の冷却空気の吸気口に届いてしまうことが分かりました.
そのためにクルップ社が,新たに砲身の長い36.5口径の7.5cm戦車砲を開発しました.
新開発と言っても,24口径7.5cm戦車砲の砲身を延長し,スペースを稼ぐために駐退器の配置を変更したもののようです.
(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE)
【質問】
ドイツの自走砲の「バッフェントレーガー」ってどんな車輌ですか?
【回答】
ヴァッフェントレーガー waffentrager = 武装運搬車
元々は備砲を車載・地上設置両方で使える自走砲として開発開始.
メーカー試案が重量過大・構造複雑・費用超過だったため仕様変更,備砲の地上使用を廃止,簡易な自走砲とする.
44年の仕様では軽(8.8cmPak or 10.5cm leFH),中(12.8cmPak or 15cm sFH)の2種を6社に開発依頼.
軽タイプはアルデルト(38(t)の足回りを改造),ラインメタル(38(t)の足回りを流用),シュタイア(RSOの足回りを流用)3社が8cmPak搭載タイプ試作車輌を製作.
44年8月アルデルト案採用,先行量産車が出来た所で終戦.
中タイプはクルップがヘッツァーの台車から10.5cm砲を搭載した試作車を作成したが,問題ありで計画中止.
「ヴァッフェントレーガー」でイメージ・サーチすると,ガレージ・キット完成品画像が引っかかる.
軍事板,2005/04/18(月)
青文字:加筆改修部分
【質問】
ドイツが計画していたラーテについて質問です.
ラーテは戦艦3連砲の真ん中を抜いた2連砲を搭載するということ以外,具体的な形状は考えられていなかったのでしょうか?
【回答】
(奇想兵器好きとしては)残念な事に,ペーパープランの兵器であった為,具体的な図面などが無く,情報の掲載元によって形状が大分違うようです.
英語で良ければ,下記リンク等が参考になるかと思います.
http://strangevehicles.greyfalcon.us/Landkreuzer%20P1000%20Ratte.htm
http://www.downloadmunkey.net/pt/2007/11/military-tuesday-p1000-ratte-super-heavy-tank/
支隊の人 ◆M6R0eWkIpk in 軍事板
青文字:加筆改修部分
大きさ等はwikipedia等にものってるから,あと注意するポイントは・・・
8門のFlakのうち4門はquad mount(4連)
あと,副砲(?)の128mm対戦車砲が,メインの砲塔に付属してついてるか,後ろ側に第2砲塔としてつくかで,意見が分かれてるらしいです.
あと重要だと思うのが,履帯が片側3条ずつだったらしいことでしょうか.
車幅の実に半分がクローラで占められることになると,主砲は回転砲塔でいけるのかという疑問がわきます.
デカいとはいえ,兵装が多いので,車体内部のレイアウトに結構左右される気がします.
私だったら,戦車設計に詳しい専門家の人に聞きにいくかな.
どっかの大学の先生みたいな人だったら高確率で話聞いてくれる気がします.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ドイツに無反動砲を二門搭載した車輌がありましたが,それの名前と開発された目的を教えてください.
【回答】
佐藤大輔著『レッドサンブラッククロスVol.2 迫撃の鉄十字』(中央公論新社,2001.6)に登場するⅣ号無反動砲戦車B型“ツヴォドラッヘベア”の元ネタとなった歩兵支援用装甲戦闘車輌の事だと思います.
以下,引用.
第2次世界大戦初期からドイツ軍の主力戦車として活躍した4号戦車はバリエーションの多いことでも有名だが,その車台(C型)をベースに開発を予定していた車輌に,ロケット発射器と無反動砲搭載型の4号戦車がある.
(中略)
C型の車体の上に43型7.5cm無反動砲(7.5cmRfk43)2門,103型3cm機関砲(Mk103)1門を装備する砲塔を搭載.
7,5cmRfk43はクルップ社が開発した一連の無反動砲の1つで,ガス噴射方式によって発射時の反動をなくすタイプで,生産数はごくわずかだった.
(坂本明著『ドイツ軍兵器&戦闘マニュアル』,グリーンアロー出版社,2000.1,P164)
余談だが,大戦末期には,ルッチャー(Panzerkleinzerstorer"Rutscher")という連装駆逐戦車も開発されていた.
http://www.panzer-modell.de/specials/pz1_contest/pz1_contest.htm
の下の方に,ガレージ・キットの模型写真がある.
シュピールベルガーの「軽駆逐戦車」(大日本絵画,1996.4)に載っていたのを図書館で読んだだけなのでうろ覚えだが,大体以下のような仕様だったと思う.
名前のとおり対戦車車輌として開発されていたが,搭載を予定していたのは無反動砲ではなくて高/低圧砲(口径等は失念).
薬莢の装薬と弾体の間に低圧室という空間があり,燃焼ガスは整流板でこの低圧室に導かれる構造になっている.
そのため弾体は穏やかに押し出される形となるので,反動を緩やかにすることができた.
また,砲身の肉厚を薄くして砲身の軽量化が期待できるので,小型の車体に二門搭載することができるはずだった.
実際にはモックアップまでしか開発は進んでいない.
さらに,ボルクヴァルト弾薬輸送車BIVにパンツァーシュレック六基を搭載した対戦車車輌も開発されており,こちらはベルリン戦などに投入された.
【質問】
第2次大戦期ドイツ軍戦車兵の裾の短いダブルの上着についてですが,裾が短いのは分かるのですが,前閉じがダブルになっているのはなぜでしょうか?
歩兵は上着前閉じがシングルです.
戦車だとシングルよりダブルの方が良いと言うことだと思うのですが,どういった点が良いのでしょうか?
【回答】
合わせの部分で車内の装備に引っかからないようにするため.
ボタンも隠しボタンにするなど車内での運動性を確保できるようにデザインされています.
名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE in 軍事板
青文字:加筆改修部分
panzer jacketでぐぐって見ると,戦車兵にふさわしい制服を考えていたグデーリアンが,ダブルのスキージャケットを見て「これだ!」と決めたという話が出てくる.
おっさんミーハーすぎと言いたくなる話だが,あの美女キャラを戦車にたとえたティーガーフィーベルを出版させてるって例があるからなあ.
まあ,ボタンやポケットが前にないから,ハッチの乗降の邪魔にならないという理由もあるだろうが.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
なぜ旧ドイツ軍は戦車用ヘルメットを用意しなかったのでしょうか?
【回答】
ドイツ戦車兵は当初,ラバースポンジで作られた保護帽のうえに大き目の保護ベレーを着用するように規定されていました.
しかし,このベレーは大型で嵩張り,また無線のヘッドセットを装着するには不便なものでした.
このため,前線では通常の野戦帽を着用するケースも多く,1941年1月15日付の指令によって着用が中止されました.
ただし,一部の車輌では引き続き着用した例があるようです.
その代わり,戦車の内側にウレタン緩衝材がびっしり貼り付けて乗員を保護しました.
また,一時戦車兵用にヘルメットが支給されたことがありましたが,物資不足のため,43年には支給が中止されています.
(名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE他)
【質問】
ビットマンが強かったのは何でだぜ?
【回答】
周囲の警戒を怠らなかったから,と言われている.
もっともビットマンは,ドイツの戦車エースの中ではそんなに撃破数の多い方ではない.
かのヴィレルボカージュの大戦果は
「ドイツ軍の後背を突いたはずなのに,何でこんなところで一方的に攻撃されるんだ?」
というイギリス軍のパニックによるところが大きい.
だが,この時イギリス側は最初にビットマンが攻撃した時点で,ドイツ側が「少なくとも一個中隊以上」いたと誤認していたという証言もあり,突撃砲でソビエト軍の戦車を多数しとめた時も「一発撃っては移動してさも包囲されたかのように思わせる」戦法で勝利を得た事から考えると,「自分1台しかいないのに何十両もいるように敵に思わせる」センスのある人だったのかも.
月夜に獣人化したビットマン
変身前のビットマン
(画像掲示板より引用)
◆◆◆◆◆◆メカニズム
【質問】
WW2期のドイツ軍は対戦車砲を戦車砲として流用する例がいくつかあったみたいなのですが,砲弾は両者とも共用出来たと考えて良いのでしょうか?
【回答】
同系列の砲で弾頭が共通であっても,薬莢の長さや形状が異なるため共用できないものもあります.
例えばPaK39(駆逐戦車用)とPaK40(対戦車砲・対戦車自走砲)の弾薬は共通ですが,7.5cm
KwK40(戦車砲)とStuK40(突撃砲)は,どちらも薬莢がボトルネック型で前二者とは互換性無し.
また8.8cm FlaK 18/36/37高射砲の砲弾とティーガーの8.8cm
KwK36の砲弾も,同じく薬莢が異なり互換性無し.
M10駆逐戦車の3インチM7と,M4(76)及びM18の76,mmM1もまた同じ.
九四式37mm速射砲と九四式戦車砲もやはり互換性無し.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
バスケット砲塔の存在理由が分からんのだが・・・
【回答】
砲塔バスケットは,砲塔と一緒に回るプラットホームが付いてるか付いてないか.
バスケットが付いてないと,砲塔が回ると自分も回らなきゃならん.
装弾も大変.
バスケットは,そこに足乗せて一緒に回れる.
【質問】
ソ連にできて,なぜドイツに鋳造型砲塔の戦車を作れなかったのか?
【回答】
鋳造技術に関しては,ソ連・・というか他国の方が一歩リードしていた.
ドイツの鋳造部品って,大きくてもせいぜいマウスの防楯ぐらいが限界.
米・仏・英はいずれも車体や砲塔など,かなり大がかりな部品まで成形できてる.
【質問】
パンツァーフロントをプレイしたのですが,ドイツ軍の戦車でキューポラのスリットの目の前に棒があるのですが,あれは何の為にあるんですか?
【回答】
便宜的に間接照準器などと言ったりしますが.要するに戦車長が目標を前方に捉えるための装置です.
本当はM4シャーマンなどにも付いている場合がありますが,シャーマンの物は簡単な距離測定器を兼ねています.
ドイツ戦車の場合,照準手が照準器以外の方法で外部を視察することを,余り重視していなかったようで.照準手は照準器に敵を捉える前に,戦車長に教えてもらった目標を自分も見つけて,照準器の中に納まるように砲塔を回さなければならない.
で,間接照準器を兼ねた,視界の広い潜望鏡を照準手用に一個設けるのが一般的です
何故かドイツは中々その発想に到らず,開けると危険な装甲シャッター式の窓(一応,防弾ガラスは入っている)や,使い勝手の悪い複眼式照準器(索敵用の広角望遠鏡と照準器が並列で付いている)を使用しており,逆に戦車長が照準手を誘導するのに必要な器具をつけたと言うことでしょう.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
ドイツ軍は,傾斜装甲等の利点を学ばなかったんでしょうか?
【回答】
傾斜装甲の利点そのものは十分に理解してるんじゃないか?
完全な垂直装甲になってるのは側面くらいじゃんか!
ではなぜ徹底した傾斜装甲を取り入れなかったかっつうと,
・戦車の整備性が悪くなる.
・車内容積が減少する
ことをデメリットととして捕らえた.
また,大きく重い一枚物の装甲板を使って組み立てることが出来る工場が殆ど無かった.
おおざっぱにはこの3点かな.
<^♯^> ◆MANSEY3Mcc
【質問】
ドイツ戦車に三号,四号戦車がありましたが,それらは対戦車銃対策にシュルツェンを装備していました.
後にソ連軍の成形炸薬弾対策に目的が変わったそうですが,この板は実際に何かの役立ったのでしょうか?ソ連には成形炸薬弾が無かったと聞きますが・・・.
無くても良かったような気がします.
【回答】
貴兄は空間装甲というものをご存知ないかな?
対戦車銃の銃弾がシュルツェン(1次装甲)を貫徹する際に,運動エネルギーを奪われれば,車体(2次装甲)の貫通は防ぎえるのだよ.
後,ソ連の対戦車銃はドイツ戦車の装甲の弱い部分,例えばクラッペなどを狙って射撃してくるので,側面を均一な装甲板でカバーしてしまえば弱点が判りにくくなる.
【質問】
ツィメリットコーティングって何ですか?
【回答】
磁性吸着爆雷対策.
磁性吸着爆雷というのは歩兵が対戦車攻撃に用いる成型爆薬で磁石で装甲に密着するようになっていた.
戦車の表面にコーティングし,さらに表面を凸凹に成型することで磁石が吸着しにくくなるようにした.
材質については以下にあるとおりコンクリートではない.
軍事板
ツィメリット(Zimmerit)とはメーカー(Zimmer)にちなむ名称.
主成分.おがくず・ポリビニル・黄土・硫化亜鉛・硫化バリウムなど.
戦車メーカーはツィンマー社からドラム缶にで送られてくるペーストを2層に分けて車体に塗布.
1層目はそのままで.丸一日乾燥させた後,2層目は有機溶剤を加え柔らかくして塗布し,ガスランプで強制的に乾燥.ガスランプ未使用の場合乾燥に1週間強かかった.
色は黄土色っぽかった.
英軍は異様に興味を持っていたらしく,戦後ドイツの工場を調査,100tくらい接収し調査した.
軍事板,2006/06/06(火)
"2 csatornás" katonai BBS, 2006/06/06 (kedd)
青文字:加筆改修部分
Kék karaktert: retusált vagy átalakított rész
あと,主にドイツというか,ドイツ以外,吸着地雷を持ってなかったので,ドイツも自軍の戦車にツィンメリットコーティングを戦中にはしなくなったような…
ちくお in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
【質問】
ツィメリットコーティング?とは,どのような効果を狙った物なのでしょうか?
【回答】
磁石で貼り付ける対戦車爆雷(爆弾のこと)を発明したので,敵側も同じもの使ってきたらまずいと開発された.
非磁性体の合成樹脂塗料を塗りつけて,磁石が装甲版に貼り付くのを防ぐ.
表面が波打ってるというかギザギザ段々になってるのは,分厚く塗ると剥がれてくるので,それを防いでコーティング部分の強度を確保するためと,より「隙間」を作って磁性遮断効果を上げるため.
結局,連合軍側はその手の対戦車兵器を大々的に使ってこない上に,手間とコストが膨大に掛かるので,途中でやめた.
軍事板
青文字:加筆改修部分