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(画像掲示板より引用)


 【link】

「Gigazine」◆(2010/11/24)墜落した爆撃機のパーツから作られた60年前の人型ロボット

●書籍

『Il-2 Shturmovik Guards Units of World War 2』(by Oleg Rastrenin)

 オスプレイのソ連機シリーズの一つで,恐らくは世界の傑作機il-2のネタ本.

 Shturmovikの運用について,運用する側がどのように高射砲や敵戦闘機に対応したか,戦争後半に至り,どうやって戦術を開発していったかが詳しく述べられている.
 ただし,世傑とかぶる点も多いので,あの本を持っている人はいらないかもしれない.

 戦争前半,独軍の制空権下に護衛機なしで突っ込まされたシュトルモヴィクが,Bf109に襲われて全滅したりと,彼らの苦労をしのばせる話が多い.
 後半になると練度と戦術が良くなったせいか,迎撃に来たドイツ機を撃退したり,返り討ちにした話が増えるが,ドイツ側の損失記録との裏付けは殆んど書かれていない.
 これがあればもっとポイントは上がったのだが.

――――――二人兄弟の墓 ◆OYxT9PNEKpHC in 軍事板,2009/11/25(水)
 41年から44年頃までのシュトルモビク装備部隊の戦史を,大まかに追ってある.
 親衛称号を得た部隊(連隊から師団,軍団まで)が中心だが,とりあげてある戦闘例では,直掩をうけた戦闘部隊,協同した爆撃部隊なども登場.
 41年当時は,戦場で敵部隊を探すのもルフトヴァッフェ(ヤークトヴァッフェ)の影に怯えつつで,捜索もままならず,何回の出撃数ごとに損失を出していたかを書いている.
 これが42年スターリングラードの頃になると,輸送機や爆撃機に急降下爆撃機を,駆逐とまではいかずとも撃退,撃墜する場面がでてき,43年クルスクでは敵戦線後方の鉄道や道路網で阻止攻撃ができるようになり,44年ともなれば,地上軍が包囲した敵部隊を叩きのめし,さらには突破突進する戦車軍に連絡将校を送り込んで,先陣きって武装偵察しと大活躍.
 ここらは,日本の戦記と違うところで,やがて敗走,食糧難で散々な目にあい,敗戦で茫然自失,虜囚生活に帰国というパターンではなく,憎き敵軍に踏みにじられた祖国(今はロシアだけど,ウクライナ,白ロシア共にソ連だったから)を解放していく過程が,軍の再建と作戦能力向上と素直に結びついている.

 面白いのは1944年のいわゆるバグラチオン作戦で,43-44年冬からの各戦線軍での突破の連続という描き方をしており,中央軍集団が崩壊したという評価もされているのだけど,ソ連上層部で作戦名をつけて,どうのという話が無かったような気がする.ここらはもう一度読み直してみようと思うが,なぜだろう.
 クルスクもシタデルという名前は出てきたけど,あまりロシア側では気にしていないのか,作戦のレベルでのくくり方がひょっとしたら,ロシアでは違うのかもしれない.

――――――軍事板,2010/04/30(金)

『爆撃機』(レン・デイトン著,早川書房,1979/11)

 1943年6月31日!(6月は30日まで)のルール夜間爆撃を英独双方から描写した,巨大過ぎるくらい巨大な小説でごわす.
 モスキートによる先導のかく乱偵察から,本隊の離陸,海峡中空での合流,730機にもおよぶ大爆撃ストリームを形成し,かたやドイツ軍はレーダー索敵から夜間戦闘機隊の終末誘導,はては焼失するドイツの町の民間防衛組織の描写まで,すさまじくディテールの凝った(とくにドイツ側)小説でごわす.
 BOOKOFFをこまめにまわり入手するがよろしかろう.
 表紙は月夜の英仏海峡を渡る,オウライ画伯描くランカスターでごわす.

------------西郷隆盛 :軍事板,2002/06/15
青文字:加筆改修部分

歴群アーカイブス「ヨーロッパ爆撃戦記」

 内容薄いっす.
 よっぽどの初心者以外,特に必要ないかと.
 まぁ値段も1300円なんで,踏んでも実害は少ないけど得るものもないなぁ.
 基本的に米英の話オンリーで,ドイツ側の話はFw190のシュトルムボックの話が出る程度.

 戦術戦略の基本や数字に関する部分に,スポットライトを当ててくれるのがこのシリーズの良い点だったけど,今回はそれがないですね.
 あと,戦略爆撃の話がメインなのに,ティルピッツ雷撃やタラント襲撃に話が飛んだり,ポリシーが見えない.

 今回は様子見が正解でしょうね.

――――――軍事板

●動画

「ワレTu」:V2 Rocket Facility At Peenemunde - WWII In Colour


 【珍説】
小沢代表 安倍首相と討論で 議会制民主主義の定着訴え [7/1 民主党Webサイト]
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 小沢代表は,ゲルニカ,ドレスデンでの無差別爆撃をドイツ,アメリカが戦後謝罪したことを挙げ,核兵器廃絶のためにも,広島,長崎への原爆投下についてアメリカに謝罪を要求すべきと主張.
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 【事実】
 アメリカがドレスデン爆撃を謝罪?
 聞いたことが無いです.少なくとも公式の謝罪は無い筈ですが・・・
 そもそもドレスデン爆撃の主力はイギリス空軍で,アメリカ軍は補佐でした.
 小沢さんはイギリスとアメリカを勘違いしているんじゃないか,と検索して見たらこういうのが出てきました.

重慶大爆撃 対日民間賠償請求訴訟 ●原告ら訴訟代理人 弁護士 土屋公献
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 前田哲男氏が紹介している通り,ドイツ政府は,ゲルニカ空爆から60年後の1997年3月にヘルツォーク大統領が,ゲルニカ市と市民に対し,
「この残虐な行為の犠牲者は,非常な苦痛にさらされた.
 わたしたちはドイツ空軍による爆撃とそれが招来した恐怖をけっして繰り返さない.
 いま,両国民の間の和解と将来の平和を呼びかける」
と謝罪した.

 また,ドレスデンを壊滅させたイギリスは,2000年の「空襲55周年記念式典」にあたり,エリザベス女王の名代ケント公を派遣し,謝罪の意を示すと同時に破壊された聖母教会の再建費用負担を申し出た.

 日本政府は,重慶大爆撃は関して,まさにこれらドイツやイギリスが爆撃被害者に謝罪した事例に学ぶべきである.

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 恐らく小沢さんのネタ元はこれでしょうね.
(まさか似非軍事評論家の前田哲男だったとは.
 しかも土屋公献は朝鮮総連の代理人

 アメリカについては触れられておらず,イギリスについての話となっています..
 しかもよく見ればこれ,謝罪ではないのではありませんか?
 ゲルニカでのヘルツォーク大統領の演説の内容にしても,謝罪とはとても言えないですよ.
 あくまで和解であり,遺憾の意レベルですらない・・・
 そうなるとドレスデンでのケント公の謝罪というのも何だか怪しい・・・
 もしかして重慶爆撃賠償請求訴訟の人達が,自分達の主張に都合が良いように勝手なことを言っているのでは?
 そしてそれを,小沢さんが鵜呑みにしてしまったのではないでしょうか.

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 ドレスデン爆撃とその後の顛末,調べてみました.

 ケント公エドワード王子(聖母教会再建資金を募るドレスデン財団の王室パトロン)が,エリザベス女王の名代として記念式典に参列し,聖母教会が再建された暁に大聖堂の頂点に飾られる金の十字架と宝珠を手渡したのは事実です.
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/641423.stm
その製作にはRAFでドレスデン空爆に参加したパイロットのご子息も関わったそうです.
 ケント公がどんなスピーチをしたのかは結局わからなかったのですが,少なくとも「謝罪」を口にしたという記事は見つかりませんでした.

 そして,こちらはその四年後,晴れて教会が再建されて,寄進式でのケント公のスピーチ.
http://www.britbot.de/en/news/items/040622a.htm
やはり,謝罪の言葉はないです.

 次に,エリザベス女王.
 これまでに何度かドレスデンを訪れていますが,一度も謝罪したことはないです.
 50周年記念式典では花束を捧げることもありませんでした.
http://books.guardian.co.uk/departments/history/story/0,,1160681,00.html

 2004年11月の訪独時には遂に謝罪するのではないかと憶測が流れましたが,結局それはありませんでした.
No apology for Dresden on state visit to Germany
http://www.guardian.co.uk/germany/article/0,,1342146,00.html

 ところで,女王による謝罪を炊きつけたのはドイツのリビジョニスト,Jorg Friedrichとタブロイド紙ビルドです.
http://www.guardian.co.uk/germany/article/0,,1341405,00.html

 英国の主要紙は社説で,このような要求に対して軒並み不快感を表しています
(ただし,これらの新聞はどれもやや右寄りです).
http://www.guardian.co.uk/editor/story/0,,1341801,00.html

>It is unfortunate that this visit has been preceded by a wholly artificial controversy, whipped up by the tabloids in both countries, (デイリー・テレグラフ)

>The main reason why the Queen should not express regret is that Germany must not be allowed to see itself as a victim ...(サンデー・タイムズ)

>Such apologising is fatuous(オブサーバー)

>The Queen will, rightly, express regret for the lives lost on both sides, but not remorse for military action taken in good faith three generations ago ...(タイムズ)

 注目すべきは,ドイツの新聞,Berliner Morgenpostもそのような謝罪は両国のためにならず,英独の友好関係を害すると警告していることでしょう.
>An apology by the Queen ... would also do a disservice to British-German relations by releasing animosities that have have been brought under control,

 また,ドイツ政府が公式に謝罪を要求したという事実はありません.
The German government has not called for an apology,
http://www.guardian.co.uk/germany/article/0,,1341207,00.html

"There has been no serious request for an apology, so the question doesn't arise," one British diplomat said yesterday.(上記,Friedrichとビルドに言及した記事を参照)

 全体を通して言えるのは,英国は両国の友好関係は大切であり,爆撃の犠牲者に対して弔意を表しているものの,無差別爆撃に対して公式に謝罪したこともないし,その予定もない,ということになると思います.
 もしも,日本が政府として米国に対して無差別爆撃に対する謝罪を要求するのであれば,これは両国の友好関係を破壊しかねないので,よほど慎重にやる必要があるでしょう.

 次に米国.米空軍がドレスデン空爆の正当性を主張する報告書を作成しています(エラーを無視しないと見れません).
https://www.airforcehistory.hq.af.mil/PopTopics/dresden.htm

 いろいろな数値を用いて,ドレスデン空爆が他のドイツの都市の空爆と比べて苛烈であったとは言えないことを証明しています.
 長いので,Conclusionだけ読めばいいと思いますが,それも長いので,Wikipediaが要点を書き出してくれています.

1.空爆は正当な軍事目標に基づくものである.
2.軍部隊や防空施設が近くにあったので無防備都市とは言えない.
3.他の諸都市との比較において空爆は過剰であったとは言えない.
4.空爆は通常の指揮系統に基づいて行われた.
5.空爆は不必要な民間人犠牲者を出さずに,軍事目的を達成した.

このような公的な報告書がある以上,小沢先生の主張は「珍説」認定してもよいかと.本当は私,小沢シンパなんですけどね.

―――バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

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 どうやら意図的な捻じ曲げ行為を信じ込んでしまった事に加え,イギリスとアメリカを勘違いした結果,訳の分からない答弁になってしまったのが真相のようです.
 しかし小沢さん,一体誰にこんな嘘を吹き込まれたのだろう?
 そして早速,自民党の中川幹事長はこの件を指摘し,民主党小沢代表に発言の訂正を求めています.

■ (党首討論)7月1日の小沢代表の質問は「ウソ」に基づく.だから,もう一度党首討論開催を [中川秀直公式Webサイト]
http://www.nakagawahidenao.jp/pc/modules/wordpress0/index.php?p=601

「週刊オブイェクト」,2007年07月06日

 ・・・魚拓を撮っておこう.

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

>主軸は英空軍
 その通りです.まず,夜間に RAF のランカスターが二波に渡って焼夷弾攻撃を行い,丸焼けになった翌日の昼間に,USAAF の B-17 が爆撃しています.

 無差別爆撃に対して謝罪しろっていいだした日には,ハンブルクや,他のドイツの主要都市に住んでいた人だって何かいう権利があると思いますけど.
 規模はだいぶ違うにしても,ロンドンだってコベントリーだって.バッキンガム宮殿ですら被爆してるでしょう,確か.
 だからって,女王陛下がヘルマン・ゲーリングに謝罪を求めたりしましたっけか.

井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 こういうのも.

http://www5e.biglobe.ne.jp/~denbei/htm/zakki/zakki2_4.htm

 通常,I am sorry と言えば謝罪であるが,人が死んだときに哀悼・お悔やみの言葉(口語)として同じ I am sorry を使う.
 これを知ったのは,20年前,米国に留学中に祖父を亡くした時だった.
 まわりの友人達に祖父の死亡を伝えたときに必ず I'm very sorry と言われたからだ.

 想像するにモンデール氏は,単に空襲で亡くなった人達に対して哀悼を述べただけではないのか.
 新聞の記者・編集者がI am sorry にこの様な使い方が有ると知っているかどうか分からないが,少なくともソーリーには遺憾の意を表す意味はない.
-----

 何故,I am sorryと言えないのか,という問いにはこういう意味合いが・・・

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」


 【質問】
 超低空だとレーダーに映らないと聞いたのですが,それなら何故たいていの国ならレーダーを装備している第二次大戦後半でも,爆撃兵団は高高度を飛んでいるのですか?

 【回答】
 超低空でもレーダーに近寄れば,普通に映る.
 写らないんじゃなく写りにくい(地形の影になったりしてレーダー反射波から隠れられる)のであり,写るには写る.
 また,高空を飛ぶよりも後に発見される.
 さらに,レーダーの被覆域は低空では小さくなる.
 高い場所から眺めるほど遠くの風景まで見えて,高さがあるビルや山ほど遠くからでも眺められるってのは分かるよな?
 レーダで用いる電波も(波長とか反射とか無視して乱暴に言うと),地平線の向こうは(基本的には)見えないから,航空機は高空を飛ぶほどに見つかりやすくなる.
 ので,低空ならレーダー網には「穴」が開くことがあり,そこを通れば映らない.
 が,戦略的戦術的に重要な地点では「穴」が開かないように考えて,レーダーが配置してあるのが当時からの常識.

 で,何で高空を侵攻するかっていうと,当時の戦闘機は1万mに昇るまで,どんなに早くても10分ぐらい,普通は30分ぐらい,日本のなんか下手すりゃ1時間ぐらいかかったから.
 レーダーで見つけてから離陸迎撃したって間に合わないわけよ.
 あらかじめ上空で待機していても,ルートが予想からずれたら敵に追いつけない.
 対空砲だって届きにくい.

 それと,超低空を飛行し続けるには,機体が低空飛行に向いた性能をしていることと,加えてパイロットの技量がないとミスって墜落してしまうので難しい.

 さらに,高空のほうが一般的に燃費が良い.
 イギリスから飛び立って,ドイツの奥地まで飛行して折り返す場合,低空を飛んでいては辿り着けない.

 結果,石を投げられてもぶつかって墜落する危険がある超低空を通るよりも,敵戦闘機があえぎながら必死で上ってくるのを横目でみてスルーできる超高空を,のんびり進んだ方が安全なわけ.

 これ,今でも通用する理屈なんだよ.
 でもって米軍は超低空侵攻戦術を,事実上放棄しちゃった.

 ただWW2では低空爆撃をまったくやってないというわけでもなくて,43年秋にはB-24でルーマニアのプロエシュティ油田に低高度進入爆撃をかけてる.
 けっこうな損害は出てるけど.
 あと,東南アジアの日本軍基地や港湾に対して,減速用落下傘付の爆弾で低空爆撃もかけてる.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次大戦で連合軍機が焼夷カードをバラ撒いたそうですが,これはどの程度の効果があったのですか?
 また,大戦後に使用された例は有るのでしょうか.

 【回答】
 セルロイドとゴムの様なもので作られた,5cmと10cmの大きさ,厚さ1mmくらいのカードで,英国が発明し,最初はGermany戦線で使われました.
 落ちると自然に破裂して,15秒〜10分燃える様になっています.
 発火する際には音もしないので,ばらまかれた当初は,拾って火傷した人もおり,湿気のある所では中々発火せず,忘れた頃に発火すると言う厄介なものでした.

 小型機でも5〜10万枚も搭載できるので,結構な数が使われた様です.

 戦後は,英国がこれを作らなくなったので,利用はされなくなった様ですね.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 :軍事板,2006/01/17(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 急降下爆撃機って何のために急降下するんですか?

 【回答】
 目標との相対速度をゼロに近付け爆撃精度を高める為です.

三等自営業◆LiXVy0DO8s

 WW2頃までの水平爆撃は命中率がすこぶる悪かった.
 で,当時の技術で狙ったところへ命中させる簡単且つ確実な方法が急降下爆撃.
 目標に向けて急降下しながら爆弾を切り離せば,慣性の法則によって,爆弾は目標に向けて落下していく.

 事の始まりは,第1時世界大戦後のアクロバット飛行ショー.
 そのパイロットが,
「ある一定程度以上の角度でダイヴしながら飛行機から重量物を投下すると,降下時の機体の軸線の延長線上(要するに,急降下している時にパイロットから見える真正面)に必ず落ちる」
という事を発見した.
 急降下中に爆弾を投下すると,爆弾は主に下方向に加速されるため,慣性の影響が少なく,狙った目標に当たり易くなる,という理屈.
 これにより,急降下しながら爆撃を行えば,正確に目標を捉えた爆撃ができると分かり,いわゆる「ピンポイント爆撃」が行えることが判明した.

 それまで航空爆撃というものは
「今,落とすと大体あの辺に落ちるんじゃないかなぁ」
という程度の命中精度しかなく,都市を無差別に爆撃するか,味方が絶対に居ない地上施設の近くに爆弾落とすくらいしかやることがなかった.

 それがこの発見により,航空機は地上設備や艦船を”狙って”攻撃できるようになった.
 例えば日本軍の急降下爆撃の命中率は,セイロン沖で英空母1・重巡2を血祭りに挙げたときには,3隻いずれも80%超の命中率を記録している.

 余談だが,ソ連は命中精度の問題を,地面スレスレを飛んで爆撃することで解決した.
 その目的のためにソ連が作った超低空爆撃機シュトルモビクは,重武装で,堅牢なコクピットを持ち(撃墜されてもパイロットは無事,ということが結構あったらしい.ただし,後部機銃座を除く),戦後はその設計思想をアメリカにパクられた.
 それがA-10.

軍事板

 そしてそのA-10試作案の一つ(YA-9)をパクったのがSu-25.
 パクりパクられ(以下永遠にw

ちくお in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

急降下爆撃機Ju 87「スツーカ」
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 『丸』読んでたら急降下爆撃特集で
「目標に向かって一直線に降下しながら爆弾を投下する.
 急降下爆撃機は目標から見ればまっすぐに飛んでくるので,飛びすぎる飛行機よりも射撃しやすい.
 見越し角をとらなくてよい」
って書いてあったけど,見越し角って何なの?
 水平爆撃でくる敵機のほうが狙いやすそうだけど違うの?

 【回答】
 移動物を射撃するときは,引き金を引いたときに見えたところに撃つと,撃った弾が,その位置に到達する時には,目標とした移動物はすでに,その位置から移動してるので,その移動する距離を見越して,すこし移動方向に照準をずらす角度のことを見越し角という.
 水兵爆撃だと,相手の移動速度などを考慮して角度を決めないといけないので,あたりにくい.
 逆に,急降下爆撃はそれを考えなくていいといってる.

 まあ,弾の落差分だけ曳光弾見て修正しながら撃てばいいから,狙いやすいと言えば言える.
 しかし,爆撃機が本当にまっすぐこっちに飛んできてるって事は,向こうが撃つ(当然撃ちながら突っ込んでくる)機銃弾も,こっちにまっすぐ飛んできてるって事であって,なんだか不安な気持ちがするごろにゃん.
 で,投下する爆弾もなんだかお近くに落ちる気がするごろにゃん.

 図解すると,こんな感じか.

   a’←a
   / /
  //
 b 

 高角砲bから水平爆撃機aに向けてそのまま撃っても,aの高度に高角砲弾が届く頃には水平爆撃機はa’の位置に進んでいる.
 だからaの位置を狙ったときに,敵機の速度を見越してa’に向けて撃つようにする.

      c
    /
   c’
 /


 急降下爆撃機cはb目掛けてc’へ進むので,bから狙う方向は変わらない(高度の調整は必要だが) .

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 フランス・イタリアは第2次大戦で急降下爆撃機としてどんなものを使用したのですか?

 【回答】
 実は急降下爆撃機の試作自体は,ドイツよりもフランスのほうが早かったりする.

 その後空母に搭載する予定でLoire-Nieuport LN401という艦上爆撃機(急降下爆撃機)を作っているが,肝心の空母ベアルンが完成する前にフランス戦が始まってしまった.
 そこで地上基地に配置されて攻撃に投入されているが,対空砲火で大損害を出して壊滅状態になっている.

 改良型のLN42は試作中だったが,作っている最中にフランスが負けてしまったので戦後まで納屋に隠されていた.
 この機については「世界の駄っ作機2」で取り上げられているが,形がJu-87にそっくりだったせいで,盗作と疑われて開発者はドイツの取調べを受けたそうだ.

 イタリアはあまりパッとしないのを作ってはみたが,結局ものにならず,後にドイツからJu87を輸入して使った.

軍事板


 【質問】
 スツーカや99式艦爆とかって固定脚だけど,なんで固定なの?
 脚を引っ込める技術がなかったの?
 また,固定脚が廃れて引っ込めるようになったのは何故ですか?

 【回答】
 脚を引き込む機構をつけると,重量増になるのが嫌われた.
 複雑な機構組み込んでも,空気抵抗るが,重量増加にもなるから速度が出ない.

 固定なら最前線での整備率もいい.
 なにしろパーツが少なくてむから.
 例えば99式襲撃機などは,後継機がいなかったことも(隼戦爆機はなしよ)あって,最後まで使われたりする.

 でも技術が進んでエンジンパワーがあがると,その重量増よりも空気抵抗で速度が遅くなることのほうが嫌われた.

青文字:加筆改修部分


 【質問】
 大戦時の急降下爆撃機が戦車や敵陣地を破壊したという記述は見るのですが,双発爆撃機や4発の爆撃機では敵部隊を直接爆撃したりはしなかったのでしょうか?

 【回答】
 どちらもやってます.
 ドイツの例ですが,双発機ではHs-129がソビエトの戦車などを破壊して「空飛ぶ缶きり」などといわれてますし,4発機ではFw-200がイギリスの輸送船狩りをやってます.

軍事板

 イタリア戦線に於て,B-17やB-24が前線の支援爆撃を行っています.
 但し,高山に拠った地形が目標だった為,途中の峰にドイツ軍の対空兵器が置かれていたりして,結構な損害を出しています.
 また,戦場の前線を並行に進んで爆弾を落とすのは損害が多い為,前線に対し垂直方向で爆撃を行いましたが,一航過で効率よく爆撃する様に,前線で味方の直前で識別用の発煙筒を焚いて貰い,その煙よりも先に爆弾を落とす様に照準をしていました.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板

 一般に急降下爆撃機や戦術攻撃機,戦車や敵陣地のような小目標を狙うことができるのは,小型軽量であり,空中でもわりと自由に動けるからです.
 なので,双発爆撃機の中でも機動性の良いものは,対地支援攻撃に使用されることもある.(Hs-129襲撃機,A-26爆撃機など)

 しかし四発重爆は,大柄の機体で爆弾搭載量こそ多いものの,機体が重く鈍重で,戦車や陣地と言った小さな目標を狙うのはあまり効率がよろしくない.
 こういう機体は,その搭載量と航続距離を生かした戦略爆撃などの任務の方が適しているため,そちらに使われることが主である.

 何事にも向き不向きがあるわけです.

軍事板

Hs-129の機首機関砲
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 反跳爆撃というような一見単純な方法を,何故米軍以外は実用できなかったんでしょうか?

 【回答】
 反跳爆撃は,超低空を飛行しつつ,敵艦船の対空砲火に晒されながら,絶妙のタイミングで爆弾を投下する・・・という方法で,それには
*超低空をそれなりの速度で飛行できる,高性能な航空機(それも,ある程度大型の)
*超低空飛行を可能にするための乗員への高度な訓練
*効果を実証する為の実験に割く予算と人員と資材
が必要.

 上の条件を満たせるのは,アメリカ軍くらいしかなかっただろう.

 もっとも,英軍もダム破壊の際に,反跳爆撃やっている.
 しかも,それ専用の爆弾と装置を作って.
 艦艇に応用する研究しなかったのは,そもそも航空機で艦船を攻撃する機会が少なかったからだろう.

 ドイツ軍は,誘導爆弾の開発のほうに熱心だったので.

 日本陸海軍も,反跳爆撃による被害増大後,それは研究していたはず.
 ただ,直進性遅延信管の信頼性が良くなく,また爆撃の性質上,標的艦直上を弾幕をかいくぐり離脱しなくてはならず,(翼内油タンクとかで)脆弱な日本機に向いていなかったとか何とか.
 でも一度,陸軍軽爆隊が敵船団に反跳攻撃を試み,ある程度の損害を与えたはず.

 また,レイテ決戦で周到な反跳の準備をしていたのに,奇襲攻撃で戦闘機が全滅したはず.
 まあ,上は特攻の方が有効と判断したらしいけど.

 ちなみに,爆弾を喫水線下に当てなければ有効弾にはならない.
 池に空き缶を浮かべて,それを目掛けて平たい小石を,跳び石=反跳で命中させてみ.
 なかなか当たるもんじゃないことが分かるはず.

機甲自転車(黄文字部分)他 :軍事板,2003/07/28
青文字:加筆改修部分

ランカスター「ダムバスター」
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 航空魚雷を機内へ搭載できる攻撃機,または雷撃機ってあったっけ?
 日本の艦攻は流星まで魚雷は機外装備ですがこれは防御上,大きな欠陥だったんでしょうか?

 【回答】
 アベンジャー.

 機外に吊るすのは危険に見えるが魚雷だの爆弾だの,銃弾が当たったくらいでそうそう誘爆するものではない.
 機内に収容するのは空気抵抗の面で有利に見えるが,逆に格納スペースを確保するために機体がその分だけ大柄になり,重量増や抵抗増につながる.

 つまり必ずしもメリットというわけではない>魚雷の格納

軍事板


 【質問】
 WW2時の日本のベテランパイロットが乗った雷撃機などは,「プロペラで海面を叩く」「海の匍匐前進」「舷側の下を飛んでいた」とよく言われたり,聞いたりしますが具体的には海面から何メートルの高さを飛んでいたんですか?

 【回答】
 米軍のTBMなら,大体高度30m程度で魚雷を投下しています.
 最大で240mくらい.
 英軍のSwordfishの場合は,30mよりもう少し低く飛んでいたか,と記憶していますが,数字が出てきません.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板

 海面上十数メートルですでに並大抵のレベルじゃない.
 日本の超ベテランだと3〜5メートルという,もはや神業としか思えない領域にいる.
 ちなみに3〜5メートルってのは,ちょっと海が荒れてるともろに波をかぶって墜落するレベルです.

 実際に訓練をされた方の体験談をどうぞ.
http://www.warbirds.jp/senri/05hiyakuri/hiyakuri1.html

軍事板


 【質問】
 WW2当時の空対地攻撃において,無誘導のロケット弾と航空爆弾は,どのような使い分けがなされていたのでしょうか?
 どちらも無誘導なら,航空爆弾だけでいい気がしますが・・・

 【回答】
 連合国のロケット弾は,WW2当時においても複数発を一斉射撃することで,照準器で捉えた目標に被害を与えられる程度の精度がある.
 アメリカは破壊力の面でも巡洋艦の斉射並みと称しているが,一つ所に集弾しない.
 つまり,一発や2発撃って命中するほどの精度は無い.

 ドイツのロケット弾は航空戦で,敵編隊を崩したりするのに用いているが,対地攻撃では大した精度が無かったらしく,多用されていない.
(対地攻撃では複数発を一斉射撃すると言う発想にも至っていない)

 爆弾の場合は精度が落ちる.
 特に水平爆撃で1〜2発程度の爆弾を投下しても,対象物に被害を及ぼすのは難しい.
 結果として戦術爆撃は急降下爆撃を行うことになるが,精度を追求すると頑丈な機体とダイブブレーキなどが必要となり,急降下爆撃以外の任務では無駄に鈍重な機体になってしまう.
 また,急降下爆撃は敵の対空兵装が充実している場合,損害が大きくなる傾向がある.

 逆にロケット弾なら,急降下せず,少し距離のある所から攻撃出来る.
 ただ,直撃した場合に与える被害は,大型爆弾1発の方が(複数同時発射するタイプのロケット弾の一発より)大きい.

 なお,上に挙げた通り,ロケット弾の命中精度が上がった分,製造コストは高めになる.
 と言いつつ,やはり数を撃たないと駄目なので,そう言う意味でもコストが高くなる.

 また,敵が中戦車以上のディーゼル戦車の場合,爆弾にしてもロケット弾にしても直撃させないと撃破は出来ないようであり,敵方の状況にも左右される.

軍事板


 【質問】
 独軍の電撃戦関連の書物を読んでいると,「スツーカの支援」が割と頻繁に登場するのですが,連合国空軍による反撃の話がほとんど登場しません.
 空軍力で劣っていたポーランドはともかくとして,フランスやイギリス(大陸派遣軍)は,それなりの機数を持っていたように記憶しているのですが,いったい何をしていたのでしょうか?

 【回答】
 西方電撃戦においては,英仏軍ともにまだ,航空機を地上部隊に直協させようという考えはなかった.
 空軍独力で戦争にケリをつけるため,急降下爆撃機より戦略爆撃機を優先させていたのだ.
 このため,英仏軍の航空攻撃はかなり散漫であったという.
 一方,戦闘機は個々の局面では意外と善戦しており,独爆撃機中隊を全滅させたりしている.
 しかしながら,準備の不足,独地上部隊の急速な進撃による,前線航空基地の喪失等がたたり,最終的に消耗してしまったのが実状.
 特に仏戦闘機部隊は,独侵攻直後に,予め定められた予備飛行場に移動したものの,そこは滑走路のみで,整備兵はおろか燃料弾薬も備えられておらず,少なくない航空機が,戦闘に参加することなく消耗している.

軍事板,2001/04/17(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次大戦時の爆撃機に付いてる機銃の命中率は,戦闘機のものと比較して1/7程度しかないと聞いたのですが,これは正しいのでしょうか?
 だとしたら何でこんなに差が出るのでしょうか?

 【回答】
 もっと低いはず.

 機銃座からの射撃だと,3次元機動する戦闘機の見越し角の計算や予測は難しい.
 現代のレーダー測距+見越し角計算コンピューターを備えた機関砲でも,中々当たらない.
 況や人間の手による射撃がどうであるかは,予想に難くあるまい.
 戦闘機の方は自分から動いて,撃ち易い位置取りが出来る分だけ予測も楽.

 それと,戦闘機の射撃は,外れようが無いくらい近づいてから撃つ事が推奨されてる.
「照準機から敵機がはみ出るくらい近付いてから撃て」
ってエースパイロットの言葉があるくらいだ.
 爆撃機にそれを望むのは無理だろう.
 そんな射撃が出来る時には,既に戦闘機の機銃が火を噴いてる.

 それでも機銃座の火線は避け,対空砲火の薄い所から攻撃するものだけどな.

 余談だが,旋回銃座というと,爆撃機ではないがバトルオブブリテンで対戦闘機戦にかりだされ,一戦で消滅したデファイアント部隊を思い出す.

軍事板
青文字:加筆改修部分


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