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<◆大西洋・地中海方面 目次
<第二次大戦FAQ


(画像掲示板より引用)


 【link】


 【質問】
 ナチスドイツの有名なMG34.42機関銃ですが,wikiに

>過熱した銃身は磨耗を防ぐために250発ごとに交換する必要があり,
>機関銃チームは常に予備の銃身を持ち歩いていた.

との記述があるのですが,これは他の国の機関銃も同じだったのでしょうか?
 また,同じならば航空機の機関銃は交換しなくても大丈夫な仕掛けがあったのですか?

 【回答】
 そもそも野戦で簡単に銃身が交換できるような機関銃というもの自体,MG34/42が初.
 発射速度を見てもらえればわかると思うが,MG34,42の異常な発射能力によるものだから.

 過熱した銃身は磨耗を防ぐために250発ごとに交換する必要があり,理想的な運用状態では,機関銃チームは常に予備の銃身を持ち歩いていた.
しかし,末期のドイツ軍ではそうはいかなかった例もあって・・・)

 同時期の他の国の機関銃は,機関銃自体を半分バラさないと銃身が交換出来ない.
 当然,戦闘中にそんな事やってる余裕はまずないので,予備の銃身を持ち歩く必要もなかった.

 たとえば,アメリカのBAR(機関銃ではないという議論はさておき)は,交換機構がありません.
 日本でも最初の11年式軽機は,銃身交換が実際上は困難でした.
 アメリカのM2重機関銃は,銃本体をバラさなくても銃身が取り外し/取り着け出来るようになっていたが,交換したあとはちゃんと調整しないとうまく作動しなくなるので,戦闘中の交換は事実上不可能だった(やった例はある).

 次第に技術が洗練されて,ドイツのMG34になると非常に交換が簡単になっています.
 これより前に,いわゆるチェコ機銃ZB26は,迅速な交換機構が付いてます.
 銃身上部の取っ手を持ってえいやっと,数秒で換装できました.
 名前のとおり1926年生まれで,MG34よりも古いものです.
 系列のブレン軽機(英国)や96式軽機(日本)以降は,銃身交換が容易になってます.
 そのため日本の歩兵も,予備銃身持って歩いていました.(11年式時代から一応持ってるけど)

 航空機用機銃の銃身は飛行中に撃つ限り,充分に冷却されている(飛んでる限り冷たい風が当たるから)のと,そもそも銃身が加熱するほどには撃たない.
 空中戦で相手を照準に捉えて撃つのなんかほんの一瞬だし,何分何十秒も撃つほどの弾を積んでない.
 航空機関銃は口径にもよるけど,1門あたり400発程度しか持って飛ばない.
 から,あまり問題にはならない.
 一応,「航空機銃」と呼ばれるものは銃身の肉厚を厚くする,ジャケットを冷却に配慮したものにする,などして地上用のものよりは強化されてるのが普通.
 逆に「風が当たってよく冷えるから冷却ジャケットは要らん.重くなるし」と取り外してるものもある(ルイス機関銃とか).

軍事板●初心者歓迎 スレ立てる前に此処で質問を 507
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次大戦時って主にボルトアクション銃を使ってたんですよね.
 一発撃っては排莢,一発撃っては拝莢と……
 一方で携行可能な自動銃(99式みたいな)を持った歩兵もいたみたいなんですけど,そういうのがあるのにボルトアクションを使っていたのはなんででしょう?

 【回答】
 自動火器はある程度大量の弾薬を個人が持ち運べなければ,特性が活かせない.
当時の主力小銃は7.**mm,それも現代のものより薬莢が大きい(より遠くへ飛ぶ事が重視されてたので,装薬量が多い)から,それを20発入弾倉で6個,とか持ち運ぶと死ねる.
 兵士全員がそんな量の弾薬を持ってたら,長距離行軍が出来ない.

 また,それだけの弾薬を常に補充してあげなければいけない,ということで補給兵站にものすごい負担が掛かる.
 当然,弾薬の生産能力が相当に大きくない国じゃないと,その兵站を支えられないし,それに掛かる予算も膨大になる.

 そして,なにより反動が大きいため,連射してもコントロールが効かなくなってしまうから,あまり発射速度の高い全自動にはできないし,セミオートだと熟練者が短時間だけ連発するボルトアクションとあんまり変わらなかったり.
 装弾数が変わらないのでは,セミオートでもあっという間に弾がなくなるから,結局同じ時間あたりに撃てる弾数は同じ,という事になったりした(短時間に連射して多くの弾を撃てる事の利点は大きいが).

 単純に作動の確実な連発式の銃を作る,という技術的難度以外にも,こういう問題があった.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 WWUの頃の狙撃兵について聞きたいのですが,狙撃兵の実際の交戦距離ってどれくらいなのですか?
 それと狙撃兵が持っている小銃は特別仕様なのですか?

 【回答】
 ほんの数十メートルって事もあれば1000メートルオーバーも.
 銃は特注や専用もあったけど,本当に精度が高いものはできるのは運なので,実際には大量生産された普通の小銃の中から精度の高いものを選んで使ってたケースが多いです.

 日本の38式歩兵銃は事実上職人さんの手作りなので,時折物凄い質の良いものがあり,今でも欧米のマニアがハンティングなどに使用.弾も生産されています.

 狙撃中の有効射程,この場合一発目でかなりの確率(たとえば90%)で敵を無力化する(数分内に攻撃力を喪失させる)という意味での距離であれば7.62mmの伏射で800m程度というのがおそらく常識的な数字です.

 それ以上で当たることももちろんあり,倍の距離で当てたという話もあるでしょう.
 ただ,まぐれをのぞいて最初に書いたような仕事的意味で言うなら,最大射程として800m程度,それも弾も銃も良い状態で,です.

 実際の交戦距離はそれよりはるかに短く,戦場次第ですが,狙撃兵大活躍の市街戦などであれば100mを割ることさえ珍しくなかったと思います.
 300mも離れれば,狙撃されても,市街ではまず射点を見定めることはできません.
 音が反響すれば,もっと近くても,おおよその方向すらわかりません.
 しかもその距離なら初弾の命中率は大変高い.
 狙撃兵はこわいな.


 【質問】
 WW2のスナイパーはどのように歩兵部隊に組み込まれているのでしょうか? 小銃兵扱いですか?
(軍のいろいろな編成表をあたってみたのですが,該当する項目が見つかりませんでした.)

 【回答】
 一応,分隊の1名は,狙撃兵となり,かつ,グレネード・ランチャーを持って,分隊のミニ砲兵としての役割をするようにはなっていました.
 実際には,規定通りの編成を取る部隊は殆どありませんでしたが.

 ソ連の場合は,分隊9名のうち,隊長と機関銃手を除く7名が狙撃兵と呼ばれていましたが,大戦中期以降は形だけの名前になっています.

眠い人 ◆ikaJHtf2 in 軍事板

 WWIIのドイツ軍に関して言えば,歩兵小隊の小隊本部の伝令兵のうち一名が,望遠スコープ(Zf 42)を装着した98Kを装備しており,純粋な狙撃手として配属されています.
(出典:Alex Buckner "The German Infantry Handbook" (Schiffer, PA, 1991))
 ただし,1943年以降のK.St.N.(戦時編成定数表)の各種の歩兵中隊(Schutzenkompanie)の編成では,この伝令が3名から2名に減員されており,その後も一名がスコープ付ライフルを装備していたかどうかは不明.
 尚,1944年までは,K.St.N.上では,Infanterie(歩兵)の表記ではなく,すべからくSchutzenと表記されている.
 これはあくまでRiflemen(ライフル銃を装備した兵)という意味合いで認識すべき.

Hawkeye in FAQ BBS


 【質問】
 M1ガーランドとモーゼルC96のクリップ装填って,方式が違うんですか?

・ガーランド→クリップ装填のみ可能.クリップをつけたまま撃つ.

・モーゼル→クリップなしでも1発ずつ装填可能.装填したらクリップは抜く.

で合ってますか?

 【回答】
 M1ガランド小銃は,装弾子(クリップ)ごと銃内に弾薬を装填し,8発撃ち終わると自動的に装弾子が排出されます.
 クリップは八発撃つまでは銃内に留まります.
 其のため,撃ち尽くすまでは再装填が出来無い構造です.
 マウザー拳銃のクリップは,同じ装弾子と呼ばれる部品ですが,これは装填するまでに一弾倉分の弾薬を束ねるだけの役割を持っています.
 これは装填時にマガジンフォロアを押し下げる役割も兼ねています.
 従って,クリップは装弾後排除しなければなりません.
 クリップ無しでもボルトを後退位置で保持して弾薬を一発づつ装填出来ますが,クリップが無い状態では非常にやりにくいので,マウザーC96は後期生産型ではクリップラグを残したまま,着脱式の箱型弾倉に移行しました.

三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板
青文字:加筆改修部分

▼>撃ち尽くすまでは再装填が出来無い構造です.

 オペレーティングロッドハンドルを引いた状態で,エジェクションポートの(射手から見て)左側にあるクリップ・ラッチボタンを押すことで,残りの弾とクリップを強制排出することができるため,撃ち尽くす前の再装填自体は可能です.

 恐らく三等自営業氏が仰っているのは,使用した弾の不足分のみを装填することは不可能という意味であると思います.
 一応,片方の手でオペレーティングロッドハンドルを後退位置で押さえ,もう片方の手で一発ずつ込めていくという事も不可能ではありませんが,現実的な装填方法ではないでしょう.

 下記サイトのM1ガランドの項目に,写真付きで詳しい解説がされています.
http://taka25th.cathand.com/newpage29.htm#1

ピーナッツ超好き in FAQ BBS,2009年8月8日(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 WW2の頃のカナダ,オーストラリア,オランダは,自国でオリジナルの銃を生産しなかったのですか?

 【回答】
 カナダは英国の兵器廠の一つとして,英国の兵器体系に組み入れられていました.
 一応,英国製エンフィールド小銃を小改良しては居ますが,独自の物は作られていません.
 オランダは,一応兵器廠にて生産自体はしていますが,その原型となる小銃は,二重帝国製の小銃で,オリジナルの物を開発した訳ではありません.

眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2007/08/20(月)
青文字:加筆改修部分

 オーストラリアは1941年に,オーステンと呼ばれる短機関銃を生産しています.
 これは文字どうりオーストラリアのステン銃,つまりステン短機関銃の改良型です.
 さらに,エヴェリン・オーエン中尉が設計したオーエン短機関銃が1941年11月に採用され,45,000丁以上量産されています.
 箱型弾倉が上に突き出している不恰好な銃ですが,かなり高い信頼性を持っていたそうです.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE in 軍事板,2007/08/20(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 WW2の英米の銃剣は,写真を見る限り色々あるのですが(英には30年式のようなナイフ型の長い銃剣,スパイク式,米には1905年式,M1,それと刃渡り20糎くらいの中途半端な銃剣),大戦中に逐次更新中だったんでしょうか?
 たとえば,フィリピン緒戦の写真,アイスランド進駐軍,ガ島の,タラワの写真では,1905年式と思われる長い銃剣が付けられていますが,ノルマンディーや沖縄や硫黄島,アンガウルになると,短くて実用的と思われる新型の銃剣を付けてる写真が散見できます.
 銃剣だから補給の問題も無かったんでしょうが,なぜ戦争中にわざわざ更新する必要があったのでしょうか?
 また,英軍の場合,スパイクも刀剣型長銃剣もWW1タイプだと思うのですが,統一しようとは思わなかったのでしょうか?

 【回答】
 銃剣ではないが,小銃について,ガタルカナルに投入された海兵師団がスプリングフィールド小銃から,最初にガーランドへ更新され前線に投入されてるので,前線投入部隊から,小銃にあわせて銃剣も装備を更新していったものと思われる.
 米軍の場合,前線投入前にハワイなど後方の補給地で集結後.訓練を行って投入されてるので.

 英軍については,識者待ち.
 根拠なしの思いつきの理由だと,倉庫にあまってたとか,伝統とか,ロクな合理的な理由を思いつかない.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 現代の兵士はヘルメットと防弾チョッキ,戦国時代の武者は鎧兜に身を固めているのに,なんで第二次大戦の兵士はヘルメットだけで防弾チョッキをつけてないんですか?

 【回答】
 鎧兜では弾を防げず,防弾チョッキはまだなかった(戦場で有用なレベルのものは)から.
 既に幕末の時点で鎧兜は銃弾を防ぐどころか,害にしかならないことが判明したからね.
 前装式ライフル銃の時代.
 火縄銃の時代でも,距離によってはかなり厳しかった.

 そして第二次大戦当時の防弾チョッキは重くて暑いだけで余り役にたたなかったんだ.
 ケブラーもファインセラミックもなかったんだからさ.

 銃弾からの防御というより,砲弾の破片を防ぐ目的の防弾チョッキが登場したのは,ヴェトナム戦争の頃.
 それも軽くて強い素材が登場したから実用化できたこと.

 拳銃弾でなく小銃弾を防御できる防弾ベスト(セラミックプレート入り)は,近年になって登場した.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ZB37重機関銃ってどんなもの?

 【回答】
 1937年,チェコスロバキア陸軍が,シュワルローゼ機関銃に変わる機関銃として制式化したもの.
 シュ機関銃より銃身を延ばし,空冷化したが,銃身はブルーノ伝統の簡単に外して交換ができるタイプのものであった.
 ドイツの占領後は2線部隊で使用され.ZB53と称された.

 【参考ページ】
http://earth.endless.ne.jp/users/mac0115/doitugunn36.html
http://www.wehrmacht-awards.com/forums/showthread.php?t=395423

【ぐんじさんぎょう】,2009/12/09 23:00
に加筆

1/6金属製ZB37重機関銃

 これが実に良い出来で満足.
 ジンク製の銃本体や金属製ベルトリンク,真鍮製の三脚など芸術的で,もうちょっと精度を高めてくれれば,鉄道模型の世界になるんだけどなー.

よしぞう@30西や-12a in mixi,2007年08月17日02:30

faq20cz05mg37zb02.jpg
http://forums.gunboards.com/showthread.php?t=9619より引用


 【質問】
 バネで推進する携行型対戦車ロケットがあったらしいですが,何という名称でしょうか?

 【回答】
 PIATという,WW2にイギリス軍が使用した対戦車弾.

 PIATは発射薬の撃発に撃針を用いる方式で,バネはこれに用いる撃発バネです.
 で,この発射薬の爆風でバネを押し戻す仕組みなんですが,その辺がうまく働かず,手動でバネを押し戻すことがしばしばあり,
 それを見た米兵が,バネで発射すると勘違いしたのがデマの発端とか何とか.

 蛇足ですが,PIATは種別上,対戦車擲弾発射器,ないしは対戦車迫撃砲に分類されます.

丼炒飯◆HY/YgdSbHM

 PIATは確かに撃針をバネで叩く仕掛けですが,見逃されがちなのはPIATの発射薬は補助的であり,撃針を叩くバネが同時に弾薬を推進している点です.
 簡単に言えば,PIATはバネなしで撃針を叩いても飛びません.発射薬のガスは前方に放出され,このためPIATは閉所から発射しても安全ですが,
 要するに反動が問題になるほどの火薬は使用されていません.
 極論すればPIATは巨大なバネ銃であり,発射体の運動量とバネの後退量が相殺される仕掛けです.
 大きな問題点は,バネ仕掛けゆえの(火薬に比し)ゆっくりした作動であり,それに伴う重心の移動,振動の発生です.
 このため「時化の船でボーリングの球を転がす」ような状態となり,命中率は熟練した射手であっても高いとは言えませんでした.
 また有効射程も数十メートルと言われています.
 要は,でっかいパチンコ.

PIAT
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 イギリス軍は第二次大戦中,槍で武装してたそうですが,本当でしょうか?

 【回答】
 本当です.
faq46b05.jpg
faq46b05b.jpg
は実物画像.
 英国は,ダンケルクの撤退で武器が無くなったため,ありとあらゆるものを作りました.
 で,その中にライフルの銃剣を用いた槍があり,それは1950年代に至ってもホームガードの倉庫に眠っていました.

 ちなみに,バケツに入れたガソリンと毛布と鉄棒で戦車に対抗しようとしたり,トラック架装コンクリート製装甲車を作ったり,結構,モンティパイソンみたいなことをしてます,彼国は.

眠い人 ◆gQikaJHtf2,2006/01/04(水)

▼ 昔の『歴史群像』のコラムで,イギリス軍の例の水道管の槍についての,英国紳士の自虐ギャグのことが書いてあった.
 以下引用.

------------
 元イギリス陸軍中佐の軍事評論家ジョン・ウィークスは,自著の中で,
「1940年型の槍は,1640年に造られた槍よりも,長さがやや短い点で,少し異なっていた.
 そのため,これを支給された兵士は,敵兵を殺すため,より近づかなくてはならなかった.
 そのかわり,1940年の敵兵は,胴鎧や鎖かたびらを着用していないという利点があった」
と,いかにもイギリス人らしい,ひねくれたユーモアたっぷりに,300年前の槍とのクソマジメな比較検証を行っている.
------------

軍事板,2012/04/21(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 ドイツ兵はヘルメットのあご紐をしめるのに,アメリカ兵はヘルメットのあご紐をしめないのはなぜですか?

 【回答】
 あご紐をしっかりと締めてると,爆風を浴びた時にヘルメットと頭の内側に爆風が吹き込み,ヘルメットが無理やり吹き飛んでいこうとするために結果,首の骨が折れる.

 そういう事故を防ぐため,戦場ではヘルメットの顎紐はしないのが兵士のたしなみ.

 ドイツ兵の場合は服務規程が厳しかったので,写真に撮るような状況だとみんな顎紐は締めて撮ってる.
 もちろん戦闘時には緩めたり外したりしていた.

 でも顎紐締めないとすぐ頭から落ちるので,最近では一定以上の衝撃が加わると紐が外れる構造になっているものが多い.

軍事板

WW2 ドイツ軍型ヘルメット

WW2 米軍型ヘルメット
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 迷彩服について質問です.
 第2次大戦ではどこの軍隊も迷彩以外の服で戦っていることが多いようですが,迷彩効果のある服を採用できない理由があったのでしょうか?
 ドイツ兵を描いたイラストに,現代の迷彩に近いものを着ているものがあったのですが,前線の兵全体に配らないのはなぜか,という疑問があります.

 【回答】
 まず,コストがかかるので全軍に普及するような数が生産し難い,というのがあった.
 迷彩服つくるより普通の服いっぱい作ったほうが安い.
 第二次大戦が始まるまでは,どこの国も軍縮傾向だったから.

 で,戦争が始まると,ドイツ軍とその同盟国以外は迷彩服の採用が難しくなった.
 何故なら迷彩服を着ていると,遠目に発見されてしまったときに「あ,ドイツ兵だ」と思われて撃たれてしまうから.
 実際,アメリカ軍は迷彩服を採用していたが,「事故」が頻発してあわてて前線部隊から回収する羽目になった.

 また,米海兵が採用したものは,「染め」の技術がいまいちで,使ってる間に白っぽく色が抜けて逆に目立ってしまった.
 技術コスト面の問題も大きかったんじゃないだろうか.

 なお,WW1の頃から,戦場で目立たない色であるカーキ色の軍服に切り替わっている.
 緑系の迷彩だと草木の多いところでないと逆に目立つ.
 戦場の環境に合わせて支給する服を換える,というのはなかなか難しい.

軍事板
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 【質問】
 旧日本軍以外でゲートルを使っていた軍隊はあるのでしょうか?

 【回答】
 第二次大戦初期の英国陸軍は長い巻きゲートルを用いており,その後キャンバス製の短ゲートルに変更されています.
 ただ,古参兵の中には中後期に至るまで,長い巻きゲートルを用いた者も居たようです.

 イタリアでは,1942年頃までカラビニエーリという憲兵隊に於いて巻きゲートルが用いられています.
 また,海軍のサン・マルコ海軍歩兵連隊には兵士に巻きゲートルが支給されています.

 ソ連では長靴が不足した折に,巻きゲートルが用いられていました.

 フランスでは備蓄の軍装が第一次大戦型のものでしたので,巻きゲートルも支給されています.

 フランスの影響が強かったルーマニアでも同様に巻きゲートルが支給されています.

 チェコスロヴァキアやユーゴスラヴィアも同様です.

(眠い人 ◆gQikaJHtf2)

faq46v02.jpg
faq46v.jpg
(画像掲示板より引用)


◆◆◆◆◆米軍個人装備


 【質問】
 米軍の軍服や歩兵中心の装備について,ビジュアルを重視した(ムック的な)資料集を探しています.
 前面,背面はもちろん,材質や軍服の機能解説,軍靴の底であったり迷彩パターンの拡大写真などがあれば大感激です.
 米軍以外にも,お勧めな軍服の資料集等あれば,よろしくお願いします.

 【回答】
 オスプレイ「世界の軍装と戦術」シリーズは如何?
 今私の手元にあるのが
「第2巻 第二次大戦の歩兵対戦車戦闘」
「第6巻 日本軍落下傘部隊」
です.
 でもね,凄く高いんですよ.
 A4判,70頁で2600円.

 あと,日本軍になってしまいますが,柳生悦子「日本海軍軍装図鑑(並木書房,平成5年,12000円).
 薄い情報でいいのなら,ネットで我慢するしかないのでは?

ZII ◆RPvijAGt7k in 軍事板,2011/03/05(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 バズーカ砲 bazooka の名前の由来を教えてください.

 【回答】
 同名の楽器から.
 広田厚司によれば,以下のように説明されている.

――――――
 正式採用された当時,米国で著名だった音楽コメディアン,ボブ・バーンズ Bob Burns が,「バズーカ」と呼ぶ,舞台で小道具として用いた,長くて先端に大きなラッパのついた筒に,この兵器の形状がよく似ていたので,「M1バズーカ」と呼ばれるようになったものです.
 なお,本兵器は元は,1942年初頭に活動した小銃用榴弾開発チームの責任者であるロケット技術者レスリー・A・スキンナー陸軍大尉が,海軍から派遣されてきた技術者ウール少尉と共に開発した,ロケット推進弾発射型の鋼製発射筒です.
 その後,多くの技術者が加わって,1942年5月に,歩兵携行兵器となるロケット発射筒として作り出されました.
 そして異例なことに,最初の発射実験に立ち会った少数の軍関係者によって,全く何の改良もなしに正式兵器として採用されました.

――――――広田厚司 at 「丸」 Feb. '03,抜粋要約

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 米軍の重機関銃小隊の装備を教えてください.

 【回答】
 第二次大戦中の米陸軍の重火器中隊の場合,4名で分隊を構成し,分隊には1丁のM1917A1機関銃を装備しています.
 構成は,分隊長が1名(M1カービン装備),機関銃手,装弾手(いずれも拳銃装備),弾薬手(ライフル銃装備)です.
 弾薬手は弾薬箱二箱と,予備パーツを持ちます.
 人数に余裕があれば,5人目がおり,5人目は弾薬箱を一箱と予備銃身を携行します.

 この分隊が2個で,1個半小隊(セクション)を構成していますので,機関銃は2丁,ライフル銃2丁+,拳銃4丁とカービン銃1丁と言ったところではありますまいか.

眠い人◆gQikaJHtf2


 【質問】
 BARは軽機関銃じゃ無いってレスを見ました.
 ならBARってライフルなんですか?
 本とかを見ると軽機関銃だと紹介されてるんですが…….
 ライフルってならこれ,立派なアサルトライフルですよね?

 【回答】
 つまり騾馬は馬とロバのどっちに分類すべきかって話だ.

軍事板
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 ブローニングオートマチックライフル(BAR)を軽機関銃と分類しないのは,その運用上の特徴からです.
 BARは,分隊自動火器と言うカテゴリの最初期のもので,小隊と供に前進し,補助的に火力支援をする火器で,二十発弾倉を使用し,ガランド小銃を装備した小隊分の火力を一丁で発揮する事が可能でした.

 当時は半自動の自動小銃でボルトアクション式小銃の八倍,全自動火器は20倍の火力を持つとされ,この20倍,と言う数字は当時のBARの一弾倉分に相当し,軽支援火器としての評価を受けていました.
 健在のFN-MAGの原型にもなっていますが,これは機関部分の強度的余裕が相当あったからですね.

三等自営業 ◆LiXVy0DO8s in 軍事板
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 そして,分隊レベルで装備して一人で持ち運べる自動火器という点では,後の軽機関銃に非常に近く,あえてカテゴリー分けするなら軽機関銃になる.

 そもそも,BARが開発された頃には,軽機関銃というカテゴリーが未確立だった.
最初はバイポッドも付いてなくて,周りの兵もボルトアクションライフルしか持ってない時代の援護射撃用なわけで.
 特にアメリカの場合,WW2に至っても本格的な軽機関銃をまともに配備できなかったため,各国の軽機関銃に対応する火器としてはBARしかなかったのだ.

 ゆえにWW2の軽機関銃と比べると,真の軽機関銃とはいえない未完成な代物.
 そんな骨董品に,今の軽機関銃や分隊支援火器と同じレベルの性能求めちゃいかん.
 今の分隊支援火器に比べれば装弾数が少なく,放熱対策も不十分で,持続射撃能力があまりに小さい.

 もっとも,周りの兵が持つのがM1ガーランドになってからも,同じ弾丸をフルオートで撃てるのは魅力的だったらしく,重いのに銃手に志願する者は多かったという.

 したがってアサルトライフルとはまったくの別物.
 アサルトライフル(突撃銃)というのは,軽量で連射機能付きの小銃.
 BARは,分隊に2丁とかで配備して支援火器に使うものなので,用途も違うしずっと重い.
 突撃なんてかなり大変.
 仮にBARをライフルの範疇に入れるとしても,アサルトライフルではない.
 ただの自動小銃だ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 米軍ではBARは,どのように運用されたの?

 【回答】
 BARは1個分隊に1挺装備.
 米軍の戦術では1個分隊12名は,分隊長の指揮の下に火力支援を行う射撃班と,火力支援を受けて敵に向かい突撃を行う機動班の,2個班に分けられ,BARは射撃班に属して火力支援を行う.
 米軍ですら,大戦勃発直後はボルトアクション・ライフルしか保有しておらず,BARの火力は十分有効だった.
 ただし,M1ガーランドが配備されて,BARが火力に劣ると見なされるようになってからは,BARを分隊で2挺に増やすなどされる場合もあった.

 ちなみに軽機は,どの軍隊でも基本的に,点射と呼ばれる3〜5発区切りの射撃が基本で,連射は至近距離に於ける密集目標において一時的に使うだけだった

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次大戦時の米軍の軽機関銃について質問です.
 M1918,通称BARを持つ兵士というのは何人に独りという割合なのでしょうか?
 また,BARを持つ兵士の他の装備などは他の兵士と比べて何か異なるのでしょうか?

 【回答】
 BARは歩兵一個分隊につき1丁配備された.
 今で言うところの「分隊支援火器」の元祖だね.
 当然,BARを持つ兵士は小銃を持つ兵士とは違う予備弾倉入れを携行する.
 小銃用に比べて重く,BAR用予備弾倉入れを携行する際はサスペンダー着用が必須だったそうな.

 BARについてのあれこれ・・・を一つ上げるなら,シカゴを中心としたマフィアとFBIの抗争時に,トムソンSMGで武装したマフィアに対抗して官憲側に,予備兵器として保管されていたBARを配備して対抗する計画が立てられた.
 でも,配備直前で「国内治安行動に軍用の強力な機関銃を配備するなど・・・」という反対意見が出て計画は没に.

 他にもスゥェーデンでライセンス生産されたりとか,自衛隊にも供与されて今でも自衛隊の倉庫に眠ってるとか,BARにまつわるエピソードは色々あるね.

軍事板

 ※ ただし,「機関銃の社会史」によると,映画になった,仲間にした少年?の父親の通報により待ち伏せに遭いトミーガンの斉射により射殺された強盗のアベックは史実ではBARだったようなことが書かれていた.
 計画的配備でなくそのあたりの当局が独自配備したのかもしれませんが,言い切れない可能性があるのかもしれません.

部外者 in FAQ BBS

 以下,ジョン・エリス著『機関銃の社会史』(平凡社,1993.4)P251より転載

 ボニー・パーカーとクラウド・バローの離れ業でも機関銃が活躍する.
 一九三五年五月,彼らが警官の待ちぶせにあって殺されたとき,警察側が使ったのは主にブローニング自動小銃だった.

名無し九等兵 in FAQ BBS


 【質問】
 第二次大戦時の米軍のM1ガーラントと短機関銃のM1トミーガンって,どっちが威力高いんですか?

 【回答】
 威力の概念にはおおよそ二通りあります
 一つは弾丸そのものの重量と速度に由来する殺傷能力.
 もう一つは有効射程内で同一または複数の目標に対して多数の弾丸を投射する能力.

 弾丸威力で言えば,30口径のM1ガランド小銃が大きいと言えますし,また,沢山の弾丸を撃ちだす火力の高さで言えばトミーガンの方が高い能力を持っています.
 さらに,有効な弾丸威力が保持される有効射程距離ではトミーガンが100m前後,
 対するM1ガランド小銃では約600mと,射程の点ではガランド小銃の方が有利です.

三等自営業◆LiXVy0DO8s

ドイツ軍が鹵獲使用しているトミーガン
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 M-1小銃って,残弾がある状態だと弾倉を再装てん出来ないらしいんですけど,何故なのでしょうか?
 また,それってかなり不便だと思うのですが,問題が発生しなかったのでしょうか?
(例えば戦闘の合間に,薬室を空にしておきたいときとか)

 【回答】
 M-1ガーランドは,8発装填の弾薬クリップに弾を込めて,銃に装填し使用する.
 8発の弾薬がクリップで一まとめになってる(ローディングクリップ装弾方式弾倉)
 このため,従来の小銃より早く簡単に装填できる一方,このクリップは弾倉みたいに簡単に途中で取り外せないので,弾を残した状態でのクリップの再装填は困難.

 一度,全弾排出すれば装填は可能.
 現代の小銃と一緒だろう.
 マガジンを銃から外して,新しいマガジンを刺し込む.
 ウィキペディアにも書いてあるが.

 一応,弾が残ってる状態で取り出すことは出来るのだが,弾倉式みたいに即座には外せない.

 実際問題,
「8発フル装弾してないと装填できない」
「基本的に全弾撃ちつくさないと再装填できない」
という機構は実に面倒で,現場では2,3発弾が残っててクリップを抜きたいときに,無駄撃ちする兵士が続出した.
 銃口を上に向けずに適当に撃って味方に当てたり,適当な方向へ撃ったら弾が跳ねて予期せぬ方角へ飛び,やっぱり味方に当たった・・・という人いた.

 他にもローディングクリップ装弾方式は,クリップがはじき出される音で弾切れを知られてしまう,装填時に指を挟みやすい,などの欠点があった.
 M-1はクリップを装填すると,即座に自動で遊底が閉鎖されるので,槓桿を押さえずに思いっきりクリップを叩きこむと,指を挟まれる(痛
 これで負傷した兵士は多く,M-1には「指喰い」の仇名が付いた.

 つまり,使ってみたら問題があったから,この形式は廃れたわけで.
(例えば戦闘の合間に,薬室を空にしておきたいときとか)

軍事板,2007/07/08(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 M1ライフルですが,8連発クリップ装填機構を改めて,弾丸のみを薬室に装填できるようには改良できなかったんでしょうか?

 【回答】
 戦後イタリアがライセンス取って改良したものには普通の弾倉式にしたものもある.
 だから,機構的にはさほどの苦労なくクリップ式以外にもできる.

 ただ,ガーランド設計時のコンセプトとして「即射性能」がある以上,クリップ使うようにしないと素早く装填できないだろう.
 かといって弾倉式にするのは,その分の余計な重量が嵩んでデメリットが多い・・・と言うことを考えると,あれが妥協点としてベストだったのでは.

 ガーランドの8連クリップは,内蔵式の弾倉と考えることもできるし.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 M1ガーランドは現在でも生産・販売が続けられているのですか?

 【回答】
 少なくとも,販売は続けられています.
 世界の銃パーフェクトバイブルとか,wikipediaにも書いてあるし,調べりゃいくらでもでてくる.

 軽く調べた限りでは,相場は新品で¥10〜20万くらいみたい.
 オプションによって値段はまちまちで,中古だと¥10万切るようだ.

 生産に関しては,少なくともネット上からPDFファイルで見られるspringfield armoryのカタログにはしっかり載ってましたから,確証はないですが,生産も続いていると思います.

極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in FAQ BBS

 中国のノリンコがM1ライフルのコピーをUSに輸出していることは「Gun」でも記事になっていた記憶がある.

ウィナ・ツァハル in FAQ BBS

 【質問】
 springfield armoryのM1ですが,競技での装弾数の不利があるとか無いとかで,M14のセミオートタイプがM1として売られていたと思うのですが,それとは別物なのでしょうか?
(軍用銃を競技用とはいえ民間に云々,という感じで名前を変えて売っていたような?)

部外者 in FAQ BBS

 【回答】
 はい,M14のコマーシャルモデルは,M1Aと呼ばれて販売されています.
 むろん,M1ガーランドとは,別物です.
 ややこしいですね.

 自分の目で確かめたければ,ここからカタログを見てみてください.
http://www.springfield-armory.com/index.php

極東の名無し三等兵◆5cYGBbCsjQ in FAQ BBS


 【質問】
 トンプソン短機関銃はどう評価されたの?

 【回答】
 トンプソンSMGは
*小銃並みに重いし大柄で携行しづらい
*その割には所詮拳銃弾だから射程が短い
*生産が面倒でコスト高
*弾倉の装弾数が少ないので,大量の弾倉を携行しなければいけないので重くてかさばって面倒くさい
*でも装弾数の多いドラム弾倉は大きくて重くておまけに弾を込めるのが面倒くさい
と不評だった.

 戦争が始まると,細部を簡略化した型が開発されて,それに生産が移行したが,それでも生産性が悪くてコストがかかるので,
「とにかく安く作れて必要最低限の性能であればいいから」
ということで,かの有名なM3”グリースガン”SMGが誕生した.

 もっともグリースガンも
「トンプソンは豪華過ぎるがグリースガンはチープすぎる.
 どっちか極端なのしかないのかよ」
と,あんまり評判はよくなかった.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次世界大戦時の米陸軍兵士(海兵隊もですが)はほとんど例外なくヘルメットのストラップをヘルメット側にかけていますが,なぜそのようにしていたのか,規則ではどうだったのか(付けることになっていたのか)を教えてください.
 あと,他国ではそのようにしていた例はあったのか?も,よろしければお願いします.

 【回答】
 あれはインナーヘルメットのストラップ.
 当時のヘルメットはインナーとアウター(鉄製)を重ねてかぶるようになってる.
 インナーとアウター両方にストラップがある.
 戦闘時はアウター側のストラップを締めるので,インナーのストラップはアウターに引っ掛けておくわけ.

 なぜインナー側にストラップがあるかって?
 非戦闘時は,アウターをつけておくと重いから,インナーだけを被るんだよ.

 なぜそのようにしていたのかって?
 至近弾の爆風などでヘルメットが飛ばされる時に,首にストラップをかけたままだと,ヘルメットが吹き飛ぶ勢いで首に大怪我を負うからだよ.

 あまり他国の軍人がそうしている例は見ないから,一般的に連合国軍兵士内で広まってた通説っぽいが.

 ちなみに米軍のヘルメットのインナーには,紙製もプラスチック製もあった.
 以下引用.

――――――
http://www.manryou.com/~manryou-office/m1hel/index.html

 最初期においては,ハウレイプロダクツ社製造のファイバー(ペーパー)ライナーが標準仕様(1941年〜1942年11月生産)となったが,1942年4月以降,低圧形成による,プラスチック製ライナーの開発,配備を経て,・・・ 7社によりWW II を代表する装備であり,かつWW II 最終型となるプラスチック製ヘルメットライナーが大量生産されることになる.
――――――

軍事板,2009/06/27(土)
青文字:加筆改修部分


◆◆◆◆ソ連軍歩兵装備


 【質問】
 大戦中の赤軍は兵士の3人に1人がサブマシンガンを持っていたそうですが,どのような基準で持たせていたんですか?
 こうも数が多いと,分隊長・副長のみというわけにもいかないし・・・

 【回答】
http://www.stormpages.com/garyjkennedy/RedArmy/reduced_strength_rifle_battalion.htm
を参照.

 中段にサブマシンガン部隊(サブマシンガンユニット)という見出しがあり,そこの記述を要約すると,1942年時点で,赤軍ライフル大隊に100名のサブマシンガン部隊が付属するように規定されていた(ただし,充足率のようなものは不明).
 そして,1943年には,ライフル中隊を構成する3小隊中1小隊の装備が,すっかりサブマシンガンに置換されたと書いてある.
 すなわち,兵装の充足率がぐっと高まったと思われる1943年時点において,赤軍の歩兵部隊の3分の1がサブマシンガンを装備していたと考えられるわけだ.
 ついでにそこの記述には,近接戦闘時の火力が高まった変わりに損害を増やすことにもなったと補足的に書かれている.

軍事板

 蛇足.

 1941年当時では,分隊の兵士の主力は,M1891/30ライフルで,他にDP軽機関銃が1挺,分隊長のみPPSh1941サブマシンガンを装備していました.
 しかしながら,独ソ戦初期に被った人的損害と,大量動員による訓練不足で,特に射撃訓練を必要とせず,更に戦術としても接近戦に主眼を置くものとなったため,サブマシンガンの装備率が向上し,戦車随伴歩兵は,DP軽機関銃手以外は,全員サブマシンガン装備となっています.

眠い人 ◆gQikaJHtf2

WW2ソビエト小火器一覧

CRS in mixi支隊


 【質問】
 第二次世界大戦時のソ連は銃を2,3人に一挺だったっていうエピソードが,映画「スターリングラード」にありますが,これは独ソ戦全体を通してのことだったのですか?
 それともスターリングラード戦の補給事情が生んだ出来事で,銃が数人に一挺だったのはスターリングラード戦だけだったのでしょうか.

 【回答】
 独ソ戦初期の戦闘態勢が整わなかった時は,ソ連軍ではどこもそんなものだったらしい.
 独ソ戦後半にはウラルの東に移転した工場が生産を増強し,さらにアメリカからの支援物資の輸送が順調になってきたので兵器不足は解消されている.
「ロシア兵はアメリカ製の生地で作られた軍服を着て,アメリカ製の靴を履き,アメリカ製のコンビーフを食べて,アメリカ製のトラックに乗って戦う」
なんて言われたくらい.
 前半の損害について言えば,大量の兵員を損失したことの方が響いていて,戦争終結まで多くの部隊は定員を充足していない状態で戦っている.

 戦争末期にはドイツ軍の方の兵員及び武器弾薬の不足の方が深刻で,国民突撃隊などはそれこそ三人に一丁の銃で,それもイタリア軍からの鹵獲品.
 しかも,しばしば補給された銃と弾薬の規格が合わないなどという状況もおきている.

 ダンケルク撤退後の英軍も火器不足が深刻で,急造型短機関銃を作って(それがステン・ガン)みたり,槍で武装したり.
faq20b02.gif


 【質問】
 ソ連のアサルトライフル開発についての質問です.
 巷ではよく
「AK47はドイツのStG44を模倣して作られた」
とか
「内部の構造は違うが,短小弾をフルオート射撃するコンセプトは借用した」
等といわれていますが,ネットを検索して調べたところ,ソ連で1939年には7.62×39弾の開発が行われていたようです.
 ドイツのMKb42が戦場に出てくるのが1942年ですから,ということはドイツのそれを見る前から,ソ連は短小弾をフルオート射撃する火器を模索していた事になるのでしょうか?

 【回答】
 実は帝政時代にロシアは,フェデロフM1916という小口径弱装弾を用いた,フルオート可能なライフルを開発している.
 曲銃床ではあるものの,これこそが世界初のアサルトライフルとも言われてる.

 AK47がStG.44の影響を受けていないはずがないが,模倣というのは言い過ぎ.
 メカニズムがまったく違う.
 StG.44とその用法,成果を大きく参考にした,というのが正しい.

 ソ連の7.62x39(Soviet M1943)について言えば,反動が軽く,撃ちやすい弾丸として,サブマシンガンの弾薬として1930年代にはソ連だけでなく,フィンランドやスイスでも開発が行われていた.
 他に9x25mm Mauser Export,7.62x32 Mannlicher Carbine,7x44mm Weibelなどが相当する.
 しかし採用されることなく,その後,開発が止まっていたものが,1942年の7.92x33「Kurz」の登場で注目され,1943年に開発が再開され,M1943の制式名となったわけ.

 ちなみにシモノフも,1946年の軍による試験にAvtomat,つまり全自動射撃できるライフルとして参加している.
 この軍公試に参加した際のシモノフのライフルは,写真で見る限り,カラシニコフのAK-46とほとんど同じか,やや長い弾倉を装備しており,単に全自動可能にしただけではなく,装弾数もシモノフAVS-36の15発よりだいぶ多そうだ.
 銃床もAVS-36の曲銃床と異なり,直銃床+ピストルグリップとなっている.

 で,試験をパスしたAK-46に手を加えたものが,AK-47として採用されることになる.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次大戦時のソ連軍の迫撃砲の種類を教えてください.

 【回答】
37mm軽迫撃砲(スコップ兼用)

50mm軽迫撃砲
RM-38
RM-39
RM-40
RM-41

82mm迫撃砲
PM-36
PM-37
PM-41
PM-43

120mm迫撃砲
PM-38
PM-43

160mm迫撃砲
MT-43

 【参考ページ】
http://www.wfyi.org/fireandice/history/weaponry_soviet_ar.htm
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_infantry_mortars
http://www.mortarsinminiature.com/SovietM1938.htm
http://forum.axishistory.com/viewtopic.php?t=16166(写真も)

50mm迫撃砲RM-41

120mm迫撃砲PM-38 & PM-43

スコップ兼用37mm迫撃砲

(画像掲示板より引用)

【ぐんじさんぎょう】,2009/5/1 21:00
に加筆


 【質問】
 第2次大戦中のソ連軍の手榴弾の種類は?

 【回答】
 F-1 手榴弾
 M1914/30 Dual-Purpose (汎用?)柄付き手榴弾(源文本ではRG-14/30)
 M1917 柄付き化学手榴弾
 RG-1941 手榴弾(源文本のいうRG-41のことか?)
 RGD-1 発煙手榴弾
 RGD-33 Dual-Purpose 柄付き手榴弾
 RTD-42 手榴弾
 RPG-40 対戦車手榴弾
 RPG-43 対戦車(HEAT)手榴弾
 「S」 発煙手榴弾

 【参考ページ】
http://www.lonesentry.com/articles/sovgrenades/index.html
http://www.armchairgeneral.com/forums/showthread.php?t=59443
『武器と爆薬』(小林源文著,大日本絵画,2007.5),p.91

【ぐんじさんぎょう】,2009/3/22 21:00
に加筆

RPG-43
こちらより引用)

(画像掲示板より引用)

ロシア海軍歩兵設立300周年記念本『大祖国戦争の海軍歩兵』より
燃えている海軍歩兵が持っているのが,おそらくRPG-43
CRS@空挺軍 in mixi,2008年03月30日18:22


 【質問】
 バラライカって何?

 【回答】
 「バラライカ」ことPPSh-41(ППШ-41)は,WW2ソ連軍の代表的な短機関銃で,これにドイツからつけられたあだ名が「バラライカ」.
 日本軍は「マンドリン」とあだ名した.
 1939年の第1次ソ・フィン戦争において,近接戦闘時の短機関銃の有効性を再認識したソ連軍が,PPD系短機関銃を量産向きに改良したものがこの銃.
 プレス加工の部品と溶接や割りピンによりネジ留めを減らしすなど,単純な構造としたため,信頼性が向上した.
 1940年12月に制式採用され,終戦までに500万丁以上生産,戦後もしばらくの間,旧東側諸国の主力短機関銃として使用された.

 【参考ページ】
http://military.sakura.ne.jp/army/rifle/ur_ppsh41.htm
http://mgdb.himitsukichi.com/pukiwiki/?%C3%BB%B5%A1%B4%D8%BD%C6%2FUSSR%20PPSh41
http://en.wikipedia.org/wiki/PPSh-41
http://ru.wikipedia.org/wiki/Пистолет-пулемёт Шпагина

【ぐんじさんぎょう】,2011/09/04 20:00
を加筆改修

ППШ-41
種類 軍用短機関銃
製造国 ソビエト連邦
設計・製造 設計:ゲオールギイ・セミョーノヴィッチ・シュパーギン
仕様
口径 7.62mm
銃身長 269mm
ライフリング 4条右転
使用弾薬 7.62×25mm トカレフ弾
装弾数 71発(ドラム形弾倉)
35発(箱形弾倉)
作動方式 ストレートブローバック・オープンボルト
全長 840mm
重量 3500g
発射速度 900~1000発/分
銃口初速 488m/秒

占い板,2009/10/29(木)

 なぜ占い板に??

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 ソ連軍将兵の軍靴はどんなものだったのですか?

 【回答】
 米のレンドリースで供与された靴は,大半がくるぶしまでのアンクルブーツで,ぬかるみが殆どのロシアの風土に適さないため,車輛運転兵の様な歩く機会の少ない将兵や,後方部隊等の二線級部隊に主に支給され,これらの部隊からの転属兵がゲートルと併用するパターンを除けば,前線での将兵の写真を見ると大半が制式(国産)のロングブーツを履いている.
 このロングブーツ,上半分の「胴」の部分は防水加工された綿で出来ており,通気性と生産性を両立させた優れ物で,その後ソ連崩壊後94年に編み上げ式のブーツに更新されるまで,一貫してソ連・ロシア兵に支給され続けている.

 ソ連の場合,靴もさることながら,それ以外のフットウェアも充実している.
 まず靴の内側だが,一般的な靴下の代わりに,ロシア語でポルチャンキと呼ばれる一種の巻き脚半.
 夏場は綿や麻,冬場はフェルトやウールの端切れさえあれば間に合うし,靴下の様に指先や踵が破れればずらして巻けば良いし,巻き脚半なので通気性も良く蒸れない.
 冬場はさらに上から新聞紙や藁を巻けば,
(某U田氏辺りの唱える¨ブーツの胴の隙間に突っ込む¨なる俗説は誤解に基づくと思われる)
更に防寒効果は高まる.

 次に外側だが,有名な防寒用のオーバーシューズ(¨ワーレンキ¨)の他に,湿地踏破用のカンジキや藁製のオーバーシューズ(ロシア語名は失念)がある.
 これらは何れも同種の目的で作られた特殊靴と違い,もともとある長靴(ロシア語で¨サパギー¨)に被せる形式なので,構造も簡単で生産性も高く,特に後者は前線で材料調達しその場で作れる.

 対するドイツ陸軍は普通の軍靴で,冬季に凍傷確定で酷いと足切断や足の指切断の憂き目に遭ったんで,生存者はヒトラーを滅茶苦茶恨んでる.
 死守命令は諦めが付いても,凍傷の恨みは忘れないようだね.

 皮肉だが,ソ連兵を貶す手合いの常套句¨農夫¨であるが故に,野外での生活やその為の工夫や知恵等の能力でも,ソ連兵はドイツ兵を上回っていたと言って良かろう.

軍事板,2009/06/14(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 WW2時のソ連軍軍服について詳しく書いた本を探しているんですが,なかなか見つかりません.
 軍服総合スレッドの方で聞こうか迷ったんですが,何かご存知であればご教授を.

 【回答】
 普通にospreyな場合からいろいろ
http://www.amazon.co.jp/dp/0850459397/
http://www.amazon.com/dp/1846031273/
http://www.amazon.com/dp/1861263708/
http://www.amazon.com/dp/186126822X/
http://www.amazon.com/dp/1861265115/
http://www.amazon.com/dp/0764304623/
http://www.amazon.co.jp/dp/0850451132/
http://www.amazon.co.jp/dp/1841766682/

 そしてなぜか
http://www.amazon.com/dp/1846032911/
http://www.amazon.com/dp/1846031168/

 ただしこれらは,前提知識の「つかみ」としての1番目(それでも45年のNKVDのイラスト等若干怪しげな部分はあるが)を除き,後は掲載された当時の写真が,「着用例」の参考ととして使えるのを除けば,いずれも「軍装」の資料としては余り役に立たない.
 その程度の資料性で良ければ,入手の容易さも考えるなら,グランドパワー別冊の写真集の方が下手すりゃ写真枚数が多いだけよっぽど役立つ.
 とりわけ3〜5冊目は,ハンガリーの軍装マニアによる着用再現が多いが,それ以外のアイテム写真の解説も含め誤解が多い.

 宣伝っぽくてアレだが,今日〜明日にかけて浜松町の都立産業貿易センターで,ミリタリー物販イベントの「ブラックホール」やってて,各種軍装販売ブースのほか,西山洋書や軍事選書堂も出展してるから,そこでマニアでも捕まえて聞いてみたら?
 ちなみに漏れは41年OKH発行の¨Pionierdienst aller waffen:全兵科(共通)工兵作業"を,8500円でget.
 いや〜,ほぼ全文フラクツールだから,読みにくいの何の(笑)

軍事板,2010/01/09(土)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 第二次大戦中のソ連軍の防弾ベスト,SN-42 body armorについて教えられたし.

 【回答】

――――――
RUSSIAN WWII BODY ARMOR - A FASCINATING FIND

The plates were 2mm thick and weighs 3.5 kgs each. The SN-42 body armor was supplied to SHISBr (assault engineers) and Tankodesantnikam (infantry that rode on tanks) on some tank brigades.
――――――

 まぁ,気休めの防弾性能だな・・・
 砲弾の破片防護を重視した設計みたいだから,その後の6bシリーズにもその設計思想が受け継がれてるのは面白い点だろう.
 右腕を動かしやすいようにしているのがポイント,
 これは面白い.

 昔読んだドイツのティガー乗りのカリウス氏の回顧録に,防弾ベストを着たソ連兵の話があったが,たぶんこの防弾ベストのことを言っていたのだろうか.
 上記にあるようにバリエーションがあるので,一概には言えないけど

全体図

A German WWII corporal wearing the SN-42 body armor, possibly captured from the Soviets. It is said to have saved his life during combat

Finnish soldier wearing a captured early version of the body armor, from Soviet-Finnish Winter Wars (Nov. 30th 1939 - March 12th 1940)

CRS@空挺軍 in mixi,2008年07月31日11:52


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