c

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ

◆◆◆治安執行兵力
<◆◆治安問題
<◆アフ【ガ】ーニスタン
南アジアFAQ目次

Gul Agha Sherzai


 【link】

「Al Jazeera」◆(2011/05/17)NATO helicopters 'hit Pakistan border post'

「an Arms Watcher」◆(2010/06/21)ATS社,4100万ドルの契約 獲得 アフガニスタン治安部隊に,銃弾供給

「an Arms Watcher」◆(2010/07/27)ロシア、アフガニスタン向けヘリについてNATO各国と協議

D.B.E. 三二型」(2011/06/23)◆【今日も元気に】ブリテン軍,今世紀7度目の銃剣突撃が確認される【Charge!!!!!】

「Defense News」◆(2012/05/15)Pakistan may reopen NATO supply lines: minister

「Defense News」◆(2012/06/12)U.S. Pulls Supply Route Negotiators Out of Pakistan

「Defense News」◆(2012/06/12)Workload Grows for Logistics Crews in Afghanistan

「Defense News」◆(2012/06/19)RAF Converting 2 Jetliners To Aid Afghan Withdrawal

「Defense News」◆(2012/06/28)U.S. Pays High Price for Pakistan Route Cut-Off: Admiral

「Defense News」◆(2012/06/21)U.S. C-27Js Head Home From Afghanistan

「Defense News」◆(2012/06/26)U.S. Marines Transfer Excess Supplies to Afghans

「Defense News」◆(2012/06/27)New Communications Gear To Equip Brigade Combat Teams in Afghanistan

「Defense News」◆(2012/07/03)U.S. Apology Leads Pakistan to Reopen Important NATO Supply Route

「Defense News」◆(2012/08/13)Seal Afghan Border to Fight Haqqanis, Pakistan Tells U.S.
「VOR」◆(2012/08/04)アフガン・パキスタン国境で大規模な軍事紛争の可能性
>アフガニスタンでは3日朝,治安部隊が東部クナル州でタリバンメンバーと共に同州の5つの地区に侵入してきたパキスタン国境防衛警察戦闘員らと激戦を展開し,一般市民の間にも犠牲者が発生.
>パジヴァク通信が3日に伝えた所では,パキスタンの部族警察の武装部隊はアフガニスタン東部のナンガルハール州の複数の地区を占領しつつあり,警察のデータによると戦闘員らは4つの地区に入り込んで検問所を設置し,地雷を敷設.
>公務員らはオフィスを離れており,電話連絡がつかない状態となっている.
>観測筋は,ナンガルハール州での出来事はアフガン・パキスタン間で大規模な国境紛争が始まる前触れではないか,と危惧している.

「FT」◆(2010-02-13)Coalition forces launch Taliban offensive

「Global Security」:Afghanistanan's National Security Forces

「Global Security」◆(2010/03/10)Gates: US Forces in Afghanistan & Security Handover VOA

「Global Security」◆(2010/03/10)Gates Visits Afghan Army Training Center AFPS

「Guardian」:Military backs Gordon Brown's plan to send more troops to Afghanistan

「Guardian」:Nato base hit as Taliban strike Kabul

「IISS」◆29 June 2010 - - Independent - German Defence Minister questions role of Nato in Afghanistan war

「IISS」◆29 June 2010 - - Agence France Presse - German minister warns against Afghan 'end-date'

「LA Times」◆(2012/03/07)Six British troops die in massive blast in southern Afghanistan

「NHK」◆(2012/06/19)米軍の補給路再開巡り溝深まる

「NY Post」◆(2011/06/27)Girl, 8, dies carrying bomb for insurgents

「NY Times」◆(2011/08/01)Pakistan Says U.S. Missiles Kill 3 Near Border

「NY Times」◆(2011/11/17)At War Blog: Female Cadets Signal Slow Change in Afghan Police Force

「Newsweek」◆(2010/05/20)米政府が育てた銃も撃てないど素人警察

「Russia Now」◆(2011/03/07)NATO's War Crimes in Afghanistan: 9 Children Targeted and Killed

「Russia Now」◆(2011/05/29)NATO air strike kills 16 civilians in south Afghanistan

「Russia Now」◆(2011/09/15)NATO blames Pakistan-based Taliban for Kabul siege

「Russia Now」◆(2011/10/16)Two NATO soldiers killed in south Afghanistan

「SBCT関係論文翻訳」◆(2011/06/30)アフガン派遣部隊の発表

「THE LEATHERNECK FAN」:アフガニスタン ヘルマンド省ガルムシール地区(2009/8/19)

「Telegraph」◆(2011/04/26)Second most wanted insurgent in Afghanistan 'killed by air strike'

「Telegraph」◆(2011/07/04)Afghanistan: missing soldier could hand Taliban a 'propaganda victory'

「Telegraph」◆(2011/11/19)Back in the UK: Paras tell how they fought Taliban in Afghanistan
アフガンより帰還したパラシュート連隊第2大隊(2 PARA)の記事

「Togetter」◆(2011/04/10)【速報】イギリス海兵隊,今世紀4度目の銃剣突撃とその反応

「Togetter」◆(2011/06/26)ブリテン軍今世紀8度目の銃剣突撃が確認される

「Togetter」◆(2011/07/31)【ティータイムの前に】イギリス軍,今世紀9度目の銃剣突撃を行う【Charge!!!!!!!!!】

「Togetter」◆(2011/11/19)【ブリティッシュ】イギリス軍による今世紀15回目の銃剣突撃が確認される.【インヴェイジョン】

「Togetter」◆(2011/08/27)【銃剣突撃は】イギリス軍,今世紀10度目の銃剣突撃を行う【紳士の義務】

「USA TODAY」◆(2011/06/14)Stress blamed for attacks by Afghan forces on NATO troops

「VOR」◆(2012/01/20)パキスタン アフガン輸送ルート 再開へ

「VOR」◆(2012/01/28)フランス軍部隊 アフガンから2013年末までに撤退

「VOR」◆(2012/02/09)露,アフガンからのISAF撤退に自国領内通過を認める

「VOR」◆(2012/02/10)アフガニスタン NATO空爆で児童8人が死亡

「VOR」◆(2012/02/10)米兵 アフガンでSSの旗を背景に写真撮影

「VOR」◆(2012/02/15)NATO アフガン空爆で子供が犠牲になったと認めた

「VOR」◆(2012/02/24)ドイツ連邦軍部隊 アフガン北部の基地から撤退

「VOR」◆(2012/02/26)アフガン大統領 国民に平静を呼びかける

「VOR」◆(2012/02/27)アフガニスタン情勢 コーラン焼却事件後に悪化

「VOR」◆(2012/02/28)英国 アフガンから部隊撤退準備開始

「VOR」◆(2012/02/28)アフガニスタンで 米兵を中毒させる試み

「VOR」◆(2012/03/02)国連 コーランを焼いた米軍人の処罰を要求

「VOR」◆(2012/03/08)アフガン空軍指導部,軍用機で麻薬を輸送か?

「VOR」◆(2012/03/15)アフガン人虐殺の米兵 国外へ

「VOR」◆(2012/03/17)アフガン民間人射殺,米兵の身柄はカンザス州へ

「VOR」◆(2012/03/17)米大統領とアフガン大統領 治安維持権限の移譲計画を再確認

「VOR」◆(2012/03/19)アフガン 取調室での拷問継続する

「VOR」◆(2012/03/19)露外相:米国はアフガンから撤退するのか?

「VOR」◆(2012/03/20)アフガンで銃乱射・一般人殺害の米軍人 犯行時の記憶なし

「VOR」◆(2012/03/27)米国 過半数がアフガン戦争継続に反対

「VOR」◆(2012/04/07)アフガン北部でNATOヘリ墜落

「VOR」◆(2012/04/24)米国 アフガン撤退計画はなし

「VOR」◆(2012/05/08)アフガニスタン大統領 民間人の犠牲について懸念

「VOR」◆(2012/05/09)NATO アフガンでの誤爆認める 6人死亡

「VOR」◆(2012/05/27)NATO無人機 アフガンを攻撃 8名死亡

「VOR」◆(2012/05/27)アフガニスタン国際軍部隊 犠牲者は3千人に

「VOR」◆(2012/06/09)アフガンでフランス兵4人死亡

「VOR」◆(2012/06/10)アフガンで仏兵士4人死亡 オランド大統領 部隊の撤退年内に

「VOR」◆(2012/06/10)NATOが保障 アフガンの居住区上空では空爆なし

「VOR」◆(2012/06/15)露米のヘリコプター契約に再び脅威が迫る?
 アフガニスタン軍事協力プログラム関連

「VOR」◆(2012/06/16)米国防総省 アフガンから撤退後 武器・兵器は中央アジア諸国へ

「VOR」◆(2012/06/22)米国 NATOの誤爆でパキスタンへの謝罪しない

「VOR」◆(2012/07/01)米無人機の攻撃 パキスタンで8名が死亡

「VOR」◆(2012/07/07)米無人機の攻撃 17名のパキスタン人が犠牲に

「VOR」◆(2012/07/20)米国下院が国防総省にロシア国防輸出社との協力を禁ず

「VOR」◆(2012/07/21)露米がアフガン向けヘリコプター売買契約にサイン

「VOR」◆(2012/07/24)NATO軍機 アフガニスタンから麻薬を持ち出す

「VOR」◆(2012/08/10)米空母「アイゼンハワー」 アフガンNATO軍支援のためペルシャ湾から移動

「VOR」◆(2012_09_02)米国 アフガン軍新兵養成プログラム一時中止

「VOR」◆(2012/09/08)英ハリー王子 アフガンの戦地へ派遣

「VOR」◆(2012/09/23)中国 米国に代わってアフガン警察訓練へ

「VOR」◆(2012/09/25)米国の無人機 パキスタンで民間人を殺害

「VOR」◆(2012/10/01)アフガン紛争開始以来,米軍兵士の死者が2,000人に達する.

「WP」:Dearth of Capable Afghan Forces Complicates U.S. Mission in South

「WP」:Mullen: More Troops 'Probably' Needed

「WP」◆(2010/05/30)Training of Afghan military, police has improved, NATO report says

「WP」◆(2010/07/11)Six U.S. troops killed in blasts, under gunfire in Afghanistan

「WP」◆(2011/03/05)Bomb kills NATO service member in Afghanistan

「WP」◆(2011/05/23)Afghan troops retake building after deadly, commando-style raid by Taliban insurgents

「WP」◆(2011/05/29)Afghan officials say a NATO airstrike has killed 14 people, wounded 6 in southwest province

「WP」◆(2011/06/19)NATO says 4 of its service members have died in a vehicle accident in southern Afghanistan

「WP」◆(2011/06/27)Pakistani intelligence officials: Suspected US drone-fired missiles kill 8 alleged militants

「WP」◆(2011/08/08)NATO says one of its helicopter’s makes hard landing in eastern Afghanistan

「WSJ」◆(2010/07/07)【ワシントン雑記帳】ローリング・ストーン誌の衝撃,オバマ大統領が異例の司令官解任

「朝目新聞」火の粉を散らす米軍ヘリコプターの不思議な現象…アフガニスタン  (of らばQ)

「おもしろメディアBOX」◆(2011/04/30)【軍事】衝撃の結末! 最前線でタリバンと交戦する治安維持部隊の映像

「海洋戦略研究」:米アフガン増派検討

「海洋戦略研究」:米軍アフガンにM−ATV投入

「海洋戦略研究」:オバマ政権無人機空爆拡大承認

「国際情報センター」:NATO国防相会議の結果について

「国際情報センター」:NATOのアフガン戦略

「国際情報センター」:パキスタン軍の南ワジリスタン攻撃

「小林恭子の英国メディア・ウオッチ」:アフガン戦争への英軍派遣に反対は増えているか?

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/02/26)アフガニスタン  コーラン焼却事件の混乱拡大 反米感情と相互不信

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/03/19)アフガニスタン  米兵住民殺害事件による情勢流動化 女性教育とマイクロファイナンス

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/03/29)アフガニスタン  米兵銃乱射事件で高まる相互不信 相次ぐ外国兵士殺害

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/04/23)アフガニスタン  戦場の兵士にモラルを要求する社会の「偽善」

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/08/08)パキスタン北西部のイスラム武装勢力をめぐるパキスタン・アフガニスタン・アメリカの関係

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/09/07)アフガニスタン  拡大するアフガニスタン国軍・警察と外国兵士の不信感 権限移譲にも影響

「週刊オブイェクト」:NATO,アフガンで白燐弾を使用,初の民間人負傷者

「週刊オブイェクト」:アフガンで武装勢力が白燐弾を使用,中国製63式107mmWPロケット弾か

「週刊オブイェクト」:アフガン白燐弾で逆神の誤神託

「週刊オブイェクト」:アフガン民衆は米軍増派を支持し,タリバーン批判が広がる-米英独世論調査

「週刊オブイェクト」◆米無人攻撃機,タリバーン総司令官を連続で殺害

「地政学を英国で学ぶ」:大佐の体験:その2
>「●現在のイラクでもアフガニスタンでも実はまったくこれと同じことが起こっていて,
>部下は上司に受けたい命令が下されるように,色々と工作をしているのだ」

「地政学を英国で学ぶ」:なぜアフガニスタンから兵を減らしてはダメなのか

「地政学を英国で学ぶ」:ブートのアフガニスタン増派論

「地政学を英国で学ぶ」◆(2010-01-29)カザフスタン,NATOに通行許可

「地政学を英国で学ぶ」◆(2010/05/12)アフガニスタンの「戦術レベル」の話

「ノーボスチ」◆(2012/01/13)アフガン情勢,行き詰る 米特殊部隊

「暇は無味無臭の劇薬」◆(2012/06/15)「アフガニスタン土産のチェスセットがヤバい」海外の反応

「ワレYouTube発見セリ」:Dutch Marines with Afghan Army soldiers

『アフガン たった一人の生還』(マーカス・ラトレル&パトリック・ロビンソン著,亜紀書房,2009.9)

 大変読み応えがあって良かったです.
 読んでいて圧倒された.
 シール候補生選抜試験の超過酷さや,アフガンでどんな事になったのか良く伝わってきました.

 残念な事は,誤植か誤訳か分かりませんが,妙な文書がところどころにあった事.
 単位がヤードポンド法,温度が華氏だったので読みにくい面もありました.
 訳者さん,メートルグラム法と摂氏に換算のサービスしてくれよ.

 21ページ.
「・・・アクセルソン2等兵.カリフォルニア出身のまだ30歳にもならない下士官だが,・・・」
 アクセルソンさんは2等兵なの? 下士官なの?

 28ページ.
「シェーンの父親もまたシールで,めったに口にこそ出さないが,シェーンの秘めたる野望は,父ジェームス・J・パットンのようになることなのだ.
 シェーンは父親がかつて所属していた,空軍落下傘部隊隊員になりたがっていた」
 シェーンの父ジェームス氏はシールなの?
 空軍落下傘隊員なの?
 それに空軍落下傘部隊って何だ?
 空軍の降下救難隊か戦闘管制官のことか?
 それとも空挺部隊を,空軍落下傘部隊と誤訳してしまったのか?

――――――軍事板,2010/06/03(木)

 【質問】
 逆神のところにて;

日本軍事情報センター|メールにお返事
http://www.kamiura.com/remail/index.html
----
2009年10月2日
アフガンに自衛隊の派遣を考えてみては.
 届いたメール

前略,TV・ラジオ等メディアでの神浦さんの意見を拝聴している者の一人です.

昨今アフガンへの人的貢献等がマスコミを騒がせていますが,神浦さんは陸自の同地への派遣についてどうお考えでしょうか?

私の非常に偏った私見ですが,たとえ犠牲者(戦死者)が出ても,一度派遣するのも,長い目で見ると貴重な経験になると思うのですが,いかがでしょうか?

但し,お亡くなりになる隊員やご家族にとっては大変御気の毒とは思いますが....

組織結成以来誰一人実戦を経験したことが無い陸上自衛隊.その経験はいかなる演習にも勝るものだと思います.つらい体験をするとは思いますが,将来の国防を考える上大きな教訓になるのでは?
----

 さすがに逆神もたしなめていたところですが,本気で殺意を覚えた次第.
 皆さんは如何お考えでしょうか.

2009年10月06日 01:35,へぼ担当

 【回答】
>組織結成以来誰一人実戦を経験したことが無い陸上自衛隊

 ヒャッハー,少なくとも兵站部門は,常在戦場ですがなにか?
 災害派遣時なんぞ,まさに実戦同様の状態になるでしょうしねぇ.
 施設科もそうですな.
 「ドンパチやるだけが実戦」とか考えている人間は何なんですかね.

>長い目で見ると貴重な経験になると思うのですが

 長い目ってのは,何十年くらいなんですかね.
 『60年以上も有効』という話ならば,多数の経験を日本人は持っているから,これ以上は特に必要としない,とも言えますな.

 まあ,流石の逆神もまともなことを言っているのが救いですね.
 もっとも,こんなメールを紹介する神経には,疑問を抱かないわけではありませんが.

2009年10月06日 01:48,ゆきかぜまる

 錬度は別に,血を流さない訓練でも上がりますしね.

 この手の言い分の良くわからないのは,【実践で無いと得られないもの】が何かはっきり表現せず(考え無しに)に言い放っているのが問題かと.
 って言うか,そういう発言をそういう検討無しに発言して平気な,その思考方法が安直と言うか,考え無しというか.端的に言えば,馬鹿というか.

 聞いてみたいですよね.その【長い目で見ると貴重な経験】の意味を.
 まぁ,多分.印象論だけで具体的な言葉で説明できないでしょうけど.

2009年10月06日 01:54,seld

> 常在戦場
 数ヶ月続いた,こちらでの震災災害派遣はいったい何だったのかと小一時間.
 また,陸自のイラク派遣や空自のクウェート派遣,現在の海自派遣は何だったのかと,じっくり聞いてみたいですね.

> こんなメールを紹介する神経

 逆神のため,このようなことはあり得ない,と言う方向に行くことを切に期待.
 逆神でなかったら,自分自身の考え方を代弁させたかと,集中砲火を浴びせるところですが.

>【長い目で見ると貴重な経験】の意味

「格好がよいから言ってみた,考えてもいないし,今も反省していない」
に一票.

2009年10月06日 02:32,へぼ担当

「戦後血を流してない軍隊なんてててててててて」
 いや,世間には他にもいっぱいあるし.
 むしろ冷戦期以来,これだけ複雑怪奇でデンジャラスなホットゾーンのど真ん中に身を置きながら,一人の戦傷者すら出してこなかった中規模軍があるってこと自体が,奇跡なんだが.

2009年10月06日 07:48,ゆずこせう

 ドイツ連邦陸軍もアフガンまで実戦経験はありませんけど.
 ついでに言うと陸自は,イラクやルワンダ,ゴランに派遣されてますし,海自のインド洋派遣,空自のイラク派遣は無視なさるんでしょうか?
 つーかバカ酷使は,ミンス党のオジャワ幹事長がお好きなようで(笑)

2009年10月06日 11:18,バルセロニスタの一人

 湾岸戦争後のイラクに国連査察団用のヘリを提供してるし,ユーゴ内戦でのIFOR,KFORは実質戦闘任務だったわけで,なにげに実戦任務は豊富なんだよな,ドイツ軍は.

2009年10月06日 11:40,ゆずこせう

 たしかKFORでは,気のふれたとしか思えんセルビア兵の銃乱射に,めちゃくちゃ発砲しまくってましたな>ドイツ連邦陸軍

 TVの映像にあったけど,ありゃ衝撃的だった.

2009年10月06日 12:07,バルセロニスタの一人

 「まにぃろーど」(でしたっけ?)思い出しました.

 初心者向けの自衛隊装備批判系の書籍とかだと,高確率で自衛隊に実戦経験が無いのを挙げて,装備批判の根拠にしたりしてますね.

2009年10月06日 14:38,遠吠えするいぬ

 でも,一般的にはこういう人がミリオタの典型みたいに見られていたりするんですよね(´・ω・)

2009年10月06日 11:41,遠吠えするいぬ

 酷使=ミリオタって半可通なイメージを最大限利用しようとしたがるのが,左巻きと酷使だから.
 同床異夢で,言っていることはおんなじ.

2009年10月06日 12:17,ゆずこせう

 軍オタタは逆に戦争を嫌うような・・・

 だって戦争は兵器が壊れry

2009年10月06日 13:37,島の人

 個人的は,愚弟の海外派遣時に日頃寡黙な父親(元陸自)が
「幹部としての心得:責任持って部下の面倒を最後まで見て,無事ご家族の元に帰すこと」
を厳しく徹底的に説いていたことが忘れられません.
 これは40年近く連れ添った母親も見たことがない姿だったようで,大変驚いていたのと同時に,士官と下士官の心得の違い,すなわち士官としての心得の重大さを改めて感じ入ったところです.
 我が父親の存在など,社会的には小さなものですが,自衛官経験者としての言動については,十分留意すべきものがあると考えています.

2009年10月06日 18:24,へぼ担当

 部下を思うお父様のお話,心に響きました.
 第一に現場に赴く自衛官の事に思い至らせたいものです.

2009年10月06日 21:02,遠吠えするいぬ

 陸自の初期は太平洋戦争経験者が溢れ返っていました.
 古すぎる?

2009年10月07日 02:15,golden_moon

 自衛隊に限らず,社会全体にそういう要素が求められるんじゃないかと思いました.
 穢れの思想でもって「汚物は消毒だ〜」とやるのは,結局のところ形を変えたファッショに過ぎないわけで.
……なんてことを,「国家と軍隊を否定すれば戦争がなくなる」と信じ込んでいる,某お花畑 blog を見て考えた次第.

2009年10月07日 09:47,井上@Kojii.net

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より
青文字:加筆改修部分


◆◆◆NATO軍


 【質問】
 アフガン駐留外国軍の内訳は?

 【回答】
 アフガンでは,36000名以上の部隊が,主に中央政府のプレゼンスが乏しい地域で国軍支援のために展開しています.
 そのほとんどは,27000名規模である米軍主導の有志連合(豪,英,カナダ,オランダが主)で,南部と東部でおもに展開しています.特にパキスタン国境地域で最も活動しています.

 NATO主導の39ケ国からなる国際治安支援部隊は,現在,北部と西部,そして首都カブールで展開していますが,南部・東部へも展開地域を拡大する予定です.
 現在,約9000名規模の部隊ですが,7月末までに英・カナダ・オランダ・米軍の一部を吸収して18000名規模となり,南部地域で連合作戦を引き継ぐ予定で,
 今年後半には東部でも展開・部隊指揮を行ない,全国で約25000名規模になるとのことです.

 以下は現在アフガンで展開中の海外部隊の概要です.
 小規模な派遣国,特殊部隊の数は省いています.

 米主導の有志連合
米:22000(うち3500名は今週中に撤収)
英:3500(7月末まで)
カナダ:2300

 NATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)
独:2200
イタリア:1200
オランダ:800(今週中に1400名に)
仏:700
英:700
スペイン:600

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)5月22日

 なお,先週,昨年11月以来アフガンから離れていたフランス航空部隊(空母航空団)は,「不朽の自由作戦」に復帰しました.展開地の詳細は不明ですが,「近接航空支援」「戦術偵察」「空中給油」任務に当たっています.
 復帰してからは,6回の空爆に出動し,成功しているそうです.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)5月15日

 アフガンでの経緯を見ていると,欧州諸国の実に狡猾な外交・軍事の伝統性を感じます.生臭さここに極まれりといった感じですね.
 我が国もこういう中で生きていかなければいけませんが,情報活動が不十分な現状のまま,下手に手を突っ込んでも大やけどするだけの話でしょう.
 権威ある情報機関の創設は火急の課題と思います.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)5月22日

 【関連動画】
「ワレTu」:Australian Soldiers w/the RTF Fight Taliban Fighters

ISAFに参加中のルクセンブルク軍兵士

◆◆外部リンク更新(更新情報を紹介します.掲示板等にご一報ください)

「軍事板常見問題 mixi別館」(Picture Prepositioning Ship : PPS)No.7
http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=55896890&comm_id=342133
に画像追加.

「Togetter」
◆(2011/04/02)元原子炉解析担当者 孤艇 剛(@minazoko)さんの4月1日-2日のつぶやき
http://togetter.com/li/118854
◆(2011/04/02)三重大学准教授・勝川俊雄さんによる「放射性物質の魚による生体濃縮」
http://togetter.com/li/118969
◆(2011/04/03)続)報道されない「トモダチ作戦」・自衛隊活動内容報告・4月2日分
http://togetter.com/li/119405
◆(2011/04/03)「原発問題」の衝撃とエネルギー政策(犬吠崎問題について)
http://togetter.com/li/119353
◆(2011/04/03)「原発がどんなものか知ってほしい」を読み解く
>ある筋では怪文書として有名なのだそうです.
>この文書を科学的に読み解いている過程が,TL上に流れてきましたのでまとめました.
http://togetter.com/li/119319

「神保町系オタオタ日記」
■(2011-03-31)東京国際倶楽部に結集したアジア人
http://d.hatena.ne.jp/jyunku/20110331/p1
■(2011-03-28)売文社社員で満洲映画協会常務理事の茂木久平の経歴
http://d.hatena.ne.jp/jyunku/20110328/p1
■(2008-10-26)手塚治虫『新寶島』四十万部発行伝説の謎
http://d.hatena.ne.jp/jyunku/20081026/p1
■(2008-10-09)[トンデモ] 「銀シャツ党」首領ペリーと古賀政男の弟古賀治朗
http://d.hatena.ne.jp/jyunku/20081009/p1
■(2008-10-04)思想戦士ガンダム
>大日本同志会については,岩村正史『戦前日本人の対ドイツ意識』に詳しい
http://d.hatena.ne.jp/jyunku/20081004/p1



 【質問】
 NATO軍はなぜ,アフ【ガ】ーニスタンに派遣する兵力をなかなか増やさなかったのか?

 【回答】
 いつ撤退できるのかの懸念の大きさと,後方支援の大変さのためだという.
 以下引用.

 NATOが展開を決めた地域,即ちアフガンの北半分は,米軍を中心とする連合軍が展開する南半分と比較すれば,治安はどちらかと言えば安定している.しかも,それほど大きな部隊でもない.
 にも関わらず,NATOのスケッフェル事務総長は加盟各国に部隊供出を説得するのに大変苦労している.
 それぞれに事情があるのだが,各国とも,いったんアフガンに踏み込んだら,何時撤退できるのかとの懸念が大きいのと,100〜200の兵力とはいっても,それを支える後方支援の大変さもあるようである.

 2004年5月,私がNATOの北大西洋評議会(NATOの意思決定機関)に招かれてベルギーに出張し,NATO本部を訪問した際,スケッフェル事務総長は,当初予定にはなかったが,私を一室に招き入れて,日本としてどこか一つPRTを引きうけてくれないかと,実に単刀直入に切り出した.
 詳しくはPRTの章に譲るが,これもいかにNATOが兵力の確保に苦労しているかを示すものであろう.

駒野欽一著「私のアフガニスタン 駐アフガン日本大使の復興支援奮闘記」
(明石書店,2005/8/18),p.48-49


 【質問】
 NATO軍による展開地域拡大の範囲と規模は?

 【回答】
 展開するのはアフ【ガ】ーニスタン南部・東部.
 兵力は25000名で,36カ国から派遣されるという.

 以下引用.

●NATO軍,アフガン南部,東部へ展開範囲を拡大(3/6 米国防省)

要点は以下のとおりです.
・在欧米軍司令官ジョーンズ海兵隊大将(NATO軍最高指揮官)は6日,麻薬根絶に向けたアフガンの取り組みを支援するため,NATO軍がアフガン南部・東部へ展開範囲を拡大すると発表した.欧州で出回る麻薬の9割がアフガン産で,この収益が欧州でのテロ活動の資金源となっているためである.
・NATO軍の国際治安支援部隊(ISAF)は,36カ国から21000名の兵員で展開する
・部隊は,タリバーンとアルカイーダ勢力の殲滅を図る

●ジョーンズ海兵隊大将の記者会見より(3/7 米国防省)

 「NATO緊急展開軍」について

・今年10月1日までにすべての準備を完了する.
・パキスタン地震支援のため派遣されたのが始めての活動であった(期間は4ヶ月)
・陸軍,海軍,空軍,海兵隊,特殊部隊からなり,兵力は約25000名.一人の指揮官の隷下にこれだけの兵力がある部隊の編成はNATO史上始めて.
・任務編成で,任務により編成内容が異なる.任務は災害救援から人道支援,戦闘まで担当する.

詳しくはこちらで
http://defenselink.mil/transcripts/2006/tr20060306-12612.html

 →ジョーンズ大将は,「今年はNATOにとって極めて重要な年となる」とも述べています.

おきらく軍事研究会,2006/3/13

 なお,これまでは展開地域が各国ごとに固定されているなどの行動制限があったため,他国軍支援が困難だったが,遅れ馳せながら2006年12月から行動制限が撤廃された.

<NATO>アフガン現地指揮官の権限強化で合意

 【リガ福原直樹】北大西洋条約機構(NATO)は28日,ラトビアの首都リガで開いた首脳会議で,アフガニスタンに展開する部隊の現地指揮官の権限を強化し,部隊に機動力を持たせることで合意した.
 アフガン南部での旧支配勢力タリバンとの戦闘激化に対し,各国が協力して被害を軽減するのが狙い.
 最後まで反対していたドイツも合意した.

 アフガンではNATO主導の国際治安支援部隊(ISAF=37カ国)約3万人が展開しているが,各国が派遣前に展開地域や武器の使用方法などを決めるため緊急時に他国軍を支援できないなどの問題が出ていた.
 NATOは各国に行動制限の撤廃や緩和を求めていたが,ドイツを中心に各国議会の反発が強かった.
 だが,今回の首脳会議でメルケル独首相はアフガン北部に展開する独軍が緊急時にはISAF司令官の要請に基づき,他国軍を支援すると確約.フランス,イタリア,スペインも同調して部隊の行動制限の緩和を決めた.
 NATO高官は今回の決定を「2000人規模の増員に値する」と評価している.

毎日新聞,2006年11月29日10時44分

 ただし,NATO軍増派に伴い,その損害も増加している.

ルーマニア兵が死亡 アフガニスタン南部の戦闘で犠牲者増える

 【アルジャジーラ特約21日】アフガニスタン駐留多国籍軍スポークスマンが明らかにしたところによると,20日,同国南部カンダハル州のカンダハル空港近くで路上爆弾が爆発,ルーマニア派遣部隊の戦車を破壊して,同国兵士1人が死亡,4人が負傷した.

 兵士の1人は戦車内の兵士を助けようと駆け付け,爆発物を踏んで負傷した.

 ヘルマンド州の僻地,バグラン渓谷では,タリバンの部隊が米軍陣地を自動小銃や迫撃砲で攻撃して交戦となった.米軍側は航空支援を求め,米軍によると,空爆により「数人が死亡したとみられる」.しかし地元民は米軍の空爆で民間人4人が死亡したと主張している.

 多国籍軍は19日,同地区にあったタリバン部隊の拠点をヘリで攻撃,ヘルマンド州知事スポークスマンによると,5人が死亡,8人が負傷した.この攻撃に対して,タリバン部隊の約60人が山際に塹壕を掘って立てこもる米軍部隊に反攻を加え,中隊指揮官のジャレド・ウィルソン大尉によると,兵士たちに迫撃砲やロケット弾発射筒の砲火を浴びせたという.

 タリバンはアフガニスタン南部で攻勢を強めている.多国籍軍によると,同軍の作戦増大に対応するものだが,一部のアフガニスタン当局者は,政府に対する幻滅とタリバンに対する支援の増大の兆候があると主張している.

 NATO軍の南部制圧に先立ち,米,英,カナダ軍部隊は2001年以降,最大の攻撃作戦を実施,反政府分子を壊滅させるとともに補給線を切断しようとした.この「山間部突入作戦」では最近の数日間で100人以上の反政府分子を殺害したという.

 ジャラル・クマール州警察本部長によると,米軍はアフガニスタン警察官3人を誤って殺害した.3人は米軍部隊が女性2人を射殺したとして起きた抗議行動に対して,幹線道路を遮断していた.

 この事件は,クナール州東部綿プールで,米軍の輸送部隊に属する車両が路上爆弾で爆破された際,米軍兵士が民家に発砲,二人の女性を負傷させたもので,うち1人は米軍病院で死亡した.

 同本部長は「私は女性の葬儀に参列した.村民や犠牲者の親族たちは憤激し,道路を遮断した.私は警察官の増援を求めた.米軍部隊が反対方向からやって来て,警察官に発砲した」と語った.

 米軍はこの事件に対してコメントを避けている.

 今年に入って,アフガニスタンでは約1000人が暴力事件で死亡し,その中には外国軍部隊の将兵40人を含んでいる.その大半は米兵である.5月中だけでも約400人が死亡している.
(翻訳・ベリタ通信=日比野 孟)

アルジャジーラ,2006/6?/21

 モチベーション次第によっては,五月雨式に撤退,ということにもなりかねない.
 そうなれば,イスラーム過激原理主義勢力にとって思う壺だろう.


 【質問】
 ISAF航空部隊はどんな活動をしているか?

 【回答】
 例えば2006年11月の発表では同月23日,アフガニスタンでは米海軍のF/A-18ホーネットがアサダーバード近くでタリバーン過激派と接敵した国際治安支援部隊(ISAF)の近接航空支援を実施しています.
 敵陣地も攻撃しています.
 この近接航空支援は,Ghanzi周辺の近くで接敵したISAF部隊に対しても提供されています.

 フランス空軍のM2000Dミラージュ戦闘機は,Gereshkの近くで接敵したISAF部隊への近接航空支援を提供しました.

 米空軍のB-1BLancer爆撃機は,カールソン前線作戦基地近くで接敵したISAF部隊に対し近接航空支援を提供しました.

 米空軍のA-10Thunderboltは,ホーストの近くのタリバーン過激派に接敵したISAF部隊への近接航空支援を提供しました.

合計で,50の近接支援任務が復興支援・警戒監視に当たっているISAF,アフガニスタン国軍に対して行なわれました.
 また,空軍と英国空軍から合わせて9機が,情報収集・監視・偵察任務に当たるため出動しています.

<空輸>

 米空軍の輸送機C-130とC-17は,戦域内の重要な空輸を行ない,アフガニスタン,イラク,アフリカの角地域で展開中の作戦を支援しています.
 130回以上出動し,410トン以上の貨物,およそ2,210人の人員を空輸しています.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)11月27日

 ちなみに,CENTAF麾下の空軍部隊が何をやったかは,ほぼ毎日,AF Newsに載ります.
 たとえばこんな感じで.
http://www.af.mil/news/story.asp?storyID=123042338

 最近はおおむね,"日付AirPower:..."という件名で統一されてますね.

井上@Kojii.net in mixi支隊


 【質問】
 NATOは何故パキスタンと接近したのか?

 【回答】
 NATO自身の発表によれば,「パキスタンとの政治・軍事協力関係拡大は,単にアフガニスタンに焦点を置いた努力の一貫に過ぎ」ないとされています.
「NATOとパキスタンとの関係構築は,NATOの利益に基くもので,誰かを脅威とするためのものではない.NATOとパキスタンは足下にあるアフガニスタンという国を支援する利益を共有しているのは明瞭だ」
と述べています.

 パキスタンとNATOの関係の緊要点は実利的なものとしています.
「NATOは特にアフガン支援に関する技術的な議論の場,協力を必要としている.実利的な関係が,われわれがアフガンで共有する利益の主たるものである」
「もちろんパキスタンは,国際治安支援部隊(ISAF)の成功を望んでいる.われわれだけでなく彼らも同じ利益を共有している」

 NATOの副事務総長は,パキスタンのムシャラフ大統領,国防相・外相・情報トップと先々週会談しています.
会談では,治安環境とあわせパキスタンとNATOの関係構築の重要性も議論されたようです.

 アフガンでの海外兵力の主体が,米主導の有志連合からNATOが主導するISAFに移行することを受け,隣国パキスタンの協力は不可欠,と判断したもののようですが,パキスタンにすれば「しめしめ」といったところでしょう.
 これがきっかけでアフガンはふたたび各国の利権がぶつかり合う混乱の坩堝に落ち込むように感じます.
 悪い予感です.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)5月22日


 【質問】
 アフ【ガ】ーニスタンの国民は,外国軍には撤退してもらいたいと思っているのではないか?

 【回答】
 そうとも言えない.

「PJM」:When So-Called Experts Deceive Themselves
December 9, 2007 12:31 AM

という記事によれば,少なくとも,2007年に行われた調査では,カナダ軍兵士の即時撤退を望んでいるのは,アフガニスタン住民の15%だけ,という調査が出ている.

――――――
The poll probes the attitude of Afghans towards Canadian troops … Only 15% of Afghans wanted Canadian troops to leave immediately; the greater proportion of 80% wanted them to remain until the Taliban was crushed.
 アフガニスタンでカナダ軍の兵士に対する住民の世論を調べた結果では,驚くべきことに,たった15%のアフガニスタン住民しかカナダ軍兵士の即時撤退を望んでいない.
 80%の住民はカナダ軍兵士がタリバンの撃滅を果たすまで駐留することを望んでいる
(後略)
――――――

 これには,調査したTV局,カナダCBCもショックを受けているという.
 ちなみに同局
はリベラル傾向で有名.

――――――
What happens when experts are surprised in their own area of expertise?
The Toronto Sun suggests the Canadian Broadcasting Company was shocked at the way one of their polls turned out.
 専門家が,自分のしていた(専門的分野の)判断が大いに誤りであった時がついた場合どうするのだろうか?
 カナダのCBCは最近自分で行なった世論調査の結果にショックを受けている,とトロント・サンが書いている.
――――――

 勿論,カナダCBCはアフガニスタンの住民は自分と同じように考えていうと信じて調査を・・

ニュース極東板
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
 麻生首相はオバマ大統領とのヒソヒソ話の中で,アフガンへの自衛隊派遣も考えていると言った可能性が高いのでは?

小林アツシ

 【事実】
 妄想です.
 コメント欄で「推測だ」と言い訳しているようですが,根拠がどこにもなく,妄想以外の何物でもありません.
 もしそうした言い訳が通るのなら,例えば,この言葉を根拠にして,
「小林アツシは北朝鮮のスパイの可能性が高いのでは?と推測します」
という表現も,彼によればOKだということになります.
(小林には何の根拠らしきものもないが,こちらには薄いとはいえ根拠があるしね)

 彼はこれを容認するのでしょうかね?(笑)

 さて,以下はテロ特措法議論の折の,自民党の見解です.

――――――
 治安の悪化に比例して,治安対策を担う国際治安支援部隊(ISAF)は増員されています.
 こうしたアフガニスタンの厳しい治安状況下では,我が国の自衛隊は民主党の主張するようなアフガニスタン本土への派遣は,憲法の観点からも慎重な検討が必要です.

――――――「たむたむ」:補給支援特措法に関するQ&A(その7,8)

 こうした見解がその後,覆ったとは寡聞にして存じません.
 覆ったと主張したいのなら,根拠を示すべきでしょうな.

 また,仮に自衛隊を派遣するとなると,それはパキスタン経由で行われることになりますので,そのための根回しが必要となります.
 しかし2008/10/25のギラニ・パキスタン首相と麻生首相との会談で,そのような根回しが行われたとする根拠は,全く見出せません.
 麻生・オバマ会談では,エスパーのような(笑)推理力を見せた小林も,この会談に関しては何も語っていません.

 さらに,2009/3/12には,山崎拓・カルザイ会談が行われていますが,報道によれば,自衛隊のアフ【ガ】ーニスタン派遣は話題にも上らなかったそうです.
 ホスト国であるアフ【ガ】ーニスタンが承知しないまま,いきなり軍隊を派遣することなど,まかり間違えば国際紛争になりますので,まずありえません.
 話題にも上がらなかったということは,その可能性がゼロであることを示しています.

 google検索で,この会談に関する報道もいろいろ見てみたのですが,小林に近いことを言っているのは唯一,以下に引用したこれ↓だけでした.
 しかもこれも「アフガンへの自衛隊派遣」なんて明言していないわけですが.

 以下,引用.

――――――
会談で麻生首相がすすんで持ち出したといわれるアフガニスタン支援を「いっそう強化・加速」するとの方針も,見過ごしにはできません.
 〔略〕
 オバマ政権はアフガニスタンに米軍を増派することを決めています.
 軍事強化によるアフガニスタン戦略に,日本がいっそう深く協力することになれば,アフガニスタンの復興・安定にも逆行することにもなります.
 日本の支援は重大な結果を招きかねません.

――――――「しんぶん赤旗」,2009/2/26付「主張」

 仮に「赤旗」がソースなんだとしたら,そりゃあ,言えるわけがありませんね(笑)


 【質問】
 カルザイ大統領は,ブッシュ大統領にアフガニスタン空爆を止めて,連合軍に対し,空軍に代わる活動を要求していますね.

>カルザイ 空爆を止めなさい 2007.10.28 CBS 60minレポート
>アフガニスタンの大統領は,あまりに多くの一般人が死んでいると60minに話した.
http://www.cbsnews.com/stories/2007/10/25/60minutes/main3411230.shtml

 カルザイがブッシュに空爆停止を要求しているということは,今後,多国籍軍が空爆を行えば,国際法違反に当たるということですね

 【回答】
 国際法違反にはならないよ

 何しろカルザイの発言は
「米国はアフガニスタン政府の承認のもと,アフガニスタンと密接に調整し誤爆を避け,より効果的な空爆を行うべきだ」
だから.

 一連の報道を見る限り,カルザイ大統領は空爆の限定をタリバン内の穏健派切り崩す圧力として使っているようだな.
 ここまでしても和平交渉プロセスに参加しないなら,更なる攻撃を掛けるという脅しだろう.

 カルザイ大統領が求める,タリバンのテロリストの拠点に集中する空軍に代わる活動は,連合軍への地上軍の投入要請に他ならないからな.

 カルザイ大統領がイランによる,アルカイダと繋がるタリバン製麻薬の取り締まりに感謝するのもわかったよ .
 タリバン穏健派とタリバン強硬派の分離と,カルザイ大統領のイランとのチャンネルの維持が目的だな .

 また,アルカイダやタリバンは何処でも「米軍の被害者」を捏造してメディアに流すのが日常茶飯事なので,そういう記事は時々出てくる.
 それでNATOも,そういう事には慣れっこになっている.
 まともなメディアは今までは,そんなものに引っかからない.
 過去には民家を襲った米軍の爆弾だの,ミサイルの写真が捏造されて誤って配信され,通信社が大恥を書いている.

 一部のメディア(NYT, CBS)のやっている空爆の被害多すぎ報道は捏造だとNATOが言っている,という記事.

――――――
NATO Denies Killing Afghan Civilians in Air Strike (Update1)
By Ed Johnson


NATO denied killing about 11 Afghan villagers in an air strike on Taliban rebels last week and said allegations of civilian deaths were often ``insurgent propaganda.''
――――――

ニュース極東板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 頭蓋骨冒涜事件って何?

 【回答】
 2006.10.25付大衆紙ビルトに,アフ【ガ】ーニスタン駐留のドイツ兵が,アフ【ガ】ーン人の頭蓋骨を掲げてポーズを取っている写真が掲載された事件.
 写真は計5枚で,
「勤務中とみられる兵士4人が,頭蓋骨と記念撮影している」
「兵士が笑いながら,頭蓋骨を手で高く掲げている」
「兵士が男性器を露出し,右手で頭蓋骨を性器の横に差し出している」
「兵士が頭蓋骨にピストルを突きつけている」
「独国旗とISAFの文字が記された警備車両の前部に,兵士が頭蓋骨を引っかけている」写真.
 同紙によれば,写真に写っているのはISAFとして派遣された兵士で,独軍が駐留するカーブル周辺にて,軍曹の命令で2003年春に撮影されたものだという.
 カーブルから約10kmの郊外に,大量の遺体が埋められている砂利採取場があり,兵士はそこから頭蓋骨を持ち出したとみられる.
 頭蓋骨がアフ【ガ】ーン人か,ソ連兵のものかは不明.
 国防省は声明で,風雨で墓地から露出したものを持ち出した可能性もあるとしている.
 これら写真をビルト紙は,「独軍関係者」から提供を受け,「独兵が死体を損壊している」との見出しで報じた.

 これについて,ドイツのフランツ・ヨゼフ・ユング(Franz Josef Jung)国防相はテレビとのインタビューにて,
「写真を見て不快感と当惑を感じた」
「独軍兵士によるこのような振る舞いは,許されない.
 我々が連邦軍兵士に求めている,価値観や行動規範に反する行為だ.
 このような人物が独連邦軍に在籍する余地はない」
と述べ,シュタインマイヤー外相は,
「こうした行為は連邦軍と 国家の威信を低下させる」
と非難.
 メルケル首相は
「釈明できない」
と謝罪した.
 同日,国防省は,撮影に関係した6人が独南部の部隊に所属していたことを確認し,2名を事情聴取した.
 Wolfgang Schneiderhan連邦軍参謀長は記者会見で,
「事情聴取を受けたのは予備役兵1人と下級士官1人で,2人とも南部バイエルン州のミッテンワルト(Mittenwald)基地に所属していた.
 1人は今も現役の兵士で,もう1人はすでに退役している」
と語った.
 また,同参謀長は,2人の内の1人は掲載された写真を見て,自ら名乗り出てきたとも述べた.
 その後,写真に写っていた兵士は除隊処分とされた.

 ポツダム(Potsdam)州検察当局は,「死者の平穏を乱した罪」で,この問題を刑事事件として捜査を開始したと発表.

 独の有力な兵士組合のBernhard Gertz組合長は,これらの写真を,米軍によるイラク・アブグレイブ(Abu Ghraib)刑務所の収容者虐待と比較し,
「どちらの事件も,人間の尊厳に対する配慮が欠けていることを意味している.
 独軍にとって大きな痛手だ」
と語った.

 ボンの開発研究センター(Centre for Development Research in Bonn)のConrad Schetterは,
「イスラーム教徒にとって,遺骨を冒とくする行為以上に,許し難い行為は,まずないだろう」
と述べ,今回の事件により,イスラム諸国に展開する独軍への攻撃が激化する危険を指摘した.

 しかし事件は,さらに拡大.
 同月31日までに地元テレビなどが,別の兵士の写真を次々と公開した.
 骨にピストルを突き付けたり,骨を並べて文字を作ったりした写真が,同日時点で約20枚も公開され,独国防省の緊急調査では,少なくとも計23人の兵士の関与がほぼ特定された.

 このうち1人は,
「やらなければ『腰抜け』と,周囲に見下されると思った」
とビルト紙に証言.
 また,コソボに従軍したドイツ軍のカウンセラーが新聞のインタビューに答えたところによると,コソボにおいても若いドイツ軍兵士が,頭蓋骨と戯れて破廉恥なポーズで写真を撮るのは日常茶飯事であったという.
 同カウンセラーによると,この種の写真は今後もたくさん出てくるだろうとしている.

 国防省は幹部らの関与があったかどうか,事情聴取を開始したというが,その後どうなったかは,大雑把なgoogle検索では見つからなかった.

 【参考ページ】
http://blog.goo.ne.jp/think_pod/e/c078d2eb9da71fc3ec795bdf25ea0fb8
http://2009.itainews.com/archives/cat49/17264
http://www.tkumagai.de/Doku%20Schaedel.htm
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2131115/1019269
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20061102/p1
http://www.taiwakobo.de/kurznachrichten/2006/okt/okt.htm
http://blog.kajika.net/?eid=431085


(画像掲示板より引用)

【ぐんじさんぎょう】,2011/09/30 20:10
を加筆改修

 信長の薄濃のことですね.

しまだ in mixi,2011年09月28日 10:18

 ただ,信長のアレは死者に対する敬意が込められていたてする解釈もあるようです.
 ドイツ軍のこれはもちろん,言い訳しようもない言語道断の所行ですが.

はむはむ in mixi,2011年09月28日 10:31

 信長は朝倉や浅井の裏切りは許さなかったものの,その戦国武将としての戦いには,敬意を表していましたからね.
 信長だって立場が違えば,やっていたかも知れないですし,そう思っているはず.

それとドイツ軍のこれと比較するのは信長に失礼.

 ついでに言うと,比叡山の焼き討ちは,僧侶の腐敗と政教分離とも言われいますが,その他に比叡山が,朝倉・浅井の兵站拠点となっていた事もあります.
 また,比叡山も本願寺を焼き討ちしているわけで,信長だけ批判するのはバランスがないかと.

 それにしても恐山には,空自のレーダーサイトもあるし,霊山は昔から軍事の要所ばかりだな,と.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年09月28日 23:22

 まあ,ネタだったんですが,薄濃供養敬意表現説には違和感があります.

 資料の信長公記の記述では,薄濃は内輪の宴会の酒の肴であって,供養の儀式に用いられたものではない.
 また,そもそも薄濃を用いた供養なり敬意の表現は,他に類例が思いつかない.

 さらし首の信長流ではないでしょうか?

しまだ in mixi,2011年09月30日 00:29


 【質問】

----
アフガン:治安支援独軍機空爆,90人死亡か 市民犠牲の可能性

>アフガニスタン北部クンドゥズ州の路上で3日夜,北大西洋条約機構(NATO)軍向け燃料を積んだ大型輸送車2台を,武装集団が強奪.
 同州に駐留し国際治安支援部隊(ISAF)の一員であるドイツ軍機が4日未明,川岸で立ち往生していた2台を爆撃した.
----

 これ,ドイツ軍が空爆支援を要請しただけで,ドイツ空軍が空爆したというニュースは海外には流れていないんですけど,どうですかね?

JSF,2009年09月06日 03:29

 【回答】
 例によって毎日の誤訳,または勇み足かと.
 日テレの23時のニュースでは,多国籍軍になっていましたからね.

tacticaltomahawk,2009年09月06日 05:04

 米軍の発表では F-15E となってます.

井上@Kojii.net,2009年09月06日 07:52

 ドイツ軍にストライクイーグルなんかあったかいな( ・・)/

緑川だむ,2009年09月06日 09:45

 おそらくアメリカ空軍機とドイツ空軍機と間違えたのかも.
 ドイツ空軍はF-15Eは持っていません.

バルセロニスタの一人,2009年09月06日 09:59

 アフガンに展開しているドイツ空軍は,トーネード戦術偵察機型ですね.
 毎日新聞は「ドイツ軍が空爆要請」を,「ドイツ軍が空爆」と勘違いした模様.

JSF,2009年09月06日 17:45

「毎日の中の人は,ルーデル脳だったんだよ」

消印所沢,2009年09月06日 17:50

 な,なんだってー(AAry

ゆきかぜまる ,2009年09月06日 18:57

ナワヤ「なんて斜め上なんだ・・・」

バルセロニスタの一人 ,2009年09月06日 20:52

 破壊された戦車の山ができるわけか・・・

島の人,2009年09月06日 21:17

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 燃料輸送車空爆による,民間人死傷の責任の所在はどこにあるのか?

 【回答】
 NATO軍の予備調査によれば,ターリバーンが強奪した燃料輸送車を空爆し,民間人を含む多数が死傷したこの一件,空爆を命じたドイツ軍のゲオルク・クライン(Georg Klein)大佐が越権行為をはたらき,状況判断にも失敗したと結論づけたという.
 クライン大佐は,NATOが統括するISAF本部の指示を仰ぐ必要があったという.

 ただ『ブログ・オブ・ウォー』(p.131-134)でも触れられているように,現場指揮官はこうした判断を殆ど一瞬のうちに下さねばならず,「的確な判断」をくだすことは「言うは易く,するは難し」の典型.
 それでいて,判断ミスの結果については,当人の人生を左右しかねないほど重く責任を問われるのだから,こうした事件が起こるたびに,将兵の士気は下がる一方であろう.

 【参考ページ】
2009年09月10日 23:40, AFP


 【質問】
 クンドゥズにおける誤爆事件は,ドイツにどんな影響を与えているのか?

 【回答】
 慌てたドイツは,軍を再び戦闘部隊として使うことを,大っぴらに議論し始めたという.
 なぜなら,これまでドイツ軍は紛争地域に医師や平和維持軍を派遣したが,「戦争」は禁句のままであり,部隊が戦闘に巻き込まれないよう,規則でがんじがらめにしていたからだという.
 そうした姿勢は諸外国から嫌われており,
「NATO軍は機能していない,その大きな原因はドイツだ,という空気が広がっている」
と,ロンドンのシンクタンク欧州改革研究所のチャールズ・グラント所長は述べている.

 【参考ページ】
http://newsweekjapan.jp/stories/world/2009/09/post-543.php


 【質問】
 2010.7.2〜7.4に行われた,ヘルマンド州での麻薬組織大規模掃討作戦について教えられたし.

 【回答】
 アフガニスタン内務省によれば,同国警察と国際治安部隊によって行われたもので,麻薬約16tを押収,焼却したほか,64人の「テロリスト」を殺害.
 また,反政府勢力に拘束されていた14人の民間人が解放されたという.

 ただし,腐敗が酷いとされる2010年現在の政権の発表が,どこまで正確かは不明.

 【参考ページ】
2010年7月6日10時54分,CNN


 【質問】
 NATOの,ロシアとの領内通過承認交渉について教えてください.

 【回答】
 2010.10.28の英の新聞「インディペンデント」が,こんなことを伝えています.

1.アフガン情勢をめぐり,ISAFを主導するNATOがロシアに武器輸送車輌の領内通過承認などの協力を求めていることがわかった.

1.ISAFへの補給はパキスタンルートが中心だが,タリバーンによる輸送車輌襲撃が多発しており,代替ルートの確保が急務になっている

1.ロシアの了解が得られれば,NATOはラトビアでの荷揚げ⇒ロシア⇒カザフスタン⇒ウズベキスタン⇒アフガンというルートで運ぶ計画

1.NATOはロシアに対し,ISAFへのヘリ供給,パイロット訓練も求めている

1.ロシア側は基本的に同意しているが,取引材料として「グルジアの現状追認」を求めている模様

おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)11月1日(月)


 【質問】
 今世紀4度目の,英軍による銃剣突撃について教えてください.

 【回答】
 今世紀に入って4度目となったイギリス軍の銃剣突撃.今度もアフガニスタンでした.
Royal Marine awarded gallantry medal proposes at Buckingham Palace:The Telegraph

 かつて銃剣突撃は旧軍の十八番でしたが,今はイギリス軍になりました.
 銃剣突撃は一見古い戦術にも見えますが,支援の火力があれば,今も有効な白兵戦の手段です.
 イギリス軍ではその訓練も行っています.
 これは英軍の訓練風景から.
http://www.youtube.com/watch?v=1K3uRIY-tPY

 もっとも銃剣突撃と言っても,旧軍みたく着剣したL85小銃を持って走って突撃するわけではなく,歩いて突撃をしています.
 ただ,大声を出して突撃する風景は同じです.

 ちなみに自衛隊も,銃剣突撃の訓練を行ってはいます.
 これは去年の防衛大学開校祭(文化祭)で一般公開された,学生による模擬戦闘の風景ですが,7分6秒で最終攻撃の時に,着剣した89式小銃で銃剣突撃する風景が見られます.
 こちらは走って突撃という,旧軍からの伝統を引き継いでいます.
http://www.youtube.com/watch?v=hvxfccyX7Hc

 銃剣突撃は今も使える白兵戦なのに,こんな事を言う人がまだいるんですね.
 もう,なんやらかんやら.
朝日新書「反戦軍事学」を読む〜銃剣突撃編〜:週刊オブイェクト

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年04月12日21:47
青文字:加筆改修部分

 火力支援下での銃剣突撃が有効なのは,日本の歩兵操典を基礎にしていた朝鮮戦争時の韓国軍でも明らかですからねぇ.
 ほかならぬ日本が元々「火力重視」だったのが,火力不足で支援出来なかった結果がアレなわけで.
 最近,光人Fのペリリュー戦読んでますが,ゲリラ戦の奇襲突撃も,場所によってはかなり有効だったようです.
(これも,ちゃんとした火力支援はあった)

ますたーあじあ in mixi,2011年04月13日 11:11


 【質問】
 パキスタン軍検問所誤爆事件とは?

 【回答】
 2011.11.26,パキスタン北西部部族地域モーマンド地区にある検問所が,ISAFのヘリコプターの攻撃を受けた事件.
 ヘリコプターは検問所を2度攻撃したという.[1]
 軍検問所2か所を攻撃したとする報道もある.[2]
 ロイター通信によると,攻撃を受けたのは,対アフ【ガ】ーン国境から2.5kmパキスタン領内に入った,ターリバーンとの戦闘の最前線に位置する部族地域,モーマンド地区にあるサララ検問所.[3]

 ロイター通信によると,パキスタン兵28人が死亡し,11人が負傷したという.[1][3]
 死亡したパキスタン兵の中には,軍幹部もいた模様.[1]

 AP通信によると,爆撃された検問所は,アフ【ガ】ーンに潜伏しているパキスタンの武装勢力の越境攻撃を防止するため,最近設置されたもの.[1]

 パキスタンのギラニ首相は,攻撃を非難し,直ちにNATO軍向けの主要補給路であるカイバル峠(標高約1030m)を封鎖する報復行為に出た.[2][3]
 ISAFは補給物資の5割近くを,パキスタン経由の陸上輸送に頼っているとされる.[2]

 ちなみにISAFは2010年9月にも,パキスタン国内での誤爆によって,国境警備兵2人を死亡させている.

 【参考ページ】
[1]産経新聞,2011年11月26日(土)20時5分【ニューデリー=田北真樹子】
[2]読売新聞,2011年11月26日(土)20時4分【カブール=横堀裕也】
[3]時事通信,2011年11月26日(土)17時32分


◆◆◆国軍再建


 【質問】
 国軍再建の現状は?

 【回答】
 目標の7万人に対し,現在の規模はそれに遠く及ばない.
 兵士は軍閥から供給されるしかないが,軍閥は質の悪い兵しか送ってこない.
 軍隊内部には依然として「軍閥主義」が見られ,パシュトゥン人は冷遇されているとの噂もある.

 しかし,政府軍単独で武装勢力を撃退できる程度のレベルには達している模様であり,ISAFとの合同による掃討作戦にも参加している.

***

 目標の7万人に対し,現在の規模はそれに遠く及ばない.
 兵士は軍閥から供給されるしかないが,軍閥は質の悪い兵しか送ってこない.
 軍隊内部には依然として「軍閥主義」が見られ,パシュトゥン人は冷遇されているとの噂もある.
 以下引用.

 カーブル軍事訓練センターの兵士は基礎を学ぶ。どうやって制服を着、ライフルを撃ち、整列して行進するか。彼らは月30ドル支払われている。
 卒業したら月50ドルになるという約束だ。そして1日3食つき。

 目標は野心的である。2年以内に7万人からなる新たなアフガン国軍が、国内に散らばる20万の民兵に取って代わり、四半世紀に及ぶ紛争に終止符を打つことになっている。
 しかし今までのところ、新国軍は4個大隊、約1400名である。

 この国が国軍を創設して、アフガニスタンの歴史で支配的だった軍閥の私兵に置き換えようとするのは最初ではない。過去に4回の試みがあったが,いずれも失敗に終わった。
 歴史的には、部族は外国の侵入者に対しては団結して撃退するが、その後はすぐお互いに戦う状態に戻ってしまうのだった。

 米国とアフガンの当局者は、今度は違うという。数千の外国部隊がハミド・カルザイ大統領の政権を守っている。何十億ドルもの海外の援助がこの国の再建のために約束された。彼らはこれが新国軍を建設するための 堅固な基礎を作るのに役立つだろうと期待をこめている。

 政府に忠誠を誓う国軍なしでは、カルザイ政権が持続し、タリバン支配下で繁栄したアルカイダのテロ組織の復活を阻止することは難しいだろう。
 国連のアフガニスタン特別代表ラフダル・ブラヒミは10月に国連安保理で述べた。
「よく訓練され十分に装備され、きちんと俸給を得る警察と国軍が置かれることなくして、アフガニスタンの治安問題を長期的に解決することはできないだろう」

 第三世界の諸国では、軍隊はしばしばその国で最も進歩的な組織であり、若者が彼らの父や祖父の世代を分断してきた民族的反目を克服するために、教育、上昇志向、訓練や規律を促進する役に立っている。
 軍隊が国を作るビルディング・ブロックになっていることも多い。
「最後には彼らは一つになる。アフガニスタンの国軍にだ。士官は(民族的に)混合され、兵士も(民族的に)混合される。彼らは結合する」
とカブール軍事訓練センターで教える約400名の訓練教官の1人である米特殊部隊当局者は言った。軍のガイドラインでは彼はロバート大尉としか呼べない。

 しかしこれまでのところ、彼が望んでいるほど軍は混合されていない。
 最初の1400名のアフガン国軍兵士の40%はタジク人である。これは北部の少数民族で、米軍のデータによれば人口全体の約25%しか占めない。
 アフガニスタン最大の民族であるパシュトゥン人は人口の44%を占めるが、新国軍では3分の1を少し超える程度である。そして噂によれば、パシュトゥン人は,タジク人やウズベク人が大部分を占める北部の新兵より早く 国軍からドロップアウトしているという。

 理論的には国軍は志願兵からなるはずであるが、当局は軍がその「志願兵」のいくぶんかを軍閥から供給してもらわざるをえないことを認めた。
 そして自分のところの最良の兵士を差し出そうとする軍閥はほとんどない。
 元北部同盟の司令官で国防省のナンバー2であるアティクラ・バリアリは、各州の司令官たちがはじめ部下の中でも最も不出来で武装も悪い新兵を首都に送ってきたことを認めた。
「当初,人々は国軍についてよく理解していませんでした。彼らは最良の兵士や最良の武器は送ってきません でした」
とバリアリは述べた。
 ヘラートの軍閥イスマイル・カーンがよこした新兵の一団は,あまりにも軍に向いていないと判断されたので、基地司令官のグラム・サヒ・アシフィは自分がこれらの者たちを送り返して、かわりに12人の新しい者を要求した
と述べた。

 政府当局者は忍耐をつちかっている。米国とフランスの教官たちが現在、10週間ごとに300名から500名の多民族部隊に元軍学校での基礎訓練コースを修了させている。

 新国軍が訓練されている間は、カルザイの潜在的ライバルのひとりファヒム国防相が自分の私設部隊を使って首都の治安を維持している。
 そして首都以外の治安は,ライバル関係にある軍閥たちの指揮下の不正規兵が引きうけている。

 カルザイは名目的にこれらの部隊の司令官であるにすぎないので、政府は1年以内にこれらの民兵を武装解除し、復員させたいとしている。
 カルザイの個人護衛は軍や警察ではなく、国務省の外交セキュリティサービスが行っている。

 新たに訓練された軍の正規兵で,カルザイのスポークスマンでもあるサイード・ファゼル・アクバルは、自分たちは,大統領の次のステップはアフガン国軍の最初の大隊―訓練を終えた4個と編成中の2個を含む―を現在軍閥が支配している地域に配備することだと思う、と語った。
エリオット・ブレア・スミス from USAトゥデー 2002/11/26
翻訳:533,抜粋要約)
 2001年に私がはじめてハジ・バリに会ったとき、彼はバグラム空軍基地近くでタリバンと対峙する北部同盟の前線の一部を指揮していた。カブールから車で1時間ほど北に行ったところである。

 1年後また私はカブールでハジ・バリをつかまえたが、彼は今では将軍になっていた。
 しかし彼が入っている軍隊は、アフガンのハミド・カルザイ大統領が最重要課題だとした国軍にはほど遠いものである。
 多くのムジャヒディン司令官がそうであるように、彼の経験してきたのは普通とは非常に異なる軍隊である。
 そこでは若い兵士はただ1人の司令官に対してのみ義務を負い、家族や部族への忠誠の網の目に結び つけられている。
 司令官たちは大きな集団との間に忠誠の絆で縛りつけられているが、隣人との間には恩義の貸し借りがあり、影響力や権力が相互に及んでいる。
 彼らがいるのはそんな世界なのだ。

 司令官たちは部隊を無傷で保とうと必死である。それは可能なら戦うよりは交渉しようとするからだし、また権力が移行するようならそのあとについて寝返るためである。

 このシステムは「軍閥主義」と呼ぶことができる。
 それは過去25年の戦争によって洗練された形態になったが、もっと古い部族の掟に由来している。

 部族間の摩擦を終わらせるという楽観論にもかかわらず、噂ではパシュトゥン人兵士が差別されているという。
 これらの兵士は元ムジャヒディンのための訓練キャンプから出てきた者で、彼らが国軍に採用されないことを 知ったという。
デビッド・ロイン BBC特派員 2002/11
翻訳:533,抜粋要約

 最新の報道では,政府軍が武装勢力の攻撃を撃退できるレベルにはなっている模様.
 以下引用.

政府軍との戦闘で武装勢力31人死亡〜南東部パキスタン国境近く

 アフガニスタン南東部のパキスタンとの国境近くの週末の戦闘で,アフガン政府軍が31人の武装勢力を殺害した,と国防省の報道官が3日伝えた.
 同報道官によると,過激派がパクティカ州のAngor Ada地区の軍陣地を攻撃した後,2日夜に28人の過激派が死亡した.
 両者が重機関銃やロケットを用いた4時間以上の戦闘で,政府軍兵士8人が負傷した.
「我々の反撃の結果,敵の28遺体が収容された」
と同報道官が述べた.
 〔以下略〕

http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/ISL166545.htm

 また,掃討作戦はしばしば行われている.
 以下引用.

<アフガン>掃討作戦でタリバン兵92人殺害 死者5百人超

 同時多発テロで米国の報復を受けたアフガニスタンでは11日,同国に展開している国際治安支援部隊が,カンダハル市での掃討作戦でタリバン兵92人を殺害したと発表した.今月2日の作戦開始以来,死者は500人を超えた.一方,同国東部州で自爆テロで暗殺された知事の葬儀中に自爆テロが発生,警官ら6人が死亡した.

毎日新聞,2006年9月12日1時40分

●アフガン駐留米軍,タリバン掃討作戦を開始

 16日,アフガン駐留米軍はパキスタン国境に近いパクティア州など東部・中部の5州でタリバン掃討作戦を開始したと発表しました.
 作戦には,アフガン国軍などあわせて約7000名が投入されます.

 ⇒冬になる前にやっておきたいようです.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)9月25日

 問題は国防予算であり,金払いが滞れば国軍といえども寝返る可能性が高いことは,対ソ紛争でも実証済み.

新アフガーン国軍


 【質問】
 新国軍では当初,どのように兵士の給与が支払われていたのか?

 【回答】
 どんぶり勘定のようだという.
 以下引用.

 国防省には,全国の部隊の詳細な情報は存在しなかった.いい加減な話であるが,米軍に味方してタレバンに勝った軍閥の部隊が,国防省傘下の軍として認知されていた.
 国防省傘下の兵士には給料が支払わなければならないが,実態が明らかにならないまま,国防相と財務相の政治レベルでの交渉で定員10万人と決められた経緯がある.
 その際,そうしたジハーディは全国に70〜80万人はいる,と主張する国防相側と,4〜5万に過ぎないと確信する財務相側で大激論となった結果の妥協として,10万人と決められた.
 その際,アシュラフ・ガーニ財務相は,10万人の内訳を早急に準備し,財務省に提出する事を条件にしたが,今だ実現していない.

 財務省は毎年,給与支払いのための予算約1億ドルを国防省に割り当てているが,国防省における給与支払いの実態は,ファヒーム国防相のところに来た軍団司令官に対し,国防相がばっさと現金を渡すというどんぶり勘定のようだ.

 DDRの実施においては,現地の部隊から提出される兵員リストをいちいち検証しながら進めていくが,その過程で,大半の部隊にはリストに記載されているほどの要員は存在しないことが明らかになっている.
 また,各地で兵隊からは,給与未払いの苦情が聞かれる.
 そうなると,財務省が渡した金はどこに行ってしまったのかが問題になるが,その究明ができるような状況にないのも現実である.

駒野欽一著「私のアフガニスタン 駐アフガン日本大使の復興支援奮闘記」
(明石書店,2005/8/18),p.102


 【質問】
 国軍についてのカルザイとファヒムの対立点は?

 【回答】
 新国軍にムジャヒッディーンを入れるか否かで対立したと言われている.
 以下,ソース.

 アフガン政府の高官はユーラシアネットに、財政よりも政治の問題で国 軍の形成が妨げられていると述べた。
 ファヒムとカルザイは,誰を新国軍 に入れるかについて鋭く対立している。
 カルザイは、1980年代にソ連の侵略者と戦ったムジャヒディンの大部分は十分な教育を受けていないし、入隊に必要な世間の評価も得ていないと考えていると言われている。
 一方ファヒムは、大部分の古参ムジャヒディンは国軍で奉仕する権利を持っている,と考えているといわれる。

ユーラシアネット,2002/12/6

 ムジャヒディンを国軍に入れろという意見がファヒムから出ているのは、彼がタジク人のムジャヒディンを抱えている立場から理解しやすいことで、仮 にマスードが生きていて,今のファヒムの立場にいても,同じ問題に直面したでしょう(辞めるのは周囲が許さなかったと思うので)。

(HN "533" from 軍事板)


 【質問】
 アフガーン新国軍の最初の実戦は?

 【回答】
 以下の記事によれば,2002年12月の,非合法チェックポイント強襲が最初.

 アフガン新国軍が非合法チェックポイントを破壊(ABC)
http://www.afgha.com/article.php?sid=18084&mode=thread&order=0
 新国軍の最初の実戦として,ラバトという町の近くにある非合法チェックポイント2か所を急襲破壊したとのこと.

 #ラバトがどこにあるかは記事には書いてありませんが,通行税を取っている群小軍閥も次第に圧迫されている模様.
 軍閥といえば,2002/12/18に紹介したように,ドスタムやグルアガは政治と軍事の分離を受け入れるとしていますが,カルザイが彼らをうまく「料理」できるかどうか.「狡兔死して走狗烹らる」的な疑いを抱かせるようなやり方は,昔の中国では大反乱が勃発したものですが,ザドランの運命からも現状でそれは考えにくいが,ドスタムなど庇護する勢力に事欠かない人物ですから,何らかのポストは意中にあるでしょうし,それはカルザイも承知しているでしょう.

(HN "533" in 軍事板)


 【質問】
 新国軍兵士の脱落が多いのは何故か?

 【回答】
 給料の安さが主因.
 また,指揮官による差別的取り扱いも原因である模様.
 以下引用.

アフガニスタン国防省は2004年1月11日に,これまでに訓練を受けた1万人余りの内,4分の一程度がすでに脱落していると発表した.
 その大きな原因の一つは給料の安さである.
 現在,給与は他の公務員よりも優遇されているとされている(手当てを含めて110ドル程度)が,NGOに雇われている現地職員に比べると遥かに少ないものである.
 また,指揮官の兵士に対する差別的取り扱いが,士気の低下に繋がっているとの指摘もある.

柴田和重 from 「ハンドブック現代アフガニスタン」(明石書店,2005.6.25),p.78

 ただ,NGOより遥かに給料が安いと言っても,その枠は限られており,失業率も高いと予想されることから,それが要因の一つになるとは考えにくいのだが,どうなのだろうか.
 差別的扱いとは,民族問題に絡むものなのだろうか.
 それらの点についても,今後も情報収集を継続したい.


 【質問】
 AEY社事件とは?

 【回答】
 マイアミに本拠があるAEY社が,本来の条件とは異なる中国製の腐食,旧式な弾薬類をアフガニスタン軍・警察に輸出していたことが発覚した事件.

 同社はハンガリーで製造された弾薬類を輸出する契約だったが,陸軍の調査で,多くは中国製と判明.
 また,輸出の際の梱包が不適当で,腐食しているのも多数発見された.
 これらの弾薬類は中国で1962年から74年までの間に製造されていた.
 同社の中国製の弾薬類を入手した経路などは不明.

 同社の輸出品がアフガンに到着した際,腐食などが見付かり,米政府が連絡を受けて,契約違反が露呈した.
 アフガンでは使い物にならず廃棄されたのも大量にあったという.

 陸軍との契約は2004年からで,これまでの支払い額は約1千万ドル(約11億円)となっている.

 なお,米政府は国内企業が中国の軍需関連企業から直接,間接的にも製品を輸入していることを禁止している.

 【参考ページ】
CNN,2008/3/28付


 【質問】
 「山のライオン」作戦とは?

 【回答】
 4月11日からアフガンのKorengal峡谷付近で展開されている,米とアフガンの連合作戦.
 「作戦目的は敵の聖域を奪い,地元に安定と福祉を広めること」とのことです.
 5-10年単位の作戦で,現在は2500名規模で展開されています.
 アフガン国軍が中核となり,米軍の10山岳師団,3海兵連隊1大隊などから部隊が参加しています.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)5月15日


◆◆◆米軍関連


 【質問】
 アフ【ガ】ーニスタンにおける米軍へのロケット攻撃は,どの程度の効果があるのか?

 【回答】
 米軍関係者によれば,やけくそで効果のないものだという.
 以下引用.

 米当局者によると、地上部隊の掃討によって元タリバンやアルカイダの兵力は集結できない状態にあり、また大部分の攻撃は命中率の低いソ連製のロケット弾を使って夜間に行われているため、ほとんどすべての攻撃が目標を外れているという。

 しかし攻撃の性格は変わってきているようにみえる。
 夜間に1発だけロケット弾を撃つかわりに、軍当局者によれば、いくつかのケースでは米軍基地に対して5発から10発のロケット弾の斉射が行われたという。
 最近ではしばしば同じ夜に数カ所の基地が攻撃されており、ロケット弾を撃った敵はほとんど捕まえられたためしがない。
 最近では3人の男がルワラの米軍基地近くを1台のトラックに乗って午後12時30分に通りかかり、ロケット弾を基地に撃って逃げた。
 また,狙撃者が米特殊部隊の兵士の足を撃った。

 米軍当局者はロケット攻撃はやけくそで効果のないものだという。
「効果的かどうかという観点からは、これらはまったく命中していない」と,アフガニスタン駐留米軍の報道官ロジャー・キング大佐は述べた。「われわれはまだ1人の犠牲も出していない」
 キング大佐は
「過去2か月の間にわれわれが発見した武器貯蔵場所の半分は,地元住民が来て教えてくれたものだ。
 彼らはよい結果をおさめている」
とつけ加えた。

(デビッド・ロード from ザ・ニューヨーク・タイムズ 2002年12月7日)

 確かに,無誘導ロケッド弾の低命中率を考えれば,5〜10発程度の斉射では,たいした戦果は期待できまい.
 また,ターリバーン政権時代には,火力支援を担当していたのはパキスタン軍や旧共産軍の将兵だったと言われており,現在のターリバーン残党にそれら部外の熟達者が残存している可能性も低い.


 【質問】
 パシュトゥーン人は,米軍に対してどんな不満を持っているか?

 【回答】
 不満は空挺部隊兵士に主に向けられている.
 パシュトゥーン人は,彼らが不必要に攻撃的であることに不満を持っている.
 以下,ソース.

 パシュトゥン人たちは、アフガニスタンの大統領でやはりパシュトゥン人であるハミド・カルザイに対しては、驚くほど強い支持を表明している。
 また彼らは米軍の特殊部隊に対しても、しばしばあご髭を伸ばして野球帽をかぶり、地元民に対しては敬意をもって接していると言って賞賛している。

 彼らの不満は,夏以来掃討作戦を行っている地上部隊に向けられている。
 この大部分は第82空挺師団の分隊を含んでおり、地元住民は空挺部隊を「悪い兵隊」と呼んでいる。
 パシュトゥン人達は,空挺部隊が不必要に攻撃的であると非難している。
 敵を圧倒し、味方の犠牲を最小限にするという米軍の戦術、たとえば武装攻撃ヘリをホバリングさせたり、警告のために迫撃砲を撃ったりすることが,アフガン人をおびえさせ、気持ちを遠ざけていると彼らは言う。
 許可なく家に入ることは特にパシュトゥン人にとっては侮辱である。
 市長を含むクナル州の住民は、9月にある山腹に行われた米兵による迫撃砲試射で羊飼いの子供が死んだと言っている。
 他の者は空挺部隊が市民に銃を向け、無実の人々を抑留していると不満を述べている。

 米軍報道官のキング大佐は、地方の男が子供の死体を米軍基地に運んできた事実は確認したが、迫撃砲を撃った兵士たちは,この山が無人だと思っていたと述べた。
 彼は,すべての米兵は家に入る前に許可を求めるし、食糧や毛布を捜索に際して配っており、また米軍の女性兵士がアフガン人の女性を調べていると述べた。

 結局のところ最大の課題は、アメリカ人とアフガン人が軍隊の使命について懐いているおのおの異なった期待を橋渡しすることだろう。

(デビッド・ロード from ザ・ニューヨーク・タイムズ 2002年12月7日)


 【珍説】
 小林よしのり「ベトナムのゲリラ戦ほどではなかろうけど,アフガンも似たようなものですか?」

 ペシャワール会中村哲医師「いや,あれ以上だと思いますよ?」

 小林「ほんとに?」

 中村「ベトナムの場合,米兵は曲がりなりにも前線で戦ってましたけど,アフガンでは戦闘機やヘリに乗って空中戦〔原文ママ〕をやっているか,基地の中に引き篭もっているかのどちらかです.
 地上移動すると何かが起きるから,危険で動けないんです.

 それで地上での仕事をアフガン人の下請けに出すと,その下請けがいつ反乱を起こすか分からない.
 米兵は憂鬱だと思いますよ.

 例えば,米軍の傭兵が,日当とライフルを貰って,その仕事の帰りがけに米兵を狙撃したなんてこともありましたから.
 だから誰が敵か味方か米兵にはよく分からない.

 そう考えると,アメリカはアフガンで成功したか失敗したかという以前に,これはもう負けているんですね,実質的に.
 もう早く帰りたくてたまらないんですよ」

(SAPIO 2003/8/20 & 9/3合併号,小学館,p.78)

 【事実】
 いけないなぁ,中村哲っちゃんの言葉を裏も取らずに受け売りしちゃぁ。
 どんなに現地を知っていても,どんなに活動実績があっても,バイアスを持たない人間というものはあり得ないのだから。

 いかに米軍が故障車両を空路後送したとしても,そんなもん何の証拠になるのか?
 動けなくなった車両は,後送するしかないのは当然。
 通常はレッカーかクレーンで回収するが,このような重車両をアフガンに運び込むなら,まだヘリの方が早くてお手軽なだけ。
 本当に米軍が狙われているなら,そんなヘリこそ携帯地対空ミサイルで撃墜される。絶好のカモ。
 早く帰国したがっているというなら,湾岸戦争の時のGIだってそうだったけどね。
 ソマリア,ルワンダ,バルカンと,この世の地獄を渡り歩いて実績を積み上げて来た緒方貞子女史が,ちょっとやそっとのカムフラージュで騙されるものか。土井たか子じゃあるまいし。

 哲ちゃんが嘘吐きとは言わないが,もっと他人の言葉は疑った方が良い。

ソルジャー陸介 in エセ保守監視小屋

 バイアスがかかると,こんなふうに歪んで見えてしまうという好例ですな,中村のこの発言は.
 同誌の同ページで,小林は
「わしは,今もアフガンに行って井戸掘りや医療活動を続けている『現場』〔強調,原文ママ〕の人,中村哲氏を信じている.
 アフガンの治安は過去20年間で最悪だそうだ」
と書いていますが,この中村のように,バイアスがかかっていては,信頼に足るソースとはなりえません.

 例えば,北韓(北朝鮮)に最も数多く足を運んでいる「『現場』の人」と言えば朝鮮総連幹部なのですが,その言葉を額面通りに受け取る人は,まずいないでしょう.
 ターリバーン・シンパである中村の言葉も,それと同じことです.

 まず,米兵がヘリ移動を専らにしている点を,
「地上移動すると何かが起きるから,危険で動けない」
と中村は見なしていますが,この見方は明白に誤りです.

 ターリバーン政権崩壊以後,アフ【ガ】ーンで米軍が行っているのは,ピン・ポイントでのアル・カーイダ残党狩りです.
 そのためには,情報があれば直ちに現場に急行しなければなりません.ビン・ラーディンは居場所を頻繁に変えているからです.
 そしてそのためには,道路とは到底呼べない悪路を何時間もかけて車でやってきたのでは,間に合いません.
 ヘリで現場上空まで飛来し,そこから特殊部隊が降下,航空兵力からの火力支援を受けて戦闘するのが最善と言えます.
 

 「基地の中に引き篭もっている」
にしても,任務の違いを理解していないための誤解,または事実の歪曲です.
 米軍が地域の治安維持活動を担っているのであれば,頻繁にパトロールに出なければなりません.
 すなわち,基地の中に引き篭もっているのは問題であり,敗色濃厚と言えるかもしれません.

 しかし米軍の任務は,治安維持任務ではありません.
 それを担当しているのはISAFや新アフ【ガ】ーン国軍・警察です.
 米軍の任務は,情報をキャッチし次第,現場に急行しなければならないビン・ラーディン狩りであり,そのためには基地で常に待機していなければなりません.
 火災が起き次第,すぐに出動しなければならない立場の消防士が,常に消防署で待機しているのと同じことです.
 この消防士の待機を
「消防士は消防署に引き篭もっていて,外に出られない」
と表現するのは,現状を正しく観察しているとは到底言えないでしょう.
 バイアスがかかった人間の「観察」や「情報」なんて,その程度のものです.

 それにしても中村医師は,僻地の診療所のある,アフガーン奥地へも出かけているはずです.
 したがってアフ【ガ】ーンの道路がどんなに悪路かも,よく知っているはずです.
 また,ターリバーン指導者オマルも地方への移動では大抵ヘリを使っていましたし,それを中村医師が知らないとも思えません.
 にも関わらず,「米軍はヘリで移動することしかできない」と言う中村医師.これは本当に,ただの「無知ゆえの誤解」なのでしょうか?

 後段の「下請けの反乱」は,中村以外のソースを寡聞にして知らないので,確認する事はできません.
 しかし,これまでも
「バーミヤン遺跡破壊は雨乞いのため」
「ターリバーンは血に汚れたところのない清潔な政権」
に代表される数々の虚言を重ねてきた中村の言葉だけをもって,「下請けの反乱」を信用するのは,非常に問題があります.

 最後に細かいことですが,「空中戦」とは空対空の戦いを指す言葉であり,対地攻撃※2をこう呼んでいい言葉ではありません.

 ※道路とは名ばかりの急斜面であったり,地雷ばかりの危険地帯であったりすることは,宮嶋茂樹のアフ【ガ】ーン国境越え潜入記「儂は舞い降りた」に詳しく述べられています.

 また,以下の文献にも,その悪路ぶりが窺えます.
 ナジブラー政権崩壊後の内戦以降,道路補修はろくに行われていませんから,ターリバーン政権崩壊直後は,これよりもっと酷かったと推測されます.

 アフガニスタンの自動車旅行になくてはならぬ重要なものが一つある.「パンジ・ギヤー」,訳して「第5のギヤー」という.
 名前だけはおおいにしゃれているが,つまり木槌の格好をした大きな「車止め」のことで,自動車の助手は急坂で車が止まったとき,すかさずパンジ・ギヤーを持って飛び降り,さっと車輪にかますのが何よりの任務.
 私もよくやらされたが,これを乗り越えて車がバックするような急傾斜がしばしばあるのだから,たまらない.

(木原均編「砂漠と氷河の探険」,朝日新聞社,1956/3/10,P.108)

 この「デンスケ」〔録音機に付けられた渾名〕は,カーブルを出発してきたアフガニスタンの難路を突破するときに,遂にバラバラに壊れてしまった.
 最初は2台のカメラを首からぶら下げ,「デンスケ」を後生大事と小脇に抱えていたのだが,これでは,いざというときに車から飛び出せないので,「デンスケ」だけを毛布でグルグル包み,車の床に置いてきた.
 何日か経って包みを開けてみたら,車の振動で機械のネジというネジはバラバラに飛び散り,完全な分解状態になっていた.
 何百本かのフィルムと共に,苦労して持ってきた未録音のテープは,もはや文字通り無用の長物となってしまったが,それを捨て去る気持ちにはどうしてもなれなかった.

                *

 「振動」と言えば,隊員が持って行ったカメラ類でも,ずいぶん壊れたものが多かった.
 振動に加えて,物凄い乾気と吹雪のように降り注ぐ砂埃が,精密機械類の命を縮めたに違いない.

(木原均編「砂漠と氷河の探険」,朝日新聞社,1956/3/10,P.116)

 戦後でも,また例えば,アーマダバードという辺境の村への道路は,このような様子.

 舗装されていないのは当り前だが,その土の性状が尋常ではないのだ.
 粘土のような物質でできており,雨など降ろうものなら,ぬかるんでぬかるんで,田植えをする直前の泥のような状態になってしまう.
 ここに車で入っていくと,4輪駆動の車であっても間違いなくスタックして動かなくなってしまうのだ.
 よって,その場合は,物凄い回り道をするか,隣の藪の中を突っ切るか,もしくは開き直って,高速のまま泥に突入して突破するしかない.
 が,それでも,どこかでスタックしてしまうことはある.
 その場合は……,仕方がないので,運転手以外が全員降りて,よっこらせ,と車を後ろからみんなで押すのである.
 後輪で巻き上げられる泥により,当然,上から下まで真っ黒になる.

山本敏晴著「アフガニスタンに住む彼女からあなたへ」(白水社,2004/8/10),p.59

 さらに,afgha.comにも,道路事情の酷さについての報告があります.

▼ デビッド・イスビーは次のように述べています.

[quote]

 第三世界の国では道路網が限られているほか,地形も険しいので,近代的な軍隊が機動力を得るには,ヘリコプターが唯一効果的な手段である.

[/quote]
―――デビッド・イスビー著『アフガニスタン戦争』(大日本絵画,1993/9),p.117

 ヘリでの移動など,当たり前の話でしかないのです.▲

 ※2漫画内では,攻撃ヘリを描いたつもりらしい稚拙な描写の物体が,ビルを「ドッカーン〔原文ママ〕」と爆撃しています.


 【質問】
 そもそも,他国軍に自国民空爆で殺されてるような地域が,国家として成立してるのかね?
 しかも他国軍が政府とやらを支援している状態で.
 国のていをなしてないではないか.

 【回答】
 誤爆でしょ? それならどこの国の軍隊もやったことがあるよ〜.

 あと,他国軍が外国政府を支援する事例はゴマンとあるしねえ.
WW2のイギリスとかノルウェーとか,
WW1のフランスとか,
独立戦争時のアメリカとか,
WW2後のドイツとか,
和平合意後のカンボジアとか,
冬戦争のフィンランドとか
ハンガリー動乱とかプラハの春とかキューバとかグレナダとかエルサルバドルとかニカラグアとか独立前夜の東チモールとか今のCISとか……

 まあ,国家の混乱期とか独立とか再建とかのときにはありがちだよねえ.

(イラク板)


 【質問】
 米軍の戦術転換はどのようなものなのか?

 【回答】
 テロリスト討伐から国造り支援への変換だという.
 以下引用.

 米軍のテロ作戦も,軍閥勢力の協力を前提としたものであるから,対立する軍閥間の抗争に上手く利用され,その結果,偽情報に基づき相手軍閥の勢力を米軍機が攻撃したり,また,地元の伝統・感情を無視したものであったりして,なかなか地元民の協力が得られなかった.
 したがって,タレバンなどテロリストの討伐も,目に見えた成果とならない.

 そんな中で,既に述べたとおり,米国はアフガン支援戦略の大転換を図る.
 アイケンベリー将軍のいわゆる第4段階入りであるが,これは国造りを丸ごと支援するということである.
 ハリルザード氏のアフガン大使任命は新戦略実施に向けての大きな布石であり,また,04年のベルリンでのアフガン復興支援会議で,米国が2年間で38億ドル(初年度24億ドル,2年度14億ドル)の支援約束をしたのも,そうした背景からである.

駒野欽一著「私のアフガニスタン 駐アフガン日本大使の復興支援奮闘記」
(明石書店,2005/8/18),p.81-82

 カルザイ議長と国連は,ISAFのカーブル以外への展開を強く求め続けていた.
 米国は,テロ撲滅同盟軍によるターリバーン/アルカーイダ掃討作戦への障害を理由にして,ISAFの地方展開を拒み続けていた.
 ところが,2003年8月に北大西洋条約機構(NATO)がISAFの指揮権を引き継いだ頃から,地方展開を容認するように態度を変えた.

柴田和重 from 「ハンドブック現代アフガニスタン」(明石書店,2005.6.25),p.77


 【質問】
 2009年1月までに予定されているアフ【ガ】ーン増派の規模は?

 【回答】
 米国防総省は,来年一月までに一個大隊戦闘チーム+一個旅団もしくは四千名規模の部隊を増派することをすでに決定しています.

 現地で展開するNATOのISAF司令官 マキャナン陸軍大将(米)は米に対し,三個旅団戦闘チーム(九千〜一万五千)の増派を求めています.
 これについてはゲイツ米国防長官も同意していますが,現地での展開は,早くとも来年春から夏にかけてとなりそうです.

 しかし,タリバーンの脅威と戦うには,ヘリ部隊や情報部隊,工兵部隊といった支援部隊があと五千〜一万名規模必要,との要求が最近になって現地指揮官から出ています.これについて三十一日段階でゲイツ長官は「アフガン軍を訓練する部隊を増派する」と述べるにとどまっています.

 ISAF東部コマンド部隊で,パキスタン国境地域などでタリバーンの掃討作戦を展開するCJTF101(米一〇一空挺師団中核)では,今年に入ってからパキスタンからの越境攻撃が増加しており,戦死者が急増しています.
 現地指揮官の要望は,こういう環境変化も背景にあるようです.

 現地指揮官要望事項は,ISAF司令官要望の三個旅団戦闘チームプラス「アフガン特有の状況下で円滑な作戦支援を行なうための,5000〜10000規模の支援部隊増派」です.
 険しい山,峻烈な気候条件,未整備なインフラというアフガンの地勢条件が米軍部隊の展開にあたって大きな枷となっているとのことで,道や都市インフラがまがりなりにも整備されたイラクとはまったく異なる状況だとしています.

 そのためイラク駐留部隊をアフガンに転進させるのは,現実的に簡単ではないようです.

 アフガンで展開する米軍部隊指揮官で,ISAF参謀副長でもあるタッカー准将によれば,現地指揮官要望事項は具体的には以下のことです.

・一個航空旅団:攻撃・輸送ヘリを装備した二千五百名規模の部隊
・三個憲兵大隊:二千名規模
・陸,海軍工兵部隊
・複数の野戦病院
・複数の爆弾処理チーム
・民政要員
・心理戦要員

 あわせて,戦場の全景をビデオで提供する無人機プレデターやリーパーなどの情報偵察能力も求めています.

 現在アフガンには約三万人規模の米軍部隊が展開していますが,支援任務については,米以外のNATO諸国やアフガン軍の支援がほとんどで,米軍部隊への支援が不足しているということです.
 また,支援部隊は主に召集された予備役兵で編成されていますが,アフガンでの任務はキツイためか士官不足も問題となっているようです.

 米陸軍参謀副長のチアレリ大将は,先月行われた記者会見で「支援部隊増派はきわめて強く求められている」と述べています.

 統合参謀本部副議長のカートライト大将も,先月行なわれた上院軍事委員会で以下のようなことを述べています.

・現地部隊を敵のど真中の飛び地に放置するのか? 彼らを祖国から切り離すつもりなのか? 部隊の機動を確保するための設備基盤と通信基盤が現地部隊に必要だ.

おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)11月3日

▼ その後,2008/12/21にはマレン米軍統合参謀本部長が,2009年夏までにアフ【ガ】ーンに2〜3万人を増派することを明らかにしている.▲


 【質問】
 2009年に予定されているアフガーンへの米軍増派は,効果がありますか?

 【回答】
 私見ですが,絆創膏程度には.

 ゲリラ戦でゲリラ側を敗北に追い込むには,後方支援を断つことが必須ですが,現状ではパキスタン軍諜報部ISIが支援をこっそり続けているので,それは望み薄です.
 なぜISIがターリバーン支援を続けるかといえば,インドに対抗するためと思われます.
 インドはアフガーニスタンでプレゼンスを拡大しており,イランを巻き込んで,アフガーンのカラチ港(パキスタン)への依存度を低めることに成功したほか,カンダハールには領事館を置いています.
 パキスタンはこれに警戒心を抱いており,特にカンダハールの領事館はパキスタン国内のバローチ民族を扇動する活動拠点になっているのではないかと疑っています.
 しかし貧乏なパキスタンは,援助合戦ですと確実にインドに負けますので,テロなどに頼らざるを得ません.
 そのためにターリバーンなどのイスラーム過激原理主義勢力を支援して,インドのNGOを攻撃したり,インド国内でテロをさせたりしています.
 つまりアフガーニスタンは印パが互いに覇権を競い合う状況にありますので,その状況が続く限り,ISIによる支援もやめるにやめられません.

 アメリカが本気で勝ちに行きたいなら,覇権争いでパキスタンが優越するように誘導するか,逆に,覇権争いでパキスタンがボロ負けしようが何しようが,ターリバーンを1セントでも支援しようものなら痛い目にあわせてやるという強い態度に出るしかないでしょう.

 しかしこれは印米関係も絡んできますので,アフガーンの状況のみで外交政策を決定することもまた困難でしょう.
 私見では,よほどオバマが強い決断をしない限り,消耗戦はいつまでも続くと思います.

 なお,アフガーンにおける印パの覇権争いについては,詳しくは『アフガニスタンと周辺国』(鈴木均編,アジア経済研究所,2008.3.14),p.92-94 & 98-100を参照してください.
 マスコミはそのような覇権争いのことなど,一言も報じないのが不思議です.

 …ああ,また3行に収まらなかった.


「地政学を英国で学ぶ」:アフガニスタンへのロジスティクスより


 【質問】
 アフ【ガ】ーニスタン問題に対するオバマ大統領のスタンスは?

 【回答】
 アメリカ政治を専門とする東大教授,久保文明によれば,これが「オバマの戦争」になってしまう危険性があるにもかかわらず,引き続きアフ【ガ】ーニスタンで戦う姿勢であるという.
 アフ【ガ】ーニスタンに対して徹底的に戦うべきところを,ブッシュは愚かにもイラクに手をつけ,一番肝心なアフ【ガ】ーニスタンでの戦いを疎かにしてしまったと考えているという.

 詳しくは『オバマで変わるアメリカ』(アスペクト,2009.3.13),p.63を参照されたし.

 「疎か」論自体は間違いではないのだが,……


 【質問】
 2009/3/27,米のオバマ大統領が発表した対アフガン・パキスタン新戦略は,どんなものか?

 【回答】
 以下,エッセンスを記します.

 〔略〕
1.アフガン政府,パキスタン政府,NATO諸国の盟邦,その他機関,議会関係者とも十分話し合った
 〔略〕

1.状況は,ますます悪化している.
 タリバンが排除されてから,7年以上経過した.
 しかし今でも現地では,戦いが荒れ狂っている,
 反乱者たちはアフガニスタンとパキスタン国境地帯を支配・コントロールしている.
 わが軍,NATO同盟軍とアフガニスタン軍への攻撃は着実に増加している.
 2008年はわが軍にとり,テロとの戦いにおける最悪の年となった.

1.国民を犠牲にしているのはわが国のみならず,多くのパートナー諸国も同じで,みなが単純な疑問を持っている.
「なぜわれわれはアフガニスタンにいるのか?」
というものだ.
 今でも彼らはたずねている.
「なぜわが国民はかの地で戦い,死んでいるのか?」
と.
 この問いに答える必要がある.

1.明らかにしよう.
 アルカーイダとその仲間たち――9.11テロを計画し実行したテロリスト――は,アフガンとパキスタンにいるのだ.
 複数のインテリジェンス評価は,アルカーイダがパキスタンにある聖域から米本土への攻撃計画を活発化させていると警告している.
 アフガン政府がタリバーンの手に落ちる,もしくはアルカーイダを許すことになれば,かの国はまたもや,多数の人々を殺すテロリストの基地となる.

1.アフガンの将来は,隣国パキスタンにかかっている.
 アルカーイダのメンバーはアフガンパキスタン国境地帯の聖域に潜んでいる.
 米にとってパキスタン・アフガン国境地帯は世界でもっとも危険な地域となっている.
 これはアメリカのみの問題ではない.
 ロンドン,バリ島,パキスタン,北アフリカ,中東,イスラマバード,カブールのテロはここが発生源なのだ.
 もしアジア,欧州,アフリカの町で大規模テロが発生した場合,アフガンパキスタン国境地帯に所在するアルカーイダ幹部と彼らは密接に連携しているのだ.

1.アフガン国民にとり,タリバーン時代に逆戻りすることは,野蛮な政治,国際的孤立,経済の麻痺,基本的人権の否定をもたらし,特に女性と子供に多大な影響を与えることになる.
 タリバーン指導部と同行しているアルカーイダのテロリストが国政に復帰することは,アフガンを永久の暴力のなかに放り込むのと同じ意味をもたらす.

1.ISAF司令官のマキャナン大将の要求に基づき,17000名規模の部隊の展開命令を発令した.

1.陸軍・海兵隊部隊からなるこの部隊の規模は,アフガン南部および東部でタリバーンと戦うためのものだが,あわせて,アフガン軍の訓練と国境警備に割くだけの余裕を与える.
 これにより8月に行われる大統領選挙の治安支援を十分行える.

1,あわせてわれわれの重要な任務は,アフガン国軍の規模拡大と訓練にある.
 国防を引っ張ることのできる組織にしなければならない.

1.この3年にわたりわが軍司令官たちは,アフガン軍訓練に必要な資源を明確に示してきたが,イラク戦争のため聞き入れられることはなかった.
 しかしいまや変革すべきである.
 私はこの春から,アフガン軍・治安機関の訓練に当たらせるため,約4000名規模のわが部隊を送る.
 これはわが国が出せる最大規模の訓練支援部隊となる.
 アフガン国軍建設は急務である.
 加速しなければならない.
 2011年までに完了させる必要がある.

1.NATOの盟邦だけではなく,世界諸国に対し,アフガン・パキスタンへの新しい枠組みに参加するよう呼びかけてゆく

1.支援の内容は,アフガン総選挙支援,アフガン軍の訓練,アフガン国民に向けた民間支援である

1.この新しい枠組みは国連と手を携えて実施するもので,NATO盟邦および他の同盟国,中央アジア諸国,湾岸諸国,イラン,ロシア,インド,シナとともにあたってゆく

1.この有志連合は,アフガン政府・国民とともにアフガンで戦うためのものである.

1.これまでのアフガンでの犠牲は莫大なものとなった.
 700名以上の米国人,軍部隊を派遣している20カ国以上の国々からも多くの犠牲が出ている.
 すべてのアメリカ人は彼らを称え,ともに戦い汗を流す盟邦との友情を高らかに叫ぼうではないか.
 あわせてすべての国民は,軍人諸官に敬意を払おう.
 彼らとその家族は,自己犠牲により祖国に貢献している尊い実例なのだ.

1.アメリカはアフガンでの戦いを自ら選んだものではない.
 2001年9月11日に,何の罪もない約3000名のわが国民が殺されたのだ.
 アルカーイダとその仲間は,多くの国で数千に上る人々を殺してきた.
 彼らが手を汚した多くは,ムスリムの血である.
 自分の意に沿わないムスリムを彼らは殺してきた.
 つまり,アルカイダがパキスタンとアフガニスタンの人々に提供できるのは,機会も望みも正義も平和もない将来でしかないのだ.

 〔略〕

おきらく軍事研究会,平成21年(2009年)3月30日


 【質問】
 オバマ政権のアフガン・パキスタン戦略の課題は?

 【回答】
 米のオバマ政権は3月27日,米国の対アフガン・パキスタン戦略を明らかにし,そのなかで,今後数ヶ月以内にアフガン駐留米軍の規模を,現在の34000名から最大で21000名増加させると確約しています.

 これに関し,米上院の外交委員会は5月21日,統合参謀本部議長のムレン提督から話を聞いています.
 急速な増派について提督は,
「アフガン国軍の訓練を行いつつ脅威に対処する上で,ほぼ妥当なもの」
と述べています.

 この戦略は,最終的に決定した内容ではないとされますが,UPIによれば,キモとなるのは,数万人規模の増派部隊の兵站支援をいかにするか?だそうです.

 なかでも,
・パキスタンからの補給ルートの状態が悪化している
・2009年2月,キルギス国会が,米軍による今後のマナス空軍基地使用を認めないと可決したため,同基地に駐留していた米空軍部隊は撤退しなければならない
の2点が問題となります.

 オバマさんはこの問題をどう捌くでしょうか.

(アフガンとキルギスの位置関係
http://tinyurl.com/lxnpye

おきらく軍事研究会,平成21年(2009年)6月1日
青文字:加筆改修部分


 【質問】
米アフガン新戦略…米兵3万を来年増派,11年撤収
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091202-OYT1T00500.htm

 僅か2年で戦況が好転するのか?

JSF in mixi,2009年12月02日 12:06

 【回答】
>僅か2年で戦況が好転するのか?

 無理!(きっぱり

>駐留米軍を駆使して戦局の主導権を奪回

 パキスタン側に逃げられてしまえば,どうにもならないのではないかと.
 パキスタン軍の行動は,その内部に1割存在すると言われる過激原理主義者の内通によって相手に筒抜けですし.

>アフガン国軍・警察の育成

 給料が安く,しかも遅配が多い(汚職が多いので,予算が横取りされる)間は不可能ですし,汚職はソ連侵攻前からのアフガーンの宿痾のような問題.
 かつ,米軍基地を警備するPMCは,その10倍の給料をもらっているという矛盾.
 その上,このPMCは軍閥軍が形を変えただけの存在なので,それがまた余計に国軍を弱体化させている.
(給料の安い国軍や警察に行くくらいなら,そっちに行く.
 国軍・警察に残るのは残りカスのような役立たずだけ)

 それと,今ちょっと文献が見当たりませんが,アフガーン人の気質として,民兵だと強いが,国軍として規律の下での生活を強制されると,途端に弱兵となると言うことが,大英帝国の傀儡政権が合った時代から言われています.
 軍隊を強化するくらいなら,崩壊しかけている部族社会を立て直して,その民兵に頼ったほうが,はるかにアテになりますね.

>同盟諸国に対し,追加派兵などの貢献拡大に踏み切るよう強く要請した.

 英国でさえ二の足を踏んでいる状況で,要請に応じるような国があるとは到底思えません.
 グルジア軍とかがやってきたら,お笑いでしかない.

 今回の演説を見ると,オバマ政権にはアフ【ガ】ーニスタン問題についてのまともなブレーンがいないのではないかと思わざるをえません.
(あれだけ重視しているにも関わらず)
 ブッシュ政権にはハリルザードがいましたが,オバマには誰がアドバイザーしているのか,とても気になってきました.

消印所沢 in mixi,2009年12月03日 01:33


 【質問】
 マクリスタル司令官解任について教えてください.

 【回答】
 私は以前の日記で,日本とドイツの軍人の暴走を取り上げましたが,アメリカでも起きていました.
オバマ氏,アフガン司令官を解任 政権批判を受け:共同通信

 アフガニスタン駐留米軍のマクリスタル司令官は,2010.6.25発売の米雑誌「ローリング・ストーン」で,オバマ大統領やハイデン副大統領を批判しました.
 オバマ大統領について
「なかなか認めてくれなくてがっかりした」,
ハイデン副大統領について
「誰だい,そいつ(笑)」
という趣旨の発言をしました.
 当然,文民統制の立場から,オバマ政権はマクリスタル司令官を解任し,本国に召喚して事情聴取される事になりました.

 しかし日本でも,田母神元航空幕僚長の論文が問題になり更迭されましたし,最近では中澤一等陸佐が鳩山首相(当時)を批判するかのような訓示を述べて,配置換えさせられる事が起きていますが,このマクリスタル司令官の場合は,さすがにただの厨房にしか見えないのですが・・・.
 中澤一佐は少なくともこんな,個人攻撃紛いの事は言いませんでした.

 まあ,調子に乗って口を滑らしたんでしょうね.
 これからは軍人(自衛官)のインタビューには,広報担当士官が付き添いさせるべきでしょう.
 軍人(自衛官)は心の中ではそう思っていても,口に出してはいけませんし,何よりそう思うべきではありません.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年06月24日19:26
青文字:加筆改修部分

▼ マクリスタル大将更迭を受けてゲイツ国防長官は同日,後任として,米中央集団司令官のぺトレイアス大将を指名しました.

 マクリスタル大将は特殊作戦畑の長い人で,特殊戦のプロとされます.
 特殊作戦集団司令官時の,イラク治安戦における「ザルカウィ殺害」で高名です.
http://tinyurl.com/28v8a4d
http://www.cfr.org/publication/19396/biography_of_general_stanley_mcchrystal.html

⇒ これもまあ,文民統制の発露なのでしょうが,現地指揮官の意見具申を容れることのできない国家最高指導部の,器量の小ささを強く感じます.
 前の政権もシンセキ大将の意見具申を聞かずに,準備不十分なままイラク戦をはじめ,結果大将の見通しどおりとなりましたね.
 「イラクの失敗をアフガンで繰り返す」という道をたどるのでしょうか.

 言論の自由が錦の御旗の国では,政治指導部の軍事認識のゆるさは,古今東西永遠に解決しない問題なのかもしれませんね.
 なんとなくわかる気がします.

 この件についてはこのご意見も,参考になると思います.
http://blog.livedoor.jp/takami_neko_shu0515/archives/65289930.html

 以下余談です.
 書きながらふと思い起こしたのが,ずいぶん前にteruteruさんから伺った
「米軍は白兵戦に弱い」
という言葉と,堀栄三さんの本にあった
「米軍は山が苦手」
という言葉でした.
 この種の箴言に近い言葉は,なかなか身になりませんけれど,時間を味方につけると,身体に染み付くようです.

おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)6月28日(月)


 【質問】
 ぺトレイアス大将の「アフ【ガ】ーン2000人増派」案について教えてください.

 【回答】
 アフ【ガ】ーン駐留米軍司令官のぺトレイアス陸軍大将が,ISAF(国際治安支援集団)を指揮するNATOに対し,「最大で2千名規模の増派」を提案していることが2010.9.6に明らかになっています.
 うち750名は,IEDに対処する能力向上を図るため,アフ【ガ】ーン部隊の訓練要員に充てるそうです.

⇒ 米を除くNATO諸国からの増派は,内政事情などからみてどうなるかわからず,IED対処に必要な装備を持っているのは事実上米のみであるため,増派は米が中心になりそうです.

おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)9月13日(月)


 【質問】
 米軍の,アフ【ガ】ーンからの撤収計画は,どんなものですか?

 【回答】
 2011.06.22,米のオバマ大統領はホワイトハウスで国民に対し,アフガン駐留米軍の撤収計画を発表した.
 アフガン駐留米軍司令官や統合参謀本部議長など,軍からの助言よりも期間を早めた内容.

 2009年に増派を命じた33000名の撤収完了時期を,2012年夏と設定し,うち1万人を今年末までに撤収させるとしている.
 アフガンでは,来月中に国内の7つの地域で,ISAFからアフガン政府への治安権限移譲が始まる.
 今後であるが,オバマ大統領が一方的にアフガンから手を引くか,撤収には慎重な姿勢を取るかのいずれかとなる.

 イラクに続き,アフガニスタンでの対テロ戦争からも米が手を引いたことは,ブッシュ前政権が2001年の同時テロ以降展開した積極的な対外関与(民主主義を拡大する無制限な関与)主義との決別を告げるという意味で,歴史的転換点となった.
 これからの米は,リビアのように選択的関与をとってゆくということになるであろう.

⇒ 軍からは次のような指摘が出ています.

「われわれの助言内容より期間を短縮した,より積極的な決定だ.
 両者の違いは小さい」
(アフガン駐留米軍司令官で次期中央情報庁(CIA)長官に指名されているペトレイアス陸軍大将 2011.06.23上院情報特別委員会での証言).

「私が事前に助言した内容より積極的で,リスクをはらむが,大統領の決心を支持する」
(統合参謀本部議長 マレン海軍大将 2011.06.23下院軍事委員会での証言)

 いずれにせよ,これでアフガンは終わりです.
 アフガンを核に,中東は混乱の巷となります.
 中東各地で起きつつある反政府暴動の主因は,各国の勢力圏拡大に向けた動きに直結する,「米軍プレゼンスの中東からの後退」にあったということです.
 トルコ・シリア国境の緊張も高まっています.

 米は内向き志向のモンロー主義へと,回帰しつつあると思われます.
 わが国としては米を,アジアから引き離すことのないよう,日米同盟の実を上げるため必要なことを,すべて実行する決心に迫られていると思います.
 専守防衛イデオロギーの破棄,集団的自衛権行使の明言などです.

おきらく軍事研究会,2011年6月27日 月曜日 午前8:00
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 カンダハル米兵銃乱射事件とは?

 【回答】
 2012.3.11,カンダハル州にて発生した,駐留米軍の兵士が民家に侵入し,住民を次々射殺した事件.[2]
 AFPによれば,米兵は早朝に基地を出て,銃を乱射したという.[1]
 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)などによれば, 事件は午前2時ごろ,同州西部のパンジワイ地区で発生した.[4]
 軍曹は基地を抜け出し,1.6km以上離れた集落まで歩き,11日未明[3],民家3軒に次々と侵入.[3][4]
 暗視ゴーグルを着用し,就寝中の子どもや女性を含む16人を殺害したという.[3]
 兵士は酒に酔った状態で笑いながら犯行に及んだとの証言があるほか,子どもを殺害されたという男性は,兵士が薬品を遺体に付け,火を放ったと語った.[4]
 アグハ・ララは,米兵の様子について
「彼らは笑っていた.普通の状態ではなく,酔っているように見えた」
 と証言.
「これが米国人が言う支援部隊なのか.彼らは野獣で人間性のかけらもない.
 ターリバーンの方がまだましだ」と非難した.[4]
 一部の遺体を焼いたとの情報もある.[3]

 ISAFは声明を出し,この米兵を拘束したことを発表した.[1]
 ISAF広報官は,拘束された米兵は歩いて基地に戻ってきたと明らかにした.[4]

▼ 彼はその後,米中西部カンザス州の基地内の施設に移されたが,彼と面会した弁護人ジョン・ヘンリー・ブラウンは記者団に対し,兵士は
「事件が起きた夜について何も覚えていない」
とし,彼は混乱しているようだったと語った.[6][9]▲

▼ 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は15日,彼が飲酒とストレスで「切れた」とする軍高官の発言を紹介.[7]
 弁護人は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を主張している.[7[8]▲

▼ ブラウン弁護人は16日,ベイルズがTBIとPTSDの二重の治療を受けていたということを明かした.
 弁護人によれば,「2010年に爆弾攻撃による車両横転事故に遭って,TBIを受傷」しているという.
 また,派兵経験全体としてPTSDの症状も見られるために,そちらの治療も受けていたという.
 さらに,最初の方のイラク派兵の際には,下肢に受傷して「切断治療」も受けているという.

 TBI(トラウマティック・ブレーン・インジャリー=外傷性脳損傷)とは,映画『ハート・ロッカー』で有名になったもので,頭蓋骨陥没など,目に見える脳の外傷の他,道路脇の爆弾テロなどによって,「音速を越える」という爆風に兵士が晒された際,比重の重いもので防御していても,衝撃波は伝播して,脳内の神経系統を麻痺させるというケースも指す.
 外見からは分からないが,脳には明らかに異常が起きており,場合によってはCTのイメージなどで損傷が分かるケースもある.
 医学的には,まだ完全にメカニズムが解明されたわけではない.
 だが,後者はイラク戦争以降,問題視されてきている.
 TBIへの対策や症状の認知は遅れていたが,ここ数年は患者や家族の運動の成果もあって,軍や社会での認知は進んでいるという.[11]▲

▼ 一方,21日付の国際紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンは,
「軍は兵士個人の問題としたいだろうが,そうではない」
とする精神科医の発言を引用.
 11年間に及ぶ「長い戦争」で軍全体が疲弊し,兵士の精神衛生の管理が十分できていない点も指摘している.[7]▲

▼ 事件当初には,犯人が所属していた,米本土ワシントン州にある「ルイス=マコート連合基地」が,事件のカギを握っているのではないかと言う指摘もあった.
 『シアトル・タイムス』などの地元メディアによれば,この基地に在籍している兵士が,DVや自殺,あるいは一般市民を巻き込んだ乱射事件など度重なる不祥事を起こしているという.[10]▲

 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると,乱射犯は38歳の米陸軍2等軍曹ロバート・ベイルズで,陸軍に11年間在職.[3][4]
 妻と2人の子どもがいるという.[3]
(ロイターによれば,子供は3人)[4]

 国防総省によると,軍曹はイラク戦争に3回の派遣経験があるが,アフ【ガ】ーンは初めてだった.[3]

▼ 21日付の国際紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンによると,軍曹は米中枢同時テロ直後の2001年11月,金融関係の仕事を辞め,陸軍に入隊.
 02年には婦女暴行事件を起こしたが,その後,インターネットで知り合った女性と結婚,1男1女をもうけた.
 当時,飲酒癖はなかった.
 最初のイラク派遣は03年11月から1年間.
 2度目の06年6月〜07年9月の派遣時は,反米テロが激しく,軍曹も頭と足を負傷したという.
 09年8月に3度目の派遣を終えて以降,募兵係への転換を希望していたが,アフ【ガ】ーンへの派遣が決まった.
 金銭的に苦しく,自宅の売却を検討していた.
 事件前には同僚が地雷で足を失うのを目撃.事件前日に妻に「つらい」と漏らしていたという.[7]▲

 米国防総省のリトル報道官は12日,記者団に対し,現段階の調査では,乱射事件に関与した米兵は1人だったと述べ,単独犯との見方を示した.[3]
 一方,現場周辺の住民や犠牲者の親族によると,複数の米兵が民家に次々と侵入し,銃を乱射したという.[4]
 父親と姉妹1人を殺害されたというジャン・アグハ(20)は,「複数の」米兵が事件に関与していると証言.
 アグハによると,父親はカーテンの合間から外の様子を見ていたところ,突然喉と顔を撃たれ即死.
 その後,複数の米兵が自宅に侵入してきたという.
 米兵が自宅にとどまっている間,アグハは床に寝そべり,死んだふりをしていたという.[4]

 カルザイ大統領は声明で,この事件で16人が死亡,5人が負傷したと発表した.
 死者のうち9人は子どもで,3人が女性だったという.[2]

 オバマ大統領は事件を非難しつつも,
「撤退時期の繰上げは考えていない」
旨を表明したが,本事件で米軍駐留のレジティマシー(正当性)はほぼ失われたといって良く,撤退時期が早まる可能性は決して低くない.

 【参考ページ】
[1]産経新聞,2012年3月11日(日)21時17分(ニューデリー 田北真樹子)
[2]読売新聞,2012年3月11日(日)18時14分【ニューデリー=新居益】
[3]時事通信,2012年3月13日(火)7時40分
[4]ロイター,2012年3月12日(月)7時47分
[5]時事通信,2012年3月12日(月)7時53分
[6]ロイター,2012年3月20日(火)13時50分
[7]産経新聞,2012年3月22日(木)7時55分(田中靖人)
[8]時事通信,2012年3月23日(金)9時35分
[9]ロイター,2012年3月23日(金)11時18分
[10]村上龍 Japan Mail Media,2012年3月19日(月)15時47分(冷泉彰彦)
[11]村上龍 Japan Mail Media,2012年3月19日(月)15時51分(冷泉彰彦)

 【関連リンク】
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/03/12)アフガニスタン  駐留米軍兵士が子供を含む住民16名を射殺 繰り返される戦場の狂気

ロバート・ベイルズ(左)
(こちらより引用)

事件後,基地入口を警戒する米兵
“flickr”より By DTN News http://www.flickr.com/photos/dtnnews/6828873946/


目次へ

「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ   サイト・マップへ

軍事板FAQ
軍事FAQ
軍板FAQ
軍事まとめ