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「BBC」◆(2010/09/17)Sri Lanka ex-army chief Sarath Fonseka 'found guilty'
「Outlook」●(2012/10/15)India, Lanka Hold
Talks on Nuke Cooperation
スリランカとインドが次官級で原子力平和利用を協議
「Sunday Times」●(2012/02/05) Norochcholai
shut down triggers loss
スリランカの中国の石炭火力が旅重なる故障で停電
「VOR」◆(2012/08/07)スリランカ当局 密漁の疑いで中国漁船員37人を拘束
「人民網」◇(2012/08/07)スリランカ海軍に拘束された中国人船員が全員釈放
「VOR」◆(2012/11/10) スリランカの監獄での騒乱,犠牲者27人にのぼる
「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/03/30)スリランカ 内戦終結から3年 復興をアピールする政府 中国・インドの援助競争
「スパイ&テロ」◆(2009/05/18) タミル・タイガー「プラバカラン議長」とは何者だったか
「地政学を英国で学ぶ」◆(2010-02-12)スリランカ政府の「手段」と「目的」
【質問】
スリランカへの中国の進出ぶりは,どのようなものか?
【回答】
『フォーサイト』2008年8月号によれば,スリランカ南海岸の小さな港町ハンバントタで,中国輸出入銀行から十億ドルの融資を受けて港湾整備が開始されたり,スリランカ北部マナー地方で石油の掘削を始めたり,武器や軍事訓練の提供を申し出るなど,スリランカへの関与の度合いを強めているという.
これに対し,インドは神経を尖らせており,ナラヤナン国家安全保障顧問の率いるインド政府代表団が突如スリランカを訪問したり,アフリカのモザンビークとマダガスカルに中国艦艇の動きを監視するための通信傍受施設を置いたり,中国と国境を接するカシミール地方に空軍基地を再開するなど,「中国包囲網」とも見える動きを活性化させているという.
インドはすでに,中国の北のモンゴルに宇宙観測施設を,西北のカザフスタンには空軍基地を持っている.
こうした各国の動きは,エネルギー輸送ルートとしてのインド洋の重要性に鑑みてのことであり,今後もスリランカをめぐる駆け引きは続くに違いない,と述べられている.
詳しくは同誌を参照されたし.
【質問】
スリランカ紛争とは?
【回答】
http://www.mirai-city.org/ithink/kokusai/indiahis.html
によれば,スリランカでは独立以来,多数民族のシンハラ人(仏教徒が多い)と少数民族のタミル人(ヒンディー教徒が多い)との対立が続いていたという.
シンハラ人の政権がシンハラ唯一政策を掲げ,シンハラ語を公用語にしようとすると,タミル・イーラム解放の虎(LTTE)などのタミル人過激派との武力紛争が激化したという.
事態を重く見たインド政府は,スリランカ政府と和平協定を結び,スリランカへインド平和維持軍を派遣したが,インド平和維持軍はLTTEと全面的な戦闘に突入し,1990年までにスリランカから撤退することになった,と述べられている.
詳しくは同ページを参照されたし.
【質問】
スリランカ内戦が起こったのは何故か?
【回答】
シンハラ人ナショナリズムが過度に高揚したためだという.
以下引用.
シンハラ人社会内部の政治は,1950年代初めから競争が激しく,そして民主的になった.
1956年にはスリランカ自由党(SLFP)が,特にシンハラ語を唯一の公用語にするよう呼びかけるなど,シンハラ人のナショナリズムに訴える綱領を掲げ,選挙で勝利を収めた.
しかし,これがタミル人側の世論を急進化させたのも当然だった.
SLFPの政策は,議会でのタミル人の抗議の他にも,タミル人を標的にした虐殺や,大衆の民族主義的な票を巡る,シンハラ人の2党間の競争を招いた.
SLFPの党首,S.W.R.D.バンダラナイケがタミル人との対立を緩和しようとしたところ,自陣営の過激な民族主義者に暗殺された.
その後,統一国民党も1965年の総選挙で勝利を収めて以来,タミル人との「暫定協定」を回復しようとしたものの,シンハラ人による暴動や抗議で諦めざるを得なかった.
1976年にはタミル人の武装抵抗運動組織「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)が結成された.
1980年代初頭までに,タミル人のテロ行為に対して,圧倒的にシンハラ人が多数を占めるスリランカ軍が,テロに匹敵するほどの残虐な方法で応じたため,ゲリラ戦が勃発し,1987年から93年までにスリランカ北東部だけで4万人が死亡した.
Dominic Lieven著「帝国の興亡」(日本経済新聞社,2002/12/16)下巻,p.284-285
【質問】
シンハラ人のナショナリズムが高まったのは何故か?
【回答】
シンハラ人の民族主義者にしてみれば,自分達はヒンドゥー教が支配的な地位を占めている地域で脅威に晒されている少数派だと見なしていたため.
知識人・僧侶が,そのような見解を煽ったのだという.
以下引用.
インドあるいはビルマに比べ,セイロン(スリランカ)における脱植民地化は,遥かに平和的で秩序に則ったものだった.共同体間の暴力沙汰もなければ,僅かな分割の動きも,強烈な独立運動さえもなかった.
セイロンは独立後,8年間に渡って統一国民党を支配したシンハラ人エリートによって運営され,島の北部に住むタミル人との間で「暫定協定」を結んだ.
この時期,セイロン内部の人口構成は,タミル人2人に対し,シンハラ人は7人ほどで,タミル人の伝統的な中心地は,島の北部にあった.
ヨーロッパがセイロンに到着するまで,セイロンには3つの王国があり,北の1つがタミル人の王国で,残り2つがシンハラ人の王国だった.
最終的に島は1815年,イギリスによって統一された.
独立に際し,タミル人がシンハラ人の支配を恐れたのも尤もだった.
シンハラ人の中には,島が自分達のものであると改めて主張すべき時が来たと感じている者も多かった.
シンハラ人はまた,イギリス人は,人口の割に不釣合いなほど多数のタミル人を政府の役職に登用し,さらにタミル人は中産階級の仕事や高等教育でも贔屓されていると信じていたが,これもあながち間違いではなかった.
実際,1969年時点でも,タミル人は大学医学部の半数,工学部ではそれより若干少ない程度の学生を抱えていた.39
19世紀以降,シンハラ人の仏教学者は一段と,島全体がシンハラ人だけのものであると強調するようになっていった.殆どのタミル人が数世紀に渡ってセイロンに住んできた事実があるにも関わらず,タミル人は「新参者」「入植者」等とレッテルを貼られたのだ.
アイルランドからボヘミア,キプロス,フィジーに至るまで,これは民族主義的「知識人」にとって馴染み深いテーマであり,その中にはチェコスロバキア初代大統領,トマシュ・マサリクのように,教養があり,洞察力も高い人物もいた.40
セイロンは,住民の大多数が上座部仏教に帰依するという独特な国であったが,僧侶達はシンハラ人の民族意識と分化,および上座部仏教徒その聖地であるセイロン全島が渾然一体になっていると強調した.
例えタミル人がシンハラ人の支配を恐れていたとしても,シンハラ人の民族主義者にしてみれば,自分達はヒンドゥー教が支配的な地位を占めている地域で脅威に晒されている少数派だと見なしていたのだった.
39 Ishtiaq Ahmed, State, Nation and Ethnicity, p.253は,1969年当時,タミル人がそれぞれ医学生の50%,工学部の学生の48.3%を占めていたと指摘している.
1988年までに,植民地での雇用パターンは完全に逆転した.つまり,シンハラ人は人口の74%だったが,政府の役職の85%を独占した.
本書でのスリランカに関する議論は,中でもアフマドの優れた著作に依拠している.
40 トマシュ・マサリクも1918年にチェコスロバキアに帰還した際,ズデーテン地方のドイツ人は「移住者であり,入植者である」と述べた.Wiskemann, Czechs and Germans, p.123.ドイツ人はズデーテン地方に数世紀に渡って生活してきたにも関わらずである.
Dominic Lieven著「帝国の興亡」(日本経済新聞社,2002/12/16)下巻,p.283-284
【質問】
スリランカのイスラーム教徒が「民族浄化」に遭っている,というのは本当か?
【回答】
アルジャジーラによれば,それに近い状況だという.
2006年,「スリランカ東部トリンコマリー県南方ムットルでの水路をめぐる争い」から政府軍とLTTEとの間で内戦が再燃しているが,
「その中で同衝突のあおりを受け,厳しい状況に投げ込まれているのが,ムットル地区に住むイスラム教徒約6万人だ」(2006年08月20日18時10分,アルジャジーラ)
という.
「スリランカの非政府組織(NGO)「文化振興に向けたイスラム基金」のアブドル・ムジェーブさんは〔略〕
『イスラム教徒の難民たちは政府軍とLTTEとの交戦地帯を徒歩で避難している』」
と述べ,また,その避難の途中,LTTEによる襲撃や処刑を彼らは受けているという.
ムットルを逃げ出してきたイスラム教徒の避難民たちは,政府軍およびLTTE支配地域を逃げてくる際の惨状を語る.
14歳の少年フェドゥラさん(仮名)は
「LTTEは避難時の安全を保障すると言った.だから,ムットルを出て歩き始めた.その直後,LTTEがわれわれ避難民全員を広場に連れ出し,女性と男性を分けた.LTTEは若い男性を連れて行った.中には手を縛られた男性もいた.1人が逃亡を図り,足を撃たれた.LTTEはこの男性をわれわれの前に引き出し,射殺した」
と話した.
この類の話はどこのキャンプにでもある.
ムットルの大工,アブドラ・サラムさんは
「LTTEは『地雷が敷設されているので道路沿いには避難できない』と脅した上で,LTTE支配下の村づたいに行けば安全に避難できると言った.
LTTEの村に入ったら,若者ばかりが連れて行かれ,二度と姿を見ることはなかった.
何が起きたのかは分からないが,そこら中に死体が散乱していた.本当に恐ろしいことだ」
とおびえながら話していた.
主婦のサイルス・ウムメさんによると,
「覆面をした男たちが現れ,われわれの仲間の男性たちを連行して行った.LTTEはどうして,安全だとうそをつくのか」
と泣き崩れた.
さらにフェドゥラさんは
「LTTEがわれわれに最後の望みは何かと聞いたので,祈りをしたいと告げた.
その時に政府軍の砲撃を受け,LTTEメンバーは逃走し,われわれも走って逃げた.何人かは撃たれたが,ほとんどは逃げ切れた」
と,間一髪の危機を脱した際の状況を話した.
LTTEがイスラム教徒避難民のうち若い男性をどこかに連れて行ってしまうという話は,あっという間にイスラム教徒たちに広がった.
イスラム系人権組織のメンバー,マファズ・ニジャムさんは
「これは,イスラム教徒社会にあらかじめ的を絞った行為だ.
今回の事態が起きる前,LTTEは『ここはタミル人の土地.イスラム教徒は出て行け』と言っていた.
LTTEはイスラム教徒を追い出し,この土地を支配しようとしているのだ」
との見方を示した.
政府軍とLTTEとの交戦地帯となっているトリンコマリー県にはイスラム教徒,ヒンドゥー教のタミル人そして仏教徒のシンハラ人が混在して住んでいる.
国際赤十字社の関係者は,
「この地域はまさに民族・宗教のモザイク地区で,同時に政府とLTTEの支配区が入り組んでもいる.紛争の発火点にはこと欠かない.停戦は紙の上だけのこと」
と話す.
〔略〕
児童を対象とするNGO「CCF」で働くマルク・ノスバックさんは
「〔略〕 逃げて来る途中で,LTTEの検問所で振るい落とされる人の話も聞きます」
と語った.
こうした情報はキャンプにたどり着いた難民たちによって確認されている.ムッタルから逃げ出すには,難民たちは政府軍とLTTEの支配地域を通らねばならない.
14歳のフェドゥラさんは,まだ交戦地域にいる家族たちが報復されるのを恐れて本名を隠しながら,
「LTTEは私たちに安全だと言いました.それでムッタルから農村を歩いて来ると,LTTEが私たちを空き地に連れて行き,男と女に分けたのです」
と話した.
ハジーンさんが話を引き取って,
「それからLTTEは若い男たちを全員連れ去り,中には手を縛られた人もいました.逃げようとした男がいて,足を撃たれました.それから男を私たちの所へ引っ張って来て,目の前で撃ち殺したのです」
と語る.二人はムッタルのアラビア・カレッジ地区からずっと歩いてキャンプにたどり着いたのだ.
同じような話がどんどん出てきた.
アブドラー・サラムさんはムッタルの大工だが,
「LTTEはムッタルからの道路は地雷が埋まっているので使えないと言いました.自分たちが支配している村落を通っていく方が安全だと言うのです.
しかし村に着いてみると,難民の列から,若い男ばかり数百人を引き出しました.
それきり男たちを見ていません.
何が起きたのかわかりませんが,こうした村の回りにでは,どこにも死体が転がっているので脅えました」
と話した.
ムッタルからペアラトウエリに来た主婦のサイルス・ウムさんは
「覆面をした男たちが,誰を列の中から引き出すのか,指を差しました.
どうしてウソをつくのでしょうか.どうして,そっちの方が安全だって言ったのでしょう」
と言った.
フェドゥラさんは
「LTTEは私たちに最後の願いを言わせました.私たちはお祈りをしたいと言ったのです.
すると砲弾が落下し始め,タミール・タイガーは逃げ出し始めました.
私たちも逃げました.撃たれた人もいましたが,ほとんどが逃れました.
でも,他の人たちはどうなったでしょうか.戻って死体を発見するのか,それとも何が起きたか知るのか,どっちでしょう」
と言う.
こうした殺害の話は広く伝わっている.イスラム教徒の支援要員たちは何があったかについて疑わない.
スリランカのイスラム教徒財団,ジャマーテ・イスラミの支援活動幹部,マフェズ・ニジャムさんは
「それはあらかじめ計画されたイスラム教徒の共同体に対する攻撃なのです.
こうしたことが起きる前,LTTEはイスラム教徒の村に来て,ここはタミール人の領域だから,イスラム教徒は立ち去れという掲示を出しました.
土地を自分たちの物にしようとして,イスラム教徒を追い出すのです」
と語った.
最近,戦闘が起きた地域はイスラム教徒,ヒンズー教徒がほとんどのタミール人,仏教徒が主体のシンハリ人が住んでいる.
LTTEに対する支援はヒンズー教徒のタミール人から集まっているが,彼らも戦闘の被害を受けている.
〔略〕
LTTEはイスラム教徒の追放については否定している.
LTTEのスポークスマン役は匿名を条件にして,
「われわれは現地で政府軍の攻撃から守ること申し出ています.
これもやはり,政府軍がかつて使った汚い戦争の戦術の一種で,自分たちがやったことをLTTEにかぶせようとしているのです」
と述べた.
〔略〕
(翻訳・ベリタ通信=日比野孟)
ちなみに,LTTEは,これは政府軍がやったことだ,と反論している.
これに対しLTTEのスポークスマンはアルジャジーラの取材に対し,イスラム教徒排除を否定した上で,
「イスラム教徒を政府軍の攻撃から守っているのはわれわれだ.
政府軍が汚い手口を使っている.これまでと同様,自分たちでやった悪いことを全部LTTEの責任に押し付けているのだ」
と反論している.
しかしLTTEは,1990年代にも同様の行為を行っていることから,イスラーム教徒はLTTEに不信感を抱いている.
イスラム教徒たちは1990年代初め,LTTEがその支配地,スリランカ北部ジャフナ半島で今回と同じことを行ったのを忘れてはいない.
ニジャムさんは
「LTTEが今やっていることは,ジャフナ半島でやったことと全く同じ.
ジャフナ半島の居住地を追われたイスラム教徒が,今,どこで暮らしているかを知っているか.難民キャンプに逃れ,いまだに同じ難民キャンプ暮らしを続けているのだ」
とため息をついた.
もしこれで,「ジハード」を掲げた過激原理主義勢力が乱入すると,さらに混沌とすることが懸念される.
【質問】
ワンニ打通作戦(仮称)とは?
【回答】
2008年4月からスリランカ政府軍によって行われた,LTTE(タミル・イーラム解放の虎)掃討作戦.
スリランカ軍はLTTEの拠点がある北部ワンニ地域のキリノッチに向かうため,ジャフナ半島とスリランカ本土の間に位置する要衝ムハマライの防衛線を突破.
そこから南方に進んでワンニ地域3カ所目の前線を開き,キリノッチに到達する計画だった.
だが23日,LTTEの戦闘員は塹壕(ざんごう)に隠れて撤退したように見せかけ,政府軍戦車を待ち伏せて反撃.
スリランカ軍関係筋がCNNに語ったところによれば,戦死者100人以上,負傷者400人近くに達したという.
【参考ページ】
2008/4/24付,CNN
【質問】
LTTEの海上戦力はどのような規模,装備なのでしょう?
【回答】
あまり新しくない情報だがスリランカ海軍の規模や練度
http://reference.allrefer.com/country-guide-study/sri-lanka/sri-lanka166.html
この程度の戦力によって50隻(というのは多少割り引いて勘定すべきだろうが)も沈められているということで,おのずと想像がつく.
おそらくは漁船やボートに武装した兵士を載せたもの.
【参考動画】
「ワレYouTube発見セリ」:スリランカ海軍,水面下のテロリストとの戦闘
【質問】
トリンコマリー軍港自爆テロ事件とは?
【回答】
2006/1/7未明,トリマンコマリー軍港近くで海軍警備艇2隻が自爆テロに遭い,沈没した事件.13人行方不明.
LTTEによる犯行と見られている.
以下引用.
スリランカで反政府勢力と思われる自爆攻撃,13人が不明
[コロンボ 7日 ロイター] スリランカ東部トリンコマリー軍港の近くで7日未明,反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」によるものと思われる自爆攻撃を受け,海軍の警備艇が沈没,15人のうち13人が行方不明となっている.海軍が明らかにした.
2人は近くにいた漁師らに救出された.海軍は行方不明者の捜索を続けている.
軍関係者によると,生存者の1人は,LTTEの船が警備艇に衝突して爆発し,2隻とも破壊されたと話しているという.
当局者は,日の出後にトリンコマリー周辺で捜索したが,いずれの船の破片も見つからなかったとしている.
海軍のスポークスマンは
「LTTEによる自爆攻撃だと確信している」
と述べた.
LTTEからはコメントが取れていない.
LTTEは常に,軍に対する攻撃への関与を否定しているが,アナリストや政府はこれを疑問視している.
【質問】
フォンセカ中将暗殺未遂事件とは?
【回答】
2006/4/25,スリランカの都市コロンボで,陸軍トップのフォンセカ中将を狙った自爆テロ.中将は重体,計8名が死亡しています.
タミル人分離独立派武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)の犯行と見られます.
これを受け軍は北東部のトリンコマリーにあるLTTE支配地域に空爆等攻撃をかけています.
犯人は妊婦を装った女性で,厳戒態勢が敷かれていた軍施設内に進入,フォルセカ中将が乗った車列の前に飛び出して自爆したそうです.
停戦合意が発効し,スリランカは停戦状態になっているはずなのですが,当事者にとっては何の拘束力もないようです.
この2日前にスリランカ軍は,シンハラ人農民が虐殺されたことでLTTEを非難,
また,LTTEからの攻撃に対する反撃で2名を殺害したと発表していました.
【質問】
アヌラーダブラ・バス爆破テロ事件とは?
【回答】
2006/6/15朝,スリランカ中部アヌラーダプラ県で民間バスが地雷に触れ爆発した事件.
58人死亡,45人負傷.
LETTEの犯行だとして,政府軍は報復攻撃をしたという.
以下引用.
<スリランカ>バスが地雷に触れ爆発,乗客58人死亡
スリランカ中部アヌラーダプラ県で15日朝,地元住民を乗せた民間バスが地雷に触れ爆発.同国政府軍報道官によると,少なくとも乗客58人が死亡し45人が負傷した.
政府は少数派タミル人武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)によるテロ攻撃だとして,LTTEの陣地に対する報復攻撃を実施した模様だ.
【質問】
マンナール沖海上テロとは?
【回答】
2006/6/17,スリランカ北西部マンナール沖で,海軍とLTTEの船が交戦,LETTE船8隻が沈められ,40人以上が死亡または行方不明となった事件.
以下引用.
海上で戦闘40人以上死亡 スリランカ北西部沖
【ニューデリー17日共同】スリランカ政府軍などによると,同国北西部マンナール沖で17日,海軍と反政府武装組織タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)の船が戦闘となり,政府軍報道官はLTTEの船8隻を沈没させたと述べた.
ロイター通信によると,40人以上が死亡,または行方不明となった.
15日に中部アヌラダプラ県で女性や子どもを含む64人が死亡したバス爆破テロを受け,政府軍がLTTE支配地域を2日間にわたって報復空爆.戦闘は今回,海上に拡大し,危機的状況は一層悪化している.
報道官によると,LTTEの船数隻が海軍艇を攻撃,海軍の反撃でLTTE側の計8隻が沈没した.海軍側も3隻に被害が出たとの情報もある.
今回はLTTEの損害が大きいようだが,1月にもトマンコマリー軍港を攻撃しているし,そら,2度も同じことをすれば,手痛い反撃を受けるわな.
【質問】
クラトゥンガ陸軍参謀次長暗殺事件とは?
【回答】
2006/6/26,コロンボ郊外でクラトゥンガ陸軍参謀次長が,自爆オートバイによるテロにより死亡した事件.
他に3人死亡.
LTTEの犯行と見られる.
以下引用.
スリランカ陸軍幹部が爆死
AP通信によると,スリランカのコロンボ郊外で26日,陸軍ナンバー3のクラトゥンガ参謀次長らが乗った車両に,爆弾を積んだオートバイが突っ込んで爆発,参謀次長ら4人が死亡した.
政府は,タミル人武装勢力,タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)による自爆攻撃とみて,報復攻撃など対応を検討している.
〔略〕(シンガポール藤本欣也)
⇒明石康さんが責任者として行なわれてきたスリランカ和平ですが,もはや完全に崩壊したようです.
「仮想敵国の設定や脅威見積りは,せいぜい4〜5年先(中期の将来)までが限界で,20年先(長期の将来)の脅威を具体的に特定して見積もることは不可能」
(松村劭 元陸将補)
【質問】
スリランカ軍バス爆破テロ事件とは?
【回答】
2006/7/31夜,スリランカ北東部で軍のバスがIEDで爆破され,19人が死亡した事件.
LTTEの犯行と見られる.
以下引用.
スリランカ軍のバス,地雷で爆発19人死亡…テロか
【ニューデリー=永田和男】AFP通信によると,スリランカ北東部で31日夜(日本時間1日未明),国軍兵士を乗せたバスが路上に仕掛けられた地雷に触れ爆発し,乗っていた兵士19人が死亡,2人が重傷を負った.
国軍は,タミル人武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」によるテロ攻撃と見ている.
スリランカ北東部トリンコマリー周辺では31日,国軍と解放のトラの激しい戦闘が起きており,バスに乗っていた兵士らは解放のトラ側に包囲された国軍部隊の支援に急行する途中だった.
【質問】
人道援助団体活動員虐殺事件とは?
【回答】
国際人道救援団体「アクション・コントラ・ラ・フェイム(ACLF)」の地元活動家17人が殺害された事件.
2006年8月4日,スリランカ北東部の町ムッタルで発生.
政府軍とLTTEは互いに相手を犯人呼ばわりし,非難し合っているが,真相は杳として知れない.
北欧諸国の停戦監視団は政府軍による犯行としているが,今後の検死によっても真相が明らかになる可能性は高くない.
以下引用.
以下引用.
スリランカ軍が救援団体の現地活動員17人を虐殺 停戦監視団(SLMM)が非難
【アルジャジーラ特約30日】北欧諸国が派遣している「スリランカ停戦監視団(SLMM)」は30日,声明を発表して,スリランカ政府軍が8月,国際人道救援団体「アクション・コントラ・ラ・フェイム(ACLF)」の地元活動家17人を殺害したと述べた.
同声明は「SLMMは,これまで取得した証拠に基づき,政府治安部隊以外の武装集団が(殺害)行為の背後にいたという事実をあり得ないと確信する」と述べている.
この報道に対し,スリランカ軍部スポークスマン,プラサド・サマラシンゲ准将はアルジャジーラに対して,国防省と監察総監によって調査が続けられているとして,「調査が進行中なのでコメントはできない」と語った.
殺害事件はスリランカ北東部の町で,政府軍とタミール人解放勢力の「タミール・イーラム解放の虎(LTTE)」が交戦したムッタルで発生,タミール人一人を含む犠牲者全員は「ACLF」の事務所内でうつ伏せになり,銃創を受けて死んでいるのが発見された.全員が「ACLF」のTシャツを着ていて,所属が確認された.
SLMMは,当時,ムッタルには他の武装勢力がいなかったと結論し,同地域でのSLMMの活動が制限されていたため,殺害事件を隠ぺいしようとしたと政府軍を非難した.
同声明は「この見方に矛盾する証拠はなく,スリランカの治安部隊が事件に広範かつ全面的に責任があるはずである」と述べた.
SLMMはまた,6月に70人前後を殺害した民間のバスに対する飛散型地雷の攻撃はLTTEの停戦違反であると判定する一方,政府軍も4月以降,同じような攻撃を連続的に行っていると非難した.
LTTEは,欧州連合(EU)がLTTEをテロリスト団体と指定した後,すべての欧州の監視要員は9月1日までにセイロン島を離れよという警告を発したが,その最終期限が迫るのに先立ち,SLMMは「監視団は引き続きデンマーク,フィンランド,スゥーデン人の監視員引き揚げの準備を進めている」と声明,「今週中に8人の監視要員が出国し,さらに22人が数日中に出国する予定である.残るのはアイスランドとノルウェーの監視要員20人のみとなる」と述べた.ノルウェーはEUの加盟国ではない.
同声明はまた,アイスランド,ノルウェー両国政府ができるだけ速やかに監視要員を30人に増員すると述べた.
〔略〕
政府軍はトリンコマリー市を防衛するため,引き続きジャフィナ半島部での攻勢作戦を行っている.
軍報道官は「部隊は(トリンコマレ港の南端の)サンプールに向かって進撃中.今次作戦の主要目的は同地点を占領して,トリンコマリー港と近くの民間地域を確保することである」と述べた.
この内戦で,少なくとも6万5000人が死亡,最大20万人が居住地を追われた.
(翻訳・ベリタ通信=日比野孟)
一般市民が犠牲になっても,政府軍とLTTEは互いに相手を非難し合い,どちらに責任があるのかは,いつも不明なままだ.〔略〕
その象徴が今年8月4日,フランス系の援助団体で働いていたスリランカ人17人が虐殺された事件だ.
まるで処刑されたように,被害者はいずれも頭部を一発の銃弾で打ち抜かれていた.
この事件では政府側はLTTEの犯行と非難,これに対し北欧諸国の停戦監視団は政府軍による犯行としている.
この事件をめぐっては現在,2回目の検視が行われるが,その結果がいつ分かるのかは皆目見当もつかない.
同国北東部トリンコマリーに埋葬されていた15遺体のうち9遺体は今月18日に掘り起こされ,別の所に埋葬されていた残りの2遺体は今月初めに掘り起こされた.
検視作業は同国の司法医務官チームが,オーストラリア専門家団が見守る中で得て行うことになっている.
しかし,肝心の同専門団のスリランカ到着がいつになるかは分かっていない.
犠牲者を出したフランス系援助団体は,最初の検視結果が不明なため,国際調査団が17人の死因調査を行うようたびたび求め,今回の2回目が実現することになった.
同団体の広報担当はアルジャジーラネットの取材に対し,
「事件発生直後から,独立機関による調査を求めてきた」
と述べた.
その結果,スリランカの裁判所は今月4日,同国の医務官チームが調査を行い,これをオーストラリアの専門家団が見守ることを条件に,2回目の検視を認める判断を出した.
最初の検視は英国人の専門家が行ったが,遺体から弾丸は発見されなかった.
その原因のひとつとして,気候の暑いスリランカでは遺体の腐敗が速く進む点が挙げられている.
遺体から弾薬が発見されなければ,こうした腐敗の速さもあり,死因の特定は難しくなる.
最初の検視を行った英国人の専門家はアルジャジーラネットに対し
「こうした検視には経験が必要.腐敗が激しいと身元確認も難しい.
今回掘り出された遺体でもどう身元を確認するのだろうか」
と懸念を示している.
▽虐殺は政府側の犯行
和平を監視しているスリランカ監視支援団(SLMM)は,この虐殺事件を政府側の犯行としている.
支援団は今年8月30日に報告書を公表し,その中で,事件当時に現場のムッツールには政府軍部隊しか駐留していなかったと指摘するとともに,国軍は支援団の活動を制限することで,同事件の隠ぺいを図ったとも非難している.
〔略〕
スリランカ監視支援団の広報担当オマルソン氏は
「この事件の実行者の狙いは,相手側への警告だ.
この国で活動する国際的な非政府組織(NGO)はいずれも,正体不明のグループから脅されている.
中でも,こうした脅迫を受けるのは同組織で働く現地職員たちなのだ」
と話している.
アルジャジーラ(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司),2006年10月29日00時37分
【質問】
パキスタン大使暗殺未遂事件とは?
【回答】
2006/8/14,コロンボ中心部で,IEDによりモハマド・パキスタン大使の乗った車列が攻撃された事件.
7人死亡,8人負傷.
大使にはケガはなし.
爆弾テロで7人死亡=コロンボ中心部,パキスタン大使が標的
【ニューデリー14日時事】スリランカ最大都市コロンボの中心部で14日,仕掛け爆弾がさく裂し,近くを走行していたスリランカ駐在のモハマド・パキスタン大使の乗った車列を直撃した.
インドのPTI通信によると,警護車両に乗っていた護衛4人と通行人3人が死亡,8人が負傷した.大使にけがはなかった.
爆発したのは小型3輪タクシーに仕掛けられた対人地雷とみられる.同大使はパキスタン独立記念日の関連行事から戻る途中,爆発に遭った.
パキスタン外務省は,爆発は大使を標的にしたものだと非難した.
【質問】
ポッツビル・ムスリム虐殺事件とは?
【回答】
2006年9月,アンパラ地区ポッツビルから9kmの地点で,水門の修理作業に向かう途中だったムスリム労働者10人が,めったぎり切りにされた状態で見つかった事件.
同地域で活動している政府軍精鋭部隊か,その支援を受けるLTTE分派カルナ派の犯行の可能性がある.
以下引用.
また,9月にはアンパラ地区ポッツビルから9キロの地点で,イスラム教徒の労働者10人がめったぎり切りにされた状態で見つかった.10人は水門の修理作業に向かう途中だった.
アンパラ地区は政府軍の支配地域で,虐殺現場の近くには同軍精鋭部隊の基地がある.
地域住民によると,同地域で活動しているのは同精鋭部隊とカルナ派だという.
カルナ派はLTTEの分派で,現在は同精鋭部隊の支援を受けて行動している.
これに対し政府側は,同虐殺事件をLTTEの犯行と発表した.
支援団体のムファズ氏は
「同地域ではイスラム教徒と精鋭部隊の間で緊張状態が高まっている」
と懸念する.
また,支援団の広報担当オマルソン氏はアルジャジーラネットの取材に対し,
「政府軍が支配しているバッティコロア地区ではカルナ派が我が物顔で行動している」
と明らかにした.
アルジャジーラ(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司),2006年10月29日00時37分
【質問】
ハバラナ自爆テロ事件とは?
【回答】
2006/10/16,コロンボから北東へ約120kmの幹線道路沿いにあるバスの停車場に,北東部の軍港トリンコマリーからコロンボ方面に向かう非番の兵士と,逆に同港に戻る兵士ら計340人を乗せたバス24台が停車しているところへ,爆弾を搭載した小型トラックが猛スピードで突入,自爆した事件.
海軍兵士や住民ら100人以上死亡,約150人負傷.
LTTEの犯行と見られるが,LTTEは犯行を否定している.
国際社会による調停が行われる手前の出来事であり,調停潰しの意図があると私見では愚考する.
以下引用.
スリランカで自爆テロ 死者100人以上死亡
■各国特使調停も 先行きは不透明
【シンガポール=藤本欣也】政府軍とタミル人武装組織,「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)の武力衝突が続くスリランカで16日,自爆テロがあり,フランス通信(AFP)によると,海軍兵士や住民ら100人以上が死亡し,約150人が負傷した.
LTTEの犯行とみられ,自爆テロとしては過去最悪の被害となった.
28,29日に予定された双方の直接対話の再開が危ぶまれている.
報道によると,主要都市・コロンボの北東約150キロのハバラナ近郊で,爆弾を積んだトラックが海軍の車列に突っ込み爆発した.
11日には北部ジャフナ半島で激しい戦闘が起き,軍とLTTE双方で約250人が死亡している.
〔略〕
国防省は,同テロをタミル人の分離独立主義過激派組織「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)による「冷酷な大虐殺」だと非難.LTTE側は犯行を否定している.
地元報道によると,現場は中心都市コロンボから北東へ約120キロ・メートルの幹線道路沿いにあるバスの停車場.
北東部の軍港トリンコマリーからコロンボ方面に向かう非番の兵士と,逆に同港に戻る兵士ら計340人を乗せたバス24台が停車しているところへ,爆弾を搭載した小型トラックが猛スピードで突入した.
【質問】
ゴール港自爆テロ事件とは?
【回答】
2006/10/18,港湾都市ゴールで,爆弾を搭載した小型船舶5隻が停泊中の海軍の哨戒艇などに突入,少なくとも2人が死亡,20人以上が負傷した事件.
LTTEの犯行と見られるが,LTTEは犯行を否定している.
これも国際社会による調停が行われる手前の出来事であり,調停潰しの意図があると私見では愚考する.
以下引用.
スリランカで爆弾小型船5隻,海軍哨戒艇に突っ込む
【ニューデリー=永田和男】スリランカ国防省によると,同国南部の港湾都市ゴールで18日,爆弾を搭載した小型船舶5隻が停泊中の海軍の哨戒艇などに突っ込み,少なくとも2人が死亡,20人以上が負傷した.
国防省は,タミル人武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」による自爆テロと断定しているが,LTTE側の声明などは出てない.
警察は,タミル系住民への報復などの混乱を警戒して市内に外出禁止令を敷いた.
スリランカ和平担当の明石康・日本政府代表は18日,LTTEの本拠地北部キリノチを訪れ,28日からのスリランカ政府との直接対話参加を呼びかける予定.
しかし,新たなテロで政府側が態度を一層硬化させるのは避けられず,対話実現は難しい情勢だ.
【質問】
バティカロア難民キャンプ砲撃事件とは?
【回答】
2006/11/8,スリランカ東部バティカロア県で難民キャンプがロケット弾で砲撃された事件.
住民ら50人死亡,負傷者600人.
政府,LTTEは共に,相手側を砲撃した犯人として批難している.
以下引用.
避難民キャンプ砲撃で死者50人,負傷者600人 スリランカ東部
【アルジャジーラ特約8日】スリランカで活動しているノルウェーの停戦監視団によると,スリランカ東部バティカロア県で8日,避難民キャンプが砲撃を受け,住民ら50人が死亡したほか,負傷者も600人に達した.
同国の反政府武装組織タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)は先に,政府軍の同キャンプ砲撃で死者45人,負傷者125人が出たと発表したが,同監視団の情報では,死者,負傷者の人数はさらに増えていたことが明らかになった.
スリランカ政府軍側は同砲撃での死傷者数に関し,詳しい情報を得ていないとだけ発表している.
同監視団の報道担当,オラフスドッチルさんはアルジャジーラの取材に対し,「今回のロケット弾攻撃での死者は50人,負傷者は少なくても600人との情報を得ている.ロケット弾は避難民たちが住んでいた建物を直撃した」と語った.
オラフスドッチルさんはさらに,「数千人の避難民が破壊された建物の中に閉じ込められ,監視団のメンバーらががれきの中で救助作業を続けている.現場は大混乱している」とも話した.
ロケット弾で破壊された避難民キャンプは,同国東部バティカロア県カティラベリ地区にある.
国際人権保護団体,アムネスティー・インターナショナルは「家を追われた避難民たちの暮らすキャンプを砲撃するとはあまりにもひどすぎる.再燃した内戦の被害者である避難民たちが新たな惨劇に巻き込まれた」とし,今回の砲撃を非難した.
これに対し政府軍側は,避難民キャンプを砲撃したのは同軍ではないと否定するとともに,同軍はLTTEから受けた攻撃に反撃を加えただけだと強調した.
国家治安局報道センターのプラサダ・サマラシンヘ報道官はアルジャジーラの取材に対し,「政府軍はLTTEの砲撃陣地をレーダーで捕捉,政府軍を襲った同陣地に報復を加えるため,正確に砲撃した.政府軍が砲撃したのは避難民キャンプではなく,LTTEの陣地だ」と説明した.
さらにサマラシンヘ報道官は,政府軍は避難民たちに対し,LTTEの活動地域から退去するよう勧告しているが,LTTE側は避難民たちを「人間の盾」として利用していると反論した.
これに対しLTTE側は自派のインターネットに掲載した声明の中で,「政府軍はなんら防御手段もない避難民たちを無残にも砲撃,殺害した」と非難し,政府軍側の発表内容を全面的に否定した.
〔略〕
(翻訳・ベリタ通信=志岐隆司)
【質問】
ラジャパクサ国防次官暗殺未遂事件とは?
▼ 【回答】
2006/12/1,コロンボ市内中心部で起きた,大統領実弟,ゴタバヤ・ラジャパクサ
Gotabaya Rajapaksa 国防次官の車列を狙った自爆テロ事件.
ラジャパクサ次官らの車列が市内中心部を走行していたところに,爆弾を積んだ3輪タクシーが突入し,犯人は自爆死した.
護衛の兵士ら少なくとも2人が死亡,13人が負傷.
ラジャパクサ次官の車も大破したが,本人は無事だった.
同氏はLTTEに対する強硬派として知られており,LTTEによる犯行と見られる.
【参考ページ】
共同通信,2006/12/01 07:35
ロイター,2006年12月1日15:41
AFP,2006年12月01日 17:22
読売新聞,2006年12月1日18時48分(ニューデリー=永田和男)
【ぐんじさんぎょう】,2011/06/10 20:30
を加筆改修
▲
【質問】
ヒッカドゥワ自爆テロ事件とは?
【回答】
2007/1/6,コロンボ南方約80kmのスリランカ南西海岸の観光地・ヒッカドゥワ近郊において,バス車内で乗客を装った女性が自爆したとみられる事件.
爆破されたのは路線バスで,AFP通信によると少なくとも11人が死亡,47人が負傷した.
犠牲者の詳細は不明.
スリランカでは5日にもコロンボ北東アンバランゴダで路線バスが自爆テロ(?)により爆破され,民間人少なくとも6人が死亡,70人が負傷している.
当局は2件とも反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」の犯行とみている.
【参考ページ】
2007年1月7日1時0分,時事通信
【質問】
LTTEによる初の空爆は,いつ,どこに対して行われたのか?
【回答】
2007.3.26未明,軽飛行機を用い,コロンボ北方の政府軍空軍基地に対して行われた.
LTTE機は基地内の施設に爆弾2個を投下.
目撃者によると,空爆のあったこの日未明,銃撃音が聞こえた後,爆発音数発がとどろいたという.
政府軍当局者によると,空軍機に被害はなく,空軍基地および隣接の国際空港の施設などへの被害もなかったという.
同当局者によれば,空軍兵士少なくとも3人が死亡,17人が負傷した.
これに伴い,基地に隣接するコロンボ国際空港が閉鎖され,空の足にも影響が出た.
AP通信の取材に応じたLTTEスポークスマンは,今回の攻撃には「タミル・イーラム空軍」に所属する航空機2機が参加し,爆撃後,2機は無事帰還したと明らかにした.
また,スポークスマンは爆撃の狙いについて,
「政府軍の無差別空爆を止めさせるためだ.今後,他の政府軍施設もわれわれの攻撃目標となる」
と警告した.
国軍が最近,スリランカ東部などでLTTE拠点への空爆を含む攻勢を強めていることへの報復攻撃とみられる.
【参考ページ】
2007年3月26日10時43分,読売新聞(ニューデリー=永田和男)
2007年03月26日14時55分,アルジャジーラ特約
【質問】
ダムブラ・巡礼バス爆破テロ事件とは?
【回答】
2008/2/2,スリランカ中部ダムブラで,巡礼者多数を乗せ,世界遺産に指定される仏教の聖地アヌラダプラに向かうバスが,バス内部に仕掛けられた小包爆弾によって爆破された事件.
少なくとも20人が死亡,60人以上が負傷.
死傷者の大半は,宗教行事に参加しようとしていた仏教徒とみられている.
国防省は,仏教徒シンハラ系と対立するヒンズー教徒の「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」によるテロと断定している.
【参考ページ】
2008年2月2日18時44分,産経新聞(by 藤本欣也)
2008年2月2日19時11分,読売新聞(by 永田和男)
【質問】
ウェリオヤ・バス爆弾テロ事件とは?
【回答】
2008.2.4,スリランカ北東部のウェリオヤで起きた,バスを狙った爆弾テロ事件.
AP通信によると,乗客12人が死亡,17人が負傷した.
治安当局は反政府武装勢力,タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)の犯行とみている.
【参考ページ】
2008年2月5日8時2分,産経新聞(シンガポール 藤本欣也)
【質問】
コロンボ近郊通勤バス爆弾テロ事件とは?
【回答】
2008/6/6朝,コロンボ近郊で起きた,通勤客などで込み合うバスを狙った爆弾テロ事件.
道路脇に仕掛けられた爆弾を遠隔操作で爆発させたという.
少なくとも21人が死亡,50人以上が負傷した.
スリランカ国防省は,反政府武装組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」の犯行としている.
【参考ページ】
2008年6月6日12時57分,読売新聞(by 永田和男)
【質問】
ムライティブ避難民キャンプ自爆テロ事件とは?
【回答】
スリランカ軍の発表によれば2009/2/9,「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」との戦闘が続いている北東部ムライティブ県の避難民キャンプで,LTTEの女が自爆し,民間人8人を含む少なくとも28人が死亡,約90人が負傷した事件.
女はLTTE支配地域から逃れてきた避難民に紛れてキャンプに到着し,保安検査の最中に自爆したという.
【参考ページ】
2009年2月9日19時57分,時事通信
【質問】
LTTE掃討戦を足がかりにした,スリランカへの中国の影響力増大について教えてください.
【回答】
India chagrined at Lankan ties with Pakistan
and China ≪ Rupee News
および
「日刊 アジアのエネルギー最前線」◆スリランカで歯ぎしりするインド
によれば,スリランカの政府軍が,北の反政府軍,LTTEに対抗するための武器供与を要請したときに,インド政府が断ったのに対し,中国はパキスタンをそそのかして,政府軍に武器を供与し,軍事顧問団を送り込んだという.
これが功を奏し,反政府軍を殲滅したスリランカ政府は,ハンバントタの軍港建設という大きな権益を中国に与えたのだという,
スリランカは完全にインドの覇権内,と高をくくっていたインドとしては,中国とパキスタンがペアーとなってスリランカに雪崩れ込んでくるとは,読み切れなかったようだ.
「日刊 アジアのエネルギー最前線」では,日本についても触れていて,曰く,
――――――
日本政府は,明石さんを政府代表として送り込み,あくまで話し合いであるとして,政府軍と反政府の間の和平工作を行っていたのだが,スリランカにとっては日本の動きは格好の時間稼ぎだったわけである.
日本は我々も含めて,スリランカは日本に頼っている,と思っていたのに,その裏で反政府軍殲滅の準備を着々と整えていたのだ,
明石さんはその辺は読みとっていたのですかね.
知らなかったとすれば日本政府は問題だ.
――――――
情報不足の日本が,中国の手のひらで,まんまと躍らされた一件だとも言えよう.
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