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<東亜FAQ目次
(朝目新聞より引用)
「カオスちゃんねる」◆(2013/04/10) 【ガチ殺し合い】 自衛隊10人 vs おまえら引きこもりニート500人
『自衛隊はどこまで強いのか』(田母神俊雄&潮j匡人著,講談社新書,2009.3)
内容は潮匡人との対談で,自衛隊についてだが,題名の件にはあまり言及してないような気が….
タモさんは高射の人間だから,PAC関連の説明は分かりやすいと感じた.
イラク派遣について述べているところなどは,自衛隊の空輸能力のなさを,良く分かるよう述べてた.
感想は,思っていたより読めないこともないかと.
政治部分に口出している所を除けばの話だが.
……問題は内容の4分の3は政治に口出ししているとということか.
差分は立ち読み5分で終わるので,買う価値はないよ.
――――――軍事板,2010/02/06(土)
『米軍が見た自衛隊の実力』(北村淳著,宝島社,2009.5)
元米軍将官に自衛隊の能力を聞いたものをまとめてる.
基本的には米軍による補完を前提とした,自衛隊の構成の批判かな.
正直,政治情勢・経済情勢を無視した論の展開が多くて,げんなりしたが.
――――――軍事板,2009/05/17(日)
【質問】
たかじんの番組で志方さんが言ってた,自衛隊が世界の軍隊でも6位くらいに強いってのは本当ですか?
何か,戦争になってもみんなちりぢりに逃げちゃいそうなイメージがあるんだが.
【回答】
志方氏自身が,自己の著作(現代の軍事学入門)や軍事研究の冒頭コラムで,ランキングは無意味だと記しております.
そして,素人がしつこく聞いてくるので,「あえて言えば」的に答えている,とも.
以下引用.
------------
大学のゼミで国の安全保障について講義をしていると,よく学生から単純な質問を受ける.
「自衛隊は強いのですか,弱いのですか」
「北朝鮮は弾道ミサイルを撃ってくるのでしょうか,自衛隊はそれを撃ち落せるのでしょうか」,
などと様々だ.
どれも素直で単純な質問だが,答えるのは難しい.
防衛白書を精読すれば,それらしい答えは見つけられるのだが防衛問題を勉強している学生でも,白書を精読することは稀だ.
そのせいか,何事においても「前提」や「尺度」や「分析」よりも,強いか弱いか,勝つか負けるかなどと「結果」を聞きたがる.
そんな若者たちには,まず国と国との軍事力を比較する時の「尺度」から教える事にしている.
自分なりに考えさせるためのヒントである.
------------ 『軍事研究』2005年12月号,「軍事力を比較するときの尺度」p.27
------------
講義中に学生から,
「日本と韓国の軍隊では,どっちが強いのですか」
という質問によく出くわす.
しかし,この単純な質問に答えるのは難しい.
ある国とある国との軍事力を比較するためには,まず第一に,軍事力を「比較するための要素」は何かを明らかにする必要がある.
これは軍事力がどんな「構成要素」から成り立っているかを明らかにすることでもある.
第二に,それぞれの構成要素について二つの国のデーターを入れて計算するための計算式(モデル)がなければならない.
また,いくつもの計算式を比較して最終的な「総合的な判断」をしなければならない.
この段階は第一段階よりもっと難しい.
妥当性のある計算式(モデル)をつくること自体が難しいし,これができたとしても,この式に入れるデーターが国によっては公表されない場合が多いからだ.
また,総合的な判断というのは最終的に計数的な比較ができないことを意味している.
------------志方俊之著『現代の軍事学入門』(PHP出版,1998.6),p.154
一方,江畑謙介は,「戦ってみなければ分からない」
小川和久は,「メチャメチャ強い部分と,メチャメチャ弱い部分とがあっていびつなので,他国と比較なんてできねーよ」
という主旨の事を,それぞれ自著で述べています.
------------
「自衛隊はどのくらい強いのですか」という質問をされることが多い.
非常に漠然とした質問ではあるが,また誰もが知りたい話であろう.
実際,この質問をされると非常に困る.
「私にも分かりません」
と正直に答えているが,その答えが知りたいから私にたずねているのだから,訊いた相手は非常にがっかりする.
申し訳なく思うものの,おそらく誰にも答えは分からないはずである.
「強くあって欲しい」とは日本国民,そして納税者として誰もが思うであろうが,願望と実体とは違う.
だいたい「強い」の定義が不明瞭である.
戦争をやって敵に勝つのが強いという定義なら,答えは簡単である.
「やってみなければわからない」
------------江畑謙介著『軍事力とは何か』(光文社,1994/12)
------------
軍事力に関する世界のランキングは,基本的のどのぐらい強いかということでランクをつけるわけですが,実を言えば,自衛隊は世界ランキングに入れない「特殊な構造」を持った軍隊なのです.
これは,鉄人レースとも言われるトライアスロンに例えると分かるかもしれません.
トライアスロンは,遊泳3.9km,自転車180.2km,マラソン42.195kmの3種目を連続して行って,そのタイムを競う耐久競技です.
しかし,水泳だけは世界記録保持者だとしても,自転車やマラソンが平凡な記録では,メダルはおろか入賞すら望めず,20位か30位に入るのがやっとという話になるはずですね.
日本の自衛隊は,水泳だけが世界トップクラスのトライアスロン選手のようなものです.
どうしてそうなるのかは,防衛費の内訳を見れば明らかでしょう.
05年度の防衛費は,人権・糧食費は2兆1562億円で全体の44.6%にあたります.給料と食費で半分近くが消えてしまっているのです.
さらに,
施設整備費1386億円(構成比2.9%).
営舎費・被服費等1080億円(構成比2.2%)
基地対策費4973億円(構成比10.3%)
その他の支出887億円(構成比1.8%)
が加わり,純粋に軍事力の整備に使うことができるのは
装備品等購入費9000億円(構成比18.6%)
研究開発費1316億円(構成比2.7%)
訓練活動経費8097億円(構成比16.8%)
の合計
1兆8413億円(構成比38.4%)
に過ぎません.
この限られた防衛費で整備できるのは,「中ぐらいの国」の軍事力がせいぜいなのです.
自衛隊の場合,問題はそれだけではありません.
ここで押さえなければならないのは,戦力の中身です.
実は,日本の自衛隊は軍隊として均整のとれた総合力を備えているとは言えず,大変バランスの悪い軍隊と言わなければなりません.
一部が大学院生のレベルまで高められているかと思えば,違う部分は幼稚園年少組や新生児のレベルだったりするわけです.
例えば海上自衛隊は「単能海軍」と呼んでよいほど,単一の機能が突出しています.それは対潜水艦戦(ASW)能力で,その部分こそ世界トップクラスですが,それ以外の能力は備わっていないに等しいし,もちろん空母も戦艦も巡洋艦も原子力潜水艦も強襲揚陸艦もありません.
航空自衛隊も「単能空軍」の色彩が強く,防空戦闘能力は世界でトップクラスの実力です.
しかし,長距離の航空攻撃が可能な本格的な戦略爆撃機などはありません.
それは,あとで述べるように対潜水艦戦と防空の能力を世界最高レベルに持っていくことで同盟関係における役割分担をするように,というアメリカの希望だったからです.
といっても,対潜水艦戦に必要な護衛艦や潜水艦,(対潜)哨戒機はハイテクの塊で極めて高価です.
防空能力に必要な邀撃戦闘機,地対空ミサイルなども高額兵器の代表です.
それだけで,軍事力の整備に回せる防衛費の大部分を食われてしまい,他には何もできないというのが実情です.
------------小川和久著『日本の戦争力』(アスコム,2005.12.5),p.41-44
2007/2/20の小川和久氏の講演行ってまいりました.いずれ,主催者団体の雑誌にその内容が載ると思います.
北朝鮮の戦略,とそれに対して日本はどういう戦略をとるべきかという話で,なかなか興味深かったです.
ちょうどこの話をした部分があるので,自分用のメモに内容を書き起こしたものから抜粋します.
ただし,細かい数字の間違いや解釈違いがあったら私の責に帰します.
タイムリーなので先行してこういう話があったよ,という事で紹介しておきます.
---------------
・構造的に見た日本の防衛力
それを一言で言うと→国としての戦力投射能力なき軍事力+日米同盟
ここでいう国としての戦力投射能力とは,外国を叩き潰す能力,と言ってもいい.よく日本の軍事力は世界第三位と言う話があるが,もし世界の戦力をランキングするとすれば,日本の強さは3位どころかランキング外といえる.それは,ドイツも同じ.
そもそも,そういうランキングにエントリーするには,その戦力に自立構造と,バランスが必要である.
日本とドイツは,第二次大戦で勝者側に相当な能力をみせつけたので,アメリカはこのまま放っておけなかった.だから,日本とドイツは,自立構造を持たない軍事力→たとえるなら,走るにしてもアメリカに肩を支えないと走れない構造になった.
・戦力投射能力
自立的に戦力投射能力をもつなら,
・核武装
・外国を占領し,戦争目的を達成できる陸海軍の構造
が必要.日本は当然そのどちらもない.(この後で,日本がそれらを持つのにどれくらいコストがかかって非現実的であるか,それ故に日本としては日米同盟の堅持と発展(による平和,安定の追及)がいかに一番現実的政策であるかを述べている)
・自立できない自衛隊の構造
軍事力整備に使えるのは,防衛費の30〜35%だが,ご存知の様に現代戦の装備は高額で,その高額の装備を大量に導入するのでバランスのとれた構造を目指すのには限界がある.
→それなら,米軍と役割分担して,日本側でしかできない部分に集中するのが道理
→突出部分
・突出部分
先ほど自衛隊はランキング外と書いたが,二つの能力だけは世界レベルと言える.
・海自の対潜水艦戦(ASW)能力
・空自の防空能力
雑談:一昨年の中国の潜水艦領海侵犯事件で,潜水艦が青島から侵入してグアム近海まできて青島まで戻る過程で,P-3Cはペアで追跡しつつ潜水艦戦訓練をしていた.
そこで,その時の司令に何回くらい「沈めた?」と聞いたら,「数えられないくらい」と答えが帰ってきた.(この前に,中国脅威論の中身(軍事費が突出しているとか)を良く吟味して無用に脅威論におどらされてはならない,という話をしたのでその文脈で話したのだと思われる)
・講演の後で,アジア諸国は日本を脅威だと思っているのではないか,という指摘があり,それに対して,
→上記の様に,自衛隊は自立できない構造(外征能力のある装備を持っていない)事,その上で平和を望んでいる事をきちんと説明する事によって,そうした無根拠な脅威論もなくしていかなければならない.
『日本の戦争力』の見解に対する編者の私見だが,アメリカの希望だけではなく,大東亜戦争で潜水艦とB-29とに痛めつけられた教訓が,過度に作用しているせいでもあるのではないかと思うのだが.
それにしても,「幼稚園年少組や新生児のレベル」とは,具体的にはどの部分なのか,非常に気になる.
海上自衛隊については,それについての説明があるが,陸空についても知りたいところだ.
【質問】
以下のような,自衛隊の戦力は見せ掛けだけのもので,実質戦力はゼロに等しい,とする見解についてはどうですか?
まず陸上装備だが,対戦車機動攻撃力で見ると,戦車の数こそ日本が上回っているが,攻撃ヘリコプターは英国の3分の1しかない.
仮に戦車と攻撃ヘリコプターの戦力比が価格比とイコールであると言う,いささか乱暴な仮定を置けば,日本の対戦車攻撃力は英国の4分の3にしかならない(計算方法は次の通り).
(1) 日本が調達している最新の戦車である90式戦車の1997年度単価は935,741万円であり,最新の対戦車ヘリコプターAH-1Sの1998年度単価は486,600万円である.
(2) この価格で,日本および英国の現有戦車と対戦車ヘリコプターを買いかえるとしたら,それぞれいくらかかるかを計算する.
日本: 90機×4866+1050両×935.741=1420468.050(単位:百万円)
英国:269機×4866+ 627両×935.741=1895663.607
(3) 最後に,この経費の額と戦力が比例するものとして,両国の比率を計算する.
1420468.05/1895673.607=0.75
他方,装甲機動防御力を見てみると,装甲偵察車,装甲歩兵戦闘車,装甲車の合計が日本は940両であるのに対し,英国は2907両と3倍も保有している.(15)
結局,日本の陸上兵力は,攻撃力はそこそこあるが,兵員の損耗を防止する努力をハナから怠っていることになる.「見せ金」たる自衛隊の面目躍如というところか.
次に海上装備である.
人目見て分かることは,日本が,空母や揚陸強襲艦〔原文ママ〕を潜水艦等の攻撃から守ることを主眼とする駆逐艦や,警戒監視ないし警察行動を担うフリゲート艦の隻数だけはやたら多いが,肝心の空母や揚陸強襲艦といった攻撃用の艦艇を全く持っていないことである.
しかも,「航空」の中の対潜ヘリコプターのところを見ると,対潜ヘリコプターの数も英国より少ない.
対潜ヘリコプターの大部分は艦艇(駆逐艦やフリゲート艦艇)に搭載されて運用されるが,対潜ヘリコプターの数が少ないということは,駆逐艦とフリゲート艦の隻数は多くても,その対潜水艦作戦能力ないし哨戒能力が英国よりも劣っているということを物語っている.
つまるところ,日本の海上兵力は,船の数だけは揃えているが,蜃気楼のようなもので,実態は殆ど何もないと言っても過言ではない.
最後に航空装備である.
日本の戦闘機の数は,英国の2.5分の1しかない.(16)
しかも,日本の戦闘機パイロットは,燃料費を節約するため(!),英国の3分の2の時間しか訓練していない.
まことにお粗末な限りである.
他方,英国の軍人が決まって嗤(わら)うのが,日本の保有する固定翼対潜機の80機(かつては100機だった!)という数の多さだ.
なんと英国の4倍近い.
この数は,米海軍の固定翼対潜機(空母搭載の小型固定翼対潜機を除く)244機の3分の1にもなり,堂々世界第2位である.(17)
固定翼対潜機は陸上の飛行場から運用するが,いかに日本が排他的経済水域を設定できる沿岸200海里水域が広い海洋大国だとは言っても,明らかに固定翼対潜機の持ち過ぎである.
攻撃ヘリコプターや対潜ヘリコプターの少なさについてはすでに触れた.
要するに,現代の軍事力の中心が航空兵力であることに思いをいたせば,日本の航空兵力は,(突出している固定翼対潜機は別として)あまりにも弱体であると言わざるをえまい.
以上は,あくまでも数だけの議論である.
輸出もできず,国内でも競争に晒されていない日本の装備品は,価格が高いだけでなく,米国等の装備をライセンス生産しているものはともかくとして,日本で独自開発した装備品の大部分の性能に疑問符がついていること――すなわち,仮に輸出が解禁され,それともあいまった価格を下げることができたとしても,他国に買ってもらえるものはほとんどないこと――も忘れてはなるまい.
〔略〕
統幕をいくら強化しても,所与の防衛力の運用が,より効率的・効果的に行われるだけのことであり,最初から陸・海・空防衛力の統合的部分,共同部分に手抜きがあればどうしようもない.
陸・海・空の共通部分(人事制度等)に欠陥があっても同様である.
内局は,これら統合的部分,共同部分および共通部分のあり方を所管しており,内局キャリアが仕事を全くと言っていいほどしていないため,統合的・共同的側面において,自衛隊では徹底的に手抜きが行われており,トータル・システムとしては,自衛隊の能力はゼロに等しいと思ったほうがよかろう
(このことを説明することは,防衛上の秘密のベールがあって容易ではないが,2節の「非常識がまかり通る防衛庁」中の「ITをめぐるドタバタ劇」から推察いただけるだろう).
太田述正著『防衛庁再生宣言』(日本評論社,2001/7/5),p.38-42
なお,同書によれば兵器機材の数字は「ミリタリー・バランス 2000/2001」からのものだとのこと.
【回答】
まず陸上自衛隊について.
>攻撃ヘリコプターは英国の3分の1しかない.
英陸軍の攻撃ヘリの数は,TOW搭載可能なものの兵員輸送用にも使われるリンクスや観測用のガゼルを全部ひっくるめた数字ですな.
それに対して陸自はコブラだけの数を比較している.
1999年発行の英雑誌Air Force Monthly別冊
"NATO Air Power"のUKの部分によれば,攻撃ヘリとしても使われるリンクスは124機に過ぎず,269機がどこから来ているのか不明です.
ガゼル162機を足せばその数に近づきますが,これは意味がありません.
なお2000年7月の同誌記事によると,記事執筆時点で英軍に引き渡されているアパッチはわずか9機.うち飛行隊配備はたったの4機です.
2001年の「英軍の攻撃ヘリ」にアパッチはせいぜい1個飛行隊10機ていどしか入れられません.
当時の英軍攻撃専用ヘリはたったこれだけです.
BMP in FAQ BBS
リンクスというのは本来汎用ヘリです.正確には武装ヘリというと思います.
攻撃ヘリ並にTOWを搭載してもスペック的に同じでも,実戦的な強さという意味では攻撃ヘリの方が圧倒的に上です.
そういう武装へりと攻撃ヘリを単純比較というのは??という感じがします.
この文章の中で日本の攻撃ヘリの数が少ないという記述がありますが,世界中でアメリカ,ロシアを除いた場合,AH1Sを90機装備してるのは決して少なくなく先進国レベルでは平均的な数だと思います.
ヒロ in FAQ BBS
この人によると,英国の攻撃ヘリ269機,とのこと.
手元の『戦闘機年間2005-2006 イカロス出版』をあたって内訳を見てみる.
アパッチAH1(AH64D) 67機(予定)
リンクスAH7 89機
ガゼルAH1 120機
計 276機
端数は違うが,だいたいこんなところを想定してるんでしょう.
ここでマズイのは,ガゼルAH1を戦闘ヘリとして計上してること.
英国陸軍に納入されたタイプのガゼルAH1は,ATM運用能力を持たず,武装はロケット弾と機関砲のみ.
そのため,現在は偵察・観測ヘリとして運用されており,通常は兵装を搭載していない.
すると,攻撃ヘリといえるのは,156機.(これは調達予定の67機を含んでの数字)
引き渡されたアパッチは,まだそれほど多くないので,戦闘ヘリの合計は100〜120機程度だろう.
では自衛隊の攻撃・観測ヘリを見てみる.
アパッチAH-64D 若干(60機調達予定)※
コブラAH-1S 86機程度
計 150機(調達予定を含む)
加えて (観測ヘリ)
OH-6D 145機
0H-1 25機(対空攻撃能力を有する)
戦闘ヘリは,調達予定を含め150機.アパッチは2002年に8機が予算化されているが,調達は進んでいない.
実質,戦闘ヘリは90機と見てよい.
これは英国と比べて,大幅に劣るとはいえない.
また,観測ヘリの数は英国よりもずっと多い(機数で比べれば40%多い)
次,陸上戦力.
戦車の保有数は,英国の二倍(陸自約1000 英国約550)は,まあ良いとして,英国の装甲車の保有数が,日本より多いのは当たり前.
イギリス軍の防衛計画は,フォークランドのような大きな一つの紛争に対処,あるいは,コソボなどの中規模な紛争二つを同時に対処することを目的としている.
簡単に言うと,外征型軍隊ということ.
したがって,仮に主力戦車の数を削ることになっても,より展開しやすく,紛争地域の治安維持に使いやすい装甲車をそろえるのは当然だろう.
加えて,90年代始めまで北アイルランド紛争を抱えていたので,装甲車の数が必要だったことも考えると良い.
しかし,陸上自衛隊は,基本的に本土決戦のための部隊であり,英国とは質が違う.
(最近は対テロにも乗り出してるけど)
ここでは,展開性や治安維持に使える装甲車よりも,より重武装・重防御で敵を正面から打ち破る力を持つ主力戦車の方が重要となる.
それで主力戦車に比重が置かれる.
これをして,陸自が劣っているというのは,間違いだろう.
(まず,外征型の英軍と本土決戦型の陸自と比べるのが,間違いのもとだろう)
(それから英の主用小銃は,欠陥銃ということも,付け加えておかねばなるまい)
次,海上自衛隊について
>肝心の空母や揚陸強襲艦といった攻撃用の艦艇を全く持っていないことである.
海上自衛隊のドクトリン上,空母も揚陸艦も必要ないのではないだろうか.
英国のように,大洋の向こう側に植民地を持っているわけでもなく,アメリカと共同して,紛争に介入するわけでもないのだから.
簡単に比べると以下の通り.
海上自衛隊
人員約4万4000名
イージス艦4隻,護衛艦8隻,汎用護衛艦約20隻,潜水艦16隻等(ディーゼル潜)
英海軍
人員4万600人
軽空母3隻,揚陸艦4隻,駆逐艦8隻,フリゲート18隻,潜水艦15隻等(ミサイル原潜4隻を含む)
まぁ,互角と言ったところ.
日本近海防衛を目的とする海自と,外征型である英海軍の特徴を表している,くらいのものだろう.
>しかも,「航空」の中の対潜ヘリコプターのところを見ると,
>対潜ヘリコプターの数も英国より少ない.
外征型の軍隊である英国海軍は,陸上機の支援が期待できない場合があるので,艦載の対潜ヘリを多く持つ.
しかし,近海作戦主眼の海自は,P-3Cのカバーがあるので問題ない.
というより,だから海自の対潜ヘリが少なく,逆にP-3Cが多いと考えるのが自然である.
極東の名無し三等兵 (協力:ハリアーに関して:井上@Koji.net,JSF)in mixi支隊
>イージス艦4隻,護衛艦8隻,汎用護衛艦約20隻,潜水艦16隻等(ディーゼル潜)
正確にはヘリ無しのDDG(こんごう・はたかぜ・たちかぜ)が8(あたごが就役すれば+1)ヘリ3搭載のDDH(はるな・しらね)が4,ヘリ1搭載のDD(なみ・あめ・きり・ゆき)が31(練習艦3隻除く)
で,対潜ヘリ枠はSH-60換算で都合43となる訳だ(あたごはどうせ乗せないから無視)
一方の王立海軍
ヘリ1搭載の42型が8,同じくヘリ1搭載の23型が14,ヘリ2搭載の22型が4,ヘリ6搭載のインヴィンシブル級が3,ヘリ12+6搭載のオーシャンが1.
以上,対潜ヘリ枠はリンクス換算で54とシーキング/マーリン換算で12となる.(23型はマーリン搭載可22型はマーリン搭載時定数半減42型は搭載不可インヴィンシブルとオーシャンは不明)
ただし,オーシャンを純然たる対潜戦力に加えるのはどうかと思うし,インヴィンシブルとて既述のように陸軍と空軍の運び屋と化してるので,これを除外した数も一応示してくとたったの30.
インヴィンシブルを加えても48と,対潜プラットフォームの数は実は大したことないんだよね.
ま,22型が多数現役だった頃はもっと多かったんだけど.
それと卵とバスケット論というのがあって,英軍は見ての通りインヴィンシブル一隻を沈められたらそれだけで対潜戦力がガタ落ちする(対潜だけじゃないが)リスクを抱えている.
この点,海自の場合はきり型以降の汎用DD20隻でヘリ格納庫のスペースを2機分確保しているので,仮にDDHが沈められたとしても,対潜プラットフォームを残ったDDだけで最低限確保することが出来る.(あたご型が就役すればマーリンクラスの大型ヘリプラットフォームも確保可能)
も一つ指摘しておくと,22型も23型も42型も新型の45型もUSMの類を全く装備していない,
海自は地方隊のDEはおろか,ヘリ空母然とした16DDHにまでアスロック標準装備なのにだ.
排水量に余裕がないのは分からんでもないが,ちょっとそれはどうかと思うぞと.
以上を勘案すれば,海自とロイヤルネイビーのASWに対する姿勢がどのようなものであるのかは自ずと見えてくる筈.
まぁそもそも,リンクス/シーキング/マーリンとシーホークを一緒くたに対潜ヘリなんて纏めちゃうのもどうかと思うが.(マーリン>シーキング≒シーホーク>リンクスの順でそれぞれ5トンぐらいの重量差がある)
英軍の対潜ヘリ現存数について,最新のものではありませんが,ミリタリーバランス2004-2005が手元にありますので書きます.
ちょっと数字の読み方がいまいちわかんないのでそのまま写します.
88 seaking(42 HAS-5/6, 33 HC-4,13 AEW[2Mk7,11Mk2])
36 Lynx Mk3
6 Lynx Mk7(inclin Marinesentry)
23 Lynx Mk8
38 EH-101 Merlin Mk1
8 Gazelle AH-1(inclin Marinesentry)
あと,空軍にもMerlinHC4が22機,seaking
HAR3が23機あります.
参考になればと思います.
上記の中から,とりあえず対潜型だけ抜き出すと
シーキングが42機
リンクスが36+23機
マーリンが38機
合計139機か?
連中のタイプ分けはいまいちハッキリしない.
もひとつの70機という数字で思い当たったのが,SH-60J陸上型の存在.
しかし陸上型な筈のシリアルナンバーを付けた機体が護衛艦のRAST上に鎮座してたり,明らかにRAST用拘束具が付いてたりと更に混乱.
陸上型=RAST未対応がガセなのか,シリアルナンバーが間違ってるのか.
シーキングのうちHC.4は輸送型だから,ASW戦力からは除外していいでしょう.
ガゼルも攻撃ヘリの代用品でASWヘリじゃないですね.
他にもいろいろ混ざっているので,純粋にASW戦力といえるのは,
・シーキングHAS.5
・リンクス(海軍型のみ)
・マーリンHM.1
だけでしょう.
最後に航空装備である.
>日本の戦闘機の数は,英国の2.5分の1しかない
とりあえず,作戦機を比べてみる.
英国航空兵力(海軍航空隊を含む)
トーネードF3 113機
ハリアーGR7/9 72機
トーネードGR4 145機
ジャギュア 60機
計 390機
(簡略化のため,2003年より引渡しが始まったタイフーンは無視します)
(まだ,大した数は揃ってないだろうし)
航空自衛隊
F-15J/DJ 203機
F-2A/B 94機
F-4EJ改 90機
計 387機
ここで,トーネードGR4とジャギュア,ハリアーGR7/9は攻撃機であり,制空戦闘機と言えるのは,トーネードF3 113機
と,まだほとんど数が揃っていないタイフーンのみである.
しかし,空自の機体387機は,すべて戦闘機として使用できる.
F-4EJ改は古いので除く――といっても電子機材などはF-16級にアップグレードされているので侮れないのだが――としても,約300機の戦闘機(F-2支援戦闘機を含む)がある.
攻撃面に関しては英国は充実しており,トーネードGR4 145機を中核とし,ハリアーGR7/9
72機,ジャギュア 60機がこれを補完する.
計277機である.
自衛隊は,F-2A/B 94機,F-4EJ改 90機,が攻撃機として用いられる.
計180機であり,やや少ない.したがって,対地攻撃能力は英国に比べ劣っている.
しかしながら,F-2A/BはASM4発の搭載が可能であり,F-4EJ改にも複数のASMが搭載できため,対艦攻撃能力は英国に比べ圧倒的に高い.
そして,空自の存在意義の一つは,敵の着上陸を阻止することであり,対艦攻撃である.
以上より,航空戦力に関しても,優劣つけがたく,それぞれ,国の環境に合致した戦力を整備している.
全体的に,ドクトリンの違いにより,編成や装備に違いが見られるが,自衛隊は英軍と比べ,大幅に勝っているわけではないが,劣っているとは言えない.
極東の名無し三等兵 (協力:ハリアーに関して:井上@Koji.net,JSF)in mixi支隊
1999年発行の英雑誌Air Force Monthly別冊"NATO
Air Power"のUKの部分から引用します.
戦闘機は
トーネードGR1/4が173機,
F.3が112機,
ジャガーが74機,
ハリアーGR.7/T.1が85機の計444機.
これの1/2.5ということは177機しか空自は戦闘機を持っていないと主張していることになります.
英海軍のシーハリアーFA2,35機を入れてもF-4EJやF-1,F-2を計算に入れず,F-15しか勘定に入れていないことになります.
BMP in FAQ BBS
というか,これは寧ろロイヤルネイビーのASW戦力が回転翼機に偏重してるのでは?と思い始めた.
そんでもってプラットフォームも大型のキャリアに偏重している,と.
CVSを守るため,あるいは広大なチョークポイント一個(GIUKギャップ)を押さえるためのASW戦力なら,これで正解だろうけど,こんじゃ海自の要求とは合致するわけ無かろう,と.
卵の入ったバスケットを二つに引き裂いて使うことは出来ない訳で,今後CVF二隻態勢に移行するロイヤルネイビーのASW戦力構成がどうなるかはある意味,見もの.
ジリジリと予算を削られて定数をジワジワと削る羽目になってる海自のASW戦力もまた見もの.
つーか,「しらね」と「はたかぜ」の代艦どーすんだ?,マジで,
あと地方隊に"保存"してる「はつゆき」も.
だって,固定翼ASW機は空軍の所属ですから.
まあ,統合的・共同的側面における欠陥の指摘に対しては,異論を差し挟む向きはないようだし,これはけっこう重要であることから,この点は考える必要があるのではないかと愚考します.
※ ちなみに
米AH-64Dはデータパス2
日AH-64Dはデータパス3
日本物はAH-64D改とも言うべき代物だそうな.
名無しさん by mailform
【質問】
「ITをめぐるドタバタ劇」とは,どんなこと?
【回答】
グループウェアを巡る統一する/しないで,「統一反対」派から珍妙な反論が出たという.
しかも,システム通が殆どおらず,統一の重要性が理解されなかったという.
以下引用.
私が官房審議官(IT(11)も担当していた)から仙台防衛施設局長に転じる直前の1999年7月,目にしたエッセイに,
「ワープロ,パソコン,電子メールは他人任せと決めている人がいる.
このようにコンピューター・リテラシー(コンピューターによる読み書きの能力)の低い人は本質的に能力主義と相容れないハンディを抱えていることを自覚すべきである.
『自分はそれくらいできなくても,もっと本質的な仕事ができるのだ』
と考えてタカをくくっている人がいる.
けれども,コンピュータを覚えるくらいの自己変革から逃げる人の人格には,本質的な消極性や怠惰が存在しており,現時点で有能な人であっても,やがて発想に独特の消極性や無理が生じてくる(12)」
というくだりがあり,思わず膝を叩いてそのとおりだと思った記憶がある.
これから紹介するのは,ITに関する私の前任の担当審議官,後任の担当審議官,後任の担当審議官,そして私がIT問題に本格的に取り組みだした1998年の秋以降の時点の事務次官,官房長(担当局長),担当課長が(他官庁キャリア出身の一人を除いて全員防衛庁キャリアだったが)揃いも揃ってコンピュータ「音痴」の人々ばかりだったことが,どんなに深刻な悲喜劇を生んだかの話である.
ITに関する1998年当時の防衛庁の最大の課題は,庁OAを持っていなかった(という悲惨な状況にあった)防衛庁中央組織の六本木から市ヶ谷への移転を2000年春に控え,市ヶ谷でいかなる庁OAを整備するかであった.
計画に従い市ヶ谷に移転することとなる内局,統幕,陸海空幕僚監部(以下,「陸海空幕」),施設庁,調達実施本部(当時),技術研究本部の各中央組織をネットワークで結び,パソコンの一人一台体制が整備されれば,この市ヶ谷における庁OAが,遅かれ早かれ,全国の部隊・機関に広がっていくはずであった.
当時(現在もそうだが),ハードはバラバラでも相互連接が可能であれば問題はなく,いかにソフトの統一ないし互換性の確保を図るかがポイントであった.
ところが,信じ難いことに,グループウェア(13)は,上記内局,統幕,陸幕,海幕等々において,それぞれ自由に選択できるとの方針が,前年1997年の秋にすでに決定されているという(私の前任者には,このような決定がなされようとし,実際なされたということが知らされていなかった.「音痴」であると,そのような扱いを受けてしまう).
私は,グローバル・スタンダードに近いAという外国製グループウェアによる統一へと方針を転換しようとした.
しかし,内局以外の全ての機関の積極的・消極的同意をとりつけたにもかかわらず,内局(事務次官―官房長―担当課長―担当室―担当プロジェクト・チーム)の反対を最後まで突き崩せず,後ろ髪を引かれるような思いで1999年8月,仙台に赴任した(その時点ではITに関する後任はまだ指定されていなかったので,引継ぎもできなかった).
この問題の背景を,もう少し説明しておこう.
1998年秋現在,ある幕僚監部と調達実施本部はそれぞれAの採用を予定しており,また(市ヶ谷に移転する機関ではなかったが)防衛大学校はすでにAを採用していた.
その幕僚監部は,兵站系のネットワークのグループウェアとしてAを採用していたので,蓄積されたAのもとでのノウハウやファイル系といった資源の有効活用の観点から,庁OAでのAの採用に拘っていた.
防衛大学校は,柔軟性・発展性に限界のあった国産のBというグループウェアからAに,苦労して転換したばかりだった.
他方,内局では1998年2月からすでに庁OAの「試行」を行っており,このBを採用していた.
内局が「試行」に当たってBを採用したのは,担当部局すら「音痴」ばかりで判断能力がなかったため,担当プロジェクト・チーム発足時に,先ほど触れたある幕僚監部からチーム員として派遣されてきたネットワークのプロの自衛官が,
「コストが安いだけでなく,ユーザーにとっても管理者にとっても扱い易いグループウェアである」
としてBを推薦したためである.
彼は,自分の派遣元の自衛隊の意向を受け,その自衛隊と内局とのネットワークを介した情報交換を困難にする意図をもって,あえてBを推薦したと思われるフシがあった.
施設庁は内局と同じシステム構成にすることとしていたし,統幕は内局のシステムに加入することとしていた.
グループウェアをAに統一するということは,内局にとってはBをAに切り替えることを意味した.
Bを提供できる会社は事実上そのメーカーたるb社しかなかったので,Bを採用する機関のシステムの管理は自動的にb社が担当することとなるのに対し,Aはどのコンピュータ・メーカ(通常,グループウェアも取り扱う)でも提供できたので,グループウェアの採択と管理会社の決定とを切り離すことができた.
私がITを担当していた時点で,内局の担当室には防衛庁キャリアが室長以下3名いた.
うち「音痴」でなかったのは1名のみ.
また,担当プロジェクト・チームのチーフは着任時「音痴」のノンキャリア.
チーム員の自衛官3名はさすがに着任前から「音痴」ではなかったが,ネットワークの知識は極めて貧弱だった.
チーム発足時のようなネットワークのプロは一人もいなかった.
むろん,彼らには何の咎もない.任免権者が悪いのである.
BをAに切り替えるべきではないとして,担当課の主張した主な反対理由は次の通りであった(この他,ここに再掲することが憚られるような恥ずかしい内容のものを含め,ありとあらゆる反対理由が並べ立てられた).
(1) コストが安いだけでなく,ユーザーにとっても管理者にとっても扱い易いグループウェアであることからBに決めたのであり,いまさらAに切り替えることは問題.
(2) いずれにせよAに切り替えるとなれば,当時の担当者の判断が適切でなかったという事になり,責任問題が生ずる.
(3) すでに内局でBの使用を始めてから時間が経過しており,これまでのBの使用・管理に関するノウハウの蓄積が無駄になるばかりでなく,Bのもとで蓄積した(メール,掲示板・会議室,ライブラリ,グループ・スケジューリング,ワークフロー等の)ファイル/データ系を切り替えることに(BとAに互換性がないことから)多大のコストと労力を要する.
(4) 近い将来,グループウェアそのものが必要でなくなる時代が来るとも言われており,グループウェアをどれにするかなどは重要な問題ではない.いわんやグループウェアの統一を図る必要などない.
(5) 異なったグループウェアのもとで,それぞれの機関が独自のファイル/でーた系を擁することで,各機関が情報面での独立性を維持できる.
各機関とも情報面での独立性を欲しているからこそ,グループウェアを統一しない方針に同意している.
各機関の希望に反する政策はとるべきではない.
反論はこうなる.
(1)はどうしてAが淳グローバル・スタンダードになったかを説明できない.
コストの高さやメンテナンスの困難さを上回る価値があったと言うことであろうし,何よりも淳グローバル・スタンダードであることが,応用ソフトの豊富さなど運用の柔軟性や発展性をもたらしてくれることを忘れている.
(2)は反論するまでもあるまい.
不適切な意思決定が行われていたのだとすれば,できるだけ早くこれを改めるべきであろう.
(3)は時間が経てば経つほど改めるのが困難になると言っているに等しい.だからこそ,早く改める必要があるという事になる.
(4)のような主張をすると,いったん決めたグループウェアを変えたくないと頑張ること自体がおかしいということになりそうである.
(5)は許し難い主張である.
私は何も各機関の間の情報の垣根を廃止せよと主張していたわけではない.機関ごとに庁OAシステムが独立し,その各システムの間が単に連接されているという基本構想は,所与のものとして受け入れていた.
他方,各機関において作成されるパソコン文書のデータ形式は,統一するか互換性を確保しておかないと,データのやり取りが困難になるので,アプリケーション・ソフトについては,ワープロ・ソフトはワードまたは一太郎,表計算ソフトはエクセルと決定されていた.
また,パソコンを動かす基本ソフトであるOSもWindows NT(当時)一種類に決定されていた.
アプリケーション・ソフトとOSの間に入って働くグループウェアについても,望むらくは統一,それがだめでもせめて互換性を確保しておかないと,特定の分野(メール,掲示板・会議室,ライブラリ,グループ・スケジューリング,ワークフロー等のうちの一つまたは複数)に関する陸海空自衛隊のファイル/データを急遽集める必要が生じたとき,陸海空それぞれのグループウェアの下で整序された(例えばメールの)ファイル/データ系を,いったん素ファイル/データ(この場合は個々のメール・ファイル)のレベルまで分解した上で陸海空分をドッキングし,整序しなおすか,あるいは非互換性を乗り越えるソフトを新たに開発して,異なったファイル/データ系を単一のファイル/データ系に変換する必要がある.
それでは時間とコストがかかり,緊急時に対応することが困難になってしまう.
平素から,突然新たな事態が生じたときに陸海空が連携して速やかに対応できる様目配りをしておくのが,防衛庁の中央組織中の中央組織たる内局のはずなのに,その役割を自ら放棄するようなことを主張するのでは,内局などないほうがましであるし,防衛庁は自ら解体して,陸・海・空自衛隊が別個に並存する体制にしたほうがすっきりするというものである.
〔略〕
しかし,どれだけ分かり易い説明をしても,内局のお歴々の「音痴」ぶりと事なかれ主義(あるいは不祥事に関する態度のにぶさ)はすさまじく,ついにご理解,ご賛同を得ることはできなかった.
少しは訳の分かっていそうな防衛庁キャリアの関係局長,課長クラスに賢明に説明して支援を頼んだが,彼らもまた事勿れ主義者ばかりで何もしてくれようとはしなかった.
陸海空各幕僚監部の上層部は,表向きは私の主張に賛意を示してくれたが,実務レベルでのホンネは必ずしもそうではないため,積極的には私を支援してはくれなかった.
統幕は予想通り右往左往するばかりで何の役にも立たなかった.
太田述正著『防衛庁再生宣言』(日本評論社,2001/7/5),p.21-28
【質問】
これってホントですか? 自衛隊ってそんなにつおいの?
64 名前:マンセー名無しさん[sage] 投稿日:2005/06/26(日) 19:04:16 ID:9cwnlAEO
総括すれば,自衛隊にとって朝鮮半島での作戦は,国内戦のノウハウの延長で戦えるってこと.
北海道に「逆上陸」に近い状況で,ロシアの機械化師団と戦うことを想定していた自衛隊にとって,それほど 難事業ではない.民政を除けばね.
自衛隊には対空レーダー網を破壊するワイルド・ウィーズルもできなければ,ステルス機も持ってないので,対空火器のエサになっちまいます.
米軍の制空権をあてにしている韓国軍の防空能力はたいしたことはない.
軍事は何事も相対性により決まる.半島を空爆するのにストライク・パッケージは不要.
敵の基地や滑走路レーダーサイトなどを破壊する能力はほぼないです.
北朝鮮はともかく,韓国の対爆施設はたいしたことは無い.
今,空自が持っている航空爆弾で十分だと思うが?
それに,新型のJDAMも開発中だよ.白書参照.
少なさってレベルではありません.陸自は日本以外で戦うことを想定されていませんから, 補給能力がないです.
つまり,勝てないどころか戦うことすらできないってことです.
そもそも,半島自体が日本から近い.
冷戦期間中,そして今も九州の部隊を北海道に緊急展開する訓練をやっているが,北九州を起点にすれば,それよりもはるかに近いよ.
【回答】
例示されている方の物言いは,
「韓国軍の実力を以てすれば,日本なんか一ひねり」
などと言っては軍板住人の微笑を浴びている韓国人軍オタの裏返しでしかありません.
この手の人たちの主張というものは,国家や洋の東西を問わず似通ったものになる様ですね.
僭越ながら各個にツッコミを入れると
>自衛隊にとって朝鮮半島での作戦は,国内戦のノウハウの延長で戦えるってこと.
戦えません.そもそも韓国軍に対抗しうる戦力を揚陸し,更にその後の戦闘で消費する物資を補給し続けるだけの輸送力が海自にはありません.
>北海道に「逆上陸」に近い状況で,ロシアの機械化師団と戦うことを
>想定していた自衛隊にとって,それほど難事業ではない
そんな「想定」は存在してません.理由は上述.
>民政を除けばね.
これが最大の問題なんですが,この方は「瑣末な問題」と考えているか,あるいはその様に印象操作したいのかもしれませんね.
>米軍の制空権をあてにしている韓国軍の防空能力はたいしたことはない.
米軍の制空権に依存しているのは自衛隊も同じです.
>軍事は何事も相対性により決まる.
>半島を空爆するのにストライク・パッケージは不要.
「相対性」が何を指すのか不明ですし,なぜストライクパッケージが不要なのかも不明です.
>北朝鮮はともかく,韓国の対爆施設はたいしたことは無い.
>今,空自が持っている航空爆弾で十分だと思うが?
「たいしたことは無い」と断ずる根拠がありませんし,韓国より北の抗湛性が勝っているという主張には笑うしかありません.
>それに,新型のJDAMも開発中だよ.白書参照.
「開発中」の装備を以て「これで連中より優位に立った!」と勝ち誇るのは,韓国の軍オタに良く見られる行動パターンの筈なんですが…(苦笑).
その開発が終わる頃には,相手も何らかの装備の開発を終えている,と考えるのが普通です.
>北九州を起点にすれば,それよりもはるかに近いよ.
国内の機動演習と,敵前での着上陸戦を同列に語られても…
どうもこの人は,上陸戦を「浜辺にフネで乗りつける」だけだと思っている様ですね.
……とまあこんな感じです.
軍隊にはそれぞれ固有のドクトリンがあります.
そして,自衛隊がそもそも他国への侵攻を考慮せず,その様な装備も持たないのですから,この様な想定は妄想の域を出ません.
そして,ドクトリンとは「強い弱い」とは次元の違う問題なのです.
【質問】
自衛隊の現状戦力で,太平洋戦争開戦直前の旧軍戦力と正面からぶつかり合ったら,旧軍の方が強いですよね?,食料とか補給も同じ条件だったら.
【回答】
自衛隊が勝つだろう.
自衛隊の潜水艦が海軍の輸送船を沈めまくる.
海軍の対潜能力ならまったく対応できないはず.
船が一隻もなくなれば陸軍は餓死.
それどころか護衛艦のSSMで旧海軍艦艇を一方的アウトレンジしまくり.
大和とアーレイバーク級駆逐艦が戦ったら?ってスレッド(あたごとアイオワ級だったかも)で検証してたが,1対1なら海自の護衛艦でも大和を撃沈,悪くても戦闘不能に出来るしな.
海軍の航空隊も,イージス艦の防空能力で撃墜しまくって,航空機もパイロットも数が十分でない日本軍は,3〜4回の戦いで航空戦力を失う.
艦載機無くなった空母も,ただのドンガラだ.
攻撃せんでも「反撃」か「防衛」してるだけで,一方的なワンサイドゲームだよ…
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
以下記事ですが,自衛隊ダメポ?
――――――
「陸軍,日本陸上自衛隊とのサバイバル戦に勝利」
【ソウル7日聯合ニュース】
韓国陸軍が先ごろ日本の陸上自衛隊員と江原道・洪川の科学化戦闘訓練団(KCTC)でサバイバル戦を行い,勝利していたことが7日にわかった.
陸軍によると,日本の陸上自衛隊に所属する2尉や3尉の隊員12人は,4日午後にKCTCを訪れ,KCTC所属兵士らで構成された専門対抗軍12人と対決した.
「K−1」発射機やヘリコプターなどのサバイバル装備で重武装した,自衛隊員と専門対抗軍の兵士らは,実際の戦場に似た訓練場で追いつ追われつの攻防戦を繰り広げた.
着用した装備は受信感度が昨年の6.5倍に向上し,全地球測位システム(GPS)の誤差を既存の5メートルから3メートルに縮め,訓練統制本部が訓練を受ける部隊と隊員の位置を正確に把握できるよう改善された.
30分余り行われた戦闘で,自衛隊員は11人が体にレーザービームを浴び,1人だけが「生存」した.
実際の戦闘であれば全滅に近い.
一方のKCTC兵士らは,全員が無事だった.
日本自衛隊のKCTC訪問は3年ぶり.
韓国軍の装備や訓練場施設を視察した後,サバイバル戦体験を行ったという.
――――――
【回答】
視察メンバーがお試しで遊んだだけの事で,むしろ,これで負けてたら韓国陸軍,いい面の皮だけど.
何か前にもアメリカ軍とのサバイバル戦で,ボロ負けしていた気が・・・
ヨッチ,2010年03月07日 21:35
状況設定とか,攻守の両サイドでの守備戦なのかとか,判らない事が多すぎるので,本来コメントのしようが無いはずなんですが.
2ch系のサイトでは,「自衛隊ダメポ」のオンパレードになってますな.
「日本は海上が強けりゃそれでいいんだよ」
という,多少的外れな擁護?もありますが.
とりあえず,明日の中央日報や東亜日報の記事待ちしております
(さすがに朝鮮日報はまだまともでしょうから)
千里独行,2010年03月07日 23:23
ちなみに韓国研修行くのは…,3佐のえらくなるコースの人たちか,防大(は行ったかな?)あたりだったはず.
職種もばらばらだし,同じ部隊ですらない.
本来,比較対象外だと思うんだけど(笑)
Cpt.hige,2010年03月07日 23:55
2ch軍板の該当スレッドに,韓国側の反応が.
何だろう.
例えるなら,第一空挺が,一般部隊に配属したてのヒヨッコに勝っても,自慢にもならないみたいな.
肥後守,2010年03月08日 00:49
その程度のことでニュースになってしまう,あの国のストーカー具合が恐ろしす.
dragoner,2010年03月07日 22:03
▼ 勝っていたときに何が起きるか想像したら,今回の陸自の対応は極めて政治的配慮に富んだものと考えてよいかと( ・・)/
緑川だむ,2010年03月08日 12:31
WBCやACL,バンクーバー・フィギュアでのF5アタック団が,いい教訓になりましたからな(笑)
バルセロニスタの一人,2010年03月08日 12:47
▲
>自衛隊員は11人が体にレーザービームを浴び,
※イメージ映像
ヨシフ,2010年03月07日 22:23
>自衛隊員は11人が体にレーザービームを浴び
※戦車は別売りです
肥後守,2010年03月07日 23:02
以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分
【関連リンク】
「リアリズムと防衛を学ぶ」◆(2010/03/13)「韓国軍が自衛隊に勝った!」というニュースが別にどうでもいいワケ
【質問】
自衛隊は本気で強い軍隊を志向しているわけではない.
ある意味,究極のごっこ遊び.
やってらんねえ.
【回答】
雑談がしたいなら雑談スレに行け.
十年ちょい前の春先こと.
アメリカのロッキー山脈のあたりで,陸自と米陸軍の合同演習がありました.
「この場所からこの場所まで移動しろ」
っての.
同じ演習だけど,陸自と米軍は別経路で集合地点まで向かいます,徒歩で.
……演習が開始したら,数十年ぶりの大寒波で大雪・吹雪!
レスキューを飛ばそうにも,それすら出来ない悪天候!
米陸軍側には死者まで出る大騒ぎ!!
「……はたして自衛隊は大丈夫だろうか……」
米陸軍のレスキューは集合地点に向かった.
そこで,米陸軍の見たものは……
……そんな事故があったとはつゆ知らず,雪合戦をしてのんきに遊ぶ自衛隊の姿でした……
まあ,米陸軍が個人では水や食料等の補給物資をあまり持たないで,輸送にはヘリを活用してたしてたとか,陸自が使い捨てカイロ持っていってたとか,原因はいろいろあるらしいんだそうですが,でも米軍に
「自衛隊すげぇタフだ!」
と思わせたのは本当だそうな.
実戦経験が豊富だから強いとは限らない.
兵法の初歩も理解できずに批判するな.
自衛隊板,2009/08/09(日)
青文字:加筆改修部分
▼ 【反論】
こちら
http://2chcopipe.blog122.fc2.com/blog-entry-2748.html
のNo.19110で
>陸上自衛隊が日米合同演習を米国本土でやったのは
>03年か04年からで最近のことだと思います.
と言っている方がいます.
このコピペがいつごろから出回っているのかわかりませんが,上記サイトだと2006年の書き込みになっていて,そこから「十年ちょっと前」となりますと,すくなくとも1996年より以前ということになりますが,その当時このような米本土での日米合同演習というものは行われていたのでしょうか?
この話,ぐぐっても2ちゃん以外のソースは見つからないし,なんか胡散臭いんですが・・・
通りすがり in FAQ BBS,2009年9月19日(土)
5時36分
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
陸海空で国際的な評価を受けたテクニックや職人芸って,どんなのありますか?
演習や観閲式などで海外の武官が舌を巻いた,といった武勇伝をぜひ.
【回答】
海自だと掃海技術が評価された.
ペルシャ湾のMDA10は流れが強く,視界も悪く,パイプラインが海底を走る,条件が悪い海面だった
そんな中で,MDA7で17個,MDA10で17個計34個(係維機雷13個沈底機雷21個).
観艦式も,普通の国は停泊観艦式(錨泊した艦隊列を観閲艦がまわる)が一般的だが,海自は移動観艦式を行う,
観閲艦が一往復する間に観閲と展示訓練を行い,速度の違う哨戒機や哨戒ヘリまで,分単位で観閲艦の上を通過する.
一度見たらすごさに驚く.
また,あくまで実見しただけで,国際的な評価はわかりませんが,総火演で数年前から特科が披露している大技「富士山」」はすごいもんです.
観覧席から見て
☆
☆ ☆
☆ ☆
というような感じで弾着というか,榴弾を空中炸裂させるのです….
時限信管か近接信管かは不明ですが,いずれにせよ射距離,射角,タイミングはアホみたいなシビアさのはず.
見れば驚きます,絶対に.感動するか呆れるかは微妙なところ(私は両方でしたが)
エクレア in 「軍事板常見問題 mixi支隊」
富士総合火力演習の99榴
(画像掲示板より引用)
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ