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◆◆◆総記
<◆◆装備調達 目次
<◆日本/自衛隊(JSDF)FAQ目次
東亜FAQ目次


(画像掲示板より引用)


 【link】

「Asian Correspondent」◆(2012/04/10) Japan and Britain agree to a joint arms development deal

「dragoner.ねっと」◆(2013/06/01) 今更「自衛隊はサリンを製造していた」とか”スクープ”しちゃう,週刊金曜日の情弱っぷり

「kojii.net」■(2010/06/21)ガラパゴス考

「Kojii.net」■(2010/09/06)一番を目指すくらいでちょうど良し

「kojii.net」■(2012/07/16 05:25) 無菌状態は危険状態かも ?
>「そうやって自国を一種の無菌状態に置いていたら,民生品の輸入という名目,あるいは偽りの下で軍事転用が可能なテクノロジーや製品を輸入しようとしている相手に対する,一種の嗅覚みたいなものが働かないんじゃないか」

「Togetter」◆(2011/01/17)もし,1980年代から自衛隊にGDP比2.5%の予算を割り振られていたら

「数多久遠のブログ」◆(2013/05/12) 2波長赤外線センサ_作りたいモノを作るのか,必要なモノを作るのか

「数多久遠のブログ」◆(2013/05/23) 自衛隊装備のガラパゴス化は是か非か

ギャラリーらいとうぃんぐ(自衛隊各種装備細部詳細写真集)

「防衛省」◆ [PDF]技本の研究開発の現状と軍事技術の方向性
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/seisan/sonota/pdf/05/005.pdf

「防衛省」◆ 装備品の取得方法別の長所・短所

『使える兵器,使えない兵器』上(江畑謙介著,並木書房,1997.11)

 読了.
 後知恵の結果論,性能より精神論を優先,整備性より精神論を優先,
 果ては外見を印象論で批判するなど,そのまま読めば強引な駄目出しも多く見られる.
 「図解! こうすればあなたも兵器(開発&導入)にいちゃもんをつけられる目録」.
 予備知識がない奴や,結論が先に決まってる奴に,読ませちゃ駄目だ(笑)
 一方で,自衛隊の実戦想定が甘い体質など,鋭い指摘も並べられている.

 この本は単純に,この兵器はここが駄目だ,と文句をいうような趣旨ではなく,明らかに問題点のパターンを具体例を挙げて解説してるとおり,批判する目を養い,今後の国防に対する世論の質向上を狙ったものだろう.
 そのため,項目ごとに結論を強くおしつけておらず,読者に問題を投げかけ,自分で考えさせる内容になっている.

 それではこれから下巻読んできますノシ

------------軍事板,2011/01/04(火)
青文字:加筆改修部分

 【質問】
 主に自衛隊が使ってる兵器について知るには,どんな本がお勧めですか?
 『イージス艦入門』はよかったです.

 【回答】
 ご要望からは少し外れているかもしれないが,兵器を始めとした各種装備がどのように運用されているか,扱っている人間が何を考えどう感じているかの,参考にはなると思う.

『自衛隊指揮官』(瀧野隆浩)
『極秘捜査―政府・警察・自衛隊の対オウム事件ファイル』(麻生幾)
『「地下鉄サリン事件」戦記 出動自衛隊指揮官の戦闘記録 1995.3.20』(福山隆著,光人社,2009.5)
『阪神大震災 自衛隊かく戦えり』(松島悠佐)
『ペルシャ湾の軍艦旗―海上自衛隊掃海部隊の記録』(碇義朗)

 あとは杉山隆男の兵士シリーズとか.
 著者がF15や潜水艦などの同乗取材を行なっている.

軍事板,2010/04/30(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 技術研究本部は,どんなことをしているのですか?

 【回答】
 技術研究本部(TRDI)には,第一研究所,第二研究所,第三研究所,第四研究所,第五研究所があり,分野ごとに各研究所で研究開発を行っています.
 研究開発された兵器の試験評価組織として,札幌試験場,下北試験場,土浦試験場,新島試験場,岐阜試験場を有しています.

「札幌試験場の所掌業務」
 装備品等の寒地,積雪地及びでいねい地における性能に関する試験,航空機用及び誘導武器用原動機の性能に関する試験,並びに航空機及び誘導武器の機体,並びに弾火薬類の空力性能に関する試験を行う.

「下北試験場の所掌業務」
 火器及び弾火薬類の弾道性能に関する試験を行う.

「土浦試験場の所掌業務」
 火器,弾火薬類,誘導武器,通信器材,電波器材,電気器材,光波器材,施設器材及び車両の性能に関する試験(他の試験場の所掌に属するものを除く.)を行う.

「新島試験場の所掌業務」
 ロケットの弾道性能及び誘導武器の飛翔性能に関する試験(岐阜試験場の所掌に属するものを除く.)を行う.

「岐阜試験場の所掌業務」
 航空機及び航空機用機器の性能に関する試験(札幌試験場の所掌に属するものを除く),並びに航空機を使用して行う航空機搭載誘導武器の性能に関する試験を行う.

 各試験場の所掌業務はおおよそ区分されていますが,土浦試験場でもロケットやミサイルなどの飛翔体を扱っているので,もっとちゃんとした区分けがあると思います.

 札幌試験場には装軌車両などの試験路があります.(使っていないときには何かの訓練場に開放していたような気がします.)

 自衛隊の試験評価組織として,陸上自衛隊の装備開発実験隊があります.
 開発中の装備品等の実用試験を専門的に担任する装備開発実験隊で,富士学校・富士駐屯地にいますね.


 【質問】
 日本の大学における軍需分野研究の状況について教えてください.

 【回答】
 日本の大学の研究所に,米軍から提供される資金が毎年増えてきています.
 日本の民生技術が軍事に生かされつつあるからです.
米軍マネー,日本の研究現場へ 軍事応用視野に助成:朝日新聞

 なかでも国立千葉大学のチームでは,1km先の銀行でテロリストに囚われている人質を救出するために,地上部隊と連携して救出作戦にあたるシナリオのもと,自作ロボットが地雷原や障害物を突破し,人質やテロリストの状況把握するというものもあれば,小型無人ヘリなど対テロ戦にはかかせない技術が紹介されました.

 もちろん研究者の間では抵抗感もありますが,現代の軍事では戦争が目的ではなく,テロリスト対策は紛争勃発を未然に防ぐという意味からも,このような技術はとても必要だと思われます.
 特に自衛隊にとっては,MD(ミサイル防衛)のための技術として,キネティック弾頭要素を開発しているだけに,こうした大学で開発されている技術は不可欠と言えるでしょう.
米国・戦闘ロボット「MAARS」 vs. 日本・自衛隊「キネティック弾頭要素」【自衛隊の圧勝】コタツムリ日記 (・・@~

 それを見通してか,防衛省技術研究本部は帯広畜産大学と,生物剤検知システムの共同開発に乗り出しています.
防衛省技術研究本部先進技術推進センターと国立大学法人帯広畜産大学との生物剤検知システム分野における共同研究について:防衛省技術研究本部(PDF注意)
http://www.mod.go.jp/trdi/research/pdf/center.pdf

 この生物剤検知システムは災害派遣だけでなく,弾道ミサイルよるBC兵器の使用や,BC兵器によるテロ対策にも有効なシステムなだけに,開発に期待がかかります.

 防衛省技術研究本部は現在,携帯型ロボットの開発に乗り出していますが,千葉大学と提携していみてはどうでしょう.
携帯型ロボット(小型ロボット建物内移動技術の研究):防衛省技術研究本部

 問題があるとすれば,各大学で過激派が牛耳っているとされる,学生自治会の影響ですが,法政大学など一部大学を除くと過激派の影響力は落ちつつあり,この点では問題はないかと思われます.
 というか影響力があれば,アキハバラ解放デモでのオルグ活動なんかするわけがないのですが.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月08日10:17
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 今後,日本が力を入れるべき装備の方向は?

 【回答】
 日本戦略の研究会によれば,小型ハイテク装備で武装すべきだという.
 以下引用.

★ 表題: 日本は,小型且つハイテク武器・機器の開発で武装せよ
 061206           担当: 鈴木良吾 


◇ 防衛庁技術研究所が民間企業と協力し合って,最新鋭の超小型偵察機の開発に着手します.翼幅約60センチ・重量400グラムの無人機,発泡スチロール製で電動モーターによって飛行し,内蔵の小型カメラで地上の拠点に映像を送信します.離島・本土へ侵入せんとする敵(不審者)の行動を監視する目的です.

◇ 米国・米軍は,大型・ハイテク・高価な武器の開発を続けています.日本は,ナノテク・精密機器の開発技術力を活用して,小型でハイテクの武器・機器を製造し,実戦に応用すべきであります.

◇ 地上戦の最前線で,兵士が銃を持って走り回る行動を取らずに,超小型ロボット(小さいほど良く,ネズミ・ゴキブリ程度)数~十数個を,兵士がリモコンで操って,偵察・攻撃させる必要があります.更に,アブかハチ程度の飛行物ロボットを駆使して,相手の動物(人間)を刺して殺す(同時に自身も死ぬ),かかる武器の開発を急ぐべきです.

◇ 海上では,大型艦艇ではなく,超小型のロボット(イワシ・渡り鳥・スズメバチ程度)を製作し,潜水艦・戦闘機からの操作で,監視・偵察・攻撃に応用する手法が肝要です.

◇ 海岸線には,文頭の超小型偵察機と民間のパトロール隊が有効で,攻撃能力を有する部隊との連絡・通信・連携を確保する必要があります.戦車(タンク)隊の保有は,既に時代遅れと言わざるを得ません.

◇ ともかく,超小型の兵器・武器は,相手側(敵)からは攻撃し難く,破壊されても被害が小さいです.日本の超精密技術を,ここに投入すべきであります.

◇ 海中には,漁網類似の網(ネット)を要所に張って,敵の潜水艦の行動を監視します.網(ネット)自体は簡単に破られても,通過の事実と標的が明確となり,必要に応じて,水中ミサイル又は誘導魚雷による攻撃が可能であります.

◇ 空中には,電子・電波・レーダー等の各種の網(ネット)を,日本空域の境界付近に常時張り巡らせて,敵(不審者)の航空機・ミサイル等の通過を監視する手法を考案・実用化すべきです.監視衛星と共に,不当な侵入者を迎撃できる準備(ミサイル等)が重要であります.

◇ 今後の戦闘・戦争は,核兵器だけではありません.「核」は威嚇効果が大部分を占めており,容易に(全くと言って良いほど)使用不可能な兵器です.
 日本が得意とする超小型兵器によって,防衛の主力手法を構築することが,今後は極めて重要と言わざるを得ません.

おきらく軍事研究会,平成18年(2006年)12月11日
●「良い国日本の再興」 日本戦略の研究会 2006年12月第1週b より転載

 その方向では,既にイスラエルが開発に着手しているという情報もある.
 検討はしてみるべきかもしれない.


 【質問】
自衛隊は「冷戦思考」を超えられるか:Web論座
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 防衛大綱は,年末の改定が迫る.21世紀に入っても相変わらず戦闘機,大砲,護衛艦など「冷戦型」の重装備に偏る自衛隊の今後を考える.
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ですが,本当に自衛隊は冷戦型に偏っているのですか?

 【回答】
 「戦闘機,大砲,護衛艦など」は,冷戦が終わったとされる欧州各国でも,今でも装備されて続けていますが何か?

 それに,
確かにヨーロッパ方面では冷戦が終わりました.
 しかしアジア方面では,今まさに中国の軍事力拡大に端を発する軍拡競争が始まっています.
 既に東南アジア各国とオーストラリアは潜水艦を倍増する方針を打ち出しており,日本もこれに続きます.
 我々は既に中国の軍拡に巻き込まれました.
 アジアでは冷戦構造が形を変えて,今も残っているのです.

 21世紀に入っても相変わらず戦闘機,ミサイル,空母に潜水艦など,「冷戦型」の重装備に偏る中国人民解放軍の事を考えて下さい.

 周辺国はこれに対抗する上で,重装備を調達しなければならないのです.



<以下,コメント欄>

 「冷戦型」と批判している人達って,「じゃあ「冷戦型」に代わる装備体系って何?」という部分について,きちんと自分の中で回答を見出しているんだろうか?
 単に自衛隊の装備体系を批判する為に「冷戦型」と,自衛隊が冷戦という過去の遺物に捕らわれていますよというレッテル張りしているようにしかみえないんだけどなぁ.
 実情とか無視して.

 まあ,米国の例で言えば,以前はストライカー旅団みたいなのが持て囃されていたけど,イラク戦争の戦訓とラムズフェルドの失脚で,大分流動的になったと思うんだけどねぇ.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月23日 23:45:02



 冷戦思考を脱却すべきなのは,朝日(に限らずこの手の方々)の方だと思うんだ.
 もはや戦後ではない,って言うか冷戦が終わってからもう20年近く経とうとしてるのに,未だにバカの一つ覚えで冷戦は~と言ってる奴の方が,冷戦にとらわれ過ぎている証拠だろ.

 冷戦が終わったらもう戦争が無くなる,というのも幻想だった.

 ストライカー装甲車による戦車不要論も一部にあったが,これも誤りだった.

 そして中国をはじめとする新興国の軍拡と言う事態をもって,冷戦が終わって正面装備を時代遅れと見なす風潮も,終わりを告げつつある.
 冷戦時代一番緊張していて,国力も大きい勢力同士が対立していた欧州で,大幅に削減しているからと言って,元々防衛費の割合でいえば少なく,最近は周辺国の軍拡もある日本にあてはめることはできない.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月24日 02:43:34



 冷戦が終わってソ連が崩壊したら頭を失った共産党系政権が世界中でパカパカ倒れて

無政府状態→内戦

の連続技になったんだよな.
 平和どころか,どういう動機でテロや紛争が起きるのかすら予想不能の事態になっちまった.
 しかもゴルバチョフがペレストロイカの軍事費削減で無茶して,兵士の給料や基地の暖房費用すらケチったおかげで,武器やら核やら大拡散しちゃったのに,「冷戦終結万歳! これからは9条精神の輸出だ.逆らう奴は地獄に落ちろ」ってなお花畑思考におちいったのが日本のマスコミや市民団体様で,そこから世界情勢を知らない,間違ってるのは自分達じゃなくて,世界のほうだと思い込んでしまったんだよな.

Posted by 名無しT72神信者 at 2010年08月24日 23:22:36

「週刊オブイェクト」◆(2010年08月23日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 『軍事研究』誌上での調達情報を流し読みしていると「12.7mm重機関銃(3国)」という表記を発見しました.
 これは一体,通常の12.7mm重機関銃とどのように違うのでしょうか?

 【回答】
 契約の形態を表すもので,12.7mm重機関銃(3国)という,12.7mm重機関銃と別の装備品があるわけではない.
 モノ自体は単なる12.7mm重機関銃のこと.

 3国の国は国債のこと.
▼ 国債で調達する装備品で,契約から支払いまでが3年度に渡るとか,そんな意味だったような気がする.

 調達業務とかにはあんまりかかわってないから,正確ではないかもしれんが・・・

自衛隊板,2009/12/09(水)
青文字:加筆改修部分

▼ 防衛省・自衛隊における「国債」は,「国庫債務負担行為」の略語で,複数年度にわたる装備品の契約で行われるものです.
 適当に知恵蔵にリンク

 日本国債は財務省の所管であって,防衛省が直接発行に関わったり,資金調達に使用することはありません.

 肝心の「3国」が実際に何の略なのかは知りませんが,少なくとも,
誤:国債で調達
正:国庫債務負担行為で調達
です.

ここに書き込むの数年ぶりだ in FAQ BBS,2010/4/22(木)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090921-00000058-san-pol
 複数年度予算を検討とあるので,これは国産装備の調達コスト低減フラグか,とも思いましたが,これって効果出るんでしょうかね?
 2~3年程度のスパンだと,あんまり出ないもんなんでしょうか?

2009年09月22日 12:02,HISATANE

 【回答】
 護衛艦や潜水艦なんかは,既に複数年度予算で調達してるんで,今更あまり変わらないです.
 F-2戦闘機の調達の最後の方でもそれをやりましたし,TK-Xもそれをやる気です.
 要するに現行制度下でも既にやってるんです.

2009年09月22日 15:11,JSF

 陸は結構影響あるんだが…
 いや,陸そのものではなく,いわゆる防衛産業に.
 防衛のラインって特殊なものも多いから,ライン維持のコストも馬鹿にならないんだよね…

 以前の調達方式変更でも,結構な企業が手を引いたが,その二の舞にならなければ良いのだが.

2009年09月22日 15:42,Cpt.hige

 むしろ単年度予算だと,年間数両のペースでダラダラと作る羽目になり,稼働率の低い状態でラインを維持する必要があります.
 複数年度予算にすれば,数年分のまとまった数を量産することができるので,稼働率は上がりますよ.
 一気に作ってしまえば,早くラインを閉じることもできますし.
(F-2はそのために複数年度分を調達した)

 ただし一気に作ってしまうと,運用が始まってからの改善要望を反映させ辛くなるというデメリットが.

2009年09月22日 16:31,Kotei

 確かにそういう面もあるけれど加えて言えば…
 ライン閉じられちゃうと部品の調達にも支障が出るんですよ.
 一般民生品と異なる環境での使用が前提なんで,部品が無いのは致命的です.
 簡単に「じゃぁ新車に」と買い換えられないのは確実だし…

 いまだに「平成8年度以前に作られた73式小型」とか「距離計2回り突破記念車」とかが平気で走ってるのは確かにやばいけど,部品がなくなると,いざというときに動かない可能性がなぁ…

2009年09月22日 17:16,Cpt.hige

 民主党政権は「複数年度予算」を新機軸にぶち上げたい訳だから,すでに複数年度でやってるところは安心していいのかも.
 むしろ土木みたいな,単年度主義でやってた役所が影響でかいかねえ( ・・)/

 役人が外郭団体を作りたがるタテマエの一つが,役所の単年度会計主義では仕事しにくいちう奴だから,本来の民主党の意図は外郭潰しだろうけどねえ.

2009年09月22日 17:28,緑川だむ

>一気に作ってしまえば早くラインを閉じることもできますし.(F-2はそのために複数年度分を調達した)

 早々に閉じてしまうと,あまった人員をどうすべきかと言う問題がのこります.
 アマチュア工員でよいというなら,良いんでしょうけど.機密の問題も残りますし.

2009年09月22日 17:36,ゆきかぜまる

 いろいろ防衛産業維持のための話し合いも行われたようですが,納税者の立場としては費用対効果を最大にして,なおかつ有事の際でも対応できるような在り方を模索していただくしかないのかな,という考え方を持っています.
 その意味においては,旧来の五月雨式の調達より,ある程度先を見通せる複数年度契約・調達の方がベターな点が多いのでは,と私個人の職務経験上からも考えます.

 ただ,防衛装備品が一般民生品と異なるのは,非常に長いスパンでの安定的な部品調達が求められるという点.
 これは私個人の専門分野と全く同じ事なのですが,これにもある一定以上のコストをかけなければならないことがあります.
 部品確保というのは非常に地味な作業であり,使わなければ無用のコストとして忌避される傾向にありますが,部品一つ軽視する者はその部品一つに泣くことになる,というのは我が職域での鉄則でもあります故.

2009年09月22日 17:41,へぼ担当

>いろいろ防衛産業維持のための話し合いも行われたようですが,納税者の立場としては費用対効果を最大にして,なおかつ有事の際でも対応できるような在り方を模索していただくしかないのかな,という考え方を持っています.

 これが言うは易くして,の無限ループパターンにはまり込むんですな…
 やはり「戦時下を想定した補給」というのは,「平時の(あるいは民間型の)補給」とはなかなかに合致できません.
 ある意味,永遠のテーマなのでしょう.

>その意味においては,旧来の五月雨式の調達より,ある程度先を見通せる複数年度契約・調達の方がベターな点が多いのでは,と私個人の職務経験上からも考えます.
>ただ,防衛装備品が一般民生品と異なるのは,非常に長いスパンでの安定的な部品調達が求められるという点.これは私個人の専門分野と全く同じ事なのですが,これにもある一定以上のコストをかけなければならないことがあります.

 自衛隊の装備品の更新スパンは非常に長いです.
 74式戦車(改良はされているが)が今現在何台現役か,いや64式小銃すらいまだ現役であるという事実をどう考えるか.
 一般民生品で3~40年基本が変わらず,現役の工業製品はおそらく無いでしょう.
 実際にほんのわずかのマイナーチェンジのみしかされない自衛隊の装備品は,今の工業レベルとは比較にならない旧式のものも含まれているわけです.
 何年使うかもはっきりしない以上,初度部品を大量に調達してそれで済ますというような方法は,リスクが大きすぎます.
 こういったことも考慮して,生産ラインを維持し続けるために利益が出るような契約をし続ける,そのために何年にもわたって契約をし続けていくという方法を自衛隊は選択したわけです.
(そのせいで89式小銃などは,開発から20年たっても全数が揃っていません)

2009年09月23日 01:13,Cpt.hige

 ご教授ありがとうございます.
 私個人も自らの経験上ある程度の知見はありますが,こと補給・調達管理に至っては「正解がない(無限ループパターン)」 と言う点は痛感しています.
 愚弟にしても
「そのようなうまい考えがあったら苦労しないよ!」
との答えが返ってきますし.

 ただ,私個人の分野で言っても,補給・調達品の変遷(全般的にライフサイクルが短くなる方向)によって,少しずつ変化が求められていくことは確かだと感じています.
 それが急進的なのか,穏やかなのかはまた別の問題でしょうが,それらにも対応しなければならないため,さらに難しいというのが正直なところ.
 これでメーカーの思惑・姿勢も異なってきますので,さらに輪をかけて最適化を際限なく繰り返していかなければならないことを痛感しています.

 一方で,我が分野の場合,最近では少し流れが変わっていますが,信頼性確保の面から最先端の部品(デジタル半導体部品等)より枯れきったシステム(今時リレー・システム等)を用いることが求められます.
 原子炉の構造部品などは60年寿命だったりしますし,輸入品に至っては設計図面が失われているため,リバース・エンジニアリングを駆使したりと様々なことが要求されているわけで.
 部品・消耗品にしても,途中の経年劣化を考えて部品調達(保存管理)も行わなければならないなど,その点では自衛隊装備品とある意味似た性格を持っていると言えるのかもしれませんね.
 機会がございましたら,また意見交換させていただければ幸いです.

 取り急ぎお礼申し上げます.

2009年09月23日 03:17,へぼ担当

 正直,官で工廠作って,民間でどうやっても割に合わない部分を補填するしかないと思うことも.
 防衛だけじゃなく,宇宙でも民間の撤退が相次いで困っていますしねえ.

2009年09月22日 18:42,dragoner

 それをやると,余計にいろんな悪夢が出てきそう・・

2009年09月22日 19:17,万川集海→倉田

 確かスペインでは軍需産業は,国営の企業が一括して経営してるとは聞いた事があるけど,どうなんだろ?
 ただ,この時世で新たな独立行政法人を作るのもなあ.

2009年09月22日 19:42,バルセロニスタの一人

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分

▼ 総火演にて.
 駐車場にはこんな懐かしい73式小型トラック(三菱製ジープ,右端)が現役でいました.
 どうやら富士学校の装備のようですが,一丁前にAFV達と同じ迷彩がされていますね.

よしぞうmaro' in mixi,2007年08月27日01:21
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 我が分野では,ある程度のプレミアを払って,メーカーと折半するなどして何とか対処していますが,防衛装備品の場合,補給処
例:北海道補給処
http://www.mod.go.jp/gsdf/nae/nadep/dep.html
の役割含め一体どのようになっているのか,この点は支障ない範囲でご教授いただけたら幸いです.

2009年09月22日 17:41,へぼ担当

 【回答】
 補給処については,あまり細かいことを言うわけにも行きませんが…
 調達・補給・整備と限定された製作(工作)機能を有した,自衛隊の補給整備専門部隊(実際には機関)を補給処と言っています.
 方面・師団の全般支援大隊又は補給隊も同様の機能を一部有していますが,有事の際の運用とその規模に違いがあります.
 方面・師団の兵站部隊は一線部隊に随行,又はその後方で各種支援施設を開設して支援することを基本としている百数十名から数百名の部隊であるのに対し,補給処は現所在駐屯地をベースとして原則移動しない千人以上の部隊です.
(ただし一部勢力を前進補給処等として前方に派遣する場合がある)
 移動しない理由は簡単で,多種多様かつ大量の特殊整備用機材を有する各種整備工場を持ち,併せて大型倉庫数棟分の各種補給品(数百万点以上)を手持ちに持っているからです.

 これら補給処を統括する「補給統制本部」(東京に所在)と併せて,全国5箇所の補給処(他数十箇所の支処と呼ばれる子部隊あり)で全陸上自衛隊の補給を行っています.

 様々な見積行為(主に過去の実績と予算割当の節調その他による)に基づき,毎年各種部品を調達しますが,この「当たり外れ」が大変難しい.
 部品によって効率的になるように請求方式も変えています.
(定期的な請求か,数値的に下回ったら請求か)
 まぁ,もともと統計処理するには母数が不足気味なものが大半なんですけどね.
(おそらくこの辺は原子力関連も同様のはず)

 もっと細かく知りたい場合は,各補給処の記念日を狙うか,申請して見学するとかがよいかと思います,参考まで.
 ちなみに関東の補給処は,茨城県土浦市の「霞ヶ浦駐屯地」にあります.
(余談ですが,「土浦駐屯地」は茨城県阿見町にあり,ここは武器学校で補給処ではありません)

 話がぶれましたが,少しはご参考になったでしょうか?

2009年09月23日 01:13,Cpt.hige

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 自衛隊に調達されている主な欧州製兵器を教えてください.

 【回答】
 自衛隊の兵器の大半は,国産兵器か米国製兵器ですが,欧州製兵器もかなり増えてきており,英国のBAEシステムズなどは,自衛隊をお得意さんの一人として食い込むことに成功しました.

 では,どんな武器が調達されているかを,ここで紹介してみます.

ミネベア 9mm自動拳銃 - Wikipedia
 ミネベア 9mm自動拳銃とは,自衛隊に配備されている自動拳銃ですが,これはドイツのメーカー・ザウエル社の自動拳銃・SIG SAUER P220をミネベアがライセンス生産をしているものです.
 なお,ザウエル社は当時はスイスの銃器メーカー・SIG社の傘下にあったので,正式名称はSIG SAUERです.

SIG SAUER P220 - Wikipedia
 自衛隊ではそれまで,米軍が供与したコルト・ガバメントを使用していましたが,その後継としてザウエル社のP220が採用されました.
 トライアルではベルギーのブローニングHPや,ニューナンブM57などの国産拳銃も使用されましたが,結局P220に決定しました.


ミネベア 9mm自動拳銃 - Wikipedia
 ミネベア 9mm自動拳銃とは,自衛隊に配備されている自動拳銃です.
 これはドイツのメーカー・ザウエル社の自動拳銃・SIG SAUER P220を,ミネベアがライセンス生産をしているものです.
 自衛隊ではそれまで,米軍が供与したコルト・ガバメントを使用していましたが,トライアルの結果,ベルギーのブローニングHPや,国産のニューナンブM57などをおさえ,ザウエル社のP220が選定されました.
 なお,ザウエル社は当時はスイスの銃器メーカー・SIG社の傘下にあったので,正式名称はSIG SAUERです.(SIG SAUER P220 - Wikipedia)

 続いて120mm迫撃砲 RTです.
 この120mm迫撃砲はフランスのTDA社製のMO120RTを,豊和工業がライセンス生産しており,第一空挺団の空挺特科大隊が使用しています.
120mm迫撃砲 RT - Wikipedia


 続いて120mm迫撃砲 RTです.
 この120mm迫撃砲はフランスのTDA社製のMO120RTを,豊和工業がライセンス生産しており,普通科の重迫撃砲中隊,第一空挺団の空挺特科大隊の装備として広く配備されています.
(空挺の特科は特科というものの,迫撃砲を用いるので)
120mm迫撃砲 RT - Wikipedia

 そして,陸自が最も調達した欧州製兵器が,FH-70 155mm榴弾砲です.
 FH-70は英・独・伊の共同開発で,イギリスやドイツでは引退してしまいましたが,イタリアやサウジなどでは今も現役で,一番調達したのは日本の陸自でした.
 調達開始は1983年からですが,当時は日米貿易摩擦が始まろうとしていた時期だっただけに,よくアメリカが文句を言わなかったなあと思います.
FH70 - Wikipedia

 一方で,陸自はアメリカからM14の調達を要請されるも,これを拒否しています.
 まぁ,このM14もかなりの欠陥銃で,米国ではM16に交換され,早期引退した問題の銃だっただけに,陸自のこの判断は正しかったという事なのでしょうか.

 実際,M2カービンの後継の銃では,FN-FALやSIG 510などがトライアルされましたので,もし64式が採用されなかったら,自衛隊の小銃はFN-FALになっていた可能性もあります.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月07日15:42
青文字:加筆改修部分

 続いては航空機部門です.
 艦艇部門はほとんどが国産であって,こちらは目立った欧州製兵器はないので,航空機のみを取り上げます.

 海自は掃海・輸送ヘリにMH-53を使用してきましたが,このMH-53はFMSに基づく完全輸入品で,稼働率も悪く,早期引退の憂き目に遭いました.
 そこで海自は新たな掃海・輸送ヘリの選定・調達に乗り出しました.
 そこで採用されたのがイギリス・イタリア共同開発のEH-101でした.
アグスタウェストランド EH101 - Wikipedia

 EH-101は現在,もっとも有効な大型ヘリで,アメリカでもマリーン・ワンの候補にも挙がっているぐらいです.
 そして海自では,初の非米国製装備となりました.
 もし軽空母計画でAV-8Bが選定・調達されていれば,こちらが初の非米国製装備になるところでしたが,イージス艦の増備による艦隊防空体制が敷かれた事により,お蔵入りとなってしまいましたので,このEH-101が初の海自における非米国製装備となりました.
 ただ,このEH-101はライセンス生産されているにもかかわらず,稼働率が低いという情報もあり,今後の対応が注目されるところです.

 空自ではU-125が,最初の非米国製装備となりました.
U-125 (航空機) - Wikipedia

 U-125の機体の大元は,BAe-125でBAe(後のBAEシステムズ)社のビジネスジェット機です.
 BAeは後に125を含むビジネスジェットの製造権を,アメリカのホーカー・エアクラフト社に売却しており,アメリカで生産されているものの,選定・調達当時はBAeから行っており,イギリスのBAeの工場で製造,飛行テストを受けていた事に加え,U-125自身はイギリスのデ・ハビランドで設計された事から,非米国製装備と言えます.
 そのためBAe-125は,ホーカーに製造権を売却されてからは,ホーカー800という型番になっていますが,空自ではBAe時代からの型番である125という番号が使われています.

 自衛隊でまだ米国製装備のみ使用されているのは,戦闘機と戦闘ヘリぐらいでしょう.
 これは在日米軍との装備の調達での調整のためもありますが,性能が日本の戦略に合っているという面もあります.
 ただ,機体は国産でもエンジンが非米国製の機体として,T-2/F-1(現在退役)のアドーアがあります.
 T-2はよく,英仏共同開発のSEPCATジャギュアの模造と言われていますが,F-104の改造型なのでこの意見は的外れです.
 ですが,使用されているエンジンがアドーアなのだから,そう言われても仕方ないのかも知れません.

T-2 (航空機・日本) - Wikipedia
SEPECAT ジャギュア - Wikipedia
11.TF40ターボファンエンジン TF-40-IHI-801Aアドア - 国立科学博物館

 さて,ユーロファイター・タイフーンは果たして,初の非米国製戦闘機として調達されるのかされないのか.
 現状ではF-2増備に政府は傾いてるだけに,こちらも注目と言えるでしょう.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月07日16:07
青文字:加筆改修部分

▼ ほかにも多数ありはしますが,現役かつ広く配備されている欧州製兵器として……

ミニミ軽機関銃 - Wikipedia
 ベルギー,FN(ファブリックナショナル)社の傑作軽機関銃を,住友重機械工業がライセンス生産しているものです.
 SAW(分隊支援火器)という分類の武器で,同種の兵器としてはアメリカ,日本をはじめとした各国で採用されています.

L16 81mm 迫撃砲 - Wikipedia
 イギリスが1965年に開発した迫撃砲です.
 同クラスの迫撃砲としては,ずば抜けて軽量で,分解して歩兵が携行することも可能な程.
 陸自では主に,普通科迫撃砲小隊の基本装備として使用されています.
 迫撃砲のベストセラーで,日本の他,世界各国で採用されています.

84mm無反動砲 ⇒ カールグスタフ (無反動砲) - Wikipedia
 スウェーデン,ボフォース(現サーブ・ボフォース・ダイナミクス)社のカールグスタフM2を豊和工業がライセンス生産している無反動砲です.
 初期型の開発から長い年月が経っていますが,非常に完成度が高く,各国の軍隊でも採用されているベストセラー火器です.

110㎜個人携帯対戦車榴弾(LAM) ⇒ パンツァーファウスト3 - Wikipedia
 ドイツ,ダイナマイトノーベル社のパンツァーファウスト3を,IHIエアロスペースがライセンス生産している無反動砲です.
 陸自では主に普通科,施設科の装備として配備されています.

VF-22 in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年11月21日 07:25
青文字:加筆改修部分

▼ 【反論】
 T-2がF-104の改造型という話は初耳です.
 T-2で着陸装置を流用したとはありますが,改造型というほどではないと思います.
 よろしければソース等をお願いいたします.

疑問者 in FAQ BBS,2010/11/21(日) 3:10
青文字:加筆改修部分

 指摘のあった件ですが,設計の礎にはなっていましたが,改造型ではありませんでした.
http://www.geocities.jp/chibikyau/f104/f104.html
 私の書き方が悪かったので削除をお願いします.

 本当にご迷惑をおかけ致しました.
 深くお詫び申し上げます.

 またさらにご要望になりますが,F-8がミラージュやジャギュア,T-2の設計に影響を与えたというソースがありましたから,そちらを載せて頂ければありがたいです.
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Knight/9679/JASDF/F-104J.html

バルセロニスタの一人 by mail,2010年12月02日


 【質問】
 自衛隊の兵器の「○○式」に元号の年代を使わないのは何故ですか?

 【回答】
 元号は不定期に切り替わるものなので兵器の名称には適さない.
 仮に全て元号で命名した場合,

74式戦車=49式戦車
90式戦車=2式戦車

 どちらがどれだけ新しいのか分からない.

 64式小銃=39式小銃になり,三八式歩兵銃と紛らわしい.
 1年しか違わないような印象を受ける.

 しかも陛下はご高齢のため,元号がまた変わる可能性があり,さらに混乱が予想される.

 戦前の兵器も最初は元号を使っていたが,大正に変わった辺りで同様の問題が発生し,皇紀に変更した.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 なぜ自衛隊は新装備を少しずつ配備していくのですか?
 最初にまとまった数を装備した方が金銭的にいいと思うんですが.

 【回答】
 1年ごとに予算を請求し,毎年契約を更新する「単年度契約」という方式を取っていたため.

 最近はそのような調達体制も見直され,複数年度契約による一括調達が導入され始めている.
 平成19年度の予算要求では,F-2を2年分10機,UH-1Jを3年分16機を一括調達することで,合わせて155億円の節減に成功した.
 中期防が削減されたことも手伝って,今後更に一括調達による装備調達費の効率化が進められる予定.

 製造ラインを長く維持するためという理由付けもあったが,実際は単に制度的に予算要求が単年度でしか出来なかったと言う面が大きい.
 それが最近やっと見直された・・・としか.

神゛聖\(^o^)/オワタ帝國 ◆u8nX3fKy0k in 軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 自衛隊に物を少し納めている者です.

 自衛隊は強力な組織で,戦争や有事の混乱の中で動くのですから,命令系統でばーんと物事が決まっていくような印象を始めは持ってました.

 ところが,例えば,ある物を納めようとする.担当と称する方は,その物や周辺の事情について,かなりの事を熟知されているのに,殆ど何の権限も持っておられません.
 ではというので,指揮官と称する方にお話をしますと,こちらも実際には殆ど何も決めることができないようです.現実,権限もお持ちでないように見えます.実際,指揮官の方の意思が入る余地は殆どないように見えます.
 一つのものを納めるのに,私達に言わせれば,ほんとうにわけのわからない集団迷走のようなことを何ヶ月も繰り返して,やっと少しの物を納めさせてもらえます.

 官庁さんが全部そうかというと違います.
 私が出入りしている範囲の地方自治体さんでは,その物に詳しい人が,それなりの権限を持っています.
 なので,すぐに決まります.
 もちろん,民間ではかなりの大企業でも,社員さんがそれに応じた権限を持っています.
 思うに,自衛隊さんは「銃を撃て」と言われなければ撃ってはいけないという,なんと言うか,戦争のトラウマみたいなものに引きずられているのでしょうか?

 【回答】
 ご指摘の通り,自衛隊に限らず,官庁では「権限と責任」は明確に規定されていますので,権限を持っている人間が対応すれば話はスムーズに進みます.
 ただ,自衛隊というか防衛庁においては,「行政機関としての顔(軍政)」と「実力組織としての顔(軍令)」の二面性があります.
 自衛隊として見た場合は「軍令」の方が色濃いのですが,「軍政」に属する物資の納品とかについては現場の指揮官等に権限が渡されていない場合が多いのです.

 ですからモノによっては,中央なり調達本部等の「軍政」に属する機関にお伺いを立てねばならなくなるわけです.

 実際,権限は非常に分散されているのですよ.
 そして,できる限り権限を与えないようにしているフシが有る.
 それこそ,歩き出すかどうかも政府に問い合わせなければならないようにね.
 物品の購入についても,現場が勝手に物品購入して備蓄したりする事を防衛庁などは恐れているのだと.

 昔,夏と冬の体積変化で少しづつ石油を備蓄していた事件が有ったそうですね.

(剣恒光 ◆yl213OWCWU & ドカン・オオカミ ◆s6tJH5.VuA in 自衛隊板)

教訓「ハンコがなければ役所は動かない」
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 自衛隊が新兵器を導入するときは大抵,似たような兵器を十数年から数十年も前に既にアメリカが導入しているパターンがほとんどなのは何故でしょうか?
 何故日本国自衛隊は,大日本帝国軍の様他国に先駆けて新兵器を導入が少なくなったのですか?

 【回答】
 そもそも旧日本軍の兵器が,一部を除いて他国の模倣を脱していなかったわけだが.
 現代の国産兵器の方が,よぽっど最先端の技術を盛り込んでる.

 自衛隊がやや保守的なのは,戦争してないしその予定もないから.
 平時の軍隊はお役所なので,失敗リスクを取ってまで奇抜な新兵器を模索したがらない.
 日本一カ国で捻出できる予算も知れてるしな.

モッティ ◆uSDglizB3o in 軍事板,2009/08/07(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
↓あるスレに貼られた内容ですが,何処まで本当なの?

○陸自
・基本的に本州以南の陸自の装備は小銃など除いて70年代以前が主.中国軍と同水準
・野戦重砲の3分の1を削減
・重対戦車ミサイルの9割を削減
・戦車300輌(1~2個戦車師団相当)を削減
・03式中距離地対空誘導弾の調達は順調にいって平成40年に改ホークを代替
・本州以南の陸自普通科連隊は隷下の中隊のうち一個中隊にのみ装甲兵員輸送車と軽装甲機動車を配備
・96式装甲兵員輸送車はおよそ300輌.73式とあわせてもたった600輌
・89式装甲戦闘車は調達打ち切り.総数70輌弱
・AH-1S後継はAH-64Dがポシャった時点で純減路線へ.予算が出てくる余地が無い
・12旅団は空中機動化のために虎の子の戦車大隊を解隊したがヘリ増強予算が出ず空中機動化頓挫→装甲車も無い軽歩兵旅団に変貌
・戦車無し実数歩兵5個中隊で石油備蓄基地と港湾と橋梁と変電所と主要道路と工業地帯と原発と複数の市街地を防衛する事を要求されている旅団がある
・地対艦ミサイル連隊の数を半数にするとの話有り

○航空自衛隊
・F-15Jの改修が予算不足で半数に減少
・F-Xの調達延期.現在の航空機調達予算ではマトモな数を調達する事は不可能.最悪2個飛行隊純減を覚悟
・XASM-3対艦ミサイルの開発予算が認められず開発が停滞

○海上自衛隊
・艦艇の建造予算が不足.退役ペースに新造が間に合わず自然に規模縮小するのは確実
・19DDは予算不足で能力を下げた廉価版の建造にスライド
・16DDHも予算不足でソナーなど一部の機能を低下させた

○総合
・5年連続で防衛費削減.現在防衛費はGDP比0・9%
・今後数年で0.8%台への突入確実
・最近5年で5000億円削減が決定した

 【回答】
 だいたい合ってるが,一部,データは正しくても適当な解釈が入ってる.

>・本州以南の陸自普通科連隊は隷下の中隊のうち一個中隊にのみ
>装甲兵員輸送車と軽装甲機動車を配備

 編制が防秘の時点で把握しようがない

>・F-Xの調達延期.現在の航空機調達予算ではマトモな数を調達する事は不可能.
>最悪2個飛行隊純減を覚悟

 遅らせただけで,調達中止の流れというわけではない.
 現時点での予測は予言者の仕事でしかない.

>・19DDは予算不足で能力を下げた廉価版の建造にスライド
予算がどうこう以前に先進案は潰れてもおかしくなかった.技術的なリスクが大きすぎる

軍事板


 【質問】
 イスラエルの魔改造は凄い,という話はよく聞きますが,自衛隊にも魔改造された兵器はあるんですか?

 【回答】
 自衛隊は装備の改造に非常に厳しい.
 ▼以前,部隊現地で73式装甲車の天井を高くして指揮・通信車に改造した車両があったのだが,(怒られたのか)元に戻された.
 また,
正規の許可を得て改造される場合,装備改良のテスト用に限られるので,それが多数装備されることはない.
 基本的に自衛隊の装備はノーマルのみということになる.

軍事板

 以前,北部方面隊第7師団では部隊の整備隊の独自改造で本部車両の73式装甲車を野戦指揮車に改造した.
 使い勝手はよく好評だったそうだが,中央から視察にやってきた偉い人の前で観閲行進したら
「あんな車両,いつ制式装備になったんだ.
 何?,『現場で改造した』?
 誰がそんな許可を出したんだ,
 勝手に官給品を改造するな!
 違法だぞ!」
と思いっきり怒られて元に戻した.

 次の年度で正式に許可を求めたが,
「勝手に官給品を改造するな」
の一言で却下され,以後は無線機等を
「演習の時だけ積んでいる」
ことにして誤魔化したとの事.

軍事板
青文字:加筆改修部分

▼ 74式戦車には,改修型が4両試作されたという話もある.
 74式改と呼ばれたり,74式G型と呼ばれたりする.

 また,74式はバリエーションが存在する.
 87式自走高射機関砲とか.

 他にも第七師団では,73式装甲車に通信機とアンテナを増設した移動通信車や,施設科(工兵)機材を増設した装甲工兵車輛なんかを,部隊で独自に改造して保有している.
 移動指揮車が怒られた実績から,書類上は「機材を積んでいるだけ」で,すぐに元に戻せるようにしてあるそうだが.

 あと,富士の教導団の付属部隊(演習評価支援隊,だったかな?)では,訓練の敵役としてソビエト(ロシア)の車輛っぽく外見を改造した装甲車や戦車を,何両か使っている.
 古い車輛にハリボテ被せただけだが・・・.

 正直な話,T-55とか過剰になった旧式戦車が存在するから,装甲車とかに転用するのであって.もともと居住性なんて考慮されていない設計の戦車を,装甲車とかに転用するのは逆にコストが高くなるデメリットも存在するのよ.▲

unknown

 改造したい場合,「改造要求書」を陸幕まで上げて,許可されればOKだ(笑)
 旧型ジープは無線アンテナのコードが車内と車外をつなぐための穴がなくって,陸幕からの指示で新車が来たら「改造要求書」を出して部隊で加工して穴あけておった例がある.
 くだんの指揮通信車の「改造」がどんなもんだったか知らんが,恐らく後ろの上部ハッチ開けてベニヤかなんかでかさ上げしたようなもんだろ.
 その程度では「改造」たあ言わないし,そもそも指揮官の趣味的(移動CP好きとか)だろうねえ.

 まあ,そのての移動CPが好きな指揮官ってのは,戦況の推移を全く理解してないからCPの位置を決めきらないアホ指揮官なんだがな(笑)

緑装薬4 ◆8R14yKD1/k

 海自であれば敷設艦ARC‐481「つがる」とか.
 昭和30年に竣工したんですが,船型過小で能力不足ということで昭和45年に近代化に着手してます.
 新しい艦首と艦尾を取り付けた上に甲板を1層積み増ししたんで船型は大幅に変化しました.
 基準排水量は950tから2.150tに,全長も72mから103mとなっています.

 あと,米海軍から貸与されたフレッチャー級駆逐艦であるDD‐183「ありあけ」は,のちに実用実験隊に転籍されて艦首部分を切断・換装し,試作バウ・ソナーを装備したため,艦首形状が急傾斜艦首となっており,外見の印象がかなり変わっています.

名無し軍曹 ◆Sgt/Z4fqbE


 【質問】
 自衛隊では,戦闘機や潜水艦の保有数を制限されていると聞いたのですが,どういった法律,政令で決められているのでしょうか?

 【回答】
 憲法および法律などで法的に規制されているわけではありません.

 自衛隊が保有しうる,あるいは保有を目指す防衛力は,防衛大綱にその枠組みが明示されております.
http://www.jda.go.jp/j/defense/policy/taikou/kaisetu/

 昔の大綱別表は「制限」というより「目標」だったのですが,その目標値を概ね達成したところ,政治の方から「冷戦終わったし,金も無いから目標値を下げろ」と言ってきて出来たのが,今の大綱別表なのです.


 【質問】
 先日,自衛隊で小銃弾一発を紛失して250人態勢(だったかな?)で捜索したり,ニュースで報道されたりと大騒ぎになっていましたが,自衛隊の弾薬類の管理は,たとえば米軍と比べて比較的厳しいのでしょうか?

 【回答】
 アメリカが日本国内で演習場を借りたり合同演習をしたりする時,余った(使い切れなかった)弾薬は小銃弾だろうと迫撃砲だろうと,時には歩兵用携帯対戦車ミサイルの弾頭だろうと,”その辺に埋めていく”ことさえある.
 そうした例に比べれば,日本は管理が厳しいと言える.

 ここから余談的なもの.
 過去には,それを知って演習場に侵入して,そうした弾薬を拾い集めてネットなどで売ってて,最後には暴発事故を起こしたマニアの事件もあった.
(とはいえ,遺棄弾薬を目当てで演習場に忍び込む人間は,戦後直後から結構あった.
 その頃は弾薬よりも,真鍮など金属類が目当てだったが)

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
「自衛隊が他国と戦争を始めると,三日で弾薬燃料が底を尽く」
と何処かで聞いたんですが,実際の所そんなに備蓄されてないものなんでしょうか?

 【回答】
 どんな戦い方するかにもよるけどね.

 まあ,実際には3日分しっかり全部使ってたら,なくなる前に敵戦力が消耗して手が止まる.
 そんな事態は,ソ連が全面戦争の一環として侵攻してくる場合だけで,その場合は3日も手を止めさせれば核全面戦争になってすべてOKになるか,アメリカが全面介入するか,ということなので.

 戦闘機を例にすれば分かり易いだろう.
 例えば,200機の戦闘機が全弾射耗の防空戦闘を1日1回,3日間続けたとする.

 200機×8発×3回で4800発を消費する訳だが,AAMってのは湾岸戦争の経験から,発射数に対して1/3程度の撃墜が見込める.
 1600機の敵機が落ちてる勘定に成る訳だが,そんなに敵は居ないだろうし,1600機の敵機と200機の味方が戦ったなら,互角の技量と性能ならその前にコッチが全滅してる.
 もし,全力戦闘が3日も続けばソレで決着が付く.
 もっとも,そんな優勢な側に都合の良い戦闘をする相手が居るわけも無いけどね.
 普通に考えたら,200機の戦闘機用の備蓄は600機(キルレシオ1:3)の敵機が落とせる程度の量でかまわないんじゃないの?.全力でやったら1日で射耗しちまう量だけど.


 【質問】
 弾三日分って話はよく聞くけど,出処はどこなの?

 【回答】
 80年代初めの米国防長官の発言じゃなかったかな?
 陸自の弾薬に関する発言だったと思う.
 現在は元北部方面総監の著書に拠れば,全力で7日~10日分.

 「国会提出資料」なんかには11万t台の数字が載っている.
 海空は誘導弾中心だから,重量ベースでは陸中心だろう.
 8万tとして,9個師団6個旅団体制を米式24個旅団=6個重師団(ヘリ旅団含む)とすれば,1日2000t(攻撃時)として7日.

 まぁ,こんなモンでしょう.
 後方警備や作戦上の予備として取ってある部隊は弾を使わないので,実際にはその倍.
 ケチればさらに倍.
 それに,全部の部隊が均等に作戦に参加して弾を消費する前提になっているけど,短期間の激戦なら基地の間で弾を融通しあう時間,補給処から弾を運んでくる手間さえ掛けられないことになるので,これはざっとした見通しの話ではないかと思いますがどうでしょうか.

 いずれにせよ,有事の弾薬消費量の見込みが公開されるとは思えないのですけども.


 【質問 kérdés】
 防衛省の平成26年度概算要求の概要について教えてください.

 【回答 válasz】

我が国の防衛と予算 平 成 26 年 度 概 算 要 求 の 概 要:防衛省

 先ず最初は警戒能力や海洋・対潜哨戒などの索敵能力から論じたいと思います.
 軍事は兵站と索敵が大事.
 それが無ければいかなる優秀な兵器も運用出来ず,単なる的でしかなくなるのですかね.

 那覇にも飛行警戒監視隊が設置される事になっていますが,今回は早期警戒管制機(E−767)の能力向上が明記されており,それによると電子戦支援装置の搭載が行われる事になっています.
 電子戦支援装置とはスタンドオフジャマーでしょうか.
 F-15Jの電子戦型の開発が進められる一方で,AWACSにもジャマーが装備されるという事になります.
 まぁ,EC-130Hコンパスコールを導入した方が安上がりとも思われますが,人材と装備の有効活用を考えれば,改めて新しい装備を導入する必要もないでしょう.

 そして今回は新たに早期警戒機の導入の検討が明記されています.
 つまり新たに早期警戒機を導入するという事ですが,考えられるとすれば,現在空自で運用されているE-2Cの発展型にあたり,現在開発中のE-2Dアドバンス・ホークアイでしょうか.

E-2Dアドバンスド・ホークアイ,本格生産へ移行 | FlyTeam ニュース

 ボーイング737AEW&CはAEWというよりAWACSに近い機体ですし,自衛隊はボーイング737系統の機体は運用していません.
 また,ガルフストリーム550のAEW版であるIAI EL/W-2085は,米国のビジネスジェット機・ガルフストリームVのAEW版で,空自もガルスストリームⅣをU-4の型番で運用していますが,イスラエル製というのがネック.
 我が国はイスラエル製の装備を導入した前歴はなく,しかもパレスチナ問題で微妙な関係にあるイスラエル製装備の導入にはリスクは付きまといます.
 それでなくとも我が国は石油をまだ中東に依存している以上,アラブ諸国を刺激しかねないイスラエルとの武器取引は決断できないでしょう.

 また,E-2Cの発展型であるE-2Dを導入する事で訓練・整備等のコスト削減を図れますので,E-2D導入が最良の判断と愚考いたします.

 海自ではP-1が新たに4機取得とされていますが,エンジントラブルでまだ飛行許可が降りていない現状で果たしてこれが吉と出るか・・・.
 一方でP-3Cの機齢向上や能力向上もまた明記されています.
 レーダーと赤外線センサーの向上が図られる予定ですが,イメージ図をみると大小問わず艦艇の索敵のためのレーダーやセンサーを探知し,さらには艦艇を識別する能力が付与されるようです.

 さらに艦載型無人偵察機の導入も検討されていますが,どうもイメージ図からしてMQ-8でしょうか.
 あるいはFFOSを改造した独自の無人ヘリかも知れません.

 一方で高高度無人偵察機の導入が検討されていますが,こちらは前倒しでRQ-4の導入が決定しています.
 当方としてはプレデターC アベンジャーの導入まで待てなかったのかという気もしないでもないですが・・・.
 何しろ性能は滞空時間を除くとRQ-4の引けを取りませんし,コストを考えるとアベンジャーも検討されてもよかったかな,と思います.

ねらっずーり in mixi, 2013年09月01日
青文字:加筆改修部分

 お盆休みも終わり,防衛省の2014年度予算の概算要求の全容が明らかになってきました.
 RQ-4の導入については先週お伝えした通りですが,RQ-4導入以外にもさまざまな概算要求がありました.

多目的救難艦に508億円 防衛省概算要求総額2・9%増へ - 中国新聞

 かねてから囁かれていたV-22アスプリー導入に向けた調査費用が確保される事になりました.
 もしV-22を導入するとしても,CH-47Jの後継として空自が導入するのか,それともUH-60Jの後継として海自が導入するのかはこの時点では不明ですが,V-22の導入に向けた動きが出てきたのは確かです.

 また,戦時と災害面でも運用が可能な多目的救難艦を,508億円かけて建造する事になりました.
 多目的救難艦は単なる病院船というだけでなく,救難ヘリ等を運用出来る構造になる可能性があると考えます.
 ただ,それだったらひゅうが型護衛艦やいずも型護衛艦を活用すればいいとは思うのですが,戦時や災害時ではこの両艦艇だけでは直ぐに手いっぱいになるという事でしょうか.
 当方の個人的見解とすれば,米海軍のマーシー級病院船をモデルにすべきと考えます.

 さらに,空自の次期戦闘機に選定されているF-35Aを,新たに4機追加で調達が決定.
 日本国内での部品製造面でアメリカとさらなる調整を進めるとの事です.

 さらにまた,未確認ですが空自のF-2の照準ポッド選定に,AN/AAQ-33スナイパーポッドが選定されたとの事です.

来年度防衛予算概算要求発表は間もなく 防衛装備体系の大きな転換点:北大路機関

 AN/AAQ-33スナイパーポッドは,これまでの赤外線前方監視装置(FLIR)をさらに能力を向上させたもので,画像も鮮明になっているだけでなく,LJDAM(レーザー誘導爆弾)の適切な運用が可能になりました.

Lockheed Martin Sniper XR - Wikipedia, the free encyclopedia

 LJDAMは離島防衛外は使い道はなさそうですが,プレイング・マンティス作戦のような通常落下爆弾を用いた対艦艇作戦などにも用いる事が可能ですし,スナイパーポイント単体だけでも戦術偵察や災害派遣での被災地の様子の撮影とリアルタイムでの転送が可能になります.

ねらっずーり in mixi, 2013年08月25日
青文字:加筆改修部分

 防衛省の平成26年度概算要求の概要特集第二弾です.
 航空宇宙関連の話題をしたいと思います.

我が国の防衛と予算 平 成 26 年 度 概 算 要 求 の 概 要:防衛省

 航空優勢の確保においては次期F-Xに選定されたF-35Aが4機選定されましたが,円安の影響もあってか運用費も含めた価格が上昇しています.
 もっともそれは,機体の導入にさほど影響があるほどではないでしょう.

 また,F-15J/DJが12機近代化改修が行われる他,自己防御能力の向上に予算が計上されています.
 自己防御能力とは機体内部に電子妨害装置を設置する事でしょうか.

 さらにF-15JにNVG(夜間暗視装置)搭載改修が予算要求にありました.

 こちらの動画は戦闘機のNVGではないのですが,このように陸軍の歩兵だけなく空軍や海軍でもNVGが活用されるようになりました.
 これにより領空侵犯対処措置等,夜間に発生しやすい飛行任務や夜間飛行訓練等において,安全性は向上する事になります.

 さらにまた,F-2の空対空戦闘の向上も計上されていますが,こちらはAAM-4の搭載能力だけでなく,AAM-5の搭載能力の付与でしょうか.
 F-2のターゲティング・ポッド搭載試改修は,以前から言われていた事ですので,こちらでは割愛します.

 今回は新型機体だけでなく,既存の機体の改修もかなり計上されているところ.
 当方としてはF-15Jにも対艦攻撃能力を付与して,バランスの取れた航空優勢を確保して欲しいところなのですが.

 第4に,宇宙空間の利用ではXバンド通信衛星・スーパーバードC.2号機の後継衛星に関する技術調査や商用衛星,気象衛星の利用などが明記された他,衛星防護の在り方に関する調査研究が計上されています.
 実際,中国はDF-21を改修した衛星破壊ミサイルによる衛星破壊実験を行っており,このミサイルで破壊された中国の衛星のスペースデブリが問題になっています.
 衛星破壊ミサイルからの防護となりますと,衛星にミサイルを搭載するか,衛星破壊ミサイルを迎撃するミサイルの開発を導入するべきでしょうか.
 実際,AIM-120を弾道ミサイル迎撃用に改修したNCADEもあるくらいですから,THAADを導入しそれをベースにした衛星破壊ミサイル迎撃を考慮してみるのも,一つの手でしょう.

ねらっずーり in mixi, 2013年10月14日
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 2013年決定の中期防衛力整備計画の中身はどんなもの?

 【回答 válasz】
 2013年12月17日に政府は中期防衛力整備計画を閣議決定します.

中期防:オスプレイ17機,18年度までに導入:毎日新聞

 アスプリーを17機,2018年度までの導入や高高度無人偵察機・RQ-4グローバルホークの導入など以前から検討されていた事案が実現する運びになりましたが,それ以外にも早期警戒機または早期警戒管制機を4機の導入も決定しています.
 その早期警戒機または早期警戒管制機は,当方が予想していたE-2Dアドバンスドホークアイではなく,韓国やオーストラリア,トルコで導入されたE-7ことE-737である可能性も出てきました.

防衛省,中国の動き受け警戒機など増強へ:日本テレビ

 今回,中国が防空識別圏を設定したことで,東シナ海への中国機の進出が増える可能性があることから,防衛省は再来年度以降,早期警戒管制機を新たに数機増やす方針で,韓国などが導入している「E−7」が有力候補.

 これが実現するとなれば,空自としては初のボーイング737系統の機体となります.
 E-767については,ロートドーム式レーダーに搭載されるAN/APY-2レーダーは生産が中止されており,またE-2Dはまだ開発中という事もあるので,既に実用化され,輸出されているE-737に白羽の矢が当たったという事でしょうか.
 実際,小笠原方面にもADIZを拡大する以上,6時間しか索敵飛行が出来ないE-2C系統では役不足という事でしょうか.
 この点については数多久遠先生も指摘されています.

小笠原諸島方面への防空識別圏拡大:数多久遠のブログ シミュレーション小説と防衛雑感

 そうなるとE-737がE-2Cの後継機種になる可能性もあります.

 いずれにしても早期警戒機の動向も目が離せません.

ねらっずーり in mixi, 2013年12月14日
青文字:加筆改修部分

 今年(2013年)の暮れに策定される防衛大綱に関する報道がいくつか出てきましたのでご報告します.
 なお,まだまだ出てきそうですので何回かにわけてご報告いたいます.

陸自戦車さらに削減300両に…新防衛大綱で:読売新聞

 現在陸自は740両の戦車を保有していますが,これを約300両まで削減する事になりました.
 そうなると74式戦車は全車引退でしょうか.
 90式も何両かはモスボールされるかも知れません.

 これだけの戦車削減を決意させた背景には,陸自が導入するボーイングの無人偵察機・スキャンイーグルの存在があるのかも知れません.
 前にもお伝えした通り,陸自はスキャンイーグルを導入しますが,スキャンイーグルは廉価な機体単価と運用コストだけではなく長時間の滞空時間,昼夜問わず可能な偵察,情報収集,監視(無人ISR)活動が可能になります.

 これにより敵戦車部隊の行動の把握が容易になり,戦術データリンクを通じて奇襲攻撃などが可能になりますので,戦車戦では効率のよい作戦を立てられる事が出来ます.
 かつて陸自は無人機の導入はあるにはあったものの,FFOSでは無人ISRは役不足で数で補っていたという面がありましたが,スキャンイーグルによりようやく削減が可能になったという事でしょうか.

スキャンイーグル無人航空機:ボーイングジャパン

 つまりこれは,よくネットで見かける「戦車不要論」の類ではなく,戦車戦を効率良く行えるようになったので,相当の数の戦車を持つ必要性が薄れた,という事でしょうか.
 ただ,陸上支配の絶対性はどんな軍事戦略でも揺るがないので,ただ減らせばいいというわけではなく,74式戦車の中でまだ車齢が浅いものはモスボールして保管するなど,いざという時のための備えは行っておくべきでしょう.

 その戦車を削減した分でイージス護衛艦を2隻増強し,ミサイル防衛(BMD)体制を万全にしていく方針を固めたようです.

イージス艦8隻に増強…防衛大綱に方針明記へ:読売新聞

 イージス護衛艦8隻体制にするという事は,イージス艦を2隻増強する事になりますが,そうなるとはたかぜ型ミサイル護衛艦の後継という事でしょうか.
 つまりはたかぜ型ミサイル護衛艦を早期退役させ,イージス護衛艦を導入してSM-3ブロック2Aまたは開発中のSM-3ブロック2Bによる洋上でのBMD体制を整えるのかも知れません.

 ただ,はたかぜ型護衛艦はまだ船齢が30年程度ですから,早期退役ももったないないような・・.
 VLS装備など改修してベトナムやフィリピンに売却出来ないでしょうかね.

新防衛大綱 イージス艦8隻体制/THAADミサイルも導入か?:Ddogのプログレッシブな日々

 一方,地上からのミサイル防衛にも大きな動きが.
 PAC-3の新装備の導入が提言されており,これはおそらくPAC-3MSEことMEADではないかと思われます.

 MEADSは最近の実験でも航空機と短距離弾道ミサイルの同時迎撃に成功しており,PAC-3の後継としては申し分ない性能を誇っています.
 また,PAC-3の改修型ですので,教育や人材面でもコスト削減と早期スキル取得も可能になります.

MEADS:短距離弾道ミサイルと航空機の同時迎撃実験に成功:海国防衛ジャーナル

 一方で中長期的には装備の強化も検討,
 THAADの導入がいよいよ本格化していく事になっていきそうです.
 SM-3地上配備型はまだ提案が行われたばかりですが,THAADは実戦配備が始まっているので,空自がTHAADをBMDとして導入する事になるのはほぼ確実です.
 防衛省・自衛隊のBMDはイージス護衛艦によるSM-3,THAAD,そして最後の砦としてMEADSという形になっていくのでしょう.

ねらっずーり in mixi, 2013年11月17日
青文字:加筆改修部分

 政府が2013年末に纏める防衛大綱では新たに,空中給油機を現在の一個隊から二個隊にまで増強する事が盛り込まれる事になりました.
 実現すれば,現在の空自の空中給油機は4機から8機まで増強される事になります.

離島防衛・空中給油を増強…防衛大綱の骨格:読売新聞 ※リンク切れ

 現在空自はKC-767を4機保有し,運用していますが増強となるとそのKC-767の米軍版とも言えるKC-46AをKC-767として導入する事になるでしょう.
 空中給油機が増強されれば,航空優勢の確保は那覇の南西航空混成団だけでなく,南西方面からは遠い西部航空方面隊の第5航空団(築城)や第8航空団(新田原)の部隊も,フル装備で長時間の航空作戦が可能になります.
 つまりこれは那覇だけでなく,築城や新田原も南西方面の防衛の前線基地となるという事になります.

 また,調達予定のC-1の後継輸送機であるC-2や,同じくヘリの空中給油が可能なKC-130と合わせれば,空自の機動力はかなり強化されるでしょう.

 一方で,築城と新田原が前線基地となれば,新田原の配備部隊の変更もあり得ます.
 新田原は現在1個航空隊の他に飛行教導隊と航空教育集団の飛行教育航空隊が配備されていますが,将来は以前のように2個飛行隊となり,飛行教導隊や飛行教育航空隊は他基地に移動になるかも知れません.
 おそらく航空面での脅威が薄い百里あたりに移動する事になるかも知れません.

 さらに,海自の護衛艦を今の48隻から10隻増やした58隻にまで増強する予定です.
 敵の潜水艦や機雷から味方の艦艇を防御する小型護衛艦を増強する予定で,防衛省としてはLCS(沿海域戦闘艦)と同じ艦艇を念頭に置いているようです.
 ただ,LCSはあまりいい噂は聞きません.
 当方としては対潜索敵・攻撃能力と機雷処理能力を装備したラファイエット級フリゲートのような艦艇が望ましいと思いますが・・・.

 さらにまた,陸自の戦車ですが,前にもお伝えした通り300両まで削減し,北海道と九州に重点に配備する一方で,機動戦闘車を200両増強してその穴埋めにする予定です.
 装軌であるがゆえに整備にコストがかかる戦車を減らして,代わりに装輪で整備コストがかからない機動戦闘車を多く導入するという事なのでしょうか.

ねらっずーり in mixi, 2013年11月23日
青文字:加筆改修部分


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