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◆◆◆◆◆◆福島第1原発の概要 Fukusima 1. atomerőmű vázlata
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【質問 kérdés】
福島第一原発1~5号機は,どのようなタイプの原子炉なのか?
【回答 válasz】
BWR(boiling water reactor)と呼ばれる,米国ゼネラルエレクトリック(GE)社が開発した軽水減速,沸騰軽水冷却型の原子炉.
低濃縮ウランを燃料とするが,ウラン-プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料も利用できる.
炉心で発生した熱を除去する冷却水が原子炉容器内で沸騰した状態で炉外へ取り出され,その蒸気で直接タービンを回して発電する.
この構造は火力発電と同様であり,2次冷却系をもつPWRに比べてシステムは比較的単純であるが,原子炉冷却水は放射化されていてタービン系機器の保守管理に被曝が伴うので,放射線遮蔽が必要とされる.
福島第一原発は,米国からの技術導入によってMARK-I型格納容器を持つBWRを1967年より建設,1971年より運転開始した.
東京電力としてはこの発電所が同社にとって最初の原子力発電所である点を考慮し,企業経験を積むことに重点を置いて信頼性を重視した結果,電気出力400MW級のものを採用する方針だったという.
この方針に基づき,1965年1月からGE社やWH社と非公式に折衝を持ち,その提案を検討した結果,GE社の提案する出力400/460MW沸騰水形原子力発電所が東電の計画に合致するものであるとの結論に達し,GE社に一括発注することを決め,同年7月,発注内示書を手交.
12月,正式調印を行い,1967年1月より本格工事に着手した.
一方,工事を進めるにあたっては,総理大臣から原子炉設置許可,通産大臣から電気工作物変更許可を受ける必要があり,同年7月,これらの許可申請を行い,原子炉の安全審査を受けた後,同年12月これらの許可が与えられた
MARK-I型の最高使用圧力は0.427MPa(G)(4.35kg/cm2(G))であり,いずれも鋼製.
原子炉圧力容器及び再循環回路を取り囲むフラスコ型の鋼製のドライウェルと圧力抑制系(ウェットウェル)から構成される.ウェットウェルは円環型の圧力抑制室とこれに連結するベント管,ベントヘッダ及びダウンカマから構成される.
MARK-I型は福島第一原発1~5号の他,敦賀1号,島根1号,浜岡1,2号及び女川1号で採用されている.
福島第一原発1号機は,発電端出力は初期定格400MWだが,将来460MWまで増加させることを考慮し,タービン発電機,安全施設などは460MWの2%増しの470MWにもとづいて設計されてる.
主要機器については,アメリカで実証済みの技術と実施例を極力採用することとし,安全上の要求として日米両国の安全基準を満足すると共に,先行して建設されたドレスデン2号機の建設許可に際してアメリカ原子力委員会の要求した安全施設は,すべて具備するものとした.
2号機については,その後の軽水形原子力発電所の受注量の急増と技術的経済的理由から,500,750,1000MW級の3種類の標準容量が設定され,炉心性能も従来炉より相当の改善が見られ,より経済的な設計となっていたことから,東電もこの新設計のものを採用することとし,出力については大容量化による経済性向上と,2号機運開時の系統容量に対する適正規模を考慮して,発電機出力784MWを採用.
1967年9月,原子炉設置許可申請ならびに電気工作物変更許可申請を行い,また,これと並行してGE社との間に技術仕様書の検討及び契約交渉が行われた.
【参考ページ Referencia Oldal】
https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2900.html
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-03-04-02.html ※図表番号atm190404fk
& atm190404fk2引用元
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-07-03-01.html
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-01-01-01.html ※図表番号atm190404fk3引用元
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-03-01-01.html
豊田正敏「福島原子力発電所の計画概要」,『日本機械学会誌』1968年4月号,p.561~562
『Newton別冊 検証・福島原発1000日ドキュメント』(ニュートン・プレス,2014),p.112-113
MARK-I型
(図表番号atm190404fk)
MARK-IとMARK-II比較
(図表番号 atm190404fk2)
沸騰水型(BWR)原子力発電所主要系統概要
(図表番号atm190404fk3)
mixi, 2019.4.5
【質問 kérdés】
福島第一原発原子炉1号機の基本仕様は?
【回答 válasz】
第1号機に関して言えば,強制循環直接サイクル式の沸騰水形原子炉で,
熱出力1213MW
運転圧力70.3kg/㎠
温度285℃
主蒸気管は炭素鋼管4本から成り,格納容器貫通部の前後に主蒸気隔離弁が設けられる.
この弁は球形の空気駆動弁で,閉鎖速度は3~10秒.
安全弁および逃し弁は格納容器内の蒸気管にとりつけられ,設定圧力はそれぞれ
83~88kg/㎠
69~76kg/㎠
炉心を収容する原子炉容器は縦型円筒容器で,母材には圧延鋼板SA302Bまたは鍛造品SA336を使用.
内面はステンレス鋼の内張り.
容器の蓋は取り外しが容易なようにフランジ接続とし,二重Oリングで漏れが防止できる構造.
設計施工はASME Section VIIIまたは日本法規のいずれか厳しいほうで行うとされた.
以下の表は,福島第一原発の概要を示す.
(図表番号atm190407fk)
また,以下はBWRの基本仕様表だが,500MW級は1号機,800MW級は5号機の仕様を表わしているという.
(図表番号atm190405fk)
【参考ページ Referencia Oldal】
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-07-03-01.html ※atm190405fk
& atm190407fk引用元
豊田正敏「福島原子力発電所の計画概要」,『日本機械学会誌』1968年4月号,p.563-564
『Newton別冊 検証・福島原発1000日ドキュメント』(ニュートン・プレス,2014),p.112-113
2019.4.7
【質問 kérdés】
福島第一原発の核燃料はどのようなものだったのか?
【回答 válasz】
燃料棒49本を1単位に組み立てた燃料集合体400個から成る.
燃料棒はジルコニウム合金で作られた
外径1.45cm
厚さ0.09cm
長さ3.7m
の長尺被覆管で,この中には
直径1.24cm
長さ2cm
の二酸化ウランの焼結ペレットが詰め込まれている.
これにプレナムスプリング等を装填してヘリウムを加圧封入し,両端を端栓で溶接密封した構造となっている.
この燃料プレナムは,燃焼にともなって燃料ペレットから放出される核分裂生成ガスを収容し,燃料棒の内圧が過大にならないように設けた空間である.
BWRの燃料集合体には燃料棒が正方格子に配列され,その周囲はジルカロイ製のチャネル・ボックスで囲われている.
燃料取替えは燃料を炉心全体からほぼ均一に取り出す,いわゆるスキャッタ方式を採用.
運転開始後2年目より毎年1回行われ,1回に約20%の燃料が取り換えられていた.
一方,2号機は原子炉の出力密度を1号機の36kW/lから51kW/lに上昇させているため,所要燃料要素の数も出力に比して少なくなっている.
燃料燃焼度は1号機に比して,初期炉心で16500MWD/tから21000MWD/tに,平衡炉心で22000MWD/tから27500MWD/tに上昇している.
【参考ページ Referencia Oldal】
https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_576.html
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-01-01-01.html ※atm190409bwr引用元
豊田正敏「福島原子力発電所の計画概要」,『日本機械学会誌』1968年4月号,p.564
2019.4.9
【質問 kérdés】
福島第一原発原子炉の制御機構はどんなものだったのか?
【回答 válasz】
原子炉の出力制御には
(a)手動による制御棒の調整
(b)原子炉再循環流量の調整
の2つの方法がある.
BWRの制御棒は4体の燃料集合体で形成される間隙部を移動するため,十字形のブレードを有する.
制御棒には中性子吸収材としてボロンカーバイド(B4C)またはハフニウム(Hf)またはこれらを組合せて用いるタイプがある.
福島第一原発1号機の場合は,ボロンカーバイト粉末をステンレス鋼管に充填し,ステンレス鋼シースで十字形に配置していた.
なお,原子炉運転初期には燃料が新しいので,余分の反応度を抑えるため,172枚のボロン・ステンレス鋼板を炉心に入れた.
制御棒の下部には制御棒落下事故時の落下速度を緩和するため,傘型の構造をもった落下速度リミッタがある.
また,制御棒駆動機構と結合するためのソケットが設けてある.
制御棒駆動機構には水圧駆動式と電動駆動式とがある.
両方式とも制御棒の急速挿入時にはアキュムレーターに蓄えた窒素ガス圧を動力として利用する.
原子炉に異常が発生するか,あるいは発生のおそれがある場合には,全制御棒が一斉に炉心下部から炉心に急速挿入され,原子炉は停止する(原子炉がスクラムしたという).
制御棒が挿入できないで原子炉の低温停止ができない場合には,炉心に中性子吸収材を注入して原子炉を停止するホウ酸水注入系が設けられている.
これは蓄圧タンクの10Bを含む五ホウ酸ナトリウム溶液を原子炉内に注入し,核反応を停止させる安全装置である.
通常の負荷変動に対しては,流量の調整によって制御される.
BWRでは,軽水を炉心で沸騰させ圧力約6.9MPa[gage](70kg/cm2G)の蒸気を発生させ,また沸騰によって生じる蒸気泡(ボイド)の量を再循環ポンプ(速度可変のポンプ)で調節することによって核反応(出力)の制御をしている.
これを再循環流量制御方式という.
プラントの制御は,運転員がマスタ・コントローラに出力変化の要求信号を伝え,その信号をMGセットの流体継手に伝え,MGセットの速度を変えることにより発電機の周波数を変化し,流量を変える.
その結果,原子炉出力が変化する.
原子炉出力が変化すると上記圧力が変化し,初圧調整装置が作動してタービン蒸気加減弁を開閉し,タービン入り口上記圧力を制御し,タービン出力を原子炉出力に合致させる.
1枚目(図表番号 atm190414fk)
BWRの原子炉制御系系統図
2枚目(図表番号 atm190413fk)
BWRの制御棒および制御駆動機構断面図
【参考ページ Referencia Oldal】
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-01-01-01.html (図表番号
atm190413fk 引用元)
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-03-06-01.html (図表番号
atm190414fk 引用元)
https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2481.html
https://www.mhi-nseng.co.jp/technology/nuclear/reactorsafe/control_protection.html
豊田正敏「福島原子力発電所の計画概要」,『日本機械学会誌』1968年4月号,p.56
2019.4.15
【質問 kérdés】
福島第一原発の原子炉格納容器はどんなものだったのか?
【回答 válasz】
原子炉格納容器は原子炉の炉心部を収納する,肉厚に作られた頑丈な鋼製容器である.
内部に燃料集合体から成る炉心,制御棒などの炉内構造物,一次冷却材(軽水)等があり,運転時には高温・高圧となっている.
BWRの場合は直径約6m,高さ約23mの円筒型で,両端が半球状の鏡部をしている.
MARK-I型格納容器は,原子炉圧力容器及び再循環回路を取り囲むフラスコ型の鋼製のドライウェルと圧力抑制系(ウェットウェル)から構成される.
ウェットウェルは円環型の圧力抑制室とこれに連結するベント管,ベントヘッダ及びダウンカマから構成される.
第1号機に関して言えば,
設計圧力 4.35kg/㎠
設計温度 138℃
設計漏洩率 0.5%/d
2号機はASME Section IIIの設計.
原子炉の出力密度を1号機の36kW/lから51kW/lに上昇させているため,圧力容器は1号機に比してさほど大きくはなっておらず,肉厚は薄くなっている.
【参考ページ Referencia Oldal】
豊田正敏「福島原子力発電所の計画概要」,『日本機械学会誌』1968年4月号,p.564-565
https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_1947.html
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_02-03-04-02.html
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t19871105001/t19871105001.html
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/intro/outline/outline-j.html
2019.4.21
【質問】
マーク1型原子炉の格納容器には,これまで何の安全対策も行われてこなかったのですか?
【回答】
読売新聞[1]によれば,70年代以降,水素対策などが施されたが,その後も議論はやまなかったという.
以下引用.
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米国の規制当局は70年代,同型炉の格納容器は大事故に耐えられないとの懸念から,一時は採用中止も検討した.
しかし,既に原発業界で広く使われていたため,廃止の決断には至らなかった.
70年代以降,水素対策の必要性が指摘され,タービン建屋に水素を水に戻す装置の設置,窒素封入などの対策が取り入れられるようになった.
こうした改良は,福島第1原発にも導入されたが,80年代になっても,米原子力規制委員会(NRC)幹部のハロルド・デントン氏が,
「溶融事故があれば90%破裂する」
と発言するなど,論争がやまなかった.
80年代後半,GEは格納容器の圧力を抜く補強ベントの追加など,技術的改良を重ねて,同型の延命を図った.
現在,米国はマーク1を含め,
「原子炉は全て安全」(グレゴリー・ヤツコNRC委員長)
としている.[1]
-----------------------------------
-----------------------------------
一方,東電では1994年,非常用ディーゼル発電機増設で,電源多重化を図るなどの方針を打ち出し,福島第1原発でも,タービン建屋などの地下に設置されていた,10台の水冷式発電機に加え,1997~99年,2,4,6号機に1台ずつ空冷式発電機を設置.
しかし東日本大震災では,地上13mに置かれた,6号機に増設された1台だけは,津波をあまり受けずに稼動し,5~6号機を安定冷却に持ち込むことができたが,2,4号機に増設された2台(設置場所:高さ10m)は,配電盤が浸水して使えなくなり,その他の10台も水没した.[2]
-----------------------------------
-----------------------------------
40年以上の歴史があるマーク1について,原子炉メーカー幹部は,
「最大の問題は,電源喪失に弱い構造に関する知識が不足していたことだ」
という.
水素を水に戻す装置も,電源を喪失すれば動かない.
東電幹部は,
「原子力の技術者は,意外に電気システムに詳しくない」
という.[1]
-----------------------------------
ただし,最後の発言については,「要クロスチェック」としておきたい.
なお本項は,情報収集でき次第,逐次追記・改訂の予定.
【参考ページ】
[1]読売新聞,2011/06/09
[2]読売新聞,2011/06/14
http://www.ge.com/jp/news/reports/gereport_may25_11.html
http://www.ge.com/jp/news/reports/faqs_july7_11.html
http://www.ge.com/jp/docs/1307504328207_NEI_Report.pdf
http://blogs.yahoo.co.jp/charange2010/8579150.html
【ぐんじさんぎょう】,2011/07/25 20:20
を加筆改修
思ったほどGE叩きがないのは,興味深いですね.
あまりにも東電と菅政権がいろいろやって,避雷針になってるからかな.
しまだ in 2011年07月20日 23:15
田嶋幸三は電源喪失に弱いと申したか.
花ながみね軍曹 in 2011年07月21日 09:39
>しまださん
施工主の異なる1号機~4号機がすべて大事故になっている点と,GE自体が問題点を指摘して改善提案をしていたというアリバイがあるのも,大きいのではないでしょうか.
パーツ単位でみれば,10以上のメーカーが関わっており,個別の部品や設計に欠陥が見つからなければ,メーカー側が責任を問われる可能性は低いように思います.
一番の原因となった施工基面高さは,東電が決めたようですし.
季節労働者 in 2011年07月21日 10:22
なるほど.女川のマーク1が壊れてないわけですし,論理的ですね.
困難でも他人に責任をなすりつけないのは誇らしい.
福島第1の原子炉は,地震ですでに壊れてたんじゃないかって書き込みはありますね.
それだと,他の炉も地震で壊れてなければならないし.
GE陰謀論は右からも左からも来そうです.
>花ながみね軍曹さん
升田幸三かも.
しまだ in 2011年07月21日 10:59
>GE陰謀論は右からも左からも来そうです.
ネット上ではチラホラ見かけましたが,いずれも即座に論破されていました.
反論内容はこんな感じですね.
・常識的に考えて,欠陥商品を売りつけたとあっては,商売あがったり.
・風船爆弾で明らかなように,北太平洋では風も海流も西から東へ流れる.
福島第1原発から出た放射性物質は,津波の瓦礫と一緒に,最終的に北米西海岸付近まで到達する.
GEが敢えて欠陥原発を売りつけてきたなら,自爆テロとしか言いようが無い.
この件については,深刻な事態にはならないと思いますよ.
季節労働者 in 2011年07月22日 22:15
>福島第一の原子炉は地震ですでに壊れてたんじゃないかって書き込みはありますね.
確かに,福島第1原発の1号機だけは,地震直後から,蒸気タービンを利用した冷却機構も働かず,どうしようもなかったという説があります.
それでも,ほぼ同型で,かつより強い地震に襲われた女川が無事だったのですから,少なくとも設計には大きな問題は無かったのでしょう.
福島第1原発1号機の各部品を建設業者は,圧力容器はIHI,格納容器は日立,ディーゼル機関は川崎重工,安全弁はGE,土木工事は鹿島となっています.
(地震直後に倒れた,送電線を支える原発西側の鉄塔の製造業者は不明)
現時点でわかる情報から,建設業者の過失割合を推定すると,
西側鉄塔を造った業者が第1位,
安全弁を作ったGEが第2位,
津波が来る前から動かなかったと言われるディーゼル機関を作った川崎重工が第3位
というところでしょうかね.
まだ事故原因の全貌がはっきりしていないので,過失割合も今後変わる可能性は高そうですが.
季節労働者 in 2011年07月22日 22:29
【質問 kérdés】
福島第一原発の敷地はどのような場所だったか?
【回答 válasz】
当時,福島県双葉郡大熊町及び双葉町にまたがる約300万㎡の山林原野.
標高は約35mの平らな大地で東側は急峻な断崖.
地質は,新第三紀鮮新世の相馬層群の上層である富岡層と,これを被覆する洪積世の海岸段丘堆積物から成り,標高 -3.3mくらいのところに灰黒色の泥岩層があり,その岩質は良好で,700ないし1000t/㎥の極限支持力あり.
気象面では,陸風かつF形の出現頻度は年間3%.
また,高度80m異常に逆転層があり,80m如何低滅である拡散上,悪い気象状態は年間約1%.
海水温度は夏季最高25℃,冬季最低9℃.
また,最高潮位は3.112m,平均潮位0.824m,最低潮位は-1.918m.
詳しくは,豊田正敏「福島原子力発電所の計画概要」,『日本機械学会誌』1968年4月号,p.561を参照されたし.
2019.3.30
【質問 kérdés】
福島第一原発のタービンはどのようなものだったのか?
【回答 válasz】
1号機についていえば,タービンは串形4流排気式1500rpm,最終段翼長88.9cm (35in)の非再熱形飽和蒸気タービンで,タービン出口の湿分は14.5%.
低圧タービンの最終段翼はステライト張りとし,その前5段の翼には湿分分離効果を持たせるための溝が切ってある.
また,主蒸気管から直接復水器へ導かれるタービン・バイパス系は,定格蒸気流量の105%を処理しうる能力を持っており,起動停止中の蒸気の処理を行うと共に,タービン発電機が系統から解列してもプラントには所内負荷だけで運転を継続できたという.
また,2号機のタービンは串形6流,非再熱式1500rpm機だが,最終段翼長は1号機と同じ.
タービン・バイパス系は定格蒸気流量の25%の容量のものを設けており,負荷遮断時には原子炉はスクラムさせることになっていた.
1枚目・原子炉建屋・タービン建屋断面図
(図表番号atm190417)
2枚目・GE社のアラベル蒸気タービン
(図表番号atm190418ar)
こちらは最新型モデル
福島第一原発のタービン画像は検索では見つからなかった
【参考ページ Referencia Oldal】
豊田正敏「福島原子力発電所の計画概要」,『日本機械学会誌』1968年4月号,p.564-565
http://toshiba-mirai-kagakukan.jp/learn/history/ichigoki/1963powerplant/index_j.htm
http://pub.nikkan.co.jp/uploads/book/pdf_file50d10a39cba91.pdf (図表番号atm190417引用元)
http://www.hitachi-hgne.co.jp/nuclear/product/np_step/history/index.html
https://www.ge.com/power/steam/steam-turbines/nuclear-arabelle (図表番号atm190418ar引用元)
2019.4.19
【質問】
福島第一原発の防波堤は,どのようなものだったのか?
【回答】
この図の,上から順に
・北防波堤
・東防波堤(内側の防波堤)
・南防波堤
があった.
(図はgoogleマップから取得して加工したもの)
高さはそれぞれ
・北防波堤において海抜7m(北面側),10m(南方向へ折れ曲がっている部分),5.5m(海に向かって南東へ伸びている部分)
・東防波堤において海抜5m
・南防波堤において海抜5.5m
あった.
なお,近藤俶郎他『海岸工学概論』(森北出版,2005/02)によれば,一般論として,津波を最終防御施設たる堤防のみで防ごうとすると,やたらと高さが大きくなって,港湾利用の点でも景観の点でも現実的ではないという.
それはすなわち,堤防のみをもって津波対策に満足してはいけないという事にもなろう.
【参考ページ】
http://www.umeshunkyo.or.jp/108/prom/219/page.html
【珍説】
364 : 岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM [sage] :投稿日:2012/05/13 23:43:00 ID:J8xmn4a90 [36/36回(PC)]
>>361
>岩見は自分が防潮堤と防波堤の違いを理解してないことに気づいてないのか・・・
意味不明.上空からサイトを撮影した写真を見れば分かるが,港湾には船舶の出入りのため開口部が設けられてる.幅何十mだか100m位の.
津波はサーフィンの大波などと違い,一旦水位が上がったら何十分も引かない.そっから水が入ったら終了.
じゃああの防波堤は何のためかと言えば,
*静穏な海域を造り出し,冷却水を安定して取水する
*道路や鉄道で運搬出来ない大物を船舶で搬入する
ためにある.
津波と高波以下の日常的に発生する波の違いが理解出来て無いのか.
その内軍クラにも捨てられるよ?
368 : 岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM [sage] :投稿日:2012/05/14
00:11:21 ID:E4Q0cBA20 [2/2回(PC)]
>>365
本当に馬鹿だとしか言いようが無い.
俺がこの件でウィキから引っ張るはずも無いんだが.
実年齢も低そうだ.
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002466717
この563項にも触れられてるけど?
てか,社史にも書かれてるレベルの話.
あとお前ってひとっつも自分で調べ物もしないし,勉強のためのコストも払わんのな.
反吐の出るようなムカつくタイプだわ.正にクズという言葉が当て嵌まる.
-------------
論題 福島原子力発電所の計画概要
著者 豊田 正敏.
請求記号 Z16-110
雑誌名 日本機械学会誌.
出版者等 東京 : 日本機械学会, 1938-
巻号・年月日 71(591) 1968.04
-------------
【事実】
これはバイアスによってモノの見方が歪む典型例と言えるでしょう.
「東電を誹謗中傷したい」という結論というか動機がまず先にありきであることは,これまでの岩見君の言動から明白です.
そんな動機で読んでいるからバイアスがかかりまくり,
「出入りのため開口部が設けられてるから,この防波堤は津波防止目的じゃない」
などとトンチンカンな結論に飛びついています.
東北建設協会編『津波被災前・後の記録 宮城・岩手・福島航空写真集』(河北新報出版センター,2012)
という本があります.
タイトル通り,東日本大震災で津波被害を受けた海岸部の航空写真を,被災前と被災後とを並べて掲載したものです.
これを見てもらえれば分かる通り,ほぼ全ての防波堤に開口部があるのが見てとれます.
岩見君の論が正しいと仮定するならば,これら被災地域はほぼ全て津波防止目的で防波堤を建設していなかった,ということになってしまいます(苦笑
(実際には,開口部後背地に胸壁を設け,連続性を確保するよう努められています)
これだけ見ても,バイアスがかかった人間が,いかにデタラメな理論を発明してしまうかがよく分かるかと存じます.
岩見君の勘違いの元は,
>津波はサーフィンの大波などと違い,一旦水位が上がったら何十分も引かない.そっから水が入ったら終了.
と書いている箇所から察するに,津波を単なる水位上昇と思い込んでいる点にあるようです.
気象庁では,このように述べています.
> 津波は海底から海面までの海水全体が動くエネルギーの大きな波であり、風が吹くことによって海面付近の海水が動く現象である「波浪」と大きくことなります。
>気象庁|津波について
つまり津波の本質は水位上昇ではなく,エネルギーなのです.
ですので,津波対策はこの巨大なエネルギーをどう減衰させるか?が主要なテーマになります.
たとえば,海岸近くにテトラポットが積まれているのを見たことのある方も多いと思いますが,これも波のエネルギーを減衰・消散させる目的で設置されているものです.
さすがにテトラポットだけでは,その水制効果にも限りがありますが,津波に対して無駄であるとは決して言えません.
このような海中障害物や堤防を様々組み合わせ,波のエネルギーの減衰を試みています.
もちろん,開口部も無く,津波が越えられないだろう高さの大堤防を築く方法も無くはないのですが,同じ経費をかけるならば,より効果的な方法を選択するのが一般的です.
だいたい,「越えられないだろう高さ」の想定が甘ければ,どんな大堤防も無駄になってしまいます.
たとえば,田老町(現・宮城県宮古市)の世界最大の防潮堤も,チリ地震津波(1960年)では津波が堤防まで到達しませんでしたし,東日本大震災(2011年)では一瞬で倒壊しています.
コスト・パフォーマンスの見地から言えば,巨額の建設費用は無駄だったと言えるでしょう.
そのような勘違いに悪意という色眼鏡が加わると,書かれてもいないことが「見えて」くるようになります.
岩見君のこれまでの誤読の数々が,それを証明していますし,この件でもそうです.
防波堤に関して「福島原子力発電所の計画概要」に実際に書かれているのは,以下のような文章です.
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発電所敷地前面海域の南側および北側に防波堤を設け,復水器冷却水は防波堤内の開水路から取水し,南防波堤に接して設けられた放水口から外洋に放水する.
この防波堤は4号機まで合計約3,000MWに対する冷却水量が得られるよう設計されている.
北側の物揚場は建設時の重量物の搬入および使用済燃料の船積みに使用する.
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確かに,「この防波堤は津波対策のためのものである」という一文は見当たりません.
が,それをもって「この防波堤は津波対策のためのものではない!」と決めつけるのは短絡以外の何物でもありません.
というより,これを書いた豊田正敏氏も,まさか「この防波堤は津波対策のためのものである」とはっきり書いておかないと「この防波堤は津波対策のためのものではない!」と決めつける輩が出てくる,とは夢にも思わなかったことでしょう.
以下に事故前の福島第一原発の配置図を示します.
Fukuszima 1. Atommagreaktornak elrendezési rajza
引用元は『原子力発電所と地域社会』(1970年).
これを見ますと,実際には開口部の後背地には東防波堤が配置されており,標準的な「連続性を考慮した」,すなわち津波対策を考慮した防波堤配置になっていることが見てとれるかと存じます.
ちなみに,元のスレッドの中でも岩見君はツッコミをうけて,早々に
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372 : 岩見浩造 ◆Pazz3kzZyM [sage] :投稿日:2012/05/14 12:34:10 ID:nhYngxrE0 [1/3回(PC)]
>>369
A:上で俺は「緩衝効果しかない」と書いている.
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と,事実上の前言撤回をしているのが笑えます.
意味不明な俺様理論を振り回す荒らしは時々見られますが,そのトンデモ理論がどのようにして発生するのかを知る上で,この件は興味深い実例と言えるでしょう.
369 : 最低人類0号[sage] :投稿日:2012/05/14 00:43:35 ID:MAJCfz/P0 [2/5回(PC)]
後,これってギャグ?
岩見自身のことだろ(笑)
>あとお前ってひとっつも自分で調べ物もしないし,勉強のためのコストも払わんのな.
>反吐の出るようなムカつくタイプだわ.正にクズという言葉が当て嵌まる.
371 : 最低人類0号[sage] :投稿日:2012/05/14 01:11:14 ID:VcBBmgBp0 [1/1回(PC)]
そりゃ自分に覚えのあることだから口から出ちゃったんだよ.
岩見の脳味噌だよ.
仕方ないでしょ?
最悪板,
"5 csatornás" legrosszabb BBS,
青文字:加筆改修部分
Kék karakter: retusált vagy átalakított rész
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