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◆◆◆◆◆MD脅威論(笑) MD Fenyegetéselmélet :-)
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<◆日本/自衛隊(JSDF)FAQ目次
<東亜FAQ目次
【質問】
ある平和団体は
「ミサイル防衛は中露などの核軍拡を招くので,日本はやらない方がいい」
といっていましたが,この理論は正しいのでしょうか?
家に鍵を設置した方が危険になるというのと同じくらい,おかしな理論だと思うんですが,僕がおかしいんでしょうか?
【回答】
「軍拡の原則」ってのがあってね.他の国より軍事的に優位に立とうと皆が考えるから,軍隊は自然に軍拡へ向うという法則.
もちろん,あまりに軍拡したら経済の足を引っ張るから,政治が軍拡を抑えるんだけどね.
ただし,周辺国が軍拡しているのに自国だけ軍縮するのは非常に危険.攻めてくださいと言っているようなもの.
だから,国際的に話し合って軍拡の連鎖を未然に防ぐ取り組みが大切なわけ.
翻って日本の周りを見ると,近年中国の軍拡が著しく,これからも継続すると見られている.
そして,中国は話し合いで軍拡の連鎖を止めようとする意思は全くない.軍事費の公開すら拒否する始末.
こういう状況にあって,日本もパワーバランスを保ち,戦争を未然に防ぐには,今のままの戦力では足りなくなるのではないかという懸念は,年を経るごとに大きくなっていると言える.
軍事板,2006/01/25(水)
青文字:加筆改修部分
【珍説】
MDは現在も続いているMADによる核先制不使用の政治的原則を崩すような危険な軍事構想ですよ.
実際にアメリカやイスラエルや日本に撃たれた戦略核の5%程度しか落とせないシステムであっても,政治家は,特に為政者は,全面核戦争で撃たれた核の殆どを撃ち落とせると勘違いする可能性が現在の政治構造では極めて大きくて,それは核の先制使用の敷居を極めて低くする.
戦略核ですらそうなるのだから,戦術核に至っては今のBC兵器やクラスター爆弾のように安易に爆撃に使われる.
人類皆兄弟 in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)
【事実】
>特に為政者は,全面核戦争で撃たれた核の殆どを撃ち落とせると勘違いする可能性が現在の政治構造では極めて大きくて,
>それは核の先制使用の敷居を極めて低くする.
前段と後段が繋がってないと思います.
そもそも「戦略核」を使ってまで達成する政治的メリットというのは存在しません.
相手を根こそぎ破壊したところで何の意味もない.
核武装とはまさしく「相手に打たれない」ための装備のはず.
>政治家は,特に為政者は,全面核戦争で撃たれた核の殆どを撃ち落とせると勘違いする可能性が現在の政治構造では極めて大きくて,
>それは核の先制使用の敷居を極めて低くする.
逆じゃないですか?
核ミサイルを全て撃ち落とせると判断したなら,核ミサイル作っても無駄じゃんと考えるのが普通ですよ.
大体核武装にもそれなりにコストが掛る訳ですし.
まあ仮にMDが100%作用するとしたら,飽和攻撃くらいしか核を使う方法なんてありませんが,そんな金の掛る物を大量に使用して得られるのは,ますたーあじあさんが言われているように完全破壊&放射能汚染された土地だけです.
【珍説】
東北アジアに公平なものさしを当てると,米国の圧倒的な軍事力が鮮明に浮かび上がる.
その最大拠点こそ日本列島だ.
横須賀の米軍艦は500基を超えるトマホーク巡航ミサイルの垂直発射管を装備し,その約半数をピンポイント爆撃可能な発射準備態勢に置いている.
MDが北朝鮮や中国への先制攻撃態勢を補助することは明白だ.
(グリーンピース)
あつこば(小林アツシ) in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)
【事実】
>横須賀の米軍艦は500基を超えるトマホーク巡航ミサイルの垂直発射管を装備し,
卑怯臭い主張だな.
確かにトマホーク“も”撃てるランチャーは各艦合わせて500基以上あるが,このランチャーは他のミサイルと共用で,中身の殆どは対空ミサイルや対潜ロケット魚雷が入っている.
横須賀所属の軍艦のトマホーク巡航ミサイル搭載数は,一隻あたり12~16発が普通なので,全部で100発以下でしょうね.
>その約半数をピンポイント爆撃可能な発射準備態勢に置いている.
そもそも250発も無いってば.
【珍説】
▼経済成長著しい中国は海外観光ブームが続き,ASEAN諸国に巨額の観光収入を落としている.
2010年には海外旅行者数が5000万人に達するとの推計もあり,旺盛な旅行需要をいかに沖縄へ呼び込むか,知恵の絞りどころだ
▼その沖縄は,パトリオット・ミサイルの嘉手納基地配備や,宮古島への陸上自衛隊の新基地計画などきな臭さが漂う.
中国の動向を視野に置くものと見られており,中国の反応が気になる
▼自国に向けて軍備を増強する国や地域に,旅行に行きたくないと思うのが自然な心情ではないか.
沖縄の軍備強化は観光誘客に水を指すことにならないか
【事実】
まるでPAC3が中国に向けられている攻撃兵器のような言い方ですが,琉球新報は地対空ミサイルだということを理解しているのでしょうか?
断言できます.中国は絶対に勘ぐって来ません.勘ぐってきたら自爆です.
そういう勘繰りをした国は,国際的に馬鹿扱いされるんですよ.何故ならPAC3は迎撃ミサイルで,しかも沖縄には他にも攻撃用兵器が配備されていない(F-15Cは制空用)からなんです.
もし中国が嘉手納のPAC3配備について琉球新報のようにイチャもんを付けてきた場合,「ほーぅ,お前はPAC3に出番があるような事態を招く腹積もりなのか」と逆に勘ぐられ,薮蛇となってしまうからです.
実はPAC3は,今は無きABM制限条約にすら抵触しないミサイルです.(何故なら主任務が対SRBM用だから) そもそも中国はABM制限条約に加盟していませんでした.
だから,中国はMDを批判できる立場にありません.
PAC3は「迎撃」で「対空」ミサイルですから,誰を傷つけるものでもないんですよね.
名分が立っているので中国は何もできないです.
【珍説】
紹介した記事は,もともと「中国からの観光客」がメインテーマの記事ですよね.
だとしたら,「中国と仲良くしたほうがいい」というトーンになるのは当然ですね.
もともと琉球王朝はアジアとの交易に積極的な平和な国でしたから,それがヤマトに組み入れられて要塞化されている事に対する拒否感は強いのです.
〔略〕
しかも,あの記事では,PAC3の事だけではなく,宮古島への陸上自衛隊の新基地計画も含めた軍備強化に対する懸念を表明しているわけです.
あつこば(小林アツシ) in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)
【事実】
・・・琉球王朝の歴史を知っていれば,そんなセリフは出てこないです.
琉球には鉄砲(の一種)が本土よりも100年早く伝わり,琉球統一はその火力装備を使用して,本土の秀吉よりも100年早く達成され,『刀狩』も秀吉がやるよりも100年早く実行され,……と,琉球の歴史はヤマトの歴史と何ら変わらないんですよ.
面白いことに.17世紀の薩摩藩侵攻でも,琉球王朝は大砲を含む火砲を使って激しい抵抗を行っています.
>しかも,あの記事では,PAC3の事だけではなく,宮古島への陸上自衛隊の
>新基地計画も含めた軍備強化に対する懸念を表明しているわけです.
島嶼防衛は日本の国防能力上,現在最大の弱点です.
やるべきことをこれまでやっていなかった,というだけの話で,それに対して懸念するのは,過度の反戦ヒステリーに過ぎません.
【珍説】
嘉手納基地へのPAC3の大量配備は,経済成長を背景に防空能力の向上を推し進める中国の動きをにらんでいよう.
北朝鮮のミサイル発射も巧みに利用されている事情が透けて見える.
日米政府は,口を開けば「抑止力」を強調する.
だが他の国々にとっては軍事的脅威としか映らないはずだ.
「抑止力」は無益な対立を生む危険性をはらんでいる.
琉球新報 社説,2006/10/1(リンク切れ)
【事実】
開いた口が塞がらない.なんだこれは.論理が破綻している.日本語としておかしい.これが新聞なのか.馬鹿な.
>嘉手納基地へのPAC3の大量配備は,経済成長を背景に防空能力の向上を推し進める中国の動きをにらんでいよう.
中国の軍拡の動きは「防空能力の向上」とオブラートに包む訳か.
それでいて,なんで中国の「防空能力」に対してPAC3が必要なんだね?
PAC3は迎撃ミサイルであり,敵が侵入してこない限り出番は無い.PAC3こそ「防空能力の向上」だろうに.
使うべき言葉を自分たちの都合で意図的に間違え,破綻した文章を恥かしげも無く提示する.
こんな社説を書く人物が実在する事に驚きを覚える.
あたかもMDを攻撃用兵装であるかのように騒ぎ立て,一報で中国の新型フランカー戦闘機(長距離航続能力のある侵攻戦闘機)を「防空能力の向上」と擁護するその態度は,理解し難い.
彼等の脳内では,原子力潜水艦浸入事件も無かった事になっているのだろうか.
「アメリカの対空ミサイルは攻撃用」
「中国の新型長距離戦闘機は防御用」
・・・幾らなんでも無理があるだろう.無茶苦茶だ.
>日米政府は,口を開けば「抑止力」を強調する.
横須賀の空母の存在は抑止力だ.
だが迎撃ミサイルは抑止力ではない.
【珍説】
パトリオット配備・対中戦略の拠点にするな
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沖縄には中国と親密に交流してきた歴史がある.
首相の靖国参拝問題などで日中に溝ができても,沖縄と中国は友好関係が続いている.
その中国にミサイルを向けようものなら,沖縄も「敵対地域」とみなされ,攻撃目標とされる懸念すら出てこよう.
沖縄を対中戦略の拠点とすることは,政府が認めても,県民が許すまい.
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琉球新報,2006/06/26
【事実】
疑問その一.PAC3を対北朝鮮用ではなく対中国用だと声高に叫んでいるのは何故なのか?
疑問そのニ.敵が来ないと出番の無い地対空ミサイルをどうやって「中国に向ける」事が出来るのか?
沖縄に巡航ミサイルや弾道ミサイルは存在しません.
戦略爆撃機も存在しません.
嘉手納基地のF-15C戦闘機は制空用で爆撃任務には使われませんし,
パトリオットPAC3は対空防御用で攻撃には使えません.
ちなみに似たような苦労はアメリカ軍だけではなく,ロシア軍でもあるようです.
外務省:最近のロシア情勢[平成18年5月]
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ミハイロフ・ロシア空軍総司令官は,2006年2月,ベラルーシにロシア空軍基地を開設する計画を発表.
4月4日には,ロシアの対空ミサイル「S300」のベラルーシへの実戦配備が始まった旨発表.
総司令官は,同ミサイルは防衛的なものであり,誰にも不安を呼び起こさせないはずであると強調.
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S300には,ミサイル防衛システムとして弾道ミサイルとの交戦能力があるモデルも存在します.
なお,中国も購入しています.
<以下コメント欄>
ふむ,沖縄県人達の自覚があるかはワカランが,沖縄は孫子言う所の「交地」または「争地」なんだな.(散地は朝鮮半島か?)
そして孫子は,そういう地を徹底的に守れとおっしゃってる.
言ってしまえば,武器の有無や思想の違いを問わず,その島の存在自体が争いの原因なワケだわな.
Postedby名無しT72神信者at2006年11月07日03:03
泉守紀と化しているウチのおばちゃま市長は兎も角,市議の大多数はPAC3配備に賛成しているし,
市民も賛成ないしは無関心だから,市民団体も母集団程度しか集められなかったわけで.
陰謀論者と言われそうなんだけど,やっぱあの記者は確信犯だよ.
Postedby燈 07日19:25 05日17:32に非ずat2006年11月08日10:49
【珍説】
防衛ミサイルが何故,他国の脅威になるかという質問でしたね.
現在,軍事力の均衡と言うものは,簡単に言えば,
「相手国が攻めてくるなら,自国は相手国に攻めて返して被害を与えてやるぞっっ!! それが嫌なら攻めてくんなっ!」
という理論から成り立っており,
「相手に被害を与えたら自分にも被害が返ってくるからやめておこう」
ということから,守られてきました.
しかし,強大な軍事力を持つ国が,完璧な防衛ミサイルを整えてしまうと,被害を与え返す.という大前提が崩れてしまうために今,問題となっています.
たかk in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)
【事実】
そうですね.
現在,3自衛隊が保有する陸海空戦力を排除してまで日本を直接侵攻出来る軍隊は米軍しかありません.
従って,こと「通常戦力によって防衛に徹する限り」日本がアジア最強である点は嘘偽りの無い事実だと思います.
これは,極東ロシア海軍が完全に瓦解している事や中国,北朝鮮の海軍力や造船能力を鑑みれば,なお明白であろうかと思います.
ですが相互抑止とは,「お互いに同質ないし近似の戦力整備」をしてこそ成り立つものです.
釘を打ち付けた5 x 5 x 80cm角材を持った相手に,刃渡り1cmの小さな鉛筆削りカッターで果たして正面から対抗可能でしょうか?
かつての冷戦時代に確立した相互確証破壊理論,及びABM制限条約はそう言った視点に立って米ソが注意深く策定したものです.
翻って現在,我が国の周囲を取り巻く環境はどうでしょうか.
現在は未だ対抗不可能な弾道ミサイルを北朝鮮及び中国から向けられ,そのうちの何割かは確実に核弾頭だと言われています.
こちらにはそれに対抗する手段も,報復する手段も持っていません.
将棋に例えるならば,歩の代わりに香車を大量に備えた相手と戦うようなものですし,もっと判り易く言えば拳銃を突き付けられているのと同義の状態なのです.
これが果たして対等な関係と言えるのでしょうか?
対等な関係に立とうというのであれば,拳銃を無効化する技術を身につけるか,相手に拳銃を下ろさせるしか無いのです.
【質問】
もし北韓がMDを持ったら,これは日本にとっては脅威になりませんか?
【回答】
いや,全然脅威ではありません.
純然たる防衛兵器のどこが脅威になるんですかね?
逆に,そうすれば北朝鮮は弾道ミサイルに回る予算が減るので,日本としてはありがたい.
というか日本は,北朝鮮に対しての弾道ミサイル持ってませんし.
【珍説】
■市民団体がミサイル防衛に反発(朝日新聞)
>MDは防衛という名の先制攻撃システムだ
【事実】
そういえば冷戦時代の頃,北海道へ地対空ミサイル「ナイキ・ハーキュリーズ」を配備する時に,『このミサイルはウラジオストックを攻撃する為のものだ!』と主張していた反戦平和運動家が居ましたなぁ・・・
対空ミサイルで対地攻撃はできないってば.
『MDは防衛という名の先制攻撃システムだ』
要するに敵の弾道弾による反撃を気にする必要がなくなるから,先制攻撃を決断しやすくなる・・・という批判なんでしょうね.
でもそんな事を言い出したら,全ての防衛戦力にも同じ事が言えてしまいます.
MDに限らず,防衛力を強化すれば敵の反撃を防げます.
敵の攻撃を防いではいけない,とは・・・どういう事なのでしょうか?
冷戦時代のABM条約(弾道弾迎撃ミサイル制限条約)は,MAD理論(相互確証破壊)に基づくもので,これはお互いの核戦力が均衡していないと成立しません.
当時の弾道弾迎撃ミサイル自体も核弾頭によって「核を核で迎撃する」という,ある意味本末転倒なもので,全面核戦争くらいにしか出番が無いシステムでした.
しかし現代のMDは直撃弾方式で,地域紛争レベルの小さな戦いで弾道弾が使用された時でも,問題無く使えます.
そして今や,弾道弾が拡散してしまった結果,MAD理論が通用しない小国が弾道弾を保有するという事態が増えつつあります.
先にも述べた通り,相互破壊保障はお互いの核戦力が均衡していないと意味を失います.
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