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Remenber Spratly Islands
(画像掲示板より引用)
「An Arms Watcher」◆(2011/03/07) 中国ヘリが海自艦艇に接近 -東シナ海で活発化する中国の動き
「JB Press」◆(2013/04/10) 古森義久氏が警告,「米軍は尖閣を守るな」というアメリカ側の本音…「価値のない島のために,なぜ米軍が中国軍と戦う必要が?」
(キャッシュ)
「KINBRICKS NOW」■(2010/09/30) 尖閣は日本領?それとも中国領?領有権を確かめる31の方法―中国の政治ジョークをご紹介
「National Geographic」◯(2012/10/26) Why
Are China and Japan Sparring Over Eight Tiny,
Uninhabited Islands?
中国と日本は何故ちっぽけな無人島にこだわるのか
「OSINTSUM」◆(2010/08/19) 尖閣諸島に関する驚愕の記述
「Strategy Page」◆(2013/04/28) CHINA:
Occupy And Defy
「占有し,ゴネる」が,中国の領有権奪取の常套手段
「VOR」◆(2012/01/31)尖閣諸島をめぐる状況が先鋭化
「VOR」◆(2012/03/16)日中間の領土問題 新たな危機の高まりか?
「VOR」◆(2013/03/04) 中国監視船4隻 ジャオユイダオ海域に入る
「VOR」◆(2013/03/05) 中国 日本との問題で主権は譲らず
「VOR」◆(2013/03/05) 日本の海上保安隊,中国漁船の船長を逮捕
「蒼き清浄なる海のために FC2ver.」◆(2011/10/25)取締を「武力行使」に,違法漁民を「被害者」に仕立て上げる中国
「蒼き清浄なる海のために FC2ver.」◆(2011/10/27)中国の肥大化した被害者意識と自己正当化
「人民網」◆(2013/03/07) 中国海洋監視船隊,釣魚島の中国領海の巡航を継続
「人民網」◇(2013/03/12) 中国測量隊員は早期に釣魚島に上陸して実地測量を行う
「人民網」◆(2013/03/13) 中国海洋監視船隊が釣魚島領海を巡航
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2012/02/27)繰り返される日中の衝突 日本政府はどう対処すべきか ――ブルッキングス研究所・外交政策上級研究員 リチャード・ブッシュ氏インタビュー
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/02/15) 【China Report 中国は今】反日デモでイトーヨーカ堂が ほとんど無傷だった理由
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/10/02) 日中問題は全国民にとっての「世紀の宿題」 “尖閣危機”から日本人が学ぶべき4つの教訓 ――加藤嘉一・国際コラムニスト
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/10/09) 気がつけば尖閣に五星紅旗が翻る事態も 日本の防衛体制の矛盾と制度的欠陥 ――香田洋二・元自衛艦隊司令官
「中央公論」◆(2010年10月13日)菅政権が見逃した中国「強気の中の脆さ」=清水美和
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20101013-03-0501.html
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20101013-04-0501.html
■わが周辺における昨今の支那軍の動き(公式発表のみ)
・支那海軍艦艇の動向について(110809 統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110809.pdf
・支那海軍艦艇の動向について(110805 統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110805.pdf
・支那機の東シナ海における飛行について(110801 統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110801.pdf
・支那海軍艦艇の動向について(110727 統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110727.pdf
・支那機の東シナ海における飛行について(110707 統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110707.pdf
・支那機の東シナ海における飛行について(110704 統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110704.pdf
・支那海軍艦艇の動向について(110623 統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110623.pdf
・支那海軍艦艇の動向について(110609 統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110609_2.pdf
・支那海軍艦艇の動向について(110608 統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110608.pdf
・支那機の,わが護衛艦「いそゆき(磯雪)」への近接飛行(110401
統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110401.pdf
・支那ヘリの,わが護衛艦「さみだれ(五月雨)」への近接飛行(110307
統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110307.pdf
・支那機の東シナ海における飛行について(110302
統幕)
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110302.pdf
------------おきらく軍事研究会,2011年8月15日 月曜日
午前8:00
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/07/10) 尖閣は日米安保の対象?
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/08/15) 竹島と尖閣は全然違う
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/08/30) 尖閣問題は甘くない?
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/09/18) 尖閣問題 情報分析と国家戦略
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/09/24) 日本人をみな殺しにせよ?
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/09/25) 尖閣戦争(?)に勝者はない(と思う)
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/09/25) 尖閣問題その2
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/10/25) 尖閣問題で初めて寄稿
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/11/19) 中国側の領海侵犯には尖閣上陸で応じよ
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/11/26) ヤクザに学ぶ尖閣バトル
「ワールド&インテリジェンス」◆(2012/12/22) 尖閣を米軍が防衛するとはかぎらない
【質問】
尖閣諸島問題と竹島問題との違いは?
【回答】
以下の点で違いがある.
1) 竹島の場合,日韓両国が共に,先ず歴史的根拠を主張したが,尖閣の場合,これを主張するのはもっらぱ中国側であり,日本政府の主張は,無主地に対する先占の要件を満たして,これを取得したとするもの.
2) 竹島問題は戦後直後に日韓間の紛争になったのに対し,尖閣は1970年にいたって始めて,中国側が領有権を抽象するようになった
3) 尖閣の場合,竹島と違って,まだ政府間で本格的に論争する段階には進んでおらず,むしろ民間での議論が先行している
…というのが1998年の状況だが,2012年現在,そろそろ(3)は政府間論争が本格化しそうな予感.
【参考ページ】
太寿堂鼎『領土帰属の国際法』(東信堂,1998.8.28),p.201
【ぐんじさんぎょう】,2012/09/25 20:30
を加筆改修
【質問】
尖閣諸島にはどんな価値があるのか?
【回答】
鉱物資源・エネルギー資源の宝庫である上,海底火山の活動を監視して新島誕生時に領有権を主張すれば,台湾有事の際の米軍に対する押さえにもにあるという.
以下引用.
――――――
日中中間線から日本側の大陸棚には,有望な石油・ガス田が数か所以上存在し,日本の国内消費量の1年半分にあたる30億バレル相当の石油・天然ガスが埋蔵されているとの試算もある.
13億人を抱えて経済成長を目指す中国は,国内石油生産が頭打ちになっていることもあり,エネルギー資源確保が至上命題.のどから手が出るほど欲しいに違いない.
さらに,油ガス田以外にも,中国が関心を持つ豊富な鉱物資源が日本近海には眠っているというのだ.
なかでも注目されるのが,沖縄トラフに点在する「海底熱水鉱床」だ.
この鉱床は,海底の地下から高温の熱水に溶け込んだ重金属類がわき上がり,硫化物として塊や泥状に固まったもの.
その中には金,銀,銅,鉛,亜鉛,鉄など貴重な金属が豊富に含まれているという.
沖縄県の委託で昨年度,社団法人「海洋産業研究会」が行った海洋資源開発の基本調査によると,沖縄本島の北西側と与那国島の北方の沖縄トラフに,計8か所の「熱水活動域」が確認されている.
同調査に携わった木村政昭・琉球大学教授(海洋地質学)は,
「沖縄トラフの場合,鉱床が地層のように広がっている可能性がある.
これまでの調査は海底の表面のみなので,ボーリングをしないと埋蔵量は分からないが,おそらく世界的に見ても有望な鉱床といえるでしょう」
東シナ海ではないが,中国が頻繁に海洋調査を行ってきた沖ノ鳥島周辺など太平洋側の深海底にも,有望な鉱物資源があるという.
代表的なのは,希少鉱物であるマンガンやコバルトを豊富に含む「マンガン団塊」だ.
団塊は,水深4500~6000メートルの深海底に鉱物の塊として転がっている.
マンガンは鉄鋼生産,コバルトは特殊鋼などの生産に欠かせない.
メタンを主成分とするガスが水と混ざって氷結した「メタンハイドレード」と呼ばれる資源も,太平洋側の海溝斜面にあるという.
「メタンハイドレードは将来,石油に代わるエネルギー源になる可能性もあり,相当な資源価値があるとみられている.
こうした深海底資源は将来,掘削技術が発達すれば,活用が可能.
中国が太平洋側で頻繁に海洋調査をしているのも,こうした資源に関心があるからではないでしょうか」(木村教授)
中国が昨年から,沖ノ鳥島を,島ではなくて「岩」だと主張し始めたのも,この海底資源の存在と関係があるかもしれない.
「岩」の場合は,国連海洋法条約でEEZを持てないとされており,日本のEEZでなくなれば,中国が資源を利用することが可能になるからだ.
ちなみに,2003年12月に中国政府が発表した「中国の鉱物資源政策」と題する白書には,中国政府の海底鉱物資源に対する,並々ならぬ関心が示されている.
同白書は,中国は人口が多いため,1人あたりの鉱物資源保有量は世界的にも低い水準にあると指摘したうえで,海上油ガス資源の探査・開発と他の鉱物資源に関する研究を強化し,国際海底鉱物資源の探査・開発にも積極的に参画していく――と,うたっているのだ.
海底火山にも関心示す
一方,中国側の関心は,海底火山の活動にも向けられているとの見方がある.中国の海洋調査の動向をチェックしている情報当局者は,
「中国の調査船は,小笠原諸島近海など海底火山活動の活発な地域にも出没している.
海底火山が爆発して,島が出来れば,最初に見つけた国が領土として主張できる.太平洋への出口を日本列島に阻まれていると感じている中国にとって,太平洋側の小さな島であれ新領土ができれば,大変な価値がある.
台湾有事の際に,米軍の動きを阻む軍事上の拠点にすることもできるからです」
いずれにせよ,日本近海の海洋に異常なまでの関心を示す中国に対し,日本は,どう対処すればいいのか.
現在,焦点になっている東シナ海の問題については,
「試掘に向けて粛々と進むしかない.安全確保のために必要な法整備も行う必要がある」(日本エネルギー経済研究所の十市勉・常務理事)
といった意見が有力になっている.
ただ,これまで述べてきたように,問題は東シナ海の日中中間線付近だけではないということだ.前出の木村教授によると,
「中国は海洋研究所をいくつも持ち,80年代から活発に海洋資源の研究を行っている.海洋調査船の数も多く,海洋大学で優秀な人材を育成している」
それに対し,日本の現状はお寒いと,木村教授は指摘する.
「日本は海洋国家といいながら,水産(漁業)関係ばかりに力が注がれ,海洋資源の研究は重視されていない.
大学の研究費も削られる一方で,大阪城の外堀が埋められていくような感じ.
このままでいいのでしょうか」
〔略〕
――――――(Yomiuri Weekly,2005/10/23号)
▼ また,海底油田 日本エネルギーの展望によれば,イラク油田に匹敵するほどの石油が埋蔵されているという.
以下引用.
――――――
尖閣諸島周辺海域に油田はあるのか?
国連・アジア極東経済委員会(ECAFE)は1968年10月12日から同年11月29日までの間.東シナ海海底の調査を行った.
翌69年5月に公刊された報告書「東シナ海海底の地質構造と,海水にみられるある種の特徴に就いて」には次のような文章がある.
「台湾と日本との間に横たわる浅海底は将来世界的な産油地域となるであろうと期待される」
尖閣諸島周辺海域の油田はイラク油田に匹敵する
イラクは世界第2の産油国.原油の推定埋蔵量は1125億バレル.
イラン・アザデガン油田の推定埋蔵量は260億バレル.
それに対し,尖閣諸島周辺海域の原油推定埋蔵量は,
日本側調査 1095億バレル (1969年,70年の調査)
中国側調査 700億~1600億バレル(1980年代初め推計)
――――――
もっとも,「日産」なんて,建設する採掘施設の規模次第.
埋蔵量は中東とか北海油田とかその他で,採掘前の予測と実際が当たった事ないし.
予測なんて全パターン埋めるから,枯れた後に,この予測当たってましたーは出るけど(笑)
軍事板,2010/10/01(金)
青文字:加筆改修部分
▲
▼ とはいっても,この尖閣諸島問題の原因たる東シナ海での資源ですが,実は全てのガス田を操業させたとしても,上海市周辺の需要量から,1-2年の需要を賄なう程度の埋蔵量しかないのではないかと推定されているので,日本や中国にとってもあまり採算が見込めない事業です.
日本にしてみれば,これだったら埋蔵量が豊富な三陸沖や南関東のガス田を開発した方が,採算が取れるわけですし,中国もアフリカなどで投資して資源を獲得したり,こちらは石油や天然ガスが豊富な南沙諸島に触手を伸ばした方が効率的なわけなのです.
東シナ海ガス田問題 - Wikipedia
南関東ガス田について:新協地水株式会社
探鉱鉱区 | 事業活動 | JX日鉱日石開発
バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月24日10:47
ところで昨日の日記では,東アジア天然ガス田の採掘量は大した事じゃないと述べました.
では東アジアガス田に何故,中国があれほど力を入れるのか?
それは日中境界線がちょうど,米軍の航空・海上ルートにあたるからです.
継続協議中の東シナ海のガス田「樫(天外天)」で中国が操業開始?:特定アジアニュース
記事での地図を見ればわかると思いますが,ちょうど海上ルートの真ん中に,中国のガス田があります.
このガス田のプラットフォームに,地対空ミサイルや地対艦ミサイルを配備すれば,台湾有事の際の米軍の補給路への脅威に繋がります.
中国としては尖閣諸島と並ぶ,重要なポイントにあたるのです.
そもそも日本も中国も,コストのかかる海上油田よりも,むしろ国内にガス田がありますし,日本などは隣にあるロシア領サハリンからのガス田もあるわけですから,無理にガス田を開発する必要もないのです.
南関東ガス田などは600年分の埋蔵量があります.
地盤沈下防止のための涵養を行うための水資源もあるわけですし,その気になればガス田を作る事も可能です.
さらに三陸沖のガス田も含めれば,天然ガスの自給も見込め,場合によっては輸出も可能になります.
600年分の埋蔵量 | 関東天然瓦斯開発株式会社
中国も重慶に,埋蔵量1200億立法メートルのガス田があります.
こちらを開発した方が,無理に海上プラットフォームから引っ張るより安上がりです.
このガス田なら,中国の経済を支える資源にもなります.
中国石化:重慶で大規模ガス田を発見:CHINAPRESS
だから無理して東シナ海にガス田を作る必要はないわけです.
では何で,あれほど東シナ海ガス田にこだわるかというと,やはり台湾有事への米軍の監視や補給ルートの寸断が目的と言わざるを得ないのです.
バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月26日17:25
▲
【質問】
尖閣諸島とかでもめてるけど,日中間で国境は未確定ってこと?
【回答】
日中平和友好条約っちゅうモンがある.
これが法学者が言うところの「まともな平和条約」なら,領土紛争は存在しないことになるはずだ.
つまり,中国は尖閣を日本領と認めていることになるわけだ.
でなきゃ平和条約にならん.
だからいっそのこと,(支那がよくやるように)首相が国会で,
「平和条約がありますから,領土問題などございません.
尖閣諸島が日本領だということは,中国政府も当然承認していると理解しております.
中国政府が尖閣諸島の領有権を主張するはずがございません.
なぜならば,日本の領土に対する領有権の主張は,平和条約の破棄と同義であり,当然その時点で(領有権を主張した時点)平和条約は失効致します.
しかし,私は中国政府がそのような暴挙に及ぶとは全く考えていません」
って,ぬけぬけと答弁しちまえばいいと考えている.
これで困るのは中国になる.
あえて領有権を主張すると,平和条約が失効しちまうことになるからな.
ちなみにこの手口は支那人の十八番なんだな.
例の,
「一つの中国という原則は日本政府も支持している.
だから日本政府も台湾独立に反対していると(中国政府は)理解している」
とか何とか勝手な談話をだして,訪中した政治家をつかまえては,
「台湾独立反対と言わないと,日中間の空気が悪くなる」
とか脅して言質をとるってやつだ.
はっきり言って無視すりゃいいのに,よくやられてるんだよなあ.
軍事板
▼
これは,保管されている「感謝状」の写し.
(沖縄県石垣市役所保管,http://www.h3.dion.ne.jp/~realrobo/shina/senkaku.jpgより引用)
内容は,
「中華民国八年(大正八年)の冬,中国の福建省恵安県(現:泉州付近)の漁民,郭合順氏ら三十一人が遭難し,日本の尖閣列島(現,尖閣諸島)にある和洋島(魚釣島のこと)に漂着した.
石垣村の玉代勢孫伴氏(後の助役)が熱心に看病し,皆元気に生還することができた.
こうした看護は感謝に堪えず感謝状を贈る」
というもの.
領事氏名の馮冕(ひょう・めん)の下に,「華駐長崎領事」の公印と年月日の上に「中華民国駐長崎領事印」とある.
注目されるのは,この漁船が遭難した当時,中華民国政府の外交当局が,感謝状の中で尖閣諸島のことを
,「日本帝国八重山郡尖閣列島」と明記している点.
軍事板,2010/09/28(火)
青文字:加筆改修部分
▲
【質問】
尖閣諸島は,日本が中国人より「盗取」した島なのでは?
【回答】
中国はそのように主張しているが,尖閣諸島は福建省の一部でもなければ,清朝の中央直轄地でもなかった.
中国側の言う歴史的根拠を認めると仮定しても,清国,中華民国,中華人民共和国は,尖閣諸島の日本編入後75年,台湾に対する日本の統治が終わってからも25年,これに何らの異議も唱えず,尖閣諸島が沖縄に属することを黙認しており,歴史的根拠から生じる何らかの国際法的効果も,その後の75年間の諸事実により,消滅したと考えられる.
例えば戦後,台湾省で編纂された文献は,台湾本島からやや北の彭佳嶼をもって台湾省最北端としていた.
また例えば,人民日報の記事も,尖閣諸島を琉球群島の中に含めていた.
台湾および北京で発行された地図は,尖閣諸島を中国領の範囲から除外し,琉球群島の一部としていた.
1952年の日中平和条約でも,尖閣諸島の中国への返還など規定されなかった.
よって,このようなアホなこと
>■中華料理店へ投石相次ぐ…中国系企業入居ビルも
>(読売新聞 - 09月19日 14:31)
>http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2159216&media_id=20
をしなくても,上記のような事実を淡々と主張し続ければ済むのである.
(ただし,主に英語で)
【参考ページ】
太寿堂鼎『領土帰属の国際法』(東信堂,1998.8.28),p.203
【ぐんじさんぎょう】,2012/09/29 20:50
を加筆改修
【質問】
なぜ中国は尖閣諸島に拘るの?
【回答】
zyesutaさんがブログを更新されました.
話題は尖閣問題に関する事です.
尖閣諸島の死角:リアリズムと防衛を学ぶ
さらには今回の尖閣諸島事件では,中国だけでなく台湾(主に外省人)の団体までもが,抗議活動を中国側と共闘して行おうとしています.
とはいっても,この尖閣諸島問題の原因たる東シナ海での資源ですが,実は全てのガス田を操業させたとしても,上海市周辺の需要量から,1-2年の需要を賄なう程度の埋蔵量しかないのではないかと推定されているので,日本や中国にとってもあまり採算が見込めない事業です.
日本にしてみれば,これだったら埋蔵量が豊富な三陸沖や南関東のガス田を開発した方が,採算が取れるわけですし,中国もアフリカなどで投資して資源を獲得したり,こちらは石油や天然ガスが豊富な南沙諸島に触手を伸ばした方が効率的なわけなのです.
東シナ海ガス田問題 - Wikipedia
南関東ガス田について:新協地水株式会社
探鉱鉱区 | 事業活動 | JX日鉱日石開発
では,なぜ中国は尖閣諸島にこだわるのか?
それは尖閣諸島がちょうど,台湾の首都・台北に向かう航空・海上ルートの真ん中に位置するからです.
尖閣諸島は那覇と台北のちょうど真ん中にあたるところにあり,ここに中国軍が上陸して占領し,地対空ミサイルや地対艦ミサイルを設置すれば,台湾有事の際に米軍の補給ルートへの攻撃が可能になります.
また,周辺事態でそれにより出動した自衛隊にも,脅威を与える事も出来ます.
つまり尖閣諸島は,台湾攻略のために必要な拠点なのです.
また,南西諸島みたく上陸にいちいち何隻の揚陸艦を必要としません.
尖閣諸島は小さい無人島なので,ここなら1隻の揚陸艦でも占領は可能です.
現在,中国海軍は揚陸艦を建造し続けており,台湾侵攻に振り分ける分と共に,尖閣占領にも振り分ける分もいずれは完成するでしょう.
それをアメリカは見通してか,同盟国の領土問題には首を突っ込まないのを国是としていたアメリカが,最近になって尖閣諸島は日米安保の対象だと明言するようになりました.
アメリカにしてみれば第7艦隊のルートであり,またそのルート確保のために,台湾有事には台湾防衛を行うのに必要な補給ルートを脅かされる事を懸念し,尖閣防衛にも乗り出す事を決意したとしてもおかしくはありません.
尖閣はフォークランドとは違うのだというのが,よくわかります.
尖閣衝突事件で中国の動き注視,連携強化=同盟深化を確認-日米首脳会談:時事通信
バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月24日10:47
▼ ところで昨日の日記では,東アジア天然ガス田の採掘量は大した事じゃないと述べました.
では東アジアガス田に何故,中国があれほど力を入れるのか?
それは日中境界線がちょうど,米軍の航空・海上ルートにあたるからです.
継続協議中の東シナ海のガス田「樫(天外天)」で中国が操業開始?:特定アジアニュース
記事での地図を見ればわかると思いますが,ちょうど海上ルートの真ん中に,中国のガス田があります.
このガス田のプラットフォームに,地対空ミサイルや地対艦ミサイルを配備すれば,台湾有事の際の米軍の補給路への脅威に繋がります.
中国としては尖閣諸島と並ぶ,重要なポイントにあたるのです.
そもそも日本も中国も,コストのかかる海上油田よりも,むしろ国内にガス田がありますし,日本などは隣にあるロシア領サハリンからのガス田もあるわけですから,無理にガス田を開発する必要もないのです.
南関東ガス田などは600年分の埋蔵量があります.
地盤沈下防止のための涵養を行うための水資源もあるわけですし,その気になればガス田を作る事も可能です.
さらに三陸沖のガス田も含めれば,天然ガスの自給も見込め,場合によっては輸出も可能になります.
600年分の埋蔵量 | 関東天然瓦斯開発株式会社
中国も重慶に,埋蔵量1200億立法メートルのガス田があります.
こちらを開発した方が,無理に海上プラットフォームから引っ張るより安上がりです.
このガス田なら,中国の経済を支える資源にもなります.
中国石化:重慶で大規模ガス田を発見:CHINAPRESS
だから無理して東シナ海にガス田を作る必要はないわけです.
では何で,あれほど東シナ海ガス田にこだわるかというと,やはり台湾有事への米軍の監視や補給ルートの寸断が目的と言わざるを得ないのです.
バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月26日17:25
▲
【質問】
台湾の尖閣問題運動家は何故,中国の運動家と共闘するのですか?
【回答】
上掲項目で,中国が尖閣を手に入れたい理由を私は書きました.
では何故,台湾(外省人に多い)の尖閣問題活動家が,わざわざ自分の首を絞めかねない尖閣諸島問題で,中国の活動家と共闘するのか?
実は1996年にも同じように,中国と台湾の運動家が共闘した経緯がありますが,それは1年も持たずに終息しています.
では何故長続きがしないのか?
それは台湾の活動家は,尖閣の軍事的戦略的位置を理解しているからです.
ですのでどうしたって日本に任せられない,それだったら俺達台湾で領有した方がいいという認識があるからではないでしょうか.
これはあくまでも私の推理なので信じるか,転載するかは読者の方々にお任せします※が,私はこれなのではないかと思えます.
というのも,この手の運動が起きた時の日本の政権は,いずれも左派政党が政権に参加した頃でした.
1996年は社会党(現社会民主党)の村山富市委員長が首相でしたし,今は元社会民主連合で民主党の菅直人氏が総理になっています.
台湾の運動家は,これらが中国に頭が上がらないだろうという認識を持っています.
菅政権は民主党の保守派が実権を握っているとはいえ,前原外相が総理だったら信頼はしたかも知れませんが,菅直人氏ではさすがに信用出来ないと思ったのでしょう.
しかも菅直人氏は村山政権時代の与党の幹部で,同じく中国に結局は弱かった橋本龍太郎内閣での厚生相でした.
また,キャスティングボートを握っていると言われている公明党は,神崎武法代表時代に台湾初の本省人の総統だった李登輝前総統の,医療のための訪日に反対した経緯もあります.
これは公明党の支持母体である宗教法人・創価学会の池田大作名誉会長が,日中友好の活動をしており,故・周恩来首相を始め歴代の中国政府や中国共産党の要人など,中国各界の要人と親密な関係にあることによるものです.
支持母体が中国寄りでは,さすがに中国には逆らえないだろうという認識は,台湾の国民党や民進党も認識しています.
活動家がそれを知らないとはとても思えません.
公明・神崎,創価の「生命の尊厳と平等」を無視!
:2ch過去ログ
池田大作 - Wikipedia
創価学会はアムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチのように,人権擁護運動に力を入れていますが,中国の人権問題は,これを見る限りは眼中になさそうですね.
地球市民としての活動:創価学会
また,2001年にはインドの独立運動家マハトマ・ガンジーとアメリカの黒人公民権運動家マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の名前を冠したガンジー・キング・イケダ平和賞を制定しましたが,そのガンジー・キング・イケダ平和賞にダライ・ラマ14世が受賞する事は,現時点ではなさそうです.
【アメリカ】韓国人政治学者がガンジー・キング・イケダ平和賞を受賞:web2ちゃんねる
これでは台湾の運動家が,
「こんな信用できない政権の国に尖閣は任せられない!」
と思うのも無理はありません.
そしてこういう発想だからこそ,まずは尖閣を日本から切り離して,それから争うという考えなので,共闘が長続きはしないわけなのです.
バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月25日
※ そんなわけで,本項目は要クロスチェック.
【質問】
海洋境界問題について,日本は中国にどう対応すべきか?
【回答】
国際判例等がかなり積み重なってきているので,協議を進め,その協議の間は一方的な行動は慎むよう強く申し入れるべきである,と寺島紘士〔シップ・アンド・オーシャン財団海洋政策研究所所長〕は述べる.
以下引用.
日中両国が協議を開始してから既に6年が経過しているが,日中両国の協議は実質的な進展を見ていない.
しかし,すでに見てきたように,国際的には両国の主張を検証する材料となる,境界確定に関する国際判例や各国の実行がかなり積み重なってきている.
日中両国はそれらを踏まえて,改めて虚心坦懐に境界確定の協議を進めるべき時期に来ているのではないか.
そのような状況の中で,中国が一方的に東シナ海の海底資源の開発を進めているのは,理解と協力の精神で最終的な合意への努力を求めている上記の規定に照らして問題がある.我が国は中国に対して,国連海洋法条約の締結国として,条約に従って東シナ海の排他的経済水域および大陸棚の境界確定,海底資源の開発に関する協議を進めるように,また,その間は一方的な行動は慎むように強く申し入れをすべきと考える.
そして,それでもこのような状態が続くならば,我が国は事態を座視せずに,条約の規定に従って,第三者を交えた紛争解決の手続き開始を検討すべきである.
国連海洋法条約は,条約の解釈または適用に関する紛争を,平和的手段によって解決するために,詳細な紛争解決のための規定を設けている.
一方,中国は,国連海洋法条約を重視して,国連その他の国際的な場で,折に触れて中国が条約に沿った取り組みを進めていることを積極的にアピールしている.
それゆえにこそ,我が国は,世界が関心を持って眺めているこの問題をもっと,国連海洋法条約が定める国際的な土俵で取り上げて,積極的に議論していくべきである.
最後に,国連海洋法条約は,大陸棚と排他的経済水域の境界確定が,各国の合意によりなされることを期待しているのであるから,我が国は協議を進めるに当たって,自説を主張するだけでなく,国際判例や各国の国家実行にも注意を払い,それらを踏まえて,合理的で衡平な解決を図るように努める心構えを持って事に当たるべきである.
( from 「世界の艦船」2004年11月号,p.117)
【質問】
2000年現在,尖閣諸島を巡る紛争が起きた時に,自衛隊は尖閣諸島を防衛できますか?
【回答】
まず,日中が仮に近い将来戦火を交えるとしたら,最も可能性が高いのは,中国指導者の誤判断による『台湾武力侵攻』に,米日両国が反発した時です.
日中間単独の領土問題(尖閣列島)の可能性は低いでしょう.
したがって,局限された地域での海空戦が主体になります.
米軍との連携行動ですから,中国からの核脅威は無視できますし,武器・弾薬等のロジテクスも心配する必要はありません.
自衛隊は,米軍を中心とした自由主義諸国軍の中核として,その能力を発揮するでしょう.
台湾海峡等,台湾島周辺海域での局地戦闘では,完全に圧勝するでしょう.
もし中東方面で戦争が勃発していたとしても(米空母・海兵がいない状態でも),基本的には変わりません.
核脅威が無く,補給があり,局限戦域であれば,日本が勝ちます.
これに関しては,真偽の程は分かりませんが.中国が1996年に尖閣諸島侵攻作戦の図上演習を実施した際,
自衛隊に完膚なきまでに撃退されたとのこと.
特に海自の潜水艦隊にはまったくなす術を持たず.この演習では特に中国海軍の指揮統制能力,対潜水艦作戦能力,広域防空能力の低劣さが指摘されたとか.
原潜やキロ級を未だにまともに運用できない国ですから,なんとなく納得できる話ではあります.
ちなみに,以下のようなことを提案している人もいる.
参考までに引用する.
また,一般にはあまり知られていないことだが,ここ〔尖閣諸島〕にはいまだに米軍の未使用の射爆場も1ヶ所残されており,タイミングを見計らって米軍にその使用を再開してもらうのも,中台を沈黙させる有効な手段かもしれない.
我が国の防衛策として重要なことは,沖縄を米軍と共に海・空戦力の拠点としておくことで,民間航空機のための飛行場や滑走路のある先島諸島(下地島を含む)にも,必要に応じて航空戦力が展開・転戦できる最小限の基盤を平素から整えておくことだ.
〔略〕
重要なことは,中国や台湾が不用意に軍事行動を起こせば,耐え難いほどの大きな代償を支払うことになる仕組みを作っておくことで,そのためには日米共に沖縄を拠点に先島諸島や尖閣周辺に質において優秀な海・空戦力を確実に展開できる体制を整備しておくことだろう.
宇垣大成 in 「日米同盟と米軍再編に見る極東情勢の戦略的構図」
(司書房,2006/7/27),p.12
殆どコストもかからず,良い方法に思えるのだが.
【質問】
もし自衛隊を尖閣諸島に配備するとしたら,どういう形が望ましいでしょうか?
【回答】
マイミクのzyesutaさんのブログ,「リアリズムと防衛を学ぶ」が更新されました.
離島有事に対処する自衛隊のシナリオ:リアリズムと防衛を学ぶ
そこに興味深い記事がありましたので,少々書いておきます.
以下引用.
――――――
侵攻を受ける恐れがある島に,あらかじめ自衛隊を置いておく,という案も考えられます.
(訓練場などのインフラを用意できるなら)日ごろから駐屯させておいてもいいし,有事が近づいたときにだけ自衛隊を進出させるやり方もあります.
――――――引用終了
▼ さて,こちらの記事の内容は,陸自の部隊をあらかじめ,釣魚島などの尖閣諸島に有事に備えて配置するという手段ですが,周辺事態で出動させ,ここに米軍向け野戦病院等救護施設を設置すれば,中国もそう簡単には手は出せないでしょう.▲
尖閣はちょうど台湾と中国,日本本土の中間地点にあるので,救護施設を作るのは最適の距離ですし,ひゅうが級などの護衛艦の医療施設の負担を軽減するのに,もとても役に立つと思われます.
だからこそ米政府は,尖閣を日米安保適用対象地区と指定し,かつ日米離島奪回演習を行うのも,それを想定した演習なのです.
海域の守りとして,ひゅうが級護衛艦1隻,あたご級イージス護衛艦1隻,むらさめ級護衛艦5隻,たかなみ級護衛艦2隻を置いておけば,駆逐艦が少ない中国海軍は手も出せないでしょう.
北海艦隊にいる瀋陽級駆逐艦が出てくる可能性はありますが,瀋陽級に搭載されているS-300Fは艦隊防空の対空ミサイルだけでなく,弾道ミサイル防衛用のミサイルでもあるので,そうは出せないでしょう.
ただ,瀋陽級は最終的に6隻ぐらいになるので,要注意な艦艇です.
そうなると尖閣に振り向けられる艦艇は,ソヴレメンヌイ級駆逐艦2隻と瀋陽級駆逐艦2隻が出せますから,この対策が必要になります.
▼ そうなると尖閣には,88式地対艦ミサイル部隊の配備が必要になるでしょう.▲
瀋陽級駆逐艦 - Wikipedia
ソヴレメンヌイ級駆逐艦 - Wikipedia
88式地対艦ミサイル SSM-1シーバスター ミリタリーパワーズ
空の守りは,築城からF-2部隊を那覇に配備し,F-15J部隊が制空任務に就き,F-2部隊が瀋陽級やソヴレメンヌイ級に攻撃をしかけるという展開になるでしょう.
▼ さらに03式中距離地対空誘導弾部隊を配備しておけば,中国のSu-30部隊から尖閣の救護施設を守る事は可能です.▲
03式中距離地対空誘導弾 - Wikipedia
■追記
なお,海自の部隊は前線ではなく後方にいる事を前提としています.
また,海外に派遣されている部隊は戻すという前提にもしています.
ただ,これもやはり厳しいという指摘もありますので,さらなる指摘の意見がありましたら,教えていただければ幸いです.
なお,指摘していただいたのは緑川だむさんと徹底海峡さんです.
ありがとうございました.
88式地対艦ミサイルについても指摘していただきました.
以下引用.
――――――
鉄底海峡 2010年10月05日 16:38
88式はある種の巡航ミサイルであり,88式のシステムは,レーダー装置JTPS-P15が海岸線に進出し,探知した目標情報が中継装置によって,(内陸部にいる本隊の)指揮統制装置に伝達される.
目標決定の後,計算された発射諸元は射撃統制装置に送られ,発射機からミサイルが発射されるという物です.
魚釣島でも東西3.5km,南北2kmぐらいしか有りません.
88式は水平線(人の目線の高さで,およそ4~6km)の向こうを攻撃するようなシステムではなく,内陸部から(比較的)海岸近くの敵揚陸艦(又は輸送船)部隊を攻撃するためのシステムですので,尖閣ではそれを活かせないのではないですかね?
▼レーダー装置(73式小型トラック搭載)が海岸線ギリギリまで進出しても,海岸線から5km以内(水平線まで)に敵艦が入ってこない限りロックオンできません.▲(2010.11.10削除)
もちろん,海が見通せる標高の高い地点に陣取れば,レーダーの捜索範囲は広がりますが,最大射程である百数十kmの10分の1程度が精々ではないですかね?
また,システム自体が舗装道路上の移動を想定しておりますし,尖閣での運用は実用的ではないのでは?
――――――引用終了
ご指摘ありがとうございました.
バルセロニスタの一人 in mixi,2010年10月05日15:13
▼ まず,明白な誤りについて.
> 海岸線から5km以内(水平線まで)に敵艦が入ってこない限りロックオンできません.
> 標高の高い地点に陣取れば,レーダーの捜索範囲は広がりますが,
>最大射程である百数十kmの10分の1程度が精々ではないですかね?
魚釣島の標高は363mです.
この高さからの水平線までの距離は67kmです.
一番標高の高いところは防空レーダーに譲るとしても,東の峰でも標高240mであり,水平線までの距離は55kmです.
敵艦のマストの高さが40mと仮定すると,レーダーで敵を捉えられる距離は80~90kmとなります.
次に他の点について.
> こちらの記事の内容は,陸自の部隊をあらかじめ,
>釣魚島などの尖閣諸島に有事に備えて配置するという手段ですが,
>周辺事態で出動させ,ここに米軍向け野戦病院等救護施設を設置すれば,
>中国もそう簡単には手は出せないでしょう.
> 尖閣はちょうど台湾と中国,日本本土の中間地点にあるので,
>救護施設を作るのは最適の距離ですし,
尖閣諸島への野戦病院の配置は,非効率的です.
尖閣諸島は距離の点では,与那国,石垣,宮古島などと比べ,格段に優位ではありません.
むしろ,既存のインフラが皆無に等しく,継続した敵の航空脅威の高い環境である点からも,マイナスの方が大きいです.
そもそも,同盟国の傷病者や医療を必要としている人間を,人間の盾に使うような行為を,アメリカ世論が歓迎するでしょうか?
野戦病院が必要なら,有事の際に召し上げられることが確実な下地島に併設するほうが,距離やインフラなどの点からも,利点が大きいでしょう.
> 88式SSM,03式SAM,野戦病院,その他の配備
有事になれば,早期に機能を喪失するため,意味がありません.
尖閣諸島最大の魚釣島でも地形は険峻で,平地は少なく,展開可能な地点は限定されます.
したがって展開地点は,ある程度,事前に推測可能です.
特にレーダーを設置可能な地点は,さらに限定されてきます.
こういった点に対し,例えば,J8-II戦闘機とLS-6滑空誘導爆弾を用いて,60kmの遠方から攻撃された場合,防ぎきるのは厳しいでしょう.
また,尖閣諸島は,中国の短距離弾道弾(DF-11AやDF-15)の射程内であり,クラスター弾頭を使われた場合,同様に防ぐのは困難です.
CEPが200mとしても,クラスター爆弾ならカバー可能ですし,こちらはソフトスキンで,レーダーをやられたら機能を喪失しますからね.
尖閣諸島に配備するのであれば,有事になったら早期に機能を喪失することを前提とし,それが許容できるものでないと,効率が悪いです.
与那国に配備されるような,小規模な監視部隊がせいぜいだと思います.
極東の名無し三等兵 in 「軍事板常見問題 mixi別館」
2010年11月10日
▲
【質問】
活動家らが尖閣諸島に上陸をしようと出航したりしてますが,こういった事態のときに海保はちゃんと拿捕する備えはできているのでしょうか?
【回答】
海保は中国の公安部と連携してるので,本土からの出港や活動家の参加が最近は難しくなってる.
また,台湾の新聞報道によると,台湾内部に海保の潜入捜査官がいるらしい.
それに,尖閣諸島には常に2~3隻の大型巡視船(RHIB搭載)が配備されているし,大規模な抗議活動があると察知すれば,全国の管区から増派がある.
本年度からは尖閣諸島警備専用の「拠点機能強化型巡視船」を建造する.
軍事板,2006/10/23(月)
青文字:加筆改修部分
▼ しかしそれでも,2004年,2012年と,活動家の上陸を許していることは,既に周知の通り.
2012.9.4
▲
【質問】
尖閣諸島に上陸した外国人を,刑事罰に処することなく国外追放するのは,妥当な措置なの?
【回答】
外国人の密入国船や密入国者を,早期に国外追放にするのは理由がある.
かつて李朝が,アメリカ船やオランダ船を,身代金目当てに年単位で捕獲し,乗員を非人道的に扱ったことに見るように,長期の拘留は文明的でないとみなされる.
現在も発展途上国,独裁国では,往々にしてこの種の事件が発生し,人権問題として指弾される.
日本も北朝鮮,中国,韓国,ロシアによる長期拘束解放に苦労した歴史を持つ.
一方で,日本の入管自体の受け入れ体制も,限界がある.
大村の収容施設が最大なのだが,これとてもいつまでもというわけには行かない.
ただ,一端国内法で司法処分を行う場合は,普通に国内事犯として処理される.
裁判中は拘置所,刑確定後は刑務所でお勤めである.
これは国籍の是非は問わない.
今回の尖閣事件では一端,上陸を許してから逮捕→国外追放が最初から政治決定されていた.
しかしこれは,司法手続きとして大きな問題をはらむ.
すなわち,虞犯の予測可能性が高いときに,それを警備防止して犯罪を犯さしめないという,司法行政の第一の任務を捨てさせていることになる.
また,この場合の「外交配慮」は,適切とはいえない.
2004年の前例踏襲というが,あのころとは政府の対中姿勢が大きく異なる.
今回のは単なる妥協としかとられないのは確実である.
この失敗を,しかしネット界隈では,法規にのっとった妥当なものという意見があるようだが,むしろ法執行の実情と成文法規の実際を混同したもの.
〔中略〕
おまわりさんが,刃物もって暴れるDQNを,六法全書で「説諭」するわけにはいかんだろ.
捕縛に当たって,著しい危険を伴うなら,発砲による「鎮圧」もしよう.
しかし,そこのところで脊髄反射する「人権派」法律家と,一脈通じるものがあると思うのだが.
ゆずこせう in mixi, 2012年08月17日08:38
青文字:加筆改修部分
【質問】
なぜ,尖閣諸島最大の島の魚釣島を切り崩して,飛行場を作らないんだ?
さっさと軍事基地でも資源基地でも作らないと,先に中国がやってしまうぜ.
【回答】
最大の魚釣島で東西に約3.5 km,南北に約2
kmの島で面積は 3.82 km^2.
島南側に海抜 200 - 250 mの急峻な崖が東西に横断している.
最高部は標高362 m.
これで,どうやって3,000m滑走路を作れと?
風向きとか無視か?
一番最寄の海保の航空基地がある石垣空港でさえ,1500m滑走路でジェット機離陸がやっとこなんだが,,,
とりあえず,尖閣にはかつて撤去した海保のヘリポートを復活させて,今回新たにレーダーサイトと無線傍受基地でも設置すればいいんじゃないか.
それだけでも実効支配を強化できるし,圧力になる.
軍事板,2010/09/29(水)~10/02(土)
青文字:加筆改修部分
【質問】
2006/7/2,中国[中共]の海洋調査船「東方紅2号」が,尖閣諸島の魚釣島[中共名]南西約24キロにあるわが国の排他的経済水域(EEZ)内で「海水採取」をしていたそうですが,何のための海水採取?
【回答】
海洋調査船というのは軍事情報の収集船です.
事前通報もなしに行なっていた「海水の採取」という活動は,海水温や塩分濃度の測定・分析を通じ,海軍の作戦(とくに潜水艦)に大きく資する軍事情報です.
ひとことでいえば,この船はわが領域内で軍事諜報を行なっていたわけです.
「ペルソナ・ノン・グラータ」と同じく,排除すべき対象です.
拘束を任務とする海保の対応では,残念ながら役不足でした.
【質問】
尖閣諸島・魚釣島周辺のEEZ内に中国調査船が入ってきても,海保は警告しかしてないようですが,海洋法条約に書いてあるから,本当は拿捕していいのですか?
【回答】
軍事的には「国際法」や「条約」ってのは現実を規制する諸々の要素の一つであって,「全て」ではない.
国際法や国家間の条約とは結局紳士協定に過ぎないからだ.
無視した所で後々困らない/影響が問題にならないレベルなら,そんな条約は無視されるし,これ以上は拙いと判断するならそこまでの行動に留める.
悪い,悪くないとかの話ではなく実効性の問題.
海保が拿捕等の実効的行動に出ないのは,現場レベルでの諍いに発展させるのは得策ではないという政府の判断が働いているから.
軍事板
海外の国と権益を争う場合,感情でなく冷徹な国益主義で対処しなければいけません.
そのためには,いつでも適切な武力を発動できる国家ソフトと,情報能力という,2つの備えが平時から必要です.
シナが一番欲しいのは東シナ海のエネルギー権益ですね.
それさえ手にできれば,わが外交など怖くもなんともありません.
そのため今後,さまざまな揺さぶりをかけてくることでしょう.
いくらわが自衛隊が強くても,その武力が発動できない状況で,外交・政治的にさまざまな圧力をかけられたら,我が国は国民世論が爆発し,
「中共を滅ぼすべし」
と収拾がつかない状態になるでしょう.
【質問】
日本が中国の海洋調査等の軍事侵略等に,毅然と対応できる国になるには,どうすればいいんでしょうか?
【回答】
あの程度の挑発には,あの程度の対応で返すのが,世界的に見て一般的な「毅然と対応できる国」の在り方です.
日本政府は平均から見れば少々優しげな方ですが,毅然とした対応ができない国というのは,煽り以外の何ものでもありません.
物事には程度というものがあり,何が何でも隣国の行為に対して,国家総出で大騒ぎすればいいというものではありませんから.
逆にいえば,隣国の行動がちょっとでも気に食わないと,軍事行動を仄めかしたり過激な世論を煽る政府というのは,その国が斜め上な国家である事を示しているといえるでしょう.
納得できなければ,少し見方を変えてみましょう.
今回も「調査」でお茶を濁した中国は,
大見え切っておきながら近くまでいってパフォーマンスしかできなかった台湾は,
竹島に「警察」しか駐留させられない韓国は,
どれも日本の軍事力を念頭に置いての事なのです.
この意味で自衛隊は立派に抑止力として機能しているといえますし,日本政府が少々の遺憾の意程度ですませ,軍事行動に出ない点も評価できるわけです.
この程度の事で軍事力に物を言わせた場合,国際世論から野蛮の烙印を押されるのは日本の方ですから.
ちなみに,中国の潜水艦(相手国の軍事力)が領海侵犯した事が確実と判明した際には,台風ばりに進路中継して散々追い回して大恥かかせた上でお帰り願いました.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
春暁ガス田の所有権の国際法的根拠は?
【回答】
大陸棚の「自然延長論」が根拠になっているが,しかし,これは大陸だけではなく,島側にも認められているので,本来は中間線で領有権を分けるのが常識だという.
以下引用.
現在,日中間で問題になっているのは,東シナ海で中国が開発中の四つのガス田.うち一つは,9月中旬,生産開始を示す炎が確認された.
四つは,いずれも日中中間線(日本が主張するEEZの中国との境界線)近くの中国側にあり,日本の調査では,これらのガス田は,海底で日中中間線をまたいでいるか,その可能性が高い.
エネルギー資源獲得に躍起となっている中国側が,このまま開発を進めれば,日本側の天然ガスまで吸い取られかねない.
そのため,昨年10月から日中間での協議が断続的に行われてきた.そして,今月1日まで開かれた3回目の局長級協議で,日本側は四つのガス田についての共同開発を初めて提案.中国側は,
「真剣に検討する」
として,中旬以降の次回協議で回答を出すことを約束した.
だが,先行きは不透明だ.なぜなら,前回5月の協議で,中国側は中間線の日本側海域での共同開発を提案しているのだが,この海域とは,中間線から南西諸島(沖縄本島などを含む列島)に程近い「沖縄トラフ」までの広大な海域を指す(下図の濃い赤色部分).日本側の主張とは全く食い違っているのだ.
ちなみに,トラフとは,水深5000メートル未満の帯状の海のくぼみのこと.沖縄トラフ(水深700~2000メートル)は南西諸島に沿って,幅約100キロ,長さ約1100キロにわたって続いている.
中国側は以前から,この沖縄トラフまでの大陸棚について権利を主張しており,中国側が提案した共同開発の範囲は,この主張に沿ったものだ.
しかし,この主張を認めれば,たとえ共同開発とはいえ,南西諸島のすぐ近くまで中国に開発の権利を認めることになり,日本側としては容認できるものではない.
あいまいな国際法も紛糾の一因
それにしても,中国側が,南西諸島の間近まで大陸棚の権利を主張する理由は,何なのだろうか.
日本人の常識からすれば,全くの暴論とも思えるのだが,国際法的には根拠がないわけではないという.
その根拠は,1969年の国際司法裁判所(ICJ)の判決で示された,大陸棚の「自然延長論」という考え方だ.芹田健太郎・愛知学院大学教授(国際法)は,こう説明する.
「ドイツ,デンマーク,オランダが北海の大陸棚をめぐって争った裁判の判決で,ICJは次のような考え方を示した.大陸棚は沿岸国の陸地から海中に向かって自然の延長をなしているので,沿岸国は陸地の部分の主権と同じように大陸棚の主権も有すると.
要するに,大陸棚は大陸のものというわけです」
確かに,東シナ海の大陸棚は中国大陸から続いている.こう聞くと,中国の主張に理があるように見えるが,そうとは限らないという.日本の主張は,82年の国連海洋法条約に基づくものだからだ.
「日本の主張は,EEZの境界線(日中中間線)の下で大陸棚の権利も区切るというものですが,これは国連海洋法条約に合致した考え方.大陸棚よりEEZを優先するというのが,国際的な流れになっているのです」(芹田教授)
ただ,中国の論拠である「自然延長論」も国際的に否定されたわけではないという.
実にややこしいのだが,要するに,国際法上,EEZの境界線の下で大陸棚の権利を区切る考え方と,「自然延長論」とが併存していて,そのあいまいさが,日中の問題をこじらせている側面もあるのだ.
ただ,芹田教授は,
「島にも大陸棚が認められている点を忘れてはいけない.中国は沖縄トラフで大陸棚が終わると主張しているが,日本側は,中国大陸から続く大陸棚が南西諸島の南の南西諸島海溝まで続いていると見ている.
そうなると,一つの大陸棚を両国が共有していることになるので,
『大陸棚の権利は共有する日中の中間線で区切る』
という日本の考え方が妥当ということになります」.
実際,地質学の専門家の調査でも,大陸棚を形作っている「大陸性地殻」は沖縄トラフで切れてはおらず,南西諸島海溝まで続いているという.
【質問】
春暁ガス田開発はどこまで進んでいるのか?
【回答】
平松茂雄によれば,日本政府の抗議に関係なく,着実に進展しているという.
以下引用.
協議どこ吹く風の中国ガス田開発
春暁のほか平湖でも採掘が拡大
≪天外天では間もなく操業≫
東シナ海で中国が石油資源を開発している現場の近況を見る機会があったので,最近の状況を書き,春暁について政府やマスコミの報道に不適切というか,不十分な点があるので確認しておきたい.
ごく最近,天外天の採掘施設から炎が上がったところから,春暁がいよいよ操業するとのニュースが経済産業省から公表され,日本側のガス資源が中国に吸い取られると報道された.だが,正しくは春暁ガス田群の一つの天外天の採掘施設であり,ここの採掘作業が進展して,まもなく操業するとみられる,というのが正しい理解だ.
春暁は「春暁ガス田群」という正式名称が示すように,複数の施設からなっている.春暁,天外天,断橋,残雪の四カ所の採掘施設と,天外天の採掘施設に隣接する処理施設の五カ所の施設からなる.
春暁というとき,全体の春暁ガス田群を指しているのか,その中の一つの春暁採掘施設を指しているのか,混同がある.というよりは,今筆者が書いた事実を知らないで論じている記事・報道が多いようだ.
春暁採掘施設が,日中中間線にわずか数キロと日本側に近いところから,日本側鉱区の石油資源が吸い取られる恐れがあると心配されているのだが,春暁採掘施設はまだ完成していないから,今回吸い取られることはない.吸い取られる心配が生まれるにはもう少し時間がかかる.
≪年内には一期工事が終了≫
春暁ガス田群は,一九九〇年代中葉にボーリングが行われ,今世紀に入るとともに開発が本格化した.
工事は二期に分けて実施され,第一期工事は,天外天の処理施設と天外天と春暁の二カ所の採掘施設,それと採掘した天然ガスを大陸の寧波に輸送する海底パイプラインの敷設である.
第一期工事は二〇〇五年末までに完了する計画であり,この八月末の段階で処理施設と天外天の採掘施設,パイプラインが完成し,試運転を経て採掘が始まり,先般,炎が出たところから採掘が進行していることが分かった.
ちなみに,炎は採掘した石油やガスの中から硫化水素のような有毒の気体を分離して燃やしているのだ.
春暁採掘施設は第一期工事の最後の施設であり,採掘する掘削ドリルを支える高いヤグラがまだ据え付けられていないし,天外天の処理施設とつなぐ海底パイプもまだ敷設されていない.
残る二つの工事はそれほど遠くない時期に着手され,今後の天候により左右され
るにしても,多分年内には完成すると推定され,そうなると日本側の資源が中国側
に吸い取られることになる.
これで第一期工事は完成し,二〇〇六年以降第二期工事として,断橋と残雪の工
事が始まる.この二カ所は採掘施設の据え付けと天外天の処理施設との間の海底パ
イプの敷設だけであるから,そんなに長い時間を必要としない.遅くとも北京オリ
ンピックが開催される二〇〇八年までに完成しているだろう.
東シナ海では,もう一つ重要な動きが進んでいる.
春暁より数年前に完成した平湖石油ガス田の施設から東北に約二キロのところに,石油掘削リグ「勘探3号」が久しぶりに表れ,作業をしている.平湖周辺の大陸棚では八〇年代の中葉に数十本の試掘井が掘られており,平湖一号井から七号井まで七カ所が公表されている.
≪長期計画に従って着実に≫
そのなかで最も有望な四号井に現在の採掘と処理を兼ねた施設が建てられた. 「勘探3号」が現れたといっても,新しい地点でボーリングに着手したのではなく,過去にボーリングして埋蔵が確認されている井戸を正式に採掘することになるだろう.
二〇〇二年に平湖にもう一カ所採掘・処理施設を建設することが正式に決定され,八角亭と命名されている.それとも考えられるが,平湖の現施設から二千メートルの至近距離から推して,ここに新しく採掘施設を作るのではなく,丁度,日本側の資源を春暁が吸い取るように,現在の平湖の施設から海底にパイプを這わせればよいから,八角亭とは別の工事かもしれない.
上海を中心とする長江デルタ地帯の経済成長により,平湖に対する負担が増大していることがうかがえる.
東シナ海の石油開発に関する日中協議について中国側が時間稼ぎをしているという見方があるが,中国の開発は長期にわたる計画として着実に進んでいる.
天候により多少の遅れはあるように見受けられるものの,日本政府の抗議に関係なく進展していることを認識すべきである.
中国,ガス田拡張工事東シナ海「平湖」で掘削船活動
東シナ海の日中中間線付近の中国側海域にある平湖石油ガス田の周辺海域で,中国の掘削船が活動していることが四日,明らかになった.
平湖石油ガス田群は中国・上海などに資源を供給しているが,採掘規模の拡大を急いでいる.
中国は平湖石油ガス田群の拡張工事を行う一方,白樺(中国名・春暁)石油ガス田群でも生産増強の態勢をとるものとみられる.
複数の政府筋によると,中国の掘削船が活動しているのは,日中中間線から約七十キロメートル中国側海域の平湖石油ガス田群の周辺海域.
中国はこの周辺海域で,一九八〇年代半ばに数十本の試掘井を掘っており,日本政府は「新たな油田の開発に乗り出している可能性がある」(外務省筋)として,今回の掘削船の活動が新たな試掘のためか,過去の試掘で埋蔵が確認された井戸を正式に採掘するためのもののいずれかではないかと分析している.
平湖石油ガス田群は,放鶴亭,八角亭,中山亭の三つの石油・ガス田からなる.
海底パイプラインで,採掘した石油や天然ガスを上海などに供給している.
中国は三月一日に海事局のホームページで,平湖石油ガス田群の拡張工事のため,九月末まで中国の作業船を除く船舶に対し,平湖石油ガス田群付近の海域への立ち入りを禁止している.
一方,中国は日中中間線付近の白樺石油ガス田群の開発も急ピッチで進めている.
白樺石油ガス田群は白樺,樫(同・天外天),楠(同・断橋),残雪の四つの石油・ガス田からなり,樫は昨年九月に生産を開始.白樺もいつでも生産に着手できる状態にある.
残る楠と残雪も二年後には採掘施設の備え付けなどが終わるとみられている.
中国は,平湖石油ガス田群から約三十キロメートル離れた北方海域でも,宝雲亭石油ガス田群を開発する予定で,「東シナ海に中国の採掘施設が立ち並び,『中国の海』化しかねない」(日中関係筋)との指摘も出ている.
【質問】
なぜ,これまで尖閣諸島でのガス田開発に日本は着手しなかったのか?
【回答】
ジャーナリスト,吉田鈴香によれば,
・経済的には採算が合わず,
・国境問題として認識する政府の人間もいなかった
ことが要因だという.
以下引用.
元通産省官僚で,現在民間企業に勤務するA氏は,こう言う.
「ガス田と日本本土の間には海溝があるので,開発してもパイプラインで持って来られないことから,放置していた,というのが実態です.
今になって掘削しているのは,外交戦略以上の何者でもなく,日本のエネルギー安全保障には何の意味もないと言って差し支えありません」
つまり,平湖と上海の間は比較的浅い海域で,パイプラインを敷くことは可能だったけれど,日本側は技術的な要因で手をつけなかったに過ぎない.
かつ,それを国境争いとして取り上げる人知がなかった,ということである.
日本では官僚の縦割りが厳しく存在し,エネルギーの調達や戦略は経済産業省の管轄である.
そして国境策定は外務省の管轄.
金融支援の裁量は一金融機関の独善判断,というわけだ.
( from 「正論」 2005年6月号,産経新聞社,p.76)
【質問】
中国の,東シナ海中間線上のガス田開発に,日本の銀行が融資したというのは本当か?
【回答】
本当.政府系金融機関,旧輸出入銀行(現・国際協力銀行)が融資を行った.
以下引用.
円借款業務を行う旧・海外経済協力基金とは現在,同じ組織にいるが,業務は全く異なる上に,日本政府との政策調整も行っていないため,「旧輸銀」の略称で書くことにする.
この旧輸銀,上海沖にある平湖から上海までを結ぶパイプラインに1億2千万ドル(130億円)を融資したのである.アジア開発銀行との協調融資であり,貸し先は中国政府.
アンタイド・ローン(受注企業の国籍を特定しない融資)であるから,工事の受注企業は中国政府が選定した自国企業だ.工事は既に97年に完了している.
中国政府が春暁などですでにガス油田開発を始めたのは周知の通りで,今後少なくとも20ヶ所で掘削する予定である.
そのどれもが,採取した石油・ガスをいったん平湖に集め,そこから上海へ運ぶ計画だ.
つまり,旧輸銀が融資したパイプラインは,資源移送のための基幹インフラだったわけだ.
日本政府が民間業者に東シナ海の天然ガス田開発試掘権を与える手続きを始めたことについて,中国政府が,
「中国の権益と国際ルールに対する重大な挑発だ」
と日本側に抗議したのも,ここに大きな要因があった.
日本の政府系金融機関が中国の権益を認めてしまっていたところを,今になって日本のものだと主張したのだから.
これが中国の反日活動を勇気付けていると,私は見ている.
〔略〕
これまで旧輸銀は,2種類の対中国アンタイド・ローンを行ってきた.
一つは「資源ローン」の名目で,79年から96年まで第3次に渡って合計1兆7千億円を融資した.
これによって中国は,陸上と海上,合わせて26の油田と14の炭田を開発できた.
アンタイド・ローン合計2兆2千億円の内の約8割に相当する.
もう一つのアンタイド・ローンが,「資金協力計画関連アンタイド・ローン」である.
先述の平湖~上海のパイプラインの他,
輸出基地開発のために300億円,
青島・海南島向けに4百億円,
資金協力として約5千億円,
国際機関協調融資として約152億円
を,全てアンタイド・ローンとして行ってきた.
アンタイドであるから,日本側にもたらされるのは利息だけ.
しかし,利益追求する必要がない旧輸銀は,それだけでも充分に満足した.
この融資を民間企業が行ったのならば,問題はない.彼らは利益を追求することが至上命題であり,日本の国庫への税収がある.
だが政府系金融機関は,国益のための金融機関である.
民間よりも利益が低いため,借り手は得をするが,金融のうまみは薄い.つまり税収にならない.
その財源は,財政投融資が半分以上であるから,国民の郵便貯金が原資だ.
それを国会の審議も経ず,財務省にもおざなりの説明で通してしまっている.
問題の要は,資金融資後,彼らは一切事業の進捗をモニターせず,返済が遅滞しなければそれで良しとしている点である.
それゆえに,中国側が東シナ海でのガス田開発を首尾よく進めているかを気にもせず,資源調達を一任されている経済産業省にも報告せず,ましてや外務省に
「国益を侵しました」
などと告白するはずもない.
(吉田鈴香=ジャーナリスト from 「正論」 2005年6月号,産経新聞社,p.75-77)
【質問】
中国潜水艦の東シナ海航行について教えられたし.
【回答】
2011/08/05の統幕発表
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110805.pdf
によれば次の通り.
110805 0900頃,海自1航空戦隊所属「P-3C」(鹿屋)が,沖縄本島の北西約500kmの東シナ海中部海域において,支那海軍ユアン(元)級潜水艦を確認した.
この艦艇は,海自において初めて確認したものである.
⇒艦番号330の同級頭号艦(2004年就役 南海艦隊)であろうと思います.
おきらく軍事研究会,2011年8月22日 月曜日
午前8:00
青文字:加筆改修部分
【質問】
中国軍艦の対馬海峡南下について教えられたし.
【回答】
2011/08/09の統幕発表
http://www.mod.go.jp/jso/Press/press2011/press_pdf/p20110809.pdf
によれば次の通り.
110809 1500頃,海自4航空戦隊所属「P-3C」(厚木)が,上対馬の東約50kmの海域を南西進する,支那海軍の
ジャンウェイ2級フリゲート1隻(艦番号527 「洛陽」 東海艦隊 2005年就役)
および
ダシン級練習艦1隻(艦番号81 「鄭和」 北海艦隊 1987年就役)
を確認した.
その後,当該艦艇が,対馬海峡を南下したことを確認した.
おきらく軍事研究会,2011年8月22日 月曜日
午前8:00
青文字:加筆改修部分
【質問 kérdés】
2016年6月の中露海軍のフリゲート艦による尖閣諸島接続水域入域について教えてください.
【回答 válasz】
防衛省は,2016年6月9日に中国海軍のジャンカイⅠ級フリゲート艦1隻が尖閣諸島の接続水域に入域した事を海自護衛艦「せとぎり」が確認,追跡した事を発表しました.
防衛省・自衛隊:中国海軍艦艇の動向について
また,これとは別にロシア海軍太平洋艦隊ウダロイ級駆逐艦「アドミラル・ヴィノグラドフ」が,8日に尖閣諸島接続水域に入域しています.
ロシア海軍は過去にもスラヴァ級ミサイル巡洋艦「ヴァリャーク」が南西諸島の接続水域に入域しています.
尖閣諸島接続水域にロシア海軍艦艇が入域したのは久しぶりの事です.
これはインド海軍との演習の帰投のために航行中に行われたものです.
今回のケースでは,時系列的に見ればロシア海軍のアドミラル・ヴィノグラドフが先に接続水域に入域し,その後中国海軍のジャンカイⅠ級フリゲートが入域しています.
では,なぜアドミラル・ヴィノグラドフは接続水域に入域したのか考察してみました.
考えらるとすれば在日米軍や自衛隊の通信傍受等の諜報活動が挙げられます.
また,米海軍や海自の稼働率の把握なども目的の一つとして考えらえるでしょう.
また,沖縄県東方沖とフィリピン海では日米印の三ヶ国海軍による合同演習「マラバール」が行われており,ソ連時代から友好協力条約を通じて軍事協力関係にあるインドへの接近に対する,日米への牽制もあったと見られます.
インドは中ソ対立から国境紛争やチベット問題で対立関係にあり,ソ連から軍事援助を受けたり演習を行った経緯があり,ロシアが開発中のステルス戦闘機の共同開発国でもあるので,対中についてはある程度目を瞑るが深入りはしないようにという,外交的な意味合いもあったと考えられます.
Malabar Exercise kicks off close to South China Sea:Deccan Herald
では,中国海軍の意図は何か?
考えられるとすれば上記のようにマラバールに対する牽制があると見られます.
中国軍はここ最近南シナ海の南沙諸島や西沙諸島の実効支配している島に航空基地を建造したりSAM部隊を駐留させています.
南沙諸島には巨大海底油田があるだけに,中国としても絶対に譲れない一面があり,これが周辺国で歴史的にも対立関係にあり南沙諸島や西沙諸島の領有権を巡って対立しているベトナムやフィリピンとの間に摩擦を引き起こしています.
また,南シナ海は米海軍第7艦隊の航行路で,海域にはその第7艦隊の補給地点であり,アメリカと同盟関係にあるフィリピンのスービック港が存在しています.
フィリピンは1992年に米ソ冷戦と同時に,上院が米軍との地位協定の終了を採択した事から米軍が撤退しましたが,南沙諸島でフィリピンが実効していた島嶼が中国軍に占拠された事に加え,米同時多発テロ事件により国内のアルカイダ系イスラム過激派の「アブ・サヤフ」の掃討のために米軍の受け入れと米比軍事演習を再開した経緯があります.
そこへアメリカのみならず,我が国の海自やマクマホンラインやカシミール地方で対立しているインド海軍が,南シナ海で演習した事に対する牽制があったと見ていいでしょう.
もちろん,中国にとって尖閣諸島は中国領土であるという思いもあるのでしょう.
南シナ海「介入」けん制=中国国防省「とやかく言うな」−尖閣接続水域の軍艦初航行:時事ドットコム
今回はロシア海軍駆逐艦が先に入域し,続いて中国海軍フリゲートが入域した事から,中国海軍がロシア海軍を利用または便乗したという意見が軍事評論家の小泉悠さんによって指摘されています.
当方も同意見です.
尖閣諸島接続水域に中露艦艇が初めて進入 中国がロシアを利用したのか ロシアの視点から考える WEDGE Infinity(ウェッジ)
なお,この接続水域はあくまでも公海であって領海ではないので主権侵害には当たらず,何故自衛権を発動して武力行使しないのかという意見も出そうですがそれは的外れです.
領海に侵入させないための監視を海自と空自が共同で監視するというのが,国際法上に則った正しい選択肢と言えるでしょう.
ねらっずーり in mixi, 2016年06月12日
青文字:加筆改修部分
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