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沖ノ鳥島


◆◆◆総記


 【link】

「kojii.net」■(2012/12/23) 長期的な神経戦への向き合い方

「VOR」◆(2012/04/29)国連 日本の大陸棚拡大に関する勧告を採択

「VOR」◆(2012/12/28) 日韓中で再び大陸棚論争

「VOR」◆(2013/03/05) 約300名の日本人 南クリルおよびトクトに住民票

「痛いニュース」◆民主・鳩山幹事長「日本列島は日本人だけの所有物ではない」「定住外国人への参政権付与は当然.韓国は既に認めている」

「痛いニュース(ノ∀`)◆(2011/02/28)ひろゆき氏&堀江氏「人が死なないなら(武力衝突なければ)国土を譲渡してもいいと思う」

一色正春 in twitter◆(2012/07/25)
 世界的な地図専門出版会社フランスのアトラス社が,12年版の世界地図で,日本海と東海を完全対等に併記しました.
嘘を放任すれば,こうやって信じる人たちがでてきます

「カラパイア」◆(2010.2.16)南硫黄島沖の海底火山噴火で「日本に新島?」

「孤帆の遠影碧空に尽き」◆(2012/08/18)尖閣諸島・竹島を巡って高まる日本・中国・韓国の緊張 周辺国へも影響

「コピちゃん」◆【民主党】鳩山幹事長「日本列島は日本人だけの所有物ではない」「永住外国人への地方参政権付与は当然.韓国は既に認めてる」★13

「サーチナ」◆(2013/04/23) 【韓国】日本政府が「日本海」単独表記の主張を強化…海洋基本計画
(キャッシュ)

「朝鮮日報」◆(2013/04/26) 韓国の対馬島研究センターなどが対馬返還論の一般化を目的に,シンポジウム「対馬は誰の領土か」を開催
(キャッシュ)

「とりのまるやき」◆(2012/05/02)沖ノ鳥島の大規模開発 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!! 宿泊施設も作って有人化するらしいぞ

メガとんトラック」◆コーエー社員「朝鮮海」表記問題で2chに書き込み「文句あんなら買うな」:オレ的ゲーム速報@刃

「リアリズムと防衛を学ぶ」◆(2010/10/01)自衛隊を出すばかりが防衛ではない

「リアリズムと防衛を学ぶ」◆(2010/10/04)離島有事に対処する自衛隊のシナリオ

「国際インテリジェンス機密ファイル」◆(2012/11/23)佐々淳行『国土喪失.なぜ日本は領土を守れないのか』を読み解く

「聯合通信」◆(2013/03/22) 韓国市議会,対馬の即時返還を日本政府に要求
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Locality/2013/03/22/3000000000AJP20130322003400882.HTML
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&sid1=100&oid=001&aid=0006160580

『沖縄が中国になる日』(惠隆之介著,育鵬社,2013.4)

『幻島図鑑 ~不思議な島の物語~』(清水浩史著, 河出書房新社, 2019)

 前に読んだ『秘島図鑑』,『深夜航路』と同じ人の著書です.
 この本は2つのパートに分かれていて,最初に島の紹介を簡単に写真を交えて行い,後半のパートではそれぞれの島への紀行文になっています.

 因みに,つい先日,「日本の北の領海が減少する」と言う報道で話題となった,北海道の消滅した島,エサンベ島北小島の消失を最初に発見したのがこの人.
 裏話が書いてあって,普通に国土交通省,国土地理院,海上保安庁などに通報してもその侭たらい回しにされた上,握りつぶされてしまうのがオチだと思って,新聞社の遊軍記者に連絡を取り,彼等が騒ぎ立てることで事を公にしようと考えたらしい.
 結局,その通りになって,しかも調査の結果,それは国際海洋法上の島では無いとされて日本の領海は減ったそうです.

 とは言え,それでこの人を責めるのは酷です.
 そもそも,1987年に測量したときに既に海面上1.4mにしか出ておらず,命名された2014年には既に没していた可能性が高いのに,国土地理院が地形図を作成した際には誰も現地を確認しようとしなかった訳で.
 そう考えると,公務員の仕事の典型という感じがします.

 それは兎も角,本書では,
海中に没して消えてしまった島,
いままさに虫の浸食によって消滅しようとしている島,
以前,つい最近まで人が住んでいたのに,高度経済成長の波に呑まれて人がどんどんいなくなり,今では完全に無人化してしまった島,
高齢化や学校統廃合に伴い,人が流出していき,最早風前の灯火と言った島,
その昔,活況を呈していた石炭産業の維持の為に作られた人工島,
人が住んでいないけれど宗教的な聖地の島
などに,近付いて,そして上陸して,有人島であれば人に会って話をすると言う事をして,その印象をそれぞれ紀行文として掲載しています.

 そうした島々を訪れることで,人間の幸せとは何だろう,都市の繁栄とは何だろうと言った命題を読者に問いかけている様に思えます.
 本書を読んでいると,どうも旅に出たくなります.
 そして,島を眺めながら1日を過ごしたい衝動に駆られてしまいますね.

 と言いつつ,私も明日からまた島を巡る旅に出掛けたりするのですが.

------------眠い人 ◆gQikaJHtf2 : 2019-07-25

『日本の国境』(山田吉彦著,新潮新書,2005/03)

『日本の国境 いかにこの「呪縛」を解くか』(岩下明裕編,北海道大学出版会,2010/1/25)

 編者はロシア外交が専門の大学教授だが,以前より,ロシア国境地帯をフィールドワークの場に据えて,国境画定プロセスなどを研究してきた人.
 最近の北方四島に於ける,2+2返還とか50:50返還の元ネタを創り出した人でもある.
 この本はロシアも勿論だが,日本の国境水域にある東西南北の地域と,周辺諸国との関係を書いた本で,様々な立場の人々が執筆している論文集である.
 前に産経が取り上げて話題になった,対馬の韓国との交流や,与論島などの台湾との交流,勿論,編者がいる地元北海道でも,根室の苦悩や,稚内のもどかしさについても触れられている.

 日本の中央と地方の温度差が,現在の国境地帯の苦悩を生み出している様子が,リアに書かれていて,中々面白い視座からの問題提起だと言える.

 ただ,小笠原諸島に関しては,少し掘り下げが甘い様な気がした.

――――――眠い人 ◆gQikaJHtf2 in 軍事板,2010/05/20(木)
「国際インテリジェンス機密ファイル」◆(2012-10-12)山田吉彦『日本の国境』を読み解く

 【質問】
 日本の島の数は?

 【回答】
 実は1946年まで,日本政府はその保有する島の数を公式に数えた事がありませんでした.

 島の数を数え始めたのは,1946年,GHQの指示に基づき,海上保安庁水路部が調査したのが最初です.
 この時の島の数は,内海と各港湾内の島を除くと1,025と言う数字が出されました.
 当時は,現在もソ連の占領下にある北方領土は勿論の事,小笠原諸島や沖縄諸島,奄美群島,トカラ列島の一部なども米軍の占領下にあったりしたので,随分少ないものです.
 因みに,内海と各港湾内の島を含めると,2,394島+αとなっています.

 この数は,戦後,トカラ列島の返還を皮切りに,奄美群島,小笠原諸島,沖縄諸島の返還により増えていき,1969年に3,922島を数えるまでになります.
 この3,922島が長らく公式的な日本の島の数として対外的にも使用され,『日本統計年鑑』にも掲載されている数字でした.
 この数は,1973年に小笠原諸島の西之島新島が誕生した際にも数字が変わっていません.

 では,3,922島の島の定義とは何か…実はこれが頗る曖昧なもので,誰も答えられませんでした.

 そこで,1982年,財団法人日本離島センターと言う団体が,国土地理院の「5万分の1地形図」の内,海岸部が記載されているもの616枚,「20万分の1地形図」の内,同じく海岸部が記載されているもの118枚を丹念に調べ,島・岩・瀬・根・礁等「島の名」が印刷されているものをカウントして4,917島を発表.
 久々に,この数が書き換えられる事になります.
 しかし,この調査は,島の大小は関係ないもので,名称の記載されている小島はカウントしても,その側にそれよりも大きな島があるのに,それが「名無し」の島があれば,それはカウントしないと言う方法での調査でした.
 従って,多くの無掲載島を意識的に落としたものでした.

 それでは齟齬が生じる恐れがあります.
 地元では名が通った呼び名であっても,地形図にはその名前が掲載されていない為に,島ではないとされている訳です.

 その齟齬を是正すべく,次に動いたのが海上保安庁でした.
 1987年版の『海上保安庁の現況』に於て,日本の島の数を6,852島と発表しました.
 先ず海上保安庁が用いた地形図は,関係する最大縮尺海図と2.5万分の1陸図です.

 そして,以下の方針で島の数を数えていきます.

1. 周囲が0.1km以上のもの
2. 何らかの形で本土と繋がっている島については,それが橋,防波堤の様に細い構造物で繋がっている場合は島とし,それより広く繋がっていて本土と一体化しているようなものは除外する.
3. 埋立地は除外する

 こうして数えられた数字,6,852が公式的な日本の島の数として発表され,これは1989年9月の『第39回日本統計年鑑』で当時の総務庁が,それまでの3,922島を変更し,北海道・本州・四国・九州及び北方領土を含め6,852島を日本の構成島数として今日に至っています.
 但し,意外にも島の総数以外の情報については,都道府県別の島数と瀬戸内海の島数が公表されたのみであり,この数字に基づく島々の個々の名称や周囲,面積,緯度,経度などの基本情報全ては公表されていません.

 多分,国際的に紛争地でもある島があると思われるので,これを公表すると悶着があるから敢えてこう評していないのかも知れませんね.

 てな訳で,日本の島の数は公式的には6,852島であると言うお話でした.

眠い人 ◆gQikaJHtf2,2009/03/30 22:41


 【質問】
 国土交通省の無人資源探査機導入について教えてください.

 【回答】
 国土交通省は2010/09/06時点で,わが排他的経済水域(EEZ)の海底に天然資源があるか否かを本格的に調査するため,地形データ等を詳しく収集できる無人潜水探査機を導入する方針を定めました.
 2011年度予算の概算要求に11億円が計上され,12年度の運用スタートを目指しているとのことです.

⇒ これまで海保の測量船に搭載されていた機器では,水深200mまでしか詳細データを得ることができませんでした.
 この探査機では水深2500mまで潜行可能で,海底から音波を使って,地形を正確に把握できる能力を持つとのことです.
 尖閣をめぐる問題への,わが政府の姿勢を示したものということでしょう.

 ただ個人的に思うのは,尖閣をめぐる支那の次の行動が,軍艦の出動・現地貼り付けであろうということです.
 こうなると海保の巡視船では対応できず,海自の軍艦でしか対処できません.
 それにあたっては,立法なりなんなりして海自に武器使用権限を授与することが不可欠となります.

 冷戦思考から一歩も抜け出せていない現状のまま,「平時は最大限で海保と同じ武器使用権限」しか与えられないようでは,海自を出す意味はまったくありません.

 国家国民は一体このことをどう考えているのでしょう?

おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)9月13日(月)


 【質問】
 離島に対する間接侵略の手法を教えてください.

 【回答】
 漁船を活用し,相手国が漁船を取り締まれば,相手国が躊躇するまで抗議を繰り返す,という方法が多用されるという.
 以下引用.

――――――
●直接侵略を支援するための間接侵略

 開戦前に,密かに武装した友好団体・友好使節団を送り,開戦と相手国の要地を確保,地上軍の進行を助ける.
 または,相手国内部で破壊工作や蜂起,ゲリラ戦を行なう.
 相手国官憲に疑われたら,それを逆手にとって相手国を非難する.
 相手国官憲が調査を躊躇するようになるまで,繰り返し怪しい行動をとり続けて,または繰り返し使節団を送り続け,開戦時には本物の武装した使節団を送るのが大切.

 離島進攻では大量の漁船を活用する.
(中共がよく多用している手段)
 先の友好使節団と同じように,漁船を取り締まれば強く抗議し,相手国が躊躇するまでこれを繰り返す.
 一見すると民間船舶・漁船なので,上陸第一波を洋上で撃破するのは政治的に難しい.
 過去に,この漁船戦術は政治的な脅しとしても活用されている.
(日中平和友好条約締結交渉)

http://www003.upp.so-net.ne.jp/Zbv/sub31.htm
――――――

 また,佐藤正久によれば,競合する他の大国の撤退した後を狙ってやってくるのが常套手段だという.

――――――
 今日の領土特命委員会での岡崎久彦氏の説明.
 中国の島嶼占拠は大国の撤退を狙ったようなやり方.
南沙:1988年にソ連がカムラン湾からの撤退後,中越海軍の衝突を経て建築物を設置.
西沙:1956年に仏が撤退,それを受け東半分を実効支配.
 1974年の米軍のベトナムからの撤退後,西半分も制圧.

http://twitter.com/SatoMasahisa/status/26080358201
――――――

軍事板,2010/09/28(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 沖縄や北海道,その他先頭諸島への大規模逆上陸能力を,自衛隊は持っていないのですか?
 何故持たないのですか?

 【回答】
 沖縄や北海道が完全に敵の勢力下に入る時点で,既に日本の負けは確定している.
 北海道全域獲られてから敵前逆上陸するより,在道部隊が遅滞戦やってるうちに戦略機動すりゃいい.
 沖縄獲られる蓋然性は低いし,島嶼部ならそもそも大部隊を展開する地積がない.
 尖閣諸島や竹島程度の小さな島は,おおすみ型輸送艦とひゅうが型ヘリコプター護衛艦を組み合わせた擬似強襲揚陸艦で十分.
 だから,今のところ大規模逆上陸能力は必要ない.

 問題は対馬だが,島全土が完全に敵の手に落ちる前に,本土から主力部隊を送り込む必要がある.

 北方領土は当分は諦めろ.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 離島防衛や邦人救出に必要な戦力は,現在のリソースでも足りますか?

 【回答 válasz】
 海自は2年前に強襲揚陸艦の導入を決定し,2019年度までに配備する予定です.

海上自衛隊に強襲揚陸艦を導入決定…離島防衛強化で19年度配備へ : 軍事・ミリタリー速報☆彡

 ただ,当方は海自の強襲揚陸艦導入計画には懐疑的です.
 というのもこの特集を初めてからフェイスブックの某軍事系グループ(mixiにおけるコミュニティに相当)の方々から
「人員はどう確保するのか? 自衛隊志願者が少子化で減っているのに」
という話を聞かされました.
 そんな中で人員を多く取る強襲揚陸艦を導入できるのかという疑問がどうしても沸いてくるものです.
 さらに言うなら,この決定もどこまで履行できるかも疑問なところ.
 空自のF-15DJ電子戦型に搭載されるジャミングポットは,まだ試作型すら完成していません.

 実は現在のいずも型DDH2隻・ひゅうが型DDH2隻・おおすみ型LPD(海自ではLST)3隻といった運用や導入すべき装備でも,十分に離島防衛に必要な渡洋侵攻能力は維持できるかと思います.

 まずは離島防衛から.
 兵員輸送についてですが,陸自はV-22を導入する計画を発表しており,空自にF-35Bを導入すればわざわざDDHやLPDに艦載しなくとも嘉手納や下地島,先島諸島から兵員輸送と上陸作戦のための近接航空支援が可能になります.
 なお,上陸作戦に当たっては海域の制空権と制海権を確保したという前提で話します.
 その二つが無ければ上陸作戦は出来ません.
[中略]

 しかし73式小型トラックや軽装甲機動車は,陸自または空自のCH-47か海自のLCACからでしか離島に輸送する事しか出来ません.
 いずれもV-22での空輸は不可能です.

 また96式装輪装甲車やブッシュマスター装甲車ともなると,LCACからでしか離島に輸送出来ないというのが難点.
 その点では橋頭保を確保した後の兵員や車両の輸送を考えると,やはりいずも型DDH1隻やおおすみ型LPD1〜2隻は必要かと思われます.

 また,ヘリボーンによる急襲以外にも海上からCRRC(戦闘強襲偵察用舟艇.ラバー製ボート)を使用した上陸作戦も想定されます.
 もっとも,これは橋頭保がある程度完成した後に行われる作戦と思われますが・・・.

 現在横須賀を母港とする空母1隻が配備されていますが,2隻目の空母の配備する米国内では声も出ています.

Two USN Carriers in Japan?:Defence News

 そうなると佐世保に配備されているワスプ級LHD「ボノム・リシャール」を中心とする第7艦隊水陸両用部隊/第7遠征打撃群はオーストラリアに移転する可能性が高く,それに伴って主に沖縄県に集中している米海兵隊の地上部隊は,既に配備が始まっているとされるオーストラリアに移転する可能性があります.
 これについては後日述べたいと思いますが,もし沖縄の米海兵隊が移転すれば,西部方面普通科連隊を中心とする陸自の水陸両用部隊が配備される事になります.

 その意味からすれば,離島防衛にはやはりDDHやLPDは不可欠と言えるでしょう.
 ただ,改めて強襲揚陸艦を建造する必要性に疑問が出てきます.
 むしろその資金で想定戦場である尖閣諸島から近い沖縄県のホワイト・ビーチ地区の整備をすべきかと思います.
 ちなみにホワイトビーチ地区には海自沖縄基地隊が駐留しており,日米共同使用となっています.

 また,尖閣諸島でも魚釣島は上陸作戦できるエリアは限られており,他の島もほぼ似たような海岸ばかりですので,現行のリソースでも上陸作戦は可能で,離島防衛の要になると思います.

 邦人救出でもいずも型(またはひゅうが型)1隻とおおすみ型1隻で十分かと思います.
 邦人救出しなければならない国や地域は大半が敵国(または敵対勢力)との交戦状態に入っており,他国民の救出に来た軍事組織を航空または海上から攻撃する余裕などありませんし,その必要性もなくそんな事をすればその国は攻撃を受けた国のみならず,国際社会を敵に回すのでDDGやF-35Bと言った防空装備は必要はないでしょう.
 実際ベトナム戦争末期での米軍の旧南ベトナム脱出作戦であるフリークエント・ウィンド作戦では,米海軍は戦闘機や攻撃機は出していません.

 もし防衛省それでも強襲揚陸艦を建造するのならば,まずは人員の確保を行うべきでしょう.
 国家債務負担行為により資金は集められても,人員はそうは行きませんからね.

ねらっずーり in mixi, 2016年01月03日
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 日米離島奪回演習について教えてください.

 【回答】
 今年12月には日本とアメリカで離島奪回合同演習が開催されます.
 現在の日中関係の悪化は,中国がこれを意識したものが遠因とみていいでしょう.
■南西諸島防衛を想定―歓迎すべき自衛隊演習:台湾は日本の生命線!

 以下引用

――――――
(1) 「赤色軍が自衛隊の配備されていない離島に上陸,占拠し,島内に対空ミサイルなどを備え付けるとともに,周辺海域に海軍艦艇を集結させている」

(2)「すぐさま防衛出動が発令され,防衛省は,対地,対艦攻撃能力の高い空自F2戦闘機と海自P3C哨戒機を出動させる」

(3)「赤色軍の対空兵器を弱体化させるとともに,陸自空挺団員など約250人が乗り込んだ8機の空自C130輸送機が,空自F15戦闘機の護衛を受けながら離島に接近する」

(4)「空挺団員らは次々にパラシュートで降下し,海空自の援護射撃を受けながら赤色軍を制圧,島を奪い返す」
――――――

 内容は以下のようになるものと思われますが,これを一つ一つ検証していきたいと思います.

 この演習は明らかに尖閣諸島を意識したものです.
 日米も中国もそう思っています.
 尖閣諸島は資源が目的ではなく,軍事的な拠点であるのが目的なのは,ガス田問題を見ても明らかです.
 もし資源紛争だけだったら,アメリカも出てこなかったでしょうが,尖閣が台湾有事における補給ルートや第7艦隊の通航ルートの上にある事からも,この島が重要な位置にいるのがわかります.

 では(2)から.
 陸自の島嶼防衛は,一旦取らせてから取り返すという戦略を,昔も今も,そしてこれからも取り続けています.
 ですから島に赤色軍(中国軍)が上陸して占拠しても,それは想定の範囲内という事になります.
 では,その占拠した部隊への攻撃を何故しないか.
 話は簡単です.
 まず占拠した赤色軍の補給ルートを寸断した方が,後々に奪還しやすいからです.
 いくら敵の部隊を攻撃しても,補給ルートが確立されていれば,何の打撃にもなりません.
 先の大戦での太平洋戦争でも米軍が行いましたが,敵の補給ルートを寸断してから,敵の占拠する島に上陸するという作戦こそが,第2次世界大戦以来の島嶼防衛戦略となっています.

 さらにここでは,対艦攻撃用のF-2だけでなくP-3Cが登場しています.
 P-3Cは対潜哨戒機というイメージが今も強いですが,対艦攻撃も可能で,ASM-1C空対艦ミサイルやAGM-84ハープーン空対艦ミサイルを搭載して対艦攻撃も可能する事も出来ます.
 そのためP-3Cは現在では,固定翼哨戒機という名称になっています.
P-3 (航空機) - Wikipedia

 また,F-2は機動飛行しながら対艦攻撃も可能ですので,尖閣諸島に上陸した赤色軍部隊の補給部隊や海上防衛部隊への脅威になるのは間違いありません.
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8568176

 現在次期F-XではF-2の増産やF-35,ユーロファイタータイフーンなどが選定の対象になっていますが,マルチロールでは機動飛行しながらの対艦攻撃を求められる戦闘機を選定しなければならない以上,それが出来なければF-2の増産になるのは間違いないでしょう.
 ただ,赤色軍も48n6Ye艦対空ミサイル(S-300FM/リフM/SA-N-20 ガーゴイル)を持っているので,そのための対策を練る必要もあるでしょう.
48n6Ye艦対空ミサイル(S-300FM/リフM/SA-N-20 ガーゴイル):日本周辺国の軍事兵器

 また,長距離艦対空ミサイルとしてHHQ-9A艦対空ミサイル(HQ-9A/海紅旗9A/紅旗9A)もあり,決して侮れません.
 射高はスタンダードにも匹敵しており,これらのミサイル対策をどうするかが焦点になります.
HHQ-9A艦対空ミサイル(HQ-9A/海紅旗9A/紅旗9A):日本周辺国の軍事兵器

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月28日11:08

 (3について.

 赤色軍(中国軍)の対空兵器の弱体化の手段として,SEAD任務があります.
 SEADとは敵防空網制圧の事で,対レーダー・ミサイルや誘導爆弾で,敵のレーダーや対空ミサイル部隊を破壊する事です.

 航空自衛隊は,専守防衛を基本方針とし,かつ日本は島国ですから,国境を接する国のようにSEAD機を有していません.
 しかし離島防衛のために,SEAD機を有する必要性が出てくると思われます.
 なお,現時点でこの任務はワイルド・ウィーゼルと呼ばれるSEAD機を有する米空軍が担う事になります.
航空作戦 - Wikipedia
ワイルド・ウィーゼル - Wikipedia

 もし日本でSEAD任務に就く戦闘機があるとすれば,それはF-2になるでしょう.

 そしていよいよ尖閣への強襲作戦となりますが,空挺部隊より先に,陸自の特殊作戦群が突入する事になるかと思われます.
 空挺団は特殊部隊任務から外されており,この手の作戦は特殊作戦群が担う事になるのは自明でしょう.
 ただ,特殊部隊の戦闘支援のため,空挺団やWAiR(西部方面普通科連隊)が投入される事もあります.
特殊作戦群 - Wikipedia

 C-130で空輸される事もありえるでしょうが,離島ならCH-47での輸送の方が効率的ですし,敵防空網がSEADによって制圧されているのなら,無理してC-130で輸送しなくても問題はありません.
 ただ,警護にはF-15Jや,次期F-Xが確実となっているF-35が就く点については議論の余地はないかと思われます.
 相手はおそらくSu-30部隊を送ってくるでしょう.
 また,最近の中国とロシアの接近を見ると,場合によってはT-50の対中輸出もあり得るかもしれません.
 もっともそれは,プーチン首相が許さないかも知れませんが.
 ただもしT-50が中国に輸出されたとしたら,アメリカとしてもF-22の再生産や輸出に踏み切る可能性は否定できません.
 以前にも紹介した通り,日中の航空戦力での比較は互角と見ています.
【軍事】周辺事態の話~台湾有事について(2)

 ただ,これはあくまでも日中だけの話.
 アメリカが加わると,圧倒的に日本有利になります.
 F-22が加わるのですからね.

 嘉手納に一時的に配備されるF-22は,朝鮮半島有事だけでなく,台湾有事も想定しているのです.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月29日10:33

 (4)について;
 南西諸島ならパラシュートでの降下も可能でしょうが,尖閣諸島の場合は島が小さいので,これはヘリによる降下になるでしょう.
 また,海自からの援護射撃と言っても,76mm砲では敵ばかりか,上陸した陸自の部隊にも被害を与えてしまいます.
 南西諸島ではそれは通用するでしょうが,尖閣諸島は上記のように島が小さいのです.
 ですから尖閣に限っては,これはないかと思われます.

 これは空自も同様で,いくらJDAMやLJDAMで敵陣地を空爆しても,その爆弾の被害は味方にまで及びます.
 また,F-2は赤色軍(中国軍)の補給艦隊への攻撃を,F-15Jも尖閣での制空任務や特殊部隊や米海兵隊輸送部隊の護衛任務に就くので,とても尖閣への敵地空爆に割く事など出来ないでしょう.

 そこで,ひゅうが級護衛艦や22DDHに搭載された陸自の戦闘ヘリが,この任務に就くかと思われます.
 現在AH-Xは選定中ですが,私の予想ではAH-64DブロックⅢになるかと思われます.
 海自艦艇への出撃などを考慮に入れれば,それなりの訓練を必要とするでしょう.
 陸自も海自も,そろそろ「旧軍以来の対立」に終止符を打って,共同訓練が出来るぐらいにするべきでしょう.
AH-64D アパッチ・ロングボウ - Wikipedia

 さらにAH-64Dを,揚陸艦「オーシャン」に搭載して発着艦させている,イギリス海軍やイギリス陸軍に訓練を依頼する手もあります.

 さて,ここまでこのシリーズを緊急に取り上げました.
 もちろんこれは演習に基づいたシミュレーションであって,実際はこうはならないかも知れません.
 しかしこうなる可能性はあるというたけでも,知っていただければ幸いです.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年09月29日13:32


 【質問】
 宗谷,津軽,対馬東水道,同西水道及び大隅の5海峡には日本の領海に含まれない公海部分があるそうですが,それは何故ですか?

 【回答】
 領海12海里に基づいて, 完全に日本の領海にしちまうことは可能なのだが,そうなると国連海洋法条約に基づいて, 米ソ両海軍の核兵器を搭載した艦艇の領海通航を『国際海峡』として認めなければならなくなる.
 その場合,日本の領域に核兵器が持ち込まれたって事で 非核3原則の「持ち込ませず」に違反した,と大騒ぎになっちまうようだ.
 今も騒いでるけど.

 だからあえてここを領海にせず,
「ここは公海だから.核搭載艦が通ってもしかたありません」
ってやってるそうな.
 「持ち込ませず」を潰したら,ここを完全に領海にしても問題なくなるらしい.

 なんか上手く説明できんからこっちみて↓
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/7009/mg000824.htm

軍事板


 【質問】
 現在の日本で独立を宣言した地域があったとしたら,自衛隊でそれに対応する法的根拠はありますか?

 【回答】
 刑法に次の規定があるので,まずは警察の仕事.
 警察の手に負えないことが明白になれば,政府が自衛隊に治安出動を命ずる根拠が生じる.

 第七十七条 国の統治機構を破壊し,又はその領土において国権を排除して権力を行使し,その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者は,内乱の罪とし,次の区別に従って処断する.
 一 首謀者は,死刑又は無期禁錮に処する.
 二 謀議に参与し,又は群衆を指揮した者は無期又は三年以上の禁錮に処し,その他諸般の
   職務に従事した者は一年以上十年以下の禁錮に処する.
 三 付和随行し,その他単に暴動に参加した者は,三年以下の禁錮に処する.
2 前項の罪の未遂は,罰する.ただし,同項第三号に規定する者については,この限りでない.

軍事板


 【質問】
 尖閣諸島の問題や対馬沖の漁業問題に関し,なぜ自衛隊が出ていかないのか?

 【回答】
 金田秀昭(元海将)の論文から読み取れるところによれば,
・外国船舶が我が国の領海内で主権を侵害しても,これを強制的に排除するための根拠法がなく,
・不法行為の取り締まり権限は,海上自衛隊は海上警備行動により海保を補完する立場に置かれている
からであるようだ.

 氏は,「新規導入・強化すべき機能としては,以下のようなものがある」として,次のように述べている.

 ◇領域警備機能
 我が国には「領域警備(防衛)」の概念がなく,外国船舶が我が国の領海内で主権を侵害しても,関税法や漁業法など個別の国内法違反行為としての取り締まりが行われるのみで,これを強制的に排除するための根拠法はない.
 また,不法行為の取り締まり権限は,警察機関たる海上保安庁が第一義的に有するとされていることから,海上自衛隊は海上警備行動により海保を補完する立場に置かれている.
 このため,尖閣諸島への中国人活動家の不法上陸など,我が国主権関連の事案に見られるように,「領域警備(防衛)」と,「領域保安(警察)」の線引きが曖昧なまま,海保による「領域保安」の範囲での対応が行われることから,取り締まりは徹底を欠き,結果的に主権が侵害される事案が生起するのである.

 したがって,領域警備と領域保安を明確に区分した領域警備法(海上自衛隊に領域警備行動任務を新規付与)を整備して,領域保安(海上警備行動はこの範疇)と合わせ,海上自衛隊担任,海上保安庁担任,両者協力という形で役割分担を明確にする必要がある.

 海上自衛隊担任では,潜水艦や水上艦(その搭載機を含む)に対する領域警備,衛星・航空機などによる広域の領域警備・領域保安のための情報収集などが考えられる.
 この場合,軍艦・軍用機に国際法上一般に認められている平時の「自衛措置」を,海上自衛隊の艦艇・航空機に権限付けると共に,平時の武器使用権限付与など所要の法的措置を取る必要がある.

 一方,自衛隊法第80条に基く有事の防衛庁長官による海上保安庁部隊の指揮問題については,長年等閑視されてきたが,この際,前述の「緊急拡張」の主要テーマとして,役割分担や手続きなどを明確に定め,定常訓練などの実施根拠としていくことが適当であると考える.

(from「世界の艦船」2004年12月号,p.72)


 【質問】
 本来ならば,領海・領空侵犯侵犯は自衛隊が対処すべき

 【回答】
 平時の国境警備は軍隊でなく,武装警察もしくは準軍隊担当というのは結構ある.

アメリカ
 連邦司法機関であるU.S.Border Patrolが警備を行なっている.
 アメリカ沿岸警備隊United States Coast Guard

ロシア
 ロシア国境軍(ソ連時代は,ソ連国家保安委員会(KGB)に所属)
 沿岸警備も担当

フランス
 フランス国家憲兵隊
 海上憲兵隊 (フランス国家憲兵隊)

軍事板,2010/10/11(月)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1442455&media_id=4
>総額は23兆4900億円で,前中期防(05~09年度)に比べ7500億円減少した.
>陸上自衛隊の戦車や火砲などを抑制する一方,南西諸島の防衛重視の観点から
>海上,航空両自衛隊の装備を強化するのが特徴だ.

 この方針は妥当?

 【回答】
 支離滅裂すぎだろ・・・

 島嶼防衛を考えるのなら,むしろ火砲の方が大事な筈なのだが.
 所詮,航空機は「陸の作戦を支援する」事が目的,もっと言うと,相手の輸送関連のリソースを妨害する「ため」の環境を整える事.
 F-2使ったとしても,洋上撃破率は2割~3割.
 それ以外は陸の戦力で潰すしかない.
 南西諸島に戦車を持ちこむのは困難だとしても,いやだからこそ,火力だけでも増強すべきなのに,火砲削減は納得できない.
 空も重要だけど,実際に立ち向かうのは陸なんだけどなぁ.
 その辺,どう考えてるのかしら?

ますたーあじあ in mixi,2010年12月17日11:20


 【質問】
http://hosiakari.blog34.fc2.com/blog-category-2.html

中国相手のスクランブル回数はロシア相手より少なかったのだし,過去には,去年の中国相手のスクランブル回数の10倍以上の頻度で(年1000回以上!!),ソ連(当時)機にスクランブル発進をかけていたのだ(そうはっきりニュースキャスター自身が言っている).
 僕当時のこと知ってますよーだ.
 ソ連機が領空に近づいたからって,こんなに大騒ぎしてしたっけ?冷戦当時でも
(さすがに,領空侵犯のときは大騒ぎだったけど)

(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)
なお,この文章は,あつこば(小林アツシ)によってmixiに転載された

 【回答】
 問題視すべきなのは単年度の回数ではなく,回数の伸び率.
 わずか一年で,それだけ中国空軍の活動が活発になった,ということです.
 また,日本領空近くでの作戦能力を向上させている,という事の傍証ともなります.

ゆきかぜまる in mixi

 そして,中国の領海侵犯が露骨であることを同時に鑑みると…

消印所沢 in mixi


 【質問】
 ここで聞いてもいいのかちょっと解らないのですが,質問させて下さい.

 名古屋・新潟で,中国領事館建設用地の買収が騒ぎになっています.
 その中で
「外交施設は必ず借地でなければならない」
という意見が散見されるのですが,それは本当なのでしょうか?
 確かに米国大使館も借地のようですので,「本当なのかな?」と思った次第です.

2011年01月14日 18:15 キズメガネ

 【回答】
・我が国の在外公館資産に関する記事
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/101006/fnc1010061721017-n1.htm

――――――
・領事関係に関するウィーン条約(領事関係ウィーン条約)

第三十二条 領事機関の公館に対する課税の免除

1 派遣国又は派遣国のために行動する者が所有し又は賃借する領事機関の公館及び本務領事官である領事機関の長の住居は,国又は地方公共団体のすべての賦課金及び租税を免除される.
 ただし,賦課金又は租税であつて,提供された特定の役務に対する給付としての性質を有するものについては,この限りでない.

http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/mt/19630424.T1J.html
――――――

 「所有しまたは賃借する」とありますね.

 また,
「瀋陽総領事館亡命事件(2002.5.8)と国際法」
という論文によれば,

――――――
(11) 領事館が借地を敷地としている場合であっても,公館の不可侵の原則を侵害することとなる強制執行の措置は,当該敷地の所有者に対してとることはできない.
 また,領事関係の断絶や領事館の恒久的ないし一時的閉鎖の場合であっても,領事公館の不可侵は存続する.Ibid.,p.267.
――――――

 ・・・だいたいですな,「外交施設は必ず借地でなければならない」と決まっているのであれば,買おうとするわけないし,売却先として検討対象となるわけないと思うのです.

 中国において,我が国が土地を賃借しているのに(あの国で土地所有が認められるのか?),こちらは売却するのは公平でない,とか,そういう議論が元だったのではないですか.

 東海財務局の中の人は,アフォどもの電凸のせいで実に気の毒な状態のようですよ.

2011年01月14日 19:39 ぴぴ

 ご回答ありがとうございます.
 やはり法的には何も問題はありませんでしたか.

 今回の問題を日記にした所,
「国防動員法って知ってるか?」
とか,
「領事館内に変な施設作られたらどうする?」
とか,頭がイカれてるとしか思えない酷士様方が,大挙してご来訪されてます・・・.

 右も左もバカさ加減は変わらないってのは,正にこの事ですね.

2011年01月14日 21:27 キズメガネ

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より


 【質問】
 自国内に存在する大使館や領事館に,退去を求める権利というのは,法的に存在するでしょうか?
 ウィーン条約を読んでも,それらしい記述が見つけられなかったので,質問させて戴きます.

2011年01月15日 14:45,キズメガネ

 【回答】
 2国間で緊張が高まって,外交官を引き上げて大使館閉鎖っていうのは,ときどきありますよね.
 ですから,「自国内に存在する大使館や領事館に退去を求める」くらいに関係が悪化する前に,相手国は外交官を引き上げているでしょう,常識的に考えて.

 大使館・領事館を退去するということは,断交を意味しますから,戦争の一歩手前ですね.
 やばすぎ.

 たとえば,太平洋戦争は日本の奇襲で始まったために,両国の外交官が相手国に取り残されたまま日米が断交する,というような事態になってます.
 その後,半年くらい大使館敷地に留め置かれて,中立の第三国経由で外交官とその家族を交換する,というようなことをしています.
 確か別項にて眠い人さんが詳しく書いていたはず.
 戦争になっても敵国の外交官を追い出したり,大使館を取り上げたりはしないという例ですね.

 中国総領事館移転問題は,国際司法云々の前に,日中間の外交問題に発展するでしょうなあ,騒ぐ人が増えれば.

2011年01月15日 15:45,バグってハニー

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 3度目の質問で大変恐縮です.
 今回の一件でネックになっていると思われるのが,領事館建設予定地の広さなのですが,これについて質問させて下さい.
 前原氏が答弁の中で,
「公館という物が,領事機関の事務所のみという事に限定されております」
と発言しているのですが,これは本当でしょうか?

 また,「土地が広すぎる」というのが,在外公館建設予定地購入を突っぱねる理由になるのでしょうか?

 参考までに,件の前原氏の答弁の動画を.
http://www.youtube.com/watch?v=mDlA885oWhw

2011年01月15日 21:07,キズメガネ

 【回答】
 うそくさいですね.
 日本にある各国公館の敷地に,大使公邸,広報センター,職員の住居が併設されているのは珍しくないです.
 あるいは,英国大使館は奥日光にかつて別荘を所有してました.

 おそらく前原さんは契約上,敷地にある建物は外交目的以外に使用してはダメだというふうになっている,というようなことが言いたいだけなのでしょう.
 たとえば,北朝鮮は外貨獲得のため,ヨーロッパにある大使館用地を勝手に現地企業に貸し出したりして,ポーランドやドイツでウィーン条約や二国間の取り決め違反だと問題になっています.
 念頭にあるのは,そのような事態なのでしょう.

 一方,明治通り近くのフランス大使館は建て替え中ですけど,ついでに敷地にマンションも建てて,その賃料で建て替え資金を捻出する,という計画になってます.
 もろに目的外使用ですけど,土地を取得した際どういう契約になっているかによるのでしょう.
 ベルギー大使館も敷地を活用して建て替え・再開発しました.

>>また,「土地が広すぎる」というのが在外公館建設予定地購入を突っぱねる理由になるのでしょうか?

 まず,名古屋で問題になっている土地ですけど,売りに出された国有地は計約3万1千平方メートルで,中国総領事館はそのうち約1万平方メートルを購入希望していると報道されています.

 それで「約1万平方メートル」の敷地ですけど,在外公館用地としてはちっとも広くないです.

 広いところ
・在日米国大使館(東京都港区)=国有地約1万3000平方メートル
・英国大使館=敷地約3万5000平方メートル
・仏大使館=二・五ヘクタール(2万5000平方メートル)

 狭いところ
・イラク大使館=6階建てビル(延べ約850平方メートル)
・在日アフガニスタン大使館=RC造地下2階地上2階建て塔屋1階付き延べ1792平方メートル

 日本の在外公館
・北京の新しい日本大使館=敷地面積も計約二万五千メートルに拡大
・地下プール・サウナ・ボーリング場・テニスコートなどが批判された(豪華設備は結局断念)モスクワの新しい日本大使館=敷地面積は1万5000平方メートル,延べ床面積は現大使館の約4倍にあたる1万6500平方メートル.DCの日本大使館に次ぐ規模.

 破格なところ
・バグダッドに建設中の米大使館=敷地面積は42万平方メートル[ローマのバチカン市国(44万平方メートル)や東京ディズニーランド(48万平方メートル)に匹敵]

というわけで,大使館・領事館の広さというのは,もっぱら2カ国の結びつきの強さと,それを建てる国の経済力のバロメータになっているみたいです.

 中国総領事館移転問題に関しては,適当な理由をでっち上げて反対しているだけで,近くに中国が引っ越してくるのはやだな,というもやもやとした不安感以上の意味はないと思われます.

2011年01月18日 02:30,バグってハニー

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 「領事関係に関するウィーン条約」第三十条第一項において,

>1 接受国は,派遣国が自国の領事機関のために必要な公館を接受国の法令の定めるところにより
>接受国の領域内で取得することを容易にし,又は派遣国が取得以外の方法で施設を入手することを助ける.

とありますが,この内の『接受国の法令の定めるところにより』という条文の解釈で議論になっています.
 私は「条約法に関するウィーン条約」第二十七条と合わせて,
「いくら地方議会で議決したとしても,それを根拠に領事館移設を拒否できないのでは?」
と主張したのですが,先方は解釈が違うようで,
――――――
話を戻します.ウィーン条約第三十条第一項について,私は,
↓------------
日本は,中国の公館を日本の中で取得すること(あるいは施設を入手すること)を容易にするような『方針・方向性』 を打ち出して下さいね.ただし,
どのように容易にするのか,という『線引き』 については,日本国内の法令で定めて下さいね.
↑------------
という意味だと解釈しています.
つまり,『接受国の法令の定めるところにより』 との文言は,
『公館を日本の中で取得すること(あるいは施設を入手すること)を容易にする』 という方向性に対して,実質的にはブレーキにもなり得る,と解釈しています.
――――――
とのことです.

 私の個人的な考えでは,国内法・条例で『線引き』なんてできるのかな?と思うのですが・・・.
 国際法規関係に詳しい方の解釈を是非お聞かせ願いたく,質問させて戴きました.

2011年01月21日 04:28,キズメガネ

 【回答】
 国際法云々の前に,名古屋で問題になっているのは国有地,つまり中央政府の持ち物なので,地方議会の議決くらいではどうにもならんでしょう.
 とはいっても,政府が地元住民の意向をまったく無視するわけにもいかんですが.
 櫻井よしこさんの週刊新潮の記事の中で,名古屋市の河村たかし氏が次のように証言しています.
――――――
「国有地払い下げの権限は国にあるんです.
 土地利用計画の決定権は地方自治体にありますが,国がどうしても売るといったら,最後まで反対出来んでしょう.
 尖閣の領海侵犯事件の後で,市の一等地を中国に渡すなど市民県民は許しませんよ.
 慎重のうえにも慎重にしてほしいと,民主党に申し入れ,凍結してもらいました」

今度は国有地,名古屋に中国の魔手
――――――
 新潟の場合は確か市の所有なんで,地方議会の議決でもどうにかなるかもしれない.

 あと,反対派は櫻井さんの記事でもう一度,事実関係をおさらいしといたほうがいいですね.
 特にドヤ顔で,相互主義だから土地を売る義理はないとかいう人.
――――――
 東京港区元麻布の中国大使館は,約3,900坪もある.教育部と商務部と,各々の宿舎は730坪の土地をはじめ都内4ヵ所もすべて中国の所有だ.
 札幌,大阪,福岡,長崎の総領事館も同様だ.
 大阪の場合は,比較的小振りの3ヵ所の土地にまたがっているが,その他の土地はいずれも1,000坪から1,500坪に上る.
 現在,中国が画策中の,新潟市と名古屋市での土地買収が実現すれば,これまでに取得した各総領事館の不動産より,更に広大な5,000坪級の土地を中国は手に入れることになる.
――――――
 中国政府はすでに,日本に相当の土地を持ってるんですね.
 だから,中国政府が日本の土地を購入するのは,法律的には無問題.

 かといって,外国政府がいつでもどこでも,好き勝手に日本の土地の権利を手に入れられるわけでもなくて,「外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令」というので,財務大臣の許可を得る必要があるみたいです.
 実際,中国政府は沖縄にも総領事館を設置したかったみたいですけど,日本政府から難色を示されて断念したそうです.
 櫻井さんの記事にも財務大臣が出てきますね.
外国政府の不動産に関する権利の取得に関する政令

 ま,というわけで政府は,いろいろな点を考慮して売るかどうか決めるでしょう.
 市議会の議決だけを根拠に拒否したりはせんでしょう.

2011年01月21日 15:46,バグってハニー

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 中国が尖閣諸島上空も含む形で防空識別圏(ADIZ)を設定した意味って何?

 【回答 válasz】
 2013年11月
23日に中国政府が防空識別圏(ADIZ)を設定しました.
 中国が設定した防空識別圏は,日本の防空識別圏と重なる部分もあり,日中間で係争となっている尖閣諸島の上空も含まれています.

中国,東シナ海に防空識別圏 尖閣上空も:日本経済新聞

 その二日後に米空軍のB-52爆撃機が,中国が設定したADIZ(日本のADIZ内)を飛行しました.
 中国には事前通告せず,同じADIZを設定している日本には通告しました.
 この飛行では尖閣諸島上空も飛行しましたが,中国空軍または海軍航空隊のスクランブルはありませんでした.

米爆撃機,中国設定の識別圏飛行 尖閣周辺,事前通告なし:共同通信

 さらにその翌日には自衛隊機と海上保安庁機が,やはり中国が設定したADIZを飛行しましたが,中国軍のスクランブルはありませんでした.
 なお,この自衛隊機ですが機体は何なのか発表がありませんが,日本のADIZと中国のADIZの重なる部分からして,海自のP-3Cではなかったかと当方は個人的に想定します.

自衛隊機,通告せず防空識別圏を飛行 中国側,反応なし:朝日新聞

 中国軍がスクランブルしなかった点についてはいろいろ語られていますが,当方としてはこれ等の機体を発見し,追跡出来なかったのではないかと思われます.
 地上からのレーダーだと台湾北部なら何とか監視出来ても,尖閣諸島だと遠すぎて監視は難しく,侵入する機体の高度によってはレーダー地平線に引っ掛かり探知は出来ません.
 これは日本にも言えた事で,1976年のベレンコ中尉亡命事件では,低空飛行で領空に侵入してきたMiG25を探知する事が出来ませんでした.
 その教訓から空自は1979年に急遽E-2Cホークアイ早期警戒機を導入を決定.
 1983年から運用を開始しています.
 また,1999年にはE-767AWACSを調達,
 2000年から運用を開始しています.
 E-767は良好の条件なら最大探知距離は800km,E-2Cも550kmです.
 そしていずれも日本の防空識別圏を監視できる機数と稼働率,さらには人材も揃っています.

 しかし海国防衛ジャーナル氏の記事によれば,空警200や空警2000は24時間監視に必要な機数が揃っていないと言われています.

中国の防空識別圏(ADIZ) 尖閣に向かってくる中国軍機とその発進基地 :海国防衛ジャーナル

 また,前にも書きましたが中国のAEWである空警200やAWACSである空警2000は,探知距離は200〜400km程度だと言われており,これはE-767やE-2Cに劣ります.
 さらにこれは当方も初めて知った事で恐縮ですが,驚いた事に空警200や空警2000はE-2CやE-767のよう戦術データリンクが搭載されていないという事です.

コラムより転載:中国の航空機,空母その他関連小ネタその44:知識の断片8

 つまりE-2CとE-767,レーダーサイトからの情報を各基地や各基地の航空隊のF-15やF-2に防空識別圏に侵入した機体を,リアルタイムでその動向を伝えられる事が出来ますが,中国にはそれが出来ないという事になります.
 これは中国には日本のJADGEとその先代であるBADGE,NATOのNADGEのような防空指揮管制システムが存在しない可能性があるという事です.

自動警戒管制組織:Wikipedia

 これは例えて言うなら,カーナビ付きの自動車で目的地に向かうのと,無線や携帯電話からの音声案内だけで目的地に向かうという違いがあります.
 カーナビだと地図と音声での案内とあり,地図に従って音声の誘導で目的地に向かえるので,道に迷う事がありませんが,音声案内だけだとどうしても現在地とその経路の把握が難しく,道に迷ってしまう事があります.
 まして移動目標で,かつ経路の目印になるような建物が存在しない上空だとなおさらで,仮にエリアごとに空域を分けるにしても,例えばA区域に侵入した国籍不明機に対して音声管制でスクランブルするにしても,その国籍不明機がB区域に侵入すると,そのB区域まで急行しなければならず,その間に国籍不明機が退去してしまったらスクランブルの意味がありません.

 よってスクランブルをしなかったのではなく,スクランブルしたくとも索敵が出来ず,さらにスクランブルに必要なデータ通信が出来なかったので,スクランブル出来なかったのではないかと当方は愚考いたします.

 なお,今回中国のADIZを飛行した米空軍のB-52ですがグアムのアンダーセン空軍基地から飛来した機体で,通常の示威飛行と威力偵察が目的であったと思われます.
 これはソ連/ロシア空軍がTu-95を運用してアメリカ,NATO諸国,日本に対して行う示威飛行・威力偵察と同じで,有名なところでは東京急行が知られています.
 これは米軍もソ連/ロシア,中国,北朝鮮,キューバに対して行っています.
 ソ連/ロシア空軍の場合はTu-95が主に運用され,時にはTu-16(退役済)やTu-160が運用されますが,米軍だと空軍のB-52やRC-135,海軍のEP-3が運用されます.

 ただ,今回その示威飛行がマスコミにリークされた背景には,やはり米国が中国のADIZ設定に強い懸念を抱いている,という事なのでしょうか.
 もともと日本,韓国,台湾のADIZは第2次世界大戦後に,日本や韓国の占領軍と台湾に逃れた国民党政権の空軍再建に協力した在台米軍が設定したのを,そのまま各国が引き継いだものです.
 日本の場合,航空自衛隊創設したばかりでまだ現在のような現代的な空軍ではなかったという背景もあって,米軍が日本の防空を担っていた事から,米軍が設定した防空エリアを1969年に引き継ぐ形で当時の防衛庁が設定したものでした.

習政権メンツ丸潰れ 米爆撃機が「識別圏」を挑発飛行 虎の尾を踏んだ中国:ZAKZAK

 つまり中国のADIZ設定は,アメリカの第二次世界大戦後の戦後秩序への挑戦と見做したという事なのでしょう.
 ちなみにこの話では興味深い点があり,1969年に日本がADIZを設定すると同時に,BADGEシステムも運用が開始されています.
 ADIZとBADGEのようなC4Iシステムは,切っても切れない関係にあるのかも知れません.

ねらっずーり in mixi, 2013年12月01日
青文字:加筆改修部分

 中国のADIZで新たな動きです.
 中国政府が発表したところによれば,米軍の偵察機と空自のF-15が10機が,中国の設定したADIZに侵入したためスクランブルしたと発表しました.
 情報ではSu-30やJ-11(Su-30の中国コピー)が緊急発進し,対領空侵犯措置を取ったと思われます.

「自衛隊・米軍機にスクランブル」 中国空軍が発表:朝日新聞

 しかし日本政府は否定的見解を示しており,小野寺防衛相も否定的な見解を示しています.

中国機の「スクランブル」,防衛相が否定的な見解:朝日新聞

 当方もこの中国政府の発表には懐疑的です.
 まず米軍(これはロシア軍にも言えますが)の示威飛行は単機で飛行するのであって,2機も飛ばす事はありません.
 また,空自のF-15が10機ともなるとこれは,訓練にしてはちょっと飛行する機体が多く,アラート任務にも支障をきたします.
 パイロットにはアラート任務で待機しているパイロットや休暇で不在のパイロットもいますし,そもそも周辺国で係争している空域での訓練を行う事は米軍やNATO軍でもしません.
 もちろん自衛隊もやりません.

また前回でも述べたように中国軍には索敵能力も索敵した後で部隊に伝える
C4Iシステムも存在しませんからこの発表はどうしても俄かに信じがたいものがあります.

一方で強硬な態度を取り続けた中国が軟化の姿勢を見せており,民間旅客機については
ADIZ内での管轄権行使を撤回するという措置を取りました.
実はこの問題では中国はADIZ内では管轄権を行使し,ADIZ内に飛翔する航空機全てに
中国国防省の飛行許可を取る事を義務付けたという点があります.

中国政府一部撤回!中国新防空識別圏尖閣諸島日本領空包含問題,民間航空機を対象外へ:北大路機関

もともと防空識別圏は領空保全のために設定したものでフライトプランのない機体を
空軍力で追跡し,領空に接近する機体については空域からの離脱を勧告する事は
出来ても強制力(警告,警告後の威嚇射撃,強制着陸,撃墜.ただし民間機の撃墜は
禁止されている)を行使する事は出来ません.
またフライトプランはまずその国の航空官署(我が国の場合だと国土交通省航空局)に
届けられ,そのまま空軍防空部門(我が国の場合は空自)に情報連携されます.
それを中国はいきなり国防省に届けろというのですから反発が強いのは致し方ないでしょう.

飛行計画 - Wikipedia

海国防衛ジャーナルの記事にもあるように問題なのは単なる識別圏でしかない
ADIZを領空のように強制力を行使するという点が問題なのです.

中国の防空識別圏:問題はADIZを設定したことではない:海国防衛ジャーナル

ただ中国側もADIZの意味を理解してきていますのでそれをもってやれ開戦だ,
やれ敵対行為だと大騒ぎするネトウヨの反応にも当方は強く反対します.
空自や海自の現在の体制を維持しつつ,外交努力でこの問題を解決していく必要はあるでしょう.

ねらっずーり in mixi, 2013年12月01日
青文字:加筆改修部分


 【珍説】
 日本や各国の国内法レベルで,A社の鉱区の隣にB社の井戸を掘る場合,境界から何メートル離すことが必要か.
 答えはわずか100メートルだ.
〔ゆえに,中国のガス田開発の位置に何も問題はない〕

http://www.21ccs.jp/china_watching/DirectorsWatching_YABUKI/Directors_watching_14.html

 【事実】
 油田と井戸,国内法と国際法の規定を意図的に混同している極めて悪質な詐欺ですね.
 国際法では,領土に埋蔵された量によって分配が決められる事も無視.
 フィッシュボーン技術を使えば,相手側の資源もどんどん吸える事も,恐らく意図的に隠しているのでしょうね.

ごんじい in mixi


 【質問】
 以下のような見方がありますが,本当にそうなのですか?

[quote]
「yahoo」:「福田クリンチ総理」は後退一方=堤堯(ジャーナリスト)

 〔略〕
 要は(福田は)ブラフ(ハッタリ)に脅えたのだ.
 安倍が健在なら,試掘を実行に移していただろう.
 アメリカは軸足を中国に移し始めている.
 いずれ問題はガス田だけには終わらない.
 それへの備えを,とてもじゃないが福田には期待できない.
[/quote]

 【回答】
 こういう論調には私は与(くみ)しないですね.

http://obiekt.seesaa.net/article/56810892.html#20071229000626
の辺の議論を見ていただければ分かりますが.あのガス田は商業的に全く採算が合いません.

『東シナ海ガス田が全て操業を開始したとしても,大消費地の上海周辺の需要量から,1~2年の需要を賄なう程度の埋蔵量しかないのではないかと推定されており,日本はもちろん,中国側から見ても決して採算性のある事業ではない.』

JSF in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 この問題は全然明るくないですが,現実的にガス田の採算性がどうのこうの,というよりも,他国に自国の領土・海域を占有されていることが問題なのと違いますかねえ.
 領土問題って結局国際法的にどうのこうの,というよりも,どこの国が実効支配しているのか,といことのほうがしばしば大きな意味を持ちますよねえ.

バグってハニー in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 一応,中国側は日本が主張している日中中間線の中国側で採掘やってるんじゃありませんでしたっけ.
 問題になっている理由は,ガス田自体が日本が主張している日中中間線にまたがって存在しているからだったかと.
 だから他国に自国の領土・海域を占有されているというわけではない.

 ただ,中国側から見ても採算性が無いという意見がありますが,なぜ中国はそれでもガス田の開発を進めるのかが疑問です.

utushi in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

>なぜ中国はそれでもガス田の開発を進めるのかが疑問です.

 唾つけておけということじゃあないですかね.

 中東の石油も昔は採算に合わなかったんですよね.
 将来的には化けるかもしれませんから.取れるものはとっておいたほうが将来の可能性が広がる.

ゆきかぜまる in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 プレゼンス獲得の口実に使ってるような感じもする.
 どこぞの島に宿舎建てるのと同様で.

zen in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

 両方を狙っているように思えますね.それで既成事実を作ったもん勝ちだと.

井上@Kojii.net in 「軍事板常見問題 mixi支隊」

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 【質問】
「対馬に中隊規模の警備隊が駐屯している理由は,対馬の実効支配を目論んだ韓国人の野望を阻止するため」
と以前にハングル板で聞いたんですが本当ですか?

 【回答】
 対馬は,それなりの大きさがある島の中では,最も隣国に近いものの一つなんだから,防備に力入れるのは当たり前だべ?
 仮想的がどうこうというより,最も攻撃を受けやすいのは確かなんだから.

 それに,地図を見れば一発で分かるだろうけど,あそこって日本海側防衛の要所の一つなわけよ.
 対馬を押さえられたら結構怖い事になる.
 だから戦前から色々対策練ってるのであって,韓国の反日感情が高まってるから特別にって訳じゃない.
 たとえ朝鮮半島がアメリカ領になったとしても,警備隊は置かれるだろう.
 朝鮮併合期も対馬要塞はそこそこ重装備だった.

 戦後も対馬は,ソビエト海軍を日本海から外に出さないために重要なポイント(チョークポイント,と言う)で,その為に海底センサーの受信所や海自の監視所が置かれていた.
 それらの他にも航法用の無線設備があり,有事の際はソビエト軍が攻撃して来ることが予想されたので,陸上自衛隊も防衛部隊を置いていた.
 「韓国を睨んで,つい最近警備隊が置かれた」わけではない.

 というか冷戦ってもう昔の話なのかな?・・・(溜息

 ちなみに竹島と違って,韓国政府は対馬の領有権を主張してない.
 「対馬は韓国のものだ!」って言ってるのはごく一部の市民団体だけ.

軍事板


 【質問】

――――――
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081107/plc0811070049002-n1.htm
 有事対応についての山内俊夫参院議員(自民)の質問に,防衛省防衛政策局防衛計画課の島田和久課長は
「対馬は(地形的に)山がちでゲリラ的な戦いになる.
けものみちに至るまで熟知した部隊を置いており,遺漏のない対応を取っている」
と回答.
 これに対し,山内議員は
「私の危機感と全く違う.ゲリラ戦になれば島民が一番被害を受ける.
 ちゃんとした陸海空の部隊を配置すべきだ」
と警備強化を訴えた.
――――――

という記事がありました.
 どちらの認識が正しいのでしょうか?
 ゲリラ戦は安全な後背地の確保や第3者からの支援が必要と考えると,空海からそれらを封鎖することが重要なのかと思いましたが,その一方でやっぱりゲリラ戦に精通した実戦部隊が必要なのは間違いないのか?とか色々と考えてわけが分からなくなってきました.

 【回答】
 ゲリラ的な戦いと言うのが誤解を生むな.
 ゲリラと,コマンドのような少数精鋭部隊とは別物だ.
 戦闘の様態に似たところはあるが.

>ゲリラ戦は安全な後背地の確保

 対馬でこれをやると言うことは,ゲリラではなく,ある程度の規模の正規部隊が来ると言うことだ.
 山内議員はその辺が良くわからず,小規模な兵力同士の戦いは,なんでもゲリラ戦と思ってるようだ.

 上記答弁は,
「大規模な敵部隊の上陸が予測されるなら,日本側もそれに応じたレスポンスが可能.
 逆にレスポンスしにくいような,敵の小規模のゲリラコマンドの攻撃を受けた場合なら,現行の守備隊で対応可能」
ということだと思う.

 対する山内議員の言いたいことは,
「対馬で陸戦するな,
 敵は上陸する前か,上陸直後の水際で叩け」
と言うことで,そもそも話が噛み合っていない.

 また,現状では対馬に何処が攻めてくる可能性も,他の可能性に比べれば低い.
 韓国が攻めてくるとは思えんし,もそんな補給困難な所を攻めるくらいなら,他のことやってるだろ.
 中国が攻めるなら沖縄だ.

 もちろん,近隣国が軍事的合理性に基かない行動に出る可能性も,全くのゼロではない.
 腐るほど予算に余裕があるなら,抑止力を考えて,さらに軍備を充実させるのも手だ.
 だが,防衛予算が削減される一方の現状では,それだけの余裕はない.
 「意思ではなく能力に備える」のが国防の基本ではあるが,あらゆる「能力」に備えるには無限の予算が必要になるし,備えをしていないわけでもない.
 少なくとも日本の離島防衛の基本方針は,「攻められてから対応」.
 大量の離島すべてに十分な守備隊を貼り付けるなんて無理に決まっているのだから,当然そうなる.

軍事板,2008/11/07(金)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 対馬防衛上,何か改善したほうがいいことはありますか?

 【回答】
 対馬の警備は現状がベストだと思う.
 あまり大きな兵力をおくと補給が大変だし,対馬に師団規模で敵対勢力が押し寄せて来るような状況を許すようでは,日本の国防体制として終ってる.

 問題は特殊部隊の小人数での侵入だが,既に冷戦期から対馬警備隊は対特殊部隊的運用を視野に入れて整備,訓練されているし,今ならヘリですぐ駆けつけられる位置に西部方面普通科連隊という特殊部隊もいる.

 なので特にこれが・・・といった改善点はないのでは.

 むしろ日本政府の危機管理体制のほうがどうなのかな?と.
 災害対処については整備されてきたようだが,有事の危機管理となるとどうなのだか…….


 【質問】
 対馬から朝鮮半島へは,水陸両用車,AAV7などで渡ることは可能ですか?

 【回答】
 対馬海峡は潮の流れが速いので,キャタピラ(C)回して水を掻く程度の推進力では渡海不能.流される.
 それに,河川を航行できる程度の対波力では,波に煽られて転覆するのがオチ.

 AAV7のような強力なウォータージェット推進車で,外洋航行をある程度考慮してあるものならなんとか.
 ただその場合でも,数10台の単位で戦略的に部隊を行動させることは無理だろう.
 組んだ隊列を維持しながら部隊として渡海するのは難しいと思われる.

 それに,いくら近いと言っても対馬海峡はそれなりの距離がある.
 上陸用水陸両用車程度の航続距離では,燃料とエンジンが持つかどうか.


 【質問】
 「対馬は韓国領土」と主張している人達の「根拠」は?

 【回答】

宗氏<対馬の大名
http://www2.harimaya.com/sengoku/html/sou_k.html
 嘉吉三年(1443) 貞盛は,朝鮮の圧力に屈して条約を結んだ.
 「嘉吉条約」と称されるもので,宗氏にとっては屈辱的なものであったが,反面望ましい内容のものでもあった.
 つまり,対馬は朝鮮の属州となり,宗氏は日本の御家人でありながら朝鮮の代官という立場になった.

 馬山市の「対馬の日」も,対馬が韓国領であることを確認すると謳っているとかいないとか・・・・

みつき in mixi

 これがまかり通るなら,「事実上の中国の属国であった韓国は,中国の領土」という理屈も成り立つわけだが(笑).

▼ また2010.9.28に,ホ・テヨル,ハンナラ党議員37人で創設された「対馬フォーラム」は,
>対馬は地理的に韓国に近く,対馬住民の血統調査でも韓国血統とほとんど一致することが明らか
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1285680678/
という,妄想に近い「根拠」を挙げている.
 もはや,月刊「ムー」のレベル.▲


 【質問】
 対馬の宗氏は半島人の直系の子孫と考えていいですか?

 【回答】
 秦→惟宗→宗
 いったん日本本土を経由して相当期間たってからの対馬上陸なので,直系とは言えない.

 宗家は平氏を自称しているが惟宗氏の惟が脱落したものらしい.
 惟宗の出自自体の問題はある(半島系の秦氏の系統だが宗家が本物かどうか?)が,宗家は普通に地方官人が武家化したもので,宗家自身には特段の朝鮮系意識はないと思う.

日本史板
青文字:加筆改修部分


◆◆◆海洋調査問題


 【質問】
 なんで日本は海洋調査始めたの?

 【回答】
●ここまでのあらすじ●

 以前より韓国は「日本海の呼称を東海(トンヘ)にしよう」としており,この主張を,今年6月に開催される国際水路機関(IHO)にて提案すべく準備していた.

 これを黙認できない日本政府は,30年ぶりの日本海の海底地形調査実施を決定.
 IHOで同地形の日本名を発表することで,韓国の主張に対抗するためである.

 韓国政府は調査を阻止するべく,
『日本の調査船は韓国の排他的経済水域(EEZ)を侵犯しようとしている』
と調査の中止を求め,また竹島問題と関連づけ,
『調査が行われれば竹島の領土主権が脅かされる』
と主張.

 韓国は調査船がEEZ内に入れば拿捕を含む物理的な阻止手段に出るとしており,その根拠として韓国内の法律を掲げているが,国際法(国連海洋法条約)にはそのような規定はなく,日本政府は調査に問題は無いとしてした.
 もしそれでも拿捕などの強行策を行えば,この地域が国際紛争の場であることが明白となり,IHOにおける韓国の主張が通りづらくなっただろう.

 そんなわけで,不測の事態を避けるため,日本は『韓国がIHOにおける現地海底の韓国名の名称提案を見送れば,海洋調査を行わない』という妥協案を提示.
 一方,韓国外交部長官潘長官は
『日本が調査計画を直ちに撤回すれば,そうした土台の上で,韓国がさまざまな交渉をすることができるという立場』
とコメント.
 また宋旻淳統一外交安保政策室長は
『(地名表記の提案を)撤回しないし,当然の権利だ』
と述べ,交渉は難航.
 また東京,ソウルで米国の外交関係者が日韓交渉の仲介に入る形で,円満解決を促す動きも始まった.

 その間,海上保安庁所属の測量船「明洋」(621トン)と「海洋」(605トン)境港の外港に待機
 また,本件とは直接関係無いが,海自は訓練のため護衛艦20隻が舞鶴に集結.

 一方韓国は,最大規模の警備艦サムボン号(5000トン級)をはじめ,東海と南海に配置されていた警備艇20隻とヘリ数機をEEZと竹島付近の海上に配置し,停船・押し出し・拿捕の訓練を実施.哨戒機チャレンジャー号も江陵飛行場で出動命令待ちの待機.
 また,日本海を担当している海軍第1艦隊には,3000トン級の韓国型駆逐艦(KD-1),護衛艦,哨戒艦,高速艇が配置されており,状況が悪化する場合,4000トン級の最新型韓国型駆逐艦(KD-Ⅱ)を配置する方案も検討された.

 しかし結局,
「日本は調査を行わない」
「韓国は6月の会議で提案をしない」
ということで交渉は妥結した.

注意!

 本件の本質は日本海呼称問題であって竹島領有権問題は派生的なものです.
 全て日本の主張通りになりましたが,竹島問題の解決には直接的には繋がりません.

軍事板


 【質問】
 今回は海底の地形調査が目的ですよね?
 潜水艦の運用に精密な海底図が必要だと思うのですが,そうなると日本は既に日本海の精密な海底地形図を持っていると思うのですが,どうなのでしょうか?

 【回答】
 一般に公表される公式の海図は,海上保安庁海洋情報部作成のもの以外は使用できません.
 軍用のものは,その国の軍事力を測る材料になるため,外部へ出せません.

 また今回は,堂々と測量する行為自体に意味があるのでひけません.

 公式に認められた日本の海図は,海上保安庁海洋情報部が作成・発行したものだけです.
 海自が調査するのは潜水艦が任務で利用するためのデータであって,海自の水上艦や潜水艦(水上航行時)も海保が作成した海図を使用します.

 というか,潜水艦を運用するための海域データと一般の船が航行のために利用したり海洋調査で使用される海図は,求められるものが全く違う.

 ただ,海自の海洋観測艦が収集したデータを海保に提供することはある.

軍事板

 以下,「海自のニュースリリース」から.

海洋観測艦「にちなん」の活動について

 海洋群(横須賀)所属海洋観測艦「にちなん」が,以下のとおり活動いたしますので,お知らせします.
 なお,今回の観測で収集したデータについては,「大陸棚調査・海洋資源等に関する関係省庁連絡会議」の定めた大陸棚画定に向けた基本方針に基づき,海上保安庁に提供することとしており,
 この基本方針に基づく協力は,昨年に引き続き,今回で2回目です.

1 期 間
 平成18年2月中旬 ~ 3月初旬

2 観測海域
 本州南方海域

3 艦長等
 2等海佐 水野 雅樹(みずの まさき)  乗員:約80名

4 観測内容
 海底地形観測

うぃあ in FAQ BBS


 【デマ】
34名前:番組の途中ですが名無しです[sage]投稿日:2006/04/20(木)16:31:24.65ID:0znWgPN00

    軍 事 板  の 総 意 を お 伝 え し ま す

 竹島問題は歴史的にも国際法上でも韓国が正統な所有者であり,国際社会で争えば日本に勝ち目は全くない.
 挑発行為をおこなって戦闘が発生すれば,自衛隊は韓国軍に勝つ見込みは全くない.

 以上が軍事板が分析した結論です.
 精神論だけの大日本帝国のような基地外犯罪者の集団と違って,軍事板は客観的な分析を行う集団です.
 このような結論がでているので,いくらがんばって宣伝をしても誰も支持しません.

 【事実】
 軍事板の「総意」は存在しません.現在各所に貼られているコピペに意味はありません
 ただ,「戦争になる確率は?」と聞かれたらほとんどの住人は「0~1%」と答えるでしょう.
 なのでぶっちゃけ,軍事板住人的は「起きる可能性の無い戦争」に語るつもりはあんまりありません.
 主義,主張をしたいのなら,他の適当な板へどうぞ.

軍事板


 【質問】
 この事件が日韓戦争に発展したりはしないの?

 【回答】
 きゆう ―いう0【▼杞憂】(名)スル

 〔周代,杞の国の人が,天が落ちて来はしまいかと心配したという「列子(天瑞)」の>故事による〕
 あれこれと無用な心配をすること.取り越し苦労.杞人のうれい.
「―にすぎない」「深く政府の為に―する処なり/新聞雑誌54」

goo辞書

 報道を見ても,戦争になる目は99%ありません.

 ただ,韓国警備艇と衝突する「不測の事態」を避けるため,武器を装備した巡視船を同行させず,調査船には警備艇が近づいたら退避するよう指示している.
(中略)
 ただ,日本も韓国との「衝突」を避けたいのが本音で,調査船への退避指示には「韓国の妨害で調査できなかったと国際会議で主張できる」(外務省幹部)という計算も働いている.

大貫智子 from 毎日新聞,2006/4/20

日テレ,重森教授談話
「韓国側の主張する手前のラインまで海洋調査を行い,ドイツ会議では,韓国側の妨害にあい調査できなかった旨を伝え,韓国側の提案する名称を認めないように主張するのではないか」

http://www.cascoscoleccion.com/portada.htm

 韓国側報道でも,以下のように,軍事衝突は殆どあり得ないと見ています.

【海洋調査】測量船が停船無視した時の6つのシナリオ

 18日,日本海上保安庁の海洋調査船が東京港を出発したと伝えられたのにともない,今後,独島(日本名:竹島)近海で韓日の艦船が対峙する可能性がいっそう高まった.
 対峙は20日頃起きる可能性がある.
 以下に今後起きると予想されるシナリオを挙げる.

1.日本の調査船回航

 日本の調査船が独島と近い境港までは来るが,回航する可能性.現在,両国間の水面下の交渉は望めない状況だ.
 もし調査船が回航するとしたら,韓国側の強硬な対応に対し日本側が衝突を避けるため,としか考えられない.
 しかし調査船出港は小泉首相の許可を得ているといわれており,その可能性は高くない.
 一部では,米の非公式な仲裁で日本の調査船が回航することもありうると言われている.

2.海上での対峙

 日本の調査船が独島に近づけば,韓国海洋警察(韓国海警)の警備艇が阻止するほかない.まず海上で両国艦船が対峙する状況が起きると見られる.
 この状況が続くうちに日本の調査船が回航する可能性が,現在は比較的高いと思われる.

3.強制停船

 日本の調査船が韓国海警の警備艇の阻止にもかかわらず,独島海域への進入を試みた場合,韓国は強制停船を命令する可能性がある.
 この時点から事実上,物理的衝突の段階に入ることになる.
 日本側が実際に独島海域進入を強行するつもりなら,調査船とともに警備艇も来る可能性がある.
 この場合,問題はいっそう複雑になり,リスクが高くなる.

4.押し出し

 西海で韓国海軍がNLLを越えてきた北朝鮮警備艇を相手に実施した作戦だ.
 日本の調査船が停船に応じなければ最悪の場合,艦船同士衝突して押し出す.
 韓国海警は現在,東海(日本名:日本海)でこうした訓練を行っているといわれる.
 しかし,日本の調査船が強く抵抗し,特に日本の警備艇が加勢した場合は,不祥事が起きうる非常に危険な状況となる.

5.捜索・拿捕

 日本の調査船だけが来る場合,韓国海警の警備艇はこれを包囲し捜索・拿捕する可能性がある.
 もちろん日本の調査船が素直に応じるはずはない.
 日本は「政府船舶を捜索・拿捕することはありえない」と考えている.
 専門家の間でも「外国政府の船舶を拿捕することは戦争行為と全く同じ」との見解を示す人もいる.

6.軍事的衝突

 両国の海洋警察同士の衝突が軍事的衝突にまで飛び火する可能性はほとんどない,というのが専門家の分析だ.両国のリスクがあまりにも大きいからだ.
 ただ衝突が考えられる海域付近に両国海軍の軍事力が配置されているのも事実だ.
 韓国海軍は通常の戦力に加え,最近の状況にあわせ追加戦力が配置された可能性がある.
 日本でも今回の事態とは関係がないが,近くの海域で18日から26日まで訓練を行う.

朝鮮日報,2006/4/20


 【質問】
 日韓軍事衝突に発展して,韓国軍が上陸してきたらどうすんの?

 【回答】
 揚陸艦が4隻しかない上に,まともな補給線を確立することはかなり困難が予測されます.
 自殺行為もいいところです.

軍事板

 【質問】
 だって韓国って「斜め上」の国だし…

 【回答】

 軍人は自分で政権握ってない限りは,大体冷静なもんです.命張るのは彼らだし.

軍事板

 【質問】
 対日強硬派軍人が韓国でクーデターを起したら?

 【回答】
 流石にそれは在韓米軍が放っておかないでしょう.

軍事板


 【質問】
 栄光ある日本軍が韓国に上陸して天誅(以下略

 【回答】
 現在の自衛隊の外征能力は乏しいと言えるレベルにあります.無謀すぎ.

軍事板


 【珍説】
 海上決戦になったら(韓国/日本)の圧勝!

 【事実】
 海上決戦なんて概念は前世紀の遺物です.
 万が一開戦となったら,艦同士による散発的なミサイルの撃ち合いに終始される可能性が高いので,変数が多く,結果の予想は非常に困難です.

軍事板


 【質問】
 韓国からミサイルが飛んできたりしない?

 【回答】
 韓国は弾道ミサイル(北韓のテポドンとかみたいなやつ)を保有していないので,ミサイルが飛んでくる心配はない.

軍事板


 【質問】
 韓国が工作員を派遣してゲリラ戦を仕掛けてきたら,どうするの?

 【回答】
 まがりなりにも韓国は貿易国家です.
 非正規戦を他国に仕掛けたら,国際世論からの袋だたきで干上がります.

 また,韓国は特殊部隊によるゲリラ戦術を軍の戦術としては重視していない.
 ゆえに,日本国内で自衛隊の駐屯地を特殊部隊で狙ったり,社会混乱の為にテロを起こす可能性も低い.

 そういう意味では例え今,韓国と日本が全面戦争になっても,日本の市民生活にはほとんど影響は出ない.

軍事板軍事板


 【質問】
 韓国海洋警察庁と日本国海上保安庁の勢力は,それぞれどのくらい?

 【回答】
http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/h17/k20051206/nikkan.pdf
から抜粋できるところによれば,

韓国海洋警察庁(2004年)  日本国海上保安庁
9844人
(内訳は
警察官5201
人員一般・技能職587
戦闘警察職員4055
契約職員1)
12255人
大型警備艦艇18隻 巡視船124隻
中小型警備艦艇143隻 巡視艇(PC型)60隻
船艇刑事機動艇23隻 (CL型)170隻
防除艇19隻 特殊警備救難艇86隻
巡察艇51隻 設標船・航路標識測定船61隻
消防艇1隻 測量船13隻
ホバークラフト2隻
曳船4隻
航空機12機
(固定翼1機,回転翼11機)
75機
(固定翼29機,回転翼46機)

軍事板


 【質問】
 竹島関連スレッドでよく,海自が舞鶴に集結しててうんぬんありますが.有事になって命令があれば,確かに助けにいくのでしょうか?
 元々海保と海自って領分が近い分,縄張り争いがあり,ライバル関係だと思うのですが,
 実際海保と海自あと,警察と自衛隊の関係って良好なものなのですか?

 【回答】
 艦名の重複などを見る限り,ライバル意識が全くないわけではないだろうが,例えば,第8管区海上保安本部と海自舞鶴地方隊は2月にも合同訓練を行なった.
 救難に関しては日常的に連携している.
 海上保安庁の固定翼機パイロットは海上自衛隊に教育委託されている.


 【質問】
 「今回の緊張で,韓国は日本への空爆を企図していた」ってのは,どれくらい信用できる情報でしょうか?

韓国,島根県防衛施設への空爆検討の痕跡―WP紙

 【ワシントン9日早川実行】21日付の米紙ワシントン・ポストは,盧武鉉政権が日本による海洋調査を阻止するため,島根県の防衛施設への軍事攻撃を検討していた痕跡を掴んだと伝えた.
 攻撃の可能性は低いものの,日本に圧力を掛ける戦略の一環で,実行可能な選択肢として準備を進めていたという.

 【回答】
 対立状態であればそのような計画を立てるのは当然です.
 計画を立てて,成功確率が低いから,装備が…,国際関係が…etcで,やめる.てのも良くあることです.

 まぁ,まとめると,計画はあると思う.実際にはやら(やれ)なかった.


 【質問】
 韓国国内ではノ・ムヒョン大統領のやり方を支持しているのか?

 【回答】
 かならずしもそうではなく,保守派メディアはノ・ムヒョン外交を嘲笑すらしているという.
 以下引用.

〔略〕
 朝鮮日報は〔略〕
「しかし日本との戦いは海上で繰り広げられるだけで はない.国際社会という舞台でも同時に進行する戦略と戦術を要する戦いでもある.
 日本の調査船は国際海洋法の漁船と同じような民間の船舶ではな く,政府の船舶に分類される.
 海洋法では政府船舶は領海内でも拿捕できな いとされている.
 したがって,海洋警察が日本の船舶を拿捕する場合,日本 は直ちにこの問題を海洋法裁判所に持ち込むだろう.
 そうなると独島とその 周辺海域は国際社会において紛争地域として浮上し,拿捕行為に対する判決 結果も日本に有利になる可能性が高い.
 日本の挑発戦術はこのようなシナリ オを基にしている.」
という,本件での韓国政府の軽挙妄動への警告と,
「韓国政府は,日本政府が1978年に今回測量活動を行う水域に日本の名称を <つけて>国際機構に登録した後,27年間放置してきた.
 日本が独島に黒い 手をしのび寄せていることは,大統領の言葉のように「静かな外交」のせい ではない.
 それは国家と国民と国土を防衛する本来の使命を忘却したまま自 主外交という時代錯誤なスローガンの下,誤った方向へとさまよい続けたせ いだ.」
という,本件を借りた,ノ・ムヒョン政権の(対北朝鮮・対米・対 日)政策そのものの批判にあるのです.
 〔略〕

 20日付のもう一つの記事は,
「盧大統領は<18日,>「(独島問題を扱って きた静かな外交という)対応路線をずっと維持していくのかも決めなければな らない時点に至ったようだ」と述べた.
 ・・盧大統領はこれまで独島問題で は‘静かな外交’を行ってきたが,対日外交では常に強攻策をとってきた.
 <こ>の発言もそうした脈絡で理解できる.
 <しかし,>去年初めから始ま った盧大統領の相次ぐ強攻<策は>日本に通用していない<ばかりか,>日 本の中で・・韓国政府に対する不満がたまって<しまった.
 だから,独島問 題で強硬策に切り替えて,実効性があるとも思えない.
 それに第一,この独 島問題に関する>盧大統領の発言に<韓国の>外交官らは当惑した表情を見 せている.
 独島問題を国際紛争化しようとする日本の意図に巻き込まれない ようにしながら,韓国の断固たる態度を見示せる‘静かではない外交’とい う妙案はなかなか見出せない・・.
 <それもそのはずであり,>国際的に< 見て>実効的領有権を持つ国が騒ぎ立てるのは珍しい<からだ>」とノ政権 の対日政策を過激なまでに嘲笑しています

太田述正コラム #1194 ( 2006.4.20 )


 【質問】
 韓国が合意を反古にして,6月の会議で名称提案をやっちゃったらどうするの?

 【回答】
 合意を守らない国の主張が,国際会議で信用されるわけがないでしょう.
 公表している合意を破った時点で,その国の主張はまず通らなくなるでしょう.
 共同記者会見して,これこれこういう合意をしましたとカメラの前で言えば,そう簡単に知らぬ存ぜぬはできんよ.
 もし韓国が約束を反故にしても,調査船を出して日本が逆提案する機会はあるよ.

軍事板


 【質問】
 今回,この問題が大きくなったのは何故か?

 【回答】
 黒田勝弘によれば,盧武鉉政権の対日強硬姿勢のためだという.
 以下引用.

 今回,問題が大きくなった背景には盧武鉉政権の対日強硬姿勢がある.
 盧大統領は領土問題をはじめ日韓の懸案に対しては「自分がケリをつける」と思い込んでおり,任期終了(二〇〇八年二月)まで強硬姿勢は変わりそうにない.
 盧大統領は韓国に初めて登場した左派・革新政権として
「過去のやり方を否定し,過去の政権がやれなかったことをやり,それを政権の業績として歴史に残す」
という思いがきわめて強い.「過去否定・制度破壊の政権」といわれるゆえんだが,対日外交でも
「過去の政権は韓国の立場や主張を最後まで貫かず,いつも妥協や棚上げ,玉虫色で解決を先送りにしてきた,そのため韓国外交は日本から甘く1見られてきた」
と思っている.

 盧大統領はそれを「自分が変えてやる!」と勢い込んでいる.「靖国神社参拝」「歴史教科書」「独島」のいわゆる“反日三点セット”のうち靖国神社問題では
「首相が参拝をやめない限り首脳会談はやらない」
という,過去にはなかった対日強硬姿勢を続けているが,その結果,日本側で首相の靖国参拝に対する批判が拡大していると判断し「それみたことか」と自信を深めているという(外交筋).

 したがって竹島問題でも日本の領有権主張を根本的に否定し,棚上げによる案件処理は絶対認めないという姿勢だ.
 原則論,強硬論で強く押せば日本側に必ず妥協論が生まれ,日本は後退すると思っている.
 今回,日本の海洋調査を中止させたのも,「衝突も辞さず」という強硬姿勢の結果とみている.
 また盧政権には日本に対しては強硬姿勢で押しても損はないとの判断がある.“反日三点セット”も当面の具体的な利害がかかった問題ではないし,強硬論で日本からの報復は予想されないからだ.
 反米と違って反日は国内に反対がない.与野党,左右に異見はない.
 反日強硬策は「堂々たる愛国政権」として歴史に残ると思っている.

 過去の政権とは違うという盧政権だが,歴代政権と同じく反日カードは手放せないようだ.

黒田勝弘 from 産経朝刊 2006年04月23日


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