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 なお便宜上,P-1哨戒機も暫定的にここで紹介.


 【link】

「CHFの日記」■[Military][P-1/C-2]どこでこんなに変わってしまったのやら

「CHFの日記」■(2010/05/04)[Military][P-1/C-2]滑走距離の話

「CHFの日記」■(2010/09/22)[Military][P-1/C-2]航空戦力の迷惑な評価

「textlib @ ウィキ」◆(2011-04-03)C-Xの現況?

「川崎重工」◆(2010/11/30)航空機用一定周波数発電装置「T-IDG」を次期固定翼哨戒機(P-1)量産機向けに初納入


 【質問】
 C-Xの予定生産数は?

 【回答】
 Wikipediaでは生産数を20~40機にする予定だと書かれています.
C-X (輸送機) - Wikipedia

 C-XことXC-2を,現在配備されているC-1の機数(27機)の1.5倍の40機に増やすべきです.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年03月29日11:55
青文字:加筆改修部分

 今回の震災では自衛隊も,被災地で災害派遣に従事しており,頑張っています.
 そこで,これらの大震災に対応するための,機動力の整備を提案していきたいと思っています.
 それは北大路機関のこの記事を読んで,とても痛感したからです.
東日本大震災という有事,やはり自衛隊の機動力はもっと整備すべきだった:北大路機関

 私のマイミクさんの話ですと,自衛隊の災害派遣活動の支援に乗り出した米軍などは,空挺部隊が仙台空港に降下,部隊が空港を復旧させるという,騎兵戦ばりの支援活動を行ったそうです.
 松島でも同じ事が行われた可能性はあります.
 私が注目したのは米軍の機動力でした.
 もちろん自衛隊に,米軍並みの機動力を持たせるのは,やや無理がありますが,被災地への迅速な救援部隊や支援物資の輸送には,やはり機動力の整備が必要を判断しました.
 海自は未だに使用できない石巻市の海岸に,LCACを上陸させて物資輸送に成功しています.

 離島防衛でもゲリコマにしても機動力は不可欠です.
 そこで資料を基に,自衛隊に見合った機動力を考えていきたいと思います.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年03月29日00:27
青文字:加筆改修部分

 まずはC-XことXC-2を,現在配備されているC-1の機数(27機)の1.5倍の40機に増やすべきです.

 XC-2のスペックを見ると,12tで6500㎞の航続距離があり,積載重量・航続距離共にC-1を上回っています.
 現在復旧した松島から,C-1が輸送任務に就いていますが,XC-2ならこの倍の輸送量で,人員や救援物資,さらには有事の際には,兵站での輸送任務に就くことも可能になります.

 さらに,XC-2の最短離陸滑走距離が500mです.
 これは重量によって伸びてしまう可能性もありますが,それでも1000mの滑走路なら着陸出来るでしょう.
 もちろん最近の重量超過で,航続距離や積載重量にも影響は出そうですが,そんな影響はないはずです.

 今回松島が津波被害を受けましたが,津波被害を受けた基地付近に,海自の輸送艦を展開させ,LCACで陸自の施設科部隊を降ろして復旧工事をさせるのなら,1000mぐらいの滑走路の復旧なら可能です.
 さらにはこれは,もし尖閣有事で巡航ミサイルや弾道ミサイルの被害を受けた基地の復旧後に,人員を送る事が出来ますし,復旧が進めば後方基地としての機能も回復する事が可能になります.

 〔略〕

 問題は人員ですが,これは航空学校の募集に,輸送部隊の募集を独自に始めるという手もありますし,空自の予備自衛官の数を増やすという手もあります.
 特に日本航空の経営破たんと再建により,新規パイロットの就職難の様相も見せているだけに,募集をかければかなり集まると見られます.

 もちろん,そのための予算の確保は必要になるでしょう.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年03月29日11:55
青文字:加筆改修部分

 あとは,この記事を読まれた方から
「いや,こうした方がいいんじゃないか」
とか,あるいは
「これは違う.これは現状のままでいい」
という意見がありましたら,ドシドシ書き込んでくれれば幸いです.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年04月07日10:03
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 C-XはC-1の減耗には間に合うのでしょうか?
 また,どれだけ運用寿命が残されている者なのでしょうか?
 その点,先達の皆様のご教授をいただきたいところです.

2009年09月27日 14:24,へぼ担当

 【回答】
 13年度時点の評価では23年度以降に減勢開始と見込まれてるモサリ.
 多少無理して延命しても25年度くらいが限界モサリね.
 23年度予算に組み込んでも,納入まで2年か3年は掛かるだろうから,1~2年程度の空白は覚悟しなければならないモサリ.

2009年09月27日 18:08,モッサー=ハルゼー

 以前に中古のB767貨物機を買うって話が,一瞬あがった事もあったよなあ.

2009年09月27日 21:49,緑川だむ

 あー,なんかC-X叩きの論調の記事にそういう話よく出てましたね.

2009年09月27日 22:17,遠吠えするいぬ

 767って政府専用機の話ですよ.
 パレット/コンテナ輸送だけしかできないわけで・・・

2009年09月27日 23:25,JSF

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分

 2013年03月,海自に配備される国産のP-1固定翼哨戒機の開発が完了し,月末に厚木航空基地に配備される事になりました.
 いよいよ日本初の国産固定翼哨戒機の初期作戦能力が付与される事になります.

国産P1哨戒機 1年遅れで配備へ:NHKニュース

防衛省,本日新哨戒機P-1の開発完了を発表,厚木航空基地へ部隊配備も発表:北大路機関

P-X (航空機) - Wikipedia

 替わってC-1輸送機は2011年度から順次用途廃止となっています.

 なお,騒音はアリソンT56A-14 ターボプロップエンジンを持つP-3Cよりも,ターボファンのF7-IHI-10を持つP-1の方がはるかに軽減されます.

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なぜ戦闘機のエンジン音はうるさいのか:MASDF

 排気の流速を減らし空気流量を増やす傾向は今後も一層進むと見られており,例えば三菱航空機 MRJで実用化される見込みのギヤードターボファンもまた,大きなファンをゆっくり回転させることによって,高い推力と低い騒音を実現します.
------------

 私事で恐縮ですが当方が小中学生時代,当方は千葉県鎌ケ谷市に住んでおり,海自下総航空基地の航空機の着陸ルートに近かった事があり,いつも川崎P-2Jの爆音を聞いていましたが,P-2JのGE T64-IHI-10またはIHI J3-IHI-7Dターボプロップエンジンは,今にして思えばかなり煩かった記憶があります.
 もっとも,慣れていたので全く気にしてはいなかったのですが,P-2Jの着陸ルートにあった私の母校の小学校では,窓を二重にして窓と窓の間に空間を作った防音装置が設置されたほどでした.
 その後,当方が高校に入学した1987(昭和62)年に下総のP-2Jが引退してP-3Cとなると,T56A-14エンジンのためにとても静かになり,自転車に乗って登下校していると,P-3Cが飛行している事に気がつかなくなるぐらいでした.
 それより静かなると,ひょっとしたら歩いていても気がつかないぐらいになるかも知れません.

 なお,北大路機関のはるなさんは,P-1を厚木に続いて要員育成のために下総に配備すべきと提案していますが,私も同感です.
 厚木と下総で機種転換と要員の育成をしてから鹿屋,那覇,八戸などの前線に配備していくべきでしょう.

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P-1哨戒機四機を厚木航空基地へ配備 2011年度末にも実現:北大路機関

 第51航空隊は試験評価部隊なのですが,第51航空隊での運用が終了したのちにP-3C哨戒機を運用する航空群の後継に配備が始まると考えられるのですが,この場合,まず要員を養成するために航空教育集団司令部が置かれている下総航空基地に厚木航空基地に続いて配備されるとかんがえるべきでしょうか.
------------

 やや話が逸れますが,当方は2月3日の記事で空自の次期F-XであるF-35Aが三沢基地に配備された事を書きましたが,さらに機種転換と要員育成のために戦闘機教育課程部隊である松島にF-35を三沢に続いて配備すべきではないでしょうか.
 そうなると新たに飛行隊を作る事になりますが,空自では1航空団2飛行隊が原則で松島の第4航空団は既に第11飛行隊(ブルーインパルス)と第21飛行隊(F-2部隊)があります.
 そうなると第11飛行隊をF-35A教育部隊に改編し,ブルーインパルスを嘗てのように第21飛行隊戦技研究班かもしくは第4航空団戦技研究班と第4航空団直属の組織に改編していくべきでしょう.

 さて,話を戻すとしてP-1のHS-106・AESAレーダーがいよいよ発揮される時が来ました.
 レーダーの最大探知距離は不明ですがAN/APS-115以上の探知距離が期待出来そうです.


■追記
 松島基地のF-35部隊配備や改編の件は撤回いたします.
 大変ご迷惑をおかけしました.
 深くお詫び申し上げます.

ねらっずーり in mixi, 2013年03月17日
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 航空自衛隊次期輸送機C-Xのスペックについて教えてください.

 【回答】
C-X要目
全長:43.9m
全幅:44.4m
全高:14.2m
エンジン:CF-80C2K1F×2(最大推力1基約27t)
巡航高度:約12,200m
巡航速度:約890km/h/マッハ0.8
カーゴスペース:4m×4m×16m
ランプ長:5.5m
最大ペイロード:約30t
基本離陸重量:120.1t
航続距離:
フュリーで10,000km
12t搭載で6,500km
25t搭載で5,700km
30t搭載で5,000km
※最大ペイロード及び各航続距離は基本離陸重量下での数値と推定される

 【参考文献】
   主要スペック:

航空情報No768/769
航空ファンNo657
エアワールドNo371
の各特集記事

13年度政策評価(pdfファイル)

   貨物室寸法:

C-X民間転用構想パンフレット

   エンジン定格:

航空ファンNo657最新航空ニュース
FAA資料(pdfファイル)

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」

▼JA2008まとめ

 〔略〕

3:貨物搭載例は以下の通り

・例のパンフにもあったトレーラ
・GE90っぽい「Maximum Size Jet Engines」*2(移動用架台込み)
・737っぽい機首と尾翼に見える「Aircraft Major Components」
・BK117っぽいヘリ*2
・2段積みオプションでULDコンテナとULDパレット
・機内クレーンでやたらでっかいコンテナ

4:2段積みオプションは展開式の架台を使い最後部用には揚降機能も

5:オプション装備でAn-70やAn-124に見られるタイプの機内クレーンも(取外しは無理ぽ)

モッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2008年10月04日 20:42

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 海上自衛隊次期固定翼哨戒機P-Xのスペックについて教えてください.

【回答】
全長:約38m
全幅:約35m
全高:約12m
エンジン:F7-10×4(推力1基当たり約6t)
巡航高度:約11,000m
巡航速度:約830km/h
基本離陸重量:79.7t
航続距離:フュリーで約8000km
初飛行:2007年9月28日

 ※1巡航高度及び巡航速度は対P-3比1.3倍との評価より推測
 ※2初飛行と同日P-XはXP-1と改称されている

 【参考文献】
 主要スペック:
航空情報No768/769
航空ファンNo657
エアワールドNo371
の各特集記事

13年度政策評価 (pdfファイル)

 初飛行関係公示:
http://www.mod.go.jp/j/news/2007/09/28.html

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 JA2008での,C-X/P-Xについての所感を教えてください.

 【回答】
1:P-XにもやっぱりHUDあったよ!あったよ!
(島津さんとこにC-X用のがあったので聞いてみた)

 以下,YCXの動画について

2:コクピットの後辺りは,搭乗用ラダー含めてごっそり変わる
(上に登る梯子が1個だったり,ロードマスター席の位置が変わったり)

 〔略〕

6:クロスセクションの比較対象は,C-130J/Il-76TD-90VD/747-400F/An-124-100

 以下動画以外

7:T-IDGの派生型をC-X/P-Xに適用(無段変速機のデモ機有り)

8:FHIで担当してる各翼は,操縦翼面などが宇都宮工場の段階で既に付いてるっぽい.

9:各操縦翼面などを動かすアクチュエータは,ラダーだけ違うっぽい(ナブテスコ製)

モッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2008年10月04日 20:42
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 XF7-10 エンジンについて教えられたし.

 【回答】
「19年度技本研究発表会」にもとづく纏め

大型機用エンジン(XF7-10)
・スペック
全長 2.7m(ノーズコーン~フランジ)
直径 1.4m(ファンケース)
重量 1,240kg
推力 60kN/6.1t/13,500lbs
燃費 0.34kg/hr/daN(従来比10%向上だそうな)
ICAO基準達成度(排出規制値100として)
NOX 54
CO 33
UHC 0.5
スモーク 74
2軸式
圧縮効率16/8段
・開発話
目標推力達成までの運転時間
F3-30 249.6時間
XF5-1 70.6時間
XF7-1 8.5時間
XF5-1→XF7-1
燃焼室温度低下で長寿命化低コスト化
XF7-1→XF7-10
信頼性耐久性向上
塩害対策にチタン合金ニッケル合金アルミニウム多用
PFRT用に5基のXF7-10を製作し米軍規格と独自規格に基づいた試験を実施
ライナ支持ピン固着によるアウタライナ損傷事象ではクリアランス増加とピンへのコーティングで対応

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 両機の製造メーカーについて教えてください.

 【回答】
 機体の設計と製造組み立てを行う主契約企業は川崎重工業.
 機体構造の各部位製造には三菱重工業,富士重工業,日本飛行機,住友精密工業が参加.
 各種搭載機材の製造は東芝,日本電気,神鋼電気,三菱電機,島津製作所が担当.
 エンジンはP-XのF7-10は石川島播磨重工業(現IHI),C-XのCF6-80C2はGeneralElectricが製造.
(なおCF6-80C2は山田洋行経由で契約していたが,担当者が日本ミライズに移ってしまったため,今後は日本ミライズ経由となる可能性が大きい)※

 【参考文献】
朝雲グラフ特集

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」

 ※……はずだったものの,守屋事務次官スキャンダルにより,今後どうなることやら.

 【質問】
 「C-Xをベースに電子戦機,早期警戒機が開発される」計画,現段階ではあるのでしょうか?
 また,将来的にE-2Cの代替が必要になると思われますが,それは,いつ頃,どんな機体になるんでしょうか?

 【回答】
 EC-1の後継にC-Xベースの機体が検討されてる.
 早期警戒機の方は想像ないし願望.

 E-2Cは改修始まったばかりなので,なんとも言えない.

 C-Xの制式化すら未了.
 派生型の予定も何も,少なくとも何らかの決定は,まだE-2Cの代替といっても,現状ではホークアイ2000相当の改修を行っているわけで,当分は現役として運用される予定.

 その後,となると,とても予想できない.
 本当に国産するかもしれないし,E-2DやE-737,あるいはその他の何かになるかもしれない.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 C-Xの民間転用構想について教えてください.

 【回答】
 2006年7月に行われたファーンボロ航空ショーにて,川崎重工の展示ブースにC-X民間転用構想のパネル及びパンフが展示されたのが元ネタ.
 「HIGH-SPEED COMMERCIAL AIRLIFTER for OVERSIZE CARGO」と題されたこの構想は,不明尽くしだったC-Xの詳細なスペックが明らかになったという点でも話題を呼んだ.
 構想の骨子は,既存の旅客機改造輸送機では不可能な規格外大型貨物を,専用ローダー無しに積み降ろし出来る軍用輸送機としての能力の売り込み.
 加えて,従来の軍用輸送機ではなし得なかった,旅客機並みの高速巡航を可能とすることで,運用上の問題を克服し,民間での運用が容易となったことも売りの一つである.
 民間転用案ではC-Xのスペック算定条件が空自でのそれと幾つか変わっており,基本離陸重量ではなく最大離陸重量という表現で,重量が141.1tにまで増加している.
 これに併せて最大ペイロードは37.6t,航続距離も12t搭載で8,900km37.6t搭載で5,600kmに増加している.
 一方で離陸滑走路長は2,300m,着陸滑走路長は2,400mとなっており,航空自衛隊の幾つかの基地では運用不可能となっている.
 川崎重工はロールアウトとほぼ同日に2012年までの同構想の事業化を進める方針を固めたことを表明しており,防衛省や経産省などもこれに協力することを表明している.
 これに先立ってパリ航空ショーでは,新しいイラストと映像を加えた展示も行っており,事業化に乗り出すに足る何らかの成果を得られたのではと推測される.
 一方でこれとは別に,日本航空機開発教会(JACD)がC-XとP-Xを旅客機に転用するための調査をしているが,混同せぬよう注意されたし.

 【参考文献】
ファンボロ及びパリでの展示内容
http://www.geocities.jp/ryo298jp/fan0604.html
http://www.geocities.jp/ryo298jp2/paris0701.html
http://www2g.biglobe.ne.jp/~aviation/paris07a.html

構想パンフ:画像その1とその2

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 P-Xの民間転用構想について教えてください.

 【回答】
 やはり元ネタはファーンボロ航空ショーでの展示で,尾翼にYPXと書かれた双発150席クラス旅客機の模型がC-XやP-Xの模型と共に置かれていた.
 YPXは模型以外に具体的な情報が無く,暫くの間はその正体すら定かではなかったが,後に「小型民間輸送機等開発調査」の名で検討されていた資料が出てきて,ようやく詳細が判明することとなった.
 100~150席クラスで5列座席,航続距離4,200~6,100kmのこの機体は,CRJ90やエンブラエル195などといった,4列座席の大型リージョナル機と737-600やA318など6列座席のメジャー機の隙間を狙っており,DC-9系列とほぼ同じ規模となる.
 P-Xとの関係は官需機活用ということで,機体構造の10~15%程度を流用可能としており,具体的には主翼外翼部桁間構造と胴体上面構造パネルと先端部を除く垂直/水平尾翼である.
 また,搭載機材についても35%程度を流用可能としており,これによって開発費を低減することを目指している.
 ただしC-Xの民間転用と異なり,事実上の新規設計であること,MRJや787と比べて保守的なP-Xの構造を流用することによる設計の保守性などで競争力に劣る可能性などから,本構想が実現するかどうかは極めて流動的である.

 【参考文献】
ファンボロでの展示
小型民間輸送機等開発調査 評価報告書 (pdfファイル)

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 C-X/P-Xという機体が開発されてますが,その両機体について質問があります.

(1)両機体は海外に販売をしたら買い手はいそうなのでしょうか?
(2)今の時点で興味を示してる国などはあるのでしょうか?
 また,興味を示してる国なども教えて下さい.
(3)興味を示してる国での用途,どんな機体の変わりに導入するか?

 以上,3点をよろしくお願いします.
 武器輸出禁止は無いという設定でお願いします.

 【回答】
 「C-X/P-X」スレッドにあったやつですが
C-X要目 【】は民間仕様
全長:43.9m
全幅:44.4m
全高:14.2m
エンジン:CF-80C2×2
巡航高度:【12200m】
巡航速度:890km/h 【マッハ0.8】
カーゴスペース:4m×4m×16m
ランプ長:5.5m
最大ペイロード:約30t 【37.6t】
最大離陸重量:120t 【141.1t】
離陸滑走路長:【2300m】
着陸滑走路長:【2400m】
航続距離※:約6500km(12t)
    【フェリー:10000km】
    【12t:8900km (4,806nm)】
    【37t:5600km (3,023nm)】
※最大ペイロード積載下での航続距離などは不明.

平成13年中間段階の政策評価(C-X)
http://www.mod.go.jp/j/info/hyouka/13/chukan/honbun/16.pdf
wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/C-X_%28%E8%BC%B8%E9%80%81%E6%A9%9F%29

P-X要目 
全長:約38m
全幅:約35m
全高:約12m
巡航速度:830km/h
航続距離:約8000km

平成13年中間段階の政策評価(P-X)
http://www.mod.go.jp/j/info/hyouka/13/chukan/honbun/15.pdf
wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/P-X_%28%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F%29

 C-1の時に米から売ってくれって話があったらしいから,性能とそれなりの価格設定がされてれば十分売れると思われる.
 この辺の性能の輸送機はけっこう谷間であんまり無かったりするし,C-130の老朽化が進んでるのから売れないわけではない.

 また,C-1はイラン輸出の話もなかったっけ?
 クランシーとスティーヴ・ピチェニックの共著,「油田爆破」(新潮文庫) 289ページにも,チラッとイランの保有する「川崎C-1輸送機」が出てきたり(笑).
(関係ないが,同じページに「F-4トムキャット戦闘機」というのも出てくる.原作のミスか邦訳時のミスかは分からない)

 一方,P-Xの方はほとんど売れないかもな.
 日本みたいな特殊な環境はそうそうない.

軍事板
軍事板(青文字部分)

 まずC-X.
 川崎重工が06年のファンボロ航空ショーに,「規格外貨物向け高速商用輸送機」なるもののパンフを出してたりする.
 要目の「民間仕様」ってのはこいつのことだが,こんな提案が出てきたのはC-Xの要求項目に
「民間航空路を民間航空機と同様の速度で,安全間隔を保って飛行できるか」(政策評価別紙2注4)
というのがあったから.
(既存の軍用輸送機じゃこの要求は満たせないのだ)
 これは民間に売り込むには大きなセールスポイントとなる.

 ちなみに,機体規模自体はA400MやAn-70,Il-76あたりとほぼ同じなんで,速度を重視しないユーザーにはアピールが弱いかもしれない.
(上記3機種開発国の空軍は当然無理)
 とりあえずC-Xは民間のエアラインが一番の狙い目だな.
(FedExとかNCAとかワイン輸送用に買わねーかな)

 次にP-X
 こいつはもう完全に,P-8AとニムロッドMRA.4と被る.
 とくにニムロッドは重量からエンジン推力まで殆ど同じだし,P-8Aなんて搭載電子機器の相互運用性を確保する研究までやっていたくらい.
 となると焦点は,どの様な場合にP-8Aのシェアを横取りできるか,という点に絞られてくる.
 一番シェアが取れるケースは,P-8Aの開発自体が某ステルス・ヘリのようにこけた場合.
 次点はとんでもない単価になって,米国以外に売れなかった場合.
 そして不吉?なことに,現時点で既にP-8Aは開発費高騰による単価上昇で,米軍の現有P-3Cを完全にリプレイスできないかもしれない,なんて言われてる.(イタリアは購入を遅らせた)
 あ,でもP-8Aがこけたら輸出どころか,アメ公にタダ同然でライセンス権持ってかれそう.
(C-XもAMC-X候補機として道連れに)

 最後に,両機の価格については開発費が合わせて3450億,
 これはP-8Aの開発費(39億ドル=4680億円)やA400Mの開発費(15億ユーロ=2440億円)と比べれば,いかに安いかが判るかと.
 単価の推測材料としては他に,試作機の契約額が両機種「合わせて」670億,一機あたりだと約335億.
 単価は量産初号機の調達要求待ったほうが確実かも知らんね.
 ま,少なくとも,市場での競争力が極端に落ちるほど高価にはならんだろうとは予想できるが.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題mixi別館」

世界に伸び行くC-X(想像図)
faq38h08e
faq38h08f
faq38h08g
faq38h08h
faq38h08j

「CHFの日記-と言う名の駄文倉庫」,2007/2/12


 【質問】
 C-XとP-Xの共通箇所について教えてください..

 【回答】
 まず機体構造は風防部分が完全に同一のもので,水平尾翼もP-Xで100%C-Xで先端から約80%辺りまでが共通.
 主翼構造は,P-Xでは第2第3エンジンパイロン位置より外側,C-Xでは後縁外側フラップから外側が共通.
 搭載機材はコクピットの統合表示機や慣性基準装置,飛行制御計算機,APU,衝突防止灯,脚揚降システムコントロールユニットなど実に75%が共通.
 これらの共通化によって,開発費は250億円程度の低減が達成できたとされ,今後の調達や運用に要する費用もかなりの低減が見込まれている.

 【参考文献】
航空情報No769
朝雲グラフ特集

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 C-X・P-X共用化のメリットは?

 【回答】
「19年度技本研究発表会」にもとづく纏め

 新規開発に付き物の下準備(調査研究とか動向把握とか)が2機纏めて出来たのでお得.
 設計ツールとか試験とかのリソースもプール出来るのでお得.
 主翼はそれぞれに理想形状のものを作って,そこから共通化が可能な部位を決定.
 理想形状に比して数百kg程度の重量損失があるけど,治具とか部品とか共通化出来るのでトータルでお得.
 でも流石に主翼を共通化部位と専用部位でバラに作ったりはしてない(構造上は一体)
「海軍戦闘機の雄! 諸君の愛したF-111Bは失敗した.何故だ!?」
「フレームごと流用したからさ」
(大いに誇張)
という感じでF-111を失敗事例に挙げてた.
 部隊での整備を何処まで共通化するかは,研究を終えて幕辺りで検討中.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 C-Xにて実現,採用された新機軸とは?

 【回答】
・省力化搭載卸下システム
 現状二人必要な貨物の積み降ろし作業をロードマスター一人で可能としたもの.
 具体的には貨物の状況把握や重心位置などのコントロールを行う.

・戦術輸送飛行管理システム
 低高度での飛行経路表示や経空脅威の回避,空中投下などを補助しパイロットの負担を軽減するもの.
 必要な情報の管理や航法計算の処理などを行うもので,民間では類似のものとして飛行管理システム(FMS)と呼ばれるものが実用化されている.

・自機防御システム
 レーダー警戒装置(RWR),ミサイル警戒装置(MWS)及びチャフ・フレアディスペンサー(CMD)を搭載することで,ミサイルなどの経空脅威に対する生存性を向上させるもの.
 RWR及びMWSは機首と機尾に設置されており,MWSはP-Xと同じものではないかと推測される.
 CMDは機体表面に埋め込まれていると思われるが位置は不明.

・空中受油機能及びNVG対応機能
 試作2号機の予算要求時に追加された機能で試作1号機は現時点で未装備.

・高高度高速巡航性能
 フラップや翼型及び胴体など機体形状の高速巡航への最適化や強力なエンジンの採用により,従来の軍用輸送機に勝る高高度での巡航速度性能を実現したもの.
 この巡航速度は,「民間航路を民間航空機と同様の速度で安全間隔を保って飛行できる」だけの速さが要求された.

 ちなみにこれらは殆どがC-17で実現済みで,A400Mも採用を予定しているが,唯一この2機種を含む既存の軍用輸送機では実現し得なかったC-X独自の新機軸が,最後の高速巡航性能である.

 【参考文献】
航空情報No769
13年度政策評価 戦術輸送管理システム関連特許

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 P-Xにて実現,採用された新機軸とは?

 【回答】
・フライ・バイ・ライト(FBL)
 電気信号をケーブルで各部に伝えていた従来のフライ・バイ・ワイヤ(FBW)のケーブルを光ファイバーに置き換えて電気信号を光に換えたもの.
 電気的なノイズを低減し,機体操縦動作と搭載する電子機材との双方の干渉を防ぐことを目的としている.

・新戦闘指揮システム
 各センサからの情報を適切に処理し表示することで,ワークロードの低減と任務達成の確実化を目指したもの.
 SH-60Kにて実用化された知識データベース技術,いわゆる人工知能の類と類似の機能を有していると推測される.

・マルチスタティック音響システム及び新型ソノブイ
 複数艦に搭載されたソナーを有機的に運用するマルチスタティック・ソナー・システムと関係すると思われるが詳細不明.
 そもそも固定翼哨戒機のソノブイ運用は複数本の使用が前提なので,機体側を複数機結びつけて音響解析を行うシステムと推測される.

・新型対水上レーダーシステム
 機首と機尾に加えて,機首両側面に大型のアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーを搭載し,水面上の目標をより遠距離から高い精度で探知することを目的としたもの.
 製作開発担当は東芝で,他の固定翼哨戒機が搭載する首振り式レーダーとは完全に一線を画している.

・対水上打撃力の強化
 対艦誘導弾の搭載本数が,P-XではP-3Cに比して約1.5倍とされており,また従来のものに加えて新型ミサイルを運用可能としている.
(現時点ではAGM-65が想定される)
 なお対艦誘導弾の外部懸架数8本という説は,検討用に作られたと思われるP-Xの模型が8本の対艦誘導弾を搭載していたことに由来するもので,検討の結果がどうなったのかは不明である.

・自機防御システム
 C-Xと同様にRWRとMWSとCMDを組み合わせたものであるが,P-Xは自機防御だけでなく,電波傍受による捜索も行うために,RWRではなくESMを搭載する.
 また,P-Xは能動的敵味方識別装置(AIFF)を搭載しており,航空脅威から友軍エアカバー下に高速退避する時に,友軍からの誤射が発生する可能性を極限している.
 MWSはC-X同様機首と機尾に装備,ESMは機首上部のドーム以外不明,CMDの位置もやはり不明.

 なおP-XとP-8Aの搭載する機材は,双方の情報を交換出来る程度の互換性は確保されているとされているが,FBLや新型レーダーシステムなどは明らかにP-8Aには無いP-X独自の新機軸である.

 【参考文献】
航空情報No769
13年度政策評価 20年度政策評価 (pdfファイル)

 ※某所にあった2回目のフライト(脚挙げ試験)写真で,主翼下面に武装staパイロン固定位置らしき穴を片4箇所確認.
 でも外部sta8個だけじゃ,機雷と対潜爆弾の搭載箇所が足りない(P-3と同等の筈なのに)が,爆弾倉の拡大分と合わせて同等ということなのだろうか.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」

 2013年3月26日に川崎重工からP-1固定翼哨戒機が納入されました.

 そのP-1は,現在最新鋭の航空機で用いられているフライ・バイ・ワイヤー制御方式の発展型である,フライ・バイ・ライト制御方式を世界で初めて導入しました.

制御に光ファイバー,次期哨戒機P1を納入 川崎重工:産経新聞

 フライ・バイ・ワイヤーとは操縦装置と航空機の翼の舵などを直接接続せずに,ワイヤー(電線)を通じてコンピューターに入力して,そのコンピューターが舵を作動させるシステムです.
 これにより,危険な状況でのパイロットの負担が軽減されます.

フライバイワイヤー:航空軍事用語辞典++

 フライ・バイ・ライトはフライ・バイ・ワイヤーで用いられた電線によるものではなく,光ファイバーによるコンピューターを通じた飛行制御を行うもので,これにより機体の軽量化・高速化だけでなく,電磁パルスの影響もなく,大気圏外での核爆発による電磁パルスや落雷,静電気による故障も防げますので,どんな天候でも航空哨戒活動が可能になります.

フライバイライト:航空軍事用語辞典++

 つまりP-1はある意味,どんな状況にも耐えられる哨戒機という事になります.
 初めてフライバイライトを実現した川崎重工には,頭が下がる思いです.

 ちなみに川崎重工では相次いで不祥事が起きていますが,今のところ防衛省の制裁の話はないので制裁はないと思っていいでしょう.
 ただ,川崎重工は世論に配慮して不祥事には厳粛な対応を望みたいところです.
 これだけの技術を用いているのですからね.

ねらっずーり in mixi, 2013年04月06日
青文字:加筆改修部分

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 C-X/P-Xに使われている(かもしれない)軽量化技術とは,どんなものなのか?

 【回答】
 一体成型ボックス結合型構造
 薄肉大型一体化構造鋳造

 アルミニウム構造品の新技術ですね.

JSF in 「軍事板常見問題mixi別館」

   ||
  ハ||,ハ
 ;:' ´∀`'; 
 ミ≡≡シ
  ゙'u''u"
 従来リベットで組んできた構造を鋳造一体化して軽量化する技術モサリ
 CFRPなどの新素材を活かす為の構造構築技術でもあるけど,新素材の技術ではないモサリ
 ちなみに大きくてもさもさした人に,C-X/P-Xへの適用は否定されたモサリ
 適用されるであろう「次の機体」が,何になるかは判らないモサリ

「アルミリチウム合金以外の機体構造に関する軽量化技術
 革新的軽量構造設計製造基盤技術開発」

中間報告
http://www.nedo.go.jp/iinkai/hyouka/houkoku/13h/12.pdf
事後評価原簿
http://www.nedo.go.jp/iinkai/kenkyuu/bunkakai/16h/jigo/6/1/5-1.pdf
事後評価概要
http://www.nedo.go.jp/iinkai/kenkyuu/bunkakai/16h/jigo/6/1/5-2.pdf
事後評価詳細
http://www.nedo.go.jp/iinkai/kenkyuu/bunkakai/16h/jigo/6/1/6.pdf

 中間報告にて軽量構造適用先の一例としてC-X/P-Xに言及あり.

 興味深いのが各メーカーの担当する要素と,C-X/P-X事業での開発製造分担がかなり一致していること.
 例えば機種シェル構造技術の川重が,C-X/P-Xでも機種周りを製造.
 主翼構造技術の富士重がやっぱり,C-X/P-Xでも翼構造全般を製造している.

 更に注目すべきは,技術実証フェーズがH14~15年のうちに完了していること.
 C-X/P-Xは14年に試作(2)で設計作業段階にあり,15年から試作(3)で強度試験用の01号機を製造し始めている.
 すなわち技術実証フェーズが完了した幾つかの技術が,設計及び試作製造段階にあったC-X/P-Xに適応されている可能性がある.

 もっとも,事後評価ではC-X/P-Xに一切言及してなかったので確信は持てないが,やたらと軽いC-Xの自重を説明するには,アルミリチウム合金だけじゃ十分とも思えないので.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題mixi別館」


 【質問】
 P-Xに搭載される国産ソノブイって,どんな性能なんでしょう?
 キヨは,米国製より性能は低いと言ってるようですが.

2010年06月13日 20:51,バルセロニスタの一人

 【回答】
 ……ソノブイは,現時点でも国内で製造していますよ.
 なぜ輸入もしているかについては,「ソノブイは一種類だけでは無い」とだけ.
 性能については,当然ながら防衛機密です.

 ソノブイの性能を推測できる話としては,防衛庁の「「将来ソノブイシステムの研究」に関する 外部評価委員会の概要(pdf)」などで,説明が分かり辛いとか,価格面の追及はありましたが,性能面での追求は無かったですね.
 政策評価などでも,従来品と比べ,格段に性能を向上させていることがうかがえます.
 次いで,バイ/マルチスタティックソナーという,最新技術の研究開発もやっています.

 また,一般論ですが,その国の対潜能力は,その国の持つ潜水艦の性能に比例します.
 そして,日本は最高水準の潜水艦を保有しています.

 蛇足ですが,対潜作戦っていうのは,システムでやるんです.
 ソノブイや,吊り下げ式ソナーや,レーダーなどのセンサで得た信号を処理し,水測予察を行い,情報を共有し,効果的な目標識別を行います.
 そういったもので構成されるシステムです.
 “ソノブイ”っていうのは,たくさんある要素のうちの一つに過ぎないんですよ.
 そして,一要素でしかないソノブイだけで,システム全体の性能が決まることは,まずありません.
 そこだけ取り替えても,(そこが足引っ張ってるとかでない限り)大した意味はないですね.
 また,日本は,そのシステム全体の研究・開発をしています.
 ここに外国製を入れるとすれば,システム統合からやり直すか,まるっと全部,外国製にするしかないありません.
 それがいかに無茶な話かは,説明するまでも無いですね.

 結論として,キヨはいつものキヨでした,と.

2010年06月14日 17:50,極東の名無し三等兵

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より

▼ 清谷さんのブログのこの記事ですが,清谷さんは,これを証明するソースを出すべきです.
海自は次期哨戒機を何機調達できるか.:清谷防衛経済研究所
>その他,米国製の3倍もして,性能が劣る
>(同等,それ以上ならば何故,わざわざリムパックには米国製ソノブイを購入・使用するのでしょうか)
>哨戒機用のソノブイの国産をやめることも一案です.

 しかし私が某mixiコミュニティで聞いた話では,ソノブイは国産と輸入があり,かつ1種類だけではありません.
 また,その性能は防衛機密です.

 ですので清谷さんは,この話を誰から聞いたのかを説明する責任があります.
 また,政策評価でも従来品よりも性能が向上されいている可能性が高いのを考えると,どうも清谷さんの話は信用し難いのですが・・・.
 現在,防衛省ではバイ/マルチスタティックソナーと呼ばれる,最新技術の研究開発もやっています.
 また,対潜作戦の技術はその国の潜水艦の性能と比例します.
 そして日本は,世界でもトップレベルの潜水艦を保有しています.

 ちなみに対潜作戦は,システムで行います.
 ソノブイ,吊り上げ式ソナー,レーダーで得た信号を処理し,水測観察を行い,情報共有を行い,効果的な目標識別を行います.
 ですので,ソノブイや哨戒機だけで対潜作戦は行う事は出来ません.

バルセロニスタの一人 in mixi,2010年06月22日17:47


 【珍説】
 大は小を兼ねるということでC-17を導入汁.

 【回答】
 運用費も取得費も馬鹿にならないし,あのサイズと重量では運用可能な滑走路は大幅に限定されてしまう.
 郵便配達にトレーラーを使う奴が居ないように,輸送機だって適切なサイズというものがあるのだが.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【珍説】
 似たような規模なんだからA400Mにすれば良かったじゃないか.

 【回答】
 スケジュール遅延の常習犯を待っているほどの猶予は無いし,
 しかも1機1億ユーロ以上とか舐め過ぎ.
(ドイツ空軍は更に高い価格で契約している)
 高価な機材を多数搭載するP-Xが,1機170億円で予算請求され,またC-Xが1機100億と報道されている状況にあっては,似たような規模でこの値段はありえんな.

▼ 新出の海自発P-1関係公示及び評価文書
「次期固定翼哨戒機の機種に関する検討について」
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/about/mame/budget/3.pdf

 最大の注目点は8P注1にあるP-1の平均量産単価であろうかと.
 初年度でさえお手ごろ価格170億円なのに,70機量産した場合は超お得の124億円.▲

 【参考文献】
 A400M調達価格:
http://www.jetro.be/jp/business/eurotrend/200307/200307chronology.pdf(pdfファイル)
http://www.kojii.net/news/news061013.html

 P-X調達価格: (pdfファイル)
http://www.mod.go.jp/j/info/hyouka/19/jizen/youshi/01.pdf
http://www.mod.go.jp/j/info/hyouka/19/jizen/honbun/01.pdf

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【珍説】
 P-8Aは技術発達によりMADを小型化したが,P-XのMADは旧式で大型のまま.

 【回答】
 P-8AのMADがああいう形態なのは,ただ単に機体後部にあるAPUに場所とサイズが制約されているのと,あまり長すぎると離陸時に擦る可能性が出てくるからという理由でしかない.
 というか,P-8Aに搭載が予定されているCAE社のAN/ASQ-805は,CP-140に従来のP-3Cと同じように搭載されており,三菱電機がライセンスを取っていることも確認されている.
 つまりP-XもP-8AもCP-140と同じMADを使う可能性大ということだ.
(P-Xはライセンスしたものをそのまま使うとは限らないし,P-8Aも予定通りに搭載するとは限らないが)
 そもそもP-3CやP-XあるいはP2Vのテイルブームには,細長い筒状の機材がこじんまりと収まっているだけで,別にあの空間目一杯の大きさに何かが詰まってる訳ではない.
 ちなみにP-8Aと同じように,胴体後部からMADを伸縮させる搭載方法は,S-3バイキングやS-2トラッカーでも使われている.
 面白いのはここからで,実はS-3に搭載されたAN/ASQ-81は同時期のP-3やSH-60なんかにも搭載されてる,
 つまりこいつらは同じMADをそれぞれ違う方法で搭載しているに過ぎないのだ.
http://www.designation-systems.net/usmilav/jetds/an-asq.html
 磁気探知機であるMADは機体の発する磁器の影響を受けないように出来るだけ機体から離すことが望ましいのだが,機体の特性や規模などによって離せる距離には限度がある.
 当然ながら,P-8Aの引き込み式MADは機体から離せる距離がもっとも短く,故にもっとも不利な装備方法と言えよう.
(そもそもAPUのすぐ上というのはどうかと思うが)

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 何故に民間航路を旅客機並みの速さで飛べなんて要求が?

 【回答】
 現有のC-1とC-130を運用する上で両機の遅さが問題となっているから.
 例えばC-1は最適な巡航高度が38,000フィートなのだが,実際の定期便では20,000フィートしか飛ばせて貰えない.
 巡航速度マッハ0.65程度では,遥かに速い速度で飛ぶ旅客機と同じ高度・ルートで飛ぶわけにはいかないのだ.
 しかも日本の空は過密状態と言っても良い程で,そんなところにノロマな輸送機が入り込む余地など残っていない.
 逆に旅客機と同じ高度同じ速度で飛べるなら,わざわざ低い高度を飛ぶ必要も無く飛行計画の作成もやりやすい.

 また,スマトラ沖地震の時の様な海外派遣など,緊急時でもよりスムーズに輸送機を飛ばすことが出来るようになる.

 C-Xにあのような要求がなされたのは,こうした"実績"を踏まえてのことで,決して国産開発の為の方便ではない.
 なお,アメリカ空軍も現有輸送機の足の遅さを,最近の長距離空輸の中で痛感したようで,AMC-Xと呼ばれる次期軍用貨物輸送機計画では,旅客機並みの速度という要求を挙げていることを付け加えておく.

 【参考文献】
JWings特別編集 自衛隊の名機シリーズ5 T-4/C-1/E-767

 AMC-X資料:
Defense Industry Daily
http://www.dpaas.com/luncheons/2005/AMC-XBrftoDPAAS-Allen.ppt

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 P-1搭載機材はどんなものか?

 【回答】
P-1搭載各機材の部外委託教育関係公示
http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/y3/nyuusatsu/K-19-1550-0048.pdf
http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/y3/nyuusatsu/K-19-4450-0049.pdf
http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/y3/nyuusatsu/K-19-1550-0050.pdf
http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/y3/nyuusatsu/K-19-1550-0051.pdf
http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/y3/nyuusatsu/K-19-1550-0052.pdf
http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/y3/nyuusatsu/K-19-1550-0053.pdf

P-1搭載各機材を含む調達公示
http://www.mod.go.jp/msdf/bukei/t2/nyuusatsu/K-19-6100-0062.pdf

 FLIRはHAQ-2で,US-2に搭載されてるらしいHAQ-1とはメーカーからして別.
 MADはかつてP-2Jに搭載されたHSQ-101の次代となるHSQ-102であって,メルコがライセンスを取ったCAEのAN/ASQ-508ではない模様.
 武装ラックはF-2と同じBRU-47/AのMod2を採用,2000ポンドまで吊るせる?
 レーダーシステムは固有名称無し.
 他に調達品目の中でP-1の搭載機材なのは,さてどれだろうか.

 ……探したらやっぱり出てきた.
平成17年度所管公益法人等との間で締結された随意契約の緊急点検結果等について(防衛省)
http://www.mod.go.jp/j/info/chotatsu/minaoshi/pdf/koueki/h17-mod-02.pdf
http://www.mod.go.jp/j/info/chotatsu/minaoshi/pdf/koueki/h17-mod-03.pdf
>4482 川崎重工業(株) データリンク連接装置HSA-108 1SE
>7971 日本無線(株) ソノブイ受信装置HRQ-1 1SE
>9084 丸紅エアロスペース(株) 131-9J APU 1台

 レーダーシステム関係
http://www.mod.go.jp/trdi/infomation/50years/pdf/TRDI50_06.pdf

 対潜哨戒用レーダーシステムとしてH4年から13年に掛けて実施された研究試作,研究要素は以下4項目.
・単一モジュールにて2波同時送受信可能なXバンドAESA方式
・アダプティブDPCAによる微速小目標フィルタリング技術
・高精度スキャン間積分処理による静止小目標フィルタリング技術
・冷媒冷却方式
P-1用AESAは上記4項目に加え
・気象レーダー機能
・対水上捜索機能
・対空機能
・ISAR及びSAR機能
・同時複数運用機能
以上5項目の特徴及び機能を有するということに.

 ちなみにP-8Aに搭載されるAN/APY-10も,機能だけ見れば遜色ないものではあるのだが.
http://www.raytheon.com/products/stellent/groups/sas/documents/asset/apy10_ds.pdf

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題mixi別館」


 【珍説】
 CXはRNAV装置を積んでいないので,高速航路から締め出される(キヨ)

 【事実】
 RNAVは航法手段であり,航法管制方法であって,特定機材を指す単語ではない.

 既に〔先方のブログのコメント欄でも〕突っ込まれていたニカ.

JSF

 三流評論家がどうやって的外れな批判をするのかの実例,ぐらいしかキヨのC-X/P-X批判は価値が無いんだよな.
 ちなみにYCX事業化報道時の批判も,政策評価読んでなかったり,規格外貨物の需要を知らなかったりということを伺わせる惨憺たるものだったり.
 つーか
「トラックをそのまま積める」
を文字通りに読んで意味があるのか?とか,本当に軍事評論家なのか,お前は,と.

メッサー=ハルゼー

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より


 【質問】
 今までの軍用輸送機はそんなに遅かったの?

 【回答】
 遅かった.
 ジェット推進の軍用貨物輸送機はC-1,C-141,C-5,C-17,An-72/74,An-124,Il-76などが挙げられるが,何れも巡航速度はマッハ0.7台止まり.
 一方で旅客機の巡航速度は,ボーイング757クラス以上の中・長距離を飛ぶ機種は殆どがマッハ0.8を超えている.
 あのボーイング747やA380でさえもマッハ0.84以上で巡航できる中において,軍用貨物輸送機の遅さは顕著であろう.
 ジェットですらないプロペラ推進の機種については語るまでも無く.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」

 【質問】
 なんでそんなに遅いのさ?

 【回答】
 それが軍用貨物輸送機の宿命だったから.
 この手の機種のスタイルを確立したのはC-130と言われているのだが,このスタイルは速く飛ぶという要求と相反するものだった.
 まず,大型貨物を積み込む為には胴体断面積を大きくしなければならないが,これは明らかに抗力の増大を招く.
 次に,貨物積卸の利便性を求めて胴体地上高を限界まで下げ,翼を高翼配置にしたこと,
 これによって主脚の形態に制限が課せられてしまった.
 高翼配置では主脚を翼から生やすか胴体から生やすかの二通りを迫られるが,前者は脚柱が長くなってしまい,重量の増加と強度上の不安要素発生を招く.
 後者はそのまま胴体に収納すると,貨物室を圧迫してしまうが,これは避けねばならない.
 そこで考えられたのが,胴体バルジに脚を収納することで,これにより貨物室を圧迫することなく尚且つ重量や強度の問題を避けることができた.
 しかし,主脚を収納出来るほどの大きさのバルジを設けることは,胴体断面積の更なる増加を招き,結果として軍用貨物輸送機のスタイルは,速度を出し難いものとなってしまったのである.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 同規模の旅客機737とかA320は双発なのに,P-Xがエンジンを4基積んでいるのは何故?

 【回答】
 P-Xは旅客機じゃないから.
 旅客機というのは高高度を飛んでいるので,エンジンも推力が足りるなら双発で十分,
 仮に片発停止しても高度があるので,近くの滑走路まで何とかなれば良い.
(この片発停止時に降りられる空港までの距離についての規定がETOPSで,長距離を飛ぶ大型機に双発が増えたのはETOPSの緩和にも拠る)
 P-Xは洋上を高高度のみならず低高度でも飛行しなければならないので,エンジンへの負担も大きく,旅客機の様なルールを適用するわけにはいかない.
 そもそも哨戒機は任務の性質上,平時戦時を問わず常に最前線で飛行するため,損耗率は想像以上に高い.
 また近年の固定翼哨戒機は,ASW任務のみならず不審船舶への接近を伴う捜索監視任務も担うようになってきた為,対空火器により被弾する可能性は以前に増して高まってきている.
 そんな訳でP-Xはエンジンを4基積んでるのであって,国産じゃ4基付けないと推力足りないとか,P-8Aを不採用にする方便とかでは無い.
(もっとも選定当時は,P-8Aなんて影も形も無かったけど)

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問 kérdés】
 P-1哨戒機の定員11名って多くない?
 P-8は同条件で9名じゃん.
 恒常的人手不足の海自でもっと省力化できんか?

 【回答 válasz】
 減らそうと思えば減らせるとは思うが…

https://twitter.com/gripen_ng/status/1078646455890456576?s=21
P-1哨戒機に乗ってる人たち
(コックピット)
主操縦士
副操縦士
機上整備員
(中部)
戦術航空士1
戦術航空士2
ミッションクルー1(音響)
ミッションクルー2(音響)
ミッションクルー3(非音響)
ミッションクルー4(非音響)
(後部)
機上電子整備員
武器員

 計11名.
 機長は操縦士か戦術航空士が担当
(deleted an unsolicited ad)

 基本的にP-1ってP-3Cの運用方法をそのまま利用できるように作られてる.
 P-8は無人機と組んでの運用が前提で,乗員とは別に無人機オペレータが陸上に必要だから,人員の総数的にはあんまり変わらないと思うよ.

 今後アベンジャー導入するし,それとのリンクも考えていかんとなぁ.
 アベンジャーは魚雷やソノブイ搭載もできるようだし,有効に活用できそう.

軍事板,2018/12/31(月)
"5 csatornás" katonai BBS, 2018/12/31(月)

青文字:加筆改修部分
Kék karakter: retusált vagy átalakított rész


 【珍説】
 国産P-Xなんて止めて米国のMMA(P-8A)を採用しろ(石破茂長官 2004/7/20読売報道)

 【回答】
 P-3Cの減勢は2010年には始まるんだけど,P-8Aが取得可能となる2013年までどうする気で?
 というか2004年って,P-X飛行試験1号機の契約完了しちゃってた筈だよね,
 それまでにかかった金を全部ドブに捨ててまで導入するほどの価値がP-8Aにはあったのかね?
 現在言われているような問題(重量や強度や価格)を抜きにしても,双発の旅客機がベースというのは上記の通り大問題だと思わなかったのだろうか?
 どうも旅客機改造というものに夢を見過ぎていたのでは?と言わざるを得ない.
 無事に初飛行を終え極めてリーズナブルな価格で量産機の予算が請求されたP-Xを潰して,実機すら完成しておらず,価格面の高騰や技術的不安要素を多数抱えたP-8Aを今更になって導入するなど,最早有り得ないだろう.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 P-XがP-3Cのように既存の旅客機をベースにしなかったのは何故?

 【回答】
 日本にはベースにするような旅客機が存在しなかったから.
 と言うよりエレクトラやコメットの様な100席クラスの機体で最新のは,みんな双発になっちゃったから.
 そもそもP-3せよIl-38にせよ,安易に既存機を転用した訳ではなく,どちらも前胴の短縮や尾部整形など多岐に渡る改造の末に今の形がある.(ニムロッドは言わずもがな)
 ベース機があるからといって楽できるようなものじゃないのだ,固定翼哨戒機というものは.

 勿論,日本としてこのクラスの機体を独自に作ることで,各種用途への転用改造を容易にするなどの狙いも無いわけではないが.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 C-XとP-Xの今後予想されうる派生型は何があるのか?

 【回答】
 C-Xについては,老朽化著しいYS-11EBの後継として,電子偵察を行うELINT型が実際に検討されている模様.
 それ以外では,ECM機であるYS-11EAの後継としてEC-1のようなカモノハシ面のC-Xとか.
 後はC-1FTBに替わる大型テストベッド機として,C-Xの試作機が供されるのは時間の問題かと.
 P-Xはとりあえず今現在P-3Cを改造して作った機体(UP-3C/UP-3D/EP-3/OP-3C)の後継を作るのはほぼ確実.
(UP-3Cは恐らく試作機の転用になるだろう)
 加えて弾道弾探知センサ(通称AIRBOSS)の搭載母機に,国産の大型滞空無人機が実現するまでの繋ぎとして使うことも検討されている.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 C-Xを空中給油機に改造したいんですが.

 【回答】
 フライング・ブーム方式での改造は難しい.
 ブームは一度取り付けると取り外せない上に,C-Xの場合は離着陸での機種上げ時に擦って破損する可能性大.
 ドローグ方式ならIl-78という前例があるし,A400Mもポッド付けて出来るようにするらしいけど,自衛隊でドローグ方式が必要なのは救難ヘリだけなので,C-Xの出る幕は無かろうかと.
 ヘリへの給油なら,C-X配備後に余ったC-130を転用すれば良いんだし.
 第一,C-Xは速過ぎる.

 それとC-XのSTOL性は給油機としてはハッキリ言って要らないので,同じエンジンを積んだKC-767なりA310MRTTなりを揃えた方が良い.

そんな貴方に出光興産

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 P-Xを使ってE-2C後継のAEWは作れませんか?

 【回答】
 ソフトウェア開発ノウハウが全くと言ってよいほど欠けてるので,現状では無理.

 哨戒機を改造してAEWにするのは,P-3やニムロッドといった前例があるので,P-Xもベース機とはなり得る.
 しかし肝心の機材の方は,AEWに関しては全くノウハウが無いし,E-2CもE-767も肝心の部分に日本側はノータッチ.
 FCS-3のACDSとかJADGEの指揮管制システムとかのノウハウが,辛うじて活かせるかもしれないなー,というくらい?
 そもそもE-2Cの改修予算が出てる現状では,新規にAEWシステムの研究開発予算が認められるとは到底思えない.

貴方はどの変態が好み?

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 現時点までに発生したC-XとP-Xに関するトラブルは?

 【回答】
2004年7月:
 P-Xの導入を止めてP-8Aを替わりに導入すると当時の石破防衛長官が言い出す.
 騒動は9月に長官が交代して一応終結.

2007年2月:
 米国より輸入された一部リベット類が所用強度を満たさない不良品であったことが判明.
 これにより3月中を予定していたロールアウトが延期される.

5月:
 P-X静強度試験機の水平尾翼への荷重試験にて,付根部分のセンターウェーブに変形が発生.
 検討の結果,C-Xでも同様の変形が起こり得るとされた.

6月:
 地上試験を行っていたP-XのエンジンXF7-10のベアリングが損傷,ベアリング保持器の形状を変更しベアリングへの負担を減らす改善措置を実施した.

7月:
 F-X先送りによるF-15改修の前倒し予算を確保する為,C-X量産機の調達先送りの方針を防衛省が決定.
 これにより,C-Xの量産機調達は2009年度以降となった.
 C-X静強度試験機の主脚への荷重試験にて,主脚及び隣接する胴体構造に変形と接触痕が発生.
 これにより,C-Xの初飛行は12月以降へとずれ込んだ.
 P-X静強度試験機の胴体への与圧荷重試験にて,胴体床構造の中央部継ぎ目でのひびとリベット破損,付近の金属板が盛り上がる変形が発生.
 これによりP-Xの初飛行は若干遅れたものの当初通り9月中に実施できた.

 なお,5月に発生した尾翼の問題が公表されたのは,胴体の問題と同時で,7月30日に纏めて発表された.

 ※静強度試験における各不具合は必ずしも強度不足を示すとは限らず,過剰強度であった場合も考えられるので判断は慎重に.

 【参考文献】
 リベット及びエンジン:
http://www.mod.go.jp/j/news/2007/02/02.html
http://www.mod.go.jp/j/news/2007/06/07.html
http://www.asagumo-news.com/news.html

 静強度試験:
http://www.mod.go.jp/j/news/2007/07/30a.html
http://www.asagumo-news.com/news/200708/070802/07080213.html

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【質問】
 C-Xの最大離陸重量での滑走距離はどの程度なのでしょうか?
 また,この機体の性格上,空自各基地の内1500m級でも十分なペイロードがあると思いますが,どの程度なのでしょうか?

へぼ担当 in 「軍事板常見問題 mixi別館」

 【回答】
 C-X民間転用構想パンフから,MTOW時は2300/2400mと推定,ちなみにMTOWは141.1tね.
 んでもって空自での運用は"標準"離陸重量120tの内に収まる範囲だろうと推定出来るので,ペイロードはこの中で割り振ることになる.
 運用自重は60tなので残り60tをどう分配するかということになるが,ここでもう一つの制限事項として着陸重量が出てくる.
 詰まるところ,着陸するまでに燃料を消費して軽くなっておく必要があり,ペイロードは最終的に着陸時に残す予備燃料と着陸重量によって制限される.
 恐らく最低でも26t以上,推定では30t前後じゃないかと思われ.

メッサー=ハルゼー in 「軍事板常見問題 mixi別館」


 【珍説】
http://kiyotani.at.webry.info/201001/article_2.html
> 今後C-Xが順調に生産に移るにしてもC-130あるいはC-27Jクラスの輸送機は依然
>必要だと思います.それはC-Xでは運用可能な飛行場が限れられているからです.

 【事実】
 またキヨタニさんが根拠も無く,口からデマカセを・・・

JSF,2010年01月05日 18:37

 そう思うのなら根拠のソースぐらい出そうや,キヨさん.

 つーか,この人どうしてここまで国産を忌み嫌うんだろう?
 まさか,「外国製品が安いから」なんてアホな事を考えてるからか?

バルセロニスタの一人,2010年01月05日 19:29

 もし,YCXパンフの離着陸滑走路長を根拠として出してきたら,盛大に吊るし上げて哂ってやった上で,断筆することを,その自称軍事ジャーナリストにお勧めするモサリよ.
 まあ根拠を出さなくても吊るすモサリが.

 C-X配備枠の拡大こそあれど,装備体系を無視したガラクタ入れて配備枠を圧迫するなど,有り得ないモサリ.

モッサー=ハルゼー,2010年01月05日 20:10

以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分


 【質問】
C-2の重量超過問題と空自の隠蔽体質について:清谷信一公式ブログ
というのは本当ですか?

 【回答】
 これは酷過ぎて目を覆いそうになりました.

 現在開発中のC-2輸送機の重量が,超過した問題です.
 この程度の重量ならば,まだ落とせますし,特に影響もないかと思われます.
 清谷氏もC-2は欠陥機ではないと証言しています.

 問題はその後の文章です.

――――――
 恐らくは当初,重量超過はもっと深刻だった.
 それを何とか公表できるレベルまで減らしたのでメディアにリークした,という所ではないでしょうか.
 必要な情報を開示しない空自は,そのように疑われても仕方ないでしょう.

 このような「ばれなければいい,ごまかし通せば勝ち」的な隠蔽体質が,官製談合を生んだりする土壌になっています.
 その官製談合の後始末にしても,本来2年で交代するはずの空幕長の任期を意図的に伸ばして,「辞任」したフリをして責任を取ったフリをしました.
 恐らく反省なんかしていないでしょう.

 空自官製談合,外薗航空幕僚長辞任のは納税者を謀る猿芝居
http://kiyotani.at.webry.info/201012/article_10.html
――――――

 いやあの・・・何を根拠にそんな事を言っているのですか?
 毎度の事ながらこの人,何か報じるのはいいとして,全くソースがないんですが.
 というかほとんどこれ,清谷氏の妄想にしか思えないのですが.

 この人,以前も自作自演疑惑があったり(言い訳も高校生並み),「プールにうんこ」とか小学生や中学生みたいな事を書いたりしていますが,まさかこんな陰謀論者みたいな事まで書きだしたとは.
 この人の信用は,完全に地に落ちました.
 まぁ,もともと地に落ちてただろうと言われれば,それまでですが.

【雑記】キヨがホホイと同類だった点について
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1581097101&owner_id=23170483

【軍事ブログ】キヨの品性低下を嘆く記事
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1588539778&owner_id=23170483

 しかもロシア軍は,未だに1990年代と変わらないと思っているところもありますし,正直この人も陰謀論者のカウントに入れてしまおうと思っているのは私だけでしょうか?

 さらにこの記事に至ってはもう,2chにいる「ネトウヨ連呼厨」と変わらない事を証明してしまいました.

――――――
 さて欧州で開発されている輸送機A400Mは重量超過だが,C-2は少ない開発予算で受領超過もない優等生だ,という「愛国的」なリテラシーの欠如した意見がネット上で多く見られました.
 ネガティブな情報を開示する側と,開示しない,あるいは隠蔽した側を同列に論じても意味がないことです.
 「大本営発表」を鵜呑みにするような,自衛隊のいうことは常に正しい,権威信仰あるいは思いこみは有害でしかありません.
 彼らはまさに空自の情報操作に踊らされてたわけです.
――――――

 愛国的って・・・.
 客観的な説明でしょうに.
 A400Mはあれだけ開発費用を投じて,12トンの重量超過で,プーマ装甲歩兵戦闘車が搭載できない有様なんですから.
太り過ぎたエアバスA400Mは飛び立てるのか:週刊オブイェクト

 それに,輸入兵器の価格とスペックを鵜呑みにしている清谷さんが,大本営だ何だと書いても説得力はありません.
 まして自演疑惑や,「プールにうんこ」などと書いている清谷さんなら,なおさらです.

 ・・・もう萎えますよ,こんな陰謀論を展開しているのだから.

バルセロニスタの一人 in mixi,2011年03月29日00:27
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 P-1のエンジントラブルについて教えてください.

 【回答 válasz】
 海自が厚木に配備した川崎P-1哨戒機がエンジンの不具合により飛行停止になりました.
 2013年6月20日午前に防衛省が発表したところによれば,同月末に追加納入する予定だったP-1量産機,2機のうちの1機の試験中,エンジンに不具合が見つかったため飛行を停止にし,納入を延期.
 5月13日に愛知県沖の太平洋上にて,速度超過警報の作動を確認するため,愛知県沖の高度約1万メートルから約2千メートル急降下し,通常飛行に戻そうと急減速した際,燃料が十分に供給されず,4基あるエンジン全てが停止したのだそうです.
 エンジンはIHI製.

 今年3月に厚木にデリバリーされた機体で,まだテスト中の機体なので,エンジンの不具合の発覚はむしろ歓迎すべきですが,飛行中に4基のエンジンが停止したという事態なだけに,海自のパイロットや飛行ルート上の住民の生命の安全を考えての措置です.

「P1」2機配備延期,原因判明まで飛行停止:読売新聞

次期哨戒機:飛行試験中,「P1」エンジン全4基停止 防衛省,地元説明避ける

 エンジンの不具合の原因はまだ調査中で続報が待たれるところですが,場合によってはIHI F7-10エンジンと同じ出力を持つCF34-8を搭載し,F7-10は改良のためにしばらく調達が停止される可能性もあります.

川崎P-1:chf_pack解説

ゼネラル・エレクトリック TF34/CF34 - Wikipedia

 とはいえまだ飛行試験中の機体ですので,エンジンの不具合発覚でエンジンがさらなる改善がされれば,F7-10の調達は再開されるでしょう.

 ただ,F-2の時同様,P-1のIOC(初期作戦能力)の付与とも言えるアラート任務への配備は遅れるのは避けられません.
 しばらくはP-3Cの稼働率向上とアップデートで凌ぐしかないでしょう.
 これは海自自衛官や周辺住民の安全を考えればやむを得ない事です.
 「事故は神様のお告げ」などという非人間的な言い訳はとうてい許されるものではなく,海自の判断はむしろ正しかったと見るべきでしょう.

 来年には空自のC-2の開発が終了する予定ですが,このような事態にならない事を願うばかりです.

ねらっずーり in mixi, 2013年06月23日
青文字:加筆改修部分

 その後,P-1は10月から飛行再開.

海自最新鋭P1,来月にも飛行再開…不具合特定:読売新聞

 エンジン不具合の原因は,エンジン量産化する際にエンジンの仕様を試作機から変更したことと防衛省はみて調査していましたが,判明したところによれば,燃料噴射弁の肉厚によるもので,エンジン制御ソフトウェアを改修した事で対応する事が出来ました.

防衛省・自衛隊:固定翼哨戒機P−1のエンジン不具合への対応について

 なお,この情報を提供していただきたのはフォロワーでもあるTACCOさんでした.
 貴重な情報をありがとうございました.

 【参考ページ Referencia Oldal】
https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2000J_Q3A620C1EB1000/
https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-41766.html

ねらっずーり in mixi, 2013年10月06日
青文字:加筆改修部分


 【質問 kérdés】
 AEW型P-1について教えてください.

 【回答 válasz】

 [中略]2014年9月に防衛省がE-2Cの後継にP-1のAEW型の開発に着手したという話がありました.

 これは自衛隊が運用しているE-2Cの後継として,また,遠方から高精度に弾道・巡航ミサイルやステルス機をより早期に探知できるよう電波センサと赤外線センサを融合させ,更にパッシブレーダー能力を付与した国産早期警戒機で,2025年頃を目標にしています.

 この計画ではまず,2000~2010年度において,「将来光波センサシステム構成要素技術の研究」の名目で,UP-3Cを試験母機にした「将来センサシステム(搭載型)」と呼ばれる航空機搭載型赤外線センサシステムを開発.
 このセンサシステムは通称エアボス(AIRBOSS,Advanced Infrared Ballistic-Missile Observation Sensor System)とも呼ばれ,2005年11月および2007年(平成19年)12月,ハワイでの試験で弾道ミサイルの捜索・探知・追尾に成功しています.
 また,2005~2012年度において,「2波長赤外線センサ技術」を研究し,2007~2010年度においては,「早期警戒滞空型レーダ技術」を研究.
 上記研究の成果を反映して,2010~2017年度まで,「電波・光波複合センサシステムの研究(遠距離探知センサシステムの研究)」の名目で,電波(レーダー)と光波(赤外線)で得られた情報を融合させて目標を探知する航空機搭載型センサシステムを開発しました.


防衛省,P-1改造早期警戒機の研究に着手:Fly Team

対潜水艦哨戒機「P-1」をベースに早期警戒機の国産開発スタート…E-2Cの後継候補に!:軍事・ミリタリー速報

 そのP-1AEW型に搭載されるレーダーは国産で,固定式警戒管制レーダー装置であるJ/FPS-5がE-2Dに搭載されているAN/APY-9と言われています.
 もっともJ/FPS-5は地上の固定式警戒管制レーダーですから,これの空中での早期警戒型レーダーを開発するとなると,莫大なコストがかかるのは自明.
 それならばE-2Dを導入したのだからAN/APY-9を輸入した方がコストもかかりませんし,整備でも部品共用が可能になりますので,無理してJ/FPS-5の早期警戒型を開発しなくてもいいような感じもします.

 ただ,現状P-1のAEWを空自で導入すると空自の早期警戒(管制)機はE-767,E-2D,P-1AEWと3機種体制になってしまい,整備や教育訓練でコストがかかってしまいます.
 E-2Dが導入された要因の一つは,E-2Cの運用に慣れた隊員に対する教育訓練や整備でのコスト軽減もありました.

 また,海自は空自の機体を導入した,または導入しようという構想があった経緯がありますが,空自が海自の哨戒機などを導入しようとした前例はありません.
 まぁ,哨戒機など空自は使う用途がないのですから同然ですが.

 そこで空自のE-2Cの後継をE-2Dにして,P-1AEW型は海自でイージス護衛艦やあきづき型DDのような防空艦を支援するためのAEWにしてみてはどうでしょうか.
 もちろん統合運用の時代ですから,空自のE-2Dとも共同で防空のための早期警戒任務に就きますが,基本的には海自の艦艇向けのAEWにするという事です.

 特に海外派遣の場合,空自のE-767やE-2Cは我が国の防空任務もある以上,海外への派遣は難しいですが,海自のP-1AEW型なら海外への派遣も可能.
 P-3CからP-1への更新により今後,我が国の哨戒機の数は削減されていく可能性を考えると,リソースの確保は可能でしょう.

 問題があるとすれば,海自にAEWでのレーダーの運用が出来る隊員がいない事.
 この点では統合運用を考えると,空自のAEWの隊員を搭乗させるのが一番でしょう.
 どのみち海自隊員にAEWの教育は時間がかかる以上,ある程度の期間だけでも空自隊員を海自のAEWに搭乗させてもいいでしょう.
 米海軍ではEA-6Bに空軍のオペレーターを搭乗させているぐらいに統合運用が図られているのですからね.

ねらっずーり in mixi, 2014年11月24日
青文字:加筆改修部分

 その後,2015年度概算要求において,「国産大型機への早期警戒機能付与に関する調査研究」という名目で風洞を用いた空力試験を実施する予定でしたが,予算を認められずに終わっています.

 一方,海自OBと企業エンジニアによる勉強会(ASW勉強会,A-SAM勉強会)では,P-1にレーダーを搭載し捜索専門とする支援機(FOS)をセンサーの一部とする,J-CECと呼称される国産共同交戦能力の整備を提唱.
 このP-1(FOS)のイメージ図は,平均台型のレドームと光波センサーを装備する早期警戒型となっていました.


 しかし,それ以降,AEW型P-1についての続報はありません.
http://www.dmrsc.com/AEW/AEW_201x.html

 2019年度予算において,E-2D×9機が一括計上されており,
https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2019/yosan.pdf
AEW型P-1のほうはどうやら目が無さそうな状況です.

2021.4.9


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