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作:寄星蟲
「BLOGOS」◆(2012/11/06) 核燃料サイクルは安全保障の観点から止められないー民主党政権の原子力政策の死角 - 金子熊夫
「Gigazine」◆(2012/04/02)各電力会社の電力供給源や発電所の場所を見える化した「日本の電力地図」
「kojii.net」■(2012/05/21 07:12) 自由化・規制緩和を取り巻くフェーズ
「NHK」●(2013/04/10) 佐渡沖 石油・天然ガス試掘へ
「Togetter」◆(2013/02/25) FIT界隈メモ
「VOR」◆(2012/06/29)日本で大量のレアアース発見
「VOR」◆(2012/10/03)日本でシェールオイルの採取成功
「VOR」◆(2012/11/04)日本,全長1400kmの露日直通ガスパイプラインという選択肢を検討
「VOR」◆(2013/02/24) 米国でのシェールガス購入 日本の支出を15%削減
「VOR」◆(2013/04/03) ガス供給先の多様化を図る日本
「WSJ」◯(2012/11/12) 中国以外から5割確保へ=レアアース調達で─枝野経産相
「アルファルファモザイク」◆(2010/11/18)民主党 「石油石炭税,50%増税するから.よろぴく」
「一色靖 in Twitter」◆(2011/06/27)小出氏の工業嫌いは,すごくて,先進国はエネルギーを工業でガバガバ使ってるという,かなり昔の認識を持ってます.
今やそれが時代錯誤な錯覚なのは
http://bit.ly/m6B6IE
http://bit.ly/kOMQm
に書きました
「産経」◆(2013/08/03) だましだましの「原発ゼロ」限界 九州電力,需給一気に悪化
山水(飲料用) in twitter
ダウト.企業は血のにじむ努力の末達成,けど家庭は取り組みも甘く達成できませんでしたとさ.http://j.mp/JpDQQ0
(東京新聞 2011-10-15) QT @TakedaKunihikoB
…日本の家庭ではすっかり「節電」が定着しています.
「人民網」◇(2012/10/11)日本がレアアース研究加速,中国依存の脱却目指す
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2010/05/12)中国レアアース鉱山が続々閉鎖 日本経済の命綱に供給不安
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2010/12/06)レアアース補正予算は効果なし 来年度に一段と深まる供給不安
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2011/11/01)【出口治明の提言:日本の優先順位】食料自給率の低下は, TPP反対の主因となるほど悪いことなのか
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2012/08/17) 政府案は技術進歩を過小評価 家庭の電気代はむしろ減少する ――三菱総合研究所 小宮山宏理事長に聞く
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/01/11) 【橘玲の日々刻々】エネルギー危機はなかった! 報道されない“不都合な真実”
> エネルギー問題について“常識の嘘”を暴いた川島博之氏の書籍『電力危機をあおってはいけない』を取り上げたい.
> 本書の主張は,端的に1行で要約できる.
> 「人口が減れば,電力消費も下がる」
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/02/07) 石炭火力に立ちふさがる環境省 東電再生と電力再編に大きな壁
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/02/25) 【橘玲の日々刻々】食糧危機はウソだった! 報道されない“不都合な真実”
>食糧自給率”や“食糧安全保障”といった言葉に踊らされる日本国内の議論がいかに不毛か
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/04/15) 【伊藤元重の新・日本経済「創造的破壊」論】日本の電力システムを 創造的に破壊すべき3つの理由(上)
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/04/22) 【伊藤元重の新・日本経済「創造的破壊」論】日本の電力システムを 創造的に破壊すべき3つの理由(下)
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/06/05) 石炭入札で独占体制にメスも 険しい東電火力“解体”への道
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2012/06/28) はるやま商事社長 治山正史 節約疲れ,自粛疲れの消費心理が出てきている
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2012/06/26) 大飯再稼働も電力需給は逼迫 綱渡り続く政府の“瀬戸際戦略”
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/09/02) 東電と原発問題のメドをつけない限り 電力システム改革は机上の空論で終わる ――安念潤司・中央大学法科大学院教授インタビュー
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/09/09) 【石川和男の霞が関政策総研】電力とガスの本当の既得権者は誰なのか?
理解すべき料金の「内部補填」という設計思想
> 規制に守られて既得権を維持してきたのは,供給者である電力会社ではなく,需要家である一般消費者等であるというのが正直なところなのだ.
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/07/29) 日本近海に豊富に眠る“燃える氷” メタンハイドレートって何ですか?(前編)
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/08/26) メタンハイドレートの資源量は輸入LNG11年分 “革命”には力不足でも期待大きい商業生産
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/09/30) ウランと原発一体販売応用? 東芝シェール輸入劇の裏側
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/10/07) 【石川和男の霞が関政策総研】電力自由化は電気料金に悪影響と知っていながら 経産省が電力自由化に突っ走るのはなぜか?
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2013/10/21) 【伊藤元重の新・日本経済「創造的破壊」論】電力システム改革こそ,「民間投資を喚起する成長戦略」の最大のカギ
「東洋経済オンライン」◎(2012/10/05) 国内初のシェールオイル,商業化の可能性
「東洋経済オンライン」■(2013/03/22) メタンハイドレート,日本海側でも本格調査へ
「東洋経済オンライン」■(2013/03/29) 「シェール革命」,大阪ガスが先手
「東洋経済オンライン」■(2013/05/22) 米国「シェール」輸出解禁,本命は大阪ガス
「東洋経済オンライン」■(2013-06-24) 【レアメタル王・中村繁夫の「スレスレ発言録」】日の丸ソーラー産業よ,中国を使い倒してしまえ
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/08/13) ◆水力発電少雨でピンチ 低い稼働率,電力需給逼迫も
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/08/19) ◆年間1億9000万円を削減,東京都が10月から271施設を新電力に
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/02) ◆新電力巡る動き活発化(2)
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/06) ◆新電力VS大手,探り合い 安価攻勢,越境販売……火蓋切られた顧客争奪戦
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/07) ◆「原発ゼロ」後も電力は安定 関電,使用率90%予想|朝日新聞
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/07) ◆販売……火蓋切られた顧客争奪戦
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/14) ◆8月の発受電電力量,前年比横ばい 火力向け石炭消費は過去最高|日本経済新聞
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/14) ◆中部電が5〜10%値上げ 来春,原発停止が重荷(有料会員限定)|日本経済新聞
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/16) ◆「火力で財務悪化」強調 6電力 相次ぐ値上げ|東京新聞
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/16) ◆原発再稼働,遅れれば… 電気代25%上昇|日本経済新聞
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/16) ◆「原発ゼロ」で火力発電所の負荷・事故リスク高まる,エネルギーの分散は必要か【争点:エネルギー】|ハフィントンポスト
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/21) ◆関西電力,首都圏での電力小売り参入を検討|読売新聞
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/24) ◆電力小売の自由化に向けて制度設計が始まる,送配電は事業者を3区分|ITmedia
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/09/24) ◆スマートコミュニティの中核となるコミュニティ・エネルギー会社|環境ビジネスオンライン
「日経」●(2013/01/09) 中小水力発電,開発構想が各地で始動 国内の潜在力は原発14基分
「日経BP」◆(2012/05/22)猪瀬直樹:新電力を30%に高める「育成案」を国に提案
野口健 @kennoguchi0821 in twitter(2013/06/29)
◆名古屋でのイベント後に武豊火力発電所の見学.
あまりに老朽化し錆びだらけ施設に驚かされた.
本来ならば解体されていたはずの施設.
しかし停止した2年後に3・11.
原発が停止.
電力が足りなくなると慌てて動かした火力発電所.
ボロボロの火力発電所電力を頼っている現実に,改めて唖然とさせられた.
「ポストセブン」◆(2011/08/10)黙殺された野村総研の“TV消せばエアコンの1.7倍節電”報告
ソースがソースであるだけに,要クロスチェック
『基本を学ぶ 電力工学』(安岡康一著,オーム社,2012/11)
『田中角栄,封じられた資源戦略』を読み解く (2013/01/23)◆「国際インテリジェンス機密ファイル」
『電力システム工学』(大久保仁著,オーム社,2008/12)
> 電力の発生から送電・変電・配電を通して需要家に供給される電力システムについて,機器や設備というハード面と,それらを運用・制御するソフト面の両面から考える電力システム工学のテキスト
『電気のしくみ 発電・送電・電力システム』(佐藤義久著,嶋田隆一監修,丸善出版,2013/1/30)
【質問】
LNG対日輸出削減問題とは?
【回答】
日本は2010年まで毎年1197万トンのLNG(liquified
natural gas)をインドネシアから輸入してきたが,これを2011〜2015年には300万トンに,2016〜2020年には200万トンに減らすという問題.
2009/2/13,予備合意書調印がなされた.
日本は世界のLNGの40%を使用しており,インドネシアは世界の20%,1361万トンを輸出している.
詳しくは,
「Indonesia, The Jakarta Post」:LNG RI signs
deal with Japan on gas sales extension
および,
【日刊 アジアのエネルギー最前線】,2009/2/17付
を参照されたし.
後者メルマガは,
>サハリンなどもあるが,(日本にとって)厳しい情勢だ.
と悲観的見通しを述べている.
【質問】
原油枯渇が心配されますが,日本の石油備蓄量は?
【回答】
平成20年4月末時点で国家備蓄が99日分 原油5096万kL
民間備蓄画78日分 製品で3819万kL 合計176日分です
ソースは資源エネルギー庁
http://www.enecho.meti.go.jp/info/statistics/sekiyubi/pdf/h20/080616oil.pdf
ちなみに,二十年〜三十年で石油が枯渇すると言われていたのはオイルショックの時代から.
三十年たっても同じように言われているということは,あと三十年たっても「あと三十年」って言われているだろうということ.
なぜなら原油高騰に伴って,
1. 新規油田開発に投資しても見返りが期待できるようになり,新たな油田が発掘される
2. それまでは採算が取れなかった低品質原油も商品とする価値が生じ,流通に加わる
3. それまでは採算が取れなかった油田や放棄された油田も,新たに採掘する価値が生じ,流通に加わる
4. それまでは採算が取れなかった原油材料(オイルシェルなど)も商品とする価値が生じ,流通に加わる
まあ,ムダがなくなるからってーか.逆に言えば,それでも出なくなった時には本当にダメって事だが.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
2008年の原油高騰が,自衛隊にもたらした影響について教えられたし.
【回答】
原油高騰に伴い,当年度の海演(年一度行なわれる海自最大規模の演習)見直し・中止が検討されたという.
また,「米での潜水艦訓練に向かう潜水艦」の派遣期間が五日短縮されたが,これもその影響なのかもしれないという.
燃料費は当初見通しより六割上昇したそうで,危機的状況といって差し支えななかったという.
詳しくは
おきらく軍事研究会,平成20年(2008年)8月4日
を参照されたし.
【質問】
日本を産油国にする!(前篇)
by エネルギー研究者・小西哲之
ですが,日本は本当に産油国になれますか?
【回答】
来年のトンデモ大賞候補が見つかった!
〔略〕
小西哲之氏は特大の「釣り師」か?それとも「詐欺師」か?と言うのが正直な感想.
真面目に研究をやり過ぎて,核融合の実用化(もしくはスピンアウト)は何時?.と迫られて苦し紛れに提唱しているとしか,評価できません.
専門従事者の端くれとしては,
「馬鹿にするのもいい加減にしろ」
と「酷評」されるレベルです.
私個人なら正気を疑います.
初めて読んだ時に,真面目に私自身の目すら疑ったレベルです.
狂気もここまで来ればたいしたもの.<感心してどうする.
大体にして1000度の高温を得るのが難しいと言っても,現在の超高効率ガスタービンでの最高温度は1500度レベル.1000度など10年以上前にクリアしているレベルです.
しかも燃料は天然ガスでOK.
原子力の世界では,日本国内でも高温ガス冷却型原子炉(日本原子力研究開発機構のHTTR)にて,既に900度レベルを達成していますし,何が哀しくて,わざわざ遮蔽(熱・放射線・真空いろいろな課題があります)等の問題がある核融合を使わなければならないか,と小一時間.
それほど核融合は肩身が狭いのか?と問い詰めたくなりますね.
まあ,実際なかなかITERですら難しいところですから,現実から逃げたくなる気持ちも分かります.
これが一般の方の提唱なら,笑って見過ごしたところですが,仮にも専門従事者の端くれであるなら,「釣り」や「詐欺」まがいのことを提唱した責任を取れ!と徹底的に問いたいところ.
皆さんは如何お考えでしょうか.
へぼ担当 in mixi,2010年06月22日20:28
【質問】
>●900度を出すには核融合じゃなきゃだめなんですか?
のセクションは読みましたでしょうか?
だいたい,へぼ担当さんの批判に応えているように思うのですが.
「高温ガス炉という,世界最高温度の950度が出せる原子炉」にも言及してますし.
>大体にして1000度の高温を得るのが難しいと言っても,
>現在の超高効率ガスタービンでの最高温度は1500度レベル.
>1000度など10年以上前にクリアしているレベルです.
>しかも燃料は天然ガスでOK.
いや,小西さんも書いてますけど,燃料作るのに化石燃料燃やしたらダメなのと違いますか?
どう考えても出てくる燃料のほうが少なくなりますよね?
化石燃料頼みのエネルギー問題をどう解決するか,というのが所期の目的なので.
「300度の原子炉で電気を作って,電熱器で900度を出すやり方でも,差し引きするとプラスになるので,とりあえずそれでもいい」
とも書いてますし,熱源は必ず核融合でなければならない,と主張しているわけでもないと思いましたが.
ps
後編も読んでみましたけど,こっちはなんだかなあ.
物理学者が「マイナス・イオン」という用語を使うのは,まあ大衆に媚びているだけなのでしょうが,ちょっとショック.
バグってハニー in mixi,2010年06月23日 00:27
【回答】
基本的に読みましたが,内容のミスリードで
「核融合反応を使わなければ割に合わない」
と誤解させているのが悪質と考えています.
中身で言及されているとおり,
「燃料を作るのに,それ以上の燃料を使ってはならない」
これはその通りです.
ただ,それを超えるのに,中身が簡単でエネルギー収支も計算しやすい化石燃料ならともかく――これならトンデモと簡単にばれる――,読者が分からないことを良いことに,核融合反応を持ってくることが悪質なのです.
核融合反応反応だけなら,重水素やトリチウムなど燃料を確保すれば,後は加速器でぶっ飛ばせば反応だけは起こります.
実際に私個人も学生時代に,加速器を用いて反応を起こさせています.
ただし,自己点火を起こさない限り,加速器でぶっ飛ばす時点で大量のエネルギーを食いますので,その時点で完全にエネルギー収支はマイナスです.
私ならそこまでする以前に,加速器を駆動させるエネルギーの代わりに,マイクロ波照射(要は巨大電子レンジで,核融合炉では必須アイテムです)で済ませますが,ここまで書いていて,もう既に頭が痛い.
また,「重水素やトリチウムなど」の核融合燃料をどうするのかも,まともに答えた物になっていません.
そもそもトリチウム自体が放射能そのものですので,そのような物が少しでも残ったら,一般環境下では怖くて使えません.
もちろん閾値がありますが,普通の水素,水と区別できない分,極めてやっかいであり,厳重な取扱いが必要です.
ごく少量とはいえ,トリチウムが混入した水を誤って海水放出分に混入させてしまい,大騒ぎになったこともあるのですが,一体何を考えているのか.
それでも専門従事者の端くれか?と技術的センスを問いたくなります.
私から見れば,そこまで核融合反応の利用には制約があるのに,それに固執する意味を見いだせません.
また,放射能の問題は抜きとしても,たとえ核融合反応と言えども自己点火しなければ,それをもたらすのに加速器駆動他の必要なエネルギーすら賄えない――この点を巧妙に隠しているのですが――現時点での技術では,詐欺的としか言いようがありません.
<北朝鮮が「核融合」に成功した!と主張するレベルの問題です.
反応だけなら,学生時代の私にも出来ます.
ただ,未だかつて水爆以外に世界で,エネルギー収支がプラスになった事例がないのですが.
それが事ここに至るまで,核融合炉が実現しなかった最大の理由です.
まだ,高温ガス冷却型原子炉で得られる超高温を用いる,とされていれば信用のしがいもありましたし,まあ,やる意味もあるのかな,と言うところなのですが.
まとめると,鶏を割くのに「牛刀」どころか「水爆」を用いてどうする.制御された「水爆」ならエネルギー収支はマイナス以外の何者でもないぞ!と言うことで.
また,温度とエネルギーを混同させて語る時点で,騙す気満々と言うところなのですが.
「マイナス・イオン」については突っ込む気にもなれません.
前半だけで完全に論理が崩壊していますので,それ以上のお話しは無駄と言うことで.
以上,ご参考まで.
へぼ担当 in mixi,2010年06月23日 01:41
【質問】
なぜ日本は金鉱石を産出するのか?
【回答】
金鉱床はどうして出来るか….
初歩的な説明をする場合,次のような感じになります.
日本の場所は,北米,ユーラシア,太平洋,フィリピン海の4つのプレートの境界に位置しています.
今日も地震がありましたが,プレートが動くことで,その衝撃で地震や噴火が起き,岩盤には多くの割れ目が複雑に作成されていきます.
その割れ目から雨水や川の水が浸透して,地下に溜まっていきますが,此の地下水は地表近くでは冷たい…と言うか温度が一定状態となります.
しかし,地下深くになると,地下水は気圧などの影響を受けて温度が上昇し熱水となります.
熱水には珪素や硫黄が大量に溶け込んでいます.
金は水に溶けませんが,硫黄を含んだ水の中には溶けやすい性質を持っています.
熱水は,周囲の岩石と反応し,色々な元素を溶かし込んで割れ目に沿って上昇していきますが,地表に近付くと温度や圧力が次第に低下し,熱水は冷やされて金は二酸化珪素と共に岩石の割れ目に沈殿していき,その沈殿が繰り返されることによって,割れ目が二酸化珪素その他の鉱物で満たされていきます.
この二酸化珪素の鉱脈の中に金が含まれるものがあり,多くの鉱脈が広範囲に集まることで,地中では鉱床となっていきます.
或いは,熱水の沸騰で地表近くまで上昇して鉱床となる場合もあります.
金山の地形学的な特徴は,丘陵地乃至1,000m以下の比較的低い山で,上部が浸食作用によって丸くなっている事が多く,鉱床が地表近くに上昇すると,鉱床の一部が浸食によって露出する事で人の眼に触れることとなる訳です.
また,金山は火山の近くに多いのですが,火山礫の中には金は発見されません.
その金鉱脈の中には石英があり,その空隙には水晶,氷長石,方解石の結晶が成長していきます.
金鉱脈が露頭している時に,地形の崩壊や雪崩などによって岩片を剥ぎ取ったり,風化などの破壊作用に晒されるなどすると,その鉱石は脆くなり分解します.
その分解した部分が長い年月を経て地中や川を転がり流される間に,金は鉱石から分離し,比重の大きな金粒は地中や川底に堆積していきます.
川底の砂金は,上流では剥がれ落ちたばかりですから角張っていますが,下流域になるほど角が取れて細かく,丸くなっていきます.
海岸まで流されてしまうと例外なく微細な砂状となります.
砂金と言えば,大抵の場合,砂状のものを思い浮かべますが,Nuggetと呼ばれるものは,正に金塊.
大砂金塊の最大のものは,オーストラリアで採取されたWelcome
Strangerと呼ばれるNuggetで,これは75kg余りの大きなものです.
因みに,日本の場合,藤原秀衡の棺には32gの砂金塊が副葬品として入れられていました.
日本最大の砂金塊は,1900年9月枝幸ウソタンナイ川支流のナイ川で採取した重量769gのものです.
大粒の砂金塊は一般に山師が見つけてもひたすらに隠す場合が多かったり,逆に針小棒大に詐欺紛いの手法を用いる事をしたりするので,中々実態を知ることが難しかったりします.
貧鉱を富鉱として何も知らない金持に売りつける手として,例えば,試験堀の際に一旦30匁程度の砂金を地表にわざと流しておいて,恰も鉱床が有る様に見せかけ,最後に人夫が口に含んでいた金塊をポトンと落っことして,さも大砂金鉱床が有る様に演出したり(実際に,この手でとある富豪から大金をせしめた…が,人夫の口止め料として酒2升を渡したのが運の尽き.その人夫が酔っぱらって喋ったことから,事が露見したとか),貧鉱脈に対し,散弾銃に砂金を詰めて発射し,大学の教授を案内して鑑定を依頼し,富鉱と言うお墨付きを得て高値で売却するなど,海千山千の山師達は,あらゆる手を使って,貧鉱脈を富鉱脈に見せかけようとしていました.
因みに,熟練した砂金堀が見ると,一見して砂金の採掘場所が分かると言い,砂金堀は新しく自分が開拓した採掘場所を絶対に秘密にしていたそうです.
枝幸のペーチャン小川の砂金を発見した砂金堀某は,人に知られないようにこっそり掘っていましたが,ある日,枝幸の遊郭に登楼し,遊女に砂金を与えたのが運の尽き.
此の砂金が別の砂金堀の目に触れ,見慣れない形の砂金を見た砂金堀は某の跡を付けて新砂金採掘場所を知ったと言います.
砂金ではなく,山金の場合は,平均的に鉱石1トンに対しその含有率は5〜10g,菱刈鉱山の場合はこれが50〜60gと高品位であったことから話題になりました.
これらの金は中々肉眼で見分けることは難しく,1トン中200g以上の富鉱石でも金を見分けにくいそうです.
日本の山金で最大のものは,1903年12月に宮城県気仙沼の北方10kmにあった鹿折鉱山で発見されたもので,鉱石37.5kg中に7.432kg,即ち鉱石の2割が金という富有鉱で,これは当時のお金で10万円で売却したそうです.
眠い人 ◆gQikaJHtf2,2009/04/21 21:58
【珍説】
九条の会:戦争放棄の堅持訴え…初の全国集会[6/10
毎日新聞](リンク切れ)
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作家の小田実さんは「資源もなく,食糧自給率の低い日本は,自衛できない.国を守るためには,戦争のない世界をつくるという理想こそが現実的で,その土台にあるのが平和憲法だ」と呼びかけた.
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【事実】
>資源もなく,食糧自給率の低い日本は,自衛できない.
結論から言います.
歴史的に実践例があり,可能.
イギリスは第2次世界大戦終結時,食料自給率は30%程度でした.
戦前の自給率も低いもので,今の日本と同程度(40%台)でした.
(その頃にイギリス本土で自給できていた食糧は牛乳のみ)
そして勿論,当時のイギリス国内からは石炭は出ても石油は出て来ません.
戦前のイギリスは,主要な食料及び資源を海外からの移入に大きく依存していたのです.
しかし歴史の通り,彼等は世界大戦を戦い,勝利しました.
戦後のイギリスは,大戦中にドイツ軍のUボート(潜水艦)に苦しめられ食料不足に陥った経験から食料自給率の改善を目指し,今では高い自給率を維持しています.
それに比べ,日本も戦争末期にアメリカ軍の通商破壊戦,潜水艦とB-29による港湾への機雷投下で餓死者を出す寸前まで追い詰められながら,今日の食料自給率が低い現状は確かに批判されてしかるべきでしょう.
ですが,第2次大戦時のイギリスは本土に資源も無く低い食料自給率のまま戦い,勝ち抜いて生き残った事は歴史上の事実です.
海上護衛戦・・・海軍が自国の商船を守る事で,それを達成しました.
海軍とは正にその為に存在します.
なお参考までに,お隣の韓国の食料自給率は約50%.
そして意外な事に専守防衛の自衛戦争を国是とし,他国の救援を望めない永世中立国スイス連邦の食料自給率は結構低く,60%程度です.
(以前はもっと低く,40%台という時期もありました)
これは山国で農地が限られている為です.
代償として,有事の際に畜産を止めて牧草地を農場に転換する計画や,平時から備蓄食料を貯め込んでおく事など,周到に計画を練り上げています.
<この記事へのコメント ↓>
一応農家の長男に言わせると,戦後の農地解放=大土地所有禁止が大失敗だったんですよ.
やる気がない(俺もですが)ヤツに農地があってもどうしようもなく,かえってやる気のある農家の足を引っ張るだけなんです.
いわゆる休耕田の問題なんて,これからもっと出てくるじゃないかと.
その失敗を認められないから,農業に株式会社がないんですわ.
Posted by SLE某 at 2006年06月13日 11:06:22
>戦後の農地解放=大土地所有禁止が大失敗だったんですよ.
ですが,終戦当時においては寄生地主の力の強さを考えると,大土地所有禁止にしておかないと直ぐにでも復活してしまう虞があったと思います.
将来的には農業の株式会社化は,一般的なことになるのではないかと思います.
(根拠はありませんが)
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年06月14日
23:25:52
>その失敗を認められないから農業に株式会社がないんですわ.
出来るように法改正しましたわ.
ただ,その目論みは単純な大規模工作ではなく・・・「工場で農作物を量産する」システムを構築する,これが日本政府の農業政策,最後の切り札.
結構本気なのよ.
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年06月15日
20:31:19
農業機械の普及により,寄生ではない中小地主が小作農を叩き出して自ら耕作を行うようになった可能性あったかも.
小作争議の原因の一つに,地主が小作地を引上げ,自ら耕作しようとしたことがあるから.
寄生地主撲滅にしても,小作地1haまでというのは少なすぎたかも.
せめて5haまで認めていたら大規模農業への道が開けたかもしれない.
叩き出された小作農が,都市に流れ出して社会問題化しただろうけど.エンクロジャーみたいに.
借りる側の力が強くて簡単に小作地を引上げられない状況になってたら,地主小作共倒れだったかもしれない.
>将来的には農業の株式会社化は一般的なことになるのではないかと思います.
株式会社化と集落営農の二本立てで進めている.
集落営農ってのは集落単位で集団化しちまおうって計画.
「農家」を延命させるためっぽいけど.
http://www.maff.go.jp/ninaite/einou_susume.pdf
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年06月16日
16:33:14
>叩き出された小作農が都市に流れ出して社会問題化
実際に農家の二男三男は都市部に行きましたね.
「探偵ナイトスクープ」で,大阪の銭湯経営は石川県出身が多いというのをやってました.
また,農家というのは天災で結構簡単に致命的なダメージを食らうわけです.
そのためにむしろ小作農の方が,サラリーマンと同じで立場的にはラクなんです.
地主というのは今では悪し様にしか言われない存在ですが,彼等だって小作農がいなくなったら困るんです.
都市に住む不在者地主というのも,要は資本家であって,これを問題視するのはマルクス主義から来てると思いますよ.
Posted by SLE某 at 2006年06月17日 22:21:40
農地改革は功罪あるものの,「功」の方が大きいでしょう.
当時の食糧増産・革命防止には有効だったわけで(経済白書に食糧自給率の向上が謳われていた時代).
石油の自給ができないから食糧自給も必要なし,ってのも備蓄分で充分廻せるので,ある意味無意味(備蓄量じゃ石油より先に食糧が無くなる予感).
他の先進国でも石油を自給できるわけでなし.
まあ,左派の人たちは伝統的に農業保護重視なわけなんですがね.
(某ご隠居さんみたいな人はあくまで例外)
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年06月18日
07:59:47
食料自給率ではなく,食料自給力のほうが大事だと思うのですがねえ.
だって,海上封鎖が起こりえる大規模戦争の真っ最中に,今と同じ食生活,維持しようと思いますかね.
それにたしか,現代日本って輸入食料と同等の食品を,食べずに廃棄しているとか.
ただまあ,日本くらいの規模のでかい国が,飢餓状態になるまえに現代戦争はケリがつくと思いますが.
正直,どっちの陣営もよっぽどの悪手を連発しないかぎり,錬度の高い近代軍である自衛隊(&米軍)が,イライラ戦争みたいな無様な膠着状態に陥るとは考えづらいです.
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年06月13日
19:30:56
仮に食糧自給率を上げたとしても,実際のところ意味が薄いのではないでしょうか.
食糧を生み出し,流通させるために消費される化学肥料,飼料,農薬原料,石油などが,海外に依存している以上,真の自給率向上は夢のまた夢ではないでしょうか.
結局,日本が取るべき戦略は,海軍力の強化と日米安保の強化くらいしかないと思います.
(当たり前過ぎる文章ですみません.)
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年06月13日
22:49:40
http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jikyu/local/todouhukenn2004.pdf
何気に生産額ベースでいくと意外と高いんですよね.
輸入大豆の多くは家畜のえさらしいですし.
九条を守る人たちには,史記の「不可なる八つの理由」あたりをちょっと読ませてみたいわ.
Posted by 斎覚 at 2006年06月14日 06:50:56
食糧の場合,保管するためには冷凍倉庫などが必要になると思いますが,これ自体が電気(石油)を使いますからね.
備蓄にしても自ずと限界が出てくると思います.
どうしても自給率を上げたいというのであれば,食糧増産より人口の減少を促す方が現実的だと思います.
仮に現在の一億二千万人を全て養おうとすると,耕作地不足に悩むことになると思います.
(無理矢理しようとすれば,コストが膨大になるでしょう.)
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年06月18日
11:12:13
戦時に通常と同じような贅沢な食生活を維持しようとすりゃ,そりゃ難しいでしょうが,いろいろ調整すればかなりの線までいけるんじゃないですか.
米を現在の味重視から,収穫量優先のものに切り替えるだけでも違うでしょう.
それよりも種苗産業を,穀物メジャーに握られてるのが心配です.
今の農業は野菜を育てるのに,「タネを買う」ところから始めるのですが,このタネはF1と呼ばれる一代限りのものがほとんどなんです.
つまりその野菜を育てても,次のタネが採れなかったり,発芽率が悪かったり,次世代の性質が先祖がえりを起こして,収穫量が少なかったりする.
日本の農業に後継者がいないことも問題で,農業労働者が人口をまかなえるほどいない.現在の労働配分を農業に振り返る転換をしないといけない.
全部が上手くいっても,今度は都市型労働者が減ることになるわけで,そうすると戦争を維持するのが難しそう.
食料自給率を上げるのは必要ではありますが,第一義にするのはあまり意味がなさそうです.
やっぱり海軍増強するのが現実解のように思いますねえ.
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年06月18日
14:05:31
先日,この件で調べて驚いたのですが,江戸時代には完全に自給していたのですが,この時の日本の人口は3000万人前後です.第二次大戦ごろに9000万人になっていましたので,ほぼ3倍です.
輸入なしに維持できる数の3〜4倍が,今の日本の人口ではないでしょうか.
流通と生産の効率化ができている現代であっても,日本が完全に自給できるのは,50%もあれば御の字のような印象を持ちました.
Posted by 名無しT72神信者 at 2006年06月19日
22:03:27
「週刊オブイェクト」,2006年06月12日
青文字:加筆改修部分
【質問】
日本が水資源問題でピンチになる可能性はあるか?
【回答】
以下の記事によれば,その可能性は決して低くないとしている.
日本は世界最大の「水」輸入国
〔略〕
日本は,世界でも稀有なほど四季折々に水に恵まれているから,水危機に関心を持つ人は少ない.
だが現実には,日本人は1人あたり1日320リットルの水を使用しており,先進国中で第4位の水使用国であるだけでなく,雨が多い割には真水の貯水量は世界で82番目であるという「真水希少国」である上,「仮想水」(バーチャルウォーター)という形での世界最大の水輸入国である事実が,多くの国民には理解されていない.
「仮想水」とは農畜産物などの生産に必要な水を指すのだが,
「日本は今,食料自給率はカロリーベースで40%.つまり小麦,大豆,牛肉など食料となる農畜産物の大半を輸入に頼っている.
これらの農畜産物を育てるために使われる水の量を考え,東大・沖大幹助教授が試算したところ,年間約640億立方メートルとなる.
日本人1人あたり,毎日,1460リットルずつ水を輸入して消費しているのと同じ結果となる」(「東京新聞」06.5.11)のだ.
〔略〕
水木遼 in 「財界展望」2006.8号,p.80
上記情報のクロス・チェックを行うには材料不足中.
【質問】
日本の水産資源の現状は?
【回答】
さて,日本の漁業は最近でこそ,ちょっと振いませんが,戦後直ぐの沿岸漁業から沖合漁業へ,更に遠洋漁業へと活動範囲が拡大し,1973年には年間生産量に占める遠洋漁業の割合は37%に達しました.
しかし,1977年の経済水域設定により遠洋漁業は衰退を余儀なくされ,代わって真鰯を主とした沖合漁業の比重が高くなります.
真鰯の漁獲量は1988年の448万トンがピークで,1995年以降は100万トンを下回る様になり,沖合漁業も振わなくなりつつあります.
2006年の全体生産量は577万トンであり,内訳は沿岸漁業が25%,沖合漁業がそれでも44%,遠洋漁業は僅か9%,そして,沖合漁業や遠洋漁業の不振を補う形で海面養殖業が増加して,全体の21%を占めるまでに至りました.
輸出高でも,1976年には鮪や鰹,鯖の缶詰を輸出する漁業大国で,輸出金額は世界一,量でも4位にありました.
しかし,経済水域の設定による遠洋漁業の不振,魚粉として加工出来た真鰯の不漁,円高の進行と共にその地位は低くなり,逆に輸入量が増えて行きました.
1987年には83万トンだった輸入量は,1987年以降200万トンを突破し,2002年がピークで442万トンに達しました.
以後は350万トン前後で推移しており,海老類の9割以上,鮪や鮭類の半分以上が輸入品です.
1959年に113%あった魚類の自給率は,1977年に100%を辛うじて維持していたものの,2000年になると53%まで落ち込みました.
その後,水産物消費量の減少と,国内生産量の下げ止まりに救われ,2007年には62%まで回復しています.
それでも,単純に計算すれば,輸入が止まると3分の1の人が飢える事になります.
漁業資源争奪に関しては,各国とも同様の問題を抱えています.
米国は収奪型漁業では最早上手くいかないことを悟って,最近は養殖を基軸にした新しい水産振興計画を打ち出しています.
元々,米国は海面養殖を環境破壊に繋がるとして認めてこなかったのですが,2025年には世界の水産物需要が現在の3倍に達するとの見方があるため,NOAAは,現在70%を輸入に頼っている水産物資源を,2017年まで に完全自給するという「養殖10カ年計画」を打ち出しています.
これには,沖合養殖の展開,ナマズやティラピアと言った給餌効率の良い淡水魚種の養殖振興が骨子になっています.
同じ様にロシアでも2007年,当時のプーチン大統領自らが,2015年までに養殖生産量を現在の4倍の40万トンとし,漁業生産量を650万トンに倍増すると言う水産業再生計画を打ち出しています.
日本はこの点,海面養殖技術に関しては世界の最高水準を走っていて,かなりのインターバルがあります.
日本の海面養殖生産量は,1960年が28万トンでしたが,1983年以降100万トンの大台を突破し,2002年には133万トンに達しましたが,現在は下がって,2006年現在で118万トンに減少しています.
しかし,牡蠣養殖に関しては1950年代に筏式垂下方式を開発し,海苔養殖では1960年代に浮き流し式方式の開発で漁場を沖合に拡大して増産する技術を獲得しました.
また,真鯛,平目,車海老などの人工種苗の量産化にも成功し,1970年代以降真鯛や鰤を年間数万トン規模で養殖生産しています.
日本の水産品輸入の御三家は海老,鮪,鮭です.
海老類は,天然海老から1985年以降は東南アジアからの養殖海老へと移っていきました.
東南アジアの海老養殖は,当初地元在来種のモノドン…日本ではブラックタイガーとして有名ですが…を用いていましたが,モノドンの病気が深刻化した為,その代わりに中南米原産のバナメイと言う種類に変更されました.
当初,バナメイはモノドンより価格が低く,養殖する業者は殆ど居ませんでしたが,モノドンの病気蔓延によりバナメイの価格が急騰し,お陰で主産地のタイでは,モノドンからバナメイに転換する業者が急増しました.
これには,バナメイの方がモノドンより病気に強く,バナメイは遊泳するので定着性のモノドンより面積当たりの生産量が2〜3倍多いと言うのも影響しています.
この為,モノドンの生産量は50万トンから65万トンと2桁を行き来していましたが,バナメイのそれは1994年の12万トンから2006年には213万トンへと急増しています.
ただ,バナメイはモノドンより小型な為,日本ではバナメイが寿司用,モノドンは天ぷら用として用いられています.
鮪の生産量は世界全体で約200万トン,内,日本は約25%を消費しています.
刺身としては,価格が高い順にクロマグロ,ミナミマグロ,メバチマグロ,キハダマグロの順であり,特にミナミマグロはその殆どを,クロマグロは80%が日本で消費されています.
ただ,昨今問題になっている様に,日本市場での高価格に注目した韓国や台湾,中国が鮪延縄漁に進出し,日本漁船と共に争う様に漁獲した為,あっという間に激減してしまい,刺身鮪供給量は,1998年の50万トンから2007年には38万トンに下がっています.
その鮪も,天然物の比率が減り,1992年からクロマグロとミナミマグロは畜養マグロに変わって行ってます.
畜養マグロは,産卵後の痩せた生魚や中小型魚を数ヶ月生け簀の中に囲って餌を与えて太らせ,脂身部分を多くしたものです.
これは当初はオーストラリアのミナミマグロだけでしたが,1997年以降はスペイン,クロアチア,イタリア,マルタ,ポルトガルなどの地中海諸国でも畜養マグロを作る様になっていきました.
但し,EU全体の鮪漁獲枠が減少した為,日本への畜養マグロ輸出量が減少しています.
前に魚の価格の話でも出ましたが,畜養マグロの安さに引っ張られて,天然クロマグロの値段が下落し,畜養と天然の価格差が縮小しました.
更に天然物の刺身マグロは,身の3割がトロ(大トロと中トロ)で,残りが赤身と言われていますが,畜養マグロは天然物に比べてトロ部分が多くなり,畜養マグロの供給量増に伴ってトロの供給が増加した為,刺身マグロは安くなっていきました.
この為,現在では畜養マグロは回転寿司での利用が多くなっています.
畜養マグロの数も減少していますが,1970年から水産庁によるマグロ養殖研究が開始されています.
現在,やっと軌道に乗り始めたところで,2002年には4トンからスタートし,2007年に4,000トン,2009年には1万トンに達する見込みです.
これは,天然クロマグロの幼魚であるヨコワや人工種苗を2〜2.5年飼育したもので,近畿大学では2002年に受精卵を人工孵化させて得た小稚魚を成長させて成熟・産卵させるまでを飼育下で行う完全養殖を達成しましたので,養殖マグロの生産を拡大させて,海外からの供給落ち込み分をカバーする計画が進んでいます.
因みに,刺身マグロは世界的な寿司ブームの影響で主要ネタとして有名となり,米国が3〜5万トン,韓国が1.5〜2万トン,台湾が5〜8,000トン,EUが4〜8,000トン,中国が4〜6,000トン使用されています.
米国の刺身マグロは寿司や刺身よりも80%はマグロステーキとして消費されており,台湾では従来輸出品だったのですが,最近では海鮮料理の食材として利用される様になっています.
鮭に関しては,ノルウェーが一頭地を抜きん出ていて,1984年から養殖が本格化し,2006年の生産量は62万トンに達しました.
ノルウェーは,元々民間主導でこうした鮭養殖事業が行われていたのですが,1989年と1991年の2回,北米で天然鮭が大豊漁となり,価格が下落して多くの業者が倒産しました.
この為,1992年に漁業省主導の下,「ノルウェー水産物輸出審議会」を設置し,販路拡大事業を行っています.
この機関は日本を含む14カ国に設置され,テレビや新聞雑誌などの広告宣伝媒体での宣伝活動,店舗での販売促進,メーカーや流通業者向けのセミナーなどの開催で,積極的にノルウェー産鮭の輸出市場を開拓しています.
元々,ノルウェーの鮭養殖事業は,辺境にある漁村社会の活性化の為,地元民が積極的に参入できる様,1経営体が1つの養殖免許を取得するのみでしたが,反面,経営規模が小さかったので,豊漁不況を乗り切れませんでした.
そこで,政府は国内外の大規模企業による複数のライセンス取得を認めました.
これにより,いくつかの外国企業が辺境の漁村にある養殖免許を投資目的で買収して,その豊富な資金力で規模拡大を行った為,国際競争力が付いたのですが,一方で,漁村の民族資本は成長を阻まれ,地元の衰退に繋がったとの指摘もあります.
世界的には,1997年に天然鮭の生産量を養殖鮭が上回りました.
2002年には養殖物が70%を占めるまでになります.
欧州産の養殖大西洋鮭は,脂ののりが良く,生食用にも加熱様にも利用出来る事から,従来の市場である北欧から中欧や南欧にまで市場が拡大しています.
日本では,漁業規制の強化で北洋漁業の漁獲量が大きく減少した為,変わって鮭鱒孵化放流事業を基盤とする定置網漁に主体が移り,北洋漁業では価格の高い紅鮭が,定置網漁では価格の安い白鮭が漁獲されていましたが,最近では輸入品が急増しています.
輸入品は,大西洋鮭,トラウト,銀鮭がありますが,大西洋鮭は日本のそれと異なり多回産卵であって性成熟を人為的にコントロール出来る為,身色や脂肪含有量を好ましい水準に維持し,周年品質の高い鮭を出荷している為,市場でも評価が高く,銀鮭やトラウトが冷凍魚として輸入されて,定塩フィレなどに加工されるのに対し,大西洋鮭は生鮮冷凍状態で輸入され,刺身やステーキに用いられています.
もう少し,日本も高付加価値商品としての魚類に目を付けても良いと思うのですけどねぇ.
眠い人 ◆gQikaJHtf2,2010/01/28 23:31
(画像掲示板より引用)
【質問】
日本にある天然ガス資源について教えられたし.
【回答】
さて,日本で産出される石油は総需要のうち,僅か0.3%に過ぎず,天然ガスも3%しか賄えていません.
この天然ガスの70%は,新潟県が生産しています.
天然ガスは石油と同じ炭化水素ですが,最も軽いものです.
天然ガスの主体は最も軽いメタンで,以降,エタン,プロパン,ブタンと続きます.
プロパンとブタンは精製時に分離され,液化石油ガス,つまりプロパンガスとして利用されています.
1kg辺りの発熱量は,石油の1.3倍,石炭の2.5倍弱に当たります.
新潟で産出される天然ガスの48%は長野,山梨,静岡,群馬に主に送られています.
首都圏に送られていないのは意外な感じを受けます.
新潟県内に供給されているガスの内,北陸ガスが供給しているのは,3分の2が県内産ガス,越後天然ガスは県内産ガス100%だそうです.
日本の天然ガスは,構造性ガスと水溶性天然ガスの2種類に分けられます.
構造性ガスには油田ガスとガス田ガスがあって,前者は原油に溶けているか,原油の上にふたをするような形で存在しているガスであり,後者はガスが単独にあって,液状の透明な石油を伴っています.
水溶性ガスは文字通り水に溶けているガスです.
構造性ガスの貯留岩には,砂岩型ガス層とグリーンタフ型ガス層があり,前者は1,200〜3,000mの深さにある左眼の中にガスが溜まっているもので,石油の中にある場合と純粋なガス田になっている場合があります.
後者の場合は,グリーンタフの中に溜まっているもので,純粋なガス田が主体で,変質したデイサイト質溶岩か火砕岩の中に貯留し,2,500〜2,700mにあるものと,流紋岩質溶岩か火砕岩の中に貯留し,4,200〜4,500mの深さにあるものがあります.
日本には新潟の他,千葉県の房総,北海道の勇払,福島県の磐城沖にガス田が多くあります.
このうち,千葉の房総にあるガス田は水溶性ガスです.
水溶性ガスは,前述の通り,水に溶けているガスなので,井戸を掘りガスを含む水を汲上げて,地上で水からガスを分離する形で採取しています.
しかし,軟弱地層から水を大量に汲上げる為,地盤沈下を起こし,新潟県では浅い層から上の採掘規制が1963年から行われました.
現在は研究が進み,汲上げた水を地上ではなく地下で分離して圧入する方法が開発されて,その様な問題はほぼ沈静化したそうです.
越後平野の水溶性ガスは,平野と砂丘の地下1,000mより浅い砂礫岩から採取されており,ガスを含む鹹水からは他にヨードも採取されています.
胎内市村松浜の砂丘地下では,地下800〜1,800mの西山層を主体に,それより浅い魚沼層群や灰爪層でも採取が行われています.
こちらではガスを水から分離し,ヨードを採取した後,温水は温泉として使用されているそうです.
房総半島の南関東ガス田では,ガス層は45〜240万年前に造られた上総層群の砂岩中に含まれています.
採取地の多くは丘陵地帯であるために,地盤沈下で水没するような危険がないので,大量に採取されています.
埋蔵量は実に3,865億立方メートルですが,年間の生産量は僅かに4.6億立方メートルと,新潟の5分の1でしかありません.
もっとも,世界の天然ガスの確認埋蔵量は181.46兆立方メートルですから,比較にはならないですけどね.
それにしても,考えてみると,ヨードの生産地に原発が多いと言うのは理に叶っているのでしょうかねぇ.
眠い人 ◆gQikaJHtf2,2009/11/10 22:13
【質問】
発送電分離を行えば,太陽光発電や風力発電の普及は進むのか?
【回答】
西條都夫によれば,むしろ逆に,コスト競争力に劣る自然エネルギーにとって不利になるという.
それらを普及させるには,FIT型の時限的な保護策が必要であり,「発送電分離さえすればすべてOK」という考えは幻想だという.
足立隼夫は,最も経済的な電源構成で,電力を供給してきたのは電力会社そのものであるので,発送電分離して自由競争にすれば,,最も得するのは,安い電源を持っている人,すなわち現在の電力会社であり,一番損するのは,高い太陽光発電や風力発電を売り込もうとする人たちだろうと予測している.
【参考ページ】
http://s.nikkei.com/A9hKt6
「日刊 アジアのエネルギー最前線」 2012年1月11日
【ぐんじさんぎょう】,2012/07/29 20:00
を加筆改修
【質問】
洋上風力発電の実現性は?
【回答】
日本近海における洋上風力発電の実現可能性に関する研究
http://geelhome.k.u-tokyo.ac.jp/paper/ogata.pdf
既存の火力発電や陸上における風力発電の発電コストには及ばず,今後さらなるコスト改善が必要である.
これが現在の結論かなあ.
風車の選定とかでも変わると思うが.
(↑が旧来の認識だと思う.某板でも直ぐこういう反応が返ってきた)
……と思いきや.
――――――
日本に適した洋上風力発電システムの検討
一方,発電単価は,資本費,燃料費,運転維持費の合計額を発電電力量で除した数値ですが,現状では1kWh あたり16.6円となり,家庭用販売単価同16円〜22円程度の範囲内にあります.
今回の発電システムを基幹エネルギーとして使うにあたり,現行の基幹エネルギーのEPR値を参考として,EPR目標を設定しました.
当時の電力中央研究所データによれば,
『化石燃料発電所のEPRは17〜21』
でしたので,今回検討する洋上風力発電の発電時EPRの目標値を
『19』
としました.
洋上で風の良いところを目指して移動した場合,風車稼働率が陸上の場合に比べ2倍以上(60%弱)になるため,発電時のEPRがほぼ20になりました.
電力を陸上で消費する場合には,送電のためのエネルギー変換(液化水素など)が必要になるため,EPR値が下がります.
数値は海水の直接電気分解で水素を製造したケースで,淡水化後電気分解では1.5程度の値が得られます.
――――――
火力とならタメなのか,現状.
原発ってほら,「見えない経費」が今回,明るみに出たでしょ.※
結局あんま安くもないって.
いけるんじゃないか?,洋上風力発電.
太陽よかいけそう?
こっちも;
――――――
世界最高発電性能の“空飛ぶイルカ”〜純国産の小型風力発電機
小型風力発電機専業メーカーのゼファーは,小型風力発電機「エアドルフィン」の量産を来年秋から開始すると発表した.
本体の予定価格は30万円(コントローラー内蔵).
小型発電機市場で要望の多い定格出力1キロワットに対応した風力発電機.
『2002年に行われた産学官共同研究開発プロジェクト「プロジェクト-Z」』
から生まれ,2003年には
『経済産業省の』
補助事業にも採択された純国産モデル.
新開発の翼型と,ブレード素材に軽量な炭素繊維強化プラスチックを採用することで本体重量を15キログラム以下とし,1キロワット機クラス最軽量となる1ワット当たり15グラム(従来機では大型含め50〜200グラム/ワット)を実現した.
姿勢制御によって風向を確実に捉えて発電効率を高める新開発の“イルカのように動くテール部”や,極微風下でも駆動する「パワーアシスト機構」などにより,風力発電で最も重要な中風速領域(5〜8メートル/秒)での変換効率を42%と従来機に比べて大幅にアップした.
発電情報やメンテナンス情報などを知らせる通信機能も搭載する.
――――――
相変わらずサラリと「世界最高」だし.
やっぱ,なにげにわが国すげえぜ.
大橋博倖 in mixi,2011年08月18日16:57
青文字:加筆改修部分
※ 牽強付会の可能性もある.別項参照.
【質問】
「節電」にはどの程度,持続性があるのか?
【回答】
長くても,せいぜい数年と見られる.
たとえば1990年代,東京大停電の危機が叫ばれていたとき,東京電力は大工場に対し,電気使用制限を要請したが,工場サイドでは当初,かなり協力的だったものの,経済活動に悪影響が出るため,2度,3度と続くと心理的抵抗が高まってきたという.
(フォーラム・エネルギーを考える『その時あなたは… 東京大停電委員会からの警鐘』(1994.7),p.18)
また例えば,脱原発先進国とされることの多いドイツでも,ドイツ倫理委員会の報告書には,脱原発によって失われる電力量を,どう補填するかについての基本的考え方の一つとして,以下のような文言があるという.
「簡単に電力の強制的合理化によって節電をするべきではない.
というのも,これは人々の生活の要求,及びハイテク国家の経済に矛盾するからである」
(「原子力委員会メールマガジン」2011年12月9日号)
以上により,「節電」に持続性が期待できないことは,明白といえよう.
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