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◆◆◆対地攻撃(クラスター爆弾関連含む)
<◆◆◆装備
<◆◆航空 目次
<◆日本FAQ目次
東亜FAQ目次


(画像掲示板より引用)


 【link】

「kojii.net」◆規制が効くケース・効かないケース

「kojii.net」◆自称・正義の味方はタチが悪い

「kojii.net」◆無人支援戦闘機 F-3 (うそ)

「kojii.net」◆"レベルが低い記者"って,どんなのだろう

「kojii.net」◆"○○だから△△は不要" のダマカシ


 【質問】
 何故,航空自衛隊の作戦機に対地攻撃能力の高い機体が存在しないのでしょうか?

 【回答】
 最初の支援戦闘機は,後継機の採用で余剰になったF-86の転用から始まりました.
 F-4の爆撃装置のこととかで揉めてた訳ですが,このF-4が複座機だから練習機の開発が遅れてもいいよね,で国産の予算が取れたのがT-2.
 さらに転用してF-86の後継と使用となったのがF-1です.
 F-86が1000ポンド爆弾2発とかロケット弾ポッドがせいぜいだったのに対し,F-1は500ポンド爆弾なら最大で12発など,強化はされています.
 本命が,世界で最先端の対艦ミサイル攻撃機だったので,搭載量はかなりアレではありますが.

 昔の日本は現代からイメージするよりもはるかに貧乏な国でした.自国領土内へ上陸侵攻した敵を叩く戦力へ割く予算など無く,防空体制の構築だけでからっけつになっていたのです.
 米軍が管理していたレーダー・サイトの自衛隊の業務移管で悲鳴をあげていた時期ですから.
 その一方で,70年代後期のF-1の戦力化から10年でF-4改,15年でF-2配備なので,結局は予算さえあればやるということです.
 なにせ同じ時期には,制空戦闘機であるF-4は,予定100機に対して40機の追加発注,F-15は予定100機に対して実に100機の追加発注を行ったくらいですし.

 また,その遠因として政治家(与野党問わず)の「爆撃機アレルギー」も挙げられます.
 F-104を導入した際に,候補としてF-100も上がっていたのですが,岸首相に空自幹部が
「F-100は戦闘爆撃機で・・・」
と進講したら,
「日本には爆撃機は要らん!」
と激怒,それ以来戦闘爆撃機と言う用語がご法度になった,って話もあるくらいですし.
 念のため言うと,岸信介は自民党で,戦犯になったくらいの保守の頭目です.


 【質問】
 陸自にはA-10やAC-130等を装備する議論はなかったのだろうか?
 AC-130などはかなり魅力的な装備だと思うのですが.

 【回答】
 日本国内で近接対地支援が必要だということは,敵が既に日本本土に上陸してきているということで,それは制空権を奪われているのと同じ=A-10やAC-130は出ても敵の制空機に撃墜されるだけなので,無意味です.
 そもそも敵だって航空優勢を保持できないなら,上陸なんぞしてきません.

 AC-130は輸送機ベースなので極めて鈍重.
 絶対的な航空優勢を確保して,あらゆる敵機を追い払える自信のある空軍でしか使えないからです.
 あの手の機体を運用しているのが米空軍だけなのはそのためです.
 ちなみに,それだけやっても数機これまでに落ちています・・・・・・・
 防御には気を払ってるほうですが,地対空兵器に狙われるのも好ましくありません.

 A-10についても基本的には同じ.
 護衛に大量の戦闘機を割かないといけないので,かなり運用が面倒になります.

 一応,議論というか検討はされた事はありますが,上の結論で終わりました.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 航空自衛隊って,陸上自衛隊を効率的に支援する装備を持ってないのが欠点なんでは無いでしょうか?

 【回答】
 欠点といえば欠点だが,空自は制空権(航空優勢)と対艦攻撃に絞って戦力を整備してきたし,それ以上は必要ないか優先順位は低いと見てきたので,対地攻撃能力は,さほど高くは無い.

 というのも,空自が陸自を直接支援するための対地攻撃というのは,航空優勢を確保した上で対地攻撃を行う機を護衛しなきゃならないので,まず作戦機数が足りない(保有上限の制限もかけられているし)
 その上,陸自への支援を行うときというのは,基本的に敵戦力が既に上陸していること,すなわち制海権と航空優勢を維持できて無い状況と見られるので,まず対地攻撃そのものが成立できない恐れがある.

 しかし,空自は上陸を水際で阻止する時や,占領された国土を奪回するときのために,最低限の対地攻撃能力も保有している.
 空自,ひいては日本に必要な,そして予算や保有機数の制限の中で整備できうる対地攻撃能力というのは,その程度で必要十分と見なすことも出来る.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 CASはまったく考えてなくて阻止攻撃専念らしいね,敵上陸後のFSは.
 陸と連動した目標選定のシステムとか,爆撃評価のシステムとか,なくていいの?,あの連中.

 【回答】
 作戦機が400機を切ってる現状では
「防空と対艦船攻撃で手一杯で,CASに回す機体はありません.
 CASは陸自のヘリでやって下さいね」
と言うのが空自の本音だろうな.

 確かに冷戦時代,日本本土の航空基地はウラジオストックから見てほぼ等距離にあったから,
上陸されている時点では全ての航空戦力が壊滅していると予想するのが常識的であって,CASを受けながらの陸戦など考えも及ばなかったわけだ.

 だが冷戦後の極東では,各国の利害の不一致から日本の仮想敵国は冷戦時代よりも多くなり,日本は冷戦時代よりも長い海岸線を仮想敵国に囲まれる形となった.
 仮想敵国の脅威の強さに順位を付けるなら1.中国,2.北朝鮮,3.韓国,4.ロシアの順と考えられる.

1.中国は日本を攻撃する意思(国益)があり,近い将来国土を蹂躙する能力も獲得する.核兵器も保有する.
2.北朝鮮は日本を攻撃する意思(国益)があり,核兵器も保有するが,日本国土を蹂躙するだけの能力はない.
3.韓国は日本を攻撃する意思(国益)が少しはあり,日本国土を蹂躙する能力もあるが,制空,制海能力で劣る.
4.ロシアは日本国土を蹂躙する能力が十分にあり,核兵器も保有するが,日本を攻撃する意思(国益)がない.

 つまり日本の軍事的脅威は沖縄まで含めた西日本に集中しており,先制攻撃を受けて西日本の航空戦力が壊滅したとしても,東日本に配備された航空戦力は残存しており,これをもって西日本の交戦地帯の制空と共に CASを行う必要が出てくる.

 このような軍事的環境に推移してもなお,空自の考えが冷戦時代から変化しないのであれば問題がある.
 F-2の配備機数を考慮しても,本格的にCASを行う事は考えにくい.

 これからF-15後継に何を選ぶかに掛かって来るだろう.

 もっとも,実弾訓練すらほぼできないのに,展開済み地上部隊との緊密な連携が必要となる任務の訓練とか,無理がある.
 それよりも縦割り的お役所的な考え方が,空自の中でまかり通っちゃってるのが危険だと思う.
 平時要撃べったりで,なんのために航空優勢をとるのかって視点が無いよ.

軍事板
青文字:加筆改修部分



 【質問】
 自衛隊に将来的にF35導入でも,対地攻撃が得意という美点が生かされなくなるかも知れないのか?

 【回答】
 生かされはするよ,阻止攻撃に.
 何処の空軍でも後方の的を叩きたがるのは一緒だが,空自の場合,価値が高くて脆弱な的が与えられてるので,対艦船攻撃に特化するって事になる.

 増援も補給物資も海を渡って来るんだから,敵上陸後でもやる事は同じって訳だ.

 ただ,陸との連携とかまったく考慮されてない阻止攻撃がどこまで効果的かってことよ,

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 先制爆撃に必要なのは何ですか?
 ステルス攻撃機ですか?
 ピンポイント爆撃訓練とその技術ですか?
 空自のF-15とパイロットは,北の旧式MiGと訓練不足のパイロットにも勝てないのですか?

 【回答】
 一口に北のミサイル基地を爆撃するといっても,敵の戦闘機を落とせばいいってもんじゃないよ.
 ミサイル基地を破壊しようとこちらが航空機を飛ばせば,戦闘機だけでなく地対空ミサイルや対空砲も相手にすることになる.
 これを排除する任務をSEADと呼ぶけど,今の空自にはSEADミッションを遂行できる機体もなければ,武装(対レーダーミサイル等)もなく,SEADミッションを想定した訓練も受けてはいない.

 また,北を爆撃しようとすると,航続距離の関係から,空中給油機による給油が必要になるけど,今の空自が保有している給油機は,数としては微々たるもの.
 こんなんじゃ,実効力のある戦力を送り込むには到底足りない.

 要は,敵の戦闘機を落とすための訓練や装備と,敵の地上目標を破壊するための訓練や装備は,全くの別物ってこと.
 空自は,自国に侵攻してくる敵航空機を排除するための訓練は積み重ねてきてるけど,ミサイル基地の爆撃に求められるのは全く別物.

自衛隊板,2009/08/02(日)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 敵基地攻撃能力について取りざたされていますが,現在の自衛隊に対地攻撃能力なんてありましたっけ?
 確か海空共になかったような.

 また,対空ミサイルや対艦ミサイルは対地攻撃に使えないこともなかったりしませんか?
 対空はともかく対艦は使えそうな気がしますが,だめかな?

 【回答】
 ないから護衛艦への巡航ミサイルの搭載を検討する話が出てきているわけで.

自衛隊の対地攻撃能力:当然ながらこれまでは自国領内での話
空自:これまでは橋頭堡,補給線に対する阻止攻撃をメインに整備されてきた.
陸自:対地攻撃できなくてどうする.
海自:艦砲射撃くらい,はっきり言っておざなり.

 自国領外の敵震源地攻撃能力について,(表立って)具体的な検討が始まったのは,つい最近の事.

AAMの対地使用:基本的に無い,戦史上「使った例が有る」くらい.
ASMの対地使用:ハープーンBlk2,噂されるASM-2D/Lなどで,限定的な能力付与.

 ただしヴェトナム戦争のころ,走行中の機関車を撃破するために赤外線追尾型空対空ミサイルが使われた事はある.


512 名前: 名無し三等兵 投稿日: 2009/06/09(火) 15:43:41 ID:VD5aN+Vj

 ありゃあ,やっぱりそうですか.
 つくづく歪な軍隊ですねぇ.自衛隊は.
 殴られても相手の拳を撃ち落とすだけで,頭をぶんなぐる能力はないのですね.


515 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2009/06/09(火) 16:13:50 ID:???
>>512
 どこに殴りかかればいいかっていう,「目」もあまり見えてなかったりする.

軍事板,2009/06/09(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 敵策源地攻撃能力保有論が叫ばれていますが,今から日本が敵策源地攻撃能力保有を行うとして,実際に実用的な敵策源地攻撃能力を保有するには,何年掛かりますか?

 曖昧だと言われそうなので,ある程度具体的なことを書きますが,
・相手国の移動式ミサイル発射台やミサイルサイロの位置を特定して無力化する能力.
・日本が,地対地,艦対地,空対地を問わず,中国,韓国,北朝鮮,ロシアの軍事施設に巡航ミサイルを撃ち込む能力
・前記の国の防空網を制圧し,軍事施設に誘導爆弾を投下する能力
などを目安にお願いします.

 【回答】
 巡航ミサイルでいいなら,最も簡単なのは護衛艦に改修を行って,トマホークの運用を可能にすればいいだけ.
 具体的には予算措置がなされた後,FMSの許可が下りたら実現.
 まあ数年程度か.

 ストライク・パッケージを組むなら,何から何までというわけでもないが,足りないものが多い.
 電子戦機,SEAD機,偵察機も一応あるけど・・・・・
 手早いのは「装備は米から買う.運用法は直接教えてもらう」
 それでも数年程度で戦力化が可能かは疑問.
 10年ぐらい見てもらわないと.

 最大の問題が目標の評定で,特に移動式発射台の発見は,困難を極めると見られる.
 砂漠の嵐作戦では,一日に600ソーティ以上を投入してスカッド狩りを行ったが,これは空自の現有戦力では困難な要求.
 本気でやるなら特殊部隊の投入も必要になる.
 日本の特殊部隊の現状については詳しくないが,短期間で育成できるとは思えない.

 あとは,どこまでの能力を求めるかという話になる.
 限定的な攻撃でいいのなら,トマホーク程度でいいだろう.
 しかし,それこそ完璧に元を断ちたいなら,陸上部隊を送り込んで占領するぐらいしか方法が無い.
 その場合,実際に敵本土に着上陸侵攻するかは別として,強襲揚陸艦と海兵隊は必要不可欠.

 更に北韓だけでなく,ロシアや中国と渡り合おうと思ったら,ロシア全土を射程に収め,
MIRV:あり(10〜12発)
発射方式:コールドローンチ
弾頭:300〜500kt程度の破壊力
半数必中界 (CEP) :300以下
ぐらいの能力があるICBMを,200基は日本本土に配備し,30分以内に中国やロシアの重要施設に向けて発射できる体制にしないと難しい.
 なぜなら中国大陸だのユーラシア大陸だのであれば,TEL狩りは無意味だから.
 核武装で抑止するか,MDの数をそろえたほうがマシ.

 さらにまた,政治的なことまで考えるなら,防衛大綱の改定と自衛隊法改正案可決やら,予算大幅増加やら……が必要なので,何年かかるか分かったものではない.

軍事板
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 【質問】
 何故,我が国は戦略爆撃機を保有していないのですか?
 隣国のアメリカやソ連は勿論のこと,途上国の中国も保有しています.
 我が国だけ保有していないのはおかしいのでは?

 【回答】
「憲法上持てない」
というのが政府見解.

 憲法第九条にある「国権の発動たる…云々かんぬん」ってやつは平たく言えば
「日本は自分の主義主張のために他国に戦争を仕掛けたり,脅すためとしての兵器や軍隊は持ちません」
って意味だな

 一方,戦略爆撃機と言えば,それを保有するという行為そのものがある意味,他国に対する脅しと言っても過言ではないわな.

 てな訳で,日本国憲法と戦略爆撃機は相反する訳ですね

 「周囲が保有してるからウチも欲しい」では小学生レベルの論理展開.
 兵器の保有・整備とは
「なんとなく欲しいから」
ではなく
「必要か不必要か」
で決まる.

軍事板


 【質問】
 自衛隊サンはラジコンみたいな攻撃機いっぱい作って,雲霞のごとく飛ばして,半自律制御で着艦と補給と離陸を延々さしといて,地図クリックすると,そのへん爆撃するとか,そういう風なもん作っちゃったほうがいいんじゃないでしょうか?

 【回答】
 プレデターやグローバルホークの等UAVならば導入が検討されている.
 場合によってはそれらを武装して無人軽攻撃機として使用することもあるかもしれない.
 もちろん,MQ-9のような,割と本格的無人攻撃機を導入or開発するかどうかは判らない.

 また,日本では無人ヘリFFOS(実態は大きいラジコンヘリ)が実用化され,防衛省技術研究本部では固定翼のUAVの研究もやってるが,それほど進んでない模様.

神゛聖\(^o^)/オワタ帝國 ◆u8nX3fKy0k in 軍事板
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 【質問】
 航空自衛隊は何故,誘導爆弾をあまり持っていないのでしょうか?

 【回答】
 予算がついたのが最近ということです.
 予算に限りがあるとなれば,優先順位をつけなければなりません.逼迫した予算下の防衛庁の選択でもあります.
 無論,政治的な思惑もあったのは事実ですが,つまるところは予算であり,在日米軍との役割分担でもありました.


 【質問】
 先日,航空自衛隊がJDAMの装備を決めましたが,JDAMでは移動目標攻撃には不向きだとの見方もあります.何故エンハンスド・ペイブウェイを選ばなかったのでしょうか?
 また,GCS-1も地上攻撃には不向きだと思われるのですが,空自は地上の移動目標に対する精密誘導爆撃を,どの程度の重要性で考えているのでしょうか?
 また,レーザー誘導兵器を現在まで選定しなかった理由はあるのでしょうか?

 【回答】
 現在,航空自衛隊には移動目標を発見し,攻撃機をそれに対応させる能力はありません.
 また,地上移動目標の脅威はさほど強いとは考えられません.他国に侵入して移動発射機を攻撃して良い,ということになれば別ですが.
 そのような事情を考えれば,JDAMはリーズナブルな選択でしょう.

(system ◆uBkmmPOcL.)

(画像掲示板より引用)


 【質問】
 そういや空自はJDAM導入したけど,なんでレーザー誘導弾やマーベリックを導入しないんだろ?
 海自がマーベリック対艦型を買ったのだから,空自だって買えばいいのに・・・
 〔略〕

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月29日 22:20:03

 【回答】
 JDAMは撃ちっ放し,ペイブウェイはレーザー誘導が必要.
 高速単座機でマーベリックのシーカーに目標を捕らえるのは大変
(湾岸戦争で使用されたマーベリックの9割はA-10から).

 つまり発射母機の安全性の問題みたい.
 空自的には敵に長時間姿を晒すと,落とされると考えているらしい
(ペイブウェイもマーベリックもさして射程が長いわけではないし).

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年06月29日 23:37:40

 また,対艦用なら防衛と言い易いが,対地用だと侵略用だと言い出す人達が煩く邪魔されるってのもあるね.
 戦闘機が対地爆撃訓練をするとか,哨戒機が爆弾をつめるってだけで,無茶苦茶な捏造記事が書かれますし.

Posted by 名無しT72神信者 at 2008年07月01日 20:30:10

2008年06月29日付「週刊オブイェクト」コメント欄
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 自衛隊が気化爆弾を採用しないのって何で?

 【回答】
 気化爆弾自体,条件を満たさないと,ちゃんと威力を発揮しない等,使いにくい兵器だから.
(ちょっとの風で気化燃料が分散してしまうとか)
 ソース不明ながら,一応研究はしたらしく昔,自衛隊の技研だか科学技術庁だったか,気化爆弾を国内山奥で実験したが上手くいかなかったという話もある.

 ま,信頼性が低いのに加えて自衛隊が国内で使用するには,威力・効果半径などの点からも必要性が薄いというのもあるかと.

軍事板
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 漫画「ジパング」内で出たような,観測班が地上から誘導するミサイルは,自衛隊にはあるの?

 【回答】
 ハープーン等のミサイルのレーザー誘導型自体は,80年代末に構想されたことがあります.
 ただ,(当然といえば当然ですが)観測班に危害が及ぶ可能性が高いと見積もられた為,構想以上には進みませんでした.

 なお現状では,TACTOMあたりが
「上空で滞空しつつ目標捜索」
「飛行途中の目標情報更新」
に対応しています.

 また,自衛隊が使用するミサイルでは,90式艦対艦誘導弾(SSM-1)ファミリーやASM-2(93式空対艦誘導弾)の改良型として,画像信号を母機へ伝達して誘導,陸上目標も攻撃できるデータリンク型が計画されています.
 この中に何らかの形で地上観測班が誘導するという案自体は出ていますが,メーカー側からのアドバルーンも含まれている為,実際に生産されるかは不明です.


 【珍説】
Bomb by Bomb, Japan Sheds Military Restraints - New York Times
[By NORIMITSU ONISHI Published: July 23, 2007]

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The exercise would have been unremarkable for almost any other military, but it was highly significant for Japan, a country still restrained by a Constitution that renounces war and allows forces only for its defense. Dropping live bombs on land had long been considered too offensive, so much so that Japan does not have a single live-bombing range.

Flying directly from Japan and practicing live-bombing runs on distant foreign soil would have been regarded as unacceptably provocative because the implicit message was clear: these fighter jets could perhaps fly to North Korea and take out some targets before returning home safely.
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 【事実】
 このひどい記事は,またもニューヨークタイムズのノリミツ・大西記者によるものです.
 日本航空自衛隊のF-2支援戦闘機が日米共同訓練「コープ・ノース・グアム」において,500lb爆弾による実弾演習を行った事に関連して,
「日本は北朝鮮を爆撃する訓練をしている」
「周辺国は警戒している」
等と無茶苦茶な事を書き立てています.

「コープノース・グアム07」始まるF2が初参加 [6/21 朝雲新聞]
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 米グアムのアンダーセン空軍基地とその周辺空域で6月10日から日米共同訓練「コープノース・グアム07」が始まった.6月23日まで.
 空自からは今回初めて,これまでのF4EJ改戦闘機に代わってF2戦闘機が参加,グアム島周辺のファラロン・デ・メディニラ島にある空対地射場で500ポンド爆弾を使った空対地射爆撃訓練を実施している.
 同訓練は平成11年からほぼ毎年行われており,今回で8回目.参加部隊は空自が3空団(三沢)飛行群司令の有馬龍也1佐を統制官に,3空団と警空隊から計約230人とF2戦闘機8機,E2C早期警戒機2機.
 米側は5空軍(横田),第13空軍(グアム),第27遠征戦闘航空団(ニューメキシコ州キャノン空軍基地)とF16戦闘機18機程度.
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日米共同「コープ・ノース・グアム」終わるF−2初の対地実爆 [6/28 朝雲新聞]
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 米グアムのアンダーセン空軍基地とその周辺空域で6月10日から行われていた日米共同訓練「コープ・ノース・グアム07」の飛行訓練が6月23日,終了した.
 期間中,空自は3空団(三沢)飛行群司令の有馬龍也1佐以下230人が米軍参加部隊と戦闘機戦闘訓練を実施したほか,今回初めて参加したF2戦闘機がグアム島周辺のファラロン・デ・メディニラ島にある空対地射場で500ポンド爆弾による空対地射爆撃訓練を行った.
 7月4日までに全部隊が撤収予定で,F2とE2Cは硫黄島,百里を経て三沢基地に帰投.1輸空のC130H輸送機が参加者や機材等の空輸支援を行う.
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 以上が今年行われた「コープ・ノース・グアム07」の記事です.

自衛隊,徐々に制約除く 米紙特集記事,周辺国に不安も (共同通信)
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【ニューヨーク23日共同】23日付の米紙ニューヨーク・タイムズは特集記事で自衛隊について,インド洋での米艦船への給油活動など「数年前なら考えられないと思われていた変革を実行に移した」と指摘,軍事的制約が徐々に取り除かれていると報じた.
 その上で,こうした変化が周辺国の不安を呼び起こしていると伝えた.
 その背景については,集団的自衛権行使容認派の小泉前首相や安倍首相の志向を指摘.
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 海外メディアが日本を批判している,という権威付けにニューヨーク・タイムズを使うのはもう止めてくれませんか?
 普通のアメリカ人記者が書いたならともかく,ノリミツ・オオニシ記者でしょう? 

ノリミツ・オオニシ - Wikipedia

日本の爆弾投下訓練は北朝鮮を想定=NYタイムズ紙(上) [7/24 朝鮮日報]
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 自衛隊による戦後初の爆弾投下訓練は北朝鮮を狙ったもの,とニューヨーク・タイムズが分析した.

 同紙は23日(現地時間)付の1面と6面に「連日の爆弾洗礼,日本は軍事力抑制から抜け出す」と題した記事で,自衛隊が先月西太平洋の孤島で500ポンド(約227キロ)爆弾を投下する訓練を行ったと報じた.
 同紙によると,これは一見普通の軍事訓練だが,日本としては防衛目的の軍事訓練のみを許容する憲法の規定を越える非常に重大な事件というわけだ.

 とりわけ最新型のF2戦略爆撃機がグアムから240キロ北方の外国の島まで飛んで爆撃訓練を行ったことには「非常に挑発的で意味深いメッセージが込められている」とし,この爆撃機はおそらく北朝鮮のある地点に爆弾を投下して帰還する訓練を行ったものと同紙はみている.

 このような攻撃的軍事訓練に対する心配の声に対して日本は,「爆弾投下は防衛のためのもの」という詭弁(きべん)を展開している.
 訓練を行った航空自衛隊の司令官は「爆弾投下は常に攻撃を意味するものではない.爆弾は防衛のためにも使用可能だ.われわれはその訓練を重点的に行っている」と奇怪な論理を展開した.
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 もうこれに至っては馬鹿げているとしか・・・

 なんですか,「F2戦略爆撃機」ってのは.

 「自衛隊による戦後初の爆弾投下訓練」というのも酷い嘘です.

 爆弾投下訓練は防衛の為のもの,当たり前の話でしょう.
 何処が奇怪なのか分からない.
 敵が上陸した後に爆弾で攻撃する,それの何処がおかしいのですか.
 韓国軍だって38度線を突破された後に敵を空爆する際には,自国内で防衛的な空爆をすることになるでしょうに.

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 今回の訓練は日本と米国がグアムで行った初めての訓練であり,日本で今後導入が有力視されている最新鋭のF22戦闘機なら,日本の北部からグアムまで2700キロを給油なしに飛行できる.
 今回の訓練に参加した自衛隊のパイロットは「一気に攻撃できる」として露骨に自慢した.
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 こんな事はノリミツ大西の記事にすら書かれていない.
 韓国人記者は翻訳がおかし過ぎます.
 日米共同訓練「コープ・ノース・グアム」自体は1999年から行われている事です.
 今回が初めてではありません.
 初めてなのはF-2が参加したこと,それだけです.

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Japan is acquiring weapons that blur the lines between defensive and offensive. For the Guam bombing run, Japan deployed its newest fighter jets, the F-2’s, the first developed jointly by Japan and the United States, on their maiden trip here. Unlike its older jets, the F-2’s were able to fly the 1,700 miles from northern Japan to Guam without refueling a “straight shot,” as the Japanese said with unconcealed pride.
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 これがノリミツ大西の記事原文です.
 1700マイルは約2700kmだから,この部分でしょうね.
 F-22の話なんてしてないですよ.
 日本の北部とは三沢基地の事.「older jets」とはF-4EJの事です.
 このF-4EJにしても,グアムまでの移動に空中給油はしていません.(硫黄島を経由)

 日米共同訓練「コープ・ノース・グアム」には,今まで航空自衛隊は対地爆撃訓練にF-4EJファントム戦闘機を参加させていました.
 今回F-4EJに代わり,初めてF-2支援戦闘機を参加させました.
 つまり今回の演習で目新しい事実は「F-2がやって来た」という点だけです.
 「初」というのはF-2が初めて実弾爆撃訓練を行った,というだけのことです.

 騒ぐ時期を間違えていませんか?
 海外での日本航空自衛隊の実弾爆撃訓練が問題だと言うなら,F4EJの時に騒ぎなさい.2年前の話です.

「コープ・ノース・グアム」終了 空自F−4 実弾で対地爆撃 [2005/8/11 朝雲新聞]
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 米グアムのアンダーセン空軍基地とその周辺空域で7月11日から行われていた日米共同訓練「コープ・ノース・グアム」が同30日に終了した.
 期間中,島全体が空対地射爆撃場となっているグアム島周辺のファラロン・デ・メディニラ島で,空自では初めての実弾を使った空対地射爆撃訓練が行われ,500ポンド実爆弾を積んだ空自F4EJ改戦闘機が編隊を組み,地上目標に向けて次々と実弾を投下した.
 同訓練では爆弾の組み立てから,戦闘機への搭載,発進,爆撃まで一連の動作を演練,「精強化に向けた実戦的な訓練ができた」(吉田空幕長)という.
 日本国内では実弾を使えないため,青森・天ヶ森射爆撃場などで訓練弾による空対地射爆撃訓練が行われている.
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 どうして単なる自由落下爆弾の爆撃演習でこんな大騒ぎができるのか,全く不思議です.

「週刊オブイェクト」,2007年07月25日・改

F-2

爆撃後の整備の模様

(画像掲示板より引用)



 【質問】
 何で日本国内には実弾が使える〔空爆用の〕訓練場がないんですか?
 訓練弾を用いた演習は行われてきたので(もちろんオオニシ記者はそのことは書かない),オオニシ記者が言うように「(平和主義の日本では)実弾を投下するのはあまりにも攻撃的すぎると考えられてきたから」というのは少なくとも嘘っぱちくさいのですが.

バグってハニー

 【回答】
 そんなスペースが確保できていないだけだと思います.
 CALIFEXも確か,国内の演習場では火器類のフルスペックを出して訓練できないから始めたのでは….
 海上にドッカンドッカン落とすわけにもいかないでしょうし.

クローム・ツァハル

 三沢基地の近くに天ヶ森射爆場ってのが有ります
http://www.rimpeace.or.jp/jrp/misawa/mw0008/ripsaw0008.html
 ここを見る限り,自衛隊も使ってるみたいですね

 まぁ,ここでは実弾は使えないのかも知れないですが.
 効率よく演習するなら国外で って事なんでしょうなぁ.

 沖縄にも射爆場が有りますが,こちらも自衛隊が使ってるようです.
 鳥島射爆場という所で,ここは島一つまるまる射爆場みたいですね.

ちくお

以上,「軍事板常見問題 mixi支隊」より


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