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東亜FAQ目次


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「VOR」◆(2012/02/25) 中国の衛星測位システム「北斗」11番目の衛星 軌道へ投入

「VOR」◆(2012/04/30) 中国,衛星測位システムの衛星2基を打ち上げ

「アルファルファモザイク」◆(2010/06/15)中国,「宇宙軍」創設へ


 【質問】
 中国の有人宇宙船「神舟5号」打ち上げ成功の軍事的意味は?

 【回答】
 江畑謙介は次のように述べている.

 有人飛行は,宇宙開発のあらゆる分野において象徴的意味を持つ.
 即,軍事的に大きな意味を持つことはないが,大型ロケット開発に弾みがつき,本格的偵察衛星打ち上げ能力形成に繋がるだろう.
 宇宙を支配してきたアメリカにとっては脅威に映るだろう.
 根本的に日本の宇宙戦略を問い直すべき.宇宙利用が国民にどのような利益になるのか,具体的提示が必要.現在の日本には,国民,納税者が納得できる目標がない.
 軍事分野では宇宙利用は当たり前,かつ,金がかかるという認識が必要.

(読売新聞 Oct. 16, '03)

 また,茅原郁夫(拓殖大国際開発学部教授・元防衛研究所部長)は,次のように述べる.

 米国への牽制にもなる.
 商業衛星打ち上げ事業で得た外貨が軍に還元され,新兵器が購入される可能性もある.
 打ち上げ技術はGPSの衛星の姿勢制御にも応用できるはずで,精密誘導兵器システム開発にもプラス.
 日本は深刻に受け止め,開発戦略を見直すべき.日本は宇宙開発に関してアメリカ頼み.

(同)

▼帰還した楊利偉飛行士
(画像掲示板より引用)


 【質問】
 2007年1月に,中国が用途廃止になった気象衛星 FY-1C (Feng Yun 1C.1999 年打ち上げ,軌道高度 865km) に対して中射程弾道ミサイルから投射したキネティック弾頭をぶつけて,衛星を破壊する実験を実施した
(JDW 2007/1/24 "Chinese ASAT test rekindles weapons debate" より)
が,なぜこの実験が問題視されているのか?

 【回答】
 スペース・デブリを大量にばらまいたことが問題なのだという.

――――――
 宇宙の軍事利用がどうとかいう話よりも,破壊実験で大量の破片を軌道上にばらまいたことの方が問題だと思う.
 破片には赤外線シーカーなんか付いていないのだから,相手かまわずぶつかってダメージを与えてしまう可能性が高い.
 前掲の JDW 誌の記事によると,破片は高度 193〜1,930km の範囲内に散乱したとされるが,これだけ範囲が広いと影響も大きい.

――――――kojii.net,2007/1/29

 他国の宇宙開発にも,軍・民間を問わず,障害となるだろうことは間違いないし,それに対してすんなり補償をしてくれるような国ではないだろうし,中国は.

 人工衛星を撃破する手段("ASAT")は今までにさまざまな研究開発がなされています.
 その衛星が脅威に成り得るなら(手段があれば)躊躇せずに破壊するでしょうね.

 上述のように宇宙での軍事活動は禁止されておりますが,こういった禁止事項を守るかどうかは結局その国の意思にゆだねられています.
 1980年代にアメリカで開発されていた"空対衛星ミサイル"ASM-135は開発中止になりましたが,中国は2000年代に入ってからも地上発射型ASATミサイルのテストを行いました.
 このテストで中国は国際的な非難を浴びましたが,そうなることは初めからわかっていたはず.
 非難を浴びてでもASAT能力を持つ(持っていることをアピールする)ことが必要だと考えたのでしょう.

軍事板

▼ 中国の衛星破壊実験ですが,あれから3年経ってデブリがどうなってるか調べました.

 Space-Track(Last Update: Sat Feb 6 14:27:02 2010 GMT)で"FENGYUN 1C DEB"で検索すると,出るわ出るわで,1999-025Eから1999-025DXMまで,合計2840個.
 これを表計算ソフトにぶち込んでDecay Dateでソートしてみたところ,現在まで落下したのは2010/02/03に落下した1999-025AGAまで74個.
 つまりほとんど大部分である2766個は,軌道上に残っていることになります.

 同時期に行われたNROL-21(USA-193)も同様に分析したところ,174個全てが遅くとも2009/10/28までに落下してます.

 Space-TraceのデータはNORADが出してるから,アメリカにとって都合の悪いデータは隠してて,中国を批判するために捏造データ流してるんだ,と言うツッコミを先に潰しておくと,中国にしろロシアにしろ,(規模の大小はさておいて)衛星軌道のサーベランスは行っていて,単にそれをアメリカのように公開してないだけと考えるのが常識的だと思います.
 で,もしアメリカが嘘をついているならば当然,そこを指摘して批判するでしょうが,そう言うお話は出てませんね.
 また,その観測データを元にして観察してる衛星ヲッチャーなんかもいるわけで,もし偽情報を流していたら,どこかしらで矛盾が出てばれないわけがないでしょうね.

D.B. in 「軍事板常見問題 mixi別館」,2010年02月06日 23:56
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 中国のASAT実験に対する米国の反応は?

 【回答】
 中国との宇宙協力を凍結すると発表しています.

 米国務省は2日,1月11日にシナが実施した衛星攻撃兵器(ASAT)実験を受け,民間の宇宙開発分野における今後の協力体制を見直すと発表しました.
 宇宙協力は当面進められないということです.

 昨年4月の胡主席訪米の際,ブッシュ大統領との間で「民間宇宙開発分野で協力を行なってゆく」とする合意が行なわれ,昨年9月にはNASA局長がシナを訪問するなどしており,関係は進みつつありました.

 ⇒これは非常に重い内容ですね.大統領と国家主席の間で行なわれた合意を白紙に戻すというわけですから.
 一部では人民解放軍が暴走したとの話も出ているようですけど,胡主席や首脳部が知らなかったはずはなく,シナは政府ぐるみでASATを実施したと見るべきでしょうね.

 3日の産経はシナがASAT事件を03年から年1回の割合で行なっていたとしています.
 結局今回のは,はじめて成功したというだけの話なのでしょう.
 確信犯だったんでしょうね.

おきらく軍事研究会議,平成19年(2007年)2月5日


 【質問】
 中国の人工衛星破壊実験に対する,アメリカの対応策は?

 【回答】
 米政府高官は六日,シナが実施した人工衛星破壊実験を受け,米衛星に対する攻撃を回避するため新たな防衛技術開発を進める,との方針を明らかにしました.

 高官の言をダイジェストでご紹介します.

・衛星攻撃兵器(ASAT)を,シナが求める宇宙軍縮交渉で取り上げるのは不可能
・米政府には,条約や二国間協定を通じて宇宙空間での軍事問題解決を図る意図はなく,「単独主義」を貫く.
・シナの衛星破壊実験を通じて米は目が覚めた
・米国は多くの衛星を通じ,宇宙空間に死活的な権益を抱えている
・脅威から衛星を守る手段を講じる必要がある.
・具体的手段は次の三つ.「攻撃回避目的の軍事・商業衛星の機動力向上」「衝撃に強い素材の使用」「衛星破壊時のシステム復旧体制の確立」

 ⇒これでシナは米の明白な脅威となりました.
 米の再生のためかシナの大誤算か良く分かりませんが,両国ともがメリットを受けている,と感じるのはうがちすぎでしょうか...

 ちなみにASAT実験について,在日米軍司令官のライト空軍中将は,以下のような発言を七日に行なっています.
「シナの軍事力の新たな要素であり,シナ軍が何を意図しているかをよく見極めたい.」

 あわせて,今月から約三ヶ月間にわたって一時配備されるFA22については,
「レーダーに映りにくいステルス性能など,あらゆる面で現存する世界の戦闘機よりも優れている.
 なお,配備は米空軍内部のローテーションの一環の一時的なもので,特定の脅威に対抗するものではない」
としています.

おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)2月12日
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 中国軍の兵器の「GPS」ってのは,米国のあのGPS衛星のことを言ってるんでしょうか?

 【回答】
 中国軍が現在利用しているGPSは,アメリカのGPSシステムそのものです。

 中国独自のシステムと衛星測位システムはアメリカのGPSの民間用の電波を基本的に利用し,その誤差を静止軌道に3基打ち上げた衛星で修正しようとするものであり,アメリカ側が民間向けのGPSに使用制限をかけた場合は,無用の長物となります。
 アメリカの非友好国のGPS使用に対する妨害方法については,GPSに対するカウンター・メジャーの研究などとともに,詳細な研究がなされています。

http://www.globalsecurity.org/space/systems/gps.htm

 GPSに対するカウンターメジャーに対する対策がここまで研究されているということは,GPSを特定地域で使用不能にするための研究も進んでいることを示します。

 つまり,EU版GPSのガリレオが出来るまで,中国は精密誘導兵器の誘導を仮想敵国のアメリカのGPS(アメリカが任意で妨害可能)に頼ることになるわけです。


 【質問】
「中国政府が各国に,地震現場を衛星から写した写真の提供を求めた所,日本が最初に提供した」
という記事を見たのですが,本当? なんで?
 アメリカに依存している日本より,中国の方が立派な衛星持っていると思ったんだけど・・・
 これって,「中国側による各国軍事力の偵察」ではないのでしょうか?

 【回答】
 中国側による偵察かどうかなんて,ここにいる軍オタレベルで入手できる情報では今の所,判別できない
(そのうちどっかから情報が一般に流れてくる可能性はあるが…)
 で,中国の衛星技術はロシアから提供された「枯れた技術」が元になってるんで,特に飛びぬけて凄いというわけでもないよ.
 旧ソ連とアメリカが宇宙開発競争やってた頃のような,現代から見ればちょっと周回遅れな程度 .
 日本と比較してどのくらいというのも,日本はついこないだまで研究・技術開発目的にしか宇宙技術利用が法的にできなかったわけだから,状況や置かれた環境からも,単純に比較はねえ…

 それから,中国に渡したのは地球観測衛星「だいち」の観測データでしょ,
 基本的にオープンな情報だよ.
 偵察衛星と観測衛星じゃ得れるデータの性質が異なり,地震被害把握の為には観測衛星のデータの方が有用だろう.
 「だいち」だとマルチスペクトル以外に合成開口レーダーのステレオ情報得れるし,干渉法で過去との差分も求めれる.

 データを渡した理由は,各国が地球観測衛星を提供して,緊急時には互いに衛星画像を融通しあう取り決めがあるから.
 たまたまその時点で最も早く撮影が可能だったか,もしくはスケジュールが開いていた衛星が「だいち」だったのだろう.

国際災害チャータ
http://www.eorc.nasda.go.jp/charter/flow.html

 以下は「だいち」の四川地震観測データね,
 こういうの提供してんでしょう.
http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/img_up/jdis_av2_eq_080515.htm
http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/img_up/jdis_china_eq_080519.htm
http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS/img_up/jdis_opt_eq_080518.htm

 ちなみに「だいち」の可視光解像度は,日本の情報収集衛星なみ,
 つまりレーダー偵察衛星に比べても,恥ずかしくて出せないレベル.
 「だいち」の価値はそんなとこにあるわけじゃないのでね.

 日本は「だいち」などとは別に,ちゃんと先進水準の偵察衛星持ってる.
(多目的情報収集衛星,という名前)

軍事板
青文字:加筆修正部分


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