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 【link】

「an Arms Watcher」◆(2010/06/02)2年連続,中国の軍事予算世界2位 −SIPRI

「an Arms Watcher」◆(2010/07/15)中国の軍事費内情 軍幹部が認める

「CNN.com Blogs」◆(2013/03/14) China’s defense spending mystery ? Global Public Square
人民解放軍の国防費の謎を分析する

「Defence News」◆(2013/02/25) China Takes Aim at Extravagance in Military Spending

「VOR」◆(2012/03/04)中国 国防費を11パーセント増加

「VOR」◆(2012/05/20)米国国防総省 中国の軍備を追及

「VOR」◆(2013/03/05) 中国,軍事費を増大:人民軍は「歴史的使命」遂行に備える

「人民網」◆(2013/03/06) 中国の安全には10.7%の軍事費増加が必要だ

「人民網」◆(2013/03/06) 中米日の軍事費比較:中国の軍事費は対GDP比で大国中最低

「人民網」◇(2013/02/25)解放軍が節約励行と厳格な経費管理を通達


 【質問】
 中国の軍事費はどのくらいか?

 【回答】
 中国が2002年4月に公表した国防費は,前年比17.3%〔20億ドル)増の200億ドルとなっているが,実際には650億ドル近い.アメリカに次ぎ,世界第2位である.

(Annual Report on the Military Power of the Peope's Repbulic of China, by Pentagon)

 ロイターによると,米国のシンクタンクは2003年の中国の軍事費は最大380億ドルであり,米国防総省の見積もりは過大だと言っています.

 しかしこの数字は購買力平価を考えておらず,それを計算に入れて数字を弾き出すと,やはり公表額の3倍以上となる690―760億ドルに達するそうです.
http://www.spaceref.co.jp/news/1Mon/2005_05_23bud.html

 この記事とロイターの記事,は同じシンクタンクの試算を基にしているのでしょうが,ロイターが購買力平価の項を無視したのは何故か?,ということが微妙に気になったりします.

 ちなみに05年度の公表軍事費は前年度12.6%増しの295億ドルになるそうです.
http://www.spacewar.com/2005/050303034235.kwdyalji.html

CCCP_YPA in mixi支隊

 2004年度の時点では,米政府から中国の実質国防予算は公表額の3.5倍と見積もられていた.
(kojii.netのJane'sDefensWeeklyサマリー過去ログ,2004年3/17より.
 記事は消えてるのでgoogleキャッシュかarchive.orgで)

 ただし,国外のアナリストの間では,中国の実勢国防予算は公表されている額よりずっと多いという見方があり,アメリカ政府では公表額の3.5倍はあるとみている.
 また,装備調達費や研究開発費などが,公表されている国防予算には含まれていないという見方も示されている.

 あとはこの辺
http://www.globalsecurity.org/military/world/china/budget.htm
"Official"な数字と"Estimatedactual"な数字の両方が挙げられており,いちおう97年度での"Official"な内訳の図も出てる.

 実際のところ,地方の人民軍企業とかの(実際の)収支まで完全に把握している奴が,本当に存在するのかどうか疑問だ.
 軍閥ごとでも裏収支があると言われているし,中央部でも細部までの把握も不可能なんじゃなかろうか?
 後,あの軍隊って事を差し引いて考えると,予算から想像される現状と,実際の現場の実態が全然違う,なんて事もありそうだ・・・・

軍事板

 なお,中国はこの急増について,「最近の国防費の増加は兵士の待遇改善が主な目的」だとしている.

中国,軍備管理白書で米などの「脅威論」に反論

 【北京=桃井裕理】中国国務院(政府)新聞弁公室は1日,「中国の軍備管理,軍縮,拡散防止への努力」と題する白書を発表した.
 この中で
「中国は,防衛を主とする国防政策を堅持している」
と強調.
 国防費が国家財政支出に占める割合は低下しているほか,
「最近の国防費の増加は兵士の待遇改善が主な目的」
と述べ,米国などで高まる「中国脅威論」に反論した.

 白書は人民解放軍が1985年以来,人員を約424万人から230万人に削減したことを例に挙げ,
「世界でも多くない事例」
と述べた.
 中国の2004年の国防費は米国の5.77%,日本の63.97%の規模だったと強調.
「中国の国防予算は,全国人民代表大会の審査や批准を経ており,公開された透明なもの」として「中国の国防予算は不透明」
との国際的な批判に反論した.
 〔略〕

(日経新聞,2005/9/1)

 まあ,そんな言い訳,誰も信じないだろうけどね.


 【質問】
 2007年の中国の軍事費は?

 【回答】
 米国防総省の推定によれば970億〜1390億ドル.
 同省の報告書は,中国の軍事力近代化の短期的な要因としては,台湾海峡有事への備えがあるが,中国は資源や領土をめぐる紛争に用いる能力も開発していると指摘し,中国の情報制限が東アジアを不安定にさせていると主張している.

 以下引用.

――――――
中国軍事力の増大と不透明性に懸念表明=米国防総省報告

(AFP=時事)[2008年4日12時31分]

 〔略〕
 報告書はさらに,中国の軍事力近代化および安全保障に関して国際社会は限られた情報しか得ておらず,この不透明さが誤解と誤算が生じる可能性を増し,安定への危険を増大させていると述べている.

 米国防総省は,中国の2007年の軍事費の総額は,予算として正式に発表された450億ドルを大幅に上回る970億−1390億ドルに達するとみている.
 報告書は軍事力近代化の短期的な要因としては,台湾海峡有事への備えがあるが,中国は資源や領土をめぐる紛争に用いる能力も開発していると指摘した.

 その上で,中国の軍事力拡張・近代化によって東アジアの軍事バランスに変化が生じているばかりでなく,中国の戦略的能力の改善によって,アジア・太平洋地域を越えて影響が及ぶ可能性があると述べている.
――――――

 これに関連するDoDの中国軍事力アニュアル・レポート(PDF,66ページ)

――――――
ANNUAL REPORT TO CONGRESS Military Power of the People’s Republic of China 2008
Office of the Secretary of Defense


Executive Summary
China’s rapid rise over recent years as a regional political and economic power with growing globalinfluence is an important element in today’s strategic landscape, one that has significant implications for the region and the world.
The United States welcomes the rise of a stable, peaceful, and prosperous China. No country has done more to assist, facilitate, and encourage China’s national development and its integration in the international system.
The United States continues to encourage China to participate as a responsible international stakeholder by taking on a greater share of responsibility for the stability, resilience and growth of the global system. However, much uncertainty surrounds China’s future course, in particular in the area of its expanding military power and how that power might be used.
 〔略〕

Chapter One: Key Developments
Chapter Two: Understanding China’s Strategy
Chapter Three: China’s Military Strategy and Doctrine
Chapter Four: Force Modernization Goals and Trends
Chapter Five: Resources for Force Modernization
Chapter Six: Force Modernization and Security in the Taiwan Strait
Special Topic: Human Capital in the PLA Force Modernization
Appendix: China and Taiwan Forces Data
――――――

 中国の軍事力,アメリカ議会宛のDoD年次報告書発表に関する記者会見記録,Q&A はこちら.
DoD News Briefing with David Sedney from the Pentagon Briefing Room, Arlington, Va.

ニュース極東板,2008/03/04(火)
青文字:加筆改修部分


 【質問】
 2008年の中国の軍事費は?

 【回答】
 2008年度は,姜恩柱報道官による公式発表で,17.6%増の4177億6900万元(約6兆744億円).
 海外の専門家によると,中国の国防費は実際には公表額の3倍程度になるとの見方もあるという.
 姜報道官はこの増加について,
<1>人件費など待遇の向上
<2>物価上昇に伴う適切な食費の上昇
<3>訓練・教育条件の改善費用
<4>情報技術(IT)化に伴う防衛作戦能力の向上,等
という,相変わらず判で押したような毎年殆ど変わらない言い訳を並べている.

 【参考ページ】
2008年3月4日13時36分,読売新聞(北京=佐伯聡士)
2008年3月4日14時44分,ロイター


 【質問】
 中国の軍事費の内,人件費は何割ほどなんでしょうか?

 【回答】
Chart3:China'sDefenseExpenditure,2003
によると,2003年度の時点で人件費がだいたい1/3.

 まあ,上で書いてるように,公的な予算額と北京政府が把握している予算額と,海外アナリストが予想する予算額と,誰も知らないかもしれない実態との間には,かなり大きな差があるのであくまで
「中国が公的にこう主張している」
というソースでしかないんで.
(つか8倍とか10倍とかいう数字が平気で出てくる)


 【珍説】
 中国の軍事費増大については事実です.
 しかしこの内容については,軍事力を増強するのではなく,これまでのかなり旧式で使用に耐えなかった兵器関係を更新するためだという説明を聞いています.
 もちろん,だからといって,軍事費増大を容認するものではありませんが,中国の「軍拡」を「脅威」だと思う前に,よくよく内容を確かめる必要があるのではないかと思いますね.

トリトン in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【事実】
>中国の軍事費増大については事実です.
>しかしこの内容については,軍事力を増強するのではなく,
>これまでのかなり旧式で使用に耐えなかった兵器関係を
>更新するためだという説明を聞いています.

 陸戦兵器の整備は99年辺りで据え置きし寧ろ現勢.
 一方で長距離侵攻作戦に必要な給油機や爆撃機,AWACSの導入.
 2隻造っては次のクラスに移る勢いの建艦体制.
 どうみても侵攻兵力の増強です,本当にありがとうございました.

>もちろん,だからといって,軍事費増大を容認するものでは
>ありませんが,中国の「軍拡」を「脅威」だと思う前に,
>よくよく内容を確かめる必要があるのではないかと思いますね.

 よくよく内容を確かめた結果,明らかに脅威でした.

メッサー=ハルゼー in mixi

■中国軍拡,欧州も懸念…ミリタリー・バランス指摘

〜引用開始〜
 英国際戦略研究所(IISS)は25日,世界各国の軍事力や安全保障情勢を分析した「ミリタリー・バランス2005〜2006年版」を発表した.
 このなかで,中国の軍事拡張について,「急速な拡大・近代化は,今や台湾対策だけでなく,周辺海域を越えた広範な地域での戦力展開を視野に入れており,米国やアジア太平洋諸国にとって懸念となっている」と指摘.こうした懸念は昨年以降,欧州にも広がったと述べた.
〜引用終了〜

中国の軍拡は東アジアの軍事バランスを壊しつつあるという事は,世界的な共通認識だと思うんですけどね.

JSF in mixi

 『インテリジェンスと国際情報分析』(芙蓉書房出版,2007.4)あとがきで太田文雄退役海将は,次のように書いています.
 少し長くなりますが,ご容赦ください.

[quote]

 私が本書でもっとも強調したかった点は,中国の軍拡に対する警鐘であり,従って,それに対する紙数が自然と多くなってしまいました.
(中略)

 人によっては,
「中国の軍拡はソ連の軍拡のコピーで,いずれ使用されることもなく,膨大な軍事力が無駄になるだけだ.中国人の民度を考えれば恐れるに足りない」
として懸念しない人もいます.
 また,
「軍備というのは質の高い兵器を少量備えておくことが,時代に沿った近代化を推し進めていくことができるのであり,一時期大軍拡を行なったとしても,その後の更新に莫大な経費がかかり,それを許すような経済力が常に備わっているとは限らない」
とする人もいます.
 さらには,
「ハードだけを揃えたとしても運用・整備力といったソフト面で中国は劣るので心配するに足らず」
という人や.
「中国の官僚システムや社会主義・共産主義の縦割り性,非効率性,硬直性などの要因が軍事技術の進展を阻害している」
という人もいます.

 しかし,私はアヘン戦争以降の屈辱の歴史を二度と繰り返したくないと失地回復に燃えている中国が,戦略的な手を次々と打って,アジア,ひいては世界の超大国を目指している姿に懸念を抱かざるを得ません.
(後略)

[/quote]

 同感です.

おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)4月27日

▼■米太平洋集団司令官の発言

 2010/3/26のワシントンタイムス記事によれば,米太平洋集団司令官のウィラード海軍大将は25日(木),下院軍事委員会の公聴会で,中共の軍拡は継続しており,その目的はアジアにおけるパワープロジェクション能力発揮にあると述べた.

 あわせて大将は中共の軍拡について
・東アジア地域の軍事バランスに影響を与える
・アジア太平洋諸国への懸念をもたらす
・特筆すべき懸念は,軍拡という要素が,アジア太平洋地域におけるわが軍の
行動の自由に挑戦するものとの構図を持つ点にある
と述べた.

⇒ 中共の軍拡が台湾との将来の争いに限定されたものなのか,あるいは,世界的な軍事的野心を隠すためのものかについて現在,米では政府部内(軍,政治,情報当局)で議論されているそうですが,この発言は議論を白熱化させそうです.
 米政府の一部では,中共の通常・核戦力増強は台湾のみを対象とするものと主張する意見があります.
 彼らは,その際米軍は,台湾を支持しておそらく介入するとします.

 他の当局は,中共の姿勢はが世界中で米国の影響を低減しようとする,軍・経済・政治・諜報を組合せた世界的覇権を目指す姿勢の顕れとしています.

 ウィラード大将は,
「米国はアジア太平洋で抜群の大国のままだが,中共の影響力増大は,挑戦や機会を自ら引き起こすというやり方を通じ,東アジア地域のパワー・バランスを変えつつある」
と述べています.
 また大将は,大陸沿岸から数百マイル先にいる空母を攻撃できるとされる,中共の新型対艦弾道弾が,実験段階に入っていることを初めて明らかにしました.
「中共は,DF-21/CSS-5中射程弾道弾をベースに,空母攻撃に特化して設計された通常型対艦弾道弾を開発し,テストしている」

(参考)の「DF-21X」かもしれません.

 以下でもご紹介する議員さんの発言を見ても何となく推測できますが,空母が攻撃対象ということですから,精密誘導兵器という意味合いが強いかもしれません.
 中共の精密誘導兵器実験について米が公式に明らかにしたのは,これがはじめてとなります.
 また大将は,2012年までの空母保有,現在60隻以上の潜水艦を保有していることについても言及しています.

(参考)
●DF-21X(CSS-5X)
中国,開発中,中距離弾道ミサイル(IRBM)・東風21X号(ドンフェン,Dong
Feng-21X)

射程3,000km,'10完成を目標 .

●DF-21
中国,中射程弾道ミサイル(MRBM)・東風21号(ドンフェン,Dong Feng 21,CSS-5)

JL-1(CSSN-3) SLBMのベース,'65開発開始,'85/05発射実験成功,'87配備開始,
配備数30〜50基(36基/40基の説あり),'99/10/01 建国50周年軍事パレードに登
場,発射基数=中国50基以下,配備場所=大同・建水・敦化・蘭州,'02/07・江西
省から
発射し甘粛省に弾着/真弾頭1発と囮弾頭6〜7発を放出;

<性能諸元>
2段・固体推薬,移動式,射程1,119mile/1,800km(Rand Corp.'s data)(NAIC'98
BM&CM Threat data)/2,200km/2,500km,ペイロード600kg,通常弾頭(1,300-lb)
又は核単弾頭・威力300kt,発射準備時間10〜15分,路上機動

 下院軍事委員会のHoward McKeon議員(共和党)は大将に対し,衛星を使用するこのミサイルについて,および,西太平洋で米軍を攻撃するよう設計された兵器は他にないか尋ねました.
 これに対して大将は,
「中共の軍事能力はこの10〜20年で大きく進化しており,減勢傾向にはない.
 特にこの10年は劇的なものだった.
 これには広く「反アクセス能力」(anti-access capability)と呼ばれるものへの投資も含まれる.
 地域への介入阻止能力(Area-denial capability)はそのひとつである」

 その他発言は以下のとおりです.

・新型ミサイルはシナ本土から発射するよう設計されている.
・他の反アクセス兵器には,多くの潜水艦,新たに統合された防空・ミサイル防衛(MD)能力,サイバー戦,対衛星武器が含まれる
・これらの反アクセス兵器について我々は,ここ数年に渡り詳細にモニターしている
・米軍はこの新たな中共軍を紛争発生時も撃破できると確信している.
・中共の「地域への介入阻止能力」に対処する際の問題点を洗い出し,識別することが,太平洋集団には必要である

 昨年,大将は中共の軍拡について,こんな話をしています.
「12年以上に渡って,年次の米政府の情報見積りより早く進んでいる」
 それが理由かどうかわかりませんが,ウィラード大将は最近になって,中共軍拡について発言するための特別チームを作っています.

 情報当局は中共の軍拡に対し甘い見方をする,と政府部内で国防当局は批判しているそうで,今回の発言は,その批判が形になって出たもののようです.

おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)8月9日(月)


 【質問】
中国軍事費は公表の2〜3倍,周辺脅威に…米国防総省 [読売新聞](リンク切れ)
 非常に日本にとっても危機的な状況だと思いますが,どうなんでしょうか?

【回答】
 中国の軍事費が公表の3倍というのは,ずっと以前から知られている事です.
 そして中国は経済成長する以上の速度で,軍事予算は拡大の一途を辿っています.
 中国軍の軍拡は日本への脅威と成りつつあるでしょう.
 そう,“成りつつ”あります.
 逆を言えば今まで脅威ではなかった,という事でもあります.

 中国人民解放軍は冷戦期間中,軍事予算を核戦力へと振り向け,通常戦力の整備を後回しにしてきました.
『ズボンを履かなくても核武装を』 by 毛沢東
 それは核戦争の脅威の時代には,正しい選択と言えるでしょう.
 そしてある程度の核戦力を揃えた冷戦末期頃から,通常戦力の整備を始めたのです.

 その頃の中国人民解放軍の通常戦力は,日本にとって無視して良い存在でした.
 戦闘機の殆どは時代遅れのMig-19,駆逐艦や潜水艦は第二時世界大戦時の技術レベル・・・
 当時の日本が相対していたソビエト連邦の極東戦力と比べれば,脅威とすら思われていませんでした.

 それから20年.
 経済成長著しい中国は,途中に天安門事件で制裁を受け,西側からの軍事技術取得が出来なくなり,兵器近代化に悪影響が出ましたが,増え続ける軍事予算のおかげで着実に戦力が強化され続けています.
 湾岸戦争という「極端な質の差があると数では対抗できない」戦争を目の当たりにした中国は,兵器の近代化を大急ぎで進めていきました.

 こうして,今まで日本にとって大した脅威ではなかった中国軍の通常戦力が,次第に脅威として台頭してきました.
 しかし,冷戦期のソ連軍と比べればまだまだ脅威レベルは低く,危機的な状況とまでは言えません.
 今後20年,30年となるとどうなるかは分かりませんが,もし中国の軍拡ペースに衰えが見られないようなら,日本もこの競争に付き合わざるを得ない日が来るのかもしれません.

「週刊オブイェクト」,2005年07月29日


 【質問】
 中国の軍事力が額面に比べて高いという根拠として購買力平価がありました.
 「購買力平価」をぐぐってみたのですが,いまひとつよくわかりません.
 中国の経済力から考えると安い兵器を購入している,ということですか?

 【回答】
 「購買力平価」とは同一のサービス,財が取引可能とした場合の自国通貨と他国通貨の比率の事.
 要は物価が安いから,額面のGDPよりドル換算で高い購買力を持っているって理屈.
 もっとも,艦艇や航空機の様に高額な物は輸入の部分が多いので,あまり意味がないが.
 また,発展途上国である中国の購買力平価が高いのは当たり前で,何の自慢にもならん.
 経済が発展すれば,通常はこの値は徐々に小さくなっていく.

軍事板


 【質問】
 透明度は高まりつつあるという意見もありますが,どうでしょう?

――――――
http://j.peopledaily.com.cn/2005/11/04/jp20051104_54868.html

 中国の軍事費は,公開された透明なものであり,中国の軍備の透明度も高まりつつある.
 中国の軍事費についてとやかく論じ,中国の実際の軍事費が発表の2倍から3倍に達すると考える人もいる.
 もしこれが本当なら,中国の軍事費が財政支出に占める割合は20%に達してしまう.
 国の経済建設や国家財政の状況からいえば,これは想像だにできないことで,持ちこたえられるものではなく,米国人ですら信じがたいことだろう.
――――――

 【回答】
 その公演内容ですが,幾つか妙な部分があります.一つ例を挙げると,

>「軍事費が財政支出に占める割合は20%に達してしまう」

 これですが,ソ連やイスラエルは30%以上だったし,建艦競争時代の我が国は50%に迫る勢いでした.

 中国の国家予算は2007年度で70兆円.
 その20%の14兆円を軍事費に充てる事は,さして無理な話ではないのです.
 (実際にそうなのかどうかは別として)

 というか,そもそも国家予算70兆円自体が本当なのかどうか・・・そういう不透明な国です.

JSF in mixi


 【質問】
 中国の軍事費の伸びについて,防衛大学だったかどこかで,中国政府筋が講演を行ったという話があったかと思います.
 基本的に,耐久年数に近い古い型のものを更新したためだという説明だったかと思いますが,実態は違うということでしょうか?

トリトン in mixi
(軍事学的考察上の必要性に鑑み,
引用権の範囲内で引用しています)

 【回答】
 古い兵器を新しい兵器に更新する作業は,何処の国でも行われている事ですからね.
 中国の場合は湾岸戦争ショック以後,最盛期に400万人いた常備兵力数を半分近くに減らしながら,旧式兵器を急速な勢いで新型に更新しつつあります.

 中国の防衛予算が跳ね上がっているのは,この二つが原因です.
 一つは徴兵制を実質的に止めて志願制に移行しつつあり,数は減ったものの,一人当たりの兵士の給料を大幅に改善する必要が出てきたこと.
(ほんの数年前まで人民解放軍の兵士の平均給与は,上海のウェイトレスの数十分の一にしか過ぎなかった)

 もう一つが湾岸戦争で,「現代戦での正規戦闘(ゲリラ戦では無いものを指す)では質の差が全てで数の差は問題ではない」という戦訓を見て,兵器の更新を急ピッチで始めた事です.

 それまで中国は,自身の技術力と予算という限られたリソースを核兵器に注ぎ込み,通常兵器を疎かにしてきました.
 それを今,リソースの振り分けを通常兵器寄りにしていっているのです.

>実態は違うということでしょうか?

 最近の中国側の説明は,「人件費の増大」に切り替わっています.

JSF in mixi


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