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「China.com」◆(2012/03/27)中国人「シーシャドウっぽいステルス艦を作ってみた."幻影●手(ファントムハンター)"」
「FLOT.com」◆(2011/08/02)На китайкой
АПЛ произошла утечка радиации
中国潜水艦漏洩放射線騒動について
「Indian Defence」◆(2013/05/07) Chinese Carrier Killer Works
「JB press」◆(2012/02/23)中国による「海」の脅威は海軍だけでなない 海自と海保の協力関係強化で中国の侵入に備えよ
「Strategy Page」◆(2013/04/24) STRATEGIC
WEAPONS: Chinese Carrier Killer Works
中国の対艦弾道弾は,有効な兵器
「Strategy Page」◆(2013/05/23) NAVAL
AIR: Keeping The Chinese Blind
中国の西太平洋哨戒能力
「海洋戦略研究」◆(2010/04/11)中国東海艦隊合同訓練
「数多久遠のブログ」◆(2013/04/13) 対艦弾道ミサイルは無意味ではない
「数多久遠のブログ」◆(2013/04/16) 対艦弾道ミサイルの可能性について補足
「産経」◆(2013.04.07) 中国潜水艦、インド洋で活動増加か インド懸念
(キャッシュ)
「週刊オブイェクト」◆(2010年07月02日)中国海軍最大の揚陸艦「崑崙山」が海賊対策としてアデン湾に派遣
「週刊オブイェクト」◆(2010年09月27日)中国海軍,ドック揚陸艦と強襲揚陸艦の大量建造に着手か
「人民網」◇(2012/07/31)中国最大の巡航救助船「海巡01」が進水
「人民網」◇(2012/08/07)中国初,300m飽和潜水母船が完成・引渡し
「人民網」◇(2012/11/07)中国海軍,最新の遠洋航海用食品を開発 潜水艦兵の食を豊かに
「人民網」◇(2012/12/28)巡視船「海巡21」,海南海事局に配備 ヘリ搭載も可能
「人民網」◇(2013/01/29) 中国最先端の救助船 「北海救101号」が配備
「人民網」◆(2013/03/13) 海軍の新型ミサイル護衛艦が就役
「人民網」◇(2013/04/08) 中国最大の巡視船「海巡01」 試験航行開始
「人民網」◇(2013/05/31) 国防部:日本は中国の潜水艦の脅威を煽っている
「ニューズウィーク日本版」◆(2011/12/07)胡錦濤,海軍に「戦争に備えよ」
「日々是チナヲチ」:大海原の死闘:中国駆逐艦 vs「巨大黒鮫」
●対艦弾道弾
「OSINTSUM」◆(2010/08/18)人民解放軍の対艦弾道弾関連
「Togetter」◆(2011/01/10)対艦弾道ミサイルは本当に脅威か? 終端誘導方法からの検証
「海洋戦略研究」◆(2011/01/10)ゲーツ国防長官ASBM警戒
【質問】
中華人民共和国に於ける「艦艇大隊」という組織は,どのような組織なのでしょうか?
【回答】
ロスケの編制だと艦隊-水上艦師団-旅団-大隊.
要はスコードロンなんだけど,西側じゃ下にデヴィジョン(駆逐隊)を設けて艦隊-戦隊-隊なのと扱いが違うから,戦隊とは訳せない.
駆逐艦なら2~3隻,魚雷艇なら10隻前後.
中国海軍編制
(画像掲示板より引用)
【質問】
予備役船艇大隊とは?
【回答】
渤海,黄海,東支那海において新編した,予備役からなる艦艇大隊(スコードロン).
部隊規模などは不明.
ガス田問題等を睨んでの,海軍力強化の一環と見られる.
以下引用.
------------
東シナ海で予備役部隊 中国軍,ガス田対立背景か
【北京26日共同】中国国営の新華社通信は26日,中国軍が最近,「東海(東シナ海)方面」で予備役による艦艇部隊を新たに編成したと伝えた.
東シナ海では日中両国がガス田をめぐって対立を深めており,新たな部隊編成はこうした事情を受けた措置の可能性もある.
部隊設置の具体的な場所は挙げられていないが,上海にある中国海軍の東海艦隊の基地の可能性がある.
部隊の規模などは不明.
新華社電は
「戦時には兵士を速やかに動員,集結させる.海上支援,障害物の排除などに積極的に取り組む」
としている.
中国軍はことし5月,渤海と黄海でも,予備役による部隊を編成している.
海軍力の強化策の一環とみられている.
------------(共同通信,2005/9/26)
【質問】
中外運航運有限公司とは?
【回答】
中外運航運有限公司 Sinotrans Shipping Ltd. は,香港湾仔港湾道23号鷹君中心21楼に本社がある,主に中東-中国やアジア域内の近海航路を運航している海運業者.
中国外運集団公司傘下で,シノトランス(00598)の兄弟会社.
2003年設立.
中国最大級のばら積み船船隊を保有し,08年12月末時点の保有隻数は,ばら積み船が26隻(積載容量130万重量トン;dwt),オイルタンカー3隻(同83万2000dwt),コンテナ船5隻(2230TEU;20フィート標準コンテナ換算).
2008年3月,同社の貨物船「グレート・クリエーション」が,アフリカ・ソマリア沖のアデン湾で海賊に乗っ取られているが,乗員25名は後に無事釈放された.
詳しくは
【最新!中国ビジネスサテライト】,12 Mar
2009
を参照されたし.
【質問】
http://www.sinodefence.com/navy/default.asp
このHPで中国海軍の装備について勉強して心配になってきました.
「中国の軍事力って,数は凄いけど装備は旧式だ」と聞いて侮っていたけど,実は凄いんじゃない?
Type-052Cのヘリ・ハンガー付ステルス艦なんてジパングに出てくる「みらい」そっくり.あれって,フェーズドアレイを用いた防空システムがあるでしょ?
対艦ミサイルもレーダーにかかりにくい超低空を巡航するし,命中率も7,8割だっていうし.
海自の装備は極東一っていうけど,実際中国と事を構えるような事態になったら大丈夫なの?
(HNど素人)
【回答】
まず,艦船を運用した経験は一朝一夕で身に付くものではありません.
ましてや,中国海軍が外洋海軍を志向し始めたのは,ほんの20年くらい前です.
器だけ良い物を作っても,実際に運用するソフト(教育,人材配置,戦術その他)が整備されていなければ,そしてそれを使いこなすことが出来なければ,真に強国の海軍とは言い難いでしょう.
Type-052BにしろType-052Cにしろ,その技術は10~20年くらい前の欧米各国のものが基準になっています.
砲である100mm砲はFranceの模倣,37mm機関砲はOTOブレダの40mm機関砲の模倣です.
MissileもSAMの殆どはFranceの,SSMの殆どはRussiaのそれぞれ模倣というかコピーです.
(眠い人 ◆gQikaJHtf2)
ちなみに,海自幹部に言わせると,100回やって100回勝てるそうな.自信満々ですな.
第一,台湾ですら武力制圧出来ないのに,それが対日本なら論ずるまでも無いでしょう.
【質問】
中国の対艦ミサイルに対応できますか?(HNど素人)
【回答】
ミサイルを撃つ前に敵を見つけるのが先ですが,中国海軍の洋上索敵能力はきわめて低いです.
友好訪問中の中国海軍がいきなりだまし討ちをしない限りは,確実に自衛隊が先に中国海軍を発見し,沈めるにしろどうするにしろ対応できます.
また,実際のミサイルの命中精度は,電子兵装によって変って来ます.
中国の兵装は外見コピーでも,電子戦能力が極めて低いので,ミサイルは対艦も対空もさほどに実戦環境下では威力を発揮しないと,みんな思っています.
中国は,自分のところの近代兵器を海外に輸出したいので,ミサイル等の命中精度を高く発表していますが,実際には自衛隊を相手にするような能力はほとんど無いです.
【質問】
たとえば,中国海軍の装備する命中率80%の対艦ミサイル3M80Eが地上すれすれ20mを超音速で飛んできたら,海上自衛隊の護衛艦は対処できるの?(HNど素人)
【回答】
できます.飽和攻撃できるほどの数はありませんし,2000年代のコチラ側の技術ならCECで見通し線外の的に対する迎撃も可能になります.高度20mで飛ぼうがAEW機からの情報でミサイルが誘導されてしまえば無意味です.
早い話が30年遅れてるって事です.
CECに付いては此処を読んでください.
http://sendai.cool.ne.jp/ultramanjack/talk3.html
3M80自体が80年に就役してるんですから,ソレへの対応を自衛隊が20年もしてない訳がありません.
外国から型落ちを導入してる以上,自衛隊が新型を投入すれば対抗できてしまうんですよ.
命中率80%? 当然でしょう,妨害も迎撃も無い状況で的に向かって撃ってそれ以下じゃ,ミサイルとしては話に成らない.
【質問】
中国の対空防衛された駆逐艦には,どう対処するのですか?(HNど素人)
【回答】
自衛隊の潜水艦が魚雷を撃ちこんで処分します.
分かり易く言いますと,潜水艦を訓練中に事故で沈没させるような海軍は,自衛隊にとって,さほど脅威ではないです.潜水艦の訓練がきちんとできない → 対潜水艦戦の訓練ができない,ということです.
【質問】
Type-052Cのようなミサイル防空システムのある中国の駆逐艦に対して,海自の装備する対艦ミサイル(ハープーンとか)は有効?(HNど素人)
【回答】
あまり有効ではないでしょうが気にしなくても大丈夫です.次の対艦ミサイルの要素研究は終わってます.
赤外線画像を加えた複合誘導,タグデットロケット,ステルスと必要な要素は揃ってます.
中国海軍現勢図
(画像掲示板より引用)
【質問】
中国海軍の水準が,西側のそれに急速に追いつく可能性はあるか?
【回答】
財政事情さえ許せば,その可能性はあるという.
以下引用.
潜水艦や水上戦闘艦の近代化の程度は,ロシアからキロ型やソブレメンヌイ級を導入している事実が物語っているように,西側トップ水準のものに比べると依然,大きな懸隔があるように思われる.※
しかし,かつてのソ連艦艇の質を評するのと同じ手法で,彼らの艦艇の今後を論じるのは危険である.
冷戦下,ココムの厳しい規制によって,全てを独自に開発しなければならなかったソ連に比べて,現代中国は資本主義経済圏の中で活動しているのである.
中国に対する武器輸出に種種の制約があるのは事実だが,旧ソ連に対するものに比して遥かに緩やかで,近い将来,大幅に緩和されることもありうるのである.
したがって今日旧式であっても,財政事情さえ許せば明日には最新式の装備を導入する可能性があるわけで,その動向には大いに注意を払う必要がある.
(木津徹〔同誌編集長〕 from 「世界の艦船」2004年11月号,p.91)
※なお,キロ型は,西側のディーゼル潜水艦と比べても決して見劣りするものではないので念の為.
中国が購入したのは,最初の2隻こそ海外向けダウングレード版の877EKMだったが,
その後,最新型の636を2隻購入.更に,数年後には8隻が加わる.
確かに,キロ型はカタログスペックはショボイが,いわゆる「優秀な平凡作」というヤツで,
表面上のカタログスペックには現れない静粛性とかは,現在でも第一級と言っていいだろうね.
しかも,中国のキロ型は,今後,射程300kmの衛星誘導対艦巡航ミサイル3M54E1「クラブS」の運用能力を持つ.
(既に就役済みの4隻は順次追加,今後就役する8隻は,新造時より装備)
ロシアの技術を舐めたらあかんぜよ(笑)>木津編集長殿.
キロ型をハン(漢)型なんぞと同じ感覚で考えたら,ルビーン海洋工学中央設計局(877を設計したトコロ)とマカロフ技師(877設計主任)とアドミラルティ造船所(877を建造したトコロ)に失礼だよ(笑)
ま,正直,海自でも,そうそうカンタンには探知出来まいて(笑)
つーかね,キロ型に限らず,静粛性の高いディーゼル潜水艦を探知するのは難しいんだよ.
(むろん,中国海軍のロメオ型とかミン(明)型とかソン(宋)型と言ったヘボ潜水艦は除外(笑))
フォークランド紛争時にも,世界に冠たるロイヤルネービーは,アルゼンチンの209型(ドイツ製)「サン・ルイス」を捕捉出来ずに取り逃がしている.
この時は,まだ東西冷戦の真っ最中だったので,沿岸作戦(浅海域作戦)におけるディーゼル潜の脅威よりも,
外洋における「ソ連原潜艦隊の脅威」の方が「重大」だと思われていたので,あんまり注目されなかったけどね.
夏光華(シア・クァンファ) in mixi支隊
【質問】
中国海軍の艦対艦ミサイルはロシア製だから,かなり強いのでは?
射程160kmで巡行速度マッハ3だっていうじゃないか.
【回答】
ロシア製であることと,旧ソ連軍の軍事ドクトリンを実践できる質と規模であることは,全然別なわけで.
たとえば射程が40キロ超えれば,水平線越えの索敵,誘導手段を持たなければ,射程が何百キロあっても関係ない.見つけられないし,見つけてもミサイルを誘導できない.
ソビエトの場合はこれを行うために,原潜以外に大量の通常動力哨戒潜水艦を作ったし,Tu95をはじめとする長距離哨戒兵力を構築し,艦載ヘリやフォージャーによるミサイルの中間誘導システムを完成させた.
そういったものが現在の中国に無い以上,「空母殺手」ことサンバーンがあろうが別に怖くは無い.
【質問】
中国海軍の問題点は?
【回答】
藤木平八郎によれば以下の通り.
ジェーン軍艦年鑑 2003-2004 によれば,
「海洋海軍重視の裏でミサイル艇,砲艇,掃海艇は陳腐化し,隻数減少.
注目すべきは対機雷能力の弱体で,近代化に遅れ,2隻の渦掃 Wosao 型が比較的新しいのみ.
他の掃海艇,約40隻は古船.
掃海具も旧式でMCM能力は硬軟共に着実に低下.
中国海軍の重大な弱点である」
周辺海軍の機雷常備数は少ないから,まあよいか.
( from 「世界の艦船」,海人社,2003/10,p.143,抜粋要約)
他にも電子機器の問題などありそうだが.
【質問 kérdés】
中国海軍の093型原潜について教えてください.
【回答 válasz】
旧式化した091型(漢型)の代替として開発された攻撃型原潜.
NATOコードでは商(シャン)型.
ロシアのルービン設計局が深く関わっているといわれ,ヴィクターIII型原子力潜水艦の技術を導入して静粛性の向上を図っているが,アメリカ海軍の評価では静粛性はヴィクターIII型に劣るとされている.
推進方式はターボエレクトリック方式で,武装は533mm魚雷発射管6門を装備.
計画は1980年代初めから始まり,2003年にアメリカ国防総省により初めてその存在が世界に明らかになった.
2007年8月には,中国軍の公式雑誌『現代艦船』で写真公開.
2014年にはインド洋において哨戒活動を行っている.
また,同型の改良型と思われる1隻が2018年1月10~11日,尖閣諸島の接続水域を潜航した後,同月12日,中国国旗を掲げて東シナ海を浮上航行している.
同型艦は2隻.
中国軍の公式発表では,1994年に1番艦が建造開始され,2003年から葫蘆島で公試開始.
2006年12月就役.
2番艦は2000年建造開始,2007年就役.
改良型として093A型と093B型が各2隻建造中.
また,派生型として本型の発展型である094型SSBNも建造.
2007年にはこれの航海の様子が撮影されている.
この093型原潜には,特殊部隊用小型潜航艇が搭載される事になりそうです.
中国海軍には東海艦隊両用偵察中隊と海軍陸戦隊特殊偵察部隊と二つの特殊部隊が配備されていますので,これ等の特殊部隊の輸送用に運用される事になります.
New Chinese Nuclear Sub Design Includes Special Operations Mini-Sub - USNI News
新型中国商級原子力潜水艦は要注意 特殊作戦部隊用小型潜航艇を搭載:航空宇宙ビジネス短信・T2
この他にも,中国海軍の原潜と通常動力型潜水艦の保有数はは米海軍の原潜の保有数を上回っているという報道がロイターからありました.
中国の潜水艦保有数,米国を上回る=米海軍幹部:Reuters
報道を見る限りでは,中国海軍の原潜を含む潜水艦の保有数は日米を上回り,脅威のように思えます.
しかし中国海軍は何故かASW(対潜戦)能力の増強に努めておらず,日米双方の固定翼哨戒機や駆逐艦(護衛艦),哨戒ヘリ,そして米海軍の原潜や海自の通常動力型潜水艦のライバルにはなりえないと,カナダの軍事雑誌は報じています.
中国の対潜能力,20年後も米日のライバルにはなり得ず―カナダ軍事誌:中国情報の日本語メディア―FOCUS-ASIA.COM
海自はP-3Cを80機保有しており,米海軍も153機保有していますが,中国海軍の固定翼哨戒機「高新6号」は現在わずか2機.
また,その能力もP-3Cレベルと言われており,高新6号を日本並みに揃える頃には海自はP-1,米海軍はP-8AとP-3Cを上回る固定翼哨戒機を保有しています.
さらに,海自の対潜能力は世界第2位であり,これは中国政府ですら認めています.
ちなみに世界第1位は米海軍です.
日本の驚異的な対潜能力 世界2位の哨戒機を保有:中国網
先の大戦では日本海軍連合艦隊崩壊後,潜水艦による通商破壊と機雷戦を受けた経験から,海自は対潜戦と対機雷戦の戦術向上を行ってきました.
その結果世界トップレベルの対潜戦能力を持つ事が出来ました.
だからこそ80機もの固定翼哨戒機や対潜戦に強い護衛艦(DD,DDH,DDG,DE)を47隻保有してきたのです.
そして長い年月をかけて対潜戦能力を強化・維持してきました.
さらに中国海軍の潜水艦を意識してか,25DDでは対潜戦能力に比重を移しています.
ですので,093型原潜による日本への中国海軍特殊部隊の侵入は極めて難しいでしょう.
海自は冷戦時代からソ連海軍のヴィクター級原潜の追跡を行っていますので,いくら原潜を静寂化しても発見し,追跡,撃沈が可能です.
中国海軍の潜水艦増強に関しては現状のままか現状より強化する程度で済みます.
ただ,南シナ海だと日米並みの対潜能力を持つ海軍を保有する国は極めて少なく,台湾ぐらいでしょう.
特にフィリピンはこの093型原潜による通商破壊や特殊部隊潜入が可能なのが現状.
横須賀にある第1護衛隊群のうち2隻と固定翼哨戒機を5機ぐらいを,フィリピン海軍が対潜能力を取得するまでスービックに派遣すべきかも知れません.
潜水艦ならバシー海峡やマカッサル海峡での対日通商破壊を容易にしてしまう可能があるからです.
【参考ページ Referencia Oldal】
https://seesaawiki.jp/w/namacha2/d/093%B7%BF%B8%B6%BB%D2%CE%CF%C0%F8%BF%E5%B4%CF%A1%CA%A5%B7%A5%E3%A5%F3%B7%BF/%BE%A6%B7%BF%A1%CB
http://mmsdf.sakura.ne.jp/public/glossary/pukiwiki.php?093%B7%BF
https://ja.topwar.ru/175019-mnogocelevye-atomnye-podlodki-tip-093-kitaj.html
ねらっずーり in mixi, 2015年04月11日
青文字:加筆改修部分
https://www.youtube.com/watch?v=O13V3lSxMvY
【質問】
「ジャンカイ」型フリゲートについて3行で教えてください.
【回答】
「江凱 Jiangkai 」型は,2005年から就役している中国海軍のフリゲートで,中国側の制式名称は054型ミサイル・コルベット.
前型とは艦様が大きく変貌し,本格的なステルス対策が施され,1,500トン以上大型化して航洋性も大きく向上した.
試作艦の性格の強い054型(2隻)と,改良・量産型の054A型に分かれており,054A型は中国海軍のフリゲートとしては初めて艦隊防空能力を有する.
【参考ページ】
http://seesaawiki.jp/w/namacha2/d/054%b7%bf%a5%d5%a5%ea%a5%b2%a5%a4%a5%c8%a1%ca%a5%b8%a5%e3%a5%f3%a5%ab%a5%a4I%b7%bf/%b9%be%b3%aeI%b7%bf%a1%cb
【ぐんじさんぎょう】,2016/06/10 20:00
を加筆改修
【質問】
2005年9月,春暁ガス田に出現した補給艦って何?
【回答】
写真から見て,福池 Fuchi 型補給艦,千島湖
Qiandaohuだと思われます.
これは上海の滬東造船所で建造された最新鋭の補給艦です.
補給だけでなく,司令部機能ないし,人員輸送など,別の機能も有している可能性があります.
以下引用.
起工は2002年,2003年3月に進水,2004年に就役している.
船体形状,主要構造の配置は,両者〔同造船所で建造された,タイ海軍補給艦「シミラン」〕とも極めて相似している.
実際,ジェーン軍艦年間によると,船体の主寸法はほぼ同一である.
艦の内容は当然相異しており,船体の要目以外にはかなり違いは出てくるが,目安となるデータとしてはそれほどの大きな開きはない.
現在記述されている,福池型の主要目は次の通り.
補給物資の搭載量は,燃料油10,500t,真水250t,弾薬などドライカーゴ680t.
満載排水量 23,000t 全長 171.4m 幅 24.6m 吃水 9m 主機 ディーゼル2基,2軸 出力 24,000馬力 速力 19ノット 航続距離 10,000浬/14ノット 乗員数 130
兵装は37mm連装機銃4基で,艦橋前部と格納庫上の両舷に装備している.
ヘリコプターの搭載機数は1機である.タイ海軍のシミランでは,福池型と同位置に同じ4基の37mm連装機銃の装備と,艦橋上に射撃用レーダーの搭載が考慮されている(両者とも未装備のまま).
福池型では37mm機銃は装備されているが,射撃用レーダーの装備は,他の中国の補助艦船同様,考慮されていないようである.
前述のように主船体の寸法はシミランと同一だが,艦尾部の形状に相異が見られる.ヘリコプター甲板下の艤装の違いによるものであろう.
福池型のほうは縦曳き給油の関連艤装があるものと推定されるが,長船首楼後部もやや延長されており,艦内容積を増している.
水線下の船体形状および船体の構造は,大部分シミランの設計を流用したものと考えられる.
主船体中央部にも舷窓が設けられており,かなりの部分に居住設備があることも考えられる.
艦橋構造,格納庫と煙突を含む後部上構は,福池型のほうが大きく,また,シミランには殆ど設けられていない舷窓(角型)が多くあるのも外見上目立つ大きな相違点である.
福池型とシミランは同位置に2組の洋上補給ポストを配置しているが,後者が前後ポストとも給油・ドライカーゴ移送を兼用しているのに対し,前者は,前方のポストを給油,後方のポストをドライカーゴ移送用としている.
また,補給ポストは南倉の給油ポストと同形式である.
補給の指揮管制所は,シミランが2組のポストの中間の中央部に纏めているのに対し,福池型は片舷3ヶ所,計6ヶ所設けている.
給油ポストは片舷の前後ポストに給油ホースを吊り下げており,給油ステーションは片舷2ヶ所ということになる.
また,中央部には両舷に大型のデッキ・クレーンを装備している.
搭載艇も4隻と,乗員数の割には多い(シミランは2隻).
前後のマストの形状は同じであるが,福池型のほうが構造を強化している.
給油ポストの位置と,主船体の舷窓から判断して,艦内の貨油タンクや補給倉庫などの配置は,シミランとかなり異なるようで,福池型では貨油タンクは前部に纏めていると予想される.
補給装置は,受給する側の設備と連動するもので,中国艦艇は受給設備はあまり重視されていないのが実情である.新型の駆逐艦・フリゲイトにしても,給油についてはプローブ・レシーバの類は見当たらない.ドライカーゴ用の受給用ポストは装備されてはいるが,重量物の移送用ではない.
これまでの中国艦艇の行動からも,洋上補給を重視している傾向はなく,福池型にしても,洋上補給能力は従来に比べて強化されたものではない.
主船体の舷窓の位置や上部構造の舷窓を見れば,補給能力だけでなく,司令部機能ないしは人員輸送など別の機能を保有しているのではと想像される.
今後,この補給艦が継続して建造される情報はない.
空母の建造を始めとし,航洋での艦隊行動を可能とするには,中国海軍の洋上補給能力にはまだまだ課題が多いといえる.
これとは別に,中国海軍は多数の中小型タンカーないし貨物船を保有しており,一部は商用にも使用されている.
(「世界の艦船」,2005年9月号,p.88-89)
……ところで,画像検索しても,こんなのとか,こんなのしか見つからないぞ!
【質問】
補給艦「青海湖(チンハイフー)」について教えられたし.
【回答】
1989年1月,ソ連海軍向けの「新型補給艦」ウラジーミル・ペレグドフが,ウクライナのケルソン造船所で起工されました.
ウラジーミル・ペレグドフは,民間用のコマンダルム・フェドコ級タンカーをベースに設計された補給艦です.
ソ連海軍は,1970年代,民間用のヴェリキー・オクチャブル級タンカーをベースにした補給艦ボリス・チリキン級を建造していますから,その後継として計画されたと思われます.
しかし,建造途中でソヴィエト連邦は解体され,ソ連海軍も無くなりました.
未完成のウラジーミル・ペレグドフは,造船所ごとウクライナに接収されてしまいました.
ロシア海軍も,極度の財政難もあり,本艦を取得しようとはしませんでした.
宙に浮いたウラジーミル・ペレグドフでしたが,1993年,中国が1,000万ドルでウクライナから買い取りました.
未完成状態のウラジーミル・ペレグドフは,1993年春,中国本土の大連造船所へ回航され,ここで艤装工事が行われました.
1996年6月,補給設備の艤装未了のまま中国海軍へ引き渡され,「南倉」と改名されました.
その後,「青海湖」と改名され,現在も中国海軍に在籍しています.
そして,「ウラジーミル・ペレグドフ改め南倉」就役から10年以上が経過した今,「元々はソ連海軍の補給艦として建造」という情報は,すっかり忘れ去られているようです・・・・
〔略〕
faq39k02as.jpg
faq39k02as01b.jpg
Небесный бытьネベスニィ・ビィチ~ロシア・ソ連海軍~
2008/9/19(金) 午後 9:19
【質問】
071型揚陸艦って何?
【回答】
NATOコードネームで「玉昭(Yuzhao)型」とも呼ばれる,中国海軍初のドック型揚陸艦(LPD).
建造は江南造船集団有限責任公司によって行われ,2006年12月に1番艦の崑崙山が滬東中華造船所にて進水,2007年11月に就役.
2番艦「井崗山」が2010年11月に進水した.
【参考ページ】
http://wiki.livedoor.jp/namacha2/d/071型ドック型揚陸艦
http://pype.blog28.fc2.com/blog-entry-1434.html
http://japanese.china.org.cn/politics/txt/2010-07/20/content_20533980.htm
http://hp.kutikomi.net/military-guide4/?n=page100
(画像掲示板より引用)
faq110830kn.jpgへのリンク
(こちらより引用)
faq110830kn2.jpgへのリンク
(こちらより引用)
【ぐんじさんぎょう】,2011/09/03 20:50
を加筆改修
【質問】
中共海軍がASBM試射を実施したって本当?
【回答】
中国海軍東海艦隊は,浙江省舟山市と台州市の東側沖合いで,2010年6月30日から7月5日までの間,実弾射撃訓練を実施.
米軍事専門家のAndrew Erickson氏は,中国軍が本演習において,空母を射撃対象とする対艦弾道ミサイル「東風-21D※」の試射を行なった可能性を排除しないと指摘.
【出典:台湾月報】
http://tinyurl.com/27ckc65
※ 第2砲兵に配備されている対艦弾道弾(ASBM)
.
地上発射型で車両搭載式.
射程は3000キロとされ,米の空母機動部隊を標的としている.
2005~06にかけて試射が行われたのが確認されている.
領域拒否能力※2を飛躍的に高める兵器とされる.
※2 「敵が軍事作戦を実施したい地点に向けて展開する能力を敵に与えないこと」に焦点を当てた戦力及び概念.
中国は,敵を圧倒殲滅できなくても,領域拒否能力を持てば,情報化の条件の下で局地戦争に勝利しえると考えている.
シーレーン防衛において,わが国や米等は,シーレーンの存在する海域に海軍力をプレゼンスさせ海上優勢を獲得することを重視するが,中国は,その海域で敵が自由に行動するのを抑止,阻止するための「海洋拒否能力」を重視する.
目的とする海域に直接プレゼンスしてコントロールすることより,目的とする海域の入り口,或いは,それに至る経路,更には敵が海軍力を発出する基地,効果があるなら基地に働く従業員や家族等,敵戦力発揮に繋がるありとあらゆるものに脅威を与えて,損害又は損害が生じるリスクから敵の戦力投射を制限する考え方を重視する.
即ち,空母機動部隊の圧倒的戦力で海域をコントロールしようとする米海軍力に対し,攻撃型潜水艦,対艦ミサイル艦・艇,巡航ミサイル,遠距離投射精密爆弾,陸上基地発の海洋攻撃機から特殊部隊,ゲリラ・テロ迄,あらゆる手段を尽くして海の不正規戦,ゲリラ戦を挑むような思考方式をとるのが,中国及び人民解放軍の教義である.
【参考】
森野軍事研究所 洗 堯,
「21世紀に日本が生き残るために ~20年後の安全保障を考える~」,
2007.9.15
おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)7月12日(月)
▼■支那メディアが「ASBM」を公開.試射を示唆
2010.08.14の朝鮮日報「中国,「空母キラー」対艦弾道ミサイルを試験発射へ」
によれば,次のとおり.
1.中央人民ラジオ(電子版)は13日,中国航天科工集団(CASIC)が近く,国家の重大兵器プロジェクトの試験発射を行うと伝えた.
1.同局は「重大兵器プロジェクト」が何かを明かさなかったが,関連写真として東風21Dと同系列の東風21C中距離弾道ミサイルが,米空母を攻撃する想像図などを掲載し,今回のプロジェクトが米空母を狙った,東風21Dの試験発射であることを示唆している.
報道によると,同社の許達哲総経理は今月5日から6日にかけ,試験現場4カ所を訪問し,研究陣を激励したらしい.
1.対艦弾道ミサイル(ASBM)「東風21D」の試験発射計画を,支那が事実上公開したものといえる.
欧米メディアは最近,中国が東風21Dの開発を完了し,年内に試験発射を行うと報道してきたが,中共政府はこれまで確認も否定もしていなかった.
1.北京の外交関係者の間では,支那が東風21Dの試験発射計画を,国営メディアを通じて明らかにしたのは,米空母の演習派遣に対する警告とみられている.
英字紙チャイナ・デーリーも同日,外電を引用する形で,「中共が対艦弾道ミサイルを開発中だ」と報じた.
同紙は,外電は中共が対艦弾道ミサイルを開発し,来年にも実戦配備すると報じているが,中共国防省はそれを認めていないと伝えた.
1.中共が開発している東風21Dは,最大450キログラムの弾頭6個を搭載できる中距離弾道弾で,射程距離は1300-1800キロメートルとされる.
空母の船体を貫き,内部で再び爆発する構造となっており,一発で空母を撃沈できるため,「空母キラー」と呼ばれている.
1.関連し,13日付香港紙文匯報は,支那が東風21Dで米空母を攻撃すれば,米国は核兵器での反撃も辞さないと報じ,支那の大型弾道ミサイルが米空母を撃破する想像写真を掲載した.
同紙は米海軍幹部が米メディアに対し,
「支那が東風21ミサイルで米空母を攻撃すれば,米国は核兵器を使用して対応する」
と述べたと報じている.
⇒ 米国防総省は,黄海と南シナ海で,韓国やベトナムとともに,原子力空母ジョージ・ワシントンが参加する合同演習を行うことを明らかにしています.
▲
【質問】
中国の対艦弾道弾は,米空母に対して有効なのですか?
【回答】
7日土曜日頃にも
「支那は900マイル(約1500km)離れたところから,最新鋭空母を攻撃できる弾道弾(東風21D)の保有を加速させている.
目的は国際社会の新秩序に自ら関与すること」
とする情報が入っています.
この弾道弾については,
「冷戦時代の設計思想に基づいて作られている"東風"は,性能的にみて米の海洋プロジェクション能力を止める力足りえず,張子の虎に過ぎない」
という見方もありますが,
「とんでもない.
この種のミサイルには,艦艇を追跡したり,空母のような標的に弾頭を誘導するために必要な,幅広い技術が必要だ.
支那は超水平線レーダーを含む,海上のみならず地上の標的も監視追跡可能な,複数のセンサーを保有している.
宇宙衛星による空母戦隊の監視追跡のみならず,太平洋を監視する空中機動センサーも保有している.
こういった技術を保有する脅威に目を向けなければならない」
とする見方もあります.
いずれの見方も妥当で,われわれは両者の感覚を持っておく必要があると思います.
◆◆◆◆水上戦闘艦
(画像掲示板より引用)
【質問】
中国が神盾艦もつぜ!という煽り?インチキ記事が目に付くのですが,予測できるかぎりの性能を教えてください.(JY)
【回答】
神盾艦こと052C型・蘭州 Lanzhou 級は上海の江南造船所で2隻が建造され,1番艦は2004年に就役しています.
この級は,設計にどうやら無理があるようです.
以下引用.
1番艦の起工は2002年7月,2003年4月29日に進水しており,2番艦,海口 Haikou も2005年中に就役する模様.
外観から見ても分かるように,艦橋構造の四周にはフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナが装備されており,中国版イージス艦とも言われている.
〔略〕
空母の建造を企図する中国海軍にとって,それを直衛できるイージス級の艦隊防空システムは必須のものであり,その一つの回答が,長距離の対空ミサイルとVLS,フェーズド・アレイ・レーダーを装備した052C型ということができる.
この052C型に装備される対空ミサイルは,中国製のHQ‐9と言われているが,システム自体はロシアから購入したSA‐N‐6ないし,一部改良型の可能性もある.
いずれもセミアクティヴ・レーダー・ホーミングのミサイルで,射程は100km.
発射機はVLSで,このミサイルと組み合わせての対空防御システムを構成するために,オリジナルのSA-N-6にはなかったフェーズド・アレイ・レーダーが開発されたのであろう.
このフェーズド・アレイ・レーダーの洋上試験は,1997年8月に就役した試験艦の試験 Shiyan 型(満載排水量6,000t,艦番号891)で実施されたと言われる.
ミサイルとVLSのテストも本艦で実施されたと見られ,052C型のために建造された試験艦と考えてよい.
〔略〕
052C型は長距離ミサイル,052B型とソブレメンヌイ級は中距離ミサイル搭載で,これらを組み合わせて縦深性の高い艦隊防空システムを構成するものとも考えられる.
〔略〕
現在のところ,主要目は次の通り. 満載排水量 6,500t 全長 154m 幅 17m 吃水 6m 主機 CODOG
(ガスタービン:DA80 2基,48,600馬力,
ディーゼル2基,8,840馬力),
2軸速力 29ノット 航続距離 4,500浬/15ノット 乗員 280 兵装 HQ-9 SAM用VLS 8基(48セル)
YJ-83 SSM 4連装発射筒8基
100mm単装砲1基
30mm CIWS 2基
324mm 3連装短魚雷発射管2基搭載機 Zhi-9A ヘリコプター2機
船体の主寸法,主機は,052B型と全く同一で,可変ピッチ・プロペラ装備の2軸推進であることも共通している.
052B型に装備されている対潜ロケット発射機は見当たらず,装備されていないのであろう.
052B型は前部マストにトップ・プレート3次元レーダー,後部マストに362型対空/対水上レーダー(いずれもロシア製)を搭載したが,フェーズド・アレイ・レーダーを装備した052C型では,トップ・プレートは姿を消し,前部マスト・トップに362型のみを装備している.
また,052B型は対空ミサイル(SA-N-12)管制用としてフロント・ドームFCSを4基装備するが,052C型にはこれに相当するFCSがない.
おそらくフェーズド・アレイ・レーダーが管制機能を有するのであろう.
両型とも艦橋トップにはSSM管制用のバンド・スタンドFCSを装備している.
100mm単装砲管制用は両型とも344型FCSである.
30mmCIWSは,052B型が艦橋構造両サイドに装備したが,052C型は艦橋前および格納庫トップの前後配置としている.
バウ・ソナーの装備は同じと思われるが,ロケット発射機がない分だけ,052C型の対潜兵器はやや控え目で,対空重視と艦型の制約から装備を諦めたのではないだろうか.
主寸法と写真から判断すれば,どう見ても主船体と機関部は052B型と同一,つまり旅海 Luhai 型の船体に旅滬 Luhu 型の機関部を組み合わせた設計である.
ステルス設計の考え方も052B型と同じで,中央船楼の長さは両型とも同一と見られる.
100mm砲から前方の甲板,ヘリコプター甲板,中央部煙突と吸気室周りの構造と配置は,まったくと言ってよいほど相似している.
前甲板のブルワークは,VLS保護のためか,かなり延長されているが,ナックル・ラインは052B型と変わらない.
052C型はフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナを装備するため,艦橋構造が一層多く,同時に艦橋前にも甲板室を設け,スペースを稼いでいる.
その直前の前甲板には,VLSが6基並んでいる.
煙突後部から格納庫にかけては,装備する兵装の違いにより,大きく異なる.
格納庫中央にはVLS2基を配置,煙突後方には独立した甲板室とアンテナ支筒が設けられている.
対空ミサイル関連の装備品が増えてスペースが不足したため,SSM発射筒は052B型の半数である.
このSSM発射筒以外にも,同一船体にフェーズド・アレイ・レーダーを中心としたシステムを搭載するため,052B型に比較して,設計上はかなり無理をした部分が見受けられる.
まず,艦橋構造に装備したフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナ装備位置が低く,特に後部のそれは,構造・艤装を見れば,レーダー射界に問題があるのではないか.
日米のイージス艦のアンテナ位置と,関連する構造物の処理と比較すれば,何とも設計検討が甘いと言わざるをえない.
おそらく先に艦型を決定して,これに合わせてアンテナなどの配置を行ったのではないか.
これは両型に共通することだが,スペース不足を窺わせる物の一つが艦橋窓の形状で,本来は横長の窓を,スペースの関係から縦長にして押し込んだように見える.
また,052C型は正横方向と後方に向かった窓がなく,艦橋からの視界が取れない.
このためか,艦橋上にペリスコープらしき物が見うけられる.
前甲板100mm砲付近の甲板上に,多数の通風筒が配されている.
艦橋前のVLSの配置を見れば,船体幅に対しての余裕が感じられない.
船体との構造上の関連から,VLS周りの艦内の構造・艤装はかなり難があり,通風筒の林立はこれとも関連しているのではないか.
さらに,100mm砲を後方に旋回すれば,砲身はVLS上となり,当然射界制限はかけているものの,安全上好ましいものではない.
前甲板にはブルワークがあるが,甲板上に打ち込む海水の量を考えれば,排水処理の面で疑問が残る.
また,波浪が正面から来るフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナ前に救命筏を装備しているが,これなどは航洋海軍の艦艇の艤装ではない.
その他数多くの疑問もあるが,最も大きな問題点は,先ず船体と機関を決め,これに合わせて装備と艤装を行う設計手法である.
武器システムを始めとして,船体,機関,さらに艦内電力など,艦艇設計では様々な要素が検討されねばならない.特に抗堪性は重要事項で,そのための区画配備が重視される.
しかし中国艦艇は,全般に機能面はともかく,設計に関する数多くの検討が不充分ではないかと想像される.
経験不足から来るものだろうか.
(from 「世界の艦船」,2005年9月号,p.82-83)
052C型は,艦橋の4周に装着されたフェーズド・アレイ・レーダーのアンテナと思われる「物体」からの類推で,「中国版イージス艦だ」と喧伝されている.
中国式SPY-1はウクライナとの共同開発だとか言われており,実験艦の試験 Shiyan 型(6,000t,1997年完成)で試験されていた由だ.
それにしても,「円筒を四半分にしたかのような外形は何故だろう?
フェーズド・アレイならば平板がよいはずだが」
と,外野席のおっさん達が酒の肴にしたが,結局のところ「分からん」であった.
(同,p.74)
蘭州
神盾システムの中身と思われるもの
(画像掲示板より引用)
【質問】
神盾艦の名前の由来である都市,蘭州はどんな場所なのか?
【回答】
以下の引用に見られるように,古来より東トルキスタンやチベットなどに通じる交通の要衝.
東トルキスタン独立組織が活動を活発化させている今日に,このような名前を最新鋭艦に命名したのは,決して偶然ではないだろう.
蘭州(甘粛省の省都)は古来,東は西涼に出て陜西に入り,西は嘉峪関に出て東トルキスタンに通じ,またチベットにも連絡する西域との交通の要地で,商業,軍事の拠点ともなっていた.
そのために,トゥルファンや西夏などの異民族王朝の手に落ちたこともあった.
一方,黄河の重要な渡河点でもあり,舟筏(しゅうばつ)の浮き橋がかかっていた.
今は鉄橋が架かり,黄河南岸に発達していた市街が北岸にも伸びている.
〔1975年〕現在,蘭州は,蘭新,包蘭の諸鉄道・自動車道路・航空路が集中する,以前と同じ交通の一大中心地で,この交通と西北地方の豊かな資源を基盤に,石油化学を中心とする重要な工業基地となっている.
山と渓谷社編「シルクロード1 中国・ソ連・アフガニスタン」(山と渓谷社,1975/6/1,p.10
【質問】
中国海軍のソブレメンヌイ級は,海上自衛隊にとって大きな脅威ですか?
【回答】
もともと,単体で運用するコトを前提にしたフネじゃないんで,ソブレメンヌイ級単体の能力を云々するのはナンセンス.
海上戦は,対戦型格闘ゲームとは違うんで.
こんなコト言うヤツは,海自のイージス艦と中国海軍のソブレメンヌイ級が「一騎打ち」するとでも思っているのか?(笑)
……ということで話はだいたい終わってしまうのですが,せっかく資料もゲットしてきたことですので,脅威かどうかはいったん脇へ置いて,この艦を観てみることにしましょう.
中国海軍は2005年7月現在,ソブレメンヌイ級を2隻就役させ,さらに2隻を発注中です.
就役中の2隻は,建造が休止していたロシア海軍向けのものを1996年9月に購入.
そのままサンクト・ペテルブルグで建造を進めて,1999年12月25日に同地で中国へ引き渡され,スエズ運河経由で回航されました.
追加2隻は2002年に発注され,2005年就役予定とか.
こちらは,改良型のII型です.
I型との違いは,
・ヘリコプター格納庫が入れ子式ではなくなった
・その長さ増を,後部の130mm連装砲撤去によって埋め合わせした
・30mm CIWS×4を,CADS-N-1 複合CIWS×2に
という点.
纏めると,以下のようになります.
艦名 | 艦番号 | 起工 | 進水 | 就役 | 所属 | 備考 |
杭州 Hangzhou | 136 | 1988.11.4 | 1993 | 1999年12月 | 東海艦隊 | 旧名 698 Vazhny (後Yekaterinburg に改名, という説あり) |
福州 Fuzhou | 137 | 1989.4.22 | 1995 | 2001年1月 | 〃 | 旧名 Alexandr Nevsky |
泰州 Taizhou | 2003.11.15 | 2004.7.23 | 2006年予定 | 〃 | 旧名 693 Vnustitelny | |
(建造中) | 〃 |
参考文献:
(Chinese Defence Today)
(対外情報調査部)
「世界の艦船」2006年3月号,p.60
さて,その性能ですが,「世界の艦船」誌(2005年9月号)によれば,要目は以下の通り.
満載排水量 | 7940t | |
全長 | 156m | |
幅 | 17.3m | |
吃水 | 6.5m | |
主機 | 蒸気タービン,2軸 | |
出力 | 99500馬力 | |
速力 | 32ノット | |
兵装 | SS-N-22 SSM 4連装発射筒2基,SA-N-7 SAM単装発射機2基,130mm連装砲2基, 30mm CIWS 4基,RBU-1000 6連装対潜ロケット発射機2基,533mm連装魚雷発射管2基 |
|
搭載機 | Ka-28ヘリックス・ヘリコプター2機 | |
乗員 | 296名 |
ちなみに,本家ソブレメンヌイ級のデータはこちらを参照してください.
このうち,
「SA-N-7 SAMによる艦隊防空能力と超音速のSS-N-22
SSMは,中国にとっては魅力であろうが,なにぶん1970年代の設計なので,戦闘情報処理システムや電子戦能力は,西側最新のものと比較して,かなり劣っている」
とは,「世界の艦船」誌(2005年9月号)の評.
なお,中国が2002年に発注した追加分2隻は,「956EM」と呼ばれるタイプで,以下の点が原型から変更されている.
・艦対空ミサイル「シュチーリ」を改良型(射程を25kmから42kmに延長)に換装.
・対艦ミサイル「モスキート」も改良型(射程200km?)に換装.
・後部130mm連装砲塔を廃止.代わりに「カシュターン」近接防空システム(CADS-N-1)2基を搭載.
・これに伴い,中央部のヘリコプター発着スペースも拡張.
「956EM」の1隻目は2003年11月15日起工,
2004年7月23日進水, 2006年3月引渡し予定だったけど,今年(2005年)4月27日に火災発生,第二甲板が600平米に渡って焼失したので,この予定の通りに行くかどうかは微妙・・・
つーか,無理っしょ(夏光華(シア・クァンファ) 談 in FAQ BBS)
中国は,他にも052C型(蘭州 Lanzhou 級,いわゆる『神盾艦』),052B型(広州
Guangzhou 級)を,ほぼ同時期に整備している.
これについて「世界の艦船」(同)曰く
西側の常識では理解しにくいことだが,052C型は長距離ミサイル,052B型とソブレメンヌイ級は中距離ミサイル搭載で,これらを組み合わせて縦深性の高い艦隊防空システムを構成するものとも考えられる.※
あるいは技術的リスクの高い052C型が失敗した場合の保険が,052B型とソブレメンヌイ級なのだろうか?
しばらくはその動向に注意を払う必要がある.
というわけで,冒頭に戻りますが,「もともと単体で運用するコトを前提にしたフネじゃないんで」,どういう艦隊システムにソブレメンヌイ級が組み込まれるかに注目すべきでしょう.
Sovremenny Class 「杭州 Hangzhou」
(こちらより引用)
※
「ロシア海軍におけるソブレメンヌイ級に関して言えば,より長射程で多目標同時迎撃能力を有する「フォールト(SA-N-6)」広域防空ミサイルシステム搭載の大型巡洋艦(キーロフ級,スラヴァ級)を補完するのが目的.
中国海軍も,だから「フォールト」の中国版・HQ-9艦対空ミサイルを搭載した052C型防空駆逐艦を就役させているでしょ」(by 夏光華(シア・クァンファ) in FAQ BBS)
とのことなので,こちらの見方が正解に近いでしょう.
【関連リンク】
「ロシア・ソ連海軍~」:中国海軍ソブレメンヌイ級近影
「ロシア・ソ連海軍」:中国海軍のソブレメンヌイ級駆逐艦,ウラジオストク訪問(2008年10月14日)
「軍事板常見問題&良レス回収機構」准トップ・ページへ サイト・マップへ