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◆◆◆経緯
<◆◆イランの核問題
<◆中東のWMD問題
<中近東FAQ目次
●イラン,第2のウラン濃縮施設建設通告以降
「BBC」◆(2010/08/21) Iran begins loading Bushehr nuclear reactor
「Defense News」:Iran Test-Fires Long-Range Missiles
「FT」◆(2010/04/28)Ahmadi-Nejad to attend NPT summit
「Global Security」:6 powers, Tehran to discuss nuclear program RIA Novosti 01 Oct 2009
「Global Security」:Former IAEA Chief: Iran Step in Right Direction VOA 05 Oct 2009
「Global Security」:Iran Downplays 'Openness' In Nuclear Talks RFE/RL 05 Oct 2009
「Global Security」:UN to visit new Iran plant later this month UN News Centre 05 Oct 2009
「Guardian」:Iran tests multiple missile launcher
「Guardian」:Iran test-fires long-range missiles
「Guardian」:Nuclear nightmare in the Middle East
「Guardian」◆(2010/02/09)Iran begins enriching higher-grade uranium, says state TV
「Guardian」◆(2010/06/08)Iran leader vows no nuclear retreat
「Guardian」◆(2010/08/21)Iran begins loading fuel at Bushehr nuclear reactor
「Jerusalem Post」◆(2010/10/28)'US to present new nuclear negotiation terms to Iran'
「Jerusalem Post」◆(2011/01/04)Iran confirms inviting world powers to visit nuclear sites
「Jerusalem Post」◆(2011/01/04)Iran invites EU, Russian reps to visit nuclear sites
「kojii.net」■ (2012/04/05 07:20) アジア太平洋の動きがいろいろ.イラン情勢のまとめなども.
「kojii.net」■(2012/04/09 08:03) 北朝鮮問題・イラン問題の本筋
「NY Times」◆(2010/12/07)Iran Is Pressed on Nuclear Program
「Russia Now」◆(2011/01/04)Iran invites international inspectors to visit its nuclear sites
「Russia Now」◆(2011/01/04)Iran's nuclear program
「Russia Now」◆(2011/06/13)Iran successfully tests domestic air defense missiles
「Russia Now」◆(2011/09/12)Iran, Russia prepare to launch first unit of Bushehr NPP
「Togetter」◆(2012/02/04)NHK BS1放送「地球テレビ100」…「イラン核問題をめぐって」感想
「VOR」◆(2012/02/15)イラン 9ヵ月後には原爆製造可能か?
「VOR」◆(2012/02/25)IAEA報告書―イランはウラン濃縮活動を早めている
「VOR」◆(2012/02/26)イランのブシェール原発 数週間で本格稼働へ
「VOR」◆(2012/02/24)米特務機関 イランに核爆弾製造の意向なし
「VOR」◆(2012/03/01)イラン軍事施設で「何らかの作業」,IAEAが警戒強める
「VOR」◆(2012/03/08)イラン:「6カ国」との協議 成果なしに終了の可能性
「VOR」◆(2012/03/25)イラン 原子力発電所で ロシアとの協力継続を望む
「VOR」◆(2012/03/26)米露両国の大統領 イラン問題の外交的解決を支持
「VOR」◆(2012/03/30)イスラム法はイランに核兵器製造を許さない
>イラン訪問から帰国したトルコのエルドアン首相はイランの最高指導者ハメネイ師が,イスラム法では大量破壊兵器を使用してはいけない,との発言した事を受け,ジャーナリストらに,イラン政府は核兵器を製造していると考える根拠は無く,この見解をオバマ大統領に伝える,と語る.
「VOR」◆(2012/04/01)イランとの「6カ国」協議 4月13―14日に再開
「VOR」◆(2012/04/03)イラン 核開発について協議実施
「VOR」◆(2012/04/06)イラン 湾岸の米MD配備に反対
「VOR」◆(2012/04/07)イラン 核兵器製造の可能性濃厚
「VOR」◆(2012/04/07)米国 イラン国外でなら核開発許可へ
>(;-_-)(記事の中には「国外で」の文言はないし,IRIBやベトナムの声のサイトを見てもそんな事は書いてないし…
「VOR」◆(2012/04/08)イラン「核兵器を製造する能力を持っている」
「VOR」◆(2012/04/08)トルコ イランと「6カ国」の交渉実施を確認せず
「VOR」◆(2012/04/09)イランをめぐる6ヶ国協議,14日にイスタンブールで再開へ
「VOR」◆(2012/04/14)イランの核問題を巡る6者協議 イスタンブールで開催
「VOR」◆(2012/04/14)イスタンブールでイランの核問題に関する6カ国協議再開
「VOR」◆(2012/04/14)露外務省:イランの核問題 協議では合意を目指すべき
「VOR」◆(2012/04/28)イラン IEAE(原文ママ)との交渉を5月13日に再開
「VOR」◆(2012/05/22)IAEA事務局長 イラン交渉に満足
「VOR」◆(2012/05/26)IAEAの専門家 イランで濃度27パーセントのウラン検出
「VOR」◆(2012/05/27)イラン,IAEAに 「高度濃縮ウランは偶然の産物」
「VOR」◆(2012/05/27)イラン ブシェールに2基目の原発建設か
「VOR」◆(2012/06/02)米国務長官;モスクワでのイランと6カ国代表定例交渉に期待
「VOR」◆(2012/06/09)IAEA・イラン核プログラム交渉 実りなく幕
「VOR」◆(2012/06/11)イラン 核問題を巡る協議 成功は相互信頼にかかっている
「VOR」◆(2012/06/11)ロシア外相 イランを訪問
>シリア情勢やイラン核問題について協議される見込み.
「VOR」◆(2012/06/11)イラン パルチン軍事施設での核実験実施を否定
「VOR」◆(2012/06/13)イラン国防相「パルチンでの核兵器開発の事実はない」
「VOR」◆(2012/06/13)ラヴロフ外相 イラン訪問
> ラヴロフ外相はイラン訪問を開始し,イラン指導部と核問題やシリア情勢について意見を交わす他,中東調整問題についても言及する意向.
「VOR」◆(2012/06/16)イラン外務省 国際社会の懸念払拭のため協力の用意
「VOR」◆(2012/06/17)イランの核問題を巡る協議 イラン代表団モスクワを訪問
「VOR」◆(2012/06/18)モスクワでイランの核問題を巡る協議スタート
「VOR」◆(2012/06/19)「6カ国」 モスクワでの対イラン交渉延長の可能性を示唆
「VOR」◆(2012/06/20)イランと国際調整役6カ国交渉 次のラウンドは北京
「VOR」◆(2012/06/28)イランの核プログラムをめぐる交渉 次回はカザフスタンで
「VOR」◆(2012/07/04)米国 イランのホルムズ海峡封鎖 認めない
「VOR」◆(2012/07/14)イラン核開発目的で米国からプラント密輸の疑い 中国,イラン人に有罪判決
「VOR」◆(2012/07/23)イラン 濃縮度56パーセントのウラン製造開始か
「VOR」◆(2012/08/12)イランの核兵器製造プロセスは最終段階にある
「VOR」◆(2012/08/25)イスラエル 核兵器製造作業の促進でイランを批判
「VOR」◆(2012/08/25)ウィーンでのイラン・IAEA交渉 実りなく終了
「VOR」◆(2012/09/17)イラン 核拡散防止条約脱退の可能性を示唆
「VOR」◆(2012/09/21)イラン,IAEAに虚偽のデータを提出したことを認める
「VOR」◆(2012/10/09)イラン 濃縮ウラン蓄積のスピード鈍化
「VOR」◆(2012/10/13)EU 対イラン追加制裁で合意
「VOR」◆(2012/10/16)イラン 環境破壊作戦実行を警告
「VOR」◆(2012/10/16)欧州の人工衛星運営企業,イランのテレビ・ラジオ放送を停止
「VOR」◆(2012/10/19)2013年3月 イランのブシェール原発が稼働予定
「VOR」◆(2012/10/21)米国 核問題交渉でイランとの二国間協議に応じるという情報を否定
「VOR」◆(2012/11/07)中国「対話協力はイラン核問題解決の唯一ルート」
「VOR」◆(2012/11/09)イラン大統領,自国核プログラムについて米国に直接討論を提案
「VOR」◆(2012/11/10)イランとIAEAの交渉,12月中旬に
「VOR」◆(2012/11/29)イスラマバード,核弾頭搭載可能な弾道ミサイルの発射実験に成功
「VOR」◆(2012/12/03)米国,イランの「ブシェル」原発を追跡
「VOR」◆(2012/12/08)イラン 米国の臨界前核実験を非難
「VOR」◆(2012/12/10)イランの専門家ら 北朝鮮のロケット打上げを支援
「VOR」◆(2012/12/14)ロシア:イラン核問題 政治的解決に代わる選択肢はない
「VOR」◆(2012/12/24)ロシアとインド イランが平和目的で原子力研究を行う権利認める
「VOR」◆(2013/02/24) イラン,原発建設用地に16箇所を選択
「VOR」◆(2013/07/01) 「イランには落ち着いて核爆弾を作らせよ!?」
「VOR」◆(2013/07/11) テヘラン郊外に秘密核施設?
> FOX NEWSがイランの左派原理主義組織ムジャヒディン・ハルクの情報として伝えた所では,建設氏はテヘランから70kmのダマヴァンド居住区で,2006年に着工され,地下トンネルが数本掘られたとしている.
> 最近になって作業が活発化し,保管施設が幾つか建てられ,最終的に30の保管施設とトンネルが建設されるという事から,ロウハ二新大統領肝煎りのプロジェクトと見られる.
「VOR」◆(2013/08/10) イラン 核爆弾用ウラン入手のため秘密合意に調印
「VOR」◆(2013/09/22) イラン大統領 欧米諸国に対して濃縮ウランの権利認めるよう呼びかけ
「VOR」◆(2013/09/22) ロシアの専門家ら ブシェール原発のイランへの引渡し 23日にも
「VOR」◆(2013/10/27) イラン ウラン濃縮プロセスを継続
「VOR」◆(2013/11/10) イラン核問題 20日にジュネーブで協議再開
「VOR」◆(2013/11/10) イラン核問題 「6カ国」とイランは,今後の作業のための基盤を構築することに成功した−ラヴロフ外相
「WP」:Iran, Major Powers Reach Agreement On Series of Points
「WP」:U.N. Chief Says Iran Must Prove Its Sincerity on Nuclear Issue
「WP」:U.S., Allies Say Iran Has Secret Nuclear Facility
「WSJ」:(12/20/2009)How to Stop Iran( by Olivier Debouzy)
「国際情報センター」:(2009/12/23)イラン:核問題その他
「共同」◯(2012/02/05) イランが核施設立ち入りを拒否 IAEA調査団に対し
「佐藤守のブログ日記」◆(2012-04-11)「解任」じゃすまない!
ルーピーのイラン訪問について
「時事」◆(2012/04/09)「IAEAは不公平」=鳩山氏発言として紹介−イランTV
「すくいぬ」◆(2012/04/09)シリーズギコ教授「鳩山さんイランに訪問したら利用されたの巻」
「世界の論調批評」◆[2010年02月09日(火)]イラン核武装のプラス面
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2012/02/08)イラン核開発問題深刻化の懸念 原油高でエネルギー関連に注目
「ダイヤモンド・オンライン」◆(2012/02/02)【山田厚史の「世界かわら版」】原油の大動脈「ホルムズ海峡」封鎖はあるか? 世界を引き裂くイラン核疑惑の帰趨
「中東の窓」◆(2012/07/07)ペルシャ湾への米艦艇の増派
「中東の窓」◆(2013/04/09) イランの核開発(ウラニューム鉱山等)
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/10/13)◆ China lauds Iran goodwill in settling nuclear
issue | Press TV
中国は,イランの原発開発に同情的
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/10/30)◆ China encourages Iran, IAEA to continue nuclear
talks | Tehran Times
中国は,イランとIAEAの原子力協議に,大いに賛成
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/10/31)◆ India denies charge of involvement in illicit
nuclear trade | The Hindu
インドは,イランとの核取引きを否定
「日刊 アジアのエネルギー最前線」(2013/11/11)◆ Russia, China support Iran nuclear deal |
Press TV
中国とロシア,イランの核開発問題を,支援する
「ニューズウィーク」◆(2010/05/18)イランの高笑いが止まらない核合意
【質問】
2009年現在,イランに対するIAEAの査察進捗状況は?
【回答】
イラン核問題:IAEAが報告書,イラン対応を強く批判 国際社会の危機感影響
毎日新聞 2010年2月20日 東京朝刊
■「イランが核弾頭開発中か」IAEAが懸念
(読売新聞 - 02月19日 11:22)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1115630&media_id=20
に依れば
> 07年3月,「建設計画立案の段階で申告しなければならない」とする
>現行の保障措置協定に基づく取り決めの一方的破棄
と有りますが,この取り決めとは
「国際原子力機関(IAEA)の保障措置(核査察)協定の追加議定書」
のこと.
詳細はこちら.
IAEA追加議定書とは | ニュースクリップ
[読売新聞]
IAEA保障措置協定の追加議定書の主な内容:文部科学省
なにやら難しいことが書いてありますが,要は
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従来の保障措置協定に基づく査察は,締約国が申告した原子力施設のみを対象とし,ウラン,プルトニウムなど核物質の出入りを検証します.未申告の施設は対象外で,秘密裏に核開発が進められた場合,手も足も出ません.
一方,追加議定書を締結した国に対しては,未申告施設にもIAEA査察官が二十四時間前の事前通告で赴き,土壌や空気中の放射能を分析することができます.
いったん核物質が持ち込まれた施設で,その痕跡を完全に消すのは困難です.
犯罪捜査の「鑑識」に当たるこの手法で,核開発に手を染めた国に物証を突きつけられるわけです.
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と言うところが肝心な部分.
イラン自体はこのIAEA追加議定書に,「署名しながら未批准」の状態であったところ,これら核疑惑の進行上,すべからくこの部分が邪魔になるため,この署名を取り消し,従前の
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「核物質を注入する半年前までに申告すればいい」
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との主張に繋がっているわけです.
これらの動きは,核関連施設の透明性を明らかに阻害する行為であり,IAEAとの信頼関係は崩れていると言わざるを得ません.
まあ,イランの主張は主張ですが,以前のIAEAとの取り決めに勝手に戻って,「だから問題ない」と言うわけには行かず,
「問題ないのであれば追加議定書を批准し,完全な査察を受け入れること.」
とIAEAが要求し,それが満たされないことから,査察が続きながらもIAEAのこの厳しい報告となったわけです.
すなわち,「IAEAの監視下にあるから……」というイランの主張は実効性が伴っておらず,IAEAは査察・監視活動を最大限強化しているが,今回の非常に強い批判を伴う報告となったわけです.
さて,今後どうなるのか.
核を弄ぶ,危険なパワーゲームをしているイランに対し,欧米諸国やロシアまでもが厳しい批判をしているところ.
一方,自己の権益のために一歩引いた対応をしている中国ですが,これ以上の安保理決議等が出来るのか否か.
中国のために決議が出来なくとも,有志連合でイランに経済制裁をちらつかせながら,イランを屈服させるのか.
それとも実際に経済制裁が発動し,石油危機(オイルショック)の再来となるのか,極めて重大な局面に来ていると言えます.
そして,「石油危機(オイルショック)の再来」と言う,すぐ目の前にある危機に対し,何ら具体的な対応を取らない現在の民主党政権の在り方は,危機管理の根本からなっていないと言えますし,その自覚がない日本国民生活も砂上の楼閣でしかない,と厳しく指摘すべきところと考えます.
皆さんは如何お考えでしょうか.
へぼ担当 in mixi,2010年02月20日13:30
事は核に限らず,石油初めエネルギーセキュリティだけでも大変な危機に面しているわけですが,それを意識しない危機管理の在り方に大変な疑問を感じるところ.
また,核の問題についても,所謂「反核団体」がこの問題についてほぼ沈黙を保っていること自体,明らかな不作為であり,その団体や活動が如何にいかがわしいか,雄弁に物語っている物と考えます.
まあ,反核団体のいかがわしさは今に始まった物ではありませんが,核不拡散を絶対前提とする私個人は非常に憂慮する事態であると考えており,この問題については注目していくと共に,反核団体へのヲチも続けていこうと考えています.
へぼ担当 in mixi,2010年02月20日 18:08
【質問】
イランのウラン高濃縮作業開始について教えてください.
【回答】
各報道によれば,2010.2.8,イランはウラン濃縮作業開始について,IAEAに文書で通告.
9日には,中部ナタンツのウラン濃縮施設で,核燃料となる濃縮ウランの濃度を現在の約3.5%から20%に高める工程を開始した.
「テヘランの研究炉での使用が目的」
と主張している.
サレヒ原子力庁長官は7日,IAEA案に基づいた西側との協議がまとまれば,20%への濃縮を停止するとも述べ,対話路線の存続に含みを残した.
外務省報道官は9日の記者会見でも,
「20%濃縮作業はIAEA案とは無関係であり,同案について交渉する余地はある」
と述べ,なお外交交渉を探る姿勢は示している.
これに対して米国務省当局者は8日,
「国連安保理決議を無視した挑発的な動き」
と非難,実行すればイランの核計画の意図に深刻な疑念が生じると警告した.
同当局者は,イランがテヘランの研究炉での医療用アイソトープ生産のために濃縮率20%のウランが必要だと主張していることに関し,ナタンツの濃縮施設で濃縮活動を行っても,時間内に燃料を製造することはできないと指摘.
「濃縮の真の動機に疑問を投げ掛ける」
と述べた.
その上で
「イラン政府がこの措置を取れば,さらに信頼を損なう上に,イランの核計画の意図について深刻な懸念を引き起こす」
と警告.
同国の低濃縮ウランを国外に移送するIAEAの提案が,
「最も実用的で責任ある解決法だ」
とした.
米科学国際安全保障研究所(ISIS)のデービッド・オルブライト所長は,
「濃縮率が20%以上になれば,高濃縮ウランを製造したことになり,兵器級ウラン製造への重要な一歩になる」
と警告している.
IAEAは2009年10月,イランが蓄積した低濃縮ウランをロシアとフランスに移送して20%まで濃縮し,イランに戻す案を提案しているが,イランは,対案を示すなどしてIAEA案を拒否し続けている.
【参考ページ】
2010/02/08-22:22,時事通信
2010/02/09-11:29,時事通信
2010/02/09-16:21,時事通信
2010年2月9日16時22分,時事通信
「イランは最悪の選択をした」というところ.
ここ最近,膠着状態に陥った「イランによる濃縮度約20%のウラン製造」の問題ですが,イランは核をもてあそぶ危険なゲームにおける最悪の選択をしたようです.
これより,このままでは欧米諸国によるイランへの経済制裁は不可避であり,ロシアも懸念を示していることから,残るは中国の対応と言うことが指摘できます.
また,周辺諸国へのPAC3などミサイル迎撃システムの配備も進んでいますが,イスラエルがどのような態度に出るのか.イスラエル国内で根強いと言われる空爆論が実行に移されるかどうか
(それは懲罰的な意味を兼ねて,「当該核関連施設だけとは限らない」のが恐ろしいところ),
その効果も含めて予断を許さないと考えます.
なお,ウランの濃縮度は国際的な技術統一見解として「20%」を区切りと見なされます.それ以上が高濃縮ウラン,それ未満が低濃縮ウランというわけです.
もっとも,純粋な技術の面では20%という数字そのものに大きな意味はありません.
(例えば,それによって物理的特性がすぐさま極端に変わるわけではない.<ただし,詳細は機微事項のため伏せます.)
しかし,国際的な核不拡散,特にIAEAによる査察上では極めて重大な意味を持つものであり,それを超えることはその目的に合理性がない限り,
(極めて特殊な例でしか有りませんし,平和目的ならそれに必要な量は僅かです),
核兵器開発への兆候・意志があると見なされます.
今後どうなるのか.設置されているIAEAの査察カメラに対するアクセスや,IAEAによる封印作業やウラン試料サンプリング他をイランが認めるか否かによって,重大な危機に繋がりかねないものであり,極めて遺憾と考えています.
皆さんは如何お考えでしょうか.
へぼ担当 in mixi,2010年02月09日18:44
個人的に一番恐れているシナリオは,イスラエルが懲罰措置としてブシェール原発や当該の研究炉をつぶしかねないところですね.使う先が無くなったら,用がないだろ...と言う具合に.
実際のところ,地下にあるウラン濃縮プラントの破壊は難しいところ.ならば次のターゲット...と少し恐ろしい考え方になってしまうところで.
また,この問題に対する一般の日本人の脳天気さには,ほとほと呆れるところ.(関係者間ではもの凄いところですが.)
まあ,実際に戦火が起これば(経済制裁措置発動だけでも),ガソリン価格など石油製品のみならず,軒並みエネルギー価格が高騰するならまだしも,供給ストップの危険性すら有りますからね.
過去の石油ショックからの苦い教訓を何処まで酌んでいるのか?と問い詰めたくなるのは秘密です.
へぼ担当 in mixi,2010年02月09日 19:52
核施設を視察するアハマディーネジャード
(こちらより引用)
【質問】
イラン核開発問題についての,ウラン日本濃縮案とは?
【回答】
2010.2.24に明らかになったもので,イランの原発燃料となるウランを,日本国内で濃縮・加工し,イラン側に供与する案.
日本独自の提案だが,3.9現在,イランは日本提案に明確な回答を示していない.
【参考ページ】
日経新聞,2010.2.24付
これが本当だとすれば「失笑する」ところか,「大勝利宣言」をすべきか迷ったところ.
はっきり言います.
「現在の日本の状況,法規制・官庁規制,その他の要因から日本国内でのウラン濃縮(特に研究用原子炉の20%未満ギリギリまで)は無理です.」
「もし『日本国内でウラン濃縮』を行うとすれば,日本原燃(以下JNFL)もしくはJAEA(特に研究用原子炉の20%未満ギリギリを狙う場合)の大勝利であり,我々の積年の課題が一気に解決する」
ことになります.
本内容は大きく分けて,以下の2つに分類できます.
1.まずイランにて建設中のブシェール原発を念頭に置いた提案の場合
基本的にイランにブシェール原発を供給したロシアが担当すれば良く,餅は餅屋で有ることを指摘すべきかと考えます.
当たり前のお話ですが,VVERにはVVER専用の核燃料が必要なため,当該核燃料を供給するロシアに任せれば良いだけのお話で,日本の出番はせいぜい,イランの代わりにロシアから買い付ける信用保証を行えば良いだけ.(と言っても難しいお話ですが)
少なくとも,現在の日本の原子力産業界では,VVER燃料を供給する能力もなければ,それだけのリスクを負うメリットもない
(ただし技術的に不可能というわけではない.VVER燃料を旧西側メーカーが生産・納入した実績は存在する).
致命的なのは,現在の日本にそれだけのウラン濃縮余力があるわけではなく,何も好きこのんで海外にウラン濃縮役務を発注しているわけではない.
もし,まかり間違って日本が行うのであれば,JNFLでのウラン濃縮能力の抜本的な強化が必要.そうなればJNFL大勝利となるが,そこまで踏み込んで現在の日本国政府が覚悟を決めた,とは到底思えない.
2.問題となっている研究炉(ウラン濃縮度20%未満ギリギリの核燃料使用)への供給
致命的な問題は,現在日本国内では,工業規模で20%までのウラン濃縮を行う能力を持ち合わせていない点が筆頭にあげられる.
そもそも,現在の日本国内で用いられている軽水炉では,最大でも5%濃縮という壁がある.
元々は,それ以上の高い濃縮度を要求されていなかった,と言うのが全ての始まりであり,日本国内では現在の安全規制に始まり,各種基準,設備その他は全てそれが前提で作られている.
よって,今後の課題として,如何に合理的に5%超濃縮ウラン燃料を導入するか.
果たしてそれだけのメリットは本当にあるのか,検討されてきたのが今日の姿であり,その準備が整っているわけではない.
よって,現段階で日本国内での20%ウラン濃縮は,よほどのことがない限りあり得ない.
なお,確かに日本国内でも20%濃縮ウランは存在し,主にJAEAにて使用されている.
しかし,それらは全て日本以外の国で濃縮された物であることに,注意が必要である.
(何処に委託したかは,私的商取引及び機微事項のため言及できません.)
そのため,もし現在問題となっている当該研究炉の燃料を供給するとなれば,ウラン濃縮周りだけで,最短でも今から法規制等の整備で最低2年.さらに設備受け入れ,建設までにさらに○年(当該自治体の受け入れに掛かることのため見通し示せず).
よって,後2年程度しか持たないと言われるイランの研究炉には
「日本だけの力では絶対に間に合いません」.
まあ,将来目標としては一考の余地があるところであり,日本以外の第三国の力を借りるのが合理的なところですが,もし実現すればJAEA及び我々にとっての大勝利,という結果になります.
まあ,もしものお話しですが,現実的にはあり得ないお話しでしょう.
以上のような結論になりますが,果てさてそこまで現在の日本国政府に覚悟があるのでしょうか.
私個人は極めて疑わしい,現場や技術を全く知らない思いつきに過ぎない,と考えています.
皆さんは如何お考えでしょうか.
へぼ担当 in mixi,2010年02月27日23:39
【質問】
20%濃縮の国内での達成で得られる「JAEA及び我々にとっての大勝利」とは何を指すのでしょう?
上記項目2番中に「日本国内では現在の安全規制に始まり,各種基準,設備その他は全てそれ(濃縮率5%)が前提で作られている」とあるわけですが,つまり現在の施設などに直接的に20%濃縮のウラン燃料が使えるわけでは無いのだろうと推察します.
それが出来ることによるメリットが別にあるのだと思うのですが,実用する施設がなく,相応の監視が当然向けられるであろう高濃縮工程(と高濃縮ウラン)を自前で持つことは,いかなる「大勝利」になるものなのでしょうか?
Ai in mixi,2010年02月28日 01:21
【回答】
舌足らずで少し誤解を招くような書き方になって済みません.
> 「日本国内では現在の安全規制に始まり,各種基準,
>設備その他は全てそれ(濃縮率5%)が前提で作られている」
というのは,日本の原子力産業界のほとんどを占める商業用軽水炉(普通の原子力発電所)周りのお話しであり,それがメインストリームであったために,ほとんどがそれ前提となっています.
では,それ以外に
「実際に今現在も20%(未満)濃縮ウランを使用している」
JAEAの研究炉まわり(燃料加工成形含む)ではどうしていたか,というと,また別枠扱いで,個々に特別な審査を得ていたわけです.
<ちなみにバケツでウラン,にて重大事故となったJCO臨界事故も,それまでの業務の大部分を占めた扱いの容易な軽水炉用ウランと,慎重な取り扱いが求められる20%(未満)濃縮ウランとの,濃縮度の違いによる差異に注意が行き届かず,組織として油断があったものとも指摘できます.>
つまり,所謂特別扱いで,原子力産業界全体から見れば一般的なものではなかったため,それに関する安全審査指針など体系的な整備が遅れていた上に,先のJCO臨界事故の発生があり極めて慎重になったところ.
一方,将来的な軽水炉の高度化に伴い,従来の前提であった5%濃縮の枠が,商業的にも現実的な制約となって立ちはだかることが,目の前に見えてくる状況となってきました.
そのため,果たしてそれだけの労力を費やしてまで,体系的な法令・安全審査指針等の整備を行うべきか.
行うとすれば単純に一段の規制強化を行うことが一番の近道ではあるのですが,安全裕度を適切に評価しなければ過剰な規制となってしまい,実現性・導入メリットに欠ける物となってしまい,その意味を失いかねません.
そのため,如何に安全を担保しながら合理的な考え方を導入できるか,という非常に難しい問題があり,現在までその得失を含めて検討がなされてきたところであり,それは今でも続いているところです.
ただ,それが「将来的な課題」なのか,至急を要する「直近の課題」なのか,というのは極めて大きな差になります.
そして,それら課題が整理されれば,合理的な規制及びそれに対する合理的な設備が実現するわけです.
それにより,それまでに非常に重い負担を負っていたJAEAなどは直接大きな恩恵を受けるわけであり,我々専門従事者にとっても,5%濃縮の制約と言った長年の課題が一挙に解決されることとなります.
これが「大勝利」と評した所以のものです.
一般の方にとってはたかだか,と言うところであるでしょうが,これらの解決は我々専門従事者にとって非常に難しい長年の課題であり,その解決が待ち望まれていたことは,強調しすぎることはないかと考えます.
なお,そうは言っても現在の日本国内の施設では,将来展望は別として,ウラン濃縮工程の20%までの引き上げは特別な施設を作る必要などがあり,その所要量の少なさもあって非現実的なところがあります.
そのため,現在までの所,実際には海外(どこかは伏せます)でのウラン濃縮役務をお願いしてきたところであり,日本国内での5%以上の濃縮工程は,日本国内の軽水炉(商業用原子力発電所)で実際に必要とされない限り,実現するのは相当先のものとなると評価できます.
<それ以前に日本国内でのウラン濃縮能力自体が現状でも足りません.>
また,それに伴うIAEA査察の在り方も当然異なってくることが予想されます.
ただ,現在の状況から激変しない限り,そしてウラン濃縮度20%未満を厳守している限り,「低濃縮ウラン扱い」という現在の状況から大きく変化しないわけですので,IAEA査察の在り方もさほど大きく変わらないのでは
(ただし,バルク施設であるウラン濃縮・成型加工工程はまた別のお話)
と予想できます.
以上,ご参考まで.
へぼ担当 in mixi,2010年02月28日 03:37
【質問】
イラン核開発問題,日本が打開策を提案 民生用にウラン濃縮
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20100224ATFS2303S24022010.html
マイミクのほうからこの話,
「イランにウラン濃縮をさせたくないので,西側諸国のどこかが代わりに濃縮してもいいと言ってるんだが,イランが信用できるのが,西側では日本しかない」
というシナリオだと聞いたんだけど,ほんとなんでしょうか( ・・)/
緑川だむ,2010年02月28日 00:06
【回答】
ぶっちゃけたお話,商業用原子炉に供給できるだけの,それなりのウラン濃縮・成型加工能力を有している国で,現在もなおイランと曲がりなりにも良好な関係を有している国というと,日本かロシアかの二者選択になってしまいますね.
原子力の平和利用原則から外れた場合の恐ろしさというのは,このように国際社会からの離反を計った場合に,北朝鮮のような極めて特殊な例を除き,よほど用意周到に準備し立ち回らない限り,容易に息の根を止められてしまうことにあるとも言えます.
それはかつて核実験を強行し,強力な制裁下に置かれたインドが,典型例でしょう.
イランとの最大の貿易相手国であるドイツは,欧州サイドで強硬に向き合っているところですし,欧州でのウラン濃縮はイランが(イラン革命以前のお話とはいえど)出資に伴う権益を持っているはずですが,絶望的.
アメリカは言うに及ばずと言う次第ですからね.
基本的にはロシアがどう立ち回るか.西側諸国がどう結束を保てるかという問題であり,日本は買いかぶられすぎているようにも思いますが,石油という生命線を握られている以上,ある程度以上のアクロバティックな立ち回りが必要と考えます.
ただ,それだけの能力が現在の日本国政府にあるのか,核不拡散の絶対原則がある上での覚悟も含めて,厳しく問われているように思います.
以上,ご参考まで.
へぼ担当,2010年02月28日 01:13
以上,「軍事板常見問題 mixi別館」より
青文字:加筆改修部分
【質問】
イランの,新型遠心分離機設計の発表について教えてください.
【回答】
今日から核安保サミットがアメリカが開かれます.
それに先立って,米ロ戦略核削減交渉やマレーシアの輸出関連法改定,前号でお届けしたイスラエルの中共への脅しなどなど,世界各地でさまざまな動きが出ました.
先日のキルギスの政府転覆もその一環でしょう.
(アフガン作戦で重要な後方拠点となっている,キルギス空軍基地の米軍使用許可というカードを,ロシアが握った)
そんななか,核安保サミットの主要標的のひとつイランでは,9日に前副大統領兼原子力庁長官が
「第3世代の新型遠心分離機を設計し,試験を実施した」
と明らかにしています.
〔略〕
この人の他の発言内容は次のとおりです.
・これまでの3倍の能力をもつ第2世代の遠心分離機も作った
・研究用原子炉(テヘラン)に必要な濃縮ウラン(濃縮度20%)の製造ラインの準備をしている
また,アハマディネジャド大統領は
「イランは核技術を完全に獲得した.
誰もわれわれの平和的な核開発を阻止することはできない」
と述べています.
〔略〕
おきらく軍事研究会,平成22年(2010年)4月12日(月)
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イラン核問題:新型遠心分離機を開発 「平和目的」強調
毎日 国際 04/10取得 元記事
〔略〕
イラン国営通信によると「原子力技術記念日」の同日,テヘランで開かれた式典で,大統領は「第3世代」とされる新型遠心分離機の実物を紹介.
「イランの核関連技術は全分野で最高レベルに達し,いかなる国も進展を止めることはできない」
と語り,近い将来に核開発技術の輸出国になるとも宣言した.
また,大統領は中部ナタンツのウラン濃縮施設にある遠心分離機を,現在の約9000台から約6万台まで大幅に増やすことも明らかにし,6カ所の原発への核燃料の供給が可能になるとしている.
〔略〕
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イラン,従来の6倍の能力持つ新型遠心分離機をテスト
産経 国際 04/10取得 元記事
【カイロ=村上大介】イランのサレヒ原子力庁長官は9日,首都テヘランで開かれた同国の「原子力技術記念日」の式典で演説し,従来型の6倍の能力を持つウラン濃縮用の新型遠心分離機の実験に成功したと発表した.
フランス通信(AFP)などが伝えた.
長官は「科学者たちが第3世代に当たる分離機を設計し,機械的な実験に成功した」と述べた.
ただ,新型分離機がいつ,イランのウラン濃縮過程に本格的に導入されるのかなどの見通しは明らかにしなかった.
〔略〕
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イラン追加制裁,6か国大使が初の非公式会合
読売 国際 04/10取得 元記事
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中東
【ニューヨーク=吉形祐司】イランの核開発に対する国連安全保障理事会の追加制裁を巡り,安保理常任理事国にドイツを加えた6か国の国連大使は8日,ニューヨークの英代表部で初の非公式会合を開いた.
ドイツのナイ次席大使によると,決議案に関する意見交換が行われた.
米英仏独は4月中の制裁決議採択を目指す方針だ.
しかし,制裁に難色を示している中国の李保東・国連大使は会合後,記者団に「なお外交に焦点を置いている」と強調した.
ロシアのチュルキン大使も「我々が求めるのは外交的な解決だ」と語った.
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「イランの巨大な嘘?」ということで.
イランのアフマディネジャド大統領による危険な核問題を巡る対応ですが,また危機水準を引き上げる動きを示したととのこと.
従来通り「平和利用目的の核開発」を強調したといいますが,IAEA査察の査察を拒否したり,種々の妨害工作等,核開発懸念払拭に非協力的な態度を取る段階で,その姿勢は「極めて疑わしい」と考えざるを得ません.
また,見過ごせないのは
「近い将来に核開発技術の輸出国になるとも宣言した.」
とのこと.
つまり,自らの手で危機水準を高めるどころか,他国にまでそれを輸出し,危機を拡大させかねない姿勢を明確にしたことで,イラン自身が厳しい情勢を自ら招き入れたとしか評価できません.
これでは,イランが主張する平和利用云々は隠れ蓑にしか過ぎず,無条件かつ完全なIAEAによる査察受け入れが急務.
それが満たされない場合は,部分的な経済制裁などの発動も辞さない,強い国際社会の決意を見せる必要があると考えます.
一方,中国の方は石油資源確保など,独自の権益からそれら動きには反発を示しているところですが,残る課題はその中国を如何に説得するか.そして,中国一国の国益追求だけではない態度に,如何に変換させるか.
原子力の平和利用と,核不拡散を絶対原則とする私からすれば,それらは必要最低限の物であり,例外を許さない強い意志を見せ,イランによる核を巡る危険なゲームを一刻も早く終わらせる必要があると考えます.
皆さんは如何お考えでしょうか.
へぼ担当 in mixi,2010年04月11日07:05
【質問】
イラン政府主催の「核軍縮・不拡散国際会議」について教えられたし.
【回答】
2010.4.17〜18,イラン政府主催で,テヘランにて開かれた国際会議.
イラン政府は会議の参加者を約60カ国約200人と発表.
しかしAFP通信によると,外相の参加はレバノンやシリア,イラク,トルクメニスタン,オマーンなど周辺国や友好国8カ国にとどまった.
ロシアやアラブ首長国連邦(UAE),カタールからは外相代理が参加した.
残り多くは軍縮担当者やNGO関係者だった模様.
同月12〜13日に米主導で開かれ,47カ国の首脳が参加した「核安全保障サミット」に対抗する意図が見え見え.
当然ながら,欧米諸国は会議を黙殺した.
アフマディネジャド大統領は会議冒頭の演説で,米国を繰り返し批判し,
「核を保有し,かつて使用し,今後も使うと脅す者は,国際原子力機関(IAEA)理事会のメンバーになるべきではない」
「拡大主義を取る高慢な国の政策によって核軍縮が進まず,世界の安定が損なわれている」
「残念ながら国連安保理も,国際社会の持続的な安定を実現できていない」
などと発言した.
まさに「お前が言うな」状態.
ちなみに日本からは,駐テヘラン大使館員が参加.
日本側では「公式な参加ではない」としているが,会議では,「被爆国としてNPT再検討会議に向け外交努力を続ける」とする鳩山由紀夫首相と,広島・長崎両市長からのメッセージが読み上げられた.
【参考ページ】
毎日新聞,2010年4月17日19時50分
読売新聞,2010年4月17日22時44分
「厳重に行動は監視の上,発言は放置すべし」と言うことで.
今月12,13日に米主導で開かれ,47カ国の首脳が参加した「核安全保障サミット」に対抗する形でイランで行われた当該会議ですが,案の定,まともに相手にされていないようで.
まあ,自らが行うべき説明責任を放棄したまま,イランの核軍縮・不拡散への積極姿勢と核の平和利用の権利の重要性を主張されても,それを額面通り受け取る人間は多くないと言うことで,ある意味国際社会委の健全性やイランの置かれている立場が明確になった物と考えます.
そのなか,アフマディネジャド大統領は
「IAEAは核拡散を制御できていない」
として,IAEAに代わる監視組織を非核保有国で創設するよう提案したとのことですが,笑止そのもの.
自らに都合の良い組織を立ち上げようとして,どれだけの国々が賛同するのか見てみたい物です.
まあ,別段イラン自身が自信の潔白性を証明するために,情報公開や国際的な監視を受け入れるのであれば,それを妨げる物ではありませんが,IAEA査察の代わりにはなり得ないことは明白.
だから,どうするのだ?と聞きたくなりますが,ここは厳重に行動は監視の上,発言は放置すべきでしょう.
皆さんは如何お考えでしょうか.
へぼ担当 in mixi,2010年04月18日02:53
【質問】
ロシア−イランの関係悪化について教えられたし.
【回答】
核開発を巡り,両国関係は急速に悪化しつつある.
2010年5月26日,イランのケルマンで演説したアフマディーネジャード大統領は,
「テヘラン宣言を敵視する立場が,ロシアをイラン人民の敵≠ノ変えた」
と述べ,
「ロシアの指導者は,イラン人民をロシアの敵にまわすような,状況をつくってはならない.
このままであれば,イラン人民はロシアを,歴史的敵の範疇に入れざるを得なくなる」
と警告.※1
これに対して数時間後,ロシア大統領補佐官セルゲイ・プリホジコ
Sergei Prikhodko は,ロシアの立場は親米でも親イランでもないと述べ,次のように主張した.
「ロシアは国益にもとづく長期方針で行動している…
友好的イラン人民を代表して話をするのであれば,この点を覚えておかなければならない.
政治的煽動主義の助けを借りて,威信を保とうとしても無理である.
誰にもできない.
自信をもって言えるが,イランの数千年の歴史自体がこれを証明している…
ロシアは,国の大小に拘わらず,或いは国家の歴史の長短にかかわりなく,ひとつの例外もなくすべての国家と尊敬,善隣の関係を維持してきた.
今後も然りである.
国際社会全体にかかわる決定が,政治的過激主義,予測不能性,不透明,自家憧着にみちていれば,ロシアには到底受入れられない」※2
また,2010年5月27日,ロシアのラブロフ外相は記者会見で,アフマディーネジャードの声明をはねつけ,
「これは(ロシアでは)感情的と解釈される」
と述べた.※3
A・サヴィヨン(MEMRIのイラン・プロジェクト長)は,プリホジコがロシア・イラン関係史を持ち出したのは,イランへの侮辱のためだと指摘している.
19世紀前半,ロシアは2つの屈辱的条約−−ゴールスタン条約(1813年)とトルコマンチャーイ条約(1928年)−−イランに強要している.
これら条約でロシアは,アゼルバイジャンと中央アジアを含む広大な地域をイランから強奪し,イランに親露政策をとらせた.
トルコマンチャーイ条約の調印,ペルシアの国王(Fath
Ali Shah)は,ロシアが提示する屈辱的条約に同意しなければ,テヘランは数日間で征服される,と告げられている.
※1 2010年5月26日付Press TV(イラン)
※2 2010年5月26日付Itar・Tass(ロシア)
※3 2010年5月27日付AP
【参考ページ】
MEMRI,May/31/2010
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