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イラクで撃破されたM1「エイブラムス」戦車
(画像掲示板より引用)
「Jerusalem Post」◆(2012/07/02)American strategy in Afghanistan
flunks Sun Tzu
COINについて積極的な意見を書いていたジェンティールが,アメリカのアフガン・イラク戦略を孫子の『兵法』を引き合いに出して批判
「ザイーガ」:米軍スペシャルフォース,イラクでの夜間戦闘シーンを暗視スコープビジョンで
「ニューズウィーク日本版」◆(2010/08/03)オバマの勝利なき「イラク撤退」宣言
「ひろぶろ」◆(2010/04/09)米軍ヘリがイラクで記者ら10人以上を射殺した際の映像が公開
「ワレYouTube発見セリ」:MV-22 Osprey Tilt Rotor Deploys to Iraq
「ワレYouTube発見セリ」:US Army: 82nd Airborne in Iraq
「ワレYouTube発見セリ」:U.S. Army Soldiers Conduct a Weapons Cache Search With Iraqi
「ワレYouTube発見セリ」:U.S. Army Soldiers Engaging Insurgents In Iraq
「ワレYouTube発見セリ」:U.S. Marines Engage Insurgents Near Gas Station In Iraq
「ワレYouTube発見セリ」:U.S. Soldiers And Iraqi Forces Taking Fire From Insurgents
「ワレYouTube発見セリ」:U.S Soldiers Engage Insurgents in Iraq
「ワレYouTube発見セリ」:US Special Ops vs Insurgents & terrorists in Iraq
【質問】
なぜ戦闘が終わっても,なかなか米軍はイラクの治安を回復できないのですか?
【回答】
戦争前から言われていたことですが,戦後復興計画が杜撰で具体性を欠き,しかも,そのための訓練を兵士達は受けていないからです.
[quote]
「5月下旬,サダム・フセインの故郷ティクリートでのことだ.イラク復興について,アメリカには具体的な計画があるのかと問うと,ウォレスはかなり率直に答えてくれた.
『そうだな,計画は同時進行で作るしかない』
今もこの言葉が耳から離れない.アメリカ政府のイラク復興計画がいいかげんで,もしかするとなんの根拠もないものだったことが,日増しに明らかになりつつあるからだ.
もちろん,現場の兵士はベストを尽くしている.
だがアメリカの軍学校は,彼らに平和維持や建国の方法を教えてこなかった.最近の戦争は,本格的な戦闘が短期間で終わる代わりに,その後の処理に時間がかかる.
ところがドナルド・ラムズフェルド国防長官 (Secretary of Defense Donald Rumsfeld) は,陸軍大学校の平和維持研究所を10月1日付で閉鎖するという」
[/quote]
―――T・トレント・ギーガクス記者,ニューズウィーク日本版 2003年7月16日号 P.26
さらに,イラク戦争が始まる前から,ワシントンでは国防総省と国務省のつばぜり合いがあったとされる.
例えば……,
[quote]
今年2月にジェイ・ガーナー(Jay Garner)元陸軍中将が人選していたイラクの戦後復興専門家チーム(国務省関係者20人含む)に対し,ドナルド・ラムズフェルド国防長官は,20人中16人を外せとガーナーに要求,人選は「めちゃくちゃになり,医療支援のために派遣する医師さえ中絶反対派に限られるほどだった」とされる.
侵攻と戦後の治安維持の両方を命じられたトミー・フランクス Tommy R. Franks 中央軍司令官(当時)は,あまりに迅速に勝利を収めた場合,兵力不足のまま首都バグダッドを占領することになると警告していた.だが,戦後処理の優先順位は低く,担当部署の人手不足はひどくなるばかりだった.
ラムズフェルドらは,戦後の治安維持と作戦遂行をはかりにかけた.イラクを掌握できるほどの兵力を送り込めば,機動性が犠牲になる.しかも,平和維持と国づくりは米軍の仕事ではないということに関しては,制服組も文民も意見が一致していた.
占領は比較的短い期間ですむと,ブッシュ政権は信じたがっていた.
バース党幹部は逃亡あるいは投降する.だが,多数の中流階級出身の官僚は,そのまま残って国を治める――.このシナリオを描いたのは,国防総省のネオコンと関係の深いアフマド・チャラビらの亡命イラク人たちで,チャラビは帰国して政府高官となる心づもりでいた.数カ月もすれば,駐留米軍は5万人以下に減るはずだった.
だが,思惑ははずれた.イラク兵は投降せず,姿を消してしまったため,施設の修理や発電所の警備に回す人員が不足した.アメリカの情報機関もあてにならなかった.中央官庁の正確な所在地さえわからないことがあった.
フセイン後の指導者を誰にするかでも,政府内部は大いにもめた.国内に支持基盤のない亡命イラク人を指導者に選ぶことには,CIA(Central Intelligence Agency:米中央情報局)や国務省の関係者の多くが懐疑的だった.
リチャード・アーミテージ国務副長官は,国防総省のネオコンと激しく対立.国務省内に彼らのスパイがいると考えた彼は「連中はコウモリだ.昼間は翼で目を覆って見て見ないふりをしているが,夜になると飛び回ってひそひそやっている」と息巻いたという.
ブッシュ政権上層部のこうした対立に,大いに翻弄されたのがガーナーだ.彼は91年の湾岸戦争後,クルド人の難民問題に対処した経験から,迅速な対応がいかに重要かをよく認識していた.だが,彼らがバグダッド入りできたのはフセイン逃亡から12日後.電話も車もなく,孤立無援の状態だった.
フランクス司令官はすぐに戒厳令を敷くべきだった.だが兵士たちは,たとえ泥棒でも民間人への発砲を嫌がった.増派されたのは憲兵2000人足らずで,到着も遅れた.略奪を止められない米軍に,イラクの人々は憤った.
米政権内からは,ガーナーは手ぬるいという非難の声が上がった.彼らはフセイン派を排除して事態を収拾できる強く冷徹な統治者を求めて,ポール・ブレマー Paul Bremer に白羽の矢を立てた.ヘンリー・キッシンジャー元国務長官の側近だった人物で,テロ対策の専門家だ.
バグダッドに到着したブレマーは,アメリカ人高官に対し,イラクの省庁からバース党員の幹部を排除するよう指示.「3〜5万人を地下に潜らせることになる」と,CIAの幹部は反対した.ブレマーは加えて,イラク軍の解体を正式に行え,給料は払うなと命じた.CIA幹部は「さらに35万人を怒らせてしまう.彼らは銃を持っているんだ」と警告した.
先週,ブレマーは「バース党員の排除命令は,私がイラクでやったことで最も高い評価を受けている」と本誌に語った.
だが,兵士に支払いをしなかったのは誤りだった.ブレマーはすぐに現金を配り,イラク軍と警察の再建にも着手したが,遅すぎた感は否めない.とくにバース党の拠点だった首都周辺やフセインの故郷ティクリートでは,米兵がゲリラ攻撃にあっている.
国務省と国防総省の役人たちは,口をきくことさえ嫌がる仲.そのせいでイラクのインフラの状況といった,国務省にとっては当たり前の知識が国防総省には伝わらず,結果としてブッシュ政権がイラクの再建費用を極端に低く見積もる事態にもつながった.
ブッシュ政権があらゆる兆候を見逃し,楽観的すぎるシナリオを描くことになったのは誰の責任か.外交政策の調整は国家安全保障問題担当のコンドリーザ・ライス大統領補佐官が担うが,自分たちの仕事は政策の助言で「実行」ではないと,彼女は言う.
一方,政権内からも国防総省批判が出ているが,そもそも戦争と戦後復興の基本計画を承認したのはホワイトハウス側だ.
[/quote]
―――ニューズウィーク日本版 2003年10月8日号 P.48
[quote]
「北部戦線をめぐるトルコとの政治的な駆け引きにうんざりしていた第4歩兵師団に,本国政府のお粗末な計画が追い打ちをかけた.市街戦にそなえていた兵士たちが,現地の言葉もわからぬまま,警官の役目を押しつけられたのだ.
通訳を探すのは,大量破壊兵器の証拠を探すのと同じくらいむずかしい.だが兵士たちは,まるで万能ナイフのように,戦闘も人道援助も平和維持もやらされている(それがラムズフェルド流の「軍隊改革」らしい).
現場の兵士には,十分な手段が与えられていない.携帯電話の通信網など,基本的なインフラの整備にも時間がかかる.兵士たちにしてみれば,新政権樹立まで基本的な公共サービスを提供するはずの復興人道支援室(ORHA:Office of Reconstruction and Humanitarian Assistance)に悪態をつくしかない.
いざ復興支援に取りかかり,アメリカに対するイラク国民の誤解を解こうにも,戦車が市街地を走り回り,言葉も十分に通じない状況で,どうやって一般市民の理解を得たらいいのか.
あるとき涙顔の女性が近寄ってきて,たどたどしい英語で訴えた.「爆撃があるから今すぐ家を出なくてはいけない,というのは本当ですか」.心理作戦チームが流しているアラビア語放送のことらしいのだが,アラビア語を解さない米兵には答えようがなかった」
[/quote]
―――T・トレント・ギーガクス記者,ニューズウィーク日本版 2003年7月16日号 P.26
[quote]
また,「米英合同の暫定統治機構(CPA)を代表するポール・ブレマーは先に,イラク軍とバース党の解体を命じた.これが多くのイラク人から定職を奪い,図らずもフセイン派のゲリラに参加させる結果になったのかもしれない.
『バース党員の多くはフセインを支持しておらず,アメリカに協力する気でいた.
しかし,ブレマーが戦後復興から党員を締め出したから自暴自棄になった』と,CPAで働く現地人のムスタファは言う.
『みんな,フセインは金をもっていると思っている.100ドルくれるなら再びフセインのために戦う,という人も多い』
アメリカ人を1人殺せば5000ドル貰えるという噂もある.米軍のジェフ・ウォーショー技術兵はバグダッド大学で炭酸飲料を買って帰る途中,背後から後頭部を撃たれて死亡した.
『これは暗殺だ』と,ウォーショーの上官であるブレイク・グラス大尉は言う」
[/quote]
―――(ニューズウィーク日本版 2003年7月23日号 P.26)
[quote]
「イラクでは,ブレマーの連合国暫定当局(CPA:Coalition Provisional Authority)が嘲笑の的になりつつある.「宮殿で暮らす800人のうち,アラビア語が話せるのは17人で,イラクの専門家は1人だけ.しかも論文ばかり書いている」と,ある国防総省高官は言う.極端な描写だが,的外れではない.派遣された高官の大半は,外交官やホワイトハウスのスタッフで専門家ではないからだ.
[/quote]
―――(ニューズウィーク日本版 2003年10月8日号 P.48)
まあ,戦後の混乱は,政府自体は生き残っていた第2次大戦直後の日本にもあったことだが,ラムズフェルドの責任は大きいように思える.
しかし当人が辞任したのは結局2006年11月.遅すぎる解任となった.
ラムズフェルド
(画像掲示板より引用)
【質問】
シンセキ将軍は,どのような点でラムズフェルド国防長官と意見対立したのですか?
【回答】
アメリカ陸軍初のアジア系四つ星将軍になったEric
Shinsekiは,上院軍事委員会でイラクの占領統治について質問されて
"something in the order of several hundred
thousand soldiers"(おそらくは,数十万の兵力が必要)
と答えていたわけで,彼の見通しは正しかったわけです.
ラムズフェルド長官とウルフォウィッツ次官は,ハイテク装備のアメリカ軍はもっと少ない兵力でやれると判断して,彼は退役したわけですが,議会での答弁は歴史に残ることになりました.
http://en.wikipedia.org/wiki/Eric_Shinseki
【質問】
米軍の統治のやり方には,具体的にどこに問題があるのか?
【回答】
米兵は,対不穏分子作戦術や地域住民の「心と考え」を惹き付ける必要性について,十分教育訓練を受けていないと指摘されている.
米軍は,目的さえ正しければ,たとえ失敗が生じたり一般市民に死傷者が出たとしても,一般市民の理解は得られると思っているが,それは間違いだという.
以下引用.
英国防省の大学校での,英国人の前に出るとかしこまっていた米国人達の姿を思い出させたのが,Aylwin-Foster英軍准将が執筆した,イラクでの米軍の不穏分子対処方法を厳しく批判した米陸軍の雑誌Military Review掲載論考です.
この准将は,昨年までイラク軍の教育訓練に携わっており,現在在ボスニア欧州平和維持軍(Eufor)副司令官をしています.
この論考の要点は次のとおりです.
米軍の「やればできる」的発想("can-do" approach)が,逆説的に「危うい楽観主義」("damaging optimism")を生んでいる.
米兵は,対不穏分子作戦術や地域住民の「心と考え」を惹き付ける必要性について,十分教育訓練を受けていない.
米軍の将校達は,英軍等が軍事力の行使に消極的すぎると批判するが,米軍の戦略は,「全てのテロリストと不穏分子を殺害するか捕らえる」ことであり,このように敵の殲滅を戦略的目標にしていることから,米軍は,迅速にして強力な在来型戦闘を絶対視するきらいがある.
こんな単純なやり方は,非生産的であって,多くの住民の反発を生んで米軍の任務遂行を困難なものにしてしまう.
米軍は,目的さえ正しければ,たとえ失敗が生じたり一般市民に死傷者が出たとしても,一般市民の理解は得られると思っているが,それは間違いであり,不穏分子の思うつぼだ.
2004年の春にファルージャで4人の米国籍の軍事会社社員が殺害された時の米軍の反応は,まさに「道徳的正義感」に突き動かされたものであり,敵の全面的殲滅という不釣り合いに大きな反撃に乗り出してしまった.ファルージャの限られた場所にめがけて,一晩で40発以上の155ミリ砲弾を発射するなどということは,全く愚かなことだった.
この論考は,英軍将校のコンセンサスを代弁したものであると言ってもいいようです.
この論考に対する米軍の将官や将校達の反応は,先生の叱責にぶつぶつ言いながらも頭を垂れる,といった感じであり,英国防省の大学校での米国人達の姿を思い起こさせました.
(以上,
http://www.guardian.co.uk/Iraq/Story/0,2763,1684561,00.html
及び
http://www.csmonitor.com/2006/0112/dailyUpdate.html
(どちらも1月13日アクセス)による.)
過去の帝国統治や北アイルランド紛争対処を通じて培われた,英軍の低強度紛争への対処に係る識見と能力に対しては,世界最強の米軍と言えども,敬意を表せざるをえないのです.
また,
・100万人近い兵力,短期間で武装勢力の掃討と一般国民の武装解除をする必要があったのにやらなかった
・イラク軍と戦った部隊を占領部隊から外さなかった
点を指摘する意見もある.
以下引用.
占領政策は,バグダッド陥落までの効率的な戦争とは正反対に,それこそ100万人近い兵力を同盟国や友好国から動員し,イラク国民の間に反米感情が生まれないように配慮しながら,3ヵ月ほどの短期間で武装勢力の掃討と一般国民の武装解除をする必要がありました.
むろん,イラク軍と戦った部隊を外すことは,征服者然と振る舞うことを避ける上での占領政策の鉄則です.
アメリカの占領政策は,ことごとく逆をやってしまった.
アブグレイブ刑務所での虐待事件など米軍の不祥事,武装勢力掃討作戦に伴うイラク国民の犠牲は,間違った占領政策の産物と言えます.
このような現実をアメリカは率直に認め,検証し,歴史の教訓としなければなりません.
小川和久著「日本の戦争力」(アスコム,2005.12.5),p.227
【質問】
米軍のイラクでの素行はどうなんですか?
【回答】
まずイラクは広い.18州あり,それぞれどんな地元住民と内乱勢力を相手にしているかが違う.
ざっといって1991年以降のプロバイドコンフォート以来の関係にあるクルド人自治区のある北部(トルクメン人などがいるし,フセイン政権が都市部に移住させたシーア派がいる),スンニ派の多い中部,そして91年に反乱を起こしたシーア派南部とわかれる.
そして部隊毎にできるだけ合理的に担任する地域を区切っているとはいえ,やはり面積に応じての疎密はある.また,例えばバグダッドなどの大都市はその分人が集中している(500万人の人口)からそこに部隊を注がざるを得ない.
ということで部隊毎に様々な手段を模索して課せられている任務を乏しい資源でこなしている感じになる.
また,指揮官のある程度の裁量が認められる範囲があるようで,そこでもいろいろ異なる面がある.
【質問】
ラムズフェルド・ドクトリンは失敗だったの?
【回答】
ラムズフェルドの少数精鋭論は,軍全体のコストを下げながら戦果を挙げる,いいとこ取りの理論だったんだ.
実際,イラク政権を打倒するところまでは上手くいったんだ.
だが・・・その後の占領政策には,精鋭部隊よりも「量」が必要だったんだよ.
それは開戦前から言われてたことなのだが,ラムズフェルドは自論に固執してしまった.
結果,イラク占領政策は泥沼のゲリラ戦に向き合う羽目に陥った.
イラクでの米軍の犠牲の内半分以上は,ラムズフェルドが増援を渋っている内にゲリラ勢力が戦力を拡充し,また民衆への浸透を進めてしまった結果だ.
(他にも,旧イラク政府の組織を解体しちゃったとか,そもそもRMAによる麻痺戦が占領統治に悪い方向に働いたのではないかとか,数多くの要因が指摘されていたと思うが)
まあ十年経ってないから,総括をするにはいささか早いのかもしれん.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
派遣兵力を削減して,戦後政策に齟齬を来たしている点で,ラムズフェルドへの批判はないのか?
【回答】
ようやく,2006年になって,現役軍人からの批判が噴出しているという.
ただし,擁護論も出ている.
それにまた,もし国防長官がラムズフェルドでなかったとしても,統治の下手さぶりには変わりはなかっただろうという見解もある.
以下引用.
ラムズフェルト国防長官の人となりと彼の対イラク戦指導及び戦後イラク政策を批判し,長官辞任を求めている米退役軍人は,
・かつて(中東・南アジアを担当する)米中央軍司令官を勤めたジニ(Anthony Zinni)海兵隊大将,
・対イラク戦後イラク軍の教育訓練を担当したイートン(Paul Eaton)陸軍少将,
・2000年から2002年まで米統合参謀本部作戦部長を勤めたニューボールド(Greg Newbold)陸軍中将,
・イラクで米第1陸軍歩兵師団長を勤めたバティスト(John Batiste)陸軍少将,
・イラクで第82空挺師団長を勤めたスワナック(Charles H. Swannack Jr.)陸軍少将,
・NATO最高司令官を勤めたクラーク(Wesley K. Clark)陸軍大将
というお歴々です.
また,直接ラムズフェルトを名指しこそしませんでしたが,前国務長官のパウエル(Colin Powell)元統合参謀本部議長・退役陸軍大将は,「バグダッド陥落の直後に深刻な過ちが多数なされた.・・地上部隊の兵員数が十分ではなかった.だからわれわれの意思を貫徹させることができなかった.
その結果叛乱が始まり,それを鎮圧できないままになった.」と語り,ラムズフェルト批判の輪に加わりました(注1).
(注1)この発言は,いささか遅きに失した感はあるが,パウエルが,1991年の湾岸戦争後に人口に膾炙したパウエル・ドクトリン・・戦争は極力回避し,開戦する場合は圧倒的な兵力を投入する・・をつくった御本人であることを考えれば当然のことだ.
対イラク戦開戦の数週間前の2003年2月に,当時のシンセキ(Eric Shinseki)陸軍参謀長・陸軍大将が議会証言で,イラクは民族間の緊張(ethnictensions)が他の諸問題を引き起こしかねない類の国であるので,イラク戦後には数十万の米兵が必要となる,と述べたのは,パウエル・ドクトリンに則ったものであるとも言えよう.
シンセキは,当時の国防副長官のウォルフォヴィッツによって「完全に的はずれだ」とこき下ろされ,これでも足りぬとばかりに,ウォルフォヴィッツは,議会証言で,シンセキの言及した兵力より少なくてよいのは,イラク人達は米軍を歓迎するだろうし,イラクという国は,ボスニアのような民族間紛争(ethnicstrife)の歴史がないからだ,と述べた.
ラムズフェルトは,シンセキの退役の一年も前に後任を発表し,慣例を破ってシンセキの退官式に出席しなかった.
これに対し,11日には現役軍人ナンバーワンの統合参謀本部議長のペース(PeterPace)海兵隊大将が,ラムズフェルト擁護論を御大の横でぶち,14日にはブッシュ大統領がラムズフェルト擁護の声明を出す等,ブッシュ政権は事態の沈静化にやっきになっています(注2).
(以上,
http://www.slate.com/id/2139777/(4月13日アクセス),
http://www.csmonitor.com/2006/0414/p01s03-usmi.html,
http://www.nytimes.com/2006/04/13/washington/13cnd-military.html?ei=5094&en=6365ea46871d51d8&hp=&ex=1144987200&partner=homepage&pagewanted=print
(どちらも4月14日アクセス),
http://www.time.com/time/magazine/printout/0,8816,1184048,00.html(4月17日アクセス.以下同じ),
http://www.nytimes.com/2006/04/16/washington/16rumsfeld.html?_r=1&oref=slogin&pagewanted=print,
http://www.nytimes.com/2006/04/16/washington/16cndmilitary.html?ei=5094&en=46571ab513b7bb32&hp=&ex=1145246400&partner=homepage&pagewanted=print
による.)
(注2)対イラク戦の指揮をとったフランクス(TommyFranks)前中央軍司令官・退役陸軍大将や,前統合参謀本部議長のマイヤーズ(RichardB.Myers)空軍大将もラムズフェルト擁護陣に加わった.
しかし,マイヤーズは,同時にシンセキ発言擁護も行うことによって,「良識」を示した.
ラムズフェルト国防長官を批判し,その辞任を求めているのは,既に退役した将軍達なのだから,単なる市民グループの声に過ぎないというわけにはいきません.
第一の理由は,彼らが軍人の現役幹部の多数の意見を反映していると考えられることです.
その証拠に,ニューボールド退役海兵隊中将は,現役の軍人幹部らにラムズフェルト批判の声を挙げよと促していますし,バティスト退役陸軍少将は,ラムズフェルトに批判的な気持ちは現役将軍達の間で蔓延しており,ラムズフェルトが軍事的指導者達と彼らの意見に敬意を払っていないという認識はほぼ全員が抱いている,と述べているところです.
ちなみに,ニューボルトは,次期海兵隊司令官と噂されていたにもかかわらず,(同僚達は退官の理由を知っていたけれど,大統領も米国の公衆も知らないまま)目前に迫っていた対イラク戦に反対して自ら退官した人物ですし,バティストは,将来,全軍でナンバーツーのランクへの昇任が噂されていたにもかかわらず,これ以上ラムズフェルトの下で仕事をしたくなかったため,イラクへの戦列復帰と中将への昇任の内示を蹴って辞任した人物です.
(以上,スレート前掲及び
http://www.guardian.co.uk/usa/story/0,,1753267,00.html(4月14日アクセス)
による.)
第二の理由は,彼らの本当の狙いが,ブッシュ大統領の批判にあると考えられることです.
このことを示唆しているのはニューボールドだけですが,他のお歴々も陰ではそう言っているといいます.
彼らがあからさまにブッシュ批判を行わないのは,戦争中に軍の最高司令官の表だって批判することは避ける,という(退役軍人を含めた)米軍人の暗黙の掟があるからです.
この掟が破られた例が過去になかったわけではありません.
1951年にマッカーサー(Douglas MacArthur)がトルーマン(Harry S. Truman)大統領と朝鮮戦争に関し,次に打つべき手をめぐって対立して馘首されたケースがそうですし,そのほか,リンカーン(Abraham Lincoln)大統領批判を行ったマクレラン(George McClellan)大将の例や,マイナーなケースですが,カーター(Jimmy Carter)大統領の対韓政策を批判して馘首されたシングローブ(John Singlaub)少将の例があります.
しかし,これらは皆単独で大統領に刃向かったケースであり,今回のように集団で「叛乱」したわけではありません(注3).
(以上,特に断っていない限り,
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/04/14/AR2006041401451_pf.html(4月17日アクセス)
による.)
(注3)米空軍がジョンソン(LyndonJohnson)大統領がベトナム戦争の空爆対象を自ら一つ一つ決めることに不快感を示したケースや,1993年には軍部がクリントン大統領の同性愛者を兵士として認める政策に異議を唱え,政策をトーンダウンさせたケースがあることはある(タイム前掲).
しかし,これらは集団による「叛乱」とは到底言えない.
第三の理由は,彼らの声が,米国民の間に広汎に見られる,対イラク戦及び米イラク政策への批判と基本的に相通じるものがあることです.
米国民の多くもまた,ラムズフェルトが少なすぎる兵力で対イラク戦を実施したこと,イラク軍を廃止したこと,彼よりはるかに戦闘経験が豊富な人々の意見に耳を傾けなかったこと,そしてイラクの囚人達への虐待に十分な関心を抱かなかった,は間違っていたと感じているのです.
(以上,タイム前掲による.)
英国が主導する形でイラク介入が行われておれば,はるかにうまくやったことでしょう.
しかし,果たしてブッシュ政権以外の政権がイラクに介入していたら少しはマシだったのでしょうか.
私はそうは思いません.
米国は日本とドイツの戦後統治をうまくやったということになっていますが,それは例外中の例外であって,唯一の植民地であったフィリピンの統治に失敗した(コラム#201)ほか,盛んに介入を繰り返したカリブ海・中央アメリカ諸国での統治も及第点をつけられるものは皆無と言っても過言ではありません(まだ完結していないが,コラム#1192,1193参照).
要するに日本とドイツは自己統治能力があったからこそ米国による「統治」がうまくいったというだけのことだったのであって,米国にはそもそも,他民族を統治する能力が欠如していると私は見ています.
【質問】
イラク戦争での米陸軍についてお尋ねします.
通常の現役兵が足りなくなったときは,次に派兵されるのは,州兵と予備役のどちらが先でしたか?
【回答】
順番的には米陸軍の場合;
Stop Loss 現役の除隊予定者を強制的に引きとめる.
大抵軍曹とか経験を積んだ兵など部隊の根幹をなす層なので,戦地に送り込む前に抜けられると困るという理由が言われる.
個人即応予備 現役を義務年限を前に退いた者が一定期間召集を受けるもの
州兵の憲兵,工兵,会計,トラック輸送,衛生ヘリなど,現役には抱えられないが,戦時の必要は大きい部隊.
州兵の歩兵旅団で冷戦時代から規模を大きくしてあったもの
冷戦末期に現役師団を戦時に補う予定で指定されていた旅団
その他の州兵旅団
という感じだと思う.
ちなみに米海兵隊の場合は,州兵が無いです.
んで,米陸軍の州兵の中には,イラク派遣が二度目になる部隊がそろそろ出てきています.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
イラクで兵力が不足していますが,米国内の刑務所から多少とも審査はして服役囚をイラクに向かわせる案は米国内でありませんか?
【回答】
囚人部隊というのは兵役適齢男性人口がいよいよ枯渇すればありえる.
つまり,徴兵制により国民の労働人口の過半を戦場で消耗しつくしたあとにでてくる選択肢.
イラクでの兵力はご指摘の通り不足している.
現在1月に発表された増派5個戦闘旅団のうち3個が現地入りしたが治安情勢は混迷している.
但し,軍の急速な拡大,拡張をしても増えるのは兵員のみであり,上級下士官や年季を積んだ士官らは養成に多大な年数を要し,これらの要員が自動的に規模に応じて増えるわけではなく,むしろ規模を増強するほど不足していく.
かつ,徴兵制であっても職業軍人には階級に応じて現役を退く年齢が定められている.
志願制を維持しつつ軍の規模を拡張するための施策として現在とられているのは,俸給加増,入隊特典の増加,戦地手当ての整備,入隊者選抜基準緩和(適性試験,学力試験,非行歴寛恕),入隊時の年齢上限引き上げ,除隊予定者を部隊の必要に応じて部隊に留める,他軍種からの転属を推奨(空軍は4万名削減の最中にある),海軍及び空軍の保安部隊などのイラク派遣,民間軍事会社からの役務調達などなど.
女性兵士が実際に戦場に出ている(女性の身体検査,尋問,聞き取りは女性兵が行う必要がある,民政部隊や輸送部隊などは女性兵士がもとから多い)実態を踏まえて女性兵の戦闘職種配置の解禁(直接戦闘に携われる精神肉体を有する者のみ),
ゲイと公言して除隊となった者が過去10年に1万名いることを踏まえて職種に応じてのゲイ入隊の解禁(ことにパイロットなど技能を必要とする職種)などが論じられたようです.
また,イギリスやフランスが有するグルカや外人連隊とまではいかずとも,外国籍者の入隊勧奨(すでにサモア人や中南米系市民などは多くなっている)などもでていた模様.
現在陸軍と海兵隊あわせて10万名弱拡張の途中にありますが,ベトナムのような急増はありえないでしょう.
また今イラクで必要とされているのに対して,拡張で部隊が揃うのは数年後です.
軍事板
【質問】
米軍のイラク駐留費用は?
【回答】
ブッシュ政権が2007/12/26に署名して成立した,2008年会計年度の連邦予算修正法案では,イラクとアフガンにおける対テロ戦争の費用は約8兆円.
そのうち約5兆円(約四百億ドル)がイラク分で,当面の駐留経費等に充てられるという.
しかもこのときブッシュ大統領は
「米部隊が必要としている残りの戦費拠出に向け,議会は来年迅速に行動すべき」
としているので,必要とされた額はさらに多いと考えられる.
【参考ページ】
おきらく軍事研究会,平成19年(2007年)12月31日
【質問】
米軍自身の見通しでは,あとどのくらいイラクに駐留し続けることになると見られているのか?
【回答】
米陸軍参謀総長シューメイカー大将は2006/10/12,米軍のイラク派兵規模について述べ,2010年にかけて現状維持(もしくは15個旅団体制)になるとしています.
ただこの数字はイラク多国籍軍司令官(ケーシー陸軍大将)と協議して決められた数字ではなく,あくまで参謀本部が想定しているものということです.
【質問】
ブッシュ政権のイラク占領政策方針に対する疑問の声は,アメリカ国内にはないのか?
【回答】
保守派からも疑問の声が出ている.
以下,機械翻訳.
Conservatives Restive About Bush Policies
Fresh Initiatives Sought On Iraq, Domestic Issues
After three years of sweeping actions in both foreign and domestic affairs, the Bush administration is facing complaints from the conservative intelligentsia that it has lost its ability to produce fresh policies.
3年間の国外・国内問題の両方の中のアクションを掃いた後に,ブッシュ政権は,それが新鮮な政策を生産するその能力を失わせた,保守的な知識階級からの苦情に直面しています.
The centerpiece of President Bush's foreign policy -- the effort to transform Iraq into a peaceful democracy -- has been undermined by a deadly insurrection and broadcast photos of brutality by U.S. prison guards. On the domestic side, conservatives and former administration officials say the White House policy apparatus is moribund, with policies driven by political expediency or ideological pressure rather than by facts and expertise.
ブッシュ大統領の外交政策(イラクを平和な民主主義国家に変形する努力)の中央の飾り物は,米国刑務所ガードマンによる残酷の致命的な暴動および放送写真によって害されました.国内の側で,保守主義者および元政府官僚は,ホワイトハウス政策装置が,事実と専門知識によってではなく政治的な便宜かイデオロギーの圧力によって運転された政策と共に瀕死であると言います.
Conservatives have become unusually restive. Last Tuesday, columnist George F. Will sharply criticized the administration's Iraq policy, writing: "This administration cannot be trusted to govern if it cannot be counted on to think and, having thought, to have second thoughts." Two days earlier, Robert Kagan, a neoconservative supporter of the Iraq war, wrote: "All but the most blindly devoted Bush supporters can see that Bush administration officials have no clue about what to do in Iraq tomorrow, much less a month from now."
保守党員は異常に反抗的になりました.先の火曜,コラムニスト,ジョージF.ウィルは以下の宛て先に書いて,急激に政府のイラクの政策を批評しました:「この管理は考えるためにはそれの上で数えることができない場合に管理するとは期待することができません,そして,再考を持っているために考えたこと」2日前に,ロバートKagan(イラクの戦争の新保守主義の支持者)が以下の宛て先に書きました:「最も盲目的に熱心なブッシュの支持者以外,ブッシュの政府官僚が明日イラクで何を行うべきかに関する手掛かりを非常により持っていないことを理解することができる,今からの一か月.」
The complaints about Bush's Iraq policy are relatively new, but they are in some ways similar to long-standing criticism about Bush's domestic policies. In a book released earlier this year, former Bush Treasury secretary Paul H. O'Neill described Bush as "a blind man in a room full of deaf people" and said policymakers put politics before sound policy judgments.
ブッシュのイラクの政策に対する苦情は比較的新しい.しかし,それらはブッシュの国内政策に関する長年の批判に似ているいくつかの方法であります.今年の初めにリリースされた本では,元ブッシュ宝庫秘書ポールH.オニールがブッシュを,「耳の聞こえない人々でいっぱいの部屋の盲目の人」と評し,政策決定者が音政策判断よりも政治を考えると言いました.
Echoing a criticism leveled by former Bush aide John J. DiIulio Jr., who famously described "Mayberry Machiavellis" running the White House, O'Neill said "the biggest difference" between his time in government in the 1970s and in the Bush administration "is that our group was mostly about evidence and analysis, and Karl [Rove], Dick [Cheney], [Bush communications strategist] Karen [Hughes] and the gang seemed to be mostly about politics."
元ブッシュ補佐官ジョンJ.DiIulioジュニア(この人はホワイトハウスを指揮する「Mayberryマキアヴエリ」について有名に記述した)によって向けられた批判を繰り返して,オニールは,1970年代に,およびブッシュ政権に政府の中の彼の時間間の「最も大きな違い」と言いました「,私たちのグループがほとんど証拠および分析,およびカールに関係していたということである[放浪する],ディック[Cheney],[ブッシュコミュニケーション戦略家]カレン[ヒューズ]および一群,ほとんど政治
Michael Franc, vice president of the Heritage Foundation, said the criticism by O'Neill, Will and Kagan has a common thread: a concern that the administration is "using an old playbook" and not coming up with bold enough ideas, whether the subject is entitlement reform or pacifying Iraq. Conservative intellectuals "are saying, 'Don't do things half way,' " he said.
マイケルFranc(ヘリテージ財団の副大統領)は,オニールによる批判と言いました,でしょう,また,Kaganは共通の糸を持っています:主題が社会保障制度の改革でも,政府が「古いプレーブックを使用しており」,十分に大胆な考えを提案しないという懸念あるいは和らぐイラク.「保守的な知識人は,「事態に方法の半分をもたらさないでください」と言っています,"彼は言いました.
"It's the exhaustion of power," said a veteran of conservative think tanks who spoke on condition of anonymity. "Ideology has confronted reality, and ideology has bent. On the domestic side, it has bent in terms of the expansion of the government embodied in the Medicare prescription-drug law. On the foreign policy side, it has bent because of what has transpired in the last few weeks in Fallujah."
「それは力の消耗です」と話し続けた保守的なシンクタンクのベテランが言いました.匿名の条件.「イデオロギーは現実に直面しました.また,イデオロギーは曲がりました.国内の側で,それは,メディケア処方薬法で具体化された政府の拡張では曲がりました.外交政策側で,それは,Fallujahの中の過去数週に漏れたもののために曲がりました.」
A Bush spokesman quarreled with that notion, saying there has been no let-up in Bush's policymaking. "We are marching ahead," said the spokesman, Trent Duffy, pointing to Bush's plans for community-college-based job training, space exploration and modernizing health records. "He's continuing to push the policies that have made the country better and stronger."
ブッシュ・スポークスマンは貸家アップがブッシュの政策決定になかったと言って,その概念に文句をつけました.「私たちは前方に進んでいます」とスポークスマン,トレントDuffy,ブッシュのコミュニティーカレッジに基づいた職業訓練の計画を指すこと,宇宙探検および近代化する健康記録が言いました.「彼は,国をよりよくより強くした政策を押し続けています.」
Part of the current perception of policy fatigue in the White House is a reflection of the political calendar: With a presidential election approaching, there is little possibility that the closely split Congress will enact serious legislation this year regardless of what the White House proposes. "It's a combination of how very challenging it is to move anything in the Senate these days, and it is an election year," said one former Bush aide, who like some of the conservatives interviewed for this article declined to be identified to avoid offending the White House.
ホワイトハウスの政策疲労に対する現在の理解力の一部は,政治的なカレンダーの影です:大統領選挙が接近したまま,今年ホワイトハウスが提案するものにかかわらず緊密に分離した議会が重大な立法を制定する可能性はほとんどありません.「それはそれに非常に挑戦することがどのようにして最近上院の何でも移動させることかのコンビネーションで,選挙年です」とある元ブッシュの補佐官(この人はホワイトハウスを立腹させることを回避すると識別されることを,この記事のためにインタビューを受けた保守主義者のうちの数人のように断わった)が言いました.
But conservative policy experts and a number of former Bush administration officials say there are more systemic reasons for the policy sclerosis. For three years, the president pushed policies conceived during his 2000 campaign for the White House, but with most of those ideas either enacted or stalled, policymaking has run out of steam, they said.
しかし,保守政策エキスパートおよび多くの元ブッシュの政府官僚は,政策硬化症のより系統の理由があると言います.3年の間,大統領が,ホワイトハウスのための彼の2000年のキャンペーン中に想像された政策を押したが,どちらかが実行したか止まったというほとんどのそれらの考えで,政策決定が蒸気を使い果たした,と彼らは言いました.
Bush has also discouraged the sort of free-wheeling policy debates that characterized previous administrations, and he relies on a top-down management style that has little use for "wonks" in the federal bureaucracy. At the same time, many of the top domestic policy experts in the Bush White House have moved on to other jobs; in many cases they have been replaced by subordinates with much less experience in governing.
ブッシュは,前の管理を特徴づけた種の規則に捕らわれないpolicydebatesをさらに落胆させました.また,彼は,連邦官僚政治の中で「wonks」をほとんど必要としない,統制の行き届いた管理方式に頼ります.同時に,ブッシュ・ホワイトハウスのトップの国内政策エキスパートの多くは,他の仕事上へ移動しました;多くの場合では,それらが管理していた非常により少ない経験を持った部下と交替しました.
Bruce Bartlett, a conservative economist with the National Center for Policy Analysis, said policy ideas typically bubble up from experts deep inside federal agencies, who put together working groups, draft white papers, sell their wares in the marketplace of ideas and hope White House officials act on their suggestions. In this case, ideas are hatched in the White House, for political or ideological reasons, then are thrust on the bureaucracy, "not for analysis, but for sale," Bartlett said.
ブルース・バートレット(全国政策分析センターを持った保守的な経済学者)は,連邦機関(彼らはワーキンググループ(草案の白書)を組み立てて,考えの市場の彼らの製品を売り,ホワイトハウス高官が彼らの提案に基づいて行動することを望む)の内部で深いエキスパートから上昇して典型的には政策考えが泡立つと言いました.この場合,考えが政治的イデオロギーの理由のために,ホワイトハウスで孵化され,次に,「分析のために」ではなく売り出し中で官僚政治に押しつけられる,とバートレットは言いました.
The result is a White House that has become unimaginative with domestic policy and, in foreign policy, has struggled to develop new policies to adapt to changing circumstances in Iraq, according to several conservatives.
数人の保守主義者によれば,結果は国内政策で想像力が欠けているようになり,外交政策では,イラクで状況を変更することに適応させるべき新しい政策を開発しようと努力したホワイトハウスです.
"In Iraq, you don't see the thinking, 'Things have not happened as we had planned. What do we do now?' " said David Boaz, executive vice president of the libertarian Cato Institute, who last week organized a Cato forum entitled "The Triumph of the Hacks?"
「イラクで,思考を見ません,「私たちが計画したように,ことは起こっていません.私たちは今何を行いますか.」"デービッド・ボアズ(自由論者カトー研究所の上級副社長)(この人は先週「荒傷の勝利」とタイトルをつけられたカトー・フォーラムを組織した)は言った?
Richard W. Rahn, a prominent Republican economist, excoriated the administration's telecommunications, antitrust and international economic policies in a Washington Times column April 30 along similar lines. "From the beginning of the Bush administration, sympathetic, experienced economists have warned its officials about the need to avoid some obvious mistakes," he wrote. "Unfortunately, these warnings have gone unheeded."
リチャードW.Rahn(著名な共和党経済学者)は政府のテレコミュニケーションを擦りむきました,独占禁止,また相互国家 同様のラインに沿ったワシントンタイムズ4月30桁のal経済政策.「ブッシュ政権の始めから,同情的な経験を積んだ経済学者は,いくつかの明白な誤りを回避する必要に関するその職員を警告しました」と彼が書きました.「不運にも,これらの警告は注目されなくなりました.」
In an interview, Rahn said he has grown concerned over what he sees as "a lack of vision and policy consistency" in the Bush administration. "I mean, we knew where [President Ronald] Reagan was heading; at times there were deviations from the path, but we knew what it was all about," he said. In contrast, he said, now "there doesn't seem to be a clear policy vision."
インタビューでは,Rahnが,ブッシュ政権での「ビジョンおよび政策一貫性の不足」として彼が見るものを彼が心配したと言いました.「つまり,私たちは,[ロナルド大統領]のレーガンがどこに率いているか知っていました;「時々,パスからの偏差がありました.しかし,私たちは,それがすべて関係していたものを知っていました」と彼が言いました.対照的に,彼は今言いました「明確な政策ビジョンがないように思われる.」
Some attribute the policy lethargy to personnel changes, particularly on the domestic side. For example, three veterans of previous White Houses with lengthy experience in Washington have left their policymaking roles; their successors, though capable, have significantly less policymaking experience.
ある属性,特に国内の側の人員変更への政策不活発.例えば,ワシントンの長い経験を持った前のホワイトハウスの3人のベテランが,彼らの政策決定の役割を残しました;それらの後継者は,有能ですが,著しくそれほど政策決定でない経験を持っています.
Joshua B. Bolten, the deputy chief of staff for policy, has been replaced by Harriet Miers, a Texas lawyer and former chairman of the Texas Lottery Commission. Jay Lefkowitz, director of the Domestic Policy Council, has been replaced by Kristen Silverberg, who was a young aide to Bolten. And Lawrence B. Lindsey was replaced as top economic adviser by investment banker Stephen Friedman.
ハリエットMiers,テキサスの弁護士およびテキサス抽選委員会の元議長がジョシュアB.Bolten(政策のための代理の首席補佐官)の後任になりました.Kristen Silverberg(この人はBoltenへの若い補佐官だった)がジェイLefkowitz(Domestic Policy会議の管理者)の後任になりました.また,ローレンスB.リンゼーは投資銀行家スティーヴン・フリードマンによってトップの経済アドバイザーとして後継者になられました.
Likewise, John Bridgeland, a former director of the Domestic Policy Council, was replaced as director of Bush's USA Freedom Corps initiative by Desiree Sayle, the former director of correspondence in the White House. And public-policy professor DiIulio was replaced as chief of Bush's "faith-based" initiative by Jim Towey, who had ties to the president's brother, Florida Gov. Jeb Bush. Leading experts in welfare and health policy have left the White House and been replaced by less experienced hands.
同様に,ジョンBridgeland(Domestic Policy会議の元管理者)が,Desiree Sayle(ホワイトハウスの一致の元管理者)によって,ブッシュのアメリカ自由団体イニシアチブの管理者として後継者になられました.また,公共政策教授DiIulioはジムTowey(この人は大統領の兄弟に対して結束を持っていた)によってブッシュの「信頼に基づいた」イニシアチブのチーフとして後継者になられました,フロリダ,知事Jebブッシュ.福祉のエキスパートのリードおよび保健政策はホワイトハウスを去りありました,それほど経験を積んでいない手と取り替えられました.
"It would be fair to say the policy shop is less policy-oriented in its apparatus and more administratively managed," said a Republican with close ties to the White House.
「賭博場が管理されて,その装置の中で,およびより管理上より政策適応させられないと言うことは公平でしょう」と密接なつながりを持った共和党員がホワイトハウスへ言いました.
In interviews, former officials of the current and three previous administrations described Bush's domestic policy team as unusually green -- particularly compared with Bush's top political adviser, Karl Rove. At the Cato forum last week, former Bush speechwriter David Frum said Rove is "the top hack and the top wonk" in the White House.
インタビューでは,異常に緑のものと,流れおよび前3つの管理の元職員はブッシュの国内政策チームを評しました――特にブッシュのトップの政治的なアドバイザーと比較して,カール,放浪します.カトー・フォーラムでは,先週,デービッドFrumが放浪すると言った前のブッシュの演説草稿書きがホワイトハウスの「トップ荒傷およびトップのwonk」です.
"I don't think he should be the most important wonk in the White House," said Bruce Reed, former domestic policy chief to Bill Clinton and author of an article about how policy "wonks" had been bested by political "hacks" in the current White House. "Every White House takes on the enthusiasms and the interests of the president, and most of the time this president seems to take more joy in the politics than in the policy."
「私は,彼はホワイトハウスで最も重要なwonkであってはならないと思う」,ブルース・リードは言った,政策「wonks」がどのようにそばに破られたかに関する記事のビル・クリントンおよび著者への元国内政策チーフ,政治的「叩き切ります」現在のホワイトハウスで.「すべてのホワイトハウスは熱中お?謔ム大統領の利益を呈します.また,通常,この大統領は,政策より政治でより多くの喜びをとるように見えます.」
Defenders of the Bush policymaking apparatus agree that the volume of policymaking has diminished significantly from 2001 and 2002, when the White House was fighting for passage of policies developed during the presidential campaign, such as tax cuts and education accountability. But they say the cause is outside the administration.
ブッシュ政策決定装置の支持者は,ホワイトハウスが,減税および教育責任能力のような大統領選挙戦中に開発されていた政策の可決のために戦っていた時,政策決定のボリュームが2001年と2002年から著しく縮小したことに合意します.しかし,彼らは,原因が政府の外部にあると言います.
Frum said much of the policy energy has been channeled into fighting terrorism at home and abroad because of the Sept. 11, 2001, attacks. "On the most critical issue of our time, they have been bold, creative, and in some cases, they have shocked the intelligentsia with their assertiveness," he said.
Frumは,9月のために,国内および海外でテロリズムと戦うことに,政策エネルギーの多くが向けられたと言いました.11,2001年,攻撃.「私たちの時代の最も重大な問題においては,それらは大胆でした,創造的,また,ある場合には,それらは,断定的を備えた知識階級に衝撃を与えました.」彼は言いました.
Whatever the cause, conservatives say the remedy to policy malaise won't come until the election. Conservative strategist Jeffrey Bell said the big items on the policy agenda -- such as an overhaul of Social Security -- are necessarily on hold as Bush fights for reelection. "He's having to defend the forward motion he's already had," Bell said. "Reagan in '84 was the same way. People who thought Reagan's creative period was going to end after '83 were wrong. I think Bush will be the same way."
原因が何でも,保守主義者は,政策不快への治療が選挙まで起こらないと言います.保守的な戦略家ジェフリー・ベルは,政策アジェンダ(社会保障のオーバーホールのような)上の大きなアイテムが再選のためのブッシュの戦いとして必ず保留状態であると言いました.「彼は,既に行っていた前進運動を防御していなければなりません」とベルが言いました.「'84年のレーガンは同じ方法でした.レーガンの創造的な期間が'83年の後に終了へ行くと考えた人々は間違っていました.私は,ブッシュが同じ方法になるだろうと思います.」
DAVID BROOKSさえ,このように.
There's something about our venture into Iraq that is inspiringly, painfully, embarrassingly and quintessentially American.
inspiringlyにあるイラクへ私たちのベンチャーに関して何かが苦しんで困らせるように本質的にあります,アメリカ.
No other nation would have been hopeful enough to try to evangelize for democracy across the Middle East. No other nation would have been naïve enough to do it this badly. No other nation would be adaptable enough to recover from its own innocence and muddle its way to success, as I suspect we are about to do.
他の国家は中東を横切って民主主義のために福音を説こうとするほどは十分に有望ではなかったでしょう.他の国家はnaïになっていなかったでしょう;それにこれを悪くもたらすのに十分なve.他の国家は,私たちが行うところであるのではないかと私が疑問に思うので,それ自身の無罪から回復し,かつ成功へのその道を混乱させるほどは十分に適応可能ではありませんでした.
"In Iraq, America's Shakeout Moment",
New York Times, 2004/5/18
こんなアホで無謀なことをやろうとしているのはアメリカだけだ,なんてネオコンのアンタが言ってどうすんねん,みたいな(笑
kbkn
【珍説】
アメリカでもイラク戦争反対の声は高まっている.
米首都ワシントンでは2005/9/26,反戦デモに15万人が集まった.
【事実】
15万人はいわゆる「主催者発表」.実際は2千人.
詳しくは反MSM(2005/9/27)を参照されたし.
それにしても,いくら共産系組織の常套手段とはいえ,鯖を読み過ぎだろ!(笑)
ちなみに,Rasmussenの,反戦運動に関する世論調査結果では:
反戦運動に賛成する − 23%
反戦運動に賛同しない − 61%
同じくRasmussenの,イラクについての調査結果は:
撤退すべき − 38%
撤退反対 − 46%
【質問】
なぜ反戦運動が盛り上がっているように見える時があるのか?
【回答】
それについては,以下のコラムが参考になるだろう.
雑誌・コメンタリー(06,1月号):イラクを巡ってアメリカに起こっているパニック
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
雑誌・コメンタリーの編集者Norman Podhoretzの書いている,本格的なイラク論で,読み応えの
あるもの.良い評論と思える.
多くのことを語っているけれど,テーマのひとつは,イラク戦略がうまく行きそうになっている今の時点で,何故アメリカ国内で無条件即時撤退なぞというパニックじみた議論が出てくるのか?というもの.
Washington’s forces. In Iraq today, however,
and in the Middle East as a whole, a successful
outcome is staring us in the face. Clearly,
then, the panic over Iraq?which expresses
itself in increasingly frenzied calls for
the withdrawal of our forces?cannot have
been caused by the prospect of defeat.
On the contrary, my twofold guess is that
the real fear behind it is not that we are
losing but that we are winning, and that
what has catalyzed this fear into a genuine
panic is the realization that the chances
of pulling off the proverbial feat of snatching
an American defeat from the jaws of victory
are rapidly running out.
筆者の答えは,アメリカの中東戦略が徐々に機能し始めており,その兆しが現れてきているために,,つまり勝ちつつあるために,アンチブッシュ・リベラルのパニックのような即時撤退論やイラク=
ベトナム=泥沼論が出てくるのだという.
筆者のイラク状況評価と,アメリカ国内のメディアのイラクの扱いに関する批判は,よく出来た周到なものになっていて,こういう論文を中途半端に要約すべきではないと思われるので,概要のまとめは書かない.
筆者の,この論文の狙いは,単にイラク情勢やメディア批判にとどまるものではなくて,より深いところにある,アメリカのリベラ派知識人のベトナム以降の精神についての問題,といったところを議論することにあるような気もする.
そのための議論の一部に,ブレジンスキーの戦略を引いて,その不完全性を批判する.
COMMENTARY January 2006
The Panic Over Iraq
Norman Podhoretz
もっとも,2006年後半の内戦状況を考えると,池内恵が「現代アラブの社会思想」(講談社新書)で指摘している,安易に暴力での解決を図る傾向があること,「アメリカ・ユダヤ陰謀論」が知識人層にまで蔓延している(よって過度の反米に走り易い)事を,上記引用記事は(というより西側全体が)甘く見ていた可能性もある.
【質問】
アメリカ民主党内では無条件イラク撤退派が多数なのか?
【回答】
決してそうではない.
Anti-War Crowd Fires at the Wrong Target
NYオブザーバー:反戦左派は,誤ってCarl
Levinを攻撃しているのだが
by Steve Kornacki Published: June 5, 2007
という記事は,リベラル色の強いNYオブザーバーのOpEdに寄稿された評論で,言っていることは先の議会で,イラク戦費制限(イラク撤退期限と戦費支出を結びつけ,条件付ける法案)が失敗したことから,MoveOn.orgを中心とする反戦左派が,その責任を糾弾して「裏切り者」のCarl
Levin上院議員(民主党)に反対するキャンペーンをはじめていて,彼の地元で落選運動を始めていることを批判したものだが,その中でこの評論は,民主党内部のイラク戦争に対するスタンスを説明していてもいる.
これによれば,左派のいう「無条件撤退」という主張も一部にある(戦費制限などによって,とにかく撤退を実現する)ものの,民主党の中にはそれだけでは余りにも無責任で,イラクの撤退がその後に破滅的な状況を招かないような考慮は必要と考える現実派(Carl
Levin もその一人)も多いのだ,と説明して,左派のぶっ飛んだ反戦議論をたしなめている.
また,
A difficult war for Democrats
FT(コラム):アメリカ民主党の,困難な闘い
By Christopher Caldwell Published: June
1 2007 19:37
というコラムによれば,一見して矛盾するかのような事が,アメリカに起こっているとのこと.
イラク反戦の「センチメント」は大いに高まっているのだが,イラク反戦「運動」は明らかに失速しているのだという.
イラク戦争は破滅的である,という主張は一般大衆の支持を得た.NYTの世論調査では76%の国民はイラク戦争が大変拙い結果になっていると見ている.
しかし,61%の国民は侵攻の決定を肯定している.
議会の多数派を占めるに至った民主党は,イラク戦争の扱いをめぐって分裂している.
議会の撤退期限の設定失敗を見て反戦運動家で,自分の息子をイラクで亡くしたCindy
Sheehanは反戦運動を止めると決意した.
反戦左派からは民主党への失望の声が高く,MoveOn.org等の草の根反戦運動は,民主党の中でも明確な反戦姿勢の議員を支持すると主張している.
彼らの支持を得ているポピュリストのエドワーズ候補は「ブッシュは耳を傾けず,議員らは議会で戦おうとせず,今や国を率いることの出来るのは民衆だけである」という.
しかし,そうした主張は現実的では無く,合理的でもない.
実際には民主党はイラク戦争の終結に向けて動きをつくり出しており,イラクのGeneral
David Petraeusの秋の報告の後で,その動きが共和党を巻き込んで本格化するだろう.
民主党にとっての問題は,勝っていないイラク戦争を止めること自体は良いとしても,反戦と言うポジションは幾つかのトラップを持つものであって,議会で戦争に反対する事は戦っている敵を勇気付けることになりかねないし,自国の兵士の士気をおとしめかねない.
そのために反戦というポジションは話題がホットであるときには,その扱いが大変難しい.
アメリカ国民から見れば兵士の撤退の期限を決めるのは良いとしても,戦場の兵士を危うからしめるような行為は許されない.
こうした事情が民主党の態度を難しくしている.
イラク戦費のカットオフという民主党の提案は国民に非難されている.
NYTの世論調査に拠ればイラク戦費のカットオフを支持する人は13%にすぎない.
69%の国民は,即時の戦費カットオフではなく,イラク戦争の評価・検討の時期をセットすることを支持する.
反戦運動は広がりを見せていて,初期に戦争を支持した層に及んでいるが,反戦運動のハードライナーのコアは半世紀以上前と同じ運動家たちである.
しかし彼ら運動家は,今では半世紀前と違って議会の多数派を占めているわけではない.
***
本来こういう微妙な問題を論じるものは原文で読むべきであろうけれど,この評論はFTの有料記事のようなのであえて拙劣な要約を試みた.
簡単に言えば,先般の議会の戦費制約,撤退期限設定を求める民主党の要求が通らず,国民に支持されていないことから見て,ベトナム戦争当時の反戦と今の反戦ムードは同じではない.
極左の反戦グループの主張は国民の反戦ムードとの,ずれが有る,といったことなのだけれど,日本のマスコミはこのことを理解していないと思ふ.
【珍説】
カタールの衛星放送アルジャジーラは,略奪,強盗など暴力の横行を延々と映している.
イスラムのルールの下で社会の規範を重んじる人々にとって,秩序の崩壊は,米英が持ち込んだ悪夢なのだ.
(川上泰徳中東アフリカ総局長 from 朝日新聞,2003/4/12朝刊)
【事実】
週刊新潮は,このコメントに対し,次のように異を唱えている.
<市街地に戦車侵攻>
<米「本丸」へ電撃進攻>
朝日新聞と読売新聞の記事のタイトルだが,どちらが朝日でどちらが読売か,お判りになるだろうか.
正解は上が朝日,下は読売.
<【侵攻】他国または他の領土を攻めおかすこと.侵犯.【進攻】進んで行って攻撃すること.進撃>(広辞苑)
ということは,朝日新聞は今度の戦争を,米英軍によるイラク領土への侵犯と定義していることになる.
それゆえ朝日新聞はバグダッド陥落後,発生した略奪をこう見たのである.
川上泰徳中東アフリカ総局長は書く.
<米英が,アラブ民衆は自分たちの手による「解放」を喜ぶと考えるのは誤りだ.
カタールの衛星放送アルジャジーラは,略奪,強盗など暴力の横行を延々と映している.
イスラムのルールのもとで社会の規範を重んじる人々にとって秩序の崩壊は,米英が持ち込んだ悪夢なのだ>(4月12日付朝刊)
混乱はフセインのせいではなくイラクを侵犯した米英がもたらした悪夢というわけだ.
翌13日の社説もこう書いた.
<バグダッドからは,無政府状態がもたらす悪夢のような映像が伝えられている.圧制から解き放たれた民衆が暴徒と化し,病院や学校,大使館,博物館なども略奪の対象となっている>
「しかし果たしてこれは悪夢なのでしょうか」
と,疑問を呈するのは,水口章敬愛大助教授.3月まで中東調査会研究員を努めていたイラク研究の第一人者である.
「イスラム教では,人の物を盗んだだけでも手首を切られるほど戒律が厳しいものです.
まず,略奪は普通ならあり得ない.
それが今回イラクで起こったのは,イラクがイスラム教の規範がゆるい世俗的社会だからなのです.
実際にはフセイン政権周辺の一部のバース党員などが甘い汁を吸い,シーア派やクルド人は月収10ドルといった貧しい生活を強いられてきた.
その長い抑圧が一気に噴き出して略奪になっている.
それが現実というものです.日本人的な感覚で”悪夢”というのは違いますね」
(週刊新潮,2003/4/22号)
まあ,酒井啓子が言うように,「アメリカは歓迎しないが,フセイン体制も歓迎しない」が,実相に近いところだろう.
また,戦後直後の敗戦国に大なり小なり混乱はつきものである以上,掠奪・暴行の有無をもって戦争を論じること自体,意味がない.
【質問】
イラクに駐留してる米兵の間ではM16よりAK47の方が人気だと聞いたのですが,その理由はなんでしょうか?
【回答】
弾薬の入手及び銃本体の整備が簡単で耐久性が高い,と言うのが一点.
現地で滅茶苦茶普及してるので.
携帯電話より普及してるので,弾薬やら予備部品やら手に入りやすい.
また,M-16A2の5.56mmやM21の7.62mmの中間の威力で扱い易いと言うのが一点.
つまり砂漠地帯や平原では露西亜式ドクトリンの小銃が一番使い易いのです.
加えて威力的な問題でも,5.56mmよりも有効射程内での威力の低下が少なく,M16では容易に抗甚されるような距離でもストッピングパワーを発揮する事が評価されています.
AK47の7.62mmの方がストッピングパワーが大きい.
(口径が大きく,体内に生ずる永久空洞も大きく,早めにたくさん出血して動けなくなる)
なるべく早く相手の動きを止めたい自爆テロ相手なんかの場合,AK47を使いたい.
というわけで,検問なんかではAK47を持ちたがる兵士もいるという話.
実際にはそれぞれの兵士が私物として使い,米軍はそれを黙認してる状態.
別にAK47使わないでM16使ってる奴なんていくらでもいるし,そっちのほうが数多い.
何を根拠にAK47の方が人気といってるのか知らないけど.
三等自営業 ◆LiXVy0DO8s(青文字部分)他 in 軍事板
【質問】
イラク駐留米軍の「戦闘任務終了」について教えてください.
【回答】
米のオバマ大統領は2010.08.31,イラク駐留米軍の戦闘任務終結宣言の演説を行った.
これに伴ってイラク駐留米軍に対し,イラク軍などの訓練と作戦支援を主任務とする,「新たな夜明け」作戦が2010.09.01に発動され,司令官も交替した.
(オディエルノ陸軍大将からオースティン陸軍大将へ)
オバマ大統領は演説で,
「戦争長期化による戦費膨大化により,米の国力が低下している」
「来年末までにイラクから全面撤退する」
「戦力はアフガンに集中させる」
「来年夏にアフガン側への治安権限委譲を始める」
と述べている.
ただ,アフガン作戦については,
「タリバンの拠点となっている南部の治安権限委譲には数年かかかる」
と,海兵隊総監のコンウェイ大将が語るなど,今後の先行きは不透明なまま.
現在のイラク駐留米軍の兵力規模は約5万.
アフガン派遣要員は約10万.
あわせて15万規模の部隊を,米はこの地域に派遣している.
⇒ オバマさんは来年末までにイラクから全米軍を撤退させる,としていますが,もしそうなった場合,力の空白ができたイラクを,イランやトルコといった周辺の大国が黙って見ているわけがありません.
きな臭さは,より高くなることでしょう.
中東に関しては以前もご紹介したとおり,ガザ地区におけるハマスとイスラエルの衝突が,他の地域にまで飛び火するようなことがあれば,事態は際限のない戦い(=第五次中東戦争)にまで発展することすら否定できません.
喫緊の問題は,パレスチナ問題だけではありません.
最近のトルコやイランの行動は,中東での勢力地図が未だ定まっていないことから来る,勢力圏確定に向けた道筋で起きている事象と思われます.
どのような道筋であるにせよ,その過程で摩擦が発生するのは避けようがありません.
現実の中東情勢は,じわじわときな臭い状態になってきていると見るのが妥当でしょう.
◆◆◆◆◆◆米軍の損害
【質問】
イラクにおけるアメリカ軍の死傷率は高いのか?
【回答】
米軍史上,最も低いという.
Who's For Sale July 3, 2007:
ストラテジーページ:イラクにおけるアメリカ軍人の死傷率
という記事によれば,軍事専門家以外は誰も注目していないのだがイラク戦争はアメリカ軍の歴史の中で兵士の死傷比率の最も低い戦争なのだという.
ベトナム戦争の半分以下でWW2の3分の1以下.
軍備や訓練や,軍隊指揮手法の洗練によって兵士の死傷者は減っているのだが,その一方でテロリストによる兵士の被害があり,それは従来余り見られなかったものである.
現在では,テロリストの爆弾攻撃を壊滅させる為に爆弾工場や製造グループを一掃することが,民間人と兵士の被害を食止める為に最も必要とされる.
アメリカ軍が頭を痛めている事は,アルカイダなどのテロリスト集団に加えてイランの支援するテロリスト勢力がイラクに侵入してテロ活動を行なってることで,それはレバノンのヒズボラに属するシーア派テロリスト,パレスチナ人,その他を含んでいる.
アメリカ軍はイラク軍と警察,特殊部隊などの教育訓練にあたっていて,早い速度でイラクが自己の治安維持能力を確保できるよう努力している.
イラク軍の練度は向上しているのだが,アメリカ軍のこの方面での最大の悩みは上層部の汚職である.
イラク社会や軍に一般に広く行なわれてきた,
それらの悪弊を絶つことは容易ではない;
【質問】
イラクで米兵の死者が出ている事について,「米軍が苦戦している」と捉える意見を見ますが,当初から圧倒的優位なキルレシオであり米軍は優位だと論破されています.
なら米政府も「兵士は○人死亡したが敵を○○○人殺害した.我軍の大勝利だ」と戦果を強調しないのでしょうか?
【回答】
ベトナム戦争の戦果発表でそれをやった結果,
「でも味方は○人死んだことには違いない」
「敵を○○○人も殺害したのか」,
報道によってネガティブイメージばかりを先行させてしまい,最終的には軍事行動に対する自縄自縛を生み出したから.
ベトナム戦争に大尉として従軍,何もかも報道させた姿勢が不利な状況を招いたことを体験したシュワルツコフが,のちの湾岸戦争では徹底した報道管制を敷いているように,戦果発表を細大もらさず行うより,どちらかというと密室状態で戦闘が行われたほうが,戦闘に従事する軍には有利に働く.
また,民兵や武装勢力は殺害数ではなくそれを生み出す土壌をどの程度改善できたか,つまりイラク人がイラク政府あるいは米国の政策を受け入れていく土壌を生み出し,イラク人にどうやって返していくかという視点から測るべきだからでもある.
頑強な細胞を殲滅することはやむをえないにせよ,殺害により敵にとって有利な言説,土壌をはぐくむことに繋がるのであれば全く意味は無いどころか逆効果.
「今,武装勢力は何万名いてこれまでに何千名を殺害,拘束したから残りあと何千名をやっつければ戦争は終わる」
という性格のものではない.
ただし,米軍報道発表では殺害数や拘束者数はそれなりに発表する.
これは米軍が,対内乱作戦において情報を確実に入手し,勝つべき戦闘で勝っていることを伝える意味合いがある.
軍事板
【珍説】
イラクで息子を亡くし,大統領の牧場の近くで抗議活動をしているシンディ・シーハンという女性がいることからも,イラク戦争は間違っているのは明らかだ.
【事実】
シーハンは,息子が亡くなった事について大統領と既に面会をしているし,そのときにはイラク戦争を支持している.
その後,180度方向転換をしたのだが,これについては彼女の妹からも,
「彼女は,自分個人の政治的目的と知名度のために,自分の息子の名誉と名声を犠牲にしているように見える.
彼女以外のシーハン一家は,祈りと敬意をもって我々の国,我々の軍隊,そして我々の大統領を支持します」
とコメントされている.
詳しくは反MSM(2005/9/27)を参照されたし.
【珍説】
イラク駐留米軍では,ストレスでおかしくなる者,脱走者が相次いでいる.
【事実】
事実が誇張され過ぎている.
ストレスに苦しむ者も確かにいるが,これは戦場につきものであり,対策班も設けられているという.
以下引用.
「米軍は,専門家からなる戦闘ストレス対策班をイラク各地に派遣し,カウンセリングを行っている.兵士たちのストレスをすぐに和らげ,戦場での恐怖に対処する方法を教えることで,戦争に必ず伴う精神的な後遺症を軽減させることが目的だ.
戦場でストレスに苦しむ兵士は,セラピーやアドバイスだけでなく,薬を与えられることもある.ストレス対策班の精神科医ロバート・ラクシン大尉によると,診察を受ける兵士のおよそ4人に1人が抗鬱剤の処方を受けているという.
なかには,戦地では治療しきれないケースもある.これまでに538人のイラク駐留米兵が,心理的問題の治療のために本国などへ送られている(もともと精神疾患をもっていた者も多いと,軍は説明している).
それでも,米軍の戦闘ストレス対策は,兵士を戦地での任務にとどまらせることに役立っているようだ.第528戦闘ストレス分遣隊は,毎日2〜20人の兵士にカウンセリングを行っている.第113医療中隊では常時,平均で4人が「3食睡眠つき」の治療を受け,20人ほどが「外来」治療を受けている.
戦場でのケアの基本は,「3食睡眠つき」と呼ばれるシンプルな療法だ.「フィットネスセンター」と呼ばれる施設では,きちんとしたベッドと温かい食事が提供され,24時間いつでもカウンセリングを受けられる.3日間,寝たいだけ寝てくつろいでいいと言われて過ごすと,大半の兵士は任務に復帰できるようになる.
こうした米軍の戦闘ストレス対策班は,イラク国内にあと5,6チーム設けられている.
「普通」の戦争の場合,陸軍の兵員のうち前線の戦闘任務に携わるのは1割だけ.それ以外は,危険から遠く離れた場所で補給任務などに従事する.しかしイラクでは,駐留米兵の全員が戦闘任務に就いているに等しい状況だ.
専門家によると,前線の任務に就く兵士の約25%が戦闘ストレスに苦しめられるのが普通だという.そのすべてが本格的なPTSDにいたるわけではないが,湾岸戦争時には5〜10%がPTSDに苦しんだとされる.今回は駐留がさらに長期化し,ほぼすべての兵士が危険と隣り合わせであることを考えると,この割合はずっと高くなるおそれがある」
(ロッド・ノードランド & T・トレント・ギーガクス
from ニューズウィーク日本版 2004年1月14日号 P.28)
脱走者が相次げば当然,大問題になるはず(ヴェトナム戦争の同種の問題を参照せよ)だが,今のところ,怪しいソース以外の情報はない.
【質問】
イラクはアメリカにとってドロ沼化しつつあるか?
【回答】
リベラルとも保守ともつかないヒッチンスによるイラク評.ドロ沼かどうかを疑っております.
――――――
http://politics.slate.msn.com/id/2099664/
It's now fairly obvious that those who cover Iraq have placed their bets on a fiasco or "quagmire" and that this conclusion shows in the fiber and detail of their writing. I give you a sentence from Jon Lee Anderson's essay "The Uprising" in the current New Yorker:
[A] score or more armed men, most with their faces masked by kaffiyehs and wearing the black turbans of the Mahdi Army, controlled a checkpoint. They were brandishing RPGs and Kalashnikovs at cars. Several of them had yellow U.S. Army-issue grenades. We had been following seven Red Crescent ambulances for a while, and as we drove up, the fighters at the checkpoint and the drivers of the ambulances began shouting Sadr's name. The drivers had decided to join the uprising.
Now, I wasn't there. But I am sure Anderson, an experienced writer about war and revolution, saw just what he says he saw. What I don't know is how well he knew those ambulance drivers personally, and how certain he can be that they "joined" an "uprising" led by "fighters." Nor does he say how he knew. I think, in other words, that exactly the same scene could be rendered in quite starkly different words.
――――――
これもイラクドロ沼論に関するもの.なかなか読ませます.
どちらかというと現状を憂いている,という感じですね.イラクはベトナムではないが・・・というものの言い方です.
――――――
H.D.S. GREENWAY
The making of a quagmire
By H.D.S. Greenway | April 30, 2004
THE GLIB comparison one reads and hears everywhere these days is between the mess in Iraq today and America's disastrous war in Vietnam. There are so many reasons why the two conflicts are not equational, yet the trauma of that long-ago conflict still haunts the American psyche. George Bush senior declared the Vietnam syndrome dead after the first Iraq war more than a decade ago, and according to Bob Woodward, Donald Rumsfeld got a laugh after the fall of Kabul by mocking the Cassandras: " 'All together now -- quagmire!' "
What constitutes a quagmire? In Vietnam it meant marching in full of confidence and military superiority but after considerable loss of life and treasure finding that we could not achieve the political outcome we wanted. We won every battle but lost the war.
It is way too early to say this will happen again either in Iraq or Afghanistan, and it would not be entirely accurate to say that the current uprising in Iraq is this war's Tet offensive. But a newspaper photograph of US Marines in the shattered city of Fallujah recently brought back a vivid memory of being with that same battalion, moving through the smoke and ruin of Hue in central Vietnam -- bodies in the streets, bullet-pocked walls, and the broken crockery and gutted houses of urban warfare at its worst.
(中略)
Historical parallels are never truly exact, and it would be overly pessimistic to say that the failure of 30 years ago need repeat itself. It should be easier in Iraq, as there is no safe sanctuary for enemies across the border. But little that has happened in the year since President Bush announced the end of major combat operations gives cause for optimism.
――――――
経験者は語る,といった感じの,以下のような論文もあります.
Sorry, Mr. President, but Iraq looks a lot like Vietnam
By Ronald Bruce St. John | April 26, 2004
Editor: John Gershman, Interhemispheric Resource Center (IRC)
Foreign Policy In Focus www.fpif.org
At the end of the Persian Gulf War, President George H. W. Bush, flanked by then Secretary of Defense Richard Cheney and Chairman of the Joint Chiefs Colin Powell, proudly proclaimed we’d finally licked the “Vietnam syndrome.” Is it any wonder then that President George W. Bush, surrounded by the same advisors, refuses to recognize that Iraq increasingly resembles that traumatic Asian conflict? In mid-April 2004, President Bush flatly declared: “The analogy [between Iraq and Vietnam] is false.”
I served a tour of duty in Vietnam in 1970-71 and returned in the late 1980s for the first of several prolonged visits. Based on my experience, Iraq today looks more and more like the Vietnam I knew firsthand as an army intelligence officer more than three decades ago.
Strategy and Tactics
First, there are the obvious strategic and tactical similarities. American troops are fighting a guerrilla war in Iraq. The terrain is difficult, and the insurgents know it better than we do. The enemy attacks at a time and place of its own choosing, avoiding troop concentrations where U.S. firepower can be brought to bear. Urban warfare has become the norm with insurgents staying close to U.S. troops, often engaging civilians to support or shield their operations. As a result, the uncertain battleground of Iraq poses enormous challenges for American soldiers, seeking to separate combatants from civilians without alienating most Iraqis. We face in Iraq, like we did in Vietnam, an enemy who refuses to play by our rules and is clearly willing to die for his beliefs.
Before we finished in Vietnam, we had dropped more bombs on Indochina than had been dropped on the remainder of the world in all the wars to that time. The U.S. military continues to believe in the might of firepower. But it also wrestles with the difficult task of establishing the appropriate balance between winning hearts and minds with aid and reconstruction and using force to root out insurgents. In Iraq, we have moved from “shock and awe” to building schools and hosting soccer games. We’re now back to block-to-block searches of cordoned cities.
In the process, the U.S. military has generally refused to account for civilian casualties in Iraq, in part because they are frequently huge. As in Vietnam, 600 dead or dying Iraqis too often appear as 600 “insurgents” in army press accounts. The refusal to acknowledge civilian casualties, while meticulously accounting for our own, has another downside. It suggests to Iraqis that American lives are more important than those of the people we supposedly came to liberate.
Throughout the Vietnam War, especially in the early years, American officials deliberately misrepresented the enemy. Vietnamese nationalists were ignored with all opposition labeled Communist or with the delightfully pejorative phrase “Viet Cong.” In Iraq, the Bush administration has once again written nationalists out of the script. Insurgents are variously labeled “dead-enders,” “fanatics,” “thugs,” “militants,” “terrorists,” or “outsiders,” despite growing evidence that a large percentage of the Iraqi people are opposed to the U.S. occupation. Recent intelligence reports suggest that support for the insurgents is widespread and growing. In some areas, Sunni and Shiite groups are joining forces, at least temporarily, in a common cause – killing Americans.
There is also a failure in Iraq to understand and empathize with local mores and culture or the role of Islam in Arab society. The military has too few Arab language specialists and those experts in government with good knowledge of Iraq’s history and culture were marginalized from the Pentagon’s planning of the war and the peace, just as we failed to comprehend the Buddhist culture of Vietnam. The bombing of a mosque in Fallujah in April 2004 is a recent case in point. Suicide bombers in the Middle East, like Buddhist self-immolations in Vietnam, are incomprehensible to the average American, nestled in a comfortable suburb with a good paying job. Plunging into a maelstrom of political and religious rivalries, we have too often depended in Iraq on the counsel of a few self-serving Iraqi exiles and Arab intellectuals experienced in manipulating Western arrogance and ignorance.
There was no real plan for victory in Vietnam, and there appears to be none for Iraq. The June 30 date for the transfer of sovereignty back to the Iraqi people, in particular, makes no sense except in the context of President Bush’s desire to be rid of Iraq before the U.S. elections in November. When asked why it is so important to pretend to return sovereignty to the Iraqis on June 30, no one in the administration seems to have an answer. What is clear is that no viable political body has been created or identified in Iraq in the last year with the domestic political support necessary to take charge and run the country after the turnover. Unless the White House adds credibility to the June 30th transfer, it is also clear that the other dates detailed by the president in his April 2004 press conference, dates leading to a permanent Iraqi government by December 2005, have no meaning whatsoever.
Iraq’s Tet Offensive?
In this regard, the April 2004 insurrection in Iraq could well have a political impact on the Bush administration similar to the impact of the 1968 Tet offensive on the Johnson administration. The Tet offensive exposed the consistently positive U.S. message in Vietnam to be a lie. In turn, the savage attacks of Iraqi insurgents almost 40 years later dealt a heavy blow to the credibility of the Bush administration. In both cases, events on the ground suggested that the U.S. government, not only was not in control, but didn’t have a plan.
A parallel can also be drawn to the now discredited domino theory, which suggested that the fall of Vietnam would lead to a Communist takeover of all of Asia. President Bush promised a similar domino effect in the Middle East in which the overthrow of Saddam Hussein would lead to a resolution of the Israeli-Palestinian dispute and the flowering of democracy throughout the region. The failure to install democracy in Iraq will likely lead to a long winter of autocracy in the Middle East before other states even attempt meaningful democratic reforms.
Wars of Choice
Vietnam and Iraq were both wars of choice. And they are also similar in that deceit and misrepresentation was employed by the U.S. government, first to engage U.S. forces and then to keep them there. President Bush took us to war on the grounds that Saddam Hussein possessed weapons of mass destruction and had ties to al Qaeda. No weapons of mass destruction have been found and no ties to al Qaeda have been discovered. We were also told our troops would be greeted with open arms and flowers, which didn’t last long, and that Iraqi oil would pay for most of the reconstruction. Now told we’re in Iraq to nurture democratic self-government, political reconstruction is also going badly.
In retrospect, it is clear we had no idea what we were getting into when we marched into Vietnam, and the same appears true in Iraq. In reference to Vietnam, President Johnson pledged in April 1965: “We will not withdraw, either openly or under the cloak of a meaningless agreement.” Four decades later, President Bush pledged: “We’ve got to stay the course and we will stay the course” in Iraq.
The American people–and the Iraqi people–deserve better than this. They are entitled to a well-thought-out, credible plan, detailing how the administration expects to achieve its objectives in Iraq. A realistic plan is also a prerequisite to engaging fully the international community in reconstruction efforts, a necessity the Bush administration has only belatedly come to recognize. Reviewing what went right–and wrong–in Vietnam might be a good place to start when creating such a plan.
Ronald Bruce St John, an analyst for Foreign Policy in Focus, has published widely on Middle Eastern issues. His latest book on the region is Libya and the United States: Two Centuries of Strife (Penn Press, 2002).
http://www.foreignpolicy-infocus.org/commentary/2004/0404presidentvietnam.html
さらに,大手マスコミの報道が死傷者を羅列するだけなので,そのように錯覚させられるという見解もある.
以下引用.
〔略〕
戦争に関するニュースは死傷者を羅列するだけ.
見出しは「道端に仕掛けられた爆弾により海兵隊員2名死亡」と謳うが,ニュースの中でその海兵隊員が
「何処に向かっていたのか?」
「何のために?」
「彼らと仲間の戦略目標は何だったのか?」
「その目標は達成できたのか?」
「テロリスト側の損害は?」
等の説明は滅多にない.
この状況の中でイラク戦争を支持する人が依然として数多く居るという事の方が驚きだ.
イラク戦争報道におけるMSM〔メジャーなマスメディア〕の罪はその報じない部分にある.
彼等はイラクにおける進展を報じないばかりか,イラクでの軍事行動を戦術や戦略の観点から語ろうとしない.
彼等は,我々がイラクに関わった一番重要な戦略理由を語る事を必死に避ける.
ブッシュ政権は,イスラム教テロリズムの問題を長期的に解決するには,アラブ諸国を解放する事により,アラブの人々のエネルギーを過激なイデオロギーやテロリズムではなく自由と民主主義の平和的追求に向かわせるしかないという信念を持っているのだ.
彼等が,戦争の目的が「アラブ社会を改編する事によりテロリストの温床を断つこと」にあるという話題を避けるのには,不精と無理解という理由もあるが,私はそれに触れると「大量破壊兵器は無かった!」という彼等の今までのテーマと相反するからという点が大きいのではないかと思う.
その昔も戦争についてのニュースのほぼ全てが死傷者の名を暗唱する事だけだったならば,過去の戦争は一体どうなっていただろうか?
D-デイは人類史上最大の組織的功績の一つであると同時に,最も成功した一つでもある.
だが,もしもアメリカ人が受け取ったニュースが2,500人の連合軍兵士がその日殺されたという事だけだったらどうだろうか.
ニュースが上陸作戦が成功したか失敗したかは語らず,作戦が非常に重要な戦略的意義があったという事に触れなかったら?
もしくは,その様な報道がノルマンディーの戦いのさなか連日続いたらどうだろうか.
戦闘がどちらに有利に進んでいるか全く知らされず,解るのは54,000人の連合軍兵士がドイツ軍により殺されたという事だけだったら?
はたしてアメリカ人は,第二次世界大戦の特徴であった,国や軍隊そして政府の国民一致での支持を続けただろうか?
〔略〕
時々当たり前の事を述べる必要な時が来る:兵士とは危険な仕事だ.
平時でさえ.MSMは息もつかずにイラクでの死傷者を数え上げるが−現在1,800人以上−その背景が欠けている.ここに一つの背景がある:1983年から1996年までの間に勤務中に事故死したアメリカ軍兵士の数は18,006人である.
1年あたり1,286人の死亡率は,イラクでの戦闘で命を落とす率の二倍近くだ,
〔略〕
何が言いたいのか? 兵士であるという事は危険なのだ,これからもずっと.
MSMの記者が
「ブッシュ大統領の任期中に2000人の兵士がアフガニスタンとイラクで命を落とした」
と言うのを聞いた事がある.まるで最高司令官の仕事は兵士の仕事を安全にする事であるかの様な言い方だ.
彼等は安全ではない.これからも決して安全にはならない.平時でも,ましてや戦争時にも.
〔略〕
イラクの国土や人口を考えればニュースで流れるのは極一部でしかないのはすぐ解るはずだ.MSMが伝えない後の大部分のイラクでは何が起こっているのか知りたければ,自分で求めて探さなければいけない.
(Chrenkoffの「Good news from Iraq」というシリーズが参考になる,現在パート35まである).
しかし,これの例外もある.家族や知り合いにイラクに行っている兵士が居り,MSMのフィルターを通してではなく直接の情報を知りえる人だ.
イラクに居る知人を持たない人:
支持 − 36%
不支持 − 61%
イラクに居る知人を持つ人:
支持 − 49%
不支持 − 47%
全体的な数字はAP/Ipsosの調査なので信用できないが,直接イラクの情報を得る事ができると13%も戦争支持が増えるというのは,MSMの現状を物語っているだろう.
イラクについての報道と言えば,自爆テロや誘拐犯の話ばかりですが,現在〔2006年2月下旬〕のイラクの雇用率は95.1%であるとか,対イラク戦以降,イラクの国内民間航空便が29,564回飛んで,一機も大事故を起こしていない,といった話は誰も報じません(注2).
(注2)もちろん,時には深刻な話がほとんど報道されないこともある.
例えば,イラクの鉄道は,イラク戦争やその後の戦闘の被害や米国主導の復興計画の杜撰さ,更には現在なお続くテロへの懸念等から,イラク戦争開戦前の水準の3%の運行水準にとどまっている.
ちなみに,イラクの鉄道は英領時代に英国が建設したものであり,1938年にアガサ・クリスティーは実際にオリエント急行でロンドンからバグダッドまで旅行し,この時の体験を踏まえてあの有名な推理小説を執筆した.
イラン・イラク戦争や,湾岸戦争後の国連による対イラク経済制裁で,見る影もなくなる以前のイラクの鉄道の隆盛ぶりはアラブ世界随一だった.
(以上,http://www.csmonitor.com/2006/0301/p04s01-woiq.html(3月1日アクセス)による.)
そのため,イラク情勢の成り行きを悲観的に見ている人が多いのです.
(以上,特に断っていない限りhttp://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-salerno21feb21,0,1703216,print.story?coll=la-news-comment-opinions
(2月22日アクセス)による.)
もっとも,2006年後半の内戦状況を考えると,池内恵が「現代アラブの社会思想」(講談社新書)で指摘している,安易に暴力での解決を図る傾向があること,「アメリカ・ユダヤ陰謀論」が知識人層にまで蔓延している(よって過度の反米に走り易い)事を,西側全体が甘く見ていた可能性もある.
【質問】
アメリカってイラクとやって,国力消耗したといえるのかな?
明らかな格下相手だったよな.
【回答】
イラク戦争により陸戦部隊がイラクで釘付けになってることによる抑止力の低下と,中国の台頭による相対的な軍事力の低下があいまっている.
前者は空軍,海軍の予算から人員(イラク地上勤務への転用に人員削減),それから開発予算が戦費予算に圧迫されることによる問題なんかも引き起こしている.
さらに空軍,海軍ともに新規の正面装備調達は抑制気味で装備の老齢化が進行している.
海兵隊の中型輸送ヘリや,空軍の戦闘機に爆撃機などが好例.
そこにイラクで酷使した各種地上装備が加わり,さらにハマーからMRAPへの更新なども控えている.
だからアメリカだってあれだけの戦力を持ちながら,うじゃうじゃいる気に入らない国家に片っ端から戦争しかけたりしてないだろ?
世界最強国家でさえ,戦争は最後の最後の手段.
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