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(画像掲示板より引用)
「2ch.軍事板」◆(2003/03/20〜) ■ なぜポーランドは200人参戦させるか?? ■
レス回収済
「2ch.軍事板」◆(2003/03/31〜) フランクス
回収すべきレス無し
「2ch.軍事板」◆(2003/04/07〜) イラク軍の残骸車両の中に旧ナチスドイツ軍戦車
回収すべきレス無し
【質問】
なぜアメリカはイラク戦争で,イラクに地上軍を侵攻させたのですか?
太平洋戦争で日本にしたように,経済封鎖をして延々と爆撃を繰り返して国民と指導者を屈服させる,という手段をとらなかったのは何故なのでしょうか?
【回答】
戦争の目的から見て,その選択肢はないかと.
〔略〕
イラク国民の犠牲者は極力抑えて(実際は泥沼化してよけい苦しめてますが),なおかつイスラム原理主義テロ組織の蜂起を避けるためには,力押ししかなかろう,と.
また,世界的に孤立していた昔の日本と違い,イラク周辺にはイスラエルを共通の敵として認識しているイスラム国家が取り巻いています.
石油利権でアメリカに近いサウジや,湾岸戦争で戦場となったクウェートは表向きアメリカに協力はしますが,心情的にはイラクに同情的で,特にイラクへのメインルートを持つヨルダンは決して協力しません.
長期的に戦略攻撃を仕掛けるために基地を提供している周辺国が存在しない以上,非現実的ですし,その間に各地でテロ組織に活動されてはアメリカ自体も混乱を避けられません.
あの状況では短期強行突破しか選択肢はないでしょう.
鷂 ◆Kr61cmWkkQ in 軍事板
さらにイラクの場合,反主流派(反フセイン派)だからといって親アメリカ派であるとは限らないから,フセインが倒れてもアメリカにとっての状況が変わらない,という可能性が高い.
今時共産主義革命はないだろうけど,そのかわりあの地域だとイスラム革命が起きる可能性がある.
そうなったら最悪.
誰が主導権を握る事もなく内戦状態になったら,もっと最悪.
なので結局,実力で占領するしかないわな.
軍事板
【珍説】
もし仮に,バグダッドの市街戦でイラク軍が市民と一緒になって徹底抗戦したら,2,3ヶ月は持つ.
そうなったら,映画「ブラックホーク・ダウン」のようになって,米英軍の死傷者も数千では収まらない.
【事実】
戦うには武器弾薬が必要.
外部からの援助も無く,バクダット市内の備蓄だけで,イラク兵及び民兵が米軍相手に2〜3ヶ月も徹底抗戦出来るとは,まず考えられない.
また,市街戦になれば,主として米軍は夜間に攻勢を掛けるだろうが,江畑謙介によるとイラク軍は一週間も持ち堪えられないという.
小型軽量化により,歩兵でもできる対砲迫レーダー(弾が飛んでくれば,その音から一瞬で『三角測量方式』によって,どこから撃ってきたかを割り出す)など,「闇を昼間に変える」ことのできる装備を米軍は有する.
壁の向こうで敵がどこに隠れているか,それを感知する装置も開発されている.
人間が存在する微細な音や振動を測定し,敵がどう潜伏しているかをたちどころにキャッチする.
ただし,異論もある.
当然ながら対砲迫レーダーを設置していなくてはなりません.
安いものではないので,配備数は限られていますし,自己の位置から敵の位置を計算するシステムのため,移動しながら使用できるものは私の知る限りありません.
現在開発中の携帯対迫レーダー Lightweight Counter-Mortar
Radar は,以下サイトによれば,
http://www.ausa.org/www/armymag.nsf/(soldier)/20024?OpenDocument
第75レンジャー連隊の要求により開発中の,2人で携行する,それぞれ60ポンドのもので,360度対応,弾道を検知して発射地点を割り出し諸元を伝達だそうです.
精度は5kmで100M以内が要求されており,開発中のテストではこれを満たしたとか.
開発しているメーカーの説明
http://www.syrres.com/stc/products_lcmr.htm
ではレンジ7km.対空レーダーモードもあり,30km.対迫対空モードでは18kmだそうです.
したがって現在では停止し,固定してから作動する必要があります.
また,レーダーの視野は比較的狭く,方向が予測されていなくてはなりません.
次に,発見できるのは砲弾サイズまでです.対狙撃手対策としてミリ波レーダーも研究されていますが,実用化されていません.従って,仮に迫撃砲によるゲリラ攻撃であっても,対砲迫レーダーが配備され,設置され,都合良くそっちを向いていなければならず,しかも銃弾には無効です.(HN
"System"他)
自衛隊の砲迫の音源評定班(対射撃分隊?)は,普通科にも配備されていて,聴音機一機当たり2名程度で,2機使って三角測量し(操作は一人でしてた),算定手が割り出す事になってます(班単位で存在).
第二次世界大戦頃から使われてる技術(進化する余地は多分にあるけど)で,演習は火工品とかで,現示してたかな.
現在も同様の技術で評定してるかは,知りませね.新物に変わってるかも知れないし.
聴音能力も解りません.
夜の方が聴音し易いかな.(夢見る名無しさん)
ただ,ブラックホール・ダウン事件は,現場の要求を無視してクリントンが「国連への協力だから」と軽装備で派遣したから悲惨なことになっただけ.
今回のような戦車等の重装備を持ち込んでいたら,映画のようなことにはならなかった.
なお,米英軍は徹底して市街戦を避けると見ていた軍事専門家もいる.
現実には,フセイン政権の急速崩壊により,本格的市街戦にはならなかったが,もしこれが起こっていたとしても,苦戦したかどうかは甚だ疑問.
【質問】
市街戦になっても米軍が簡単に勝てるということですが,なぜ米軍は未だに敵を殲滅できていないのですか? 戦闘が終わったにしては,戦闘終了後の被害が多すぎませんか?
【回答】
上述の「敵」は正規の軍事力を指していってますが,今イラクで米兵を攻撃しているのは,テロリストや犯罪者みたいなもんですから,掃討しきるのは大変難しいと思います.
言ってみれば,日本から殺人事件を無くそうとするようなものですから.
そのテロによる被害も,ベトナムなんかに比べれば軽微なものでしょう.
もちろん,実際に死傷した人々はそうは思えないと思いますが・・・.
【珍説】
米軍は12万の兵力を増強するという.それが4月末だということは,この戦争は長期化するのだ.
そして今やスンニ派もシーア派も,この戦争が異教徒の侵略に対するジハード(聖戦)だと声明を出した.
もはやバグダッドを包囲するだけで勝てるという見通しは甘い.
凄惨な市街戦が始まるに違いない.(太字原文ママ)
そのとき,アメリカの世論も変わってしまうだろう.
(小林よしのり from SAPIO 2003/4/23, P.62)
【事実】
まず,ジハードについては,別項を参照されたし.
アメリカ苦戦の予測については,まんまと小林はアメリカの情報操作に引っかかってしまっている.
以下引用.
イラク軍の反撃がほとんどないまま陥落した首都バグダッド.この首都攻略の仕掛けは,実は先月下旬のある情報戦にあった.
「アメリカは補給線が伸びきって難渋していると.後方支援は2週間かかる.そういう1つの情報戦をやったと」(帝京大学の志方俊之教授)
「この戦争がどのくらい続くのかか分からない.何度言ったかわからない.何日,何週間,何か月か,そんなことわからない」(ラムズフェルド国防長官)
こうした国防総省の発言に,各国のメディアもアメリカの作戦失敗を一斉に報道.
そしてイラク側は,バグダッドまでの600キロの補給路が絶たれたとする情報に首都に潜ませていた戦車を次々と出動させ,攻撃を仕掛けたのです.
「フセインは『今がチャンスだ』ということで陣地から戦車を出した.そして共和国防衛隊を塹壕から砂漠におびき出すことに成功した.これが勝敗の分かれ目でしょうね」(志方教授) 「しかし,武力の差は明らかでした.イラクの戦車700両は壊滅状態になり,アメリカ軍がバグダッドに入る時には反撃する戦力は残っていなかったのです」
「アメリカの軍隊は,最前線に冷えたビールとチョコレートがないと,補給の責任者はクビになるというぐらいに,しっかりと兵たんを整える部隊ですから,それが『一日一食』というのは深刻だったと思います.
そうすると世界中が泥沼の長期戦だと思ってしまう,それがアメリカの手だった」(志方教授)
http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline730182.html
それでいて,SAPIOの次の号 (2003/5/14)では,小林jは自分で
「象と蟻の兵力差」
と書いている(p.55)のだから,さっぱり訳が分からない.
「象と蟻の兵力差」であるのに,「長期化する」と考えたのか,単なるマルチ・スタンダードなのか…….
【質問】
イラク戦争では,バグダッドを制圧しにまず海兵隊が攻め込んで制圧した後に,陸軍が治安維持って感じなんでしょうか?
アメリカの海兵隊と陸軍の違いがよくわからないです.
【回答】
イラク戦争では
米陸軍の第3歩兵師団(実質的には機甲師団とほとんど変わらない)
第101空中強襲師団(3個旅団全部)
第82空挺旅団の1個旅団
第173空挺旅団(クルド人自治区に空挺+空輸)
米海兵隊の第1師団(3個連隊戦闘団)
米海兵隊の1個旅団(タラワ支隊)
英陸軍の1個師団(機甲,空中強襲,コマンドー各1個旅団)
陸軍も海兵隊も陸上をクウェートから進撃して,バグダッド包囲です.
やってることは別に変わりませんでした.
あえて言えば,海兵隊は砲兵が牽引砲兵だけど,その分F/A-18やハリアーを自前でもってて,支援してくれるところ(空軍からの支援も別にある),陸軍はブラッドレーが沢山あるところ(海兵隊はアムトラックとLAV-25)なところが装備で違う.
【質問】
軍事評論家は,イラク戦争でのハイテク師団,第4歩兵師団の戦闘を見たかったんじゃないの?
【回答】
まあ,一口に軍事評論家と言っても様々な人がいるわけだが,一例として,神浦氏の第4機械化歩兵師団待望論↓
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3月1日
この第4師団の動きが,開戦時期を探る鍵となっている.
米・中央軍司令部は国連の安保理決議が7日以降になったことで,少しは安心したかもしれない.
この第4師団がトルコに到着して,何時間でイラク国境に集結し,戦闘体制を整えられるかが重要な観測ポイントである.
3月9日
現地の中央軍司令部(米軍)は危険をおかして,北部担当の第4歩兵師団がいないまま,クエート方面からの攻撃を開始するのか.
それとも熱砂の危険を承知しながら,北部の攻撃態勢が整う今月下旬まで我慢の待機を続けるのだろうか.
3月10日
とにかくトルコ沖の米軍第4歩兵師団の動きが重要です.
なにか情報があればこちらに送ってください.
3月23日
ついにトルコ沖に停泊していた米軍の第4歩兵師団を載せた船が動き出した.
トルコからのイラク北部への進攻をあきらめて,ペルシャ湾に向かうことになった.
3月24日
トルコから船で回ってきた第4師団を迎え,南部からの攻撃を開始します.
第4師団は世界最強のハイテク師団です.
このことを忘れないでください.
世界最強にハイテク師団が,新しいタイプの戦争を実験します.
すいません,これからテレビ局に向かいます.
以上のことは非常に重要なので忘れないでください.
3月28日
イラク戦争はアメリカの誤算で,長期化の様相を見せ始めました.
まず第一の誤算は,トルコから第4師団を投入できなかったことです.
北部への空挺部隊1000人の降下は,宣伝の色彩が濃い作戦といえます
3月30日
第3師団や空挺部隊が補給路確保に動き出すが,300キロ〜500キロに延びた補給路を立て直すには,大幅な意識改革に基いた作戦が必要になる.
輸送中継基地の設置,飛行場の建設,各種センサーの設置などである.
これがハイテク化された第4師団なら,防御センサーなどの設置が非常に効率よく行なえるのであるが,第3師団にそれを期待しても無駄だ.
4月3日
第4師団のクエートからの北上を待って,一気にバクダッド北部を制圧する作戦を開始して,バクダッド包囲網を固める次の作戦に移ると分析しています.
4月7日
第4師団のクエートからの北上を待って,一気にバクダッド北部を制圧する作戦を開始して,バクダッド包囲網を固める次の作戦に移ると分析しています.
4月9日
第4師団がクエートからバグダッドに進撃してきます.
アメリカ軍は少し落ち着いて,作戦全般を点検した方がいいのでは.
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軍事板,2003/04/10
青文字:加筆改修部分
【質問】
イラク戦争初期段階における,特殊部隊の活動について教えてください.
【回答】
米英軍の侵攻の情報は入ってますが,彼らの潜入はあんまり報じられてませんね.
http://www.alertnet.org/thenews/newsdesk/SYD37499
に書いてあることを見ると,SASRはSOCCENTの一部に組み入れられていると考えられますねえ.
既に,特殊部隊員の乗ったヘリが落ちたことは知ってられると思いますが,人員が死亡してない方から・・・
イラク南部でMH-53が墜落.
隊員は無事で,ヘリを破壊し回収された.
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/030320/170/3kjxp.html
MH-53の様な大型機と言うことは,RAGER等による重要目標への攻撃だったかも・・・
もう一機はCH-46(1st MEFの所属機)
こっちはクウェートで,米兵12名,英兵4名が死亡.
(隊員に関しては公表されてません)
ニュースに依っては,英米軍の死亡者数が入れ替わってる・・・
http://www.defenselink.mil/news/Mar2003/n03212003_200303206.html
英軍の4名という単位が・・・
その後,修正されて,英兵8名,米兵4名になってますね.(DODでも修正されてるよ)
http://www.defenselink.mil/news/Mar2003/n03212003_200303212.html
FORCE RECONは独自に作戦を行う?
これは,SOCCENTにも組み入れられず,海兵遠征軍の直轄ということかな?
http://www.usatoday.com/news/world/iraq/2003-03-19-recon-usat_x.htm
後は,Al Fawに英海兵隊とSEALが潜入というのヤツくらいか.
SEALが石油リグを制圧したというニュースが入っていますけど,墜落したCH-46は,この作戦に従事してた連中だったらしいですねえ.
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story2&cid=676&ncid=716&e=23&u=/usatoday/20030321/ts_usatoday/4976433
janesによればSASとデルタは,イラク西部で作戦に就いてるって.
西部の飛行場(スカッドの発射基地になってた様だし)を制圧したのは,「彼ら」のようですね.
http://www.janes.com/defence/news/jdw/jdw030321_3_n.shtml
北部の飛行場も特殊部隊が制圧したらしいですし,
(こっちも発射基地だったのかも知れないが)
北部の,油田地帯であるキルクークをさっさと押さえたいのでしょうね.
(トルコ軍も出張ってきてる様だし)
とすれば82は北部に投入されるかも.
熊男 ◆f3i1ZVfXIQ : 軍事板,2003/03/21-03/24
青文字:加筆改修部分
今回のイラク戦争では,3月20日にイギリス海兵隊の水陸両用部隊が,ペルシャ湾の最深部にあるファオ半島と,シャトルアラブ川が交わるイラン国境近くのレッドビーチ
と呼ばれる海岸に,強襲上陸作戦を実施したが,この部隊はフォークランド
紛争でも活躍した英国海兵隊第3コマンド旅団だそうだ.
また,アメリカ陸軍第173空挺旅団がイラク北部クルド人自治区のハリアー飛行場に,夜間パラシュート降下を実施しており,これはベトナム戦争のジャンクションシティ作戦以来の,同空挺旅団のパラシュート降下作戦だった.
ラムズフェルド理論では,相手の意表を突き,相手の戦意を失わせることが,少ない戦費で戦争を行なう上で必要だとしているが,今後も紛争においては,意表を突く空挺作戦や強襲上陸作戦などが行なわれるのだろうか.
軍事板,2003/04/17
青文字:加筆改修部分
【質問】
米特殊部隊,イラク国内に1万人投入…首都制圧支える
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030407-00000113-yom-int
USSOCOMって全部でも4万人ぐらいだと思ったんだけど…
本当に1万人も派遣してるの?
【回答】
イラク国内なら,なんとか1万人位になるんじゃない?
デルタに2個特殊作戦群(あくまで規模ね,他のグループから抽出)
民事・心理作戦大隊(こっちは後方での民事作戦が始まっているから,正規の大隊だけでなく予備役も投入されてると思われる.)
あと,ナイトストーカーズも大隊規模じゃない?(この前の宮殿攻撃で,MH47が居ることは確かだけど)
RANGERも2個大隊は派遣されてるんでない?
512特殊作戦通信大隊,528特殊作戦支援大隊も派遣されてるだろうしねえ.
海軍は,NSWG1+ST8とSBS(派遣艦艇を確認しないとなんともいえないけど)
空軍は,720th STGから各部隊にCCTを派遣.
EC-130が戦争開始前から心理作戦に従事していたのは有名だし,AC-130も特殊部隊の支援をしてるんじゃない?
こんな感じにAFSOCの支援要員も含めば,一万人くらいいくんでない?
まあ,あくまで妄想だが・・・
もしやMEU(SOC)を加えてとか・・・?
熊男 ◆f3i1ZVfXIQ : 軍事板,2003/04/08
青文字:加筆改修部分
【質問】
イラク戦争に200人規模で軍を派遣するポーランドの意図は??
>http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20030325it05.htm
> 港湾都市ウンムカスルでは,イラク側の民兵などが抗戦.
> 人道援助物資の重要な搬入路だけに,米英軍側は24日までにポーランドの特殊部隊を投入し,完全掌握を目指している.
【回答】
アメリカに対する義理だてのため.
ほれ,資料を見ればわかるが,
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/poland/data.html
ポーランドの戦力は20万人.
そのうち11万人が徴兵だ.
徴兵ってのは,練度の面でどしても劣るし.米国軍の足手まといにしかならないでしょう.
そうなると,常備軍の中から選ぶしかない.
さらに軍事的に言って,ポーランド軍は脆弱.
そりゃあ,あんた,ポーランドは周辺にドイツや露西亜と言った列強があるのだから.
その中では,あまり戦力を空にするわけには行かないでしょう.
軍隊ってのは,基本的に如何なる場合も即時に対応出来る必要があるのだから.
だからあまり割り振るわけにはいかない.
そうなると弱小ポーランドにしてみれば,イギリスのように数万規模の軍隊を派遣するのは無理だし,また,そのための装備もない.
そんで二百人派遣したってとこでしょう.
まあ,アメリカにとってみれば,自軍以外は全て脆弱な戦力だ.
共に肩を並べて戦えるだけの練度のある相手は,イギリスや日本ぐらい.
他の国の軍隊は,はっきり言って足手まといだ.
アメリカが欲しいのは,出来るだけ多くの国の支援がある,その環境.
別にポーランドの支援が無くても,自力で充分に対処出来るのだから.
二百人程度でも,送ってくれた方がありがたいと思う.
【反論】
>さらに軍事的に言って,ポーランド軍は脆弱.
>そりゃあ,あんたポーランドは周辺にドイツや露西亜と言った列強が
>あるのだから,その中ではあまり戦力を空にするわけには行かないでしょう.
おいおい.
海外に兵力を割いて本国が手薄になると列強に蚕食されるって,いつの時代だよ.
後半は
>共に肩を並べて戦えるだけの練度のある相手は,イギリスや日本ぐらい.
以外同意.
日本もあやしいよ.
むしろオーストラリアSASなんかの方が共闘に足ると思われ.
軍事板,2003/03/24
青文字:加筆改修部分
同意.
自衛隊は後方任務も含め,地上戦に投入できる戦力じゃないよね.
機甲自転車 : 軍事板,2003/03/25
青文字:加筆改修部分
【質問】
イラク戦争のイラク軍はまともに戦わないうちに逃げてしまったのですか?
【回答】
部隊により様々だったらしいです.
戦記から記憶頼りに,幾つかイラク陸軍部隊との戦闘と思われるのを拾い上げると……
ナジャフ北方で米陸軍第3歩兵師団の師団騎兵大隊が激しい戦闘を経験し,戦車など装甲車両複数を喪失しています.
師団ではこの時救援を繰り出すため,対空砲兵の装甲車両などを投じています.
カルバラ地峡を抜けユーフラテス河に掛かる橋梁を占領し,その先の交差点を守る米軍機甲中隊に,イラク軍1個旅団相当の戦車部隊が夜襲を掛けるも,一方的に撃退されています.
バグダッド南郊で北上してから南方へ探りに出た,米陸軍第3歩兵師団の機甲大隊が,イラク軍の戦車部隊と戦闘,一方的に撃破しています.
バグダッド北部でサンダーランと前後して,やはり第3歩兵師団が戦車を含むイラク軍と運河越しに戦闘.
米軍は突撃破砕射撃を実施して撃退しています.
また,イラク北部では軍団が纏まって降伏していたはず.
これは軍団が瓦解していなかった証拠だと思います.
また開戦初日,BBCの報道記者が同行していた部隊が,イラク国境で一時撃退されたことが報道されていたりします.
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
イラク戦争でイラク軍はコテンパンにやられたんでしょうか?
それとも大した抵抗もしないうちに,蜘蛛の子を散らすように逃げたんですか?
【回答】
まずイラク軍といいますが,陸空海に共和国防衛隊,共和国特別防衛隊,フェダイーン=サダム,バース党民兵
など様々な組織に分かれています.
独裁国家として命令系統はフセインとその親族,腹心が一手に握る形だったとされており,横の調整には欠けていたとされています.
湾岸戦争後は装備の更新どころか充足もままならず極めて苦しい状況にあり,かつ,主敵は米国ではなく,
国内の反乱鎮圧とイランでした.
イラクの共和国防衛隊については2003年の4月頭にカルヴァラ北方でユーフラテス河に掛かる橋梁(objective
peach) を米軍の先鋒が占領したその晩,旅団規模の機甲部隊で反撃した事例が知られています.
装備の優劣はいかんともしがたく,橋梁の先で守っていた大隊か中隊に撃退されてしまっていますが.
また,どの組織がしたとははっきりしないがおそらくバース党民兵はウムカスル,ナシリヤで激烈な抵抗をみせています.
ウムカスルについてはイラクの港湾都市であり,当初予定されていた人道支援物資の運び入れなどの関係で,何度か占領したと宣言してはまた戦闘がぶり返すという状況でした.
ナシリヤについては米海兵隊と激しい戦闘が続き,この最中,A-10がAAV7を誤射していたりしますね.
このほか,カルバラ市街を通過しようとした第三歩兵師団の1個旅団が予想外の抵抗に遭遇し,バグダッド外縁への進出が遅れたりなどもしています.
▼ 河津幸英著『軍事解説 湾岸戦争とイラク戦争』(アリアドネ企画,2003.9)で解説されている具体的な事例をピックアップしてみると
・3月25日からのナジャフにおいて,サダム・フェダーインやバース党アル・クト師団を中心とする3000人規模の民兵部隊が米第3歩兵師団と交戦し,2000人以上の死者を出して壊滅.
・バグダッド周辺には多数の部隊が配置されていた.
北側の共和国親衛隊ハムラビ戦車師団,ネブカドネザル歩兵師団,アドナン機械化師団,
北東のアル・ニダ戦車師団,
南西カルバラのメディナ戦車師団,
クートのバグダッド歩兵師団
に対して,3月28日から米航空部隊が猛攻撃を行い,多数の目標を撃破.
4月に入ってから米第3歩兵師団,第101空挺師団,第1海兵師団が攻撃を開始し,4日には米軍はバグダット突入を果たす.
・バグダッドの市街地戦では,サダム国際空港を中心にイラク軍の守備隊が,12時間に渡る激しい抵抗を行う.
他,多数の民兵が補給線に対する攻撃を行い,多少の損害と遅延を与えたようです.
▲
【質問】
フセイン長男が組織したという「民兵組織」って,国際法上はどういう扱いになるんでしょう?
【回答】
指揮官がいて,公然と武器をもって,軍服着てるんじゃないの?
だとしたら,戦時国際法規を遵守する限り,普通の正規兵扱い.
ただ,どうやら民間人の服装で偽装したりしているみたいだから,つかまったら非合法戦闘員扱いされかねない.
あと,フセイン長男が組織した偽「民兵組織」じゃなくても,アメリカ軍が近づいてきたときに住民が抵抗する場合には,武器を見えるように持っているだけで,つかまったときは戦時捕虜待遇は受けられます.
(ハーグ陸戦法規第2条の群民兵扱い)
名無し法務将校 : 軍事板,2003/03/26
青文字:加筆改修部分
【反論】
>民間人の服装で偽装したりしているみたいだから,
>つかまったら非合法戦闘員扱いされかねない
第一議定書の43条で,軍隊の定義は以下のように規定されているので,民間人の服装を着用しているだけでは,国際法違反にならない可能性があります.
------------
紛争当事国の軍隊は,部下の行動についてその当事国(それが敵国によって承認されていない政府,または当局によって代表されている場合でも)に責任を負う指揮のもとにある,武装されかつ組織されたすべての軍隊,すべての集団,およびすべての部隊から構成される.
これらの軍隊は,とくに,武力紛争に適用される国際法規則の尊重を確保する内部規則制度に服しなければならない.
------------
ただし,44条の3(b)項で,「参加することとなる攻撃の開始に先立つ軍事展開に従事しているときにおいて,敵に目撃されている間」公然武器を携帯していることが,戦闘員としての権利を保つために課せられる義務であることが明記されているため,報道されているように,降伏あるいは保護を求めることを装って近付き,至近距離から攻撃した場合には,重大な国際法違反となる可能性があります.
多分,37条の背信行為の禁止にひっかかるでしょう.
なんだかずいぶん鬱っぽい展開になっていますねえ……….
それがどこまで事実なのかはともかく.
軍事板,2003/03/26
青文字:加筆改修部分
>第一議定書の43条で,軍隊の定義は以下のように規定されているので,民間人の服装を着用しているだけでは,国際法違反にならない可能性があります.
アメリカが追加議定書を批准してないことが,どう影響するかですよね.
基本的には尊重するとは言ってはいますが...
後半については同意です.
名無し法務将校 : 軍事板,2003/03/26
青文字:加筆改修部分
【質問】
「人間の盾」は本当に戦争を止めることができる?
【回答】
イスラム教は殉教の精神が尊ばれる.人間の楯になりに行った人は,キリストが説く博愛の精神でバクダッドに行った.するとこのような行き違いが起こる.イラク政府は人間の楯を,自爆テロに志願した人と同じと誤解したのではないか.
今はイラクもアメリカも軍事の理論で動いている.人間の楯になる人は,ちょっと戦争に対する認識が違いすぎている.
ところで軍事の世界では,人間の楯をどのように破るか,考えたことがありますか.実に簡単に破れます.それは予告爆撃を行なえばいいのです.「0月0日 13時30分 どこどこ地区にある倉庫(民間施設)を爆撃します.危険ですから,その倉庫周辺には近寄らないようにしてください」という,ビラを現地にまく,ラジオで放送する,国際赤十字に通報する,国連で声明を公表する,などの後,正確に予告した時間に倉庫を爆撃して破壊します.それを何度も繰り返すのです.
もしこれで民間人に犠牲がでても,そこに人間の楯を配置したイラク政府が悪いということになります.人間の楯という構想そのものが,非常に残忍な思考に変えることができます.ですから,アメリカ軍は人間の楯にそれほど関心を持っていないと思います.
むしろ怖いのは誤爆です.誤爆されないように,病院などの建物を軍事施設と思われないように,屋根に巨大な赤十字(イスラム教は赤い新月)を描くほうが効果があります.イラク政府は国際世論を味方に着けようとして,アメリカ軍に民間施設を軍事施設として誤認させ,民間人を大量に犠牲にさせる作戦をとる可能性が大です.
イラクのバクダッドに入っている人間の楯の希望者の方に連絡します.お気持ちはわかりますが,非常に危険な状態になっています.できるだけ早くイラクから出た方がいいでしょう.もし脱出する時間がないなら,絶対にバクダッドから離れないようにしてください.それにイラク政府はあなた方を半分はスパイと思っています.不審を招くような行動(スパイと疑われる)は絶対にしないように.日本人はできるだけ集団で行動するようにしてください.
軍事施設や大統領宮殿には近寄らないでください.それからバクダッドの周辺都市(100〜150キロ圏程度)は非常に危険な状態になります.米英軍がバクダッド包囲網を築くためです.周辺都市には絶対に立ち入らないように.市街戦が行なわれたり,生物・化学兵器が使われる可能性があります.
(神浦元彰)
【質問】
実際,戦闘になった場合,砂漠での戦闘だと,イラクにも分があるの? 砂嵐や気温の影響は?
【回答】
そんなものがあるならば,湾岸戦争の時にもっと善戦できてた.
イラク国民の殆どは都市住民であり,補給もまともに来なくなるだろうから,分があるとは言い難い.
一日中砂嵐のカーテンで守られるわけでないだろうから,空爆がしにくい程度,
気温は補給の来ないイラク兵のほうがつらいと思われる.
【質問】
この攻撃はイスラーム過激派へのイスラーム教徒の支持を増やすことになり,かえってテロが増加するのではないか?
【回答】
テロ組織に大量破壊兵器を供給しかねない国が一つ見せしめに消滅させられれば,残りの国は怖くてテロ組織にそんなものを手渡そうとは思わなくなる.
在来型テロは増えるだろうが,NBC兵器等,大量破壊兵器とテロリストとが結びついた大規模テロは防止しやすくなる.
【質問】
今回の戦争で,クルド人達が暴走して独立を計るということは起こり得ますか?
なんか,米軍特殊部隊と共闘しているとも言われていますが.
【回答】
米軍特殊部隊と共闘はないでしょうが,混乱に応じて自らの国を建てようとはするでしょう.
そしてアメリカは周辺諸国とクルデスタンを建国させない約束をしてるでしょう.
同じクルド人自治区を抱えているトルコやイラン,シリアは,そのような動きを潰しにかかることは必至.特にシリアにとって,クルド人地域は大事な油田地帯でもある.
なお,クルド人といっても歴史的経過もあって,一枚岩ではない.
アラビア文字使う地域とアルファベット使う地域,東部方言と西部方言じゃ基礎語彙もまるで違う.
イスラム教徒にゾロアスター教徒,キリスト教徒,都市民に農民…(一部,世界史板より)
【質問】
イラクが生物化学兵器を持っているのなら,なぜ使わないの?
【回答】
持っているとしても,使う可能性は殆どない.
もしこれを使って米軍に同じように化学兵器で報復されたら,米軍よりも化学戦装備の貧弱なイラク軍のほうが,余計に不利になる.
【質問】
イラク戦争の際,米軍は機甲部隊で砂漠を猛進しましたが,その際動けなくなった車両とかはどのくらいあったんでしょう?
戦車って結構壊れやすいものと聞いていたんですが,米軍は砂漠を戦車で横断して平気だったんですか?
【回答】
確かに戦車は壊れやすくて,第4次中東戦争ではイスラエル軍がシナイ半島でエジプト軍を片付けた後に,ゴラン高原近くのシリア軍を迎撃する際,移動中に脱落したイスラエル軍戦車は数知れず.
一方,湾岸戦争時には米軍第3機甲師団は324両のM1A1を,連続して走行させたけど,故障による落伍車は皆無だった.
同じ戦車できちんと整備されていれば,ほぼ同じ信頼性でしょう.
これはアメリカ軍の兵站能力の賜物.
戦車輸送車,補給車両,整備部隊,ガスタービンの信頼性etc
軍事板
青文字:加筆改修部分
【質問】
戦車は燃費が悪いと聞きましたが,満タンで何キロ走れるのでしょうか?
あれだけ長く伸びた戦車の列に補給するのは大変だと思うのですが,補給はどうやるのですか?
【回答】
燃料補給は以前の湾岸戦争と同じで,ヘリがゴム製の補給タンクを空輸します.進撃路に沿って補給ポイントを仮設して行うものです.
戦車の走行距離ですがタービンエンジン搭載戦車は燃料の大食らいで150キロくらいかな.100キロ間隔で補給してると思われます.(HN
"一等自営業")
【質問】
イラク戦争でアメリカ軍かイギリス軍とイラク軍の戦車戦は有りましたか?
【回答】
ありました.
カルバラからバグダッドへユーフラテス川を渡る橋梁であるobjectPeachを守る米軍戦車中隊と,イラク軍の1個旅団規模相当機甲部隊が夜間に戦闘し,イラク側が敗退するなどしています.
確かに航空支援もあり,砲兵の攻撃もあり,かなりイラク側は減耗したのではという見方が根強いですが,それでも敵の橋頭堡に対する逆襲を1度は発起していたわけです.
このほか,公式戦史などを見るとバグダッド機甲襲撃行でバグダッド中心部の大統領宮殿を占領した旅団に対して,戦車を含む夜間逆襲が行われていたなどが記憶に残るところではないでしょうか.
イラク側も命中弾を出しましたが,戦車の性能差は超えられぬ壁だったようです.
ただし,局面局面においては米軍の部隊が一時孤立して危険な状況になり,装甲戦闘車両を複数損失したことなどもあります.
軍事板
T-72@フセイン・イラク軍
【質問】
現在の米軍は火炎放射器を装備しているのでしょうか?
装備しているとしたら,イラク戦で使用されたのでしょうか?
【回答】
火炎放射器は現在では配備されていない.
そういう用途には,焼夷効果のあるテルミット手榴弾を使用する.
テルミット手榴弾は前回の作戦では使用されたが,今回は対人用ではなく対BC兵器用に配置してあった.
軍事板
【質問】
イラク軍の戦闘服は砂漠迷彩でなく,濃い緑系の色をしていますよね.何で,わざわざ目立つ色にしているのでしょうか?黄土色一色の方がまだ目立たないと思いますが.
【回答】
中東というと砂漠地帯というイメージが濃いですが,イラクの砂漠地帯は南部のシリア砂漠とハジャラの部分だけが砂漠になっているだけで,その他は,耕作地,森林,牧草地,湿地帯です.
従って,緑系の服装でも有効だと思われます.(眠い人
◆gQikaJHtf2)
なお,イラク軍は,軍装に関してはかなり雑多だから,一部の部隊は英国のDPMの戦闘服を着てるらしいし,ちょっと前には,リザードパターンの戦闘服も見られた.(熊男 ◆f3i1ZVfXIQ)
【質問】
バスラ包囲戦について教えてください.
【回答】
英軍はウムカスル港をとり,ルメイラ油田を確保し,ファオ半島を制圧しつつ,バスラはぐるっと包囲して特殊部隊を投入し,市中の抵抗勢力の所在を確認し,精密航空攻撃で爆撃,
そして包囲完成後は,部隊を短期間市街に入れて,行動しては引き上げる,
最後に部隊を入れて占領,という感じでやりました.
2週間くらい掛けてたような気がします.
軍事板
青文字:補修・加筆部分
【回答】
トルコは自国民の2割を占めるクルド人による分離独立運動・テロに苦しん
できました. 過去に何度もクルド人テロ勢力掃討のため,イラク領内へ越境攻撃をしてきま
した.
今回の派兵は「クルド難民流入阻止」「クルド勢力によるイラク北部油田掌握
阻止」が狙いと見られています.
19日に「米軍の領空通過は認めるが基地使用,地上部隊駐留は認めない.イ
ラク北部に部隊を派遣する」とエルドアン首相が発言し,20日に国会が承認
しましたが,イラク攻撃においてクルド勢力との連携は必須と考え,クルド愛
国同盟(PUK)とクルド民主党(KDP)を指揮下に組み入れた米国とトル
コとの溝はついに埋まらず,いまやトルコは米英軍にとって「邪魔者」以外の
何者でもない存在となっています.
http://www51.tok2.com/home/okigunnji/(リンク切れ)
また,歴史的に見れば,モースル地域は本来トルコのものであるという認識が,トルコにはあるのかもしれません.同地域は,石油目当てのイギリスによってトルコから毟り取られたも同然だからです.
「トルコは,油田地帯として19世紀末以来,国際的に注目されていたモースル地域を,イギリス支配化のイラクに譲るという大きな譲歩を余儀なくされた.
この地域に対してトルコは,これが「国民誓約ミサーク・ミツリー」の境界内に入るべきことを,ローザンヌ講和会議で主張したが受け入れられなかった.
この問題について,イギリスとトルコの間で1924年以来,さらに交渉が続けられた.
トルコは1924年,25年と相次いで凶作に襲われて,深刻な経営危機に見舞われ,そして25年には,シェイヒ=サイトによる東部アナトリア反乱もあって,共和国体制そのものが危機に直面していた.
その結果,モースル地域で産出された石油収入の10%をトルコに引き渡すこと,東部アナトリアのクルド人やアルメニア人をイギリスが煽動しないことなどを条件に,トルコはモースルをイラクに譲り渡すことに同意した(26年6月5日).
モースル問題での譲歩により,祖国解放運動以来のイギリスとの敵対関係を清算し,むしろこれと友好関係を結ぶことを通じて国際社会に復帰し,それによって国内体制の安定を求めた共和国政府は,1931年4月にケマル=アタチュルクが表明した『内に平和,外に平和』を外交路線の基本政策として,積極的に親善外交を進めた」
(永田雄三 from 「世界現代史11 中東現代史1」山川出版社,'83,P.178-179)
【質問】
補給線が延びたってどう言う事? 輸送車両は戦車より速く走れないんだろうか? 後ろがついて来れないんだったら,戦車はゆっくり走れば良いだろうに.
【回答】
道路を走るスピードは輸送トラック>戦車だが,常に舗装道路を走れるわけではないし,相手も馬鹿じゃないので,「道路」や「橋」といった,移動し易い場所では輸送部隊は襲われ易い.
また輸送部隊は基本的に軽装備(=移動が早い)なので,民兵やゲリラの武装でもある程度勝負できることも標的になり易い理由の一つ.
戦車部隊と一緒に行動すれば,ある程度は安全だが,問題は「補給は毎日,全ての部隊に継続しなければいけない」ということ.だから米軍は最前線の後方に巨大な補給拠点を構築し,そこから各部隊に必要な物資を運ぶ,宅急便やコンビニのような輸送方法を取る(というより,むしろ運輸会社やコンビニの輸送部門が,米軍のロジスティクス理論を応用してる,と言える).
3/29現在,米英軍がナジャフやナシリーヤで激しい戦闘をし,毎日「苦戦」が伝えられているが,逆に言えばこれらの都市が戦略上重要な「補給拠点」であることを意味している.
特にナシリーヤはバスラ占領が遅れている現在,バグダットへ向かう複数の主要幹線道路が合流する交差点なので,双方が熾烈に奪い合っている.
また,輸送車自体の補給も必要.
大規模な補給を車両主体で行う場合,普通のトラックでは輸送量は3〜10t程度.
トラック自体の燃料,予備部品,タイヤが必要になる.
長距離を移動する場合,トラック自体の輸送物資が多くなり,それを防ぐには,輸送路の途中途中に補給・整備拠点が必要になる.
補給・整備拠点を多く設ければ,そこ自体の守備隊も必要となり,拠点の維持のためにより多くの補給物資も必要となり,そのためのトラックも……と,大軍を維持するためには色々と大変.
最高なのは,船舶を利用した補給
次善が鉄道による補給
その次が車両補給
最悪なのが航空補給(コストと輸送量)
車両による補給は,船舶による補給より効率が100倍悪いと言われる(港〜港の場合)
【質問】
補給の量は,運搬できる量にも関係するでしょうが,やはり後方の拠点で計画的に決めてたりするんですか? 補給の計画が狂ったりすると,どうするんでしょう?
【回答】
補給は,運搬できる量は,戦線の部隊の大きさや装備に応じて決めますから,物資の量は米国本国で計算されます.
米本国からでは距離が遠く,日数の掛かる物資は,海外の米軍基地に集積された物資を輸送します.インド洋のディエゴガルシア島の米軍基地に,事前集積艦と言う輸送艦が多数待機しており,即時に部隊や物資の展開ができる様24時間待機しています.
また補給計画が狂っても戦闘できるよう,前線部隊で数日分のストックも持って行動しています.
【質問】
輸送機用の臨時の飛行場を工兵が作っているそうですが,それってどんなものなんですか?
輸送機とかって重そうだから臨時で作るような飛行場じゃあ,離着陸つらそうだとか思うんですけど.
もしかして本格的な滑走路も作れちゃうんでしょうか?
トレーラー?(デカイ円筒形のやつで地面ならすやつ)を米軍が使ってる報道があったんです.
で,米軍兵士が「ここは地盤が緩いからダメだ」とか応えてたんですが.
【回答】
余裕で本格的な滑走路を作れます.ていうか日本はそれで戦争に負けました.
また,今時の輸送機は未舗装の滑走路でも離着陸する能力があるので,基本的に平らに均して踏み固めればOKです.地盤が弱い場合は凝固剤でも注入するのではないかと(←この辺は土木工学に強い人に聞いて下さい).
輸送機に限らず戦闘機でも,未舗装滑走路で運用可能な機体は,この簡易飛行場から出撃できます(A-10など).
もっとも,舗装滑走路ぐらい米軍工兵にとっては朝飯前です.
とはいえ,大型輸送機がまとまって物資を空輸するには地上の駐機スペースや物資の集積場などが必要になるので,滑走路だけしかない簡易飛行場では,本格的な空輸はできません.
その点は,やはり制圧した空港を使うのが一番.
【質問】
イラクで米兵がAKを使っているようですが,あれは何故ですか?
【回答】
イラクでアメリカ兵がAK使っているのは,弾やクリーニングキットや交換部品がきちんと手に入り――AKはAKそのもの(と弾薬)がやたら出回ってて入手が容易――,一通りの操作はどんな兵士でもできるから,というのが大きいかと.
あと,実際は戦場での鹵獲というより,旧イラク軍の在庫からの米軍内横流し――きちんと保管されていたので人気がある――や,武装勢力からの押収品の横流し.
自分が射殺した敵の銃を,というマニアックな人も,ごく一部いる.
ただ名目上は,本国の家族から送ってもらった/仲間が本国の家族から送ってもらったのを譲り受けた,ということで私物扱いになっているかと.
いわゆる「員数外」.
中にはイラク戦争初期にイラクにいった兵士が,故郷への土産にAK持ってかえって,それをその後出征した兵士の家族が頼み込んで譲ってもらい,再びイラクに戻ったAKがあるとか.
まあ,どんどん侵攻してるときには,そんなことするヒマは米軍にはなかった.
いろいろ遊ぶヒマができた場合,特にAKみたいに,自軍の装備に現場で必要とされる性能がなく,しかも簡単に入手できる場合には,使われることもあるって事.
一般的な話をするなら,現代の正面戦争であれば,たまたま同じ武器を使っているのでない限り,そしてその武器が切実に不足しているのでない限り,敵の武器をわざわざ使うことはない.
つまり,少数の例外を除いては敵の武器を使うことはない.
【質問】
水はどうやって調達しているのですか?
燃料も調達しなければいけない事ですし,補給ラインで調達するのは結構きついのでは?
【回答】
補給部隊が大型の浄水装置を積んだ車両を使って,各拠点で真水を作ってタンクに貯めてます.
イラクの国土は西側は砂漠地帯ですが,東側(米英軍の進路)はティグリス川・ユーフラテス川が入り組んだ肥沃な土地で,沼や湖,小川もたくさん点在していますから,水源は豊富です.
そのようにして作った飲料水を,タンクローリーで各方面に運ぶわけです.
港の近くにいる,海兵隊の事前集積船に積まれた大型海水精製装置で作った水を,パイプで陸のタンクに送って貯蔵し,同じように陸送することも可能です.
【珍説】
敗戦直後の日本の子供たちが進駐軍のジープを追いかけてチョコレートをねだったことに表されるように,アメリカ軍というのは豊かさの象徴だった.だが今回のイラク戦争では,それと全く逆のことが起きている.
イラク駐留米軍の兵士をしているメアリー・ヤハネ(Mary Yahne)が,アメリカ・ワシントン州の実家の母親に送ったメールで,米軍兵士たちが50度以上の酷暑の中,1日に1.5リットルのボトル2本の水しか与えられず,3月末の開戦から5カ月間,ほとんど携帯用の軍用食(何カ月も持つように作られたアルミパック入りの食事)だけを食べて生きていることを明らかにしている.
ヤハネは「私たち兵士がここにいる理由は何もない.石油(利権)を守るということだけです」と書いたうえ,現場の兵士には,シャンプーやお菓子などがほとんどないので,ぜひ地域の人々に呼びかけて,それらの日用品を地元出身のイラク駐留兵士に送ってほしい,と母親にあてて書いている.
娘からのこうしたメールを受け取った母親は,それまでイラク戦争を支持していたのが急速に反戦へと考え方を変え,地元シアトルの放送局「KIRO」にこの話を明らかにしたことで,広く伝えられるに至った.50年前,占領地の子供たちにスナック菓子を与えていたアメリカ兵は,今や自分たち自身が何カ月もスナックを食べられない状態に置かれている.(関連記事)
水が足りないのでひどい熱射病になり,死んでしまった兵士もいる.米陸軍のマニュアルに従えば,イラクの現状で各兵士に必要な水の量は1日3ガロン(約10リットル)である.兵士たちは,その3分の1の水しか与えられていない.(関連記事)
〔略〕
【事実】
補給体制全般については
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Sirius/6597/transcom.html
を参照.
また,何ヶ月か前の「軍事研究」で特集してたよな記憶も.
で,件の補給途絶については
・局地的に不足が有った部隊にマスコミ報道が集中したり,
・「水の補給に苦しむ余り川の水を汲んでいる」と報道された部隊が,実際のところ専用の揚水車で大規模に水を汲み上げていたり
と,報道の問題が多い(まあ,戦地だからしゃあないけど).
フセイン軍との交戦中に報道された「水不足」に至っては,一部には米軍が意図的に報道をミスリードさせたとの見方も有るくらい(確たる証拠は全く無いが)で,国防総省的には全般的に大成功との評価.
てか,あの規模の部隊の補給を見て,とやかくいえるほどの補給体制を持つ軍はいないしね.(軍事板)
田中宇氏の「10リットル必要説」の根拠は(関連記事)として氏がリンクを貼っているMercurynewsからの引用だが,これには
>Yet, according to the U.S. Army’s own manuals, some troops toiling
>in such weather may need up to three gallons of water a day to stay healthy.
と書いてある.これは別に必要最低量を示すものではない.
ちなみにアメリカ陸軍の規定では,兵士1人1日あたりに必要な飲料水の量は,気候条件に応じて0.5ガロン〜1ガロン(1.9L〜3.8L)の範囲内とされている.勿論これは最低範囲だから,多過ぎて困るというわけではないが.
人間が生命維持に必要な水分は1日2リットルだから,飲料用に1.5Lペットボトル2本の計3リットル,別におかしな話でもない.
「イラクで兵士1人あたり1日に必要な水」が10リットルというのは多過ぎ.飲料水以外の数値も含んでいるのではないかと思われる.
【質問】
「自爆攻撃」ってジュネーブ条約に照らし合わせると,やはり違反行為?
【回答】
自爆攻撃はともかく,兵士が民間人の格好をして戦闘をするのは明確なる違反行為.自爆攻撃は民間人の格好をして行うわけであって.
====
「陸戦ノ法規ニ関スル条約」(ハーグ条約,日本は明治四十四年に批准)の付属書「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」の第一章「交戦者ノ資格」の第一条において,
[民兵ト義勇兵]に対して四つの条件
(1)指揮者の存在
(2)認識徽章の着用
(3)公然兵器の携帯
(4)戦争法規慣例の遵守
を具備する場合に,「交戦者ノ資格」を与えている.
更に第二条において,[群民兵]として「占領セラレザル地方ノ人民ニシテ,敵ノ接近スルニ当リ,第一条ニ依リテ編成ヲ為スノ遑ナク,侵入軍隊ニ抗敵スル為自ラ兵器ヲ操ル者ガ公然兵器ヲ携帯シ,且戦争ノ法規慣例ヲ遵守スルトキハ,之ヲ交戦者ト認ム」とある.
野坂昭如氏や福岡政行氏の「私たちだって武器をとって戦いますよ」というのは,まさに上記第一条の[民兵,義勇兵]乃至第二条の[群民兵]に相当する戦闘行為である.四つあるいは二つの条件を具備することにより,国際法上適法に「交戦者ノ資格」を得て,戦うことができる.
潮氏の言うように「一民間人に過ぎない彼らが戦闘行為を行うことは,明白な国際法違反であり,法的にはテロリストの自爆攻撃と変わることはない」というのは,国際法上誤りであり,かつ敵の侵略に対して生命を犠牲にして国家を守ろうとする,民間の愛国心を否定するものである.
====
侵略軍に対して土着の住民達が公然と武器を携行して戦えば,例え民間人と言えどそれはテロ行為ではありません.
解釈次第では公然と手榴弾なり爆発物(自爆ベスト)などを着用して米兵に突っ込んでいって自爆しても,その様な自爆攻撃もテロでも違法でもない事になります.
問題は,外見は非武装の民間人を装い保護を求めて近づき,自爆攻撃をしかけた場合などだと思います.
ちなみに,戦時における文民の保護に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(第四条約)
http://www.jda.go.jp/j/library/treaty/geneva/geneva4.htm
によれば,
第三十二条〔肉体罰禁止〕 締約国は,特に,その権力内にある被保護者に肉体的苦痛を与え,又はそれらの者をみな殺しにするような性質の措置を執ることを禁止することに同意する.
この禁止は,被保護者の殺害,拷問,肉体に加える罰,身体の切断及びそれらの者の医療上必要でない医学的又は科学的実験に適用されるばかりでなく,文民機関によって行われると軍事機関によって行われるとを問わず,その他の残虐な措置にも適用される.
第三十三条〔集団罰禁止〕 被保護者は,自己が行わない違反行為のために罰せられることはない.
集団に科する罰及びすべての脅迫又は恐かつによる措置は,禁止する.
A 掠奪は,禁止する.
B 被保護者及びその財産に対する報復は,禁止する.
第三十四条〔人質〕 人質は,禁止する.
これらによって禁止される行為によって自爆テロなどを「強要する」のは,「紛争当事国」として文民の保護の観点に欠けるものと思われます.
【質問】
この写真の判定おねがいします.
「イラク戦争中に,英兵が捕虜にしたイラク兵に対し,猥褻行為を強要したうえ,写真に撮っていたことが2日までに分かった.サンなど英各紙が報じ,大問題に発展している」
http://news.msn.co.jp/articles/snews.asp?w=486409
証拠写真?
http://great.mailux.com/file_view.php?id=UP3ED8A2CF369FF
http://great.mailux.com/file_view.php?id=UP3ED8A2BE53ED3
http://great.mailux.com/file_view.php?id=UP3ED8A26457AC4
【回答】
明らかに偽造.というよりなんか別のポルノからの転載だろ.
まず服装がイギリス軍じゃない.アメリカ軍のウッドランドパターンの迷彩服.
仮にアメリカ兵だとして,イラクには着ていっていないものだ.
同じガラの服を着ているように見えるシーンもあったが,本物はケミカルスーツといって,対毒ガス用の,素材や形状が違う服.
服の着方もおかしい.
米軍正規の着方じゃない.
靴も普通の革靴だ.
あり得ない服装.
ちなみにイギリスで,「ソースがサン」って言ったら大笑いされるよ.
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